最新のiPhoneのカメラは、なにか特別のものである、という本誌のレビューに納得しなかった人も、DxOMarkのカメラテストのプロたちによる評価には、うなずく点が多いだろう。このカメラ試験専門のサイトは、明白に述べている: iPhone 8と8 Plusのカメラは、これまでのスマートフォンカメラの中で最良である、ただし、完全無欠ではない、と。
このカメラが傑出しているのは、ふつうに写真を撮る日常的な状況においてだ。つまり、やや暗いので明度補償モードを使ったり、はしゃぎまくる子犬にピントを合わせようとしてカメラが苦戦しなくてもよいような、状況だ。
そんなときには、iPhoneの自動焦点機能は正確であり、どんな光のもとでも細部まで明確で、また最近人気の高い、背景をぼかす人工的ボケ機能も優れている。Plusのズームは、このクラスのカメラでは最高だが、この機能はスマートフォンではまだ犬に二足歩行をさせるようなもので、できただけでもすばらしい。
至近の競合機であるPixelとHTC U11は最近、どの機能でもトップを独占していたが、それらにも勝っている。低照度撮影における細部の表現や、HDRの性能では、iPhoneが頭一つ抜いている。またとくにPlusでは、背景のぼかしがとても自然だ(後述)。
DxOMarkはいろんな状況でテストしており、サンプル画像も多い。それらのどれも一見に値するけど、ぼくがとくに感心したのはこれだ:
改良すべき点も、まだ多い。自動焦点(オートフォーカス)は、いちばん重要な正確さでは合格だが、まだ十分に速くない。高評価のビデオも、Pixelに負けている。ポートレートモードは、ぼかしの境界部分にまだノイズがあるが、Pixelよりは目立たない。またDxOMarkは今回、スタジオ光源モードに言及していないが、ぼくも経験したように、多くの場合あんまし良くないからだろう。
これは、Appleが獲得するにふさわしい勝利だが、抜かれた走者もすぐに巻き返す気だ。Pixelのニューバージョンが、もうすぐ出る。上述の本誌レビュー記事でMatthewが指摘しているように、いまどきのスマートフォンレビューはたちまちカメラのレビューに退化してしまう。そしてGoogleも、そのことをよく知っているはずだ。では、10月4日に登場するその競合機は、‘どんなカメラ’だろうか?