MicrosoftのAzure Media Servicesにライブエンコーディングやプレーヤ機能などが加わる

2015-04-13_0858

Microsoftの/ビデオストリーミングプラットホームAzure Media Servicesに今日(米国時間4/13)、いくつかの新しい機能が加わった

このアップデートの最大の呼び物は、ライブエンコーディングだ(今はまだプレビュー)。これはMicrosoftの既存のライブビデオ機能をサービスとして独立させたものだが、Microsoftの社員の説明によると、この機能によりAzureのメディア方面の顧客は“真のクラウドDVR体験”をユーザに提供できる。ライブエンコーディングでAzureのユーザは、自分のライブのワークフローを、複数のフォーマットのライブトランスコーディングで構築し、アーカイブし、ジャストインタイムでパッケージングし(今リクエストされているデバイス用だけにストリームを作ればよい)、動的な(==ランタイムの)暗号化ができる。

このLive Encodingはまだ非公開ベータだが、Microsoftは今日(米国時間4/13)、Azure Media Playerもローンチした。これはコンテンツのオーナーにオンラインの自動プレーヤーを提供するもので(自作する必要がない)、HTML5ビデオやMedia Source ExtensionsEncrypted Media Extensionsによる権利管理などをサポートしている。ねらいはw3cのオープンスタンダードだが、古いブラウザではプレーヤーはFlashやSilverlightを使える。

そのほかの新機能としてはAzureの発話書き起こしによる音声インデクシングサービスにスペイン語のサポートが加わり、またコンテンツオーナーのためにContent Delivery Security Associationからの証明、コンテンツのセキュアな保存(海賊版防止)を伴うデリバリサポートなども加わった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoftは新たに立ち上げたAzure App Serviceですべてのデベロッパサービスを一本化+いくつかの新サービスを導入

Microsoftが今日(米国時間3/24)、クラウド上の総合的なデベロッパサービスAzure App Serviceを立ち上げる。デベロッパはこの上でモバイルとWebのアプリケーションを開発でき、またそこからさまざまなクラウドサービス上のビジネスプロセス自動化ツールにもアクセスでき、さらにまた、APIを構築し消費できるための新しいサービスもある。これらのサービスのすべてが、Microsoftが近年好んで唱えているお念仏、“モバイルファースト、クラウドファースト”(mobile first, cloud first、まずモバイル, まずクラウド)を軸に展開される。

このパッケージ自体は新しいが、中身は新しくないものもある。というよりMicrosoftは、既存のAzure WebsitesMobile ServicesBiztalk Servicesを束(たば)ねて新しいパッケージApp Serviceを作り、そこに若干新しいサービスも加えたのだ。Azure Websitesの既存のユーザは全員が自動的にこの新しいパッケージへ移行する(料金は前と同じ)。

Azure Mobile Servicesのユーザも新しいサービスに移行するが、移行はゆっくりしたペースになる。というのも、移行によって既存のAPIの一部が使えなくなるためだ(アプリケーションを新しいサービスにポートするためにデベロッパが加える変更はとても容易である、とMicrosoftは言っている)。当面はAzure Mobile Servicesと、App Servicesのモバイル部位が併存するが、いつまで両サービスをサポートするのかは不明だ。

Azure App Serviceは、これらの機能を単一のサービスに統合した。MicrosoftのAzure Application Platformチームの部長Omar Khanは、“統一化によってアプリケーションの開発がずっとシンプルになる”、と言っている。Microsoftがデベロッパたちから聞いていたのは、アプリケーションを多様なデバイスやプラットホーム向けに作らなければならない、しかもできるかぎり既存のスキルで、という話だ。さらにまた、いろんなソースからのデータをそれらのアプリケーションに接続することも必要だ。

既存のサービスでデベロッパは、スケーラブルなWebサイトや、モバイルアプリをホストするために必要なバックエンドツール(データベース、プッシュ通知、シングルサインオンなどなど)を迅速にセットアップできる。それらはApp Serviceに移っても新しい重要な機能は加わらない。しかしKhanによると、これまでばらばらに存在したそのほかのサービスの利用を一箇所でできるようになるから、そのことに対応した、あるいはそのことを十分に生かせる、変更がありえるだろう。たとえばそれらは、ステージング、プロダクションスロット、Webジョブなどのサービスだ。

二つの新しいサービス(API Apps、Logic Appsで、より面白い方は、Microsoft語で“ロジックアプリケーション”と呼ぶものを構築するためのサービスLogic Appsだ。ロジックアプリケーションとは、オンラインやオンプレミスのさまざまなAPIを組み合わせて作る、ビジネスプロセスを自動化するためのアプリケーションで、そのために使われるであろうオンラインのAPIはたとえば、Office 365、Salesforce.com、Dropbox、Facebook、Twitter、OracleやSAPのデータベースなどのものだ。新しいAzure App Serviceでは、これらのAPIをドラッグ&ドロップで拾って組み合わせるだけで、Webアプリケーションやモバイルアプリができあがる。

なお、そのApp ServiceにはAPI管理機能もあるが、それは既存のAzure API Managementサービスを置換しない。しかし既存のサービスと同じく、Azure App Serviceの新しいサービスであるAPI Appsでも、Zendesk、Office 365、SAP、Siebel、OracleなどなどのAPIを、見つけてホストして管理できる。

そしてKhanによると、この新たなAzure App Serviceのターゲットは、企業向けのビジネスアプリケーションのデベロッパと、消費者向けアプリケーションのデベロッパの両方だ。

この新サービスに関して質問(既存のサービスとの違いなど)のある方は、この記事のコメントにその質問を書くと、KahnとMicrosoftのApplication Platform担当CVP Bill Staplesが、今日の太平洋時間午前9時にコメント上で答えてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Googleが新人スタートアップに10万ドルを提供…ただしそれはGoogle Cloudを使うためのクレジット

【抄訳】

今あなたが創業ほやほやのスタートアップなら、Googleが、Google Cloudプラットホームの1年かぎりの、10万ドルぶんのクレジットをくれる。つまりAWSでもAzureでもなく、Googleのサーバの上でアプリケーションをホストできて、その1年間の料金が10万ドル以下なら料金を請求されない。GoogleはスタートアップをCloudプラットホームのお客として取り込むために最近、Cloud Platform for Startupsというキャンペーンを開始したのだが、この10万ドルクレジットはそのメニューの一部だ。このキャンペーン企画を、今日行われたGoogle for Entrepreneurs Global Partner Summitというカンファレンス*で、Googleの技術インフラ担当SVP Urs Hölzleが発表した。〔*: パートナーについては後述。〕

GoogleのCloudプラットホームを1年間、10万ドル相当ぶん使える、というこのクレジットをもらえるスタートアップは、①創業5年未満で②年商50万ドル未満でなければならない。 しかも、すでにGoogleのパートナーとなっているアクセラレータやインキュベータあるいはVCの③傘下でなければならない。Googleは今後パートナーを増やすつもりなので、まだGoogleのパートナーでないVCなどは、打診してみるとよい。下の図には4つの条件が載っているが、4つ目は、④これまでこのクレジットをもらったことがない、だ。

【中略】

このクレジット企画には、インフラの管理サービス(をGoogleが代行)も伴う。Googleのエキスパートが一対一でアーキテクチャのリビューをしてくれるし、24/7のサポートもつく。

Googleには初心者向けの無料プランがすでにあったし、またAWSには2013年からAWS Activateという企画の一環として、アクセラレータやインキュベータやVC向けの”Portfolio Package“という事業がある。実はこの事業が、今回のGoogleの10万ドルクレジット企画とそっくりなのだ。Amazonの場合はスタートアップに、15000ドルぶんのAWSのクレジットを与える。一方Microsoftがかなり前からやってるBizSparkという事業の中にも、ほやほやスタートアップのためのクレジットがある。そのAzureのクレジットは月額150ドルだから、Googleに比べると小さい。

でも、小さなスタートアップが1年でGoogleのサーバを料金10万ドルぶん使うのは、現実にありえないほどたいへんだから、これはGoogleのマーケティング的花火のようなものでもある。実際にGoogleを使っているSnapchatのような、大きな人気サイトになれが、話は違うが。Googleのサーバを計算集約的な処理に使えば、10万ドルぶんぐらいすぐに使ってしまうかもしれないが、Bitcoinのマイニングをやりたい、なんて言ったらGoogleは拒絶するだろう。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのストレージ大幅値下げ攻勢の影響は甚大

先週、Googleはクラウド・ストレージの料金を劇的に引き下げた。今やGoogle Driveの料金はライバルのどれよりも大幅に低い。1TB、月額9.99ドルではすべてのライバルが恥じ入らされることになる。

しかし今起きているのは単なる値引きではない。さらに長期的なGoogleの競争戦略を見てとることができる。

Dropboxの現在の料金は100GBあたり9.99ドル/月、SugarSyncは1TBあたり55ドル/月で3ユーザーが共有できる。MicrosoftのOneDriveは年額プランのみで、50GBが25ドルからだ。これはGoogleの新料金100GB、1.99ドル/月(年23.88ドル)にくらべて約2倍高い。Appleは50GBに年額100ドルを要求する。

さらに重要な点はGoogleの新料金が、Google自身のデベロッパー向けクラウド・ストレージの料金より安いことだ。さらにAmazon S3Microsoftの Azureストレージよりも安い。Amazon S3はDropbox始め多くのクラウド・ストレージ・サービスが利用しているプラットフォームだ。Droboxなどのスタートアップは膨大なストレージを利用しているからおそらく多少は料金の割引を得ているだろう。しかしそれでもGoogleの新料金はデベロッパーが利用するクラウド・ストレージ・プラットフォームの料金より安い。

Googleの新料金プランでは100GBの次がいきなり1TBになる。これは一般ユーザーは今後相当長期にわたって契約したストレージのごく一部しか使わないと見込んでいるのだろう。それでもGoogleが原価割れ覚悟の低料金でライバルにプレッシャーをかけていることは見てとれる。

Googleの狙いは何か? 低料金は有料ユーザー獲得のために大いに役立つのはもちろんだが、それ以上にGoogleはクラウド・ストレージというGoogleがまだ支配していない混戦模様の市場での優位性の確立を狙っているのだろう。

そもそもGoogle Driveは単なるストレージではない。GoogleはDriveでワープロ、表計算などの生産性アプリを提供している。GmailやGoogle+、Picasaによる写真共有のストレージも兼ねている。

現在、多くのユーザーにとってマルチデバイスで同期できるクラウド・ストレージといえばDropboxであり、Google Driveではない。MicrosoftのOne DriveはWindows 8に組み込まれている。Google Driveのデスクトップ・アプリはそれなりに高機能だが、ユーザー体験はDropbox.ほど洗練されていない。

Google Driveをユーザーが好むのはやはりその生産性アプリの共同作業のしやすさだろう。しかしここでもGoogleは激しい競争を予期しなければならない。Microsoftもついにクラウド化に舵を切り、無料のオンライン版Word、Excel、PowerPoint、OneNoteの普及に真剣に取り組むようになった。Microsoft Officeにどんな欠点があるにせよ、Google Driveの文書、スプレッドシート、スライドなどのアプリよりもユーザーに対する知名度が高いことは確かだ。特に企業社会ではいまだにOfficeの各フォーマットはデファクト標準となっている。Googleはストレージの値下げによってMicrosoftのビジネス界における牙城を崩そうという戦略だろう。

GoogleはDriveのワープロと表計算でサードパーティーのアドオンをサポートすると発表し、Googleの生産性ツールの周囲に活発に活動するエコシステムを建設しようとする考えを明らかにした。

上でも触れたようにDriveはGoogle+とPicasaの写真の保存にも用いられる。Google+にどんな欠点があろうと、写真の保存と共有(とハングアウト)に関してはライバルをしのぐものがある。しかも2048×2048(約4.2メガピクセル)以下の写真は無料で保存できる(有料ストレージの保存量にカウントされない)。もっとも最近では写真の高精細度化が進んでいるから、ユーザーはじきに有料プランを必要とするようになるだろう。

今回の大幅値下げでGoogleはライバルを料金戦争に引きずり込むことに成功した。スタートアップが利用している業務用ストレージ・プラットフォームの料金より低い新料金はライバルにとっては痛手だろう。またGoogleはライバルのスタートアップが提供していない生産性アプリをさらに強化し、この面での優位性を確実なものにしようとしている。

これに対してライバルたちがどう巻き返しに出るか、この数ヶ月は興味深い展開となりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft Azureがストレージを値下げ, Amazonの値下げに追随

今週の初めにAmazon Web Servicesは、そのクラウドストレージサービスS3を値下げし、今日(米国時間1/24)はMicrosoftがそれに続いて、同社のクラウドストレージサービスを値下げしている

ローカルな冗長ストレージはAzureとAmazonで料金が同じになり、Azure Storageのトランザクション料金は、同じくAmazonと歩調を合わせて50%カットされた。さらにMicrosoftのLocally Redundant Disks/Page Blobs Storageは28%値下げされた。

昨年4月にMicrosoftは、AWSのどんな値下げにも合わせていくと言ったから、今日の値下げ発表は意外ではない。Microsoftによると、Azureのストレージの値下げは完全にグローバルだから、リージョンによってはAmazonよりも安くなるそうだ。

Microsoftは今日の発表声明の中で、料金はもちろんユーザにとって重要だけれども、同社は“信頼性とスケーラビリティの点でもベストを”提供する、と言っている。具体的には、同社の冗長ストレージオプションではデータが400マイル離れた別のデータセンターで複製されるから事故や災害に強い。またAzureのユーザは仮想マシンのストレージを永続性のストレージとして確保するが、AWSではEBS上のストレージが特別料金になる。したがってこの種のストレージに依存する顧客にとっては、Azureの方が安上がりである、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))