インディーのデベロッパーたちはコントローラーの要らないゲームを志向する…今年のE3より

今年のE3で、ありすぎるほどあったものは、コントローラーだ。大量にあった! Xboxのコントローラー、Dual Shockコントローラー、サードパーティのコントローラー、モーションコントローラー。しかしインディーゲームのコーナーIndiecadeでは、デベロッパーたちが、コントローラーまったくなしでゲームをプレイするさまざまな方法を工夫していた。それらにより、デジタルのゲームに、独特のアナログな楽しさがある。

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ClapperというiPadゲームは、プレーヤーが曲に合わせてパティケーキ的に手をたたくと、iPadのカメラがそれを捉える。画面の上をいろんなアイコンが流れていくとき、正しいタイミングで手をたたかなければならない。一種の、リズムゲームだ。Clapperは子ども向けのゲームだが、E3の会場は子ども不在で、大人たちがけっこう楽しんでいた。単純なゲームだから、ぼくのおふくろが幼いいとこと遊ぶこともできるだろう。でもレベルが上がると難しくなるから、大人のための愉快なパーティーゲームとしても最適だ。

octobo

OctoboはYuting Suの修士論文から生まれたゲームだが、評判が良いので作者自身が商品化することにした。Octoboはぬいぐるみの蛸(上図)で、子どもたちは蛸の足のあいだに物を置くことによって、蛸と対話する。蛸の円い大きな目とその下の口はiPad miniの画面で、アニメーションによって表情を変える。絵本がついていて、その中でOctoboは、魚を捕まえたいからシマシマ(縞々)をちょうだい、などと言う。子どもは、言われたとおりの物をOctoboに与える。絵本の物語とテクノロジーをうまく結びつけているし、なにしろ、とってもかわいい。

playtable

Prizm LabsのPlayTableは、まだプロトタイプだ。それは、古くからある卓上ゲームを大きなタッチディスプレイに移植したようなゲームで、いろんなゲームピースを使える。それらのフィギュアやカードにはRFIDのタグがついていて、それをタブレットが見分ける。また、手のジェスチャーによって魔法などのアクションを表現する。今年の終わりごろ一般公開するときには、もっと詳しい情報を提供できる、と言っている。

ここでは三つだけ取り上げたが、従来的なコントローラーを使わないゲームは、もっともっとあった。たとえば、Leap Motionを利用するゾンビー退治ゲームがあったし、大きな鏡の前でプレーヤーがダンスを踊るのもある。また、ふつうにコントローラーやキーボードやマウスを使うゲームにも、新しい工夫がたくさん見られる。詳しくは、IndiecadeのWebサイトへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Contact CIのExotendonシステムは、VRに触覚をもたらす

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時として、大会で一番クールなデモは、業界大手の明るい照明や大きなブースから離れた、会場の隅に追いやられていることがある。今年のE3の隠れた宝石は、Contact CIから出てきた。オハイオ州シンシナティー拠点の小さなスタートアップは、現実そっくりのVR操作を可能にする高度なグローブのデベロッパーキットを、初めて公開した。

「私たちが作ったのは、Exotendonというモーションキャプチャーのシステムで、これまでのモーションキャプチャー用グローブとは全く異なる」と共同ファウンダーのCraig Douglassは言った。「使用者のあらゆる動きをリアルタイムで捕え、それを模倣した動きを、ヘッドセットで使っているゲームエンジンに送り込む。さらに、触覚フィードバック機能を持ち、指先の5つのアクチュエーターを通じて振動を与えることによって、何かを持ち上げるときには把む感覚を、放すときには物が離れる感覚を得られる」

まだ開発のごく初期段階にあり、残念ながら、展示のプロトタイプを私が少し試した限りでは、約束された触覚フィードバックを感じることはできなかった。また、較正の問題もあり、5~10分間のやや複雑な手順が必要だ。このため、デモでは使用者毎に較正が行われなかった。

手の大きさも、システムの効果に大きく影響するため、私自身のデモは少々いら立たしいものだった。元々バスケットボールのシュートが苦手な私は、バランスの悪さと較正不足があいまって、少々悲惨な状態に陥った ― ボールを手に取ることさえままならない。それでも彼らの言いたいことは伝わった。

Contact Ciは、今秋デベロッパーキットの出荷を開始する。価格は1対が470ドル、片方だけが250ドル(当然、1対の方がよりよい体験を得られる)。一般販売までには、1対299ドルまで価格を下げたい、と同社は言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

今年のE3の最高にクールなビデオゲーム11編…それらの予告編を全部見よう

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今年のE3ではVRと新しいタイプのゲームを主に取り上げてきたが、でもほかのものを無視していたわけではない。読者の中で、実際に行った人でも、見逃したものは多いだろう。そこでここでは、僭越ながら、ぼく自身にとって面白かった“予告編”ビデオを集めてみた。

The Legend of Zelda: Breath of the Wild

今年はLinkが目立ちすぎるから、あえて取り上げなかった。NintendoのブースはZelda一色で、ひな壇のVIPエリアもこのゲームのために使われていた。発売は来年だが、ちょっとプレイしてみた感想は、すごい!の一言。本誌でも、必ず誰かが記事を書くだろう。

We Happy Few

ディストピアはゲームにふさわしい環境だ。このゲームもまさにそうだ。オーウェル的でハックスレー的でもあるこのゲームは、独裁政権に苦しめられている人びとと、JoyというSomaのようなドラッグがメインのテーマだ。

Sea of Thieves

誰もが参加できるマルチプレーヤーの海賊ゲーム。あなたは酔っ払って海の戦闘に加わるのだが、波の描き方は完璧だ。

Detroit: Become Human

Heavy RainやBeyond: Two Soulsを作ったデベロッパーの作品だから、ここでもテーマは対立。プレーヤーもその対立に加わる。めでたくエンディングに到達するためには、10回以上プレイしなければならないだろう。

Death Stranded

Sonyの記者発表でHideo Kojimaがライトの中を歩く様子は、シュールだった。でもそれは、この予告編に比べたら大したことない。比べる気にもならないけどね。

Titanfall 2

ぼくは、1をプレイしていない。それでも、続編を見たかった。シングルプレーヤーの戦闘、拡張された互換性、そしておなじみの、巨大ロボットの破壊。

Horizon: Zero Dawn

おかしな名前だけど、ゲームはおもしろい。あなたは、黙示録後の世界で洞窟に住む女性。そして巨大な恐竜ロボットを退治する。最初は、かなりUbisoft的かと思ったけど、今度の予告編ではゲームが前面に出て、しかもゴージャスだ。

Watch Dogs 2

Watch Dogsは、”非常にUbisoft的”と批判された。それでも大成功したが、今や影が薄い。予告編が、良すぎたのだ。しかし今回の続編は、あちこち改良されている。Ubisoftスタイルのチェックリストゲームはスナック菓子のようなものだから、ぼくもプレイするだろう。

Spider-Man

Marvelの人気最大のヒーローの、パワーと敏捷さを再現したゲーム。これまでの、いかにも職人的でまじめな“スパイダーマンのゲーム化”とは違う。ただし、この予告編のとおりの出来ならばね。

The Last Guardian

このゲームは開発に長くかかりすぎた力作だ。でもそれは、どうでもよいこと。すばらしいゲームだし、今や赤ちゃんグリフィンが2頭もいる。どっちか1頭が死んだだけでも、ぼくは大泣きするだろう。

God of War

最初の三部作とおまけゲームは、ちょっとしかプレイしていない。ギリシャ神話もエンドレスな大虐殺も好きだけどね。でも、そんなぼくでさえ、今年のSonyのゲームにはコーフンした。Kratosが登場するときの、オーディエンスのワァーッという声は、すごかったね。

もっともっと取り上げるべきだとは思うけど、11はまあまあの数だろう。しかもこれから、Square-Enixとのアポイントがあるので、それに遅れたらやばいからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カールツァイスが高級Google Cardboardヘッドセットを作った

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Google Cardboard最大の魅力は何といってもその手軽さだ。新聞と一緒に配達することだってできる。ドイツのカメラの老舗、Zeissは、129ドルのVRヘッドセット、One Plus(スペースのないOnePlusとは別物)で違う方向性を示している。作りは高級で、もちろん同社のハイエンドな光学システムが使われている。

使用できるスマートフォンは、4.7~5.5インチ画面の機種で、調節可能なシステムによってヘッドセットに固定される。One Plusには多くのパッドが付けられていて、長時間の使用を快適にする。

鍵となるのは、もちろんレンズで、焦点調整なしでシャープな画像を見ることができる。同様のデバイスでよく見られるような周辺の歪みも排除されている。これまでで最高レベルのGoogle Cardboard体験であることは間違いない。

ヘッドセットには、ちょっといい拡張現実を味わえるキューブが同梱される(スマートフォンのカメラを利用したもので、デベロッパー向けの概念実証に使用される)。One PlusはAndroidおよびiOSに対応しており、DJIアプリと連携してドローンからの一人称視点も提供する計画。GoogleのVR規格、Daydream対応も開発中だ。
発売は8月の予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

似た物同士の多いVRヘッドセット市場でSonyがそのひそかな勝策を語る…勝者を決めるのは高度なコンテンツだ

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Oculus, HTC, Samsung, それにたくさんのマイナーメーカーたち、2016年はVRの存在がE3におけるホッケースティックグラフの様相を呈した。ここ数日のロサンゼルスの会場の熱気を見ていると、それは単なる‘見本市の展示物’を超えて、E3に出展している大企業たちの、最大の気合の入れどころになっている。

Microsoftですら、そのE3直前のビッグイベントで、VRが課す厳しいハードウェア要件を満たしたゲーム機のアップデートを披露した。もちろん、VRでトップに立ちたいSonyも負けてはいない。このハードウェアの巨人はまず2014年にProject Morpheusを発表し、さらに昨年は、もっと単刀直入なPlayStation VRに名前を変えた。

今年のイベントで同社は、年末にPlayStationにお目見えするゲーム作品をいくつか発表し、またヘッドセットの価格と発売時期を発表した。その399ドルという価格は、疑いもなく、このデバイスの重要なセールスポイントの一つだ。なにしろ、RiftやViveよりも200〜400ドル安い。

[PlayStationのチームがVRゲームの未来を語る]

Sony PlayStationのマーケティング担当VP John Kollerによると、同社のVR作戦は価格だけにとどまらない。“コアユニットの399ドルという価格は、たしかに大きな市場機会を弊社に与えるだろう。でも、弊社の優位性を決定づけるのはむしろゲームだ。年内に50本発売するし、今150本を制作中だ。デベロッパーを、230名投入している。それは、コンテンツの量としては、ものすごいものになるだろう”。

また、当面はゲームがSony VR製品の出足を加速するだろうけれども、長期的には、VRヘッドセットを利用する多様な没入的コンテンツを構想している。今、そっち方面に、ゲームデベロッパーでなく多くのコンテンツデベロッパーを投入している。“われわれ内部における今の主な話題は、ゲーム以外の多様な選択肢だ”、とKollerは述べる。“それは、ぜひやらなければならない課題だ。VRの最高におもしろい体験は、ユーザーが自分の好きなアドベンチャーを選ぶタイプになるだろう。それは、ストーリーが多様に枝分かれしていくようなコンテンツだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))