一般消費者向け完全菜食製品のKenckoが3.6億円超を調達

果物や野菜の摂取量を増やそうとするKenckoが、シードラウンドで340万ドル(約3億6700万円)獲得し、その成長と製品開発をさらに加速していくことになった。

TechCrunchは昨年同社を紹介したが、ここであらためてご紹介するとKenckoは、植物を原料とする製品で、ひどい味の食品や極端な食事に悩まされずに健康な食生活を確保しようとする。最初の製品であるフルーツドリンクには、プレスジュースにない食物繊維やビタミンが含まれているが、小袋に入っていて、急速冷凍と遅乾処理により、栄養分をすべて保持している。同社によると、1袋20グラムを水で溶いて飲むことにより、1日の果物と野菜の推奨摂取量の5分の2を摂取できる。

Kenckoは健康を意味する日本語で、6種類のフレーバーのフルーツドリンクを売っている。ファウンダーでCEOのTomás Froes(トマス・フロス)氏によると、今年中にさらに6種類の新製品を出したいという。そのうち2つは近く発売されるが、それらはドリンクと同じく100%有機栽培の果物と野菜で作られ、簡単に食べられておいしく、しかも健康的だそうだ。

製品のほかに今度の資金でKenckoが開発しようとしているのは、消費者への直販方式だ。それはモバイルアプリをメインで使うが、アプリは今ベータで、初期の顧客と共にテストしている。一般公開は年内を予定している。

Kenckoの製品は好きな量を買うこともできるが、会員制もある。後者では同社のチームにいる栄養士が各人に合ったアドバイスをする。つまり食生活指導の個人化、パーソナライゼーションだ。米国内ならリモートだけでなく個人面談も提供できる。

同社は今、社員数が25名で、共同ファウンダーでCBO(最高ビジネス責任者)のRicardo Vice Santos(リカルド・ヴァイス・サントス)氏もいる。

関連記事:Kencko wants to help you eat more fruit and vegetables(果実食野菜食を振興するKencko、未訳)

Kenckoは米国とカナダが中心だが、製品は世界中から買える。フルーツドリンクは3日間試用パックが16ドル、20袋60袋がそれぞれ、60ドルと150ドルだ。

フロス氏は、急性胃炎になったあとにヴィーガン(Vegan、完全菜食主義者)になった。90%が果物と野菜、という食事療法で薬に頼らずに治ったあと2017年に、起業する気になった。それまで医師は、大量の薬を今後一生服用せよ、と彼に命じていた。

kencko box20

今ではImpossible FoodsやBeyond Meatのような植物性食品のブランドに人気があり、メディアも熱心に取り上げているから、健康な食生活への関心も最高に盛り上がっているようだ、とフロス氏は見ている。

「消費者は食品の原料について知りたいと思うようになっている。表示にも、もっと透明性と正確性が必要だ。ここ5年ぐらいで、食べ物をめぐる革命が起きているのではないか」とフロス氏。

今回の投資家は、NextView Ventures、LocalGlobe、Kairos Ventures、Techstars、Max Ventures、そして匿名の支援者たちだ。同社は昨年、Techstarのロンドンのアクセラレーター事業に参加した

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

有機食フードデリバリーのTrifectaがBeyond Meatの植物性ミートを採用

有機食のデリバリーサービスTrifecta(3連勝)がBeyond Meatと提携して、後者の植物性獣肉代替食材を前者の献立に利用していく、と両社が発表した。

同じ獣肉代替植物性食材でも、最大のコンペティターであるImpossible Foodsのようにレストランなど業務用を狙うのではなく、Beyond Meatは食料品店の通路から消費者直行を目指している。デリバリーサービスという業務ユーザーを経由するのは、今回が初めてだ。

Trifectaは、新たに食材に植物性蛋白質を採用することによって、ケトン・ダイエッターやヴィーガン、ベジタリアン、古代食ダイエターなどの人々のニーズに対応したい、と考えている。

TrifectaのCEOであるGreg Connolly氏は声明でこう述べている。「Trifectaは健康やフィットネスに関心のある人びとの間で急速に日常的定番のような名前になりつつある。すでに植物性食材の多い製品はあるが、高タンパク、低炭水化物、低飽和脂肪のものはまだない。だからBeyond Meatは、そんな我が社にとってぴったりの会社だ」。

Trifectaの食事セットやお弁当などは、USDA(米農務省)指定の材料で、しかも食肉は冷凍されず野生または草だけを食べていた動物の肉を使用している。また、消費者の多量養素(macronutrient)ニーズにも応じている。同社の食品は冷蔵庫で冷やされたケースに入れられ、完全に調理されすぐに食べられる状態で届けられる。同社の食事製品は米国すべての州で利用できる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソイレントのキャップシールは、CDケース以来の剥がしやすさ

screen-shot-2016-02-12-at-4-50-42-pm

私はSoylent信者である。個人的に私を知っている人には、理解しがたいことだろう。なにしろ、好物はパンとチーズであり、Crunchiesアワードの最優秀スタートアップはSeamless[*] が毎年永遠に受賞すべきだと思っているような人間だから。[* レストラン料理の宅配サービス]

私のSoylentへの愛 ― その味と私のメンタル、フィジカルのエネルギーに対する総合的効果の両方 ― は、この新しい食品がどれだけ革命的であるかの証拠になるだろう。〈私〉が毎日一食をSoylent 2.0の1瓶で置き換えられるなら、〈誰でも〉できるだろう。

しかし、当初私がSoylentに興味を引かれたのは、味でも効能でもない。それは、利便性だった。

利便性はSoylentの大きなセールスポイントだ。食べ物を買い、料理をし、レストランへ行き、あるいは食事をする代わりに、Soylentをちびちび飲むだけでいい。日々の仕事をこなすように。

これは、仕事をしながらの朝食や昼食に最適だと私は思う。体謝を高め、満腹になっても眠気に襲われず、脳を活気づかせてくれる。それでいてデスクの上ではコーヒーカップほどの場所もとらない。

しかもSoylentを買うのもこの上なく便利だ。ネットで注文、配達を受け取り、箱を開ける。

それだけ効率と利便性を追究した商品なら、Soylentのボトルを開けるのも効率よく便利だと思うだろう。しかし、不条理ながら、それが違うのだ。

ボトルのフタに被さっているプラスチックは、Nesquikミルクのボトルを覆っていたプラスチックを彷彿させるが、あんなに良いデザインではない。このプラスチックカバーは、切り取り線通りに破れない。

soylentwrapper1

プラスチックを手でほんの少しずつ剥がしていかなくてはならず、Seamlessで料理を注文すればよかったと思うほど時間がかかる。

最近私は、フタごと回せば、プラスチックカバーをつけたまま、フタとカバーを一緒に外せることを発見した。しかし、この手のどうでもよいことに執着する気持ちが私の1/100でもある人なら、外したフタからプラスチックを外そうと苦悩している自分に気付くだろう。

soylentwrapperpieces

ちょっと待った!まだある!

剥がしてフタを外した後、〈もう一つ〉除去すべくプラスチックの層が待っている。

soylentsecondwrapper

私は物を新鮮に保ち、食品が損われないよう万全を期している。おそらく、こいつのプラスチックが、古いCD以上に剥がしにくい理由もそこにあるのだろう。

しかし、Soylentにとってデザインが重要であることもまた明白である。この瓶を見てほしい。実にシンプル、実にエレガントだ。

Screen Shot 2016-02-12 at 4.50.42 PM

ではなぜこのボトルのユーザー体験はこれほど困難なのか? まともな切り取り線を付けたプラスチックは使えないのか?内側のプラスチックには簡単なポップタブは付けられないのか?

私が細かすぎることは承知している。しかしこの便利なテクノロジーと新たに開発された食品でいっぱいの素晴らしき新世界は、当然のように私を幼児化し甘やかした。こんな私にしたのた、Soylent、あなたなのだ。

というわけで、お願いだから、全顧客と私のために、Soylentのボトルを開けやすくしてほしい。それを買って、飲んで、消化するのと同じくらい簡単に。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook