テスラ、シートベルトチャイム不具合で81万7000台超をリコール

Tesla(テスラ)が再び大規模なソフトウェア品質問題に取り組んでいる。AP通信によると、Teslaはシートベルトチャイム機能の不具合で81万7143台のリコールを実施する。Model 3、Model Yの全車と、2021年以降のModel S、Model Xに、シートベルトが締められないまま発進する時にチャイムが鳴らない「ソフトウェアエラー」があるという。リコール通知によると、車両を離れた直後にドアを閉めただけで問題に遭遇する可能性があるという。

Teslaは、2月上旬にワイヤレスアップデートでシートベルトチャイムの不具合を修正する予定だ。なお、けがなどの被害は報告されておらず、シートベルト警告は正常に表示される。この問題は1月6日に韓国のテスターが発見し、Teslaが調査を行った結果、1月25日にリコールが必要と判断した。

今回のリコールは比較的軽微なものだが、Teslaにとってはこれ以上ないほど悪いタイミングだ。完全自動運転の不具合によるリコールのわずか数日後のことであり、Autopilot(オートパイロット)を使用した車が緊急車両に衝突する一連の事件をNHTSA(米運輸省道路交通安全局)が調査している最中でもある。Autopilotに関連した事故で、運転手が重罪に問われる事態も起きている。これらは、カメラやトランクサスペンションの不具合など物理的な問題によるリコールに加えて起きている。Teslaの品質に対する評価は今のところ高くはなく、シートベルトチャイムの不具合はそのイメージをさらに強めるだけだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

イーロン・マスク氏、Hertzが実際にはまだテスラEV10万台を発注していないとツイート

米国時間10月25日のHertz(ハーツ)のプレスリリースによると、同レンタカー大手はレンタル用にTesla(テスラ)Model 3を10万台発注したとのことだった。しかし11月1日、イーロン・マスク氏は「まだ契約は結ばれていない」と述べ、注文が確定したとは言い難いことをツイートしたと米Gizmodoが報じた。

Hertzの発表では、次のように述べられていた。「北米最大のEVレンタルフリートを提供るための重要な投資を行いました…【略】これには、2022年末までに10万台のTesla車を初期発注することが含まれています」。この発表とBloombergの報道は、欧州での販売に関する他の良いニュースと相まって、投資家のモチベーションを高め、Teslaの価値を1兆ドル(約113兆円)の大台に押し上げたかもしれない。

Hertzはつい4カ月前に、不良債権処理会社のKnighthead Capital Managementなどに60億ドル(約6800億円)で買収され、破産を脱したばかりだ。そのため、約42億ドル(約4780億円)相当のEV10万台を購入するという発表は、明らかに人々を驚かせた。

しかし、Gizmodoが指摘するように、Hertzは厳密には車両の契約書や発注書に署名したとは言っていない。「2022年末までに10万台のTesla車を初期発注」という表現は、2022年末までに車両の納入ではなく、発注そのものを意味するとも考えられる。Tesla自体は、この最初のニュースに関しては何もコメントしていなかった。

マスク氏のツイートは、ツイッターユーザー「Tesla Silicon Valley Club」に返信する形で投稿されたもの。元の投稿は、最近のTeslaの株価上昇に感謝していた。しかし、マスク氏は、Hertzとの契約が同社の売上や収益に影響を与えることはないと述べ、誇大広告を抑えようとしているように見えた。

「Teslaは生産台数よりも需要の方がはるかに多いため、Hertzに対しては消費者向けと同じマージンでしかクルマを販売しません。Hertzとの取引が、当社の経済力に与える影響はゼロです」と同氏は述べた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

テスラとHertzの契約で切り開かれるEVメーカーの新境地

レンタカー大手のHertz(ハーツ)は今週、伝えられたところによると42億ドル(約4785億円)でTesla(テスラ)車10万台を購入するというニュースを発表し、倒産からの復活を市場に強くアピールした。その2日後、HertzはUber(ウーバー)がその注文の最大半分を自社のドライバーに貸し出すことを約束したと発表し、再び話題となった。

しかし、この取引で最大の勝者となるのは、結局のところTeslaかもしれない。Teslaは、レンタル市場での先発的な優位性と、他の自動車メーカーが直面している在庫の制約を利用して、増えつつあるEV(電気自動車)に興味を持つドライバーを取り込めるかもしれない。

Edmunds.comの自動車アナリストIvan Drury(イヴァン・ドラリー)氏は、今回の契約の規模について次のように説明する。「レンタカー会社は、EVを大量に購入しているわけではありません。従来の車両注文のような大量発注の話ではありません」(Hertz、Enterprise Holdings、Avis Budget Groupの3社は、自社の車両に占めるEVの割合を公表していない)。

「Hertzが10万台のTesla車を購入し、さらに5万台をUberのドライバーに向けるというのは、これまでのレンタカー会社とはまったく異なる動きです」とドラリー氏は付け加えた。

TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は認めたが、今回の車両販売は明らかに定価でのものであり、同社が2022年末までにModel 3の大規模注文に応える準備ができていることを示す明確な指標でもある。一方、従来の自動車メーカーは、新規顧客向けのEV予約の未処理に悩まされているのではないかとCox Automotiveのアナリスト、Michelle Krebs(ミッシェル・クレブス)氏は話す。「自動車メーカーは、パンデミックとそれにともなうチップや車両の在庫不足の間、レンタカー会社への販売を行わず、一般消費者への小売販売に注力してきました」と述べた。

大規模な「買う前に試す」

メリットは金銭的なものだけではない。Enterprise Rent-A-Car、National Car Rental、Alamo Rent A Carの親会社であるEnterprise Holdingsが2015年に実施した調査によると、回答者の約62%が特定のモデルのレンタル体験が良かったことで、自分でも購入を検討するようになった、と答えた。

従来のレンタカー市場では、EVはこのような潜在的な消費者の関心に応えることができていなかった。これまでは、EVをレンタルして旅行を楽しみたい人々のために、スタートアップがそのギャップを埋める役割を果たしてきた。ドイツのNextmoveとFuture.renは、EVのみを扱うレンタカーサービスを提供しており、米国のP2P(ピア・ツー・ピア)レンタカー市場であるTuroはEVと内燃機関のモデルを組み合わせてサービスを提供している。

少なくとも、P2Pレンタル・マーケットプレイスのTuroによれば、需要はあるとのことだ。Turoでレンタル用にリストアップされているTesla車両の数は、過去5年間で爆発的に増えているという。2014年にTuroのマーケットプレイスに掲載されていたTesla車は67台だったが、2021年はこれまでのところ2万1599台に急増している。EV全体では、同時期に196台から2万6956台に増加している。

Turoに車を登録している人の多くは、自分のTesla車を旅行用ではなく、長期の試乗用として貸し出しているという。Turoの広報担当者は「多くの人にとって、(試乗のために)Tesla車に乗るのに1時間では十分ではありません」と話す。「購入を検討している人の中には、航続距離に不安があり、Tesla車で長距離の移動を試してみたい人もいます。多くのホストは、ゲストが車両を長期間所有できるようTuroでTeslaを試していると話しています」。

HertzによるTesla車レンタル市場には、旅行中のTesla車オーナーだけでなく、Tesla車に試乗してみたいと思っている消費者や「EVに興味がある」消費者も含まれるとクレブス氏は話す。

「広告を買わないTeslaにとって、これはすばらしいマーケティング状況です」と同氏は付け加えた。「その代わり、Hertzはスーパーボウルで7回優勝しているTom Brady(トム・ブレイディ)氏を使って広告を出しており、Teslaはその尻尾に乗っているのです」。もちろん、Teslaはクルマを販売するのに伝統的な広告を使っているわけではく、マスク氏はツイッターで5400万人のフォロワーを抱え、自分(と会社)の名前を売り込むのに長けていることは注目に値する。

ドラリー氏はまた、自動車メーカーがレンタカー会社を、最も高機能なクルマを売り込むためのマーケティング手段として利用することが多いと指摘する。「ですのでTeslaにとっては、レンタカー会社が試乗センターになるのです」

反レンタル偏見のリスク

もちろん、濡れ手で粟ではない。ドラリー氏によると、Teslaにとっての主なリスクは、Model 3がレンタカーや、場合によってはUberの乗車に使用されるクルマは、非レンタカーのクルマよりも価値が低いという認識の犠牲になることだ。「レンタルの汚名を着せられてしまうのでしょうか、それとも、今回の取引でそれが払拭されるのでしょうか」。

Hertzは、TeslaのEVに対して「プレミアムで差別化されたレンタル体験」を提供するとしており、レンタル価格はHertzの既存のラグジュアリーセグメントに匹敵するものになるとして、プレミアムなイメージを維持できる可能性を示唆している。Uberで予約したTesla車は、プレミアムサービスであるUber Blackに限定されず、UberXで予約した人も利用できるようになる。

また、最終的には、中古市場での販売台数が増えれば、Tesla車のリスクになる可能性もある。Edmundsの2017年のレポートによると、レンタカーとして使われた中古車は、そうでないものに比べて中古市場での販売価格が9%低くなっている。これはTeslaにとって重要なことだ。というのも、Hertzに販売される10万台のModel 3は、最終的にオークション(またはHertzとの新たな契約によりCarvana)にかけられ、中古車市場が飽和してブランドや特定のモデルの価値が下がってしまう危険性があるからだ。今回の注文は、そのような事態を招くほどの台数ではなさそうだが、それでもTesla Model 3と中古車市場の間に、これまでにはなかった新たな力学が生まれる

一般的な認識がどうなるかは別にして、今後、大手自動車メーカーがトラックやSUVなどセダン以外の部門の生産台数を増やすにつれて、そうした車両のEVを注文する際に同様の取引が行われる可能性がある。

画像クレジット:Hertz

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラの時価総額が1兆ドル突破、レンタカーHertzとの大型契約で株価上昇

Tesla(テスラ)の時価総額が米国時間10月25日に1兆ドル(約113兆円)を突破した。上場から11年目にして達成したマイルストーンだ。これにより同社は、時価総額が1兆ドルを超えるApple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)と並ぶ。

Teslaの株価は、米国時間10月25日正午に998.22ドル(約11万3400円)となった。本稿執筆時点の株価は約994ドル(約11万2900円)で、取引開始時から約9%上昇している。

この株価上昇は、最近破産から脱却したレンタカー大手のHertz(ハーツ)が、Teslaから10万台のEV購入に合意したことなど、Teslaに関連するいくつかのニュースを受けてのものだ。この購入により、Hertzが全世界で展開するレンタカー車両の20%がEVとなる。契約額は42億ドル(約4777億円)とされている。早ければ11月にも米国の主要市場および欧州の一部の都市で、HertzのレンタカーにTeslaのModel 3が導入される。

また、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)のアナリストであるAdam Jonas(アダム・ジョナス)氏が、目標株価を従来の900ドル(約10万2200円)から1200ドル(約13万6300円)に引き上げ、オーバーウエート(買い)の評価を継続すると発表したことなど、Teslaに関する強気の情報を提供するニュースも株価上昇に貢献した。

加えて、これとは別に、JATO Dynamicsのレポートによると、TeslaのModel 3は9月に欧州で最も売れたクルマで、初めて電気自動車が内燃機関モデルを上回ったとロイターが報じた

画像クレジット:Tesla

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

米レンタカーHertzがテスラにEV10万台発注、両社の株価は上昇

レンタカー大手のHertz(ハーツ)はTesla(テスラ)車10万台を発注した。2022年末までの納車が見込まれる。これは、単一のEV(電気自動車)購入としては史上最大規模だ。Bloombergの報道によれば、この契約額は42億ドル(約4777億円)といわれており、Hertzは全世界で展開するレンタカーの20%をEVでまかなうことになる。

Tesla Model 3は、早ければ11月にも米国の主要市場および欧州の一部の都市でHertzのレンタカーに登場する。

今回の注文は、今後14カ月間に生産・納入されるTesla車のかなりの部分を占めることになりそうだ。Teslaの2020年の納入台数は49万9550台で、その大半が最も人気の高いセダン「Model 3」だった。2021年に入ってから、生産台数と納車台数は増加している。同社は2021年第1〜第3四半期に62万7572台を納車した。同期間の生産台数は約62万4582台だった。

Hertzはまた、EV増加に対応するため、ネットワーク全体で数千台の充電器を設置し、Tesla車をレンタルする顧客に対して、車の使い方や充電方法の教育を含む「プレミアムで差別化されたレンタル体験」を提供する計画を発表した。Model 3をレンタルする顧客は、Teslaのスーパーチャージングステーションも利用することができる。同充電施設の一部は、Tesla車の販売が急増しているためにすでに切迫した状態にある。

今回のニュースを受けて、Teslaの株価は5%以上上昇し、取引開始直後に960ドル(約10万9200円)まで上昇した。また、Hertzの株価も11%上昇し、約27ドル(約3070円)となった。

旅行・観光業界の他の企業と同様に、Hertzも2020年5月にはレンタカー利用の減少により破産申請を行うなど、多難な状況を経験した。今回のTeslaとの契約は、Hertzが破産から脱却してからわずか4カ月後のことで、レンタカー業界が目覚ましい回復を遂げている中でのものだ。投資会社Knighthead Capital ManagementとCertares Managementが2021年初めにHertzを買収した。

画像クレジット:Hertz

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラは標準モデルEVに旧来の安価な鉄ベースのバッテリーのみを採用

Tesla(テスラ)は米国時間10月20日、標準モデルであるModel 3とModel Yに、グローバル市場全体で鉄ベースの電池を採用すると発表した。同社の第3四半期業績報告では、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が何カ月も前から示唆していた、この安価なバッテリーの役割が大きくなっていることが裏付けられていた。

このLFP(リン酸鉄リチウム)電池は、旧来の安価な電池化学技術を利用したもので、中国では人気がある。これに対して中国以外の地域では、EV(電気自動車)用電池はニッケル・マンガン・コバルトやニッケル・コバルト・アルミニウムなどのニッケル系が主流だ。しかし、LFP電池にはコスト削減だけでなく、コバルトやニッケルなどの希少な原材料に依存しないという魅力もある。特に、テスラのCFOであるZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏は、水曜日の投資家向け電話会議で、ニッケルとアルミニウムの価格に影響が出ていることを認めている。

LFP電池が中国以外であまり見られない理由は、中国がLFP市場を独占することを許している一連の重要なLFP特許に関係している。

だが、それらの特許は間もなく切れるため、テスラはその時期を狙っているように見える。実際テスラの幹部は、LFP電池の生産を車両の生産地と同じ場所で行うつもりだと示唆している。

関連記事:テスラが旧来のリン酸鉄リチウムバッテリーに賭けていることは、メーカーにとって何を意味するのか

テスラのパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、投資家に対して「私たちの目標は、車両の主要部品をすべて同じ大陸上で生産すること、たとえ距離は近くなくても車両が生産されている場所と同じ大陸で生産することです」と語った。「それが私たちの目標です。私たちはその目標を達成するために、社内でサプライヤーと協力して、最終組立レベルだけでなく、可能な限り上流レベルに遡れるように取り組んでいます」。

またテスラは、自社設計のカスタムセルを採用した4680バッテリーパックの最新情報を、ごく簡単に少しだけ発表した。テスラは、4680バッテリーは、より高いエネルギー密度と航続距離を実現できるとしている。バグリーノ氏によると、4680は構造試験と検証がすべて予定通り行われており、来年の初めには車両に搭載される予定だという。しかし、現行のスケジュールには満足しているものの「これは新しいアーキテクチャーであるため、予想外の問題がまだ存在する可能性があります」とバグリーノ氏は述べつつ「セル自身の観点からは、デザインの成熟度と製造の準備は、いまご説明したバッテリーパックのスケジュールに合致しています」と付け加えた。

画像クレジット:Tesla

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

テスラが車内カメラでAutopilot使用中のドライバーを監視

Tesla(テスラ)は、同社の電気自動車「Model 3(モデル3)」と「Model Y(モデルY)」のドライバーが先進運転支援システム「Autopilot (オートパイロット)」を使用する時、車内に設置されたカメラがドライバーを監視できるようにした。

テスラはソフトウェアアップデートで「バックミラーの上部に設置された車内カメラが、Autopilot作動中のドライバーの不注意を検知し、警告することができるようになりました」と告げている。ただし、同社によれば、カメラで撮影した画像が車外に出ないように、データにはクローズドループシステムが採用されているという。データ共有が有効になっていない限り、システムは情報を保存したり転送したりすることはできないとのこと。このファームウェアアップデートの説明は、多くのテスラ車オーナー、業界ウォッチャー、ブロガーたちによってTwitter(ツイッター)で公開されている。

テスラは、オーナーがAutopilotシステムを悪用しているという証拠があるにもかかわらず、車内のドライバー監視システムを作動させていなかったとして批判を浴びてきた。YouTube(ユーチューブ)やTikTok(ティックトック)には、テスラ車のオーナーがAutopilotシステムを悪用している動画が数多く投稿されており、中には後部座席に座って高速道路を走行している自分の姿を撮影している人もいる。Autopilot作動中のテスラ車でいくつもの死亡事故が発生していることから、同社の対応を求める圧力が高まっていた。

これまでテスラは、車内に搭載されたカメラは使用せず、ステアリングホイールのセンサーでトルクを測定することによって、ドライバーが運転中にハンドルから手を放していないと判定していた。しかし、ドライバーの中には、センサーを騙して人間がハンドルを握っていると思わせる方法を発見し、それをソーシャルメディアで公開している人もいる。

Brian Krause@bak112233

納車はどうでしたか?

緊急自動ブレーキや前方衝突警報が無効になっていませんでしたか?

納車時に特別なソースのソフトウェアのバージョンが適用されていませんでしたか?

Kevin Smith@spleck

納車はとてもスムーズでした。Summon(サモン)と車線逸脱防止機能は今のところ無効になっていて、追従距離は長く、ハードキャップは時速75マイル(時速約120キロメートル)で、自動ハイビームを使うにはAPの解除が求められ、ドライバー監視のための車内カメラ……まだ予想外のことは何もありません。

Consumer Reports(コンシューマー・レポート)の自動車テスト担当シニアディレクターであるJake Fisher(ジェイク・フィッシャー)氏は、TechCrunchに次のように語った。「コンシューマーレポートは何年も前から、テスラのAutopilotのような運転自動化システムには、カメラを使ったドライバー監視システムが必要であると訴えてきました。テスラの現行のシステムは、ハンドルに掛かっているトルクを感知するもので、ドライバーが道路を見ているかどうかは判断できません。この新しいシステムが有効であることが証明されれば、ドライバーの注意散漫を防ぎ、安全性を大きく向上させることができ、ひいては人命を救う可能性があります。他のモデルもすぐにアップデートされることを我々は期待しており、それらを評価することを楽しみにしています」。

テスラは、このドライバー監視システムの詳細(例えば、視線または頭の位置をトラッキングしているのかなど)や、これが手放し運転を可能にするために使われるのかどうかについては明らかにしていない。GMのSuper Cruise(スーパークルーズ)やFord(フォード)のBlue Cruise(ブルークルーズ)は、高速道路の特定の区域で、手放し運転を可能にする先進運転支援システムだ。これらのシステムでは、地図データ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサーに加え、運転者を監視するドライバーアテンションシステムを搭載し、ドライバーが運転に注意を払っているかどうかを確認している。

テスラのクルマには、運転支援システムのAutopilotが全車に標準装備されており、さらに1万ドル(約110万円)の追加料金を払えば、FSD(フル・セルフ・ドライビング)と呼ばれるシステムにアップグレードすることができる。これはElon Musk(イーロン・マスク)CEOが「いつかは完全な自動運転を実現する」と約束している機能だ。FSDは何年も前からオプションとして提供されているが、価格と機能が年々着実に向上している。

しかし、今のところ、テスラのクルマは自動運転車ではない。FSDには、駐車場などで無人のクルマを呼び寄せることができる「Summon(サモン)」機能や、高速道路の入口から出口まで、インターチェンジや車線変更を含めて車両の走行を導くアクティブガイダンス運転支援機能「Navigate on Autopilot(ナビゲート・オン・オートパイロット)」機能が含まれている。この機能はドライバーが車載ナビゲーションシステムでルートを設定する度にオンになる。

今回の動きは、テスラが北米向けのModel YとModel 3にレーダーの搭載をやめたとツイートしてから、わずか1週間後のことだった。これは、Autopilotやその他のアクティブセーフティ機能をサポートするために、レーダーなどのセンサー類を用いず、カメラと機械学習を組み合わせたものだけを使用したいというマスク氏の要望を実現したものだ。

自動車メーカーは通常、レーダーとカメラ、さらに場合によってはLiDARさえも組み合わせ、周囲の交通状況に合わせて車両の走行速度を調整するアダプティブ・クルーズ・コントロールや、車線維持および自動車線変更など、先進運転支援システムの機能を実現するために必要なセンシングを行っている。しかし、以前からマスク氏は、カメラといわゆるニューラルネット処理のみで、車両を取り巻く環境で起きていることを検知・認識し、適切な対応を行うシステムの可能性を喧伝してきた。このシステムにはブランド名を冠した「Tesla Vision(テスラ・ビジョン)」という名称が付けられている。

車両にレーダーを搭載しないという決定は、同社にいくつかの反発をもたらした。Consumer Reportsは、消費者に推薦できると評価した「Top Pick(トップ・トピック)」からModel 3を削除し、米国道路安全保険協会はModel 3から最高評価「Top Safety Pick+(トップセーフティピック+)」の指定を外す予定だと語っている。米国高速道路交通安全局は、2021年4月27日以降に製造されたModel 3とModel Yには、自動緊急ブレーキ、前方衝突警告、車線逸脱警告、ダイナミック・ブレーキ・サポートに同局のチェックマークが付かなくなると発表した。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:TeslaModel 3Model YAutopilot自動運転

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テスラの北米向けModel 3とModel Yがレーダー非搭載に

北米の顧客向けに製造されるTesla(テスラ)の「Model Y(モデルY)」と「Model 3 (モデル3)」には、レーダーが搭載されなくなる。これは、機械学習を組み合わせたカメラのみを使用して、同社の先進運転支援システムやその他のアクティブセーフティ機能をサポートするようにしたいという、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOの意向を反映した変更だ。

センサーの使用をやめるという決定は、多くのテスラの動向と同様に、業界の標準的な考え方に反している。今のところ、レーダーなしのテスラ車は、北米のみで販売される。テスラは、中国や欧州の顧客向けに製造される車両から、レーダーセンサーを削除する時期やその可能性については言及していない。

自動車メーカーは通常、レーダーとカメラを(さらにはLiDARも)組み合わせ、周囲の交通状況に合わせて車両の走行速度を調整するアダプティブ・クルーズ・コントロールや、車線維持および自動車線変更など、先進運転支援システムの機能を実現するために必要なセンシングを行っている。

しかし、以前からマスク氏は、カメラといわゆるニューラルネット処理のみで、車両を取り巻く環境で起きていることを検知・認識し、適切な対応を行うシステムの可能性を喧伝しており、このシステムにはブランド名を冠した「Tesla Vision(テスラ・ビジョン)」という名称が付けられている。

ニューラルネットとは、人間の学習の仕方を模倣した機械学習の一種で、一連の接続されたネットワークを使用してデータのパターンを識別することにより、コンピュータが学習することを可能にする、人工知能アルゴリズムの洗練された形態だ。自動運転技術を開発している多くの企業は、特定の問題を処理するためにディープニューラルネットワークを使用しているが、彼らはこのディープネットワークを壁で囲い、ルールベースのアルゴリズムを使って、より広範なシステムに結びつけている。

Whole Mars Catalog@WholeMarsBlog
ピュア・ビジョンの考え方について、もう少し詳しく教えてください。

レーダーを使わないのは時代に逆行するという意見もありますが、なぜ使わないほうがいいと判断したのでしょうか?

Elon Musk@elonmusk
レーダーと視覚が一致しないとき、あなたはどちらを信じますか? 視覚認識の方がはるかに精度が高いので、複数のセンサーを組み合わせるよりも視覚認識を倍に増やした方が良いのです。

テスラは更新したウェブサイトでレーダーからの移行について詳述し、2021年5月から切り替えを開始したと述べている。このカメラと機械学習(特にニューラルネット処理)を組み合わせた方式は「Tesla Vision」と呼ばれ、同社の車両に標準装備されている先進運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」と、そのアップグレード版で1万ドル(約109万円)の追加料金が必要な「FSD(フル・セルフ・ドライビング)」に使われる。テスラのクルマは自動運転ではないので、人間のドライバーが常に運転に関与し続ける必要がある。

レーダーを搭載していないテスラ車では、当初は運転支援機能が制限される。例えば、Autosteer(オートステア)と呼ばれる車線維持機能が使える速度は最高時速75マイル(時速約120キロメートル)までに制限され、最小追従距離も長くなる。また、緊急車線逸脱回避機能や、駐車場で自車を自分の側まで呼び寄せることができるSmart Summon(スマート・サモン)機能は、納車当初には利用できない可能性があると、テスラは述べている。

同社では、今後数週間のうちにワイヤレス・ソフトウェア・アップデートによって、これらの機能を復活させることを計画しているという。ただし、テスラはその具体的なスケジュールを明らかにしていない。他のAutopilotやFSDの機能は、(注文した仕様にもよるが)納車時にすべて有効になっているとのこと。

一方、Model S(モデルS)とModel X(モデルX)の新車や、北米以外の市場向けに製造されるすべてのモデルには、引き続きレーダーが搭載され、レーダーを使ったAutopilotの機能も利用できる。

テスラは「よくある質問」の中で「Model 3とModel Yは、当社の製品の中でも生産台数が多いモデルです。これらのモデルを先にTesla Visionに移行することで、膨大な実世界におけるデータを短時間で分析することが可能になり、結果的にTesla Visionをベースとした機能の展開を早めることができます」と書いている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)