太陽電池を搭載し自ら電力を供給し続けるMayhtの小型高音質スピーカー

Powerfoyleはあらゆる光源から電力を取り出す素材を生み出し、Mayhtは新しいタイプのスピーカードライバーを開発した。この2つを組み合わせれば、お気に入りのプレイリストを聴き終わったあとも、ずっと鳴らし続けられるBluetoothスピーカーができあがる。両社は、2021年のCESでそのプロトタイプを公開しました。

MayhtのHeartmotionテクノロジーは、従来のドライバーの代わりに、10倍コンパクトで、もっとフラットな、軽量なスピーカーを実現させる。同社は音質、音域、出力に妥協することなく、このレベルの魔法を実現することを約束している。

「近年、家電製品はよりパワフルでコンパクトになりましたが、スピーカーのコアテクノロジーはこの100年間、ほぼ進化していません。私たちのHeartmotionスピーカー技術は、業界が夢をみながらも実現できなかった革命だと確信しています」という。

従来のスピーカー技術に比べ、はるかに小型・軽量であることに加え、ドライバーは現在市販されている同性能のオーディオ機器より少ない電力で駆動する。このスピーカー技術とExegerの太陽電池素材「Powerfoyle」との組み合わせは、まさに「フレックス」だ。この太陽電池は、屋内外のあらゆる光をエネルギーに変える。この太陽電池材料は、自己充電式の太陽電池製品の製造に使用することができ、その試作品は、この技術がコンシューマー向け製品として世に出る可能性を示す現実的な例の1つとなる。また、CESではBlue Tiger Headsetsが、同じソーラー充電技術を搭載した「Solare」を披露する。

CESでデモを行ったMayhtのスピーカーのラインナップ。右端はエグゼガーの太陽光発電技術「PowerFoyle」を使った「実質無制限」の再生時間を持つポータブルスピーカーのプロトタイプ(画像クレジット:Mayht)

ExegerのCEOであるGiovanni Fili(ジョバンニ・フィリ)氏は「ExegerとMayhtは、音楽の聴き方を変える可能性を秘めたすばらしい製品を共同開発しました。私たちはともに、すばらしいサウンドのスピーカーから無限のリスニング体験を提供し、スピーカー市場に新しい基準を打ち立てようとしています」という。

画像クレジット:Mayht

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ガジェット用フレキシブル太陽電池のExegerが41.7億円を調達、搭載ヘルメットとワイヤレスヘッドフォンが発売予定

光だけでガジェットを動かすのに十分な効率を誇るフレキシブル太陽電池技術「Powerfoyle」を10年以上にわたり開発してきたスウェーデンのExegerが、製造能力を拡大するために新たな資金を投入し、同国に第2工場を開設する。

今回調達した3800万ドル(約41億7000万円)のうち、2000万ドル(約21億9000万円)はSwedbankおよびSwedish Export Credit Corporation (SEK) からのデットファイナンスで、その内訳はSwedbankが1200万ドル(約13億2000万円、一部はスウェーデンの公的輸出信用機関[Export Credit Agency、EKN]が革新的企業向け投資信用保証の下で引き受け)、SEKが800万ドル(約8億8000万円、一部は汎EUの欧州投資基金[European Investment Fund、EIF]が引き受け)。残りの1800万ドル(約19億7000万円)はIlija Batljan Invest ABへの新株発行によるものである。

93万7500株の発行価格は1株19.2ドル(約2100円)で、これは同社の事前評価額8億6000万ドル(約940億円)に相当する。

SoftBankも2019年、Exegerに1000万ドルを2回に分けて総額2000万ドルの投資を行なっている。これは同社の技術の世界展開を加速し、太陽エネルギーへのさまざまな投資をさらに拡大するための戦略的パートナーシップである。

このスウェーデンの会社はこれまでにも、太陽電池技術の開発を目的として2014年に同国のエネルギー機関から融資を受けている。しかし、今回の資金調達ラウンドは商業ベース(EKNとEIFが一部引き受けているが)では初めてのものだ。

Exegerによると、同社の太陽電池技術は多様な形状や色彩にプリントすることが可能な唯一の技術であり、同社のPRの言葉を借りれば「あらゆる製品を無限のパワーでシームレスに強化できる」という。

現時点では、2つのデバイスがPowerfoyleの技術を統合している。1つは安全テールライトが統合された自転車用ヘルメット(POC)と、もう1つはワイヤレスヘッドフォン(Urbanista)だ。いずれも現時点では商用化に至っていないが、2021年6月から発売を予定している。

Exegerは、ストックホルムに建設予定の第2工場で2023年までに生産能力を10倍に拡大できるとしている。より広範な市場を早期にターゲットとし、自社技術の大量採用を加速するのが狙いだ。

同社が現在ターゲットとしている新規太陽電池技術の主な市場は、家電製品、スマートホーム、スマート職場、IoTなどである。

さらに多くのデバイスとの提携が2021年中に予定されている。

ExegerのPowerfoyle太陽電池はUrbanistaのヘッドフォンに統合されている(画像クレジット:Exeger/Urbanista)

「私たちはラウンドにラベルを付けることなく、資金調達に関するより現実的な視点を有しています」と創業者でCEOのGiovanni Fili(ジョヴァンニ・フィリィ)氏は語っている。「新技術や新規エネルギー源の開発、新たな産業の基盤の構築には時間を要します。そのため、私たちのような会社にはビジョンと全体戦略に賛同する長期的な戦略投資家が必要です。当社はこのことに多くの時間とエネルギーを費やしてきましたが、それが実を結びました。発明を商業的に立ち上げるために必要なリソースが、時間と資金の両面で会社にもたらされたのです。それが現在の私たちの状況です」。

フィリィ氏はまた「実現性を確信した」今、デットファイナンスを行うことを選択したと言い添えた。

「海外ではなくスウェーデンのストックホルムに新工場を建設する理由を尋ねられたときの答えと同じものです。当社はかねてより、商業化されれば次の工場の資金を確保する際にバランスシートの有効活用を開始すると述べてきました。SwedbankおよびSEKとの長期的な関係、そして融資の一部をEKNが引き受けてくれたスウェーデン政府の多大な支援のおかげで、これを前進させることができました」と同氏は続けた。

6月に発売される2つのデビューデバイスであるPOCのOmne EternalヘルメットとUrbanistaのLos Angelesヘッドフォンについて話をする中で、フィリィ氏はこのセルフパワー製品への関心は「私たちの期待を超えた」と述べている。

「Powerfoyleを搭載した製品は、室内灯でも自然の屋外灯でも、あらゆる光の下で充電可能です。光の強度に応じて充電速度が速くなります。例えば、POCヘルメットには安全灯を充電するUSBポートはありません。周囲の光が充電を維持するからです。自転車に乗っているときもそうでないときもです」と同氏はTechCrunchに語った。

「UrbanistaのワイヤレスヘッドフォンLos Angelesはすでにオンライン上で大きな関心を集めてます。屋外で1時間を過ごせば、3時間のバッテリー駆動時間を確保できます。つまりほとんどのユーザーは、充電の心配をする必要はありません。製品が明るい場所にある限り、どのような光でも常に充電可能です。これが当社の技術の重要な側面の1つであり、人々が必要とする場所で機能するように太陽電池を設計、開発してきました」。

「2021年は当社の商業的躍進の年です」と同氏は声明で付言した。「POCとUrbanistaの製品リリースが示すすばらしい反応は、今がセルフパワー製品を世界に紹介する絶好のタイミングであることを明確に物語っています。

2030年までに10億人の人々の生活に貢献するという当社のビジョンを実現するには、大量生産が必要です。そしてそれが現在、当社が工場の建設を進めている理由です」。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Exeger太陽電池資金調達スウェーデンヘルメットヘッドフォン

画像クレジット:Exeger

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)