日本のHayabusa 2がRyuguから持ち帰った宇宙のサンプルを見よ

日本の二回目となる野心的小惑星持ち帰りミッション、Hayabusa 2は目的地である小惑星Ryugu(リュウグウ)から豊富なサンプルを収集した。天文学者を始めとする関心ある人々が早く観察したくてうずうずしていることは間違いない。一見したところ単なる木炭のかけらのようだが、それは間違いなく小惑星表面の物質であり、輝いてもいる。

Hayabusa 2は2014年に打ち上げられ、2018年、小惑星 Ryuguに到着したあと表面状態を検査するために2基の着陸船を送り出した。翌年、Hayabusa 2自身も着地し、表面の岩石だけでなくその下層の物質も採取するためにスペースガンで表面を爆破した。長い帰還の旅の後、Hayabusa 2はサンプルの入ったカプセルを地球に送り返し、12月5日にオーストラリアの砂漠で回収された。

すべては完璧に遂行されたが、本当に期待する標本を採取できたかどうか、本部の気密室でサンプルコンテナを開くまでチームは確信を持てなかった。内部の物質はいくつかのツイートで予告されていたが、日本時間12月25日、JAXA(Japan Aerospace Exploration Agency/宇宙航空研究開発機構)はサンプルの画像を公開し、新たな発見と説明を加えた。

まず、「サンプルキャッチャー」自身がRyuguの堆積物片を伴っていた。おそらく、この物質はコンテナ内部とは異なる環境に曝されていたため、分析すれば違いが明らかになるだろう。


また、サンプルコンテナ Cには「人工物」が入っているように見える! しかし喜んではいけない、「起源は調査中であるが、サンプル採取のための弾丸打ち出し機構に起因するアルミニウムが混入した可能性がある」とJAXAは言っている。
言い換えれば、おそらくそれは小惑星に弾丸を放って破壊するというあまり優しくないプロセスの際に脱落した探査機の一片だろうということだ。

しかし何よりも重要なのは、予定通り採取された岩石だ。スケールバーからわかるように、大きさは小石ほどだが、この形状と組成につながったあらゆる種類のプロセスの証拠を突き止めるのに十分な大きさだ。さらに、表面の下層から得た微細な土壌や粉末がたくさんあり、科学者らは有機物質と水というわれわれの知る生命の構成物質の兆候があることを期待している。

ミッションの成功は称賛に値する。そしてチームはRyuguから持ち帰った物質の研究をまだ初めたばかりだ。われわれは、JAXAがこの非常に貴重なサンプルを綿密に分析し、新たな情報を公開するのを待つばかりだ。Hayabusa 2 Twitterアカウントは、日々最新情報を知る最良の情報源だろう。

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画像クレジット:JAXA

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXとNASAが4人の宇宙飛行士を乗せた初の有人Dragon運用ミッションの打ち上げに成功

SpaceX(スペースエックス)は国際宇宙ステーション(ISS)への人の輸送を行う初の民間企業となったわけだが、これはNASAとのパートナーシップにより長年積み重ねてきた有人宇宙飛行能力の開発努力の結晶だ。米国東部標準時間11月15日午後7時27分(日本時間11月16日午前9時27分)、NASAのShannon Walker(シャノン・ウォーカー)、Victor Glover(ビクター・グローバー)、Michael Hopkins(マイケル・ホプキンス)、そしてJAXAの野口聡一宇宙飛行士は、フロリダ州ケネディー宇宙センターの39−A発射台からISSに向けて飛び立った。

SpaceXの有人打ち上げプログラムは、NASAのCommercial Crew(商業乗員輸送開発)計画の元で開発が進められてきた。そこでNASAは、米国の国土からISSへ宇宙飛行士を送り込む有人打ち上げシステムの構築を行う民間企業2社を選定していた。SpaceXは、2014年にBoeing(ボーイング)とともにNASAに選ばれ、それぞれが打ち上げシステムの開発を開始した。そしてSpaceXのDragon(ドラゴン)カプセルとFalcon 9(ファルコン・ナイン)ロケットが、2020年の初めに2人の宇宙飛行士をISSへ送り届けるというDemo-2テストミッションの最終テストに成功し、先にNASAから有人飛行の認可を取得した。

ここへ来るまでに、SpaceXはいくつもの関門を通過しなければならなかった。無人飛行でのISSへの完全自動ドッキングや、地上の打ち上げ台と打ち上げ後のロケットの両方での宇宙飛行士の命を守るための緊急脱出安全システムの実証などがこれに含まれていた。Demo-1ミッションでは、実際の打ち上げ、ドッキング、着陸までのすべてがSpaceXの完全自動のソフトウェアとナビゲーションによって行われたが、必要な場合には人間がバックアップに入り、予定どおりに運行できることを実証する短時間の手動操縦も試された。

現在のところCrew-1(クルーワン)は、フロリダからの完璧な打ち上げの後、順調に飛行を続けている。Crew Dragonを打ち上げたFalcon 9の第1段ブースターは、無事に帰還している。Crew Dragonの有人宇宙船Resilience(リジリエンス)は、打ち上げ10分後に予定どおりFalcon 9の第2段から切り離された。27時間軌道を飛行した後にISSにドッキングすることになっている。ドッキング予定時間は、米国東部標準時間11月16日午後11時前後(日本時間11月17日午後1時ごろ)となっている。ドッキングが完了すると、宇宙飛行士たちは下船してISSに移り、2021年6月まで滞在して、それぞれの任務を遂行する。

Crew-1の乗員、左からNASAのシャノン・ウォーカー、ビクター・グローバー、マイケル・ホプキンス、JAXAの野口聡一宇宙飛行士(画像クレジット:SpaceX)

ミッションの4人の宇宙飛行士のうち3人は宇宙飛行の経験を持つが、パイロットのビクター・グローバー氏はこれが初飛行となる。4人は、現在滞在中のNASAのKate Rubins(ケイト・ルービンス)、Roscosmos(ロスコスモス)のコスモノートSergey Ryzhikov(セルゲイ・リジコフ)、Sergey Kud-Sverchkov(セルゲイ・クドスべルチコフ)氏と合流し、ISSは7人体勢となる(通常は6人体勢だが、1人増えることで、日常の定期メンテナンスに関連する作業は増えるものの、宇宙飛行士が実験を行う際の時間的余裕が生まれるとNASAは話している)。

定期的なNASAの運用ミッションとして宇宙飛行士が宇宙に打ち上げられたのは、2011年にスペースシャトル計画が終了して以来となる。これで米国は、有人宇宙飛行能力を公式に取り戻したわけだ。さらにこれは、今後期待されるSpaceXとDragonによる数多くの宇宙飛行ミッションの最初のものとなる。それは、NASAの計画と、企業顧客が運営する宇宙飛行の両方にわたって展開されることになる。

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カテゴリー:宇宙
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(翻訳:金井哲夫)

NASAとJAXAがアルテミス有人月面探査における協力で正式合意

NASAと日本は新しい協定に調印した(NASAリリース)。両国はISS(国際宇宙ステーション)における現在の協力を継続すると同時に、NASAのアルテミス計画に日本の宇宙開発機関であるJAXAが協力していく。

日本時間7月11日にNASAのJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタイン)長官と日本の萩生田光一文科相がリモート会議でそれぞれ協定文書に署名した。 この文書は共同声明(JEDI)の形式で、 ロボットおよび有人の月面探査を含むアルテミスプロジェクトにおける両国の役割を具体的に定めるプラットフォームとなるものだ。

日本はNASAのルナゲートウェイ構想に参加した国際パートナーの最初の国の1つで、その発表は2019年10月にさかのぼる。 これ以降、カナダをはじめとする多くの国と機関が同様の意向を表明している。カナダはISSで使用されているロボットマニュピュレーターであるカナダアームの3番目のバージョンを開発する。また欧州宇宙機関(European Space Agency)も参加する。

今回の協定は、これまでの合意を文書の形で正式なものとした。今後、両国はプロジェクトにおける役割分担などさらに具体的な部分を検討していくことになる。

日本は火星の衛星の探査を計画しており、最大の衛星であるフォボスのサンプルをロボットで採取し、地球に持ち帰ろうとしている。打ち上げは2024年の予定だ。日本のJAXAはすでに探査衛星であるSELENE(かぐや)を月周回軌道に乗せて各種の調査を行うと同時に高度な姿勢制御技術をテストしている。JAXAではSLIM(Smart Lander for Investigating Moon)と呼ばれる小型月着陸実証機の打ち上げを2022年に計画している。 これはJAXAとして初の月着陸ミッションとなる。

画像クレジット:NASA

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滑川海彦@Facebook

JAXAが国際宇宙ステーションで使う生活用品アイデアを募集開始

JAXA J-SPARC THINK SPACE LIFE

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月7日、 J-SPARCのビジネス共創プラットフォーム「THINK SPACE LIFE」プラットフォーム、また国際宇宙ステーション(ISS)での利用を目指す、宇宙と地上の生活の共通課題を解決する生活用品アイデアの募集開始を発表した。

JAXA宇宙イノベーションパートナシップ「J-SPARC」(JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)は、事業意思のある民間事業者などとJAXAの間でパートナーシップを結び、共同で新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す新しい共創型研究開発プログラム。新規マーケット創出活動や異分野糾合のための場作りなど、事業化促進に資する活動を含めて約20のプロジェクトを現在進めている。

J-SPARC「THINK SPACE LIFE」プラットフォーム

THINK SPACE LIFEは、J-SPARCの事業化促進に資する活動として始動する、宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くするプラットフォーム。

宇宙飛行士のパフォーマンス向上や宇宙旅行者の満足度向上につながるサービスの提供、将来的には月・火星での有人探査ミッションも見据えることで、地上における新たな生活様式やワークスタイルに向けたサービス創出、さらには健康や住まいに関するSDGs目標(持続可能な開発目標)達成など社会課題の解決も目指す。

暮らしやヘルスケア分野の新事業のタネを掘り起こし、研究開発やビジネス創出を後押しする取り組みとなっており、企業などに対しアイデアの企画から商品・サービス開発に至るまでのインキュベーション機能や、企業間・産学官連携を促進する横断的コミュニティ活動の場を提供する。

アイデア共創ワークショップや関連する分野の専門家によるメンタリングなどのアクセラレーション活動、地上での実証の場の提供などを通じ、事業アイデアの企画からサービス開発、そして実証までを加速させる。これらのインキュベーション機能にまつわる企画・運営、各種インキュベーション機能の機会提供については、同プラットフォームのインキュベーションパートナーとの協働で推進する。

JAXA J-SPARC THINK SPACE LIFE

国際宇宙ステーション(ISS)搭載に向けた、新たな生活用品アイデアの募集

JAXAは「宇宙での暮らし」に着目し、将来の有人探査ミッションや宇宙旅行者向けの生活用品の提供が持続的なビジネスとなるような将来を目指し、宇宙滞在用の生活用品を広く募集する。

合わせてJAXAは、公宇宙生活での課題や困りごと集「Space Life Story Book」を公開。宇宙生活の利便性向上および地上課題解決にもつながる課題テーマとその解決策案(新規生活用品などのアイデア)について、企業の強みを生かした提案を募集している。

JAXA J-SPARC THINK SPACE LIFE

募集・選定のプロセスとしては、まず応募アイデアの中から、宇宙飛行士の生活用品としての搭載を目指した開発に進むものを選定。選定企業での開発完了後、JAXAにて国際宇宙ステーション(ISS)搭載可否を総合的に判断を行う。ISSに搭載すると判断した製品は、JAXAが選定企業から別途調達し、ISSへ輸送する。

また、選定企業による開発着手後、宇宙で実際に使えるものであるかなどを確認するために、開発途中で宇宙飛行士と選定企業とで開発の方向性やプロトタイプの確認の場(1回程度)を設ける。

JAXA J-SPARC THINK SPACE LIFE

募集要項」では、選定企業とJAXAの役割分担について説明しており、それぞれ必要な経費を分担するとしている。開発費用は選定企業が負担し、JAXAは負担しない。JAXAがISS軌道上で使用する製品については、別途調達する。

また選定企業とは、宇宙飛行士のプロトタイプ確認や、搭載可能とされた場合の画像利用条件などの規定を含む覚書を締結する。

  • 応募締切: 9月4日17時まで
  • 応募資格: アイデアの事業化に取り組むことのできる、日本の法律に基づき適法かつ有効に設立され、かつ存続する法人
  • 募集内容: 宇宙およい地上での生活の課題解決や利便性を向上させることができる新規生活用品などのアイデア(課題テーマおよび解決策)
  • 主要スケジュール(予定):
    ・2021年5月 開発完了
    ・2021年6月 ISS搭載可否判断
    ・2021年6月以降 (搭載の場合)ISS搭載に向けた準備
    ・2022年度以降(予定) ISSに当該生活用品を搭載
  • 応募フォーム: 【エントリー】宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策アイデア募集

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