Google PayのPayPal統合がオンライン販売業者に拡張

GoogleとPayPalは、これまでも戦略的パートナーだった。両社は2017年にPayPalがAndroid Payの決済方法になると発表した。Android PayはのちにGoogle Payになった。昨年、Google Payの決済方法にPayPalを加えたユーザーは、Google PayのPayPalオプションでGmailやYouTube、Google PlayなどのサービスやGoogle Storeでの買い物に支払えるようになった。そしてこれからは、ウェブサイトやモバイルアプリでGoogle Payを受け入れているオンラインの販売業者が、同様の統合を享受できることになった。

Googleの説明によると、何億もの顧客がすでに自分のGoogleアカウントに決済方法を保存している。2018年の統合により、その一部はPayPalだ。

統合の今回の拡大により、オンラインの販売業者はGoogle Payの統合の設定の中でPayPalを決済方法に指定できる。彼らのWebサイトでGoogle Payがすでに実装されていれば、とても簡単なことだ。許される決済方法のリストを、下図のように一部書き換えるだけだ。

そうすると今後は、Google Payを使って支払いをするオンラインの買い物客は、PayPalを選んで決済できる。

この統合によりGoogle PayからPayPalを使おうとする消費者がいちいちPayPalにサインインしなくてもよくなり、チェックアウトまでにやるべきことが相当減る。そして、便利になればコンバージョンも増える。PayPalのPurchase ProtectionReturn Shippingにもアクセスできる。

オンラインの販売業者がPayPalを利用しているとき、顧客がGoogle PayからPayPalを選べば、その販売業者のPayPal Business Accountには数分後にお金が入る。

PayPalがかつてのコンペティターだったAppleやGoogleを受け入れるようになったのは、数年前からだ。それは今でも続いており、ますます多くのテクノロジープラットホームがそのサービスを統合している。

PayPalがライバルのVisaMastercardAppleGoogleSamsungWalmartなどとの提携を始めたのは、小売店のPOS(Point-of-Sale)と、人気のあるモバイルウォレット(Apple、Google、Samsungなど)の両方で利用者を増やしたいからだ。今日ではこれらのモバイルウォレットの中でPayPalは、他の決済カード–クレジットカードやデビットカードなど–と共存している。

販売業者は支払い方法をなるべく多様化したいから、自分でデジタルウォレットプラットホームのサポートを加えるが、いわばPayPalはそれにただ乗りしてやってくるのだ。

Google PayのPayPalオプションは、顧客がPayPalのアカウントをGoogle Payにリンクできる24の国で利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Instagramの新機能、投稿写真の商品を選べばその場で購入できる

Instagramはまったく新しい収入源を開拓している。ついに、その米国内の1億3000万人のユーザーは、ショッピング用の投稿に載っている商品に付いたタグをタップするだけで、直接アプリの中で買えるようになる。あらかじめ支払い情報を登録しておくことは必要だ。「Checkout on Instagram」は、Adidas(アデイダス)、Kylie Cosmetics(カイル・コスメティクス)、Warby Parker(ワービーパーカー)をはじめとする、20以上のトップブランドを対象に、米国時間3月19日から米国内で使えるようになる。もはや、顧客を各ブランドのウェブサイトに誘導して購入してもらう必要はなくなった。

Instagramの広報担当者はTechCrunchに、「販売手数料を設定して、チェックアウトを可能にするための仕組みや設備の費用をまかない、取引に関連するコストも埋め合わせます」と説明した。その「販売手数料」として販売者に請求する金額を尋ねたところ、担当者は「今のところその具体的な数字は公表していません。非公開ベータ期間中に、手数料についても販売者と試行しています。それによって、消費者が払う商品の価格が変わることはありません」と答えた。このことからしてInstagramでは、向上が期待できる顧客転換率の見返りとして、販売者に高めの手数料を請求し、アプリ上で購入するための料金をユーザーの支払額に上乗せするようなことはしないようだ。

Checkoutの導入によって、Instagramの広告ビジネスもさらに繁栄するだろう。そこから購入に至るまでに必要なステップも短縮されるので、Instagramを利用したほうが、投資に対する見返りが大きいとブランドに納得させることができるからだ。現時点では、Checkoutボタンは、発表時にパートナーとなっている販売者によるオーガニックな投稿にのみ表示され、広告には表示されない。しかし、Checkout機能を付加した広告は、Instagramにとって金脈になる可能性もある。というのも、Facebookのニュースフィード広告ビジネスの先行きは怪しく、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏も、2019年のロードマップに不可欠なものとして、商取引を挙げているからだ。

Checkoutのタグは、非公開ベータに参加しているブランドのフィード投稿、ストーリーズ、発見タブのコンテンツに表示される。Instagramではいずれ、より多くの企業に、この機能を公開する予定だ。ユーザーが投稿をタップして商品のタグを表示し、それを開くと、これまでの「View on Website」ボタンの代わりに「Checkout on Instagram」ボタンが表示される。

初めて利用する際には支払い情報を入力する。それは保存されて、その後の買い物にも使われる。「保護された支払い情報を1カ所に保存しておけば、毎回ログインしたり、同じ情報を何度も入力しなくても、お気に入りのいろいろなブランドの商品を購入できます」と、Instagramは説明する。ブランドごと別々にサインアップしなければならないと、ユーザーはイラついて、カートに商品を入れただけで、途中で放棄してしまうことも少なくない。それを防ぐことができるのも、この機能の重要なメリットだ。TechCrunchでは、最近Instagramがストーリーズで、「資金調達中」のステッカーをプロトタイピングしていることをレポートした。それも同様に支払い情報を保存するものだった。Instagramが、支払い情報のデータベースを構築したいと考えているのは確かだろう。

ユーザーが何かをInstagram内で購入した後は、自分のプロファイル内に新設された「Orders」セクションでトラッキングできるようになる。そこには、注文の状況が表示され、オプションで注文をキャンセルしたり、返品や販売者に連絡することも可能となる。そして注文が出荷されたら、Instagramから直接通知を受け取ることになる。興味深いのは、Instagramでは、メッセージ機能に領収書発行機能を付加していない。FacebookのMessengerとは対照的だ。

販売者は、連絡先や住所など、注文を処理するための必要最小限な情報しか知ることができない。支払い情報は通知されないのだ。ユーザーは、任意で、販売者に電子メールのアドレスを伝えて、その後に商品やサービスの情報などを受け取ることもできる。Checkout on Instagramでは、ユーザーが販売者のウェブサイトで直接購入した時に比べて、少ない情報しか販売者に伝わらない。しかしInstagramは、その購入がどの投稿で発生したのかという情報は、販売者に伝えるとしている。

ユーザーは、PayPal、Visa、Mastercard、American Express、そしてDiscoverによる支払いが可能となっている。Instagramでは、販売者が、Shopify、BigCommerce、ChannelAdvisor、CommerceHub、その他のツールを、Checkout機能と統合できるようにすることを計画している。またInstagramは、Checkout機能の使われ方が、ユーザーがよく見るコンテンツのランキングのヒントとしても利用される可能性を認めている。支払いはPayPalによって処理される。そのビジネス分野には、Facebookも侵略するつもりはない。PayPalに支払う手数料は、おそらくInstagramが受け取る販売手数料から出ることになる。

「私たちが商品にタグを付けることによって、顧客にとって買い物がより便利なものになります」と、Warby Parkerの共同創立者兼CEOのNeil Blumenthal氏は述べている。「Checkoutは、買い物の体験を一歩進んだものにします。その場で買いたいとひらめいた商品を見つけた人にとって、より直感的でシームレスな買い物ができるようになるのです」。発表時にパートナーとなっている全ブランドを挙げておこう。Adidas、Anastasia Beverly Hills、Balmain、Burberry、ColourPop、Dior、Huda Beauty、H&M、KKW Beauty、Kylie Cosmetics、MAC Cosmetics、Michael Kors、NARS、Nike、NYX Cosmetics、Oscar de la Renta、Outdoor Voices、Ouai Hair、Prada、Revolve、Uniqlo、Warby Parker、そしてZaraだ。

今のところ、開発中と伝えられていたInstagramの独立したショッピングアプリが登場する兆候は見られない。その代わり、発見タブの中に専用のショッピングチャンネルを設置し、ストーリーズにタグも追加した。6カ月前のことだ。また最近我々は、私的に保存した投稿のコレクションを公開できる、Pinterestに似たような機能を、Instagramがプロトタイピングしているのを発見していた。その機能は、インフルエンサーにとってCheckoutが使える商品を他の人に勧めるのに適した手段となるだろう。Facebookはこの5年をかけて、さまざまな「購入」ボタンを試してきた。それが今ようやく自然な居場所に落ち着いたわけだ。

Instagramは、アプリの外にリンクする権利を必死に守り続けてきた。それは、コンテンツを着実に消費し続けてもらうためだ。今や世界で10億人以上のユーザーを抱えるまでに成長したInstagramは、人々の注目をずっと内部に閉じ込めてきた。そしてついに、その中で販売する権利を売るための準備が整ったのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

プログラマでない人でも自分のサイトに簡単に支払システムを埋め込めるMoonClerk

正規の商業者でなくても誰もがオンラインで支払を受け取れるサービスStripeに欠点があるとすればそれは、デベロッパやそのほかの技術力のあるユーザのためのサービスであることだ。今日(米国時間4/5)ローンチした支払システムMoonClerkは、一度かぎりや今後何度もある支払をプログラマでない人が自分のWebサイトで容易に受け取れるようにするサービスだ。

これまでのStripeの使い方では、Stripe ConnectをサポートしているShopLocketShopifyWufooなどのプラットホームの上にユーザがeコマースのストアを作り、その上でStripeの支払サービスを利用する。

しかし小企業などはすでにある自分のサイト上で支払を受け取りたいと思うのが当然だから、MoonClerkはそれを可能にする。オンラインのフォームビルダーで構成オプションやスタイル、色などをユーザが指定すると、MoonClerkがどのWebサイトでも使えるリンクと埋め込みコードをくれる。

Dodd Caldwell(CEO)とRyan Wood(CTO)の二人が地元サウスカロライナのスタートアップアクセラレータThe Iron Yardで修行を積み、11月に非公開ベータでMoonClerkを立ち上げた。今年に入ってから公開ベータに移行し、不具合をつぶして、今日から一般公開となった。

Caldwellによると、それはまず自分自身が欲しかったサービスだ。彼はそれまで、Bellstrikeという自分の会社でNPOたちのためのソフトを作っていたが、そのとき、NPOが寄付などの支払を受け取る簡単な方法が欲しいと思った。

“小企業や非営利団体が日常の支払を受け取るサービスをいろいろ探したが、簡単で使いやすいものはなかった”、とCaldwellは説明する。“商業者アカウント、ゲートウェイ、SSLの証明、などなど面倒なもののいっさいない、ユーザ登録がすぐにすむのが欲しかった。Stripe Connectはそれができるが、デベロッパでないと導入は無理だ”。

チェックアウトの部分がすっきりしていること、そして、まるで自分のサイトの一部のように埋め込めること。それも重要な要件だ。Caldwell自身過去に、自分の作ったサイトでPayPalを利用して低いコンバージョンレート(実買率)に悩んだ経験がある。MoonClerkなら、何もかも超簡単だ。

彼自身は技術者ではないので、以前仕事を頼んだことのあるWoodをスカウトした。そうして完成したMoonClerkのシステムは、ノンプログラマがStripeを使えるだけでなくて、豊富な機能を盛り込んでいる。

MoonClerkは、一度だけの支払と、月、四半期、年などの定期的な支払をサポートする。ユーザはまず同社のオンラインフォームビルダーへ行って、チェックアウトのデザインなどを決める。できる人は、CSSも使える。金額の表示や支払方式など、細かい指定もいろいろできる。

フォームを作ったら、MoonClerkが料金を引き落とすためにクレジットカードの情報を教える。そして、Stripe Connectのために自分の銀行情報を入力する。そうするとサイト用の埋め込みコードと、共有(Facebook、Twitter、…)のためのリンクをもらえる。

入金を知らせるメールの通知機能もある。来週からはクーポンやディスカウントも扱えるようになる。Caldwellによると、そういう細かい機能増強課題は、まだまだたくさんある。たとえば顧客がチェックアウト時に追加注文ができる機能など(あと5ドルでケースもおつけしますが、いかがでしょうか?)。

サウスカロライナ州Greenvilleに居を構えるMoonClerkは、完全に自己資本のみだ。Caldwellが不動産投資から得た利益を使っている。資金調達の意向は、今のところない。口コミだけで数ダースのユーザがついたが、その中には、このサービスを利用して毎月1万ドルを処理している人もいる。

サービスの利用料金は支払の額がベースで、最低は月額1000ドルまでが9ドルだ。ユーザになってみたい人はここで登録を

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))