グーグルがAndroidスマホを地震計にする技術を発表、世界最大の地震検知ネットワークを作り出す

米国時間8月11日、Google(グーグル)はあまり共通点のないAndroidの新機能をいくつか発表した。Android Auto(未訳記事)とAndroidの緊急時の位置情報サービス(Googleブログ)がアップデートされ、Lookoutアプリ(Googleブログ)に新たなアクセシビリティ機能が追加され、睡眠アプリのAndroid Clock(Googleブログ)がバージョン6.0以降(以前はPixelスマートフォンのみの機能だった)搭載するすべてのAndroid端末に提供される。

しかし本日の発表のハイライトは、グーグルの新たな世界規模の地震検出システムだ。これは新しい地震アラート機能としてカリフォルニアでローンチされる。グーグルはAndroidスマートフォンを地震計に変えることで、同社によれば「世界最大の地震検知ネットワーク」を作り出すという。

グーグルによればスマートフォンの加速度計は、地震の後に到着する最初の波であるP波(UC Berkleyブログ)を測定するために十分に敏感があると主張している。スマートフォンが地震を検知したと判断すると、その情報を中央サーバーに送信し、これが本当に地震だったかどうかを判断する。今のところ、グーグルがこのデータを使うのは誰かが 「地震」 やそれに似たキーワードを検索したときに情報を表示するためだけだ。しかしいずれ、スマートフォンベースのシステムに基づいてアラートを送信できるようになることを期待している。

カリフォルニア州では一歩進んで、グーグルは米国地質調査所(USGS)およびカリフォルニア州緊急事態対策局(Cal OES)と協力し、ShakeAlertネットワークを使用する。同ネットワークは州内の700の地震計のデータを利用しており、地震に関する警報を提供している。「数秒前に警告があれば揺れが来る前にかがんで身を隠したり、何かに掴まる時間を与えることができる」とグーグルは主張している。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

震動検知モバイルアプリのMyShakeは、地震データの世界ネットワークを作る

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去る2月、UCバークレーの地震学者グループが、MyShakeというアプリを発表した。地震活動を受動的に監視するシステムで、地震を記録すると共に、発生している最中には人々に警告する。アプリは開発者の予想を超え、発表後数ヵ月間に10ヵ国以上で200回以上の地震を検出した。

すでに20万回以上ダウンロードされているが、同時に動いている数はわずかだ。正確に測定するために、アプリはスマートフォンが静止するのを待って動作する。それでも最初の6ヵ月間で、このセンサー・ネットワークが極めて有効であることを証明した。

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地震発生地(星印)と近くのデータポイント。

「MyShakeが大きな地震だけでなく、不可能だと思っていた小さな地震も検知できることがわかった」とアプリ開発者の一人、Qingkai KongNew Scientist誌に話した。

初期の結果を報告した論文は、Geophysical Research Lettersで公開されている ― アプリ成功の概要が論文の要旨に書かれている。

通常1日に約8000台の端末から加速度波形データがMyShakeに送られてくる。端末アプリはP波の初動を検出し、マグニチュード2.5以上の地震を記録する。これまでに一回の地震から得られたデータが一番多かったのは、南カリフォルニアのボレゴプリングスで起きたM5.2の地震で、MyShakeは有効な3種類の波形データを103件収集した。Google Playストアでは毎日アプリが新たにダウンロードされているので、ネットワークは拡大を続けており、地震が続けて起きた時等人々の関心が高まった時には、急速に増えている。

スマートフォン等の携帯端末の加速度計が驚くほど役立つことは科学者やエンジニアが報告している。何十何百もの端末が、震源地からの距離と高度が様々な場所に置かれていることは、地震学者にとって計り知れない価値がある。また地震の多い地域では、事前に警告を発することで、避難の準備や声をかけあう時間を少しでも増やして安全性を高められる。

MyShakeは世界中で最近起きた地震のサマリーも提供していて、自分の住む地域で過去にどんな地震が起きたかを知ることができる。私もインストールしたので、シアトルに大きい地震が来たときに誰よりも早く行動できるが、もちろんその過程で科学コミュニティーに貢献できれば光栄だ。

アプリはAndroid用のみ。無料でここからダウンロードできるので、ワールドワイドネットワークの構築に協力しよう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

地震の“予報”はまだ無理だが“早期警報”は可能かもしれない、高密度な地震計ネットワークShakeAlertを米西部でテスト中

Italian firefighters and soldier walk amid ruins during operation aiming at reopening the road in Rio, a little village near Amatrice, central Italy two days after a 6.2-magnitude earthquake struck the region killing some 267 people and injuring at least 367 people. 
An increasingly forlorn search for victims of the earthquake that brought carnage to central Italy entered a third day on August 26 but no one has been pulled alive from the piles of collapsed masonry since August 24 evening. / AFP / MARIO LAPORTA        (Photo credit should read MARIO LAPORTA/AFP/Getty Images)

アメリカ地質調査所(United States Geological Survey, USGS)といくつかの大学が協力して、ShakeAlertと呼ばれる地震早期警報システムを作っている。その目標は、地震が起きる10秒前までに警報を提供することだ。まだ一般公開されていないが、目下、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの三州でテストを行っている

プロジェクトのリーダーの一人でカリフォルニア大学バークリー校地震研究所の所長、そして地球惑星科学科の学科長でもあるRichard Allenは語る: “同様の地震早期警報システムのテストを、イタリアのIrpinia(イルピニア)地方でナポリ大学が行っている”。

水曜日(8月24日)にイタリア中部で、マグニチュード6.2の地震が発生し、イタリアのメディアによれば今日(米国時間8/26)現在で死者数は281名へと増えている。

Allenは本誌の取材に対して、ShakeAlertは地震を予報するシステムではない、と語った。「水曜日にロサンゼルスで地震が発生します」、というのが‘予報’だが、Allenによると彼らのプロジェクトは地震の予報はできない。“近い将来に地震の予報が可能になることは期待できない、という点で多くの地震学者の考えは一致するだろう”、とAllenは語る。

むしろ私たちは、今何ができるかを考えるべきだ。そこに、ShakeAlertのようなものの出番がある。このシステムは、地震が約10秒後に起きる、と警報する。プロジェクトの関係者たちは、警報を自分のスマートフォンで受け取る。

Allenの説明によると、われわれは地震が突然起きると考えがちだが、実はその動きが到達するまでに一定の時間がかかる。ShakeAlertは、地中に埋めた複数の地震計(地震センサー)のネットワークを利用する。計器が地中の動きを記録して、そのデータをバークリーやUSGS、またはカリフォルニア工科大学に送る。地震計のネットワークが密であればあるほど、観測の精度は高い。

“ベイエリア〔サンフランシスコ周辺〕では、間隔が10から20キロメートルぐらいだ”、とAllenは語る。“カリフォルニアのそのほかの地域は、計器の密度がもっと粗い”、という。カリフォルニア全域でセンサーの数は550、内約200がベイエリア、200がロサンゼルス周辺、その他が州全域だ。これらが、警報システムのプロトタイプを構成している。

このシステムの構築には、国と州の両方がお金を出している。8月15日にUSGSは、地震早期警報システムShakeAlertの実用化への移行のための研究に6つの大学に370万ドルを助成する、と発表した。Allenの試算では、構築には3800万ドルを要し、各年の運用費用が1610万ドルだそうだ。

Allenは曰く、“近い将来、みんなのスマートフォンに警報が行くようにしたい。2018年には特定の地域で、少数の住民による本番利用を開始したい。そこには、これまでよりもっと密度の高い地震計ネットワークを整備するだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))