2021年6月、Facebook(フェイスブック)はニュースレター・プラットフォームのBulletin(ブレティン)を発表した。Substack(サブスタック)やMedium(ミディアム)などのライバルと異なり、BulltetinはFacebook自身ががライターを厳選することで、よりコントロールされたプラットフォームを作ろうとしている。ライターには、著書の”Tuesdays with Morrie”(『モリー先生との火曜日』が今も中学1年の英語の授業で生徒たちの心を打ち砕いているMitch Albom(ミッチ・アルボム)氏から、若者たちにフレンチ・タックの着こなしを教えた”Queer Eye”(クイア・アイ)のTan France(タン・フランス)氏までスターが揃っている。そして7月20日、Facebookは初期ベータ公開以降初めて、新たなニュースレター・ライター群を発表した。
次の波のライターとして、24歳のノーベル平和賞受賞者、Malala Yousafzai(マララ・ユスフザイ)氏が「大きなディベートと小さな瞬間」について書き、プエルトリコのジャーナリストでBulletin初のスペイン語ニュースレターを書くMaria Celeste(マリア・セレステ)氏、ソーシャルメディアで数百万人のフォロワーを持つ人間関係セラピストのNedra Tawwab(ネドラ・タワブ)氏らが参加する。
Bulletinは幅広い無料コンテンツを誇り、Facebookのブランディングを最小限に抑え、Facebookアプリではなく独自ウェブサイトでホストされている。ニュースレターのライターは、どのコンテンツを有料にするかを選ぶことかできる。有料コンテンツはもちろん、Facebok Pay(フェイスブック・ペイ)で購入できる。Newsletterのサブスクライバーは、専用のFacebookグループやLive Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルーム)、ポッドキャストにもアクセスできるので、Bulletinは、サブスクライバーをFacebookが他の成長中のブランドに誘導する役割も果たす。しかし、Bulletinが招待制で(デートアプリの)Raya(ラヤ)以上に豪華な著名人を集めたプラットフォームであるのに対して、Facebookのその他のプラットフォームはコンテンツ管理の倫理問題に苦闘している。
「私たちはライターの作品を尊重しており、当社のパートナー全員に完全な編集独立性があることを明言します」とFacebookはBulletin公開後の ブログ投稿で言った。そして、コメディアンのGreg Mania(グレッグ・マニア)氏がBulletinに書いた痔の手術に関するエッセイを読む限り、あの宣言が正確に感じる。
しかし、われわれが編集の独立性について語るとき、それは「直腸外科医とのデート」と題したエッセイを出版できるかどうかの話ではない。あの発言でFacebookは、Substackの賛否両論の干渉しないアプローチに同意しているように見える。Mediumも独自の文化的認識を展開して、熟練ジャーナリストが編集したGEN(ジェン)やElemental(エレメンタル)などの内製出版物をホストしていたが、 会社のビジョン転換とともに、事実上編集活動を休止した。つまり、ジャーナリストとライターの精選に投資しているFacebookの取組みは、ユーザー生成コンテンツに関してSubstackとMediumが強調している姿勢と真っ向から対立する。
ニュースレターに興味を示している主要ソーシャルメディアはFacebookだけではない。今年1月、Twitterはニュースレター・プラットフォームのRevue(レビュー)を買収したが、いくつか地味なアップデートを行ったのを除き、Twitterの現在の注目はどこかほかにあるように見える。
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook)