Apple、2013年第2四半期の業績は予想を上回り、株価は上昇―売上436億ドル、利益95億ドル、1株当たり利益10.09ドル

このところAppleの財務内容は(もしかすると必要以上に)注目を浴びていたが、今日(米国時間4/23)、疑問が一掃された。

さきほどAppleは2013年度第2四半期の決算報告を発表した。それによると売上高は436億ドル(前年同期392億ドル)、純益95億ドルで1株あたり利益は10.09ドルだった。

ある意味、事前の懸念は当たっていたことになる。前年同期のAppleの1株当たり利益は12.30ドルだった。対前年比で利益が減少したのはほぼ10年ぶりだ。利益の減少は不面目ではあるものの、本当の問題はこれがAppleの将来に実際どんな影響を与えるのかという点だが、答えが出るのは先になりそうだ。

利益の減少は遅かれ早かれいずれは起こるべき出来事だが、最近のAppleは前進を阻むもののない巨人というイメージを抱かれていたので、実際以上の衝撃を与えている。Appleは1450億ドルのキャッシュを貯めこんでいるので、終末論を持ち出すのは早すぎる。しかしCEOのTim Cookは成長が鈍化していることを認めた。またCookは恒例の電話記者会見で株価のテコ入れのためにApple株の買い戻しを行うと発表した。

この数日間、Appoleをめぐる情勢は波乱含みだった。先週Appleの株価は400ドルを割っており、アナリストの予測も今までのAppleに対するような強気一辺倒のものではなくなっていた。 Bloomberg Businessweekによれば、424億ドルの売上、10.02ドルの1株当たり利益がアナリストのコンセンサスだった。Appleはこの予測を上回ることができた。しかし一方、第1四半期にApple自身が発表した(いつもきわめて控え目なことで名高い)予測では、売上は410億ドルから430億ドルとされていた。今回発表された第3四半期の予測は売上が335億ドルから355億ドル、粗利益率は36%から37%と見積もられている。.

第2四半期にAppleが新製品を全く発表しなかった(必ず発表するはずだと熱心に説くものもいた)にもかかわらず、 ハードウェアの売上は立派なものだ。われわれのJordan Crook記者Darrell Etherington記者のまとめたレポートによれば、Appleは3740万台のiPhone、1950万台のiPadを売っている。しかしもはやiPodについてのコメントはない。Macのセールスは前年同期の400万台をわずかに下回った。


(Apple関係のグラフはここにまとめてある)

iOSデバイスの販売は揃って前年同期を上まって好調だ。iPadのセールスは劇的に増加している。これはおそらくiPad miniの成功によるものだろう。それでも目立った新製品がリリースされなかったことは一部に強い懸念を呼び起こしていた。2012年10月のiPad miniのリリース以後、Appleはまったく新製品を発表していない。Appleはもともと独自の製品サイクルを固く守る方だし、半年間製品を発表しないことがそれ自身で悪いわけではない。しかしこの間、SamsungとHTCが強力なライバル製品を発表しているため、Appleが今後いっそう厳しい競争環境に置かれることが予想される。もちろんこうした状況は新しいiPhoneが発表されれば一瞬で変わる可能性はある。〔日本版:Tim Cookは「新製品の発表は秋以降」とコメントしている。〕

事前には懸念を深めていた市場は決算発表を好感し、株価は時間外取引で約4%アップした。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


決算で予想を上回ったAppleの株価が下落し, 下回ったAmazonが上がったのはなぜか?

[筆者: Howard Lindzon]
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編集者注記: Howard LindzonはStockTwitsの協同ファウンダでCEOだ。ここはトレーダーや投資家のためのソーシャルネットワークで、アイデアや情報をリアルタイムで共有し合っている。彼の履歴はここ、Twitter上では@howardlindzonへ。

この質問への答をぼくが持っていたら、人生は最高だ。その答への反応が前もって分かっていたら、最高のそのまた上だね。

AmazonとAppleの決算報告直後の株価が互いに逆方向に動いたのは、予想と見通しの問題だ。ウォール街はAppleに対する予想が高すぎ、Amazonに対しては‘別の’予想を持っていた。ウォール街がAppleに期待したのは、‘粗利率’の伸びだ。Amazonに対しては‘利益額’の伸びを期待しなかった。馬鹿げて聞こえるかもしれないが、Appleの決算報告で利益が低く粗利率が大きかったら、株は急騰したかもしれない。今日のAmazonの決算報告で記録的な利益が発表され、利益率は低下傾向を維持していたら、ウォール街は恐慌になったかもしれない。

市場の言葉は独特だから、一般人には理解しづらい。でもそれが、ウォール街の流儀なのだ。スペイン語も中国語も簡単に学べる言語だったら、今ごろはすべてのアメリカ人がそれらを喋れるだろう。株式市場を動かしている大きな要因は、需要/供給、企業の収益、予想、そしてムードだ。しかし金融メディアは見だしネタを求める。ぼくは25年間、投資や株の売買をやってきたが、結局、生き残るコツは恥ずかしいほど平凡、リスク管理だ。最良中の最良と言われるものは、つねに50%の確率で最悪だ。

AppleとAmazonは、最近の少なくとも10年株を持ってた人にとっては、すばらしい投資先だった。Appleはこのところずっと、ウォール街の醜いアヒルの子だった。Appleに関しては、ムードが冷えていた。あの、世界最大で世界でもっとも稼ぐ企業が今や、海図なき海を航行している。ウォール街は突然、Appleの収益や利益率や成長率を予測する方法を失い、お手上げになった。ましてや、これから1年先のムードなんて闇の中だ。でも、でも、…、彼らはトライするだろう。そして、必ず何らかの予想を立て、スプレッドシートに向かう。

Appleを持ってる人(ぼくも)は現金残高や収益〔の健全さ〕を見て、市場は操作されているかまたは壊れていると宣言する(ぼくはしない)。ウォール街は、今のAppleの利益額を織り込まなくなった。先行き見通しが、良くないのだ。Appleでは成長率が数値で低下率を表せるほどまでに鈍化したが、でもこの大きさの企業ならありえることだ。しかしウォール街は、成長の鈍化とGoogleやSamsungから仕掛けられる競争が、ダメージになることを懸念している。Appleはこれまでウォール街に、とってもたくさんのサプライズを与えてきたから、Appleに関しては(Jobs語の)マジックが規準になってしまった。そのAppleがだるくなった今、彼らは安全な逃げ場を求める。

一方Amazonは、ウォール街のアナリストたちの‘利益(額)’指向からすり抜けることができた。Jeff Bezosは手品のような手口で、ウォール街の目が売上の伸びとマーケットシェアとクラウドと、そして今日の発表の…利益率に行くように仕向けた。Amazonは24.1パーセントの利益率を報告し、そしてそれはウォール街をハッピーにする数字だった。

来四半期は、変わるかもしれない。でもぼくは、AppleとAmazonの粗利率方向に視線を維持するだろう。利益額がまた持て囃されるようになるまでは。…ということだな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))