レブコムの音声解析AI電話MiiTelが受発信用電話番号として主要都市の市外局番を追加、03・06以外の地元の番号が利用可能に

レブコムの音声解析AI電話MiiTelが受発信用電話番号として主要都市の市外局番を追加、03・06以外の地元の番号が利用可能に

RevComm(レブコム)は2月28日、音声解析AI電話サービス「MiiTel」(ミーテル)において、従来より市外局番として提供している03(東京)と06(大阪)に加えて、主要都市の市外局番を追加することを発表した。これにより、主要都市の市外局番をMiiTelでの受発信用電話番号として利用できるようになる。

MiiTelは、会話の内容を解析し高精度のフィードバックを行う音声解析AI電話サービス。営業電話やコンタクトセンター業務において利用されており、商談獲得率・成約率の向上に寄与している。また、顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているのかわからないというブラックボックス化問題を解消するほか、自動文字起こし機能によりアナログな議事録作成においても活躍している。

RevCommは、MiiTelでの受発信に利用できる電話番号として、050や0120、0800、また市外局番としては03と06で始まる番号を提供しており、2月28日より主要都市の市外局番の提供も開始した。そうした主要都市に本社や拠点を持つ企業・団体は、該当する市外局番をMiiTelの受発信用電話番号として利用できるようになる。

すでに利用している電話番号を変更せずにそのままMiiTelでの受発信用電話番号として使える可能性があり、その場合は地元で慣れ親しまれている電話番号を変更せずMiiTelを導入できるという。

MiiTelが市外局番を提供開始した主要都市一覧

  • 北海道:札幌市
  • 宮城県:仙台市
  • 埼玉県:狭山市、所沢市、入間市、さいたま市、川口市、戸田市、朝霞市、鳩ケ谷市、志木市、新座市、草加市、越谷市、三郷市、春日部市、和光市、八潮市、川越市、富士見市、ふじみ野市
  • 神奈川県:相模原市、川崎市、横浜市、平塚市、綾瀬市、鎌倉市、藤沢市、茅ケ崎市
  • 千葉県:千葉市、船橋市、浦安市、市川市、松戸市、習志野市、柏市、我孫子市、流山市
  • 東京都:あきる野市、昭島市、稲城市、清瀬市、国立市、国分寺市、羽村市、西多摩郡、多摩市、東大和市、日野市、八王子市、福生市、立川市、武蔵村山市、狛江市、三鷹市、小金井市、町田市、小平市、西東京市、調布市、東村山市、府中市、武蔵野市
  • 愛知県:名古屋市、清須市、日進市、みよし市、愛知郡、瀬戸市、春日井市、一宮市
  • 京都府:京都市
  • 大阪府:摂津市、門真市、八尾市、茨木市、池田市、堺市、箕面市、高石市、寝屋川市、枚方市、和泉市
  • 兵庫県:尼崎市、明石市、神戸市、三田市、西宮市、宝塚市
  • 広島県:広島市
  • 福岡県:福岡市、春日市、太宰府市、筑紫野市、大野城市、北九州市

RevCommの音声解析AI電話MiiTel、会話におけるネガティブ・ポジティブな感情を可視化する音声感情認識機能を採用

RevCommの音声解析AI電話MiiTel、会話におけるネガティブ・ポジティブな感情を可視化する音声感情認識機能を採用RevComm(レブコム)は2月9日、音声解析AI電話「MiiTel」において、話し手のポジティブ・ネガティブな感情を可視化する音声感情認識機能をリリースしたと発表した。これにより、会話の当事者以外でもクレームなどに気づけるようになるという。

MiiTelは、日本発の音声解析AI電話サービス。電話営業やコンタクトセンター業務などで、会話内容を解析するとともに高精度のフィードバックを行うことで、商談成功率・成約率の向上につなげるというもの。顧客と担当者が「なにを」「どのように」話しているのかわからないというブラックスボックス状態を解消するほか、アナログな議事録作成といった負荷も自動文字起こし機能により軽減できる。

RevCommは音声感情認識について以研究を重ねており、その成果の一部は、筑波大学との共同研究による音声感情認識関する論文として、2021年8月に音声処理トップカンファレンス「INTERSPEECH 2021」で発表している。今回追加された音声感情認識機能は、発話音声の音声特徴と音声認識器により得られる単語と単語信頼性を入力として、DNN(Deep Neural Network)を用いて発話音声の感情を推定する、音声感情認識アルゴリズムとしている。

具体的には「納得していない」「不満を覚えている」「乗り気ではない」「迷っている」「相手の過失や失礼な態度を攻めている」ような話し方の場合には「ネガティブ」と判定される。一方「喜んでいる」「感謝している」という話し方の場合は「ポジティブ」と判定される。結果はMiiTelの解析画面にオレンジとブルーのグラデーションで帯として表示さる。

クレーム電話を例に挙げると、会話の当事者(ユーザー)は、顧客側の感情の遷移を確認することで不満を解消できたかどうかを判断できる。また、ネガティブな感情を伴った顧客の発話を確認することで、顧客がどういったことに不満を持っているのかを素早く知ることが可能になるという。さらにMiiTelであれば、会話の当事者以外でも、ネガティブな内容の会話に早く気づけるとしている。

レブコムの音声解析AI電話MiiTel、Salesforceとの連携を強化する「MiiTel for Salesforce」提供開始

RevComm(レブコム)は12月23日、Salesforce AppExchange上において「MiiTel for Salesforce」を提供開始したと発表した。音声解析AI電話「MiiTel」とSalesforceの連携をより強固にするアプリケーションで、工数削減や架電振り返りに活用できるという。

MiiTelは、電話業務における会話の内容を自動録音・文字起こしにより可視化、AIにより解析し、高精度のフィードバックを行うことで業務効率化を実現できる音声解析AI電話サービス。電話営業やコンタクトセンター業務などにおいて商談の内容を振り返ったり、また別部門への伝達をスムーズに行えるようになるという。これを顧客関係管理システムであるSalesforceとの連携を強化するのが、MiiTel for Salesforceとなる。

MiiTel for Salesforceでは、MiiTelでの会話録音の再生や、応対評価や音声評価、音声認識結果をSalesforce上から確認できるようになる。MiiTel管理画面に遷移することなく内容を把握できるため、工数削減や架電振り返りに活用できるという。

「MiiTel for Salesforce」概要

  • MiiTelでの会話録音の再生:気になった録音をSalesforce上ですぐに確認することで、振り返りを迅速に行える
  • 応対評価・音声評価:Talk比率、沈黙回数、被り回数、ラリー回数、抑揚、話速といった指標をSalesforce上で確認可能。セルフコーチングを行いやすくした
  • 音声認識結果:音声認識結果をSalesforce上で確認することで、電話応対の可視性を高められる。会話の文字起こし結果をSalesforceの活動履歴上で確認でき、応対内容の社内共有を迅速に行える

 

レブコムがオンライン商談の会話をAIにより解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始

レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始

音声解析AI電話「MiiTel」(ミーテル)を提供するRevComm(レブコム)は1月20日、法人向け第2弾サービスとして、オンライン商談の会話内容をAIが解析・可視化するオンライン商談ツール「MiiTel Live」(ミーテルライブ)の提供を開始した。月額利用料は、1ユーザーあたり4980円(別途MiiTelの基本料金の契約が必要)。

レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始

レブコムは、「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る」をミッションに、営業におけるトークの可視化とセルフコーチング、テレワーク化を実現する音声解析AI電話のMiiTelを提供。MiiTelは、2020年12月時点で約15万000名が利用している。

新たに開始したMiiTel Liveは、ビジネス電話における1対1の通話内容を解析するMiiTelの音声解析の技術はそのままに、ホストを含め最大8名までのオンライン商談に対応。MiiTelとMiiTel Liveにより、一貫した営業プロセスの実現と、一元管理が可能となっている。

レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始
レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始

MiiTel Liveでは、1ユーザーあたり月間50回まで、1回あたり最長3時間利用可能。音声認識AIが会話内容を解析・可視化できるほか、オンライン商談の参加者の話速や抑揚の強調・声の高低などの音声解析機能、文字起こし機能を合わせて利用することで、商談のブラックボックス化問題を解消。オンライン商談の振り返りなどに活用できる。

レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始商談などを標準で自動録画するようになっており(録画保存期間は翌月末まで)、簡単に自らの商談を振り返りに利用可能。録画データはワンクリックで他部署へ共有したり、成約につながった商談の録画を新人の教育に活用したりもできる。成功事例を共有することで、営業部門全体の売上向上が促進されるほか、在宅勤務で希薄化しやすいコミュニケーションの活性化にも役立てられるとしている。

レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始レブコムがオンライン商談の会話をAIが解析・可視化する新サービス「MiiTel Live」開始また文字起こし機能により、議事録を入力する側のインプット工数を削減可能。同時に顧客と担当者が「何を」「どのように」話したかの内容をニュアンスまで把握できるようになるため、成約率を上げ、解約率と教育コストの低下につなげられるという。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:セールステックRevComm(企業)MiiTelMiiTel Live日本(国・地域)

営業電話やサポセン、社内会議をAI搭載IP電話で円滑にするMiiTel開発のRevCommが総額15億円調達

音声解析AI技術を搭載するIP電話サービス「Miitel」(ミーテル)を手掛けるRevComm(レブコム)は10月5日、シリーズAラウンドで7億円を追加調達し、累計15億円を獲得したことを発表した。これによりシリーズAはファイナルクローズとなる。

第三者割り当て増資による調達で、シリーズAでは日米で投資活動を進めるWiLがリード投資家となり、今回のセカンドクローズはNTTドコモ・ベンチャーズ、グローバル・ブレインが運営するKDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、新生企業投資、Sony Innovation Fund by IGV、ALL STAR SAAS FUND、ディープコア、DNX Ventures、博報堂DYベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、ミロク情報サービスの計10社が新規投資家として加わる。ちなみにファーストクローズ時に、PERSOL INNOVATION FUND、エン・ジャパン、ブイキューブが計8億円を出資済みだ。

今回調達した資金は、新サービス開発、サービス品質向上ための研究開発、海外進出、組織基盤強化などの事業投資に充当する方針とのこと。

セカンドクローズには、各種ファンドのほかに事業会社としてミロク情報サービスが加わっている。同社は、企業向けコンピュータ管理会社で24時間365日対応のコールセンターを運営しており、今後MiiTelを活用して事業の効率化を図っていきたいとしている。

投資家としては、日米で投資活動を展開しているWiLやDNX Venturesのほか、ALL STAR SAAS FUNDのマネージング パートナーである前田ヒロ氏は、アジア向けに約117億円規模のEmerging Asia Fundもファンドも組成。海外展開を見据えた布陣となっている点にも注目だ。そのほか、ソフトバンク系でAI系スタートアップへの投資を進めるディープコアも投資家に加わっている。

RevCommは、2017年7月設立のスタートアップ。2019年にTechCrunch Japanが主催した「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」で応募120社超の中から最優秀賞に輝いたほか、同年開催されたB-Dash Camp 2019のPitch Arenaもダブル受賞。2020年にはGoogle for Startups Acceleratorに採択されている。Miitelはサービスリリース開始約1年半で1万ユーザーが導入しているという。

代表取締役の會田武史氏によると「昨年のB-Dash Camp2019やTechCrunch Tokyoでの優勝で認知されたことで、インバウンドでの問い合わせが増えた」とのこと。新型コロナウイルスの感染蔓延により、社会全体がリモートワーク導入に向かう中で、Miitelへの問い合わせはさらに増えているそうだ。搭載する音声解析エンジンについても改良が進んでおり、さらに高い精度での音声テキスト変換が可能になっているほか、オープンAPIとすることで音声解析ニーズのある企業との提携も進めていく予定だ。

Miitelは、電話営業やコールセンター業務での会話のラリーの回数や、話す量・聞く量、会話のジャンル、声の高低・遅速などをAIで検出し、高精度のフィードバックを行うことで商談獲得率・成約率向上を実現するIP電話システム。顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているかわからない、というブラックボックス化問題を解消して、成約率を上げ、解約率と教育コストの低下につなげることを目指している。CRMツールとしては、Salesforce(セールスフォース)やサイボウズのkintone(キントーン)と連携に対応している。

また、担当者自ら学ぶセルフコーチングツールとして、リモートワーク環境の早期構築ツールとして活用されているほか、リモートワークにおける社内会議向けの議事録作成ツールなどにも活用事例が拡がっているそうだ。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:RevCommMiiTel資金調達(用語)

AI搭載型クラウドIP電話「MiiTel」開発のRevCommが8億円調達、海外進出を目指す

RevComm(レブコム)は5月11日、シリーズAラウンドのファーストクローズで8億円を調達したことを発表した。第三者割当増資による調達で、引受先はWiL(WiL Fund II, L.P.)をリード投資家として、PERSOL INNOVATION FUND、エン・ジャパン、ブイキューブ。WiL以外の3社は、シリーズAラウンドに先立って新株予約権での投資をしていた実績がある。なお同社は、シリーズAラウンドで総額15億円の調達を目指している。

同社は今回調達した資金を、新サービス開発およびサービス品質向上ための研究開発、海外進出、組織基盤強化の事業に投資するとしている。同社が開発した「MiiTel」(ミーテル)は、AIによって通話内容を解析・テキスト化することで電話営業を可視化するAI搭載型クラウドIP電話。IP電話のため、電話回線の敷設や契約は不要でリモートワーク環境にも導入しやすいのが特徴だ。顧客との会話内容をあとから聞き直せるので、セルフコーチングツールとしても活用できる。同社によると、提供開始約1年半で5000ユーザーを獲得しているとのこと。

MiiTelの1ユーザーあたりの月額コストは、基本使用料5980円、電話番号使用料1500円、モバイルアプリ使用料500円。同社は新型コロナウイルスの感染拡大防止のための全国的な外出自粛要請を受け、3月2日~4月30日までの2か月間は利用料金を無償化していた。すでに受け付けは終了しているが、第2弾の無償サービス提供を実施済みで、申し込みを済ませた企業は最長で5月末までの無償利用が可能だ。

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テレセールスをテレワークで、新型コロナ対策でAI搭載IP電話「MiiTel」が2カ月無償に

RevCommは2月28日、同社が開発・提供しているAI搭載IP電話のMiiTel(ミーテル)を3月2日から2カ月無償提供することを発表した。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが推奨されている中、テレセールスやサポートセンターなどの業務を在宅で遂行できるようになる。通常は、1ユーザーあたりの月額コストとして、基本使用料5980円、電話番号使用料1500円、モバイルアプリ使用料500円がかかるが、3月2日~4月30日までの2か月間は無償で利用できる。ただし、実際の使用に伴う電話料金は利用者負担となる。

MiiTelは、営業トークの内容を録音し、ログを取得できるのが特徴。取得した録音データをAIが分析し、沈黙した時間、会話を被せてしまった回数、声量、テンポなどを数値化できるほか、会話の内容を自動的にテキストデータ化することも可能だ。これらのデータを利用して、担当者自らが課題を確認してセルフコーチングすることもできる。

IP電話なので、電話回線を敷設する時間やコスト、携帯端末の用意はもちろん不要。PCとインターネット接続環境があればすぐに利用できる。記録されたログによって「誰がいつ誰と何を何分話したか」というデータを共有できるので勤怠管理も容易だ。

RevCommは、2019年にTechCrunch Japanが開催したテクノロジーとスタートアップのイベント「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」で最優秀賞に輝いた企業。2019年のスタートアップバトルは、過去最多の120社超から選抜された20社がファーストラウンドに登壇、その20社からさらに選抜された6社がファイナルラウンドに進んで最優秀賞をかけて戦ったピッチイベントだ。ちなみに同社は、TechCrunch Tokyo 2019だけでなく、2019年にはさまざまなイベントで賞を獲得し、サービスの知名度や契約者数を向上させてきた。人材サービスなどを展開するビズリーチが2018年10月に設立した「ビズリーチ 創業者ファンド」の投資第1号案件でもある。

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MiiTelを導入して本格的にテレワークを進めるには、PCやインターネットの常時環境、企業内に蓄積されている顧客データの共有といった環境整備が必要で、すぐに移行できるわけではない。しかし、導入が容易なIP電話システムを電話料金を除いて2カ月間無償で利用できるというのはかなりのメリットだ。東京五輪などの大型イベントに備えたテレワークの予行演習としてMiiTelを試験導入してみる価値はあるだろう。

AI搭載IP電話「MiiTel」開発のRevCommがカラダノートと提携、ノウハウを可視化して子育てママとのエンゲージメント強化へ

IP電話を利用した営業支援サービス「MiiTel」(ミーテル)を開発・提供するRevCommと、さまざまな子育て支援サービスを展開しているカラダノートは2月10日、2月1日付けでパートナーシップ契約を締結したことを明らかにした。カラダノートのクライアントである妊娠育児層向け事業会社での架電オペレーションにMiiTelを導入し、生産性向上に取り組む。

RevCommは、2019年にTechCrunch Japanが開催したテクノロジーとスタートアップのイベント「TechCrunch Tokyo 2019」の「スタートアップバトル」で最優秀賞に輝いた企業。2019年のスタートアップバトルは、過去最多の120社超から選抜された20社がファーストラウンドに登壇、その20社からさらに選抜された6社がファイナルラウンドに進んで最優秀賞をかけて戦ったピッチイベントだ。ちなみに同社は、TechCrunch Tokyo 2019だけでなく、2019年にはさまざまなイベントで賞を獲得し、サービスの知名度や契約者数を向上させてきた。

カラダノートは、提供中のアプリで合計で約55万MAU(月間アクティブユーザー)、新規で毎月3万人以上の接触可能ユーザーを獲得しており、既存ユーザーを含む登録ユーザーに向けて、前述の提携クライアントが電話や訪問などで販促活動を進めていた。しかし、その内容はこれまで共有されてこなかったそうだ。

写真に向かって左から、RevCommで代表取締役を務める會田武史氏、同社広報の藤村侑加氏、カラダノート事業企画室で室長を務める松枝愛子氏、同社代表取締役の佐藤竜也氏

カラダノートの事業企画室で室長を務める松枝愛子氏によると「各社とも独自の営業ノウハウをお持ちですが、すべてのノウハウがカラダノートのユーザー層にマッチするわけではありません。実際に、子育て中や子育て経験のある女性が多い営業部署ではアポ取得率が高く、男性中心の営業部署では低いというケースもありました」と語る。

とはいえ、子育て経験者だけを集めた営業部署は簡単に作れないので、経験者の知見を効率よく共有するために今回のパートナーシップ締結に至ったそうだ。すでに2月からカラダノートのクライアントの電話営業にはMiiTelが導入されており、オペレーターの応対を可視化している。MiiTelで取得・解析したデータはカラダノートにも共有され、子育て支援についてさまざまな知見を持つ同社がクライアントの電話営業の運用を支援していくという。

「提携クライアントからの突然の電話に戸惑うユーザーさんもいることから、当初は各種サポートや電話営業を担当する部署を社内に新設するという考えもありました。しかし、さまざまな営業ノウハウを持っているクライアント各社の営業部署にMiiTelを導入し、そのデータを可視化・共有したほうがより効率的だという結論に至りました。子育て経験がない営業担当者が理解することが難しい子育て家庭の環境や悩みなどを、カラダノート側でサポートする体制を整えていきます」と松枝氏。営業電話は押し売りと感じるユーザーも多いが、「カラダノートでは保険商品をいきなり売り込むのではなく、悩みを解き明かすヒアリングスキルをMiiTelで可視化・向上させ、まずは子育てでさまざまな不安を抱え、孤独になりがちなユーザーとのエンゲージメント強化を図りたい」と続ける。

RevCommが開発・提供しているMiiTelとは、音声解析AIを搭載したIP電話で、会話の速度や声の高さ、抑揚の強さなどの解析のほか、音声認識によって通話内容をテキスト化し、キーワードで分類できるのが特徴。営業電話を終えたあと、解析されたデータをオペレーター自身が参照することで、セルフコーチングに役立つほか、これまでブラックボックス状態だった各オペレーターの営業手法などを手軽に共有できるようになる。すでに契約者は3000ユーザーを超えており、主にBtoBインサイドセールスで活用されているという。業界としては、保険、不動産などが多いそうだ。

RevCommで代表取締役を務める會田武史氏は「MiiTelの導入で働く女性を支援したい」と語る。「通話の解析はもちろんですが、いつ誰が誰と何を話したかをMiiTelがすべて記録してくれるので、在宅勤務でもあってもオフィスと同じように仕事ができる」ことを強調。會田氏は以前から「女性が活躍できる場所を作りたい」という想いがあり、今回のカラダノートとの提携により、まさに同氏の想いが現実になった。

資金に加えて採用も支援——ビズリーチがファンド開始、投資第1号は電話営業解析AIのRevComm

転職サイト「ビズリーチ」をはじめとした人材サービスを展開するビズリーチは10月11日、創業期のスタートアップを資金面・採用面から支援する「ビズリーチ 創業者ファンド(以下、創業者ファンド)」の立ち上げを発表した。この“ファンド”は投資組合として設立されたものではなく、同社の事業として企業へ直接投資する形。また投資第1号案件として、セールステック領域でAIを活用したサービスを提供するRevComm(レブコム)へ出資したことも明らかになった。

創業期の原体験をスタートアップコミュニティに還元

2017年版の中小企業白書によれば、起業家が創業初期・成長初期の課題として第1に挙げるのは、資金調達に関するもの。また、人材採用に関する課題も大きくのしかかっているという。

ビズリーチは、2009年の創業以来、転職サイトをはじめとしたサービスでスタートアップを含む企業の採用活動をサポートしてきた一方、自らもスタートアップとして人材採用に苦心した経験を持つ。これらの経験を創業期・成長初期のスタートアップ支援に生かすべく、資金と採用の両面をサポートするために立ち上げられたのが創業者ファンドだ。

ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏は「創業10年目の節目に、これまでを振り返る機会も多いのだが、正直、一番苦しかったことといえば、最初はひとりぼっちのところから、経営チームを組成するところだった。勉強会に参加したり、知り合いのつてをたどったりして、何とか人を探すところから始まった」と語る。

その後、創業期の原体験を元に何かスタートアップコミュニティに還元できないか、と考えるようになった南氏。海外で、投資家も含めたさまざまな人に会う機会が増えて感じたのは「シリコンバレーのVCの投資実績は、金銭だけでなく、補完的価値をどれだけ提供できて、出資先とどう向き合うかで見られている」ということだった。

「彼らはファンドの中に、創業期の経営者チーム組成のための採用支援を行う、プロのリクルーターを従業員として在籍させている。自分が創業当時なら受けたかった支援だ」(南氏)

こうした金銭面だけでない、事業への貢献・支援が世界中、特に米国のVCで広がっている、と南氏は言う。だが日本では、スタートアップと向き合い、事業にも踏み込んだ積極的なサポートはまだまだ浸透していない。そこで「自らの本業を、スタートアップ支援に生かせるのでは」と考え始めたのが、2017年秋のことだった。

「自分の創業期と違い、ビズリーチやキャリトレといった、企業からの声かけを待っている人材が何十万人も登録しているプラットフォームが、今はある。それに創業者としての考え方や、人材の採用テクニックも知っている。プラットフォームと採用活動のノウハウとを、資金と合わせて“投資”することができるのではないかと考え、1年ぐらい前から構想していた」(南氏)

そして構想だけではなく何らかの形で実現したい、そのためにプロトタイプとなるケースで実験できないか、と思っていた南氏に、ちょうど起業についての相談を持ちかけたのが、学生時代からの知り合いで、投資第1号案件となるRevCommを創業したばかりの會田武史氏だったそうだ。

會田氏の相談を受けて、南氏はまず「テクノロジードリブンのプロダクトを出そうとしているのに、エンジニアがいない。このままでは事業が立ち上がらないのではないか」と感じたという。そこで採用ノウハウと自社サービスを資金とともに提供する、というファンドの構想を會田氏に伝え、「モデルケースとしてサポートしていいなら、出資も含めて支援する」と申し入れた。

それからは「資金+付加価値を提供する、新しい日本のモデルケースとなる投資事業を一緒につくってきた」(南氏)というビズリーチとRevComm。ビズリーチの支援もあって、RevCommは3人のエンジニアを創業チームとして採用することに成功。2月には、プロダクト「MiiTel(ミーテル)」のプロトタイプを、6月にはクローズドベータ版をリリースした。

電話営業の可視化で生産性を向上させるMiiTel

RevCommは2017年7月、企業の生産性向上をフィロソフィーに掲げ、會田氏により設立された。會田氏は三菱商事の出身。商社マンとしていろいろな国の人と仕事をする中で、「日本の生産性はG7各国のうち最下位とされているが、果たしてこれは本当なのか」と疑問を持つに至る。「日本人のレベルは低くない。生産性=効率×能率としたら、日本人は教育水準も高く、能率は担保されているはず。では効率はどうか、と考えたときに、高いコミュニケーションコストに行き当たる」(會田氏)

「日本では『何を言ったか』ではなく『誰が誰に言ったか』『どう言ったか』に焦点が当たるようなコミュニケーションが多い。テクノロジーの力でコミュニケーションのあり方を変えたい」というのが會田氏の考えだ。

セールスやマーケティング畑が長い會田氏は、「マーケティングの世界は、かなりデータドリブンになってきているが、セールスはいまだに属人的。現状では気合いと根性で、とにかく数打ちゃ当たるという労働集約的な世界だからこそ、テクノロジーの力で生産性は大きく向上できる」と話す。

特に電話営業の分野では、営業と顧客が会話した内容が他の人には可視化されず、それが効率よく成果につながるものかどうかを知るすべがなく「ブラックボックス化」しやすい。そこで、AIによる音声解析を用いて電話営業を可視化しよう、と開発されたのが、AI搭載型クラウドIP電話サービスのMiiTelだ。

MiiTelはSalesforceと連携したIP電話で、営業トークの内容を録音し、ログを取得。AIでトークの音声を分析し、担当者自らが課題を確認してセルフコーチングできる。

會田氏も、自社プロダクトを営業する際にMiiTelを使ってみたところ、「話す・聞くの割合では、話す時間が長く、相手の話の途中で話をかぶせてしまう“発話かぶり”も多かった」とのこと。クセが可視化されたことで、意識して改善したところ、アポイント成立率や成約率が実際に向上したそうだ。「これなら、営業担当者自身のエンゲージメントも上がり、生産性が向上すると実感した」と會田氏は話している。

2月のプロトタイプからビズリーチでもテストを兼ねて活用されていたMiiTelは、6月リリースのクローズドベータ版がすでに有料で30社に利用されており、本日、正式版がリリースとなる。利用料金は月額4980円/ID。10 ID以下の場合は導入費用が8万9000円、11 ID以上では導入費は無料だ。

「5年後には、MiiTelの1万社への導入を目指す」という會田氏は、「生産性を向上するサービスを提供することで、(経営分析に必要な)ビッグデータを集め、将来的には経営判断を行うAIプラットフォームを開発したい」と話している。

資金+側面の支援で「アイデア」を「事業立ち上げ」へつなぐ

創業者ファンドでは「経営チーム組成のための採用ノウハウ・テクニックの提供」「転職サイトのビズリーチ、キャリトレのサービス1年間無償提供」「資金援助+調達ノウハウ、投資家ネットワークの紹介」「経営チームによるメンタリング」「プロダクトのプロトタイプのテスト利用とフィードバック」を出資先企業への支援内容としている。

対象企業は、企業の生産性向上をテクノロジーで促すSaaS型のB2B事業や、AI、ブロックチェーンなどの最新技術を活用した事業を営むスタートアップ。南氏は「ビズリーチの『働き方、経営の未来を支える』という理念に沿った事業を行うシード期の企業を対象とする。資金の他に採用ノウハウ・テクニックや自社サービスを“投資”することで、創業期の経営チーム組成を支援していく」と述べる。

會田氏は創業者ファンドについて、こう語る。「創業期は金も時間も足りない中で、マインドセットやスキルセットが合致したメンバー選びが重要になる。だが、ふつうに採用サービスを利用するとお金がかかる。ビズリーチのダイレクトリクルーティング機能を使い、『カジュアルでいいので会ってみませんか』と声をかけられたのは、非常に良かった」

南氏によれば、會田氏は「ビズリーチの登録データを何人も見て、数百人という相手に会っている」という。「創業前の企業でも興味を持つ人が、これだけいるのかと驚いた。スタートアップがキャリア選択の可能性のひとつになった。起業家もパッションさえあれば、データベースがあって、そこを探せば人材が見つかる、という状況になっている」(南氏)

南氏は「アイデアだけはある、というのが創業者でよくあるパターン。事業立ち上げまで支援できれば、それが自分が恩恵を受けてきた、スタートアップコミュニティへの恩返しになるのではないか」と考えている。

「スタートアップはやっぱり人。創業期は特にそうだ。自分の創業した時には人材のデータベースがなかったが、データベースからスタートアップ採用人材の情報が集められるというのは、衝撃的。これは起業家の諸先輩方を含め、みんなでつくってきたエコシステムだ。採用候補者が話を聞いてくれる、努力すれば見つかる、というところまでは来ている。創業者ファンドの支援によって、事業立ち上げの確度も上げていきたい」(南氏)

写真左から:ビズリーチ代表取締役社長 南壮一郎氏、RevComm代表取締役 會田武史氏