DJIがスェーデンの名門カメラ・メーカー、ハッセルブラッドを買収

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DJIは2016年にスウェーデンを代表するカメラメーカー、ハッセルブラッドの少数株主になった。このとき両社はハイエンドのドローン・カメラの分野で協力していくことを発表した。DJIがドローン空撮のテクノロジーを、ハッセルブラッドがカメラを提供するという仕組みだ。

最近のLuminous Landscapeの報道に基づいてTechCrunchが独自に取材したころによれば、DJIはハッセルブラッドを買収した。直接の買収契約ではないが、DJIはハッセルブラッド社の株式の過半数を取得したという。時代を象徴する出来事の一つだ。

ハッセルブラッドは1941年の創立で、一時は市場でもっとも進歩したカメラとして知られていた。NASAが60年代に宇宙での活動を記録するカメラとして採用したことは有名だ。アポロ計画で撮影された印象に残る月面写真の数々はハッセルブラッドのカメラで撮影された。一方、DJIは急成長を続ける商用ドローン市場の最大手で、ベンチャーキャピタルが支援する非公開の中国企業だ。

ハッセルブラッドのカメラは高品質で知られるものの、一眼レフ・ボディーが数千ドルから4万ドルという一般ユーザーにはとうてい手が届かない価格だ。そこでDJIがどうやってハッセルブラッドの品質を維持してカメラを製造するつもりなのか、どのようにハッセルブラッドのテクノロジーを利用するつもりなのかについて興味が持たれる。

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DJIは当面ハッセルブラッドを独立企業として従来どおり運営を続けさせるようだ。しかしハッセルブラッドのカメラはDJIのドローン・ハードウェアに簡単に組み込めるものなのか? それともDJIはハッセルブラッドのカメラ・テクノロジーを利用して、Phantomタイプでまったく新しいカメラ・ドローンを内製するのだろうか? どちらにしても成功すれば両社にとって大きなメリットがあることになる。

ともあれ、DJIのカメラは非常に高品質だ。ドローン・カメラとしては世界でトップかもしれない。しかしDJIはプロ写真家が好むような高級なブランド・イメージに欠けている。ハッセルブラッドの買収はブランド価値の面でDJIに好影響を与えるはずだ。また―商業的にはニッチ市場だが―超高級カメラのテクノロジーを自由に利用できることになる。

残念ながらハッセルブラッドの超高級カメラに特化した戦略はうまくいっていない。同社は最近ビジネス的に失敗を繰り返しており、何度も所有者が変わった。最近の例でいえば2011年にヨーロッパのファンド、Ventizzが買収している。今回の買収でハッセルブラッドは中国だけでなくアメリカやアジアにも強力な拠点を持つ強大なメーカーを親会社にすることになった。

両社と直接ビジネスを行っている業界情報源が買収を確認しているものの、DJIは従来から外部にほとんど情報を出さないことで知られている。DJIの広報担当者は「DJIとハッセルブラッドの提携について新しいニュースはない。われわれは引き続き提携を続け、世界最高のイメージング企業を目指している」とだけコメントした。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ハッセルブラッドのTrue Zoomは、モジュラースマホ Moto Zを本格的カメラに変える

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Motorolaのスマートフォン、Moto Zシリーズ用の最新アドオンは、魅力的なモジュラースタイルに本格的カメラの重厚感を付加する。HasselbladのTrue Zoomは、実質的にこのスマホを5.5インチビューファインダー付き薄型コンパクトカメラに変える。

Hasselbladという会社を知る人にとって、このモジュラーオプションが実に美しいハードウェア作品であることに驚きはない。色は高級感のあるマットブラック仕上げで、凹凸のあるグリップは片手での操作を可能にしている(ただし私は普通と同じようにスマホの縁を持っていた)。

上部には電源ボタンとシャッター/ズームのコンボボタンがある。前面には大きなXenonズームレンズが中心に置かれ、1/2.3インチのBSI CMOSセンサーを備える。ズームは光学10倍。これはモバイル機器としてはかなり常軌を逸したズームだ。シャッターボタンを一段押すと自動フォーカス機能が働く。暗いところでもよく働き、マクロではすばらしい仕事をする。

接続はすべてポート経由なのでBluetoothによる同期の心配はいらない。直結ということは、カメラがスマホのバッテリーで動くという意味であり、バッテリーが減りすぎるとカメラは使えなくなる。

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これはMotoエコシステムにとって、バッテリーパックとJBLスピーカーに続く魅力的な新製品だ。 おそらくMotorola期待のモジュラースマホにとって、最大の魅力が加わったと言っていいだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国のDJIがスウェーデンの名門カメラ・メーカー、ハッセルブラッドの大株主に

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Accel Partnersから7500万ドルの投資を受けた中国を代表するドローンの王者、DJIが手持ち資金の一部を興味深い方面に投資した。 DJIは今週、スウェーデンのカメラ・メーカー、Hasselbladの株式の一部を取得したと発表した。ハッセルブラッドは過酷な環境で高品位な写真撮影を可能にする製品で知られている。

取得された株式はハッセルブラッドの議決権を左右する数量ではなく、TechCrunchの取材に対し両社とも株式数などの詳細は明らかにしなかった。それでも取得株はハッセルブラッドの取締役会にDJIが1名を送り込むことができるほどの数量だった。

両社は「われわれは今後もそれぞれ独自にビジネスを運営していく」と述べた。しかしこの投資によって実現した提携により、ハッセルブラッドはDJIの無人飛行に関するノウハウを得ることができる。またDJIもハッセルブラッドの高品質な写真を可能にするテクノロジーにアクセスでき、両社はプロフェッショナル・フォトの分野での地位を強化できるものと見られる。

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ハッセルブラッドのCEO、Perry Oostingは「われわれはドローン分野における明白なリーダーであるDJIのパートナーとなることができたことを光栄に思っている」と述べた。またDJIのファウンダー、CEOのFrank
Wangは「このパートナーシップにより、両社は強みを持ち寄り、画像処理分野におけるテクノロジーの限界をいっそう先まで推し進めることができるだろう」と述べた。

いくつかの理由でこの投資は興味深い。DJIの側からいえば、高画質ドローンの分野への参入に役立つということが考えられる。DJIは空撮ドローンのパイオニアであり、この分野ではプロ、アマを問わずハイエンド・ユーザーからの強い信頼を勝ち得ている。しかし最近、あらゆるレベルで競争が激化している。たとえば一般ユーザーをターゲットにする分野ではParrotが有力なライバルとなっている。同じ中国のYuneecも今年に入っててIntelから多額の資金を調達している。

今年10億ドルの売上が見込まれるDJIとしてこの投資は初めてのものではない。だが投資を公表したのはこれが初めてだ。「現時点では他の投資については公表することは控える」とDJIの広報担当は私に言った。

Ubuntu Linuxで知られるCanonicalは今週DJIとの提携を発表した。これによりManifoldという新しいUbuntuコンピューターがDJIのドローンに搭載される。ただしDJIの広報担当によれば「純然たるテクノロジー上の提携であり、投資など財務上の関係は一切ない」ということだ。

テクノロジーであろうとなかろうと、提携はこれで終わることはないだろう。DJIは今年5月にAccelと共同でSkyFundという無人飛行機のスタートアップへの投資に特化したファンドを立ち上げた。今回のハッセルブラッドへの投資がSkyFundの一部なのかどうかについては何も発表がない。しかしAccelが沈黙しているということは、この投資がDJIの独自判断に基づくものだという推測に力を与える。

ハッセルブラッドから見てもこの投資は興味深い。ハッセルブラッドも中国の新興ビジネスからの大型投資を受け入れるようになったわけだ。CEOのPerry OostingはTechCrunchの取材に対し、メールで返信し、、「われわれが外部からの投資を受け入れたことは1941年の創立以来例がなく、今回が唯一だ。われわれは現在DJI以外の投資を受けていないし、戦略的な提携関係も持っていない」と述べた。

ハッセルブラッドは宇宙開発の歴史の輝かしいアイコンだ。人類が最初に月に着陸したとき、最初に月面の鮮明な映像を送るのに用いられてのハッセルブラッドのカメラだった。NASAの重要なミッションでハッセルブラッドが重要な役割を果たした例は数知れない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+