Googleは次世代Androidとなるv4.4をKitKat’と命名したが、そのためにNestléと契約を結んだという。Kit Katというコードネームは今朝(米国時間9/3)GoogleのSundar Pichai上級副社長がブログで発表 し、即座に大量のコメントを呼び込んでいる。しかしGoogleは単にKit Katの名称を利用しただけではなかった。
GoogleのAndroidのaboutページ に行くと、例によってAndroidロボットのかっこうをした大きなKit Katチョコレートの画像が出迎える。しかもページの最後のリンクをたどると「KitKat4.0―お菓子の未来がやってきた」というKitKatチョコレートの専用CMサイトに誘導される。インターネットの巨人と世界的食品メーカーという思いがけないコラボレーションだ。
われわれがGoogleに取材したところ、「両社の間に金銭的やりとりは一切ない」とのことだった。それでもお互いにメリットがあるクロスプラットフォーム契約となっているようだ。
ちなみにアメリカではAndroidサイトのリンクはHersheyチョコレートのサイトに飛ぶ。現在世界の大部分でKitKatを製造販売しているのはNestléだが、Rowntree社(後にNestléが買収)がHersheyにアメリカでの製造販売のライセンスを与えた関係でこうなっているのだという。このためGoogleが契約した相手がHersheyなのかNestléなのか当初混乱が生じた。.
VIDEO
今日のBBCニュース によると Androidのグローバル・パートナーシップ担当ディレクターのJohn Lagerlingは「この提携は金銭のやりとりはない。意外性があって面白いから企画した。たしかに以前コードネームとしてKey Lime Pie を考えたこともあったが、食べたことのある人の数が少なすぎるのでボツにした」と語ったという。LagerlingはKit Katになった経緯をこう説明する。
Googleのキッチンにいつも備え付けてあるお菓子の一つがKitKatだった。そこで誰かが「KitKatはどうだい?」と言い出した。
当時われわれはKitKatに関する権利をどこの会社が持っているのかも知らなかった。「使わせてくれ」といっても難しいだろうと思った。しかしダメモトでNestleに話を持っていくことにした。われわれは去年の11月の末に飛び込みでいきなりNestléのイギリスの広告代理店の代表番号に電話してタイアップを提案した。
すると翌日、スイスのNestlé本社から電話があって、カンファレンス・コールで話し合った。Nestléは24時間でOKと言ってきた。.
Nestléのマーケティング責任者の Patrice BulaがBBCに語ったところでは、Googleとの提携は即決だったという。世界中のコンビニやスーパーの店頭でAndroid4.4のプロモーションができるというのはGoogleにとって巨大な利益だ。いっぽうNestléも延べ10億台にも上るAndroidデバイスにKit Katという名前のOSがインストールされるならたいへんなブランド力の増強になる。
とはいえ、Googleは広告代理店でありライバルの食品会社の広告も扱っているのに、特定の会社とこのような大規模なクロスプラットフォーム・プロモーションをすることには私自身はいささか疑問を抱いている。いずれにせよ、NestléはAndroidのマスコットを印刷したKitKatを5000万個も製造するという。
Googleの社員も本社に巨大な彫像が立って初めて新Androidのコードネームを知ったようだ。記事トップの写真はGoogleのSundar Pichai 上級副社長の撮影。
この記事のタイトルのアイディアはMike Hay にもらった。,
アップデート: マスコットの彫像は以前どおりThemendous の作成。去年われわれはJelly Beanの製作過程を取材 した。 運送されるKit Katの彫像 。.
[原文へ ]
(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+ )