Mediumがオーディオ学習プラットフォームのKnowableを買収

米国時間11月16日、Mediumが2021年の3件目であり最後となる買収を発表した。買収するのはKnowableだ。Knowableはポッドキャストのようなコースを配信するオーディオベースの学習プラットフォームで、Reddit共同創業者のAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、NASA宇宙飛行士のScott Kelly(スコット・ケリー)氏、フードジャーナリストのMark Bittman(マーク・ビットマン)氏などが登場している。

Mediumは2021年にブラウザベースのグラフィックデザインツール「Projector」とソーシャル読書アプリ「Glose」を買収した。

ポッドキャスティングやライブオーディオの業界が拡大する中で、KnowableはMediumがオーディオ教材を求める人々に応える役割を果たすだろう。Knowable共同創業者のWarren Shaeffer(ウォーレン・シェーファー)氏はオーディオ担当バイスプレジデントとしてMediumにジョインし、同氏以外のKnowableのメンバーもジョインする。シェーファー氏はTechCrunchに対し、MediumとKnowableのチームはすでに補完的な取り組みを始めており、詳細は2022年の早い段階で発表する見込みだと述べた。

シェーファー氏はTechCrunchに対して次のように述べた。「専門家やソートリーダーがKnowableでコンテンツを提供しており、その中にはMediumですでに活躍している人もいます。Mediumは自身の成果を共有する、収益化可能な新しいフォーマットです。Knowableのレッスンはすぐに消え収益化できないソーシャルオーディオと、大変な労力を要するポッドキャストやオーディオブックとの間に位置するものです。Knowableが制作サイドの難しい部分を担当することで、クリエイターはオーディオに不慣れであってもすばらしいコンテンツを提供できます」。

画像クレジット:Knowable

Knowableは2019年に創業し、Andreessen Horowitz、Upfront、First Round、Initializedから資金を調達した。月額9.99ドル(約1100円)で100以上のコースを利用できるが、この買収を記念して年額25ドル(約2800円)のキャンペーンを2021年末まで実施している。買収に伴い、Knowableは独立したプラットフォームとして存続するが、将来的にはMediumのサブスクリプションバンドルに含まれる可能性がある。

シェーファー氏は「人々がポッドキャストを聴く最大の理由としてあげるのは学習です。KnowableとMediumは新しいオーディオエクスペリエンスを開拓し、クリエイターとリスナーの両方に対してこのニーズにさらに応えていきます」と述べた。

Knowableはコースを作りたい専門家やソートリーダーから申請を受け付けている。申請が通ると同社がコース開発に協力する。同社は四半期の収益の30%と紹介したメンバーシップの30%を、コースを公開しているクリエイターに分配する。

画像クレジット:Knowable

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

MediumがグラフィックデザインツールのProjectorを買収、経営陣を強化

コンテンツパブリッシングプラットフォームのMediumが、Projectorという小さなスタートアップを買収する。これにともない13人のProjectorチーム全員がMediumにジョインし、Projectorの共同創業者でCEOのTrevor O’Brien(トレボー・オブライエン)氏がMediumの最高製品責任者になる。

Projectorについてご紹介しよう。同社はブラウザベースのグラフィックデザインツールを開発してきた。ポッドキャストのアートワーク、Facebookイベントのロゴ、Instagramのストーリーといったソーシャルの投稿に使うグラフィックスをわずか数回のクリックで作れる。

プロ級のデザインスキルがなくても、Projectorのテンプレートライブラリを利用し、テンプレートの画像とテキストを置き換えて自分のグラフィックスにすることができる。

ProjectorでアニメーションGIFやプレゼンテーションを作るユーザーもいる。他の人と一緒に作業をしたい場合はリアルタイムでコラボレーションできる。完成したら、プレゼンテーションやデザインをリンクで共有する機能もある。

Mediumは買収の条件を明らかにしていないが、Projectorは10万人のユーザーを抱え、3回の資金調達ラウンドで2300万ドル(約26億2000万円)を調達した。Projectorには、Upfront Ventures、Mayfield Fund、Foundry Group、Upside Partnership、Homebrew、Mantis VC 、Van Wickle Venturesが投資した。Mark Suster(マーク・サスター)氏とRishi Garg(リシ・ガルグ)氏がProjectorの経営陣として参加した。

画像クレジット:Medium

Projectorの共同創業者でCEOのオブライエン氏はこれまでにCoda、Twitter、YouTubeでプロダクトチームを率いてきた。同氏がMediumの最高製品責任者になるが、Mediumには今回の買収まで最高製品責任者はいなかった。

Projectorの共同創業者でエンジニアリング担当VPのLuke Millar(ルーク・ミラー)氏は、Mediumのエンジニアリング担当VPになる。

オブライエン氏は「Mediumは、長期的にはProjectorを独立したプロダクトとして運営し続けることはありません。Mediumのコアのプラットフォームに集中し、Projectorのテクノロジーと専門性を活かして世界有数のクリエイターツールと読者のエクスペリエンスを構築します」と述べている。

さらに同氏は「Projectorは、既存のお客様が今後の利用を停止し、停止前に作品を書き出せるようにするために、2022年3月まで運営を続けます」と補足した。

MediumがProjectorの実績を今後活用していけば、ユーザーが自分のMediumサイト、投稿、ニュースレターをカスタマイズするデザイン機能の充実が期待できるだろう。リアルタイムのコラボレーション機能も増えるかもしれない。

Mediumの投稿エディタは多くのコンテンツマネジメントシステムからヒントを得て、すっきりとした直感的なデザインになっている。Mediumが文章だけでなくさまざまなメディアのコンテンツにも同様にデザインを重視したアプローチをとるか、注目される。

画像クレジット:Medium

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

Mediumがパートナープログラムを改訂、新たな資格要件と紹介ボーナス制度を開始

編集方針の変更従業員の大量退職など、2021年になってさまざまな出来事が相次ぐ中、Mediumは米国時間8月11日、プラットフォーム上のライターらがコンテンツを収益化するためのMediumパートナープログラムの仕組みを大幅に変更することを発表した。

関連記事:CEOの「企業文化メモ」公開後、Mediumの従業員が大量退職

2012年に設立されたMediumがパートナープログラムを開始したのは2017年のこと。以来、同プラットフォームは20万人以上の寄稿者に2800万ドル(約31億円)を支払ってきた。当初Mediumは、同社の会員がライターのコンテンツを読むのに費やした時間に応じて支払いを行っていた。Mediumの会員は月額5ドル(約550円)または年額50ドル(約5500円)を支払えば、有料コンテンツを含むプラットフォーム上のすべての投稿を読むことが可能だ。さらに各会員の購読料の一部が彼らが読んだライターへと分配される仕組みで、例えば同社の会員があるライターの作品を読むのに10%の時間を費やした場合、そのライターは会員のレベニューシェアの10%を受け取ることになる。

読まれた時間に応じた収益はこれまでと変わらないものの、Mediumは今後、紹介プログラムによる新たな収益方法を開始する。

これまでは、あるライターの記事を読んでいた読者が30日以内に有料会員に移行した場合、そのライターには、その読者が作品を読んだ時間分のクレジットが付与されていた。新しいモデルでは、パートナープログラムのライターは個人用の紹介ランディングページを持つことになる。このページを経由してMediumの購読を購入した読者がいる場合、ライターはその会員が有料会員であり続ける限りその会員の購読料の半分を受け取ることができるという仕組みになる(そこから2.9%+0.30ドル[約33円]の支払い処理手数料が差し引かれる)。つまり、あるライターが自分を通して100人の読者がMediumの月額会員に登録したとすると、そのライターには月額227ドル(約25000円)の報酬が支払われることになる。

画像クレジット:Medium

ただし、パートナープログラムに参加するには100人のフォロワーがいること、Mediumで少なくとも1本の記事を公開していること、特定の地域に住んでいることなど、より厳しい条件が課せられることになる。また、こういった新しい資格要件を満たしていても、6カ月間何も新作を公開しなければパートナーの資格を失う可能性がある。それでも、これまでの仕組みではパートナーになっただけでは金銭的な報酬は保証されておらず、フォロワー数の少ないパートナーの中には毎月の収入が数円という人もいたというから、これはある種の改善である。既存のパートナーは2021年末まで現在のステータスを維持できるが、それまでにフォロワーが100人に達していない場合は削除されることになる。

またMediumは近い将来、最低支払額を10ドル(約1100円)に設定する予定だという。つまりライターが1カ月に10ドル未満しか稼げなかった場合、その分の報酬は翌月に繰り越され、最低10ドルが貯まってから支払われることになる。

Mediumはこれまで会員数について口を閉ざしてきたが、CEOのEv Williams(エヴァン・ウィリアムズ)氏はTechCrunchに対し11月、その会員数は「数十万人」であると述べている。Axiosによると2021年3月までのMediumの会員数は72万5000人とのことだが、Digidayは以前、Mediumが2020年までに100万人の会員数を達成したいと考えていたことを報じている。2017年に設立された競合のSubstackは、9月の時点で25万人の有料会員を抱えており、その2カ月後に6500万ドル(約71億円)のシリーズBラウンドを調達している。Mediumが最後にベンチャー資金を調達したのは2016年で、5000万ドル(約55億円)のシリーズCラウンドである。

Substackや新参のGhostのようなプラットフォームは、有料購読者の数に応じてライターに報酬を支払っている。Mediumの新しいレベニューシェアモデルも同様に、読者をプラットフォームに誘導することがライターのインセンティブになっているものの、Mediumの取り分は約50%である。ライターの個別ニュースレターへの直接購読に対しては、Substackは10%、Ghostは月9ドル(約990円)を受け取っている。SubstackやGhostの読者は複数の個別ニュースレターを購読しているかもしれないが、Mediumの購読者は月5ドルまたは年間50ドルの料金を支払うだけで、ウェブサイトの全コンテンツにアクセスが可能だ。

競争の激しいニュースレタービジネスの世界。6月にはFacebookが厳選された寄稿者によるBulletinというニュースレタープラットフォームを立ち上げ、2021年初めにはTwitterがRevueを買収。そして先週、QuoraがQuora+というマネタイズプラットフォームを発表している。会員費はMediumと同じ価格設定となっており、またMediumと同様、Quora+の購読者はライターが有料化を選択した全コンテンツにアクセスが可能。ライターはコンテンツへのエンゲージメントに応じて報酬を受け取ることができる。さらにライターはQuora上でユーザーが作成した出版物のようなSpacesに有料の記事を書くこともでき、Quoraはその支払いの5%を受け取っている。

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画像クレジット:Medium

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

CEOの「企業文化メモ」公開後、Mediumの従業員が大量退職

MediumのCEOEv Williams(エヴァン・ウィリアムズ)氏は2021年4月、厳しい1年を経て同社の企業文化が変化していることを従業員に伝えるメモを記した。

「健康的な文化は、人の最高の部分を引き出します」と同氏は書いている。「そうした環境にある人々は、自分の考えを述べたり、どんな質問にも最適な答えを見つけ出そうと議論したりすることは、心理的に安全であると感じます。同僚が善意を前提に、そして同じ反応が得られることを意識して、疑わしいことを好意的に解釈してくれると認識しているのです」。

その数段落後にウィリアムズ氏は、反対意見や支持されない意見は意思決定において「常に奨励されている」ものの「建設的ではない、疑いを投げかける、悪意を持っている、根拠のない非難をするなど、ポジティブな環境に寄与しない対話を繰り返すことは、チームや職場環境に大きな悪影響を与える」と記した。

そして次のように付け加えている。「これらの行動は許容できるものではありません」。

TechCrunchが入手し、確認した内部メモは、Mediumのスタッフによる労働組合結成の試みが失敗してから約1カ月後に、そしてウィリアムズ氏が自社コンテンツよりもユーザー生成の仕事に重点を置くという編集方針の転換を発表した約1週間後に公開された。

Mediumの編集チームはシフトの一環として退職金の優遇をともなう希望退職を提示され、編集担当VPのSiobhan O’Connor(シボーン・オコナー)氏とGEN Magazineの全スタッフが退職している。

しかし、Mediumの大量流出の原因は、編集方針の転換というより「企業文化メモ」と銘打ったウィリアムズ氏のマニフェストにあると、複数の現従業員、元従業員がTechCrunchに語ってくれた。このメモが公開されて以降、コンテンツの優先順位の変化の影響は受けないと思われる非編集スタッフの数多くがプロダクトマネージャー、数人のデザイナー、数十人のエンジニアを含めて会社を去っている。

退職者たちは、ウィリアムズ氏が多様性に富んだ才能を犠牲にし、会社戦略のさらなるリセットを行おうとしていると主張する。エンジニア、編集スタッフ、プロダクトチーム、そして同社の人事および財務チームの一部が含まれる内部データを見ると、2021年Mediumに入社した241人のうち、約50%がすでに辞めていることがわかる。Mediumは、現在179人の従業員がいると述べてこれらの数字を否定したが、一部の欠員を埋めるために新規雇用を行っている。

Mediumによると、離職者の52%は白人で、同社の従業員の3分の1は非白人とアジア人である。TechCrunchが最初に話を聞いたエンジニアは、同社の離職者の中にはマイノリティが多く含まれていると語っている。また、Mediumに参加したとき、トランスジェンダーのエンジニアが3人いたと付け加えた。彼らも全員去ってしまった。

「愛される独裁者の雰囲気」

2021年2月、編集スタッフを中心としたMediumの従業員が、労働組合を結成する計画を発表した。労働組合化の試みは決議票で過半数に1票足りず最終的には敗北したが、これは中堅幹部が従業員に組合への反対票を投じるよう圧力をかけたためだと一部の従業員は考えている。

組合結成が失敗した翌月の3月に、Mediumは編集方針転換を発表した。同社は編集スタッフに新たなポジションや希望退職優遇措置を提示した。多くの従業員が退職したが、これは組合組織化の失敗や、明確で金銭的な保障のある退職勧奨のような緊迫した局面が続いた後では珍しいことではない。

そして4月にウィリアムズ氏は、会社の目的と運営原則に関する自身の見解をまとめた企業文化メモを投稿した。メモの中で同氏は「成長にはリスクテイキングが必要であり、リスクテイキングは時折失敗をともなう」とし「フィードバックは贈り物であり、厳しいフィードバックでさえも共感と厚情をもって届けることができるし、そうすべきである」としている。CEOはまた、多様性に対する同社のコミットメントと「機会や脅威に適応することが勝つための前提条件である」ことにも言及した。

顕著なことに、Mediumはこれまで数多くの編集戦略の変更を行ってきており、サブスクリプションや自社コンテンツの取り組みに紆余曲折してきた。そして今は、ユーザー生成コンテンツと有料コミッションに傾注している。

「チームの変更、戦略の変更、組織再編は避けられない。1人ひとりの順応性が会社の中核的な強みだ」とメモには書かれている。

メモでは組合結成の動きについて明確には言及していないが「建設的ではない、疑いを投げかける、悪意を持っている、根拠のない非難をするなど、ポジティブな環境に寄与しない対話を繰り返すことは、[しかしながら]チームや職場環境に大きな悪影響を与える」とし、そうした状況をMediumは容認しないと述べている。

TechCrunchが取材した従業員たちは、ウィリアムズ氏のメモは公式な投稿ではなく内部的なものだと考えているものの、これはCoinbaseのCEOであるBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏やBasecampのCEOであるJason Fried(ジェイソン・フリード)氏が出した声明を思い出させる。Mediumのメモは政治を全面的に禁止しているわけではないが、前出のエンジニアは声明の「基調」が「安全ではない職場環境」を生み出していると話す。不満を抱いた従業員らは、Mediumでの問題について語り合うためにサイドSlackを作った。

MediumはTechCrunchへの声明で次のように述べている。「多くの従業員がクラリティ(明瞭性)を評価しており、ディレクターやマネージャーもその形成に関わっています」。

TechCrunchが入手した内部データによると、このメモのあった月の同社の株価は前月比で3倍、1月の指標の30倍だった。

TechCrunchに話をしてくれた2人目のエンジニアは先月同社を去っているが、そのメモは一見したところでは「酷い」ものではないと語っている。

「それは愛される独裁者の雰囲気でした。つまり、記されている言葉はあまりにも曖昧で、他の何にも強要されることはなく、紙面上ではよく見えます」と彼は指摘した。「そのメモを見ただけで、他に何もないとしたら、それはCoinbaseのメモでもなければ、Basecampのメモでもありません」。

しかし、メモのタイミングを考えるとウィリアムズ氏のメッセージの意味は明確だとこのエンジニアはいう。

「(Mediumは)良い雰囲気を強制し、『ミッション』に疑問を持つものはすべてシャットダウンしたいと考えているのです」と彼は語った。

Mediumの究極

同エンジニアは「編集の方向転換を理由に去った人はほとんどいない」と考えている。その代わり、彼はMediumにおける問題の歴史的経緯を説明した。そこにはメモによって明らかに引き起こされたと思える離脱の波が見られた。

例えば2019年7月、Mediumは、トランプ支持者のJoy Villa(ジョイ・ヴィラ)氏のプロフィール付きのシリーズを「私はトランプを支持してきたが、黒人やラテン系であることで訴追されたことは一度もない」という見出しで公開した。

Mediumのラテン系コミュニティは、この見出しの不快感についてリーダーシップに話をしたとき、Slackの公開チャンネルで言及されるまで、編集部の幹部はそれに関して何もしなかったと主張している。ある編集者は、移民手続きを経験した人や、ラテン系アメリカ人コミュニティの一員である人に、部屋に入って自分たちの立場を説明して欲しいと頼んだ。この従業員は、彼らの立場が薄れていくように感じたのだ。ようやく見出しが変更されたのは、従業員たちがSlackの公式チャンネルに自分たちの懸念を投稿してからだった。

「彼らは思いやりがあれば十分だと思っています」とその従業員は話す。「そして、その傾聴は慈悲深く、実際に思いやりに満ちています。それゆえ、それが十分でないとき、彼らは大きなショックを感じてしまうのです」。

TechCrunchが話を聞いた3人目のエンジニアは、テクノロジー以外にも影響力のあるミッション重視の会社を求めて2019年に同社に入社した。彼は2020年夏、Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター、BLM)運動の中で、Mediumに「より深い問題」があることに気づいた。

「私自身がその一部ではないために耳にしたことがなかった、より深刻な問題がありました。それはまるでカーペットに滑り落ちたかのような感覚でした」と彼はいう。例えばトランプ支持者のプロフィールだ。この元従業員は、人事部がその時期にもNワードを発した従業員の報告について無視したことを知ったのだった。Medium側は、これは事実ではないとしている。

「彼らの本当の姿を真に理解するのにメモは必要ありませんでした」と彼は続けた。

The VergeとPlatformerがMediumの乱雑な企業文化と混沌とした編集戦略に関するレポートを公開したが、2番目のエンジニアは、この記事に関係していると思われる複数の従業員が辞任するよう圧力をかけられたと語っている。

「私の見るところでは、会社側は組合を負かすために汚い手を使ったと思います」と最初のエンジニアはいう。「しかし、それは完全な成功ではありませんでした。なぜなら、これらの人々は全員、その決定(組合結成の否決)の後に退職することを決めたからです。それはコストにつながります。残された人たちは、基本的にうなずいて微笑まなければならないと感じているでしょう。Mediumが明らかにしたのは、従業員が完全な自我を職場に持ち込むことを会社は望まないということです」。

同エンジニアによると、Mediumの審判的な文化は、同社のミッション指向の約束ゆえにCoinbaseとは異なるものだという。

「Coinbaseのようないくつかの企業は『政治や社会問題をもたらすことのない人たちが働くことを望んでいる』と表明しているので、Coinbaseに加わるなら、それはあなたが期待していることであり、問題はありません。しかしMediumは、世界と公平さを大切にし、言論の自由と透明性を信じる人々を特に採用したのです」。

このエンジニアはまもなく正式に退職する予定で、すでに複数の面接が決まっている。

「ソフトウェアエンジニアにとって良い求人市場があるのに、自社の従業員を不当に扱う会社で働く必要があるでしょうか?」。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Medium労働

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

Mediumがソーシャル読書アプリの「Glose」を買収、電子書籍販売や教育分野に事業拡大か

Mediumは、パリに拠点を置くスタートアップのGloseを非公開の金額で買収すると発表した。Gloseは、デバイス上で本を購入したり、ダウンロードしたり、読んだりできるiOS、Android、ウェブアプリを構築してきた。

Gloseは本棚を作ったり、フォロワーとメモを共有したり、余白で会話を始めたりすることができる読書アプリで、同社は読書をマルチプレイヤー体験に変えた。確かに、Goodreadsのような本について会話できるソーシャルプラットフォームは存在する。しかし、Gloseの差別化ポイントは、ソーシャル機能が読書機能と本質的にリンクしていることであり、それらは2つの別々のプラットフォームではないところだ。また、例えば連続リワードというような、難しい本を読むときにモチベーションを維持するのに役立つゲーミフィケーション機能もある。

多くの点で、Gloseのワンタップハイライト機能やコメント機能は、Mediumの機能を彷彿とさせる。スマホやタブレットの他の読書アプリでもテキストをハイライトすることはできるが、それをさらにどうにかすることはできない。

最近になって、Gloseは「Glose Education」という別のサービスを開始した。その名が示すように、こちらは大学や高校向けのサービスだ。教師は課題を配ることができ、生徒たちはグループとして本を読むことができる。

100万人以上のユーザーがGloseを使用したことがあり、スタンフォード大学やコロンビア大学を含む25校の大学がGlose Educationと契約している。

しかし、Gloseは単なるソフトウェアだけの事業ではない。同社は、総合的な書店も運営している。2万社の出版社と提携しているので、アプリから直接電子書籍を購入することができる。

また、今学期にVirginia Wolf(ヴァージニア・ウルフ)を勉強している場合、Gloseは何十万冊ものパブリックドメインの本を無料で提供。さらにGloseはオーディオブックにも対応している。

Mediumが記事やブログを超えて拡大することを計画している中、これは最も興味深い部分だろう。Gloseは今のところ存在し続けるが、Mediumの方も、電子書籍とオーディオブックを同サービスに統合することを計画している。

多作なブロガーの多くは本の著者でもあるので、これは賢い動きだ。現在、彼らはMediumでブログ記事を書き、読者がライターの本を購入したい場合は、サードパーティのサイトにリンクしている。著者が書いたものをすべてホストする機能を持つことは、コンテンツ制作者と読者の両方にとってより良い経験になる。

「我々はGloseの読書プロダクツや技術だけでなく、本の著者や出版社と提携した経験にも感銘を受けています」とMediumのCEOであるEv Williams(エブ・ウィリアムズ)氏は声明の中で述べている。「本はアイデアを探求するための手段、深化への道です。世界のアイデアの大部分は本や雑誌に保存されていますが、検索も共有もほとんどできません。Gloseとともに、Mediumの大規模なネットワークを利用する読者やライターの体験を向上させたいと考えています。Gloseチームと協力して、出版社と提携し、著者がより多くの読者にリーチできるよう支援していきたいと考えています」。

Gloseチームはパリに残る予定で、Mediumは米国外に初のオフィスを開設することになる。Gloseは今後も著者、出版社、学校、機関とのパートナーシップを続けていくという。

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タグ:MediumGlose買収

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(翻訳:Nakazato)