ひとつの映画を1年かけて視るVery Slow Movie Playerってなんだか分からないがすごい

誰かが、Every Frame a Painting*〔直訳: どのコマも一枚の絵画だ〕を字義通りにとらえたのかもしれない: The Very Slow Movie Playerと呼ばれるこのデバイスは、映画を壁紙に換えて、1時間に1回ずつ映像を1秒間、前へ進める。家の中にとてもおもしろいオブジェクトがあることになり、よく知ってる映画ですら、新鮮に感じる。〔*: このチャネルは‘YouTube上の世界最高の映画学校’と言われる。〕

このアイデアは、デザイナーでエンジニアのBryan Boyerの脳に、われわれ全員がよく知っているあのときに生じた。家でじっと座って、遅いことの良さをうまく表現する方法を考えているときだ。

そのとき彼は、“映画を読書のスピードで消費することはできないだろうか?”、と考えた、ゆっくりと。“ものごとを極端に遅くしたら、それを正しく鑑賞する余裕ができる。…しかしその持続をもっと引き延ばすと、ものごととそれを視る者とコンテキストとの関係が変わり始める。映画を本来のスピードの1/3600のスピードで視たら、それはもはやとても遅い映画ではなくて、朦朧(もうろう)とした時計のようなものになる。でもVery Slow Movie Player(VSMP)で時間や時刻はは分からない。ただ、時間のにじみを背景にして自分自身を視るだけだ”。

Very Slow Movie Playerは、eペーパーのディスプレイをRaspberry Piのボードにくっつけたものだ。そこにムービーをロードすると、それを一度に一(ひと)コマずつ表示し、2分30秒経つと画面をアップデートする。〔==1時間で24コマ、すなわち映画1秒ぶんとなる。〕

通常の、毎秒24コマではなく、毎時間24コマを視ることになる。ふつうの映画の3600倍遅くて、1年に7千〜8千時間の絵が作り出されるだろう。〔2時間の映画なら7200秒、VSMPでは7200秒→7200時間=300日。〕

Boyerはプロジェクトを説明するポストで、こう言っている: “あまりにも遅いから、ふつうに映画を鑑賞することはできない。VSMPとにらめっこをしたら、あなたは毎回負けるだろう。それは、気づいたり、ちらっと見たり、調べることすらできるけど、ウォッチすることはできない”。

彼はそれを、Bill Violaの作品と比べている。その超スローモーションのポートレートも、最初から最後までウォッチすることはできない(よほど辛抱強い人でなければ)。そしてどちらも、映画(動画)と静止画像の中間に位置する冥界に存在する。

もちろん、画像そのものはもっと良くしてほしい。eペーパーの色深度は本質的に1ビット(黒/白)だ。だから映像の色や階調が表す微妙さはすべて、白か黒かのディザリングへと消えてしまう。

現状では場面のコントラストやゾーンは強調されるが、でも「裏窓」を映画として見たければいつでもできる。しかし、それを一つのプロセスとして、時間との関係として、現実世界と人生のコンテキストの中に存在するオブジェクトや画像として鑑賞したいなら、…そのためにVery Slow Movie Playerがある。

画像クレジット: Bryan Boyer

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クラウドファンディングで開発を持続できたeペーパータブレットreMarkableがついに8月29日に発売

紙の単純性と多用途性をテクノロジーの力で再現したい、という願いは今でも健在だが、それを実現したデバイスはまだない。でも、reMarkableでそれが変わるかもしれない。この ユニークで意欲的なタブレットは、紙にできることをもっと上手にやることをねらっている。そのアイデアが4年前に提案され、クラウドファンディングに載ってから1年近いが、チームはついに最初の製品を8月29日に発売する

reMarkableを、金だけ取って消えてしまう幽霊プロジェクトだ、と思った人も多かった。でもチームは諦めることなく、集中力を維持し、そして幽霊とはほど遠い意外な結果をもたらした。

まだ開発途上の製品なので、最初の製品を受け取った人たちも、今後の忍耐が必要だ。ぼくもテストするとき、そのことを忘れないようにしよう。でも、チームが長年心血を注いだ核心部分は、感触と基本的な機能だ。製品が届いたらすぐに、報告記事を書こう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソニー、デジタルペーパー・タブレットの新機種を発売。解像度が大幅アップ

Sonyの巨大13インチデジタルペーパー・タブレットは、書き込みのできる大きなKindleとも言える。まだめったに見かけることはないが、私はずっと愛着を持って見守ってきた。だからSonyがこのユニークなデバイスに力を注ぎ、今回大きく改善された新型機を出したことを喜んでいる。

DPTS1に代わるDPT-RP1には、ユーザーが喜ぶにちがいない変更がいくつかある。E InkのMobiusディスプレイを採用した画面は解像度が1200 x 1600から1650 x 2200へと増えた(206 DPIはすばらしい)。解像度の増加によるバッテリー寿命への影響はないようだ。ほかのEペーパーディスプレイと同じく超長寿命で1~2週間使える。

タッチスクリーンも改善され、表面の質感も変わった。Eペーパーディスプレイの反応は決してよくないので、体験を改善する変更はなんであれ歓迎だ。これによって、端末での新たなメモや注釈の機能が可能になるものと思われる。

そしてもちろん、ハードウェア自身も刷新された。重量は変わらないが、デザインがすっきりしてベゼルがわずかに細くなった。

左が新型機

ミニマルなルックスになってよかったと私は思う。ただし、スタイラスの置き場所は別に探す必要がある。

変わらなかったのは高価であること。それでも、700ドルの新型デジタルペーパータブレットは、旧機種よりは安くなった。

Surfaceシリーズを始めとするコンバーチブル・コンピューターやreMarkable等の新規Eペーパー製品がSonyのシェアを奪おうと狙っている。オフィスに何台か置くべきかどうか知るために、使ってみる機会を作るつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このカラーeペーパーは、柔軟で厚さはわずか1μm

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電子書籍端末に見られる反射型ディスプレイは、白黒テキストには最適だが、カラーはまだ人を引きつけるだけの魅力をもたない。新たに発見されたフルカラー eペーパーがそれを変えるかもしれない。しかも、材質は柔軟で電力消費も少ない。

スウェーデン、チャルマース工科大学のAndreas Dahlinと大学院生のKunli Xiongは、導電性ポリマーとナノ構造体を組み合わせる方法を研究中にこの材料を作り出した。小さなセル ― プラズモニックメタ表面と呼ばれる ― はわずかな電圧変化によってオン/オフできる。液晶のサプピクセルと似ている。しかし、他の反射型ディスプレイ(通常の紙も)と同じく、自らは光を発しない。

この材料サンプルは結線されていないが、表現できる色の一部を示している。

「通常のディスプレイと異なり自らは発光しないが、外部の光を反射して光る」とDahlinがニュースリリースで説明する。「このため、暗いところで見やすいLEDディスプレイとは反対に、屋外の太陽等の明るい光の下で非常によく見える」。

〈プラズモニックメタ表面〉の構造を変えることによって、反射する色を調整できるため、レッド、グリーン、ブルーを構成を変えることによって様々な中間色を作り出すことができる。

従来のカラーeペーパーは、概して色あせた印象があり、このテクノロジーがその〈わな〉を回避できるかどうかは定かでない。Dahlinもそれは認識していて、できるだけ濃い色を出す努力をしているところだと言っていた。

リフレッシュレートは1秒間に数回程度だが、解像度は液晶や既存のeペーパーをはるかに上回る可能性をもっている。

「解像度の限界はまだ試していないが、何を表示するのにも十分な、おそらく数マイクロメートル/ピクセル(10^4 dpi)は可能で、これは人間の目が識別できるものよりずっと小さい」とDahlinはTechCrunchにメールで伝えた。ちなみに、10の4乗、即ち1万DPIというのは、iPhoneの解像度よりおよそ1桁高い(もし私の計算が正しければであり、それは大きな〈もし〉だ)。

もちろん、実際に製造できなければあまり意味がない ― そしてそれが2人チームでは足りない部分だ。

「私たちは基礎的なレベルを研究している。それでも、製品を生産する段階はそれほど遠くない。今必要としているのはエンジニアだ」とDahlinは言った。

現在この材料には金と銀が使用されており、量産コストを下げるためには避けたいものであることは明らかだ。

これは、E-Inkのような会社が大いに興味を持つに違いないものだ。この種の低消費電力・多色ディスプレイは、十分価格が安ければデジタルサイネージに最適であり、少々高価でもeリーダーに使える。うまくいえば数年のうちにDahlinのディスプレイを手にすることができるだろう。ふたりの研究は、Advanced Materials誌に発表されている。

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スマートウォッチのPebble、2000万ドルを集めながら破綻の噂

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スマートウォッチメーカーのPebbleにトラブルが起きているらしい。会社に近い筋によると、同社は成長を維持する上で困難に遭遇し、Sillicon Valley銀行に500万ドルの融資および500万ドルの与信枠を要望した。シリコンバレーのベンチャーキャピタルらは、同社からの新たな資金調達要求を却下している。

PebbleのCEO Eric Migicovskyはコメントしていない。

同社は最近驚異的に成功したKickstarterキャンペーンで2000万ドルを集め、現在150人の従業員を抱えさらに雇用している。クラウドファンディングによる資金注入 ― 手数料差引後約1800万ドル ― にもかかわらず、会社は成長を維持するためにVC資金を求め、今度は「沈まないために」銀行融資に頼った。

情報源によると、多くの従業員が、Apple、Androidその他のライバルに直面するにつれ、会社の方向性に不満を感じているという。例えば、Olio watchが発売されれば、Pebbleのインディー・スマートウォッチの看板を奪われるかもしれない。Pebbleは最近、フラグシップ機の99ドル白黒Eペーパーウォッチの後継として、Pebble Timeを発表した。新機種はカラーEペーパー画面を採用し、内蔵マイクロホンを持つ。

しかし、会社はすべてを失ってはいない ― 今のところ。私が話した匿名の社員は、慎重ながらも楽観的だった。しかしGlassdoorの3月の記事によると、彼らの雇用プロセスは ― 元Appleハンチョーで法務顧門のJeff Hymanが運営している ― 評判が悪い。

「うちは若い会社だ。Pebbleの前途は非常に明るい。これまでの道のりは素晴らしかった」と匿名を希望する現従業員は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook