Apple、次期iOSでiBooksに代わるApple Booksをプレビュー

Appleは、WWDCで予告したiBooksの改訂版を再度披露した(噂はここしばらく出回っていた)。Apple Booksはこの秋iOSに登場する。この「Bookアプリ最大のデザイン変更」には最新の洗練されたUIのほか表紙デザインにこれまで以上の力を入れている。

iBooksと同じく、アプリには解説欄がある。これは同社がApple NewsやApple Storeなどのサービスでやっていることと似て、人間のライターがおすすめ書籍を選ぶ。オーディオブックにも専用のタブが用意され前よりも目立っている。

新しい “Reading Now” タブは、その名の通りユーザーが現在読んでいる(聴いている)箇所にジャンプできる。Want to Readと呼ばれるウィッシュリストやユーザーの読書傾向に基づいたおすすめもある。画面下にはBook StoreやLibraryのタグが並んでいる。

新バージョンはiTunesとの決別が意識されている。さまざまなマルチメディアサービスがここ数年の間にiTunesから分離されている。アプリはKindleに対する明確な挑戦でもある。Amazonは長年デジタル書籍のリーダーの座にあり、2008年にAudibleを買収して以来オーディオブックでも大きな位置を占めている。

アプリの新バージョンはこの秋公開予定で、Book Storeコンテンツは51カ国で提供される。macOSバージョンも名前をApple Booksに変えて整合性を保つ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オリジナルアニメーションや著者注のついたiBooks専用の「ハリー・ポッター」シリーズが登場

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「ハリー・ポッター」ファンに朗報だ。改めてシリーズ7作を楽しむ機会がやってきた。すなわち、Appleが自らのプラットフォーム専用のシリーズiBooks Storeで扱いはじめたのだ。そして今回販売開始となるシリーズでは、J.K. Rowlingのチームと共同で、「拡張版」を販売することとなった。ページ中にアニメーションが埋め込まれていたり、オリジナルの著者注が入っていたり、また独自のフォントやドロップキャップが用いられていたりもする。

これまで、ハリー・ポッターシリーズの電子版はPottermore Shopのみで扱われていた。こちらでの価格は各巻8ドル99セント(訳注:日本語版は1100円)で、購入後にKindleやiPhone、iPad、Nook、Kobo、などに転送して読む形式となっていた。扱っているのは英語版、ドイツ語版、スペイン語版、フランス語版、イタリア語版、日本語版、およびポルトガル語版となっている。

今回リリースされたiBook版は英語版だが、32ヵ国から購入できるようになっている。価格は9ドル99セントで、11月9日にはフランス語版、ドイツ語版、そしてスペイン語版が公開されることになっている。

Appleが自ら販売するのは、これがePub形式のものではないからだ。iBooks Author(IBA)のフォーマットで、これはAppleプラットフォーム専用となっているのだ。プラットフォームを限定することで、文字装飾やイラストレーションの入れ方も細かく設定することができるようになっており、またアニメーションやオーディオ、あるいはインタラクティブな仕掛けを入れ込むこともできるようになっている。

このフォーマットは2012年1月に発表されたものだが、この形式のメリットを活用した書籍というのはあまり数が多くはなかった。iBooks形式のみにしか通用しない要素を入れ込むことに対して、出版社にも躊躇いがあったわけだ。今回のハリー・ポッターシリーズはIBAフォーマットの魅力を伝えるサンプルともなるもので、もしかすると他にも追随する出版社などが出てくるかもしれない。

多くの人が感じているように、ハリー・ポッターシリーズはふつうに本で読んで楽しめる作品だ。しかしiPhoneやiPadの上に、新たな魅力とともに現れてくるのなら、それもまた試してみたいと感じる人が多いことだろう。

小説自体はこれまでにPottermore.comで売られていたものと同じものだ。しかし小説中に挿入されている新たなコンテンツはいずれも魅力的なものばかりだ。新しいフォーマットの電子書籍は90MBないし150MBの容量となっている。一般の電子書籍と比べればはるかに大きなものとなっているが、それでもiPadゲームなどと比べれば小さなものだ。

この容量いっぱいに、ハリー・ポッターの魅力がつまっているのだ。

(訳注:日本で利用可能なのかどうかの確認は行なっておりません)

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(翻訳:Maeda, H

Appleの電子書籍シェアは20%。OS X版iBooksは追い風になるか

Appleが秘かに米国内での電子書籍市場シェアを伸ばしていたことが、現在進行中の電子書籍価格協定訴訟の証言で明かされた。現在同社は米国内電子書籍販売の20%を占めているという(MacRumors発)。これはかつて市場ウォッチャーが推測していた数字の約2倍であり、Amazonの圧倒的な力とは比較にならないものの、Appleがデジタル書籍分野でかなりの位置を占めつつあることを示している。

ニュース全体はAppleにとってマイナスの内容で、同社は政府の主張から自らを守り、iBookstoreに失敗の絡印が押されないよう戦う必要がある。しかしiBookビジネスにとっては良いニュースだ。この秋Mac版iBooksアプリが次期OS X、10.9 Marvericksで提供され、デスクトップでも電子書籍がサポートされれば、さらに成長が見込める。

iBooksがデスクトップにやってくれば消費者も喜ぶ。クロスプラットフォーム戦略は、Amazon、Nook、Koboなどが大きな成果を上げている。MacがサポートされてもAppleデバイスを使っていない人々は取り残されるので、どれほど利用が伸びるのかは不透明だ。しかしiBooks成長の陰に、益々大きくなるAppleの教育界での存在があることは想像できる。iBooksに関連するプロモーションでは、教科書が大きくとりあげられている(WWDCでのOS X版iBooksの展示でも同様だった)。

Mac版iBooksが革命を起こすとしても、それはiPadで読んでいた本の続きを読めるからではない。モバイル端末よりパソコンで本を読みたいと思う人は殆どいないからだ。しかし、教育市場での意味は大きい。インタラクティブ教科書は、様々な面でiOSよりもOS Xで使う方が理にかなっている。長文のメモを取ったり、複数のウィンドウで別々の本を開いたり、複数の情報ストリームを得られることなどパソコンが有利な点は多い。

iBooksは、消費者向け電子書籍プラットフォームの押さえとしてもよくできているが(Appleはより完全なエコシステムを主張できる)、真の永遠の価値は恐らく教育にある。そこではAppleが他のプラットフォームに対して確実に優位性をもっている。他社は電子教科書を作っているだけだが、Appleはそれを正しく実行し、すばやく広げるための教育の血統を持っている。おそらくそれがiBookstoreの成長を支えているのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)