Amazonのサイバーマンデーは同社史上最大のショッピングデーだった

11月27日、Amazonは今年のサイバーマンデー(11月26日月曜日)が同社史上最大のショッピングデーだったと発表した。これは全世界で販売した商品数に基づくものだ。これは今回のショッピングイベントが、同社のブラックフライデー、さらには7月に1億件以上の商品を売ってAmazon史上最大の売上を記録したプライムデーをも超えたことを意味している。

またAmazonは、感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間—— “Turkey 5” とも呼ばれる——に、米国の消費者が昨年同時期より数百万件以上多くの商品を購入して新記録を達成したことも報告した。

同社はこれらの記録の売上数値は明らかにしていない、どんな商品が売れたのかは発表した。

全世界の顧客はブラックフライデーとサイバーマンデー合わせて、1800万個以上のおもちゃと1300万個以上のファッションアイテムを買った。ブラックフライデーだけをみても、400万個以上のおもちゃと電子機器がAmazonモバイルアプリ経由で注文された。

また、中小企業のブラックフライデー売上は昨年と比べて20%以上増えた。

“Turkey 5” 全体で、Amazonユーザーは1億8000万件以上の商品を注文したと同社は言った。

もちろん、ベストセラー商品の多くはAmazon自身のデバイスであり、Alexa対応スピーカーとFire TVの大幅ディスカウントのおかげだ。

Amazonはこの週末に全世界で「数百万台」のEchoデバイスを販売し、Echo Dotはこの中のトップセラーのみならず、他社製品を含めたAmazon全体でも売上ナンバーワンの商品だった。

ほかに人気だった商品はFire TV Stick 4KとタブレットのFire 7 with Alexaだ。「数百万台」のFireタブレットとKindle端末がこの週末に売れた。

スマートホーム機器の販売も新記録だった。RingとBlinkは昨年同時期と比べて2倍以上売上を伸ばした。

サイバーマンデーは “Turkey 5″ の中で最大の日だったが、Amazonによるとブラックフライデーも注文商品数で昨年同日を上回った。

ブラックフライデーのベストセラーは、Echo Dot、Fire TV Stick 4K(最新Alexa Voice Remote付き)、Fire 7タブレット、Instant Pot(8クォートのDUO80と6クォートのDUO60)、ハリーポッター:8作品コンプリートコレクションBlu-rayなどだった。

ブラックフライデーとサイバーマンデーのAmazonの業績は大きな注目を集めていた。同社が Q3決算で発表した第4四半期見通しがウォール街予測を下回っていたからだ。Amazonの予測は売上665億~725億ドルだったのに対してアナリストは738億ドル前後と予想していた。

もちろんこの記録破りの販売が実際の収益につながるかどうかはまだわからない。数百万台売れた商品が、大幅値引きされたAmazon製品であることを考えるとなおさらだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クリスマス・ショッピングのテクノロジーと消費者行動の変化を考える

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長年にわたってアメリカ的生活の不可欠な一部とみなされてきたクリスマス休暇のショッピングも最近大きく変わった。

1947年に公開された映画、『34丁目の奇跡』〔日本語版:メイシーズ・デパートを舞台にしたドラマ。その後何度もリメイクされている〕に代表される巨大デパートでのショッピングは今や少し風変わりで決定的に前世紀の遺物である習慣とみなされるようになった。

ブラック・フライデーにステーションワゴンに家族全員が乗り込んで最寄りのショッピング・モールに向かうというアメリカ的行動も不便であり時代遅れだとして今や風前の灯火だ。

クリスマスを控えた季節には、ますます多くの消費者が夜遅くパジャマ姿で半分寝ぼけたままノートパソコンやスマートフォンに向かい、われわれの時代のサンタクロースであるAmazonプライムの画面に向かって願い事をするようになっている。

消費者行動が時代と共に変わるのは珍しいことではない。しかし盛大なバッカス祭り的なわれわれの年末ショッピングの変化は、多分に消費者側に原因を持つ内発的なものだ。各種の統計もこの見方を支持する。不動産仲介業者は年間売上の5分の1がクリスマス休暇の時期に集中することに気づいている。2015年の年末のショッピングはアメリカで過去最高となる6300億ドルに達するものと推測されている。この額はアメリカの全軍事予算ないしスイスやサウジアラビアのGDPに匹敵する。レゴブロックやデジタルテレビでこれだけの売上があるというのは驚くべきことだ。

しかし、特に注目すべきなのは2015年には年末休暇の売上のほぼ15%、 1050億ドルがオンライン上で生じると推計されたことだろう。これは対前年比でも大幅なアップになものとみられる。 最近得られた実際の統計数値はこの予測さえ控え目に過ぎるのではないかと思わせる。
2015年の感謝祭からブラック・フライデーサイバー・マンデーにかけてのオンライン売上は記録破りの750億ドルを記録した。同期間中に ブリック・アンド・モーターの実店舗での販売額jが5から10%下落したことはトレンドがどちらに向かっているかをはっきり物語る。

単独で見れば、古き良きショッピングの伝統が薄れていくことに反感を覚えるのは簡単だわれわれオンライン消費者は年ごとに新しいアイテムをますます簡単に、かつ無考えに購入するようになっている。

買い物といえば中心街のデパートに出かけるものだった過去を懐かしむのもいいが、ワンクリックでフルフィルメント・センターから欲しいものが届く現在のインフラの効率性を否定するのは困難だ。こうしたオンライン消費はコミュニティー行動の不可欠な一部となって休暇時のショッピングをも律している。

消費者行動は効率性のより高い方向を目指して変化を続ける

ネットワーク・テクノロジーが発達した現代社会では、進歩もトレンドのフラグメンテーションも速度が極めて速い。すべてはめまぐるしく動く。 消費者行動は効率性のより高い方向を目指して変化を続ける。だがテクノロジーは効率性とは別の要素ももたらしてわれわれの生活のバランスを取る。

ネットワークの発達により、クリスマス休暇のような短い期間でまずこのコミュニティー的共同体を形成することが可能となった。感謝祭を機に生まれたチャリティー運動、Giving Tuesday〔感謝の火曜日〕は 最近のすばらしい例だ。アメリカ人の5人に1人(つまり6000万人)がサイバー・マンデーやブラック・フライデーを知っているといわれるが、こうした言葉が生まれたのは非常に新しい。2012年にニューヨーク市の名門チャリティー団体、92nd Street Y.が使い始めたのがきっかけだ。

われわれを勇気付ける別の例として、各種の専門分野において消費者行動の環境に与える悪影響を、季節を問わず、最小限に止めようとする新たなマーケットプレイスの登場がある。

ローカル・コミュニティー同士を結びつけ新たなサービスを産み出すネットワーク・テクノロジーの発達も共同消費経済の優れた例として見逃せない。こうした努力によって売上がコミュニティー内に還流し、地元のアーティストや個人を潤し、オンライン経済をさらに拡大することになる。人々を結びつけるこうしたトレンドはわれわれのポケットに収まっているスマートフォンを主たる推進力とするものだ。スマートフォンは権力者が生活を遠隔操作するための道具となるという一部の人々の予言はだいぶ違った形で実現されている。

ここでて述べてきたようなレンドは私の子供たちがティーンエージャーになり、さらに大人になる頃にはまったく普通のこととして忘れ去られているのかもしれいない。それどころか、子供たちは父親の世代が、深夜パジャマ姿で目を赤くしてノートパソコンを広げ、プレゼントを買おうとしきりにクリックを繰り返していた時代をジョークのタネにするのかもしれない。いずれにせよ、私はこのトレンドがさらに進んでいくことを信じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ブラックフライデーのネットショッピング総額の36%をAmazonが占め、次位Best Buy(8%)以下を大きく引き離す

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独自の荷物追跡アプリケーションでeコマースのデータを集めているSlice Intelligenceによると、今年の11月27日、いわゆるブラックフライデーにおけるeコマースの売上の35.7%をAmazonがごっそりといただいた。二位はAmazonのずっと後方を走ったBest Buyの8.23%だった。三位以下はMacy’s 3.38%、Walmart 3.35%、Nordstrom 3.11%等となる。

Amazonが唖然とするほど高いのには、Sliceのユーザの特性も寄与していると思われるが、しかしAmazon自身も今年は記録的な売上だったと自慢している。具体的な数字は挙げていないが、とくに、Amazonブランドの製品(Kindle, Fireなど)が好調だった、という。

同じくSliceのデータによると、ブラックフライデーにおけるeコマースの売上は前年比で7%増加し、売り出しの開始日を早めたところも多かったので、ブラックフライデーの前日の売上が14%伸びた。中でも家具調度品のWayfairは、ブラックフライデーにおいて前年比315%増という最大の売上増加率を達成した。

売上の好調は、サイバーマンデー(Cyber Monday)と呼ばれる月曜日まで続き、eBayは金土日月の4日間で12%の売上増を達成した

eBayのマーチャンダイジング担当VP Jay Hansonは、“今年のネットショッピングの主役はモバイル、彼らはふつうの日以上に熱心にお買い得品やギフトの好適品を探した”、と述べている。

同社によると、ExxonMobileのギフトカードを7000枚、ホバーボードを7500台売り、おもちゃのトップセラーはロボットだった

最近eBayから独立したPayPalも大きなトラフィックを経験し、サイバーマンデーには一時的にサービス不能状態になった。

PayPalもモバイルからの買い物が増えていることを目撃し、今年とくに伸びた品目は、ファッション、電子製品、化粧品、そして玩具だった。

“PayPalのデータから言えるのは、今や年末のショッピングシーズンが9月の30日から始まっていること。ブラックフライデーの2か月も前だ”、とPayPalのグローバルイニシアチブ担当シニアディレクターAnuj Nayarは語る。“年間を通じ、PayPalがオンラインショッピングでいちばん忙しいのは今年も同じくサイバーマンデーだが、感謝祭以降はモバイルからのショッピングが年々増加傾向にある”。

売上の数字の多くは驚異的だが、同じくeコマース企業のBlueSnapとPYMNTSが行った調査によると、多くのネットショップが、チェックアウト処理がボトルネックになっているため、あり得た売上の36%を失っている、という。買い物の完了までの手続きが、複雑だったり時間がかかったりすると、完了まで行かずにバイしてしまう消費者が多いのだ。

“彼らは何百万ドルという大金をドブに捨てているが、どうしたらいいか分からないのだ”、とBlueSnapのCEO Ralph Dangelmaierは語る。“しかもサイバーマンデーの売上などを見ると、今や一部の製品は物理店よりもネットがメインの販売チャネルだから、チェックアウトで手間取ってお客とお金を失う現状を、早急に解決する必要がある”。

オンラインショッピングが急増している今の状況の中では、効率の良し悪しが今後ますます成功のための重要な鍵を握るだろう。

〔訳注: 小売支出全体や、消費支出全体の中でのネット利用の比率、いわゆるEC化率は、eMarketerや連邦準備銀行などのデータが参考になります。物理店は、まだまだ圧倒的に強いです(それも当然)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。