主翼にも乗客を載せて燃費を20%向上するジェット機をKLMオランダ航空などが開発中

空の旅は温室効果ガスなど汚染物質総排出量の相当大きな部分を占め、しかも旅客数はここ数十年着実に増えている。航空機からの排出量は2020年以降も大きく増える、と予想されている。電動旅客機が開発途上だが、今の主役であるジェット旅客機を近日中に置換することはありそうもない。そこで、従来型燃料を使う航空機の新しいタイプが今、KLMオランダ航空の支援で研究開発されている。

CNNの報道によると、その新しい航空機の設計はデザイナーのJustus Benadが着想し、オランダのデルフト工科大学の研究者たちが実現のために取り組んでいる。その航空機は、外観がまず独特で(上図)、これまでの筒型の胴体スタイルを捨てて、1/4サイズにカットしたピザのような形、胴体が飛行機の主翼にまで延びたような形をしている。

この、すごく膨らんだ中心部分に旅客と燃料と荷物が乗る。そしてこの荷重分散により、航空機の全体的な空気力学が改善され、構成次第ではほぼ同数の旅客を乗せることのできるAirbus A350に比べて燃費は20%以上良くなる。

20%の燃料節約は大したことない、と思われるかもしれないが、年月とともに数が増えれば、相当な節約量になる。電動航空機など、そのほかの代替航空機への移行が遅れれば、なおさらだ。ただし、今のスケジュールでは実用展開の開始は2040年から2050年にかけて、と言われている。残念ながらそれは、明日ではない。

今主流のジェット旅客機でも、その昔、実用導入までのテストは年月を要するたいへんな仕事だっただろう。でも今回の良いニュースは、スケールモデルによる屋外テスト飛行は年内にも行われる、ということだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

空飛ぶタクシーのLilium、AudiとAirbusの元幹部を招聘

未来的な空飛ぶタクシーサービスのための垂直離着陸機を開発するLiliumは、AirbusAudiから大物の元幹部を招き入れ、テクノロジーを向上し市場にサービスを提供する準備を進めている。

Mirko Reuterは、Audiで自動運転の責任者を務めていた人物で、無人飛行の責任者として取締役に就任する。Jakob Waeschenbachは元Airbusの機器組立責任者、Rochus Moenterは元Airbusの財務・投資部門担当副社長で、それぞれ飛行機組み立て責任者、および法律顧問・法務責任者としてLiliumに加わる。

Liliumは2015年にDaniel Wiegand、Sebastian Born、Patrick Nathen、およびMatthias Meinerによって共同設立され、そのビジョンは独自の垂直離着陸機のネットワークを構築することで航空移動のコストを削減し、パリからロンドンまで乗客を1時間以内に運ぶことにある。

Audiで長年自動運転の長を務めたReuterは、無人航空機システムに必要なプロセスと技術の開発を受け持つと同社は声明で述べた。

「私は、社会のあらゆる分野で広く使われる効果的で利用しやすい輸送を可能にする革新的サービスを開発する、という当社のミッションに全力を注いでいる。Liliumは新しい革命的な輸送手段を開発しており、その一端を担えることを非常に嬉しく思っている」とReuterが声明で語った。

Liliumは2019年に最初の機体を送り出す準備を整えるなか、経営チームを強化していると記事は伝えている。2017年、同社は9000万ドルの新たな資金調達を行い Tencent、国際民間銀行資産管理グループの LGTAtomico、Skype共同ファウンダーのNiklas Zennströmが設立したLiliumのSeries A支援者、およびTwitterのEv Williamsが共同設立した初期ステージVCファンドのObvious Venturesらが出資した。

こうした投資や有力幹部の入社は、益々競争の激しくなるこの業界でLiliumのビジネスに信用を与える(そう、空飛ぶタクシー業界は競争が激しい)。

ドイツの自動車メーカーDaimlerは、Volocopterを支援する投資家コンソーシアムに参加して約2850万ドルを出資し、配車サービスのUberはブラジルのEmbraerやスロベニアのPipistrelと組んで、独自の空飛ぶタクシーを開発している。実は飛行機メーカーのAirbusも、独自の無人空飛ぶタクシーVahanaを開発中で、数年のうちに市場に出したいと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook