チームの生産性を高めるツール開発のRangeが6.6億円調達

ご存知だろうか。このところベンチャー投資家は職場を支えるソフトウェアに熱を上げている。中でもチームの協調を強める生産性ツールに投資先としての人気が沸騰しているようだ。General Catalyst、First Round Capital、Bloomberg Beta、Biz Stone、Ellen Paoといった一流投資会社とエンジェルのグループも、新しい生産性スタートアップであるRange(レンジ)の支援に自信を抱いている。

このツールは、小さなチームの協調を支援し、親密感を高め、互いの仕事を確認し合えるようにする。まさに、これを売りにするスタートアップは非常に多いが、Rangeの強みは、元Mediumのエンジニアリング責任者のDan Pupius(ダン・パピウス)氏、Mediumでピープルオペレーションを担当していたJennifer Dennard(ジェニファー・デナード)氏、GVのデザインパートナーだったBraden Kowitz(ブラデン・コウィッツ)氏という創設者チームにあるようだ。同社は彼らの人脈から、最初に顧客ネットワークを構築した。そこには、Twitter、Carta、Mozillaのチームや、彼らの取り組みに資金援助をしているベンチャー投資家たちが含まれている。

サンフランシスコを拠点とする彼らは、顧客ベース拡大のための、General Catalyst主導のシードラウンド600万ドル(約6億6000万円)を獲得したと私に話してくれた。私はZoomで、このじつに好意的な共同創設者チームの話を聞き、その製品を彼らが内部でどのように使っていたかを知ることができた。

「私はGoogleを辞めて(エヴァン・ウィリアムズ、ビズ・ストーンとともに)Mediumに移りました。そこで、さまざまな組織的慣行を検証し、なぜ企業は規模が大きくなると業績が悪くなるのか、その問題を防ぐためにMediumで新しい管理手法を実践できないか、その答を必死に探りました」とパピウス氏はTechCrunchに話した。「その過程で、私たちは社内用のツールを開発し始めました。そのときこのソフトウェアは、組織の数多くのプロセスや価値の解読を専門に行うツールになり得ると、薄々感じたのです。そして、Mediumでの私の在職期間が近づくのに合わせて、ブラデンとジェニファーに再び連絡をとり、一緒にこの問題に取り組むことを決めました」。

この製品の核となるのは、スタンドアップ・ミーティングに少しだけ置き換わるものだ。各ユーザーに毎朝何をしているかを記入させる。それを現在の大きなプロジェクトにタグ付けすることで、すべてが互いに関連付けされ、設定されたRangeチームのメンバー間で閲覧が可能になる。こうした製品が求められる裏で、Slackの大きな欠点が浮かびあがる。Slackでは、スレッドを使ったとしても、コミュニケーションを要約した形で整理するのがとても難しい。Slackを更新するごとに、重要な内容はどんどん上に押しやられ、履歴の中に埋もれてしまう。とくにリモートワークを行う人間にとっては致命的だ。

登録を行えば、Rangeはチームの目的やミーティング、さらにチームの構成まで管理してくれる。この製品は、Google Docs、Google Calendar、Slack、Asana、Jira、GitHub、Trello、Quip、Figmaなどさまざまなツールと統合でき、この混合システムの中に新しい生産性ソフトウェアを追加しても、情報がひとつのソフトウェアの中で孤立してしまわないようにできる。 価格はスタートアップに優しい設定になっていて、10人以下のチームなら無料で利用でき、月14ドルで1人追加できる。大きな組織になれば料金設定はさらに柔軟になる。

組織の観点からするとRangeはNotionと比較されやすいだろう。しかし、自由度に制限があるぶん、ずっとスムーズに使える感じがする。Rangeのユニークな特徴のひとつに、ホーム画面の上部にOKRや分析結果が表示される代わりに、毎日チームの結束を強めるための質問が現れ、今の気分を絵文字で示すよう求められるというものがある。くだらないことのように見えるが、Rangeではちょっとした自己観察によって、雰囲気的にチームがより親密になることを期待している。これは、通常の協調ソフトウェアにはできないことだ。

「人々は本当にすごい仕事をしていながら、互いにそれを語り合っていないことに、私たちは気付きました」と、デナード氏はTechCrunchに話した。「そのため、人々のコミュニティー作りに実際に貢献できることが、私たちの企業としての強みなのです」。

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(翻訳:金井哲夫)

Mediumがライターへの分配金を読まれた時間で計算する方法に変更

Mediumはパートナープログラムに関して大きな変更点を発表した。パートナープログラムとは、サブスクリプションの費用を支払うと限定コンテンツにアクセスでき、ライターに売上が分配されるプログラムだ。

最大の変更点は、今後ライターは拍手ではなく「主に」読まれた時間に基づいて支払いを受けるということだ。MediumのEmma Smith(エマ・スミス)氏は投稿の中で、読まれた時間は「質と読者からの反響を測る、より正確な指標である」と説明している。つまり「 を忘れずにクリックした人たちだけではなく」読者全員の関心と行動が反映されるということだ。

スミス氏の投稿によれば、Mediumはこれまでに3万人のライターに対して合計600万ドル(約6億5000万円)以上を支払ったという。

2017年にパートナープログラムが開始された直後、CEOのEv Williams(エヴァン・ウィリアムズ)氏は筆者に対し、拍手(読者がストーリーを気に入ったことを簡単に表明する方法)と読まれた時間を統合した発展的な方式だと説明していたが、今は読まれた時間が重要な指標だと判断したようだ。

スミス氏は「読まれた時間は、読者がMediumから得る重要な価値を表すと考えている。価値を完璧に測定するものではないかもしれないが、指標として有力と判断した」と書いている。

具体的には、Mediumはアクティブに読まれた時間に基づいて支払い金額を決めるため、誰かがウインドウを開きっぱなしにして数分間離れていたらカウントされないとスミス氏は述べている。

スミス氏は、読まれた時間を2種類の方法で見ているとも説明している。「メンバーがそのストーリーを読むのに何分かけたか」(これにはそのストーリーを見つけ、30日以内に購読した読者も含まれる)は直接的な指標だが、そのほかにメンバーがそのライターのストーリーを読むのに費やす合計時間の割合も測定しているという。後者は「独自のトピックについて書き、熱心なユーザーとつながっているライターを支援する」ためのものだという。

分配金の計算方法の変更に加え、Mediumは計算の頻度も毎週から毎日に変更する。Mediumがライターと共有する読者データには「収入に関する新しい指標」が含まれる。

このように変更されるが、拍手はなくならず、引き続き重要なものであるとスミス氏は言う。「拍手は読者が気に入ったストーリーを応援する優れた方法だ。読者が拍手を送れば、ストーリーがより多くの人々に広まる。そして多くの人がストーリーを読み、多くの収入を得られる」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Mediumがウェブページの保存機能をテストしているらしい

Mediumは、オンライン記事を将来読むために保存、再フォーマットするツールを開発しているらしい。

非公開機能のスクープに定評のある情報源であるJane Manchun Wong(ジェーン・マンチン・ワン)の情報だ。ワン氏は、MediumのAndroidアプリのリバースエンジニアリングとネットワークトラフィックの監視によってこの情報をつかんだと言っている。

「Save to Medium」機能は、ウェブベージを取り込み、Mediumの非公開ストーリーにするらしい。もしこの機能が公開されれば、Mediumはパブリッシングプラットフォームとしてだけでなく、Instapaperなどと同じように、ウェブ上のコンテンツを読むためのツールとして利用できるようになる。

このツールにはコンテンツから広告を削除したり、有料記事を保存したりする機能もある。ここまでは既存のリーダーアプリとあまり違わないように見える。同僚のTechCrunch記者によると、InstapaperとPocketも不安定ながら有料記事を取り込めるそうだ。しかしワン氏によると、Mediumにはもっと複雑な事情があるという。なぜならMediumは自身がパブリッシャーであり自らも有料記事を提供しているからだ(MediumはTwitterの創業者でもあるエヴァン・ウィリアムズ氏が創業、経営しており、上記の写真は同氏)。

ワン氏はこの機能が実際に公開されるまでに改善されるだろうと指摘する。「メディアやニュースパブリッシャーには協力する方法がいろぽすある。Mediumの「Save to Medium」を自分のサイトの記事を取り込むのを阻止するのは、パブリッシャーにとって最後の手段だ」とワン氏は言った。

本件についてMediumに問い合わせたところ、プロダクト担当副社長のMichael Sippey(マイケル・シッピー)氏から次の回答があった。「今それについて話すことはなにもない。素晴らしいリーディング体験をMediumユーザーにもたらすために、我々は常に実験を重ねている」

関連記事:Medium lowers its paywall for Twitter users

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Mediumの会員は記事の朗読を聴けるようになる、プロの声優たちを起用

広告収入に依存しない高品質な読み物ブログを目指すMediumが、その‘有料’の魅力と価値を高めるべく、各記事の音声バージョンの提供を開始する。有料会員オンリーの記事はすべて音声化され、そのほかの記事は、同社のスタッフが選んだ記事など、良質な記事が音声でも提供される(それらも、聴けるのは会員のみ)。

それはテキストコンテンツの機械的な音声化ではなくて、プロの声優、ときにはライター本人の朗読だ。音声バージョンは、外出時や、ほかに何かの活動をしているときに便利だ、と同社は考えている。

音声の提供は今日(米国時間5/18)からで、WebサイトとiOS/Androidのアプリの両方だ。最初は50の記事が音声化されているが、今後徐々に増えていく予定だ。

また同社によると、音声の利用に関しては、記事の朗読以外にもいろんなプランがあるのでお楽しみに、ということだ。この、ポッドキャストに近づいたようなサービスは、Mediumの将来に新しい可能性を開くだろうが、現状は有料会員制そのものが限定的なサービスだから、厳しいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Mediumが有償購読制を開始

Mediumが新しいビジネスモデルをローンチした。有償購読制(paid subscriptions)だ、これは同社が既に2月上旬のUpfront Summitでこの四半期にデビューすると発表していたものだ。今年のMediumは厳しいスタートを切った、その中にはレイオフや方針の変更なども含まれる。なので多くの有償会員を集められるかどうかが勝負ということだ。

Mediumの有償購読モデルは、独占コンテンツに対して喜んで支払いをする読者のためのもので、コンテンツに力を入れるサイトによく見られるタイプのものだ。これがMediumの有償購読制が、読者からの直接の収入を望む他のサイトとある程度共通している点だ。だが実のところ、他のコンテンツビジネスであるポッドキャストなどの方が似通っているかもしれない、こうしたモデルでは大部分のコンテンツは無償で提供し、ほんの1部の独占コンテンツだけを有償会員に提供している。

他にMediumの有償購読に参加する利点としては、新しい機能にいち早くアクセスできるというものがある。また製品の方向性に対する助言も可能だ、有償会員からの入力を、無償会員からの入力よりも重要視するのは当然だろう。

そして、有償会員はオフライン読書を行うことも可能だ、例えばどのようなデバイスにも持って行けるMedium専用Pocketなどがそれに当たる。

Mediumの創業者兼CEOのEv Williamsは、有償購読制の目的とデザインについての詳細をMedium の投稿で(!)語っている。最初に提供される新しいコンテンツは「私たちが着目するトピックの専門家たちによって、注意深く選ばれた限定ストーリー集」の読書体験だ。WilliamsはこれだけでもMediumが設定する月5ドルの価値があると言う(これは最初だけの特別価格であることに注意)。

更に、独占コンテンツもあり、Mediumは「最初の数ヶ月」の間にサインアップした人から受け取った収入は100%ライターに手渡という。その理由は、Mediumの有償メンバーシップ計画は、同プラットフォームが、クリックを追求するためではない、高い品質のコンテンツの作成に、資金を供給し続けることができることを確実にすることを意図しているからだ、とWilliamsは書いている。

ちなみに、私もサインアップしようとしたものの、メンバーシッププログラムは「現在は限定リリース」であるというメッセージが表示され、本当に利用可能になったときに通知を受け取るオプションが示された。

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(翻訳:Sako)

WordPress.comがMediumのインポートツールを提供

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パブリッシングプラットフォームのMediumが、最近数十名を解雇した。なので、もしあなたの貴重な書き込みを、いまだにビジネスモデルを模索中のスタートアップの手に委ねたくないのなら、コンテンツをWordPress.comへわずか数回のクリックで移すことができる。

WordPress.comを運営するAutomattic社が、MediumのコンテンツすべてをWordPress.comサイトに簡単にコピーするためのインポートツールをリリースした。

Mediumは、その設定ページから、あなたの投稿と下書きを便利な .zip アーカイブとしてエクスポートしてくれる良い市民であり続けている。エクスポートが終わったら、WordPress.comの設定ページを開き、この.zipファイルをアップロードすることができる。

アップロード完了後15分ほどで、全ての投稿が正しいタイムスタンプと共に公開され、Mediumの下書きはWordPressの下書きに変換される。まあ大体はそんな感じで片付く。

Mediumは洗練されたインターフェースと、素晴らしい配布ツールを持っている。例えばもしTwitter上に既に沢山のフォロワーがいるのなら、大勢の読者を獲得するのは容易だ。

しかしMediumはテキストコンテンツを最終的に所有するプラットフォームになることを望んでいる。同社はあなたの投稿の内容に反する広告を出すことができるし、あなたの記事を用いて何でも望むことを行うことができる。WordPress.comは、何年にもわたって明確なビジネスモデルと共に、よりオープンなアプローチを採用していて、私個人はMediumよりもWordPress.comを信用している。

もしMediumに留まりたい場合でも、あなたのウェブサイトを他のプラットフォームに移行するための簡単なツールがあることをを知っていることは良いことだ。もしMediumの決定に同意できない場合には、そこをいつでも立ち去ることができる。

更新:Mediumはもはやプロモーション付ストーリーの掲載を行っていない。現在新しい収入源を探しているところだ。

名前のありません

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(翻訳:Sako)

Mediumがフィードをリアルタイム化するSuperfeedrを買収、世界のメディア(medium)へいよいよ本気

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原則として誰でも何でも書けるソーシャルブログサービスMediumが今日(米国時間6/2)買収した小さなスタートアップSuperfeedrは、RSSやAtom、JSONなどのフィードを高速化するAPIだ。Mediumのような企業にとってSuperfeedrは、大量のフィードを生成してそれらを、PubSubHubbub互換のサービスへリアルタイムでプッシュする。

SuperfeedrのWebサイトによると、同社はこれまでIFTTTやAbout.me、Etsy、Player FMなどの仕事をしてきた。しかし、買収によってこれらの顧客へのサービスを停止することはない。Superfeedrのサーバーは今後も動き続ける。

RSSフィードは死んだ、と思っている人も少なくない。しかしRSSのリーダーを、ニュースを取らまえるために使っている人は、ぼくみたいなニュースジャンキーだけかもしれないが、RSSやAtomのフィードは今でも健在だ。むしろ、多くのAPIやサービスが、これらのフィードに依存している。

たとえば、FlipboardやWebクローラー、ポッドキャストのプレーヤー、Apple News、などなど…、これらのサービスはすべて、フィードに依存してコンテンツのパブリッシャーから定型データを集めている。Superfeedrは、大量のフィードを作っているコンテンツサービスと、大量のフィードをポルする必要のあるサービスの、両方を助ける。

そして言うまでもなく、Mediumもかなり大きなコンテンツパブリッシャーだ。Superfeedrのチームはこれから、Mediumがビューティフルなフィードをあっという間に作って、それらをすべての適切な場所へ確実にプッシュできるように、がんばらなくてはならない。MediumのRSSフィードをもらうためには、同サイトでそう設定すればよい。

今日の買収によってMediumは、インターネット全体とコミュニケーションするためのプラットホームを本気で作っていく、という意思を表明したことになる。Mediumは最終的にも、壁で囲まれた刑務所の庭(walled garden)〔完全有料サービス〕にはならないだろう。Mediumは、ユーザーが確実にコンテンツをコントロールできることが、そのキモだ。

Superfeedrはこれまで、BetaworksとMark Cubanから資金を調達している(金額不明)。Mediumの買収の条件も、公表されていない。今年最大の買収ではないだろうけど、興味深い動きだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MediumがAndroidアプリをローンチ、最初は非公開ベータで

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Twitterの二人の協同ファウンダ*が3年前に立ち上げた、一般参加型のブログMediumが、同社の発表どおり、まず非公開ベータでAndroidにやってくる。〔*: Evan WilliamsとBiz Stone。WilliamsはTwitterの元CEOでMediumでもCEO。〕

それはまだ試行時期のようなローンチで、最初の一定期間にダウンロードした人だけが利用できる。iOSアプリのローンチは昨年だったが、それは読むことしかできず、最近やっと記事の投稿ができるようになった。Android版は近く提供する、と毎日のように言っていたが、今となってもそれは、Google Play Storeで簡単に入手できるようなしろものではない。

Androidのオーナーはまず、MediumのGoogle+のコミュニティページに参加する必要がある。参加を承認されたら、このリンクからアプリをダウンロードする。

MediumはベータテスターからのフィードバックでAndroidアプリを磨いてから、本番ローンチするつもりだ。Mediumの大ファンで、しかもAndroidデバイスから利用したい人は、大急ぎでベータの貢献者になられるとよろしかろう。

#原注: ファウンダのEvan Williamsによると、Mediumはパブリシングのためのプラットホームではない、と言うが、その考えは少数派だとぼくは思う。*

情報をありがとう、@Peter_Bix

〔*: Williamsは、Mediumはパブリシング(書いたものを単に発表する)の場ではなくて、ネットワークだ、と主張する。多くのブログがライターを限定しているが、Mediumでは良質な記事なら誰でも書ける。コメント欄がなくて、応答(response)欄があるのも、互いに責任を担うネットワークの形成を意識している。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa