Hackathon NY 2017:Val.aiは自動運転車に駐車スペースオークションを行わせる

あなたを降ろした自動運転車はどこへ行くだろう?大都市では、駐車場は高価で、いつまでも駐車場を見つけることができないかもしれない。しかしTechCrunch Disrupt NYハッカソンでは、チームVal.aiが、近くの駐車スペースのためのオークションに自動運転車が参加する手段を開発した。

自動運転車が駐車する必要がある際に、他車によって専有されている近隣の駐車ロットに対し、リアルタイムで入札を行なうことができるという機能だ。もし現在駐車ロットにいる車が、もうすぐ誰かをピックアップに行く必要があると分かっていて、さらにピックアップまでに路上を流している間に使う燃料費よりも駐車ロットを売ったほうが得であると判断した場合には、その入札を受け入れる。入札の勝者はその場所への経路を取得し、その車が駐車場に到着すると同時に、それまで駐車場に居た車両は出ていく。

このようなものを必要とするほど、多くの自動運転車はまだ路上に存在してはいないが、Val.aiのようなテクノロジーは効率的な車両の移動によって、最終的には渋滞と公害の削減に役立つことだろう。このプロジェクトは、Clarifai、ThingSpace、ならびにMapQuestを使用して開発された。

しかしVal.aiには大きな問題がある。ここで行われたプレゼンでは、車両が公共の駐車場をオークションにかけるような前提であるように思われた。こうした駐車スポットを、他の車が十分な支払いを行なうまで専有し続けることは、私的な利益のために、公共資源を不正使用しているとみなすことができる。数年前に、こうしたことを人間の運転する車に対して行おうとしたスタートアップが現れたときに、私たちはこうしたリソースの不正利用スタートアップたちを”#JerkTech“(邪悪な技術)と呼んだ。

公共資産から不公正に利益を得ないようにする前提で、実際にビジネスがチャンスを掴むためには、こうしたリアルタイム入札システムを採用する商用駐車場を別途用意する必要があるだろう。

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(翻訳:Sako)

Hackathon NY 2017:CodeCorrectはコード中の一般的な間違いの解決方法を発見してくれる

今日(米国時間5月14日)のTechCrunch Disrupt Hackathonで、あるハッカーが、おそらくその部屋にいたすべての開発者にとって便利なプロジェクトを考え出した。開発者がコードを書いている際に、そのエラーを修正することを助けるCodeCorrectがプレゼンテーションされた。

このプロジェクトの作者は、個人参加のハッカーであるPat Needhamだ。彼は、開発者が出会う一般的なエラーに対する解決法を素早く効率的に見つけるために、StackOverflow APIへのプラグインを行った。フルスタック開発者であるNeedhamは、高校時代からコーディングしているが、まだ学習途上であり、彼自身の問題の1つを解決したいと思っていた。

ハックは、ウェブのコード中にJavaScriptのコード断片を挿入することで、未補足例外(uncaught exception)をローカルなnode.jsウェブサーバーにリルートするというものだ。そこから、挿入されていたコードはStackOverflowのAPIに対して、エラーメッセージを検索し、ユーザの質問に対して最高ランクの付けられたソリューションを返すよう要求する。回答はStackOverflowから抽出され、もし自動的に命令に変換できる場合は元のコードに変更が反映される。

目標は、開発者たち、特にジュニア開発者たちが、コード内のエラーのトラブルシューティングに費やす時間とエネルギーを削減することだ。

「これはシニア開発者なら答を知っているようなエラーに直面した、開発者やジュニア開発者たちが熱望しているものです」とNeedhamはステージの裏で私に語った。「これは、メンターがいない、あるいは最も効果的に検索するための適切な方法を知らない人たちのためのものです」。

しかし実際には、これは全ての開発者たちに役立つ可能性があるだろう。

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(翻訳:Sako)

Hackathon NY 2017:‘Elderly Alexa’ (高齢者Alexa)で家族を遠隔みまもり

昨夜(米国時間5月13日)のSaturday Night Liveでは、”Alexa Silver”というパロディ広告が流された。それはAlexaがどのように高齢者の相手をすることができるかというもので、たとえば長くて繰り返しの多い話を(適当に相槌をうちながら)聞いたり、たとえ“Alaina”、“Allegra”、“Aretha”といった適当な名前で呼ばれても、質問に答えられたり、といったものだ。

とはいえ、今日(米国時間5月14日)のTechCrunch Disrupt NY 2017ハッカソンで示されたように、Alexaを高齢者のために利用すること自体はとても良いアイデアだ。

このハッククリエイターであるBrett Krutianskyは、ボストンのノースイースタン大のコンピューターサイエンスの学生だ。彼は祖父母がより多くのケアを必要としているところから”Elderly Alexa “(高齢者Alexa)のアイデアを思いついたと言う。彼の祖父は認知症を患っており、彼の祖母は視覚に問題を抱えていて、さらに2人とも目眩の症状がある。

このため彼の母親は両親の健康を心配し続けていて、家の両親たちに電話がつながらないときなどには、取り乱して近所に電話をかけることもある。Krutianskyは、このハックは、母親の気持ちを少しでも穏やかにしたくて母の日のプレゼントとして作ったものだと言う。

彼が作成した音声アプリ(Amazonの用語では”Alexa Skill”)はEchoスピーカー上で動作し、特別なケアが必要となる家族に対するインターフェイスを提供してくれる。

“Elderly Alexa”に対して、高齢者たちが「Alexa, medicine」と呼びかけることで、Alexaにどの薬を飲む必要があるのかを尋ね、そしてどの薬を既に飲んだのかを知ることができる。また同時にこのやりとりによってAWS Lambdaイベントがトリガーされて、ケアをしている家族に対して電子メールを送信することができる。

Alexaは、薬に対するユーザーの質問に対して、服薬の必要な薬の名前、量、そしていつ頃飲めばよいかに関する答を返す。

その後Alexaは、ユーザーにもうその薬を服用したかと尋ねる。ユーザーの答えが「はい」「いいえ」のどちらでも、ケアをする家族に対して電子メールが送信される。

さらに、他の家族は別途提供されるiOSアプリのto-doリストに項目を送り返したり、あるいは薬のことを思い出させるために電話をかけたりすることができる。アイデアとしては、この毎日の電子メールが届かない場合には、離れた家族は何か良くないことが起きている可能性を知り、グループチャットルームの他のメンバーと話し合うことができるようになるということだ。例えば、家族の誰かがその日両親の家を車で訪問することを決めたりすることなどが可能になる。

もちろんKrutianskyが言うように、 このAlexa Skillは、高齢者だけでなく、追加のケアを必要とする人誰もが利用することが可能だ。

このプロジェクトに使われているテクノロジーは、AWS(DynamoDB、Lambda&SES)に加えて、AlexaコードにはNode JavaScript、iOSアプリにはSwift、チャットルームのAPIにはPubNubといったものだ。

Hackathonの後、Krutianskyは、この先チャットシステムをより使いやすくする作業をし、プッシュ通知システムを改良することで、iOSのリマインダーリストに追加が行えるようにして、ケア提供者が何をする必要があるかを思い出せるようにしたいと述べた。

彼はまた、将来的には、他の必要なことについても祖父母に思い出して貰えるような機能を付け加えたいと語った。

「(認知症を患う)私の祖父はときどきシャワーを浴びることを忘れてしまいます」と彼は言う。「私の母は、祖父が今日シャワーを使ったどうかを知りたいと思っています」。Alexaは服薬についてのやり取りと同時に、シャワーのことについても彼にリマインドすることができる。

世の中には、高齢者のケアのために特別に設計された他のデバイスもあるものの、KrutianskyはEchoスピーカーの普遍性とコストが利点であると考えている。

彼はIntuition Roboticsのスピーカーを例として挙げながら「こうしたものが数百ドルするのに対して、これは50ドルです」と、Echo Dotを指差した。

Krutianskyは、すぐに母親が使えるように、機能をAlexa Skill Storeに公開する予定だ。

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(翻訳:Sako)

VRを使ってADHDを診断するreVIVE。作ったのは高校生3人のチーム

Dusrupt NY 2017ハッカソンで最初にステージに登場したのはreVIVE。ADHD(注意欠陥・多動性障害)をバーチャルリアリティーで診断するシステムだ。高校2年生3人からなるチームは、時間も費用もかかるこの病気の診断を簡単にする解決方法を見つけたいと思った。

チームによると通常ADHDの診断には6~9カ月かかり、それだけで患者は数千ドルの費用を負担しなくてはならない。

reVIVEは、ユーザーの運動能力、集中力、および反応時間を測定する3種類のテストからなる。被験者は迷路を進んだり、色のついた物体に触れたり、決められた場所に静止するなどの作業を指示に従って実行する。チームが開発したスコアリングシステムによってユーザーの能力を測定し、医療専門家がそれを見て数分のうちに症状を判断する。

Akshaya Dinesh(17)、Sowmya Patapati(16)、Amulya Balakrishnan(17)の3人はUnityを使ってHTC Viveのバーチャルリアリティーアプリを作った。ニュージャージー州から来たこの高校生チームはハッカソン会場で出会って友達になった。BalakrishnanとPatapatiの2人は、#BUILTBYGIRLSという団体でともに活動している。

「ADHDの診断を数値化したいと強く思っていました」とDineshは言った。「360度環境に没入することで、患者は実際にそこにいるような環境を体験できます」。

チームは治療に関してセラピストの役割を置き換えようとは考えていない。医療医療ツールの一つとして、セラピストに患者の最新の状態を伝えるとともに、IBM Watsonを利用してデータを分析する。

医学診断と治療は、バーチャルリアリティーの主要な応用分野であることがすでに証明されている。例えば、MindMazeは、VRソリューションを直接医療専門家に届けることによって、スタートアップとして大きな成功を収めている。病気の診断は「VRの最適な使用事例の一つ」だとチームは考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BackMapは、視覚障害者を室内外で案内してくれるバックパック

もし自分に視覚障害があったら、ニューヨークの街を歩くことがどんなものなのだろうか。快適でないことだけは想像できる。TechCrunch Disrupt NY 2017のハッカソンに登場したBackmapは、左右に曲がるべき時を振動で知らせてくれるバックパックだ。

外出時にスマートフォンのアプリ通じて目的地を知らせておくと、このバックバックがそこまで連れて行ってくれる。スマホを取り出す必要はない。BackMapはEsriのPubNubという位置情報APIを利用してこの機能を実現している。室内ではビーコンを利用してトイレやショッピングモール内の特定の店に案内する。

「視覚障害のある人にとってかなり嬉しい機能だと思う。店に入ってから行きたい場所に行く方法がわからないことは多いので」と開発者のShasshank Sharmaがプレゼンの後で話した。

Disruptのような巨大なカンファレンス会場やウェストフィールド・モールなどの中を移動するのは誰にとっても大変だ。そこでこのチームは、バックパックを背負った歩行者や自転車に乗っている人全般を対象に、スマホを取り出したりヘッドホンを使わなくても通知を受け取れるようにしたいと考えている。

バックバックの左右のストラップにはRasberry Pi制御のモーターが仕込まれている。まだいかにもプロトタイプだが、私が試してみたところ確かに機能した。この触覚フィードバックシステムを作るのにかかった費用はわずか40ドルだったとのこと。

今後はスマートウォッチなどほかのウェアラブル機器にもこの機能を応用しようとチームは考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook