RoboWaiterはIBM Watsonを利用したウェイターロボット

ディベロッパー、デザイナー、そしてロボティスク専門家の3人によって構成されたRoboWaiterのチームが、昨晩(米国時間5月13日)開催されたDisrupt NY hackathonに登場した。人間の店員よりも機敏で賢いウェイターロボットを披露するためだ。このロボットにはIBM Watsonが利用されている。

ディベロッパーのNina Yang氏がこのアイデアを思いついたのはハッカソン前日のことだった。その日の夜に立ち寄ったレストランのウェイターが、注文を取るのにすごく時間がかかったことがきっかけだったと彼女は話す。人間はいつも忙しく、すべてのタスクを上手く処理することができないとYang氏は語る。注文したものと違う料理が出てきてしまうこともある。しかし、バグが発生することを除けば、ロボットが間違えることはない。

RoboWaiterはIBM Watsonを利用したアプリによって動作する。Watsonはバックグラウンドの注文プラットフォームに接続されており、ロボットを操作して料理を運ぶ。レストランの利用客はアプリをダウンロードし、席番号を入力し、メニューから好きな料理を声で注文する。するとシステムが受けた注文をキッチンに伝えるという仕組みだ。ロボットは頭の上に出来上がった料理を乗せ、それを利用客の席まで運ぶ。

もしあなたがウェイターだったとしたら、RoboWaiterによって自分の職が奪われるのではないかと不安に感じることだろう。この数年間、多くのアメリカ人はこの問題を深刻に受け止めているのだ。ニューヨークにいる失業中の俳優たちも心配しているはずだ。

しかし、チームメンバーのSharon Gai氏は、「ロボットに仕事を与えることで偉大なアメリカを取り戻します」と語り、RoboWaiterの誕生はアメリカ人にとって明るいニュースだと主張する。

もちろん、人間に仕えるロボットが誕生したのはこれが初めてのことではない。カリフォルニア州のEatsaは、人間をまったく必要としないレストランを展開している。元TechCrunchライターのAlex Wilhelmがロボットにお酒をどんどん勧められ、危うく酔っ払いそうになったというエピソードもある。

Gai氏、Yang氏、そしてもう1人のメンバーであるIrvin Cardenas氏はかねてからの友人同士だった。実際、彼ら3人は去年のDisruptハッカソンにも参加し、プロモーター・プラットフォームのCrowdBuilderを披露していた。このプロダクトは鳴かず飛ばずだったが、彼らはこのRoboWaiterで何らかの実績を残したいと願っている。

Cardenas氏はロボットスタートアップのRobotica.aiの創業者でもあり、今回のDisruptでも別のロボットを披露している。彼の2つのチャレンジが上手くいくことを私たちは願っている。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

バーやクラブで自分のお気に入りの曲を――WEDJはユーザー参加型のプレイリスト作成アプリ

今週末に開催されたHackathon at Disrupt NYに登場したWEDJ(読み方は”ウィーディージェー”で、”ウェッジ”ではない)は、ユーザー同時が協力して曲のプレイリストを作ることができるアプリ。パートタイムのハッカーたち4人によって制作されたこのアプリは、今はなきTurntable.FMの現実世界版とも言えるもので、バーやクラブ、オフィスなどでの利用を想定されたものだ。

ジオローケーション技術を利用したこのアプリでは、あらかじめ(店のオーナーによって)定められた範囲にいる人々が協力してプレイリストを作成する。ユーザーはGoogle Mapを通してプレイリスト作成に参加できる場所を検索することもできる。プレイリストの作成に参加したユーザーは、YouTubeやSoundCloudなどからお気に入りの曲を探し、プレイリストに追加する。他のユーザーは曲を再生する順番を決める投票に参加することができ、その後、店のオーナーが最終版のプレイリストを決定するという仕組みだ。

このように集められた曲は1つのプレイリストに集約され、投票によって決められた順番で再生される。「これにより、従来はDJの役割だったプロセスにユーザーが参加することができます」と語るのは、チームメンバーの1人で、普段は宝飾品の販売員として働くTravis DeSilva氏だ。WEDJのシステム自体はインターネット・ジュークボックスに似ているものの、WEDJにはモバイル端末を通した投票機能によって民主主義的な要素が加えられている。

もちろん、従来のジュークボックスとは違い、人々がこのアプリにお金を入れこむわけではない。そのため、WEDJのチームは今後アプリを継続して運用するにあたって今後のマネタイズ方法を模索していくという。可能性として考えられるのは、インターネット・ジュークボックスと同様に、お気に入りの曲の再生順を上げる代わりに追加料金を受け取るという方法だ。また、WEDJのチームは利用する店側に課金する方法も考えている。

WEDJをハッカソンプロジェクトから本当の意味でのプロダクトへと進化させるためには、まだ様々な課題が残っていることはチームメンバーも承知している。その1つが著作権の問題であり、プロダクト版のアプリではYouTubeやSoundCloudを曲を探すソースとして利用することはできなくなるだろう。しかし、このようなソーシャル・ミュージックアプリが、すでにスマートフォンによってプレイリストを作成しているバーやクラブに受け入れられることは容易に想像できる。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

6歳のSriyaがデモしたペッパーはハイタッチで自閉症を改善

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アメリカの児童は64人に1人の割合で自閉症スペクトラムに起因する問題を抱えているという。明らかにこれには対処のための研究が必要だ。TechCrunchが開催しているSF Disruptのハッカソンでは6歳のShriya Sreejuがこの点を訴えた。Sreejuが紹介したのはペッパー・ロボットをプラットフォームに利用した自閉症ソリューションだ。

「ペッパーはスクリーンにカードを表示します。子供が正しいカードを選んでカメラにかざすと、ロボットとハイタッチできます。ペッパーは『グッドジョブ!』と言います。ハイタッチに2回成功するとペッパーははうれしがってダンスを踊ってくれます。スクリーンにはニコちゃんマークが表示されて感情の表現を助けます」とShriyaは説明しいた。

ロボットが支援する

Sriyaが紹介したとおり、このロボットは自閉症の子供たちが感情、情緒を把握するのを助けることを目的としている。

「パパがコンピューターがやる部分を作りました」ということだ。Shriyaはこのロボットがどのように動くべきかをデザインした。「もし間違ったカードを選ぶと、ペッパーはそのカードの名前を言います。自閉症の子供たちはこれによってカードを選ぶという作業への集中を切らさずにすみます」。

なるほどSriyaはソフトウェアそのものをコーディングしたわけではないが、実際に話し合ってみたところ、彼女がこの問題に本当に熱心に取り組んでいることがわかった。その熱心さはステージでの説明を見ればはっきり感じ取れる。プレゼンには確信があり、明快でわかりやすかった。お許しいただきたいが、一部のハッカソン参加者のプレゼンよりわかりやすかったと思う。

プレゼンを終えてステージから降りてきたSriyaに「緊張しなかった?」と尋ねてみた。

「いいえ?」というのが答えだった。質問自体ナンセンスだったらしい。たいしたものだ。

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Sriyaのパパでメディカル・スタートアップのエンジニアであるSreejumon Purayilによれば「SriyaはDash and Dotでずっと遊んでいた。2人いろいろなテクノロジーを試したのです」ということだ。

Sriyaは将来の進路をテクノロジーに決めたわけではない。「私はいろいろなことが好きです。アート、工作、テクノロジー、それに体操も好き」ということだ。

下のビデオでハッカソンでのプレゼンを見ることができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

PeppAR Waiterは、メニューを3Dで見せてくれるロボットウェイター

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レストランメニューの安っぽい写真はもういらない!これからはロボットと拡張現実が取って代る。

それが未来に向けてのプランだ。少なくとも、先週末TechCrunch Disrupt SFハッカソンに登場した大胆かつ先進的なプロジェクト、PeppAR Waiterを見る限りは。

作ったのは恐れを知らぬハッカーYosun Changで、このハッカソンで4つのプロジェクトに関わっている。PeppAR Waiterは、Softbankの愛らしいロボットPepperとChang独自の拡張現実サービス — Holo Yummy — を使って作られた未来的注文体験だ。

Pepperはウェイターになって、メニューを載せたタブレットを手に注文を受ける。タブレットではARを利用してホログラムによる料理のプレビューが作成され、客は専用アプリを通じて自分のスマホやタブレットで見ることもできる。

注文とプレビューが完了したら、Pepperは立ち去り、やかて出上がった料理を運んでくる(キッチンにもロボットがいる可能性はあるが、それはまた別の話)。

Pepperをウェイターに使う例は前にもあったが、ARを付加したことは一歩前進だ。Changはこの他に、SnapGlass.esPokeTrump.clubPoint.Shopでもハッカソンに参加している。デモに使ったメニューは、サンフンシスコのトレンディーなレストラン、Atelier Crennのもので、そこではプラットフォームにHolo Yummyを使っているが、他のレストランにも対応可能で、料理以外にも応用できる。

いずれこの種の技術は高級レストランやホテルなどで使われる可能性があるとChangは言う。どんな料理が出てくるのかを客が事前に知りたいと思い、ロボットによるサービスが受け入れられるような場面だ。PeppAR Waiterはそれを実現できるサービスではないかもしれないが、未来に向けて魅力的な一品を提供したことは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オープンソースソフトのバグフィクスにインセンティブを払うサービスシステムGit Bounty

オープンソースのソフトウェアを使っていてバグらしきものに遭遇したけど、自分にはバグフィクスのためにコードを精査しているひまもないし、原作者も今ほかのことで忙しいらしい、というときは、コミュニティの力に頼るしかない。そういうときのために、モントリオールからDisrupt SFのハッカソンに参加したフランス系カナダ人のチーム(一人は本物のフランス人)が考えたGit Bountyは、バグフィクスをやってくれるプログラマにインセンティブを提供する。直してもらいたいバグとお礼の金額を指定して、Git Bountyにポストするのだ。

Git Bountyを作ったAngus MacIsaacとAdam Burvill、Anton Shevchenko、Nathan Boiron、Martin Coulombeの5人は、モントリオールのデベロッパOsedeaで仕事をしている。これのアイデアを思いついたのは、先週の金曜日(米国時間9/5)だった。

“ハッカソンには、なにか有意義で便利なもので参加したかった”、OsedeaのCoulombeは言う。実は最近同社は、いつも使っているオープンソースのフレームワークのバグフィクスを、2000ドル払って第三者にやってもらったことがある。同社のチーム自身がバグフィクスをやると、人と時間を取られすぎて、本来の仕事が遅れてしまうからだ。

Git Bountyの正式ローンチはDisrupt SFの終了後を予定している。Coulombeが言うには、“こういうサービスの需要は十分あると思う。オープンソースのコミュニティがどれだけ利用してくれるか、結果を見たいね”。今後は、バグフィクスだけでなく、新しい機能、‘こういう機能がほしいけどなぁ、自分にはやってるひまがない’機能の実装も、インセンティブの対象にしたい、と。

チームはこのハッカソンに参加したことを機会に、新しいPHPフレームワークLaravelを勉強した。Git Bountyの通知機能にはTwilioのAPIを、支払決済にはStripeを使っている。

長期的には、インセンティブの額から同社がマージンを取ることを考えている。‘取る’というより、Git Bountyという活動への自発的な‘寄付’がいいかな、とCoulombeは言っているが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))