Alphabetの(Googleの)Project Loonの気球が一定の場所に静止できるようになった

2017-02-16_1205

Googleが数年前に立ち上げたProject Loonは、複数の気球に地球を絶えず周回させて、途上国などにインターネットアクセスを提供するプロジェクトだ。周回によって一つの気球が圏外になると、次の気球がそこへやってくる。今日(こんにち)、Googleは依然としてGoogleだが、Alphabetの一員でもある。そしてAlphabetのXに務めるマッドサイエンティストの一人、Astro Tellerが今日(米国時間2/16)説明したところによると、チームは最近、気球を周回させずに一箇所にとどめておく方法を見つけた。そして今後のProject Loonは、この方法で運用され、インターネットサービスを提供していく、という。

この静止方式なら、必要な気球の数も少なくなる。Tellerによると、チームがそのアルゴリズムを見つけたのは、ほとんど偶然だった。“2016年の初めごろ、ちょっとおかしな振る舞いをする気球がいくつかあることに気がついた。それらは、航行せずにひとつの場所を漂っていた”、と彼は今日の声明に書いている。“その奇妙さの中に、われわれは可能性を見出した。彼らは、それまで不可能だった質問を自問した: 気球を今いる場所から遠くへは行かないようにするアルゴリズムはあるだろうか?”。

彼らが作り出したその新しいアルゴリズムでプエルトリコからペルー上空へ打ち上げた気球は、最大で3か月、同じ場所に漂い続けた。

このプロジェクトがスタートしたときは、気球に地球を周回させる方法を知ることが最大の課題だった。そしてそれができるようになると今度は、風を計算に入れながら気球が目的の大陸や海洋の上を確実に飛ぶ方法を見つける必要があった。その軌道は、時とともに次第に安定してきた。そして、当然ながら、軌道の安定の次は、気球を一定の場所に浮遊させることが課題になった。

Alphabetの経営意思として今後Loonが本格的なインターネットサービスになるのか、それはまだ分からない。でも必要な気球の数が減ることは、そのコストが下がることだ。そして今のAlphabetにとっていちばん重要なのは、利益源を見つける、あるいは作り出すことなのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleがタワーの代わりに気球をインターネットアクセスに使うProject Loonでインドの通信企業と交渉中

projectloon

【抄訳】
Googleは今、インドの通信企業数社と、Project Loonのローンチについて交渉している。それはセルラータワーの代わりに気球を使って、遠隔地に安価なインターネットアクセスを提供する、というプロジェクトだ。Economic Timesの記事によると、同社はBSNLやそのほかの企業と、インドでProject Loonのパイロット事業を行う件で話し合っている。

Google IndiaのRajan Anandan社長が同紙に語ったところによると、“Loonのパイロットは地元の通信企業の協力なしにはできない。今数社と交渉している。インド政府も積極的に支持してくれているので、まずパイロット事業を行い、さらに次の段階へ進みたい。インドで重要なのは、まわりの十分な理解と支持を得ながら事業を進めることだ”。

このプロジェクトは2013年に、当時の同社のインキュベータGoogle Xから発表された。そのとき、“世界中のすべての人びとのインターネットアクセスを気球により提供する”ことが、究極の目標と言われた。しかしそれは、Googleの慈善事業ではない。同社はそれにより、同社のサービスの市場を大きく拡大できるのだ。

なお、へき地にインターネットアクセスを提供する、という点でProject LoonはFacebookのFree Basicsと比較されることもあるが、一部の特定のWebサイトにアクセスできるだけの後者は、インターネットアクセス手段としては特殊で限定的なものである。対してProject Loonの気球は、通信企業のセルラーのスペクトルを共有して一般的なLTE接続を提供する。

【中略】

インドのInternet and Mobile Associationの報告書によると、この国のインターネットユーザーは現在4億200万人あまりであり、安価なスマートフォンのおかげで急速に増加しているが、しかしそれは未だに、インドの人口の2/3が定常的なオンラインアクセスを欠いていることを意味する*。〔*: インドの人口12億あまり、といえば、全年齢層を含む。〕

[原文へ
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa