無料のHubSpot CRMにメールマーケティングと広告管理を追加、スタートアップ向けプランもアリ

HubSpot Japanは7月17日、顧客情報やウェブサイト上での行動・取引履歴などを管理できる「HubSpot CRM」に、Eメールマーケティングと広告管理の機能を追加した。いずれも無料で利用できる。

Eメールマーケティング機能は、電子メールの配信リストを作成しておけば、毎月最大2000件のメールで無料で自動配信できるというもの。HTMLメールを作成するエディター機能も備えている。送信したメールについては、配信後の開封率やURLクリック率、HTML上でクリックされた位置を示すクリックマップなどのパフォーマンスもチェックできる。さらに、送信履歴を顧客管理画面に記録するといった機能もある。送信先ごとにメールの内容をカスタマイズすることも可能だ。顧客情報を基に、Eメールの件名、内容、リンク、添付ファイル、CTA(ウェブサイトへの誘導)などが自動的にパーソナライズされる。

広告管理機能は、従来の機能が拡張されている。HubSpot CRMではこれまでも、Facebookリード獲得広告とInstagramリード獲得広告の管理機能が備わっていたが、今回のアップデートによりGoogle広告とLinkedIn広告の管理も可能になる。具体的には、過去30日の広告費合計1000ドル以内、かつ広告アカウント数2件までの範囲で、追加料金なく管理とトラッキングを行える。広告のインプレッション数やクリック数の測定のほか、広告経由で獲得した見込み客の数をダッシュボードで一覧することもできる。

無料で使えるHubSpot CRMのコア機能としては、顧客、顧客のウェブサイト上での行動履歴、会社、取引など情報管理などがある。そのほか無料トライアルとして、フォームやウェブチャット、チャットボットなどのマーケティング機能の利用も可能だ。このコア機能をベースに、マーケティング、セールス、サービスに大別された必要な有料機能を組み合わせられるのがHubSpot CRMの特徴になっている。

スタートアップ支援プログラム「HubSpot for Startups」も用意しており、資金調達額が200万ドル(約2.1億円)未満のシードステージのスタートアップ、シリーズA段階のスタートアップに向けた優待価格が設定されている。それぞれ有料機能を90%、50%オフで利用可能だ。

チャットやメッセージングを営業とマーケティングのツールにしたいHubSpotがチャットボット制作のMotion AIを買収

営業支援とインバウンドマーケティングの今や古参で大手HubSpot日本)が、チャットボット制作のスタートアップMotion AIを買収したことを、今朝(米国時間9/20)発表した。

Motion AIは2015にローンチし、チャットボットを作るためのエディターを提供している。そのチャットボットは、WebサイトやFacebook Messenger、SMS、Slackなどで動作し、ユーザーはコーディング不要で作成できる。実は、HubSpotのFree CRMにはMotion AIがすでに統合されている。

Motion AIのファウンダーでCEOのDavid Nelsonを含め、全員がHubSpotに加わる。さらに詳細は、来週(9/26)行われるHubSpotのイベントINBOUNDで発表するそうだ。

買収の発表声明の中でHubSpotのCEO Brian Halliganはこう述べている: “今やチャットとメッセージングのインパクトを無視することはできない。それはB2Bで重要なだけでなく、社会全体として重要だ。今はどの企業も大きな転換期にあり、それを好機として乗り切るためには、このような新しいプラットホームを積極的に導入して、ブランドからのより密接で常時つながってる状態のコミュニケーションを求める消費者を、前向きに受け入れて行かなければならない”。

数か月前にAIのKemviを買収したHubSpot は、そのときと同じく、買収の条件等を公表していない。Motion AIはCharge VenturesやCrush Venturesなどから資金を調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネットマーケティングのHubSpotがAIによる営業トークの効果アップを目指してKemviを買収

マーケティング・テクノロジー*のHubSpotが、人工知能と機械学習で営業を支援するKemviを買収した。〔*: たとえばソーシャルメディアへのパブリシティ活動を代行する。〕

数か月前にKemviが立ち上げたDeepGraphは、一般公開されているデータから営業のベストタイミングを見つけるデータ分析ツールだ。売り込み先の企業の、業務の変化とか、何かの記事の発表、などのタイミングに合わせて、売り込みを仕掛ける。また、今後起きることを見越して、先取り的に営業を展開することもできる。

KemviのファウンダーでCEOのVedant Misraはこう説明する: “インターネット上の膨大な量のテキスト情報から、業界や世界の最新の動向を取り出し、営業やマーケティングの能力を高めることが、うちの仕事だ”。

そしてHubSpotの側としては、同社の戦略担当常務Brad Coffeyによると、同社はそのプラットホームへのAIの導入を志向していた。彼曰く、AIや機械学習は今安易に使われているバズワードだが、Kemviは営業の人たちの現実的なニーズに対応しているので、魅力を感じた。

“重要なのは、顧客に具体的な価値を提供することだ”、とCoffeyは語る。“彼らにはそれがある。顧客が事業の成長のために必要としている情報、彼らのお客さんの心をつかむ情報、そういう情報をマーケティング部門や営業に提供できる。機械学習やAIは情報を精選するために利用するのであり、単に勉強のために導入するのではない”。

Kemviのチームは、Misraを含めて二名だ。彼らがHubSpotに入って、その技術をHubSpotのプラットホームに統合する。同時にそれと併せて、既存のKemvi/DeepGraphの顧客に対する移行プランもある。“彼らも、HubSpotとの合体を喜んでくれるだろう”、とMisraは語る。

この買収の財務的条件は公表されていない。Kemviは過去に、 Seabed VC, Neotribe Ventures, Kepha Partnersなどから100万ドルを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))