マイクロソフトがAirtable風ToDoアプリListsをMicrosoft 365向けに発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間5月19日、Microsoft 365ユーザー向けの新しい「スマートトラッキングアプリ」であるListsを発表した。これは新たなToDoリスト管理アプリのようにも見えるが、マイクロソフトには既にMicrosoft To Doがある。その上、なぜListsが必要なのか疑問に思われるだろう。しかしListsは、基本的なToDoアプリをはるかに超えるもののようだ。実際のところListsは、むしろAirtableと競合するものであり、そこに当然ながらマイクロソフトの他のアプリとの統合機能が追加されたものとなる。

マイクロソフトの説明によると、Listsは「課題、アセット、ルーティーン、連絡先、目録などを追跡するもので、カスタマイズ可能なビュー、スマートルール、アラートを使ってメンバー全員と同期する」ためのツールだという。Microsoft TeamsやSharePoint、その他のマイクロソフト製品とも密接に統合される。2020年夏にまずウェブ上でリリースされ、モバイルアプリも2020年後半にリリース予定となっている。

マイクロソフトがこれまでに明らかにした範囲では、Listsには何種類ものテンプレートが用意されている。例えばチームの連絡先、イベントのための旅程、出張の承認、新人研修のチェックリストといったものだ。

このようなテンプレートのリストからわかるように、マイクロソフトはこのサービスを柔軟なものに保つことに注力しているように見える。それによって多くのユースケースに対応できる。その点では、Trelloのようなサービスを思い起こさせる。実際のところ、Listsのモバイルアプリは、Trelloのものにかなり似ている。

こうしたすべてのユースケースを有効にするために、Listsはリストを視覚化するためのさまざまな方法を用意している。現時点ではグリッド、ギャラリー、カレンダーという3種類のビューがある。標準のビューは「グリッド」で、ちょっとAirtableに似ていると感じる人もいるだろう。「カレンダー」ビューは、名前でだいたいわかるだろう。「ギャラリー」ビューは、視覚的な内容に適したもの。またListsは、柔軟性を何よりも重視しており、カスタムビューを自分で作成することもできる。

Airtableと違いListsにはKanbanビューや、カスタムフォームを利用してデータを入力するような機能は備わっていないようだ。

Listsのもう1つの重要な機能は、ルールを作成するためのシステムにある。「アウトプットが決まったら、if/thenの手順をクリックしていってルールを展開します」と発表資料にも書かれている。「人、ステータス、値の変化を選択して通知を送信したり、リストの中の別の場所にある値を、プログラムによって更新したりできます。最後にルールを指定してリマインダーを設定し、チームのメンバー全員に常に情報を提供します」。

現在のマイクロソフトのツールは、結局のところはMicrosoft Teamsにつながるものとなっている。当然ながらこのListsも、Temasに統合されるものになると同社は強調している。この点では、同社のコミュニケーションプラットフォームに属する他のアプリと同様だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

経験豊富なポッドキャスターに愛用機材やワークフローを聞く

ポッドキャストのいいところは誰でもすぐに始められることだ。ポッドキャストを作るのは見るのと同じくらい簡単だ。こういうメディアは他にないだろう。しかも複数の人間がまったく同じポッドキャストをすることはありえない。NPRの完備したスタジオからUSBスティクとSkypeという手軽なセットアップまでやり方は無数にある。2020年3月TechCrunchに「家に閉じこもる今、ポッドキャストを始めるためのヒント」という記事を書き、これまで使ってきた各種のハード、ソフトについて紹介した。

最近、私のポッドキャストに作家、ジャーナリスト、ポッドキャスターのSarah Enni(サラ・エンニ)氏がリモートインタビューで登場し、ポッドキャストを始めた経緯やセットアップについて詳しく語ってくれた。

エンニ氏も(私同様)、新型コロアウイルス(COVID-19)の流行で「直接に会って話す」というアプローチを修正せざるを得なかったという。エンニ氏のFirst Draftは著名な作家、アーティストにインタビューするポッドキャストだ。最近、 アメリカで本が出版されるまでのステップを詳しく紹介するTrack Changesというミニシリーズをスピンオフさせている。

以下はエンニ氏のインタビューをまとめたものだ。

2014年に私(サラ・エンニ)はワシントンD.C.で司法関係を扱う記者をしながら著作家を目指していた。NPRのスター司法記者であるNina Totenberg(ニーナ・トテンバーグ)のような存在になりたいと願っていたわけだ。これがきっかけで私は「First Draft」(第1稿)というポッドキャストを始めた。

司法記者として大勢の上院議員や弁護士に取材してきたが、そのとき使っていたのは小さいICレコーダーだったので、ポッドキャストとなればもっとまともな音質でしかもポータブルなマイクと録音装置が必要になった。

まずZoom H2n ハンディーレコーダーを選んだ。これはステレオでもサラウンドでも収録できる小型マイクで、ポッドキャストを始めて最初の2年はこのマイクを三脚に載せて著作家のインタビューに使った。Zoomは手頃な価格だが優れた音質で持ち運びにも適しており、コンパクサイズで相手と顔を合わせてインタビューするときに最適だった。First Draftは作家、著作家に対するロングインタビューがテーマで、「直かに会って話す」のは打ち解けた空気を作り、相手の本音を引き出すために必須と考えた。

収録データは外部ハードディスクにバックアップし、GarageBandで編集した。ヘッドホンはSony MDR-7506 を使い、LibSynでインターネットにアップした。

3年ほど前にポッドキャストをリニューアルしようと決心した。Hayley Hershman(ヘイリー・ハーシュマン)氏にプロデューサーをお願いした。ハーシュマン氏はオンデマンド契約のプロデューサーでセットアップにも詳しく、新しいシステムを紹介してくれた。Zoom H2nをZoom H6にアップグレードし、カーディオイド型コンデンサーマイクのShure BETA 87Aを併用することにした。

携帯についてはTimbuk2のドップキットバッグを購入し、 ポータブルスタジオとして使うことにした(下のGIF画像参照)。これらをGoRuck GR1に詰めて運んでいる。ちなみにGoRuckとはとても相性がいい。他のバックパックではてきめんに肩、腰を傷めてしまう。なおインタビューのときには必ず質問事項を事前にまとめて用意して行く。手書きのほうがゲストをリラックスさせるのに良いようだ。

インタビューはZoom H6nで収録し、オーディオファイルをAirTableにアップロードする。AirTableは私のチームが制作プロセスの管理に使っているスプレッドシートとデータベースを統合したツールだ。ポッドキャストを始めてからの5年間で発見した中で最高のツールだと思う。AirTableは私のポッドキャストのワークフローを全面的に変えた。インタビューと付随するボイスオーバーのオーディファイルと編集指示のテキストをまとめてAirTableにアップしてしまう。

プロデューサーはその通知を受けるオーディオブック制作ツールのHindenburgで編集する。各回のエピソードが完成するとプロデューサーはLibSynにドラフトとしてアップする。私はエピソードをチェックした上でLibSynとSquareSpaceを使って私のウェブサイトで公開するという手順だ。その後でさらに文字起こしツールのTemiにアップロードしてテキスト化する。

パンデミック以前の245本のポッドキャストはすべて相手に直接に会ってインタビューしていた。しかし新型コロナウイルスの感染が問題となり始めたため、パンデミックに進展する前からZoomやSkypeを使い始めた。インタビューを依頼し、日程を決めるときにUSBマイクやスマートフォンのボイスメモアプリを使ってリモートで会話を録音にしてもらうよう依頼した。するとプロデューサーはこうしたファイルをつなぎ合わせ、ブラッシュアップしてゲストと私があたかも対面して会話しているような雰囲気を作ってくれるわけだ。

現在、私はTrack Changesという米国の書籍出版の内幕を紹介するミニシリーズを製作している。機材や仕事のワークフローは上で紹介したとおりだ。新型コロナウイルスのために直接インタビューすることができなくってしまったことを別にすれば、プロデューサーとのコミュニケーションにはAirTableを使っており、ハードウェアもそれ以前と同じだ。しかし新シリーズの編集作業のためにGoogleドキュメントでのファイル共有や電話打ち合わせの回数は増えているかもしれない。

5年間インタビューのポッドキャスティングを続けてきたわけだが、新シリーズでは1つのストーリーに沿ったノンフィクションの制作に挑戦している。困難は多々あるが、こうした新しい試みに没頭できることをたいへん幸運だと考えている。

以上がサラ・エンニ氏へのインタビューとなる。また、著名なポッドキャスターにワークフローや使っているハード、ソフトについてインタビューしてきたので参考にしていただきたい。

RiYL remote podcasting edition
Family Ghosts’ Sam Dingman
I’m Listening’s Anita Flores
Broken Record’s Justin Richmond
Criminal/This Is Love’s Lauren Spohrer
Jeffrey Cranor of Welcome to Night Vale
Jesse Thorn of Bullseye
Ben Lindbergh of Effectively Wild
My own podcast, RiYL

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

スプレッドシート+データベースを簡易化したAirtableがAPIと埋め込み機能をローンチ

airtable

2か月前に個人や企業がデータを組織化する(まとめる, organizeする)ためのユニークなツールをローンチしたAirtableが、その、スプレッドシートとデータベースのハイブリッドのようなものを便利にシェアできるための、新しい二つの機能を発表した。

このアプリの中で作った関係データベースのリード/ライトアクセスをシェアできるだけでなく、今日からはこのアプリの強力なAPIを使ってデータから画像を起こし、その情報をアプリケーションやWebサイトにシームレスに埋め込める。また、お絵かきの才能のない人は、データそのものをYouTubeビデオなどと同じように埋め込んで共有できる。

Airtableのアプリは、人びとがよくExcelに詰め込む、計算を伴わないデータを、便利に扱えるようにしてくれる。たとえばイベントに参加する人のリストを作るとか、プロジェクトの必要資材の入手先のリンク集とか、地域のお気に入りレストランの分類表(中華は〜、定食屋は〜、〜)、などなど。

Airtableは任意のテキストや数値を行や列に簡単に記入できるだけでなく、楽屋裏で関係データベースを使ってそれらのデータを管理するので、それらのデータ間の論理的な関係を企業目的などのために、より有効に利用することもできる。

たとえば営業チームがこのアプリを共用すると、古臭いCRMの古臭いデザインに縛られることなく、もっと簡単に個々の見込み客の進捗を記録管理できる。またプロダクションやスタジオなどでは、一つのページの上で全員のスケジュール管理ができ、また、制作スタッフとキャストと小道具と各シーンなどの複数のリストを論理的に正しく結び付けられる。

先日本誌TechCrunchのオフィスにやってきたAirtableの協同ファウンダHowie Liuは、このアプリを個人的に使っているところを見せてくれた。その使い方は映画のプロダクションなどに似ていて、たとえばキャンプ旅行の企画では、参加する人びと、それぞれがどの車に乗るか、必要な物をだれだれが持ってくるか、などのデータを記録し管理している。

Liuはそのキャンプ旅行の例で、今回の新しいデータ埋め込み機能をデモした。用品などのリストはその特定の旅行のために作るのだが、でも今後のそのほかのアウトドア的状況でも利用できる。だからそのリストは、ブログ上で友だちへのリコメンデーションとして使えるだろう。そのためにはAirtableを開き、埋め込み用のインタフェイスを出し、必要なデータを切り取り、それを埋め込むためのコードは30秒弱でできあがる。

Airtableは、まず個人で使ってみて会社でも使うようになる、とか、あるいはその逆を期待している。同社はプロモーションのために、ユーザたちのおもしろいユースケースを募集している。とても便利そうなのが見つかったら、そのテンプレートを一般ユーザに提供するつもりだ。

Liuは、テンプレートが増えれば将来的にはアプリストアのような形でそれらを提供できる、と考えている。その場合は、とくにAirtableが介入しなくても、パワーユーザたちの活用例がほかのサービスにも統合されていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa