「アレクサ、ガソリン代払って」コマンドが米国の1万カ所以上のGSで利用可能に

車にガソリンを入れるのは、それほど難しいことではない。しかしAmazon(アマゾン)は、ボイスコマンドを利用することで、それがもっと簡単になると考えている。ガソリンスタンドの計量器の横に車を止めたら、「アレクサ、ガソリン代払って」と言えばいいのだ。米国時間の1月7日、Amazonは、ExxonMobil(エクソンモービル)、Fiserv(ファイサーブ)と連名で、音声指示によるガソリン給油について発表した。今年の後半には、米国の1万1500以上のExxon(エクソン)とモービル(Mobile)のガソリンスタンドで利用可能になる。

Amazonによると、Alexa(アレクサ)を利用してガソリン代を支払う機能は、まずはAlexa対応の車、Echo AutoやAlexa対応のモバイルデバイスを持っている顧客から利用可能になるという。

顧客は計量器の横に着いたら「アレクサ、ガソリン代払って」と言うだけで使い始めることができる。するとAlexaは、ガソリンスタンドの位置と計量器の番号を確認する。

支払い自体は、Amazon Payを使って処理される。その支払情報も、顧客の通常のAmazonアカウントに保存される。Fiservの電子商取引の技術によって、ガソリンの計量器を稼働させ、安全な支払いが実行されるよう、トークンの生成も円滑に進行する。

このような、Alexaを利用した給油体験が、支払カードを計量器に直接セットするより、大幅に早くて簡単かどうかは定かではない。どちらかと言うと、ちょっと回りくどいような感じもする。しかし、これは便利だと感じる人もいるだろう。計量器が認証されて給油可能になるまで、車の外で処理の進行を待つ代わり、車の中に居ることができるのだから。

特に寒い冬の日には、ありがたいものに感じられるかもしれない。また、女性など、計量器の横に一人でいるのが心配だという人には歓迎されるだろう。夜間やよく知らない場所など、安心できないような状況でガソリンを入れる場合には特にそうかもしれない。

「私たちは、ガソリンスタンドに新しいテクノロジーと、素晴らしい体験をもたらすことにワクワクしています」と、エクソンモービルの米国燃料マーケティングマネージャーであるEric Carmichael(エリック・カーマイケル)氏は声明で述べた。「私たちは、消費者をあっと言わせるような、使いやすさと安全性を両立させるテクノロジーを開発し、探求してまいります」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

「Amazon Pay」がQRコード決済参入で戦国時代に突入か。NIPPON PAYとタッグを組み、狙うは小規模店舗

eng-logo-2015アマゾンジャパン(Amazon.co.jp)は本日(2018年8月29日)、同社の決済サービス「Amazon Pay」において、QRコードを用いた実店舗での決済対応開始を発表しました。

LINEの「LINE Pay」、NTTドコモの「d払い」、ソフトバンクとYahoo!の「PayPay」など、有名企業の新規参入が相次ぎ、注目を集めているQRコード決済。”黒船”となるAmazon Payは、「利便性」と「決済手数料0%」を武器に激戦の市場へ切り込みます。

Amazon PayのQRコード決済は、全国の数十店舗の小売店からスタート。小売店向けサービスを手がける「NIPPON PAY」の加盟店から、順次拡大していく見込みです。

AmazonショッピングアプリでQRコードを表示

「Amazon Pay」は、Amazonアカウントに登録された支払い情報を利用する決済サービスです。これまでは、Amazon以外のショッピングサイトやWebサービスの決済手段として提供されてきました。

今回発表されたAmazon PayでのQRコード決済は、Amazonアカウントの支払い情報を使って、実店舗での支払いができるというもの。アプリでQRコードを表示して、店舗側の端末に読み込ませると支払いが完了します。

最大の売りはAmazonらしく「購入の手間を省く」という点。支払い用のQRコードは、Amazon公式の「Amazonショッピングアプリ」から表示できます。

(すでにAmazonをヘビーに使っている人であれば)余計なアプリの追加も、面倒な支払い情報の設定をする必要もなく、街中でのキャッシュレス決済ができるようになります。

決済はAmazonアカウントに登録したクレジットカードの情報を用いて行われます。Amazonアカウントに登録できるものであれば、デビットカードなども利用可能ですが、Amazonポイントは利用不可。決済履歴はAmazonのサービス上で確認できるほか、決済時にプッシュ通知が届くとのことです。

決済用のタブレット端末で金額を入力後、購入者のQRコードを読み取れば決済完了

NIPPON PAYとタッグ、狙いは小規模店舗

Amazon Payの加盟店向けサービスを提供するのは、NIPPON PAYというベンチャー企業。同社はタブレット端末を活用した小売り店舗向けサービスを手がけています。

アマゾンジャパン Amazon Pay 事業本部 本部長の井野川拓也氏(左)と、NIPPON PAY 代表取締役社長兼CEOの高木純氏

決済用端末となるNIPPON PAYのタブレットは、店舗向けに無料でレンタルされます。決済サービスや免税手続きのサポート、通訳といったサービスがこのタブレットで利用可能となっています。

決済手段では、各種クレジットカードブランドのほか、WeChat Payを初めとした中国の3大QRコード決済、NTTドコモの「d払い」、メタップスの「Pring」といったQR決済サービスに対応しており、「Amazon Pay」のQRコード決済が今回このラインナップに加わる形です。

NIPPON PAYが加盟店に無料でレンタル提供している決済用タブレット「NIPPON Tablet」(右)

加盟店は「NIPPON Tablet」を使い、キャッシュレス決済やインバウンド向けサービスなどの提供が可能となります

QRコード決済においては新参となるAmazon Payですが、「決済手数料0%」キャンペーンで導入拡大を狙います。このキャンペーンは2020年末まで加盟店の決済手数料が無料となるというものです。

このキャンペーンでは、本来加盟店が支払う必要があるAmazon Payの決済手数料(決済金額の3.5%)を、NIPPON PAYが肩代わりして負担する形で実施。NIPPON PAYにとっては、「Amazon Pay」を目玉サービスとして、加盟店の導入を促し、その他のサービスで収益を得る狙いがあります。

NIPPON PAYが狙うのは、未だに現金決済にしか対応していない、POSレジ未導入の個人商店。タブレットの無料レンタルを強みとして、全国120万店舗以上あるとされる店舗の開拓を狙います。

NIPPON PAYのターゲットは、未だ現金決済が主流の小規模店舗とのこと

ちなみにNIPPON PAYのタブレットは、2018年8月時点では全国の1万4851店舗に導入済み。2018年度末には5万6000店舗まで導入拡大予定とのことです。全国の地方自治体などとの実証実験を通して、商店街での導入を進められています。

Amazon Payのサービスを導入するかはNIPPON Payの加盟店の選択次第ですが、浸透していくのは間違いないでしょう。

地方自治体や早稲田大学との実証実験を行うなど、商店街全体のキャッシュレス化も進めているといいます

実は「日本発」 Amazon Pay店舗決済

世界中で多くのサービスを展開するAmazonですが、実店舗でのAmazon Pay支払いサービスは、米国の直営店などでしか提供されていません。小売店舗向けの決済サービスかつ、期間限定でないものとしては、今回が初めてだといいます。

PC、スマートフォン、スマートスピーカーで展開するAmazonだが、直営店舗以外での実店舗決済サービスは初めて

今後のAmazon Payの展開で気になるのは、コンビニなど、大規模なチェーン店での対応。
この点について、アマゾンジャパンでAmazon Payの責任者を務める井野川拓也氏は、「コンビニでの展開はPOSレジ対応などの開発の必要もある。「NIPPON Pay以外の販売パートナーとの提携もあり得る」としつつも、まずはNIPPON Payとの販売で導入実績を重ねたい」と様子見の姿勢を示しました。

Amazon Payのオンライン決済は2015年から日本で展開され、すでに数千社に導入されています

日本のQRコード決済市場の盛り上がりが”黒船”Amazonを動かしたことで、「キャッシュレス戦争」も過熱の様相を呈してきました。今後もソフトバンク&ヤフーの「PayPay」や、ゆうちょ銀行の「ゆうちょ Pay」など、多くのサービスの参入が見込まれています。

筆者も一消費者として、決済の手軽さやポイント還元といったキャッシュレス決済のメリットを享受しています。決済サービス間での競争はもちろん歓迎ですが、これだけ増えてくると決済手段を選ぶのも一苦労となりそう。手間を省くためのキャッシュレス決済で、利用する店ごとにいくつものアプリを用意する手間も本末転倒に思えます。このあたりでサービス間の相互利用などの動きも広がりも期待したいところです。

Engadget 日本版からの転載。

Alexaから音声でいろんな慈善団体に寄付ができる

2017年の確定申告にはもう遅すぎる、という絶妙のタイミングでAmazonは、ユーザーが音声で寄付ができるスキルをAlexaに加えた。そのコマンドは予想どおりに単純で、“Alexa、全米がん協会に20ドルを寄付して”、と言うだけだ。すると、あなたのアカウントから寄付が行われる。

Alexaは、ユーザーが意図しない買い物をせずにすむために、4桁の音声確認コードを使う。だから寄付も、家族の誰かがあなたの口座からしてしまうおそれはない。でもそれは、くだらない買い物にお金を使うよりは、ましかもしれない。

寄付をするとユーザーの名前やメールアドレスが寄付先の団体と共有されるが、クレジットカードの情報は大丈夫だ。ユーザーには寄付確認のメールが来るし、情報をAmazon Payで調べることもできる。

Alexaから寄付ができるのは40の団体で、そのリストがここにある。“Alexa、寄付をして”だけ言うと、リストから団体を選ばなければならない。Amazon Payの機能が増えたようなものだが、これは今や、100万人あまりの顧客が慈善団体への寄付に利用しているそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa