NSAは「数億件の連絡先を収集している」(ワシントンポスト報道)

国家安全保障局(NSA)は、秘密裡に「数億件の連絡先リストを世界中の個人メールやインスタントメッセージアカウントから収集し、その多くがアメリカ人のものである」と、逃走中の情報漏洩者エドワード・スノーデンが入手した文書を元にWashington Postが報じた

「昨年のある1日の間に、NSAの特別情報源操作部は、Yahooから44万4743件、Hotmailから10万5068件、Facebookから8万2857件、Gmailから3万3697件、その他のプロバイダーから2万2881件のメールアドレス帳をそれぞれ収集した」

さらにNSAは、50万件以上のチャット用連絡先リストも収集している。この行動は米国内では違法であるため、NSAはこれらを「世界中の」海外アクセスポイントから収集したものと見られる。データは海外で集められるため、その人物は米国市民ではないと仮定される(われわれの考えではない)。

Google、Facebook、およびMicrosoftは、本プログラムへの関与をもっともらしく否定する声明を揃って出している。NSAは情報をインターネット基地局から直接入手しており、企業のサービスからダウンロードしていないためだ。

議会とオバマ大統領はいずれもNSAの問題行動改革を約束している。政府がいつか業務を再開すると仮定すれば、議会はいくつかの改革案を提示しており、ホワイトハウスの特別委員会は 監視政策への変更を提案する。特別委員会は数ヵ月内に結論を出すことになっていたが、政府閉鎖によって現在停止している。

Washington Postの記事はここで読める。

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAスパイ活動を巡る茶番

先週末われわれは、少なくとも理論上はこの国の諜報活動を監視し、その効果をプライバシーの権利と秤にかけるためにバラク・オバマ大統領が設置したNSA監視委員会が、休止状態になったというニュースを知った。政府閉鎖によって予算が凍結されたためだ。あれは象徴的な出来事だった。

米国および英国両方のスパイ活動、とりわ自国の一般市民を監視することに関して、一つのパターンが明確になってきた。泥のように濁った透明性だ。

テネシー州のCorker上院議員は先月、NSAが議会に向けて行った機密説明は、有用な情報もあるものの、「概して一部公開情報の元となった事実について述べただけであり、政府、特にNSAが実施している監視活動全体に関する総合的情報は提供していない」と直接大統領に抗議した

さらにCorker議員は、米国の監視活動に関する「新たな真相」は、新聞から学ぶことの方が説明会よりも多いと語った。「新聞記事に書かれている情報が、なぜ行政機関の行う説明会から出てこないのか」と同議員は指摘する。要するに、なぜ絶えず最新情報を伝えないのか。

Corker上院議員は外交委員会の有力メンバーである。書簡の冒頭には、NSAが毎年何千回もプライバシー規則に違反していることを報じたWashington Postの記事へのリンクが貼られていた。彼が直接聞かされていなかったことを示唆している。

英国の元議員、Chris Huhneは、人々は議会がどれほど知っているかではなく、どれほど知らないかを聞いても驚かないだろう、とThe Guardianに書いた(Huhneはある不正行為のために議員を辞めた。これも一読の価値はあるが本件には無関係)。彼のコラムを一部引用する(注:GCHQは英国におけるNSA相当)。

GCHQおよび米国国家安全保障局(NSA)の秘密に世界に関して言えば、私の知る「機密情報」は、エドワード・スノーデンがGuardian紙に提供した情報と比べれてずっと浅薄だ。閣僚たちは、GCHQのTemporaやNSAのPrism、あるいは、個人メールや通話記録やソーシャルネットワーク活動さらにはインターネット検索まで吸い上げる彼らの驚くべき能力にについて何も知らされていない。

彼は、自身が国家安全会議のメンバーだった時でさえ、どちらのプログラムのことも知らなかったことを告白した。

最終的な政府の監視は、現在選出されている人々が誰であれ、国民全体の手にかかっている。しかしこの数ヵ月間何度も見てきたように、政府は国民に知らせることにあまり熱心ではない。完全な嘘以外にも、米国と英国は、ジャーナリストの配遇者を拘束して脅迫、強要したり、収集したデジタル情報を保存するためにストレージ容量を大幅に増やしたユタ州のデータセンターの撮影を禁止する、などという大胆な行動をとってきた。

つまり連邦議会はNSAの活動について知らされておらず、英国議会もGCHQの監視活動に通じているとは言えない。そして国民は、政府に物申すための情報を暴こうとすれば、それを阻止され迫害を受けている。

トップ画像提供:Medill DC

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(翻訳:Nob Takahashi)


元々最悪なNSA監視委員会、政府閉鎖で中断

約束は小さく、結果はいっそう小さく。これがこのゲームの名前だ。NSAを精査するためにオバマ大統領が設置し、James Clapper国家情報会議長官が率いる監視委員会は、現在中断され予算は凍結されている。政府全体の閉鎖の結果だ。

この委員会は、米国の諜報・監視活動に関する大々的リークをきっかけに大統領が結んだ小さな約束の一つであり、NSAの活動に対して批判的な立場を取れる人物を外部から招き入れ、合法性および個人のプライバシーとの関係を調査することを目的としている。

ところが委員会は、私に言わせれば「インサイダー、元インサイダー、および大統領の元同僚」たちの巣窟だ。例えば、Michael Morell。彼は8月までCIA長官だった。彼が変化への熱意に溢れていることを私は確信している。

委員会の構成が当初から去勢されていたことが暴露されたのことに続き、Clapper長官の事務所に委員会が設置され、広報も担当することが後にわかった。同委員会はその時、笑いのネタから茶番そのものへと変わった。

そして今、委員会は議会が再開するまで凍結された。委員会休業のニュースを最初に伝えたPoliticoによると、委員がワシントンに出張するための予算は現在利用できない。記事によると参加メンバーは無料奉仕であるため、本人が望めば行くことは可能だが、実質的には機能停止中だ。

この結果何が起きるのか? 委員会による推奨案に私たちが失望する時期が予定より遅れるだろう。おっともう一つ忘れてはならないこと。委員会が何を提案しようとも、公開されるためにはホワイトハウスの承認が必要だ。つまりわれわれは何一つ聞かされないかもしれない。予定より少し遅く。

トップ画像提供:ttarasiuk

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(翻訳:Nob Takahashi)


ファインスタイン上院議員、NSAは通話位置情報を収集していると主張。NSAとは矛盾

本日(米国時間10/2)Feinstein上院議員は、NSAによるアメリカ国民の通話メタデータ収集プログラムに、位置情報データも含まれていると発言した。

これまでNSAの最高責任者、Keith B. Alexander長官は、NSAは愛国者法215項に基づく通話位置情報の収集を現在行っていないと述べてきた。他の機関が過去または現在、位置情報を収集可能であるかどうかは不明のままだ。そして今日、 過去に少なくともそのデータの収集を試みたプログラムが存在していたことが暴露された。

McClatchyに引用されている上院議員の言葉はこれだ:

「私はこのプログラムが監視プログラムであると説明を受けてきた。そうではなかった。NSAが集めたのはコンツンツではない。あれはデータの断片 ― 位置情報、電話番号 ― であり、正当な理由と明確な疑いがあれば検索可能である」[強調はTechCrunch]

その通り。

NSAは、当初通話データを収集したことを認めなかった。後に、プログラムが存在していたことを認めざる得なくなった。そして今、愛国者法の一要素に基づき、今もやっていないと主張している。

これに続き、上院諜報委員会議長(他の上院議員と比べて広い知識を得られるに違いない)であるFeinstein議員は、実際にNSAが位置情報を追跡していることを、直接言及した。

NSAがわれわれの全通話の位置情報を追跡していることに関連して、さらに何かが出てくることに、あなたはいくら賭けるだろうか。

別のニュースで、Feinstein上院議員は今日(米国時間10/2)、電話メタデータ監視プログラムを中止させるべき改革法案を潰すと誓った

トップ画像提供:David Lee

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAのターゲティング技術は、広告には及んでいなかった


もしNSAがTechCrunchだけを誕生パーティーに招待したら、私は一人でケーキを食べなくてはならないだろう。われわれはNSAの大ファンではないが、彼らは本誌読者を気に入っているようで、当サイトに一貫して広告を出し続けている。

これは、過去数ヵ月間かなりの時間を割いて、われわれの憲法修正第4条の権利を侵害していると思われるその行為に関して、NSAを非難攻撃してきた私にとっては、少々居心地が悪い。そしてNSAは、〈このまさにそのことを書いた記事〉を通じて、宣伝費を使って本誌の読者にリーチしようとしている。

われわれのスペースを彼らに分け与えることは、漠然と民主的であると私は考えているが、それは金銭的関係であり(彼らがわれわれに払っている。直接あるいは第3者を通じて)、表現の自由の問題ではない。

これまで私は、広告に関して利益の相反を感じたことはない。その理由は、みんなと同じく、耳を貸さないからであるところは大きい。しかし、私の名前を載せたページで、NSAが直接を物を売り歩くのは受け入れ難い。

これは本誌のMicrosoftについて書いたページに載った、NSAの求人告告だ。

鮮かな(ぞっとする?)NSAブランドを擁するページに、私の名前が書かれている。お願いだからやめてほしい。

今日(米国時間9/29)、NSAがどうやってアメリカ国民のデータを集めているかが新たに暴露された。このNew York Timesの記事には、エドワード・スノーデンがリークした文書に基づき、NSAがわれわれのソーシャルグラフを追跡していることが報じられている。

2010年以降、国家安全保障局は、その膨大な収集データを使い、一部アメリカ国民のソーシャルなつながりを示す精緻なグラフを作成している。そこには特定日時における居場所、同行者、その他の個人情報が書かれている・・・

アメリカ国民のプライバシー侵害に関する懸念を踏まえ、これまでコンピューターによるこうしたデータの分析は、外国人を対象とするものに限られていた。

私と、NSAおよびその監視プログラムとの隔りを思うと、私と経済的関係のあるグループに、いかなる形にせよ彼らが支払いを行う(直接、第3者によるターゲティング、再ターゲティングを問わず)ことを、私は望まない。そして、TechCrunchがギャラを払えば、いくらかのNSAマネーが私の銀行口座に漏れ入ってくる可能性が高い。実に不愉快である。

もう一つ最近暴露された事実によると、司法省は、エドワード・ストーデンが姿を現した翌日に、彼のメールプロバイダーを標的にした結果は不調に終った。そして、上院は、NSAがインターネットの中核をなす光ケーブルを直接盗聴している、というわれわれが既に知っていることを認めた。

そうそう、もう一つ。読者はNSAの iPhoneとiPad両方に対応したアプリをご存じだろうか?おそらくご存じないだろう。現在のバージョンは、ページに表示されるために必要な平均スコアを得るためのレビューすら書かれていないから。仕様に書かれた機能が笑える:「NSAのビデオおよび従業員による証言」。それと「QRコードリーダー」。

しかし、このNSA iPhoneアプリの真骨頂は、ユーザーの位置を追跡〈しない〉と約束していることだ。

NSA Career Links 2は、道路案内を作成するためにあなたのデバイスの位置情報を使用しません。すべての位置情報は、NSA Career Link 2あるいは国家安全保障局とはつながりのないサードパーティーの地図アプリが利用します。

しかし、ジョークにもならない。先週NSAは、アメリカ国民による通話の位置を追跡していたことを、事実上認めた。だから、私はあんたを信じていない。

トップ画像提供:Martin Terber。HT Gripperは、私とTechCrunchにこれらの広告について知らせてくれた。

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSA、FacebookやGPSデータを使ってアメリカ人ネットワーク内の容疑者探し


米国国家安全保障局(NSA)は、その巨大容疑者ネットワークを、徐々にアメリカ国民に関連づけている。New York Timesが入手した文書には、NSAがどのようにソーシャルデータを使って諜報ネットワークのマッピングを行っているかが暴露されている。

報道によると:「2010年以来、NSAはその膨大な収集データを使い、一部アメリカ国民のソーシャルなつながりを示す精緻なグラフを作成している。そこには特定日時における居場所、同行者、その他の個人情報が書かれていることが、新たに公表された文書および高官への取材でわかった」。

データ漏洩者エドワード・スノーデンが、NSAによる通話記録一括収集およびインターネット監視プログラムを暴いて以来、ネット上で容疑者から「3次」の隔り(友達の友達の友達)以内にいる市民に、政府が 目をつけていることは誰もが知るところとなった。どのターゲットに最も価値があるかを順位付けするために、NSAがどんなデータを利用しているかはこの記事が出るまでわからなかった。しかし、諜報局のアナリストが公開データとプライベートデータも使っていることは驚きではなく、ソーシャルなデータもその一つだ。

具体的にデータは、「銀行コード、保険情報、Facebookプロフィール、乗客名簿、有権者登録、GPS位置情報、さらには不動産記録、不特定の税データ等」。

報道に対してNSAは、「すべての検索クエリは外国人スパイに関連している。以上」と答えた。

議会にはいくつかの監視プログラム改革条項が提案されている。しかしいずれの改革も、オバマ大統領のNSA調査特別委員会が改革案を出してからになりそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


米国政府が機能停止しても、NSAのスパイ活動は衰えそうにない

匿名の政府高官が The Hillに語ったところによると、たとえ米国政府機能が停止しても、国家安全保障局(NSA)が賛否両論の大規模スパイ活動を緩めることはなさそうだ。

アメリカは近々機能を一時停止する可能性がある。議会両院間の妥協なき政治的姿勢のためだ。共和党は医療保険制度改革法案の停止を求める一方、民主党上院議員と大統領はそれに反対だ。機能停止を避けて前進する道があるのかどうかも不透明だ。期日後、アメリカは債務限度を引き上げ不履行を起こすことなく活動を続けなくてはならない。政治に無関心だった人たちは、今こそ追いつく時だ。

しかし、仮に連邦組織の巨大な部分が停止しても、NSAの車輪は勢いよく回り続けるだろう。数々の政府機関は、政府が機能停止した場合どうやって活動するかをオープンに議論している。無口で悪名高いNSAが公のコメントを出すとは思えない。しかし、信頼できるタレコミによって、具体的に公開されなくても国民に情報は伝わる。

最近エドワード・スノーデンがリークした文書に基づき、NSAをはじめとする諜報活動の費用が詳しく報じられた。米国最大の闇予算はCIAで、147億ドルを費している。対してNSAは108億ドル。以下、その他を含めた合計予算は年間526億ドルだ。

これらのプログラムが予算削減の対象になることは考えにくい。むしろこれらの予算は過去10年間急速に増え続けている。はっきり言って、もし政府全体の停止がNSAにブレーキをかけられないなら、他に期待できるものはない。

これは考えなくてはならないことだ。

トップ画像提供:Zoe Rudisill

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(翻訳:Nob Takahashi)


グッドラッテ下院議員、NSA監視からの「さらなる保護」を要請

今日(米国時間9/16)米国下院司法委員会議長のBob Goodlatte議員は、米国民の自由を「さらに保護する必要であると確信した」と、国の監視プログラム総括後に語った。

Goodlatte議員の声明は、現政府が外国諜報活動偵察法(FISA)利用して情報収集することに関する機密概要説明の後に発表された。

同議員は直接言及こそしなかったが、元NSA契約者エドワード・スノーデンに端を発する漏洩に伴い、米国の監視行動に対する評価に温度変化が起きていることを指摘した:「過去数ヵ月、下院司法委員会はこの国の海外監視プログラムを精力的に評価してきた」。同議員がスノーデンを愛国者と見ているのか裏切者と見ているのか私にはわからないが、内部告発者が解き放った情報をきっかけにして、彼が変化を求めていることは間違いない。

Goodlatte議員の頭にある保護の強化とはどういうものなのだろうか。「強力な監督、透明性の向上、および米国民の自由の保護」の3点で、これを海外の侵略者から国を安全に保つために十分な法的権力を維持しつつ実現することだ。これは強力なリストであるが、その論旨は包括的である。Goodlatte議員は、具体的な法案は提示していない。

しかし、保護の強化という彼の要求は、過去における保護が弱すぎたことを暗示している。そして、有力な共和党員として彼は、NSA議論が口火を切った党分裂への流れを行動に移している。分裂に最も具体化したのはアマッシュ修正案であり、同法案は下院で僅差で否決され、両党員共に賛成と反対に回った。民主党の大物、ペロシ議員は、法案否決に積極的だった。

鉄壁であるべきわれわれの権利をより尊重するべく、国の監視行動を改訂し統制しようというGoodlatte議員の提案は朗報である。プライバシーを支持する声は何であれ拡声に値する。

トップ画像提供:Andrew Malone

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAスパイ活動に「合法」の裁定

米国の最高機密スパイ法廷、外国情報監視裁判所(FISC)は、国家安全保障局(NSA)の通話記録捜査プログラムの法的正当性を、ついに公表した裁定によると、通話記録は一つ残らずテロ対索に関連するものであり、よってNSAがこれを一括入手したことは合法である、と裁判所は判断している。恐らく最も重要なのは、NSAのデータ収集理由に対して通信会社が異議を申し立てなかったことだろう。

FISCのClair Eagan判事は、NSAが愛国者法第215項の下で通話記録(メタデータ)を収集することが可能である理由を、次のように説明した。「権限を与えられた捜査の一環として、既知および未知の国際テロリスト諜報員間のつながりを識別するためには、通信会社のメタデータを一括収集する必要がある。よって収集された情報の生成は第215項の定める関連性基準を満たしている」

具体的には、裁判所が拠り所としたのは、1976年の「Smith vs Maryland」裁判で、発信者は第三者(通信会社)を利用して信号を送っているので全面的プライバシーを期待していない、とされた判例だ。加えて、政府は特定の番号を「捜索」しておらず、一括収集しているだけである。

「最高裁は、個人はダイヤルした電話番号のプライバシーに対して合法的期待を持っておらず、よって政府がそのダイヤル情報を入手することは〈捜索〉ではなく、令状を必要としないと判断した」と同判事は説明した。

恐らくさらに重要なのは、どの通信会社もこの裁定に異議を唱えていないことだ。「現在にいたるまで、一括電話メタデータ作成の命令を受けたデータ所有者から、そのような命令に対する異議申し立てがなされたことはない」と裁定は説明している。「実際、第215項命令の受令者の中に、そのような命令の合法性について異議を唱えた者は、そのための明示的法的手順があるにもかかわらず、存在しない」

当然ながら市民権グループは激怒している。「電話会社が利用者のために立ち上がらなかったことに失望している」と、電子フロンティア財団のKurt Ospahl弁護士はWiredに伝えた。

オバマ大統領は、NSAの監視プログラムの抜本的改訂を約束し、現在独立調査委員会からの提案を待っている。何らかの改訂は同委員会の成果を待ってからになりそうだ。

[画像提供:Flickr User Steakpinball]

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSA、国際クレジットカード情報も監視(Der Spiegel報道)

ドイツのDer Spegel紙 ― このところ急速にNSA暴露列車に乗り込んできた ― は今日(米国時間9/15)、NSAが国際クレジットカード取引に関心を持ち、Visaを含む複数の会社の支払い処理を監視する方法を発見した可能性がある、と 報じた。Spiegelは、NSAが金銭フローを追跡するために、独自の財務データベースまで構築していると書いている。

同紙は、2011年にNSAは同局の「Tracfin」と呼ばれる「金銭追跡」部門経由で1.8億件の取引記録を処理したことが、元NSA契約社員で漏洩人のエドワード・スノーデンから入手した情報に基づいわかったと書いている。情報の殆どはクレジットカード取引によるものだ。

同紙はさらに、NSAはヨーロッパ、中東、およびアフリカを監視する目的で、Visaなどの大規模クレジットカード会社の顧客取引データを標的にしていたと主張している。しかし、Visaはこれを否定している

TracfinのデータバンクにはSWIFTネットワークも含まれているとSpeigelは言う。これは銀行が取引情報を安全に送るためのネットワークであり、NSAは様々な銀行のプリンター・トラフィックを監視することによって情報を入手した可能性がある。

しかしSpiegelが暴露した文書によると、諜報局職員でさえも、この種の「リッチな個人情報満載」のデータを監視することに懸念を抱いているという。たしかにリッチなデータだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ロン・コンウェイ:シリコンバレーはNSAについてもっと議論すべきだ。しかし私は先頭に立つ人物ではない

シリコンバレー有数の投資家、Ron Conwayは今日(米国時間9/9)、国家安全保障局および消費者プライバシーを巡る問題に、自分は関与しないという立場を明らかにした。銃規制や移民法改訂など他の多くの課題で忙しすぎることに加え、自らのベンチャーキャピタル会社、SV Angelの経営を手伝うという「本業」もあるためだと言う。

Michael Arringtonに、NSAで今起きていることや、国家安全の名の下にプライベートデータを盗聴する同局の役割、さらにはシリコンバレーがこ戦おうとしていないことについて尋ねられ、Conwayは次のように答えた。

「わわれは国家安全のバランスを取る要があるが、9/11というものもある・・・透明性とのバランスを取らなくてはならない」と、ConwayはTC Disrupt San Franciscoの聴衆に向かって言った。「個人的には、NSAがどうデータを消化し、どれほどの期間保管するかによると考えている。私がかかわっていく中で、昨年は銃の安全性、移民法改訂、および市民参加という3つの問題を選んだ。テクノロジーを地域コミュニティーに溶け込ませるために、われわれは多くのことを行ってきた」。次にConwayはArringtonに矛先を向けた。「もしこれが、あなたが情熱を傾けている問題なら、自分が行動すべきだ」。

[より具体的には、Arringtonの質問はもっと挑戦的だった。「なぜあなたは、傍観するだけで何もしないのか?」と彼は尋ねいた。「われわれが話しているのは、文明の終りと生活上のプライバシーの終りについてだ」]

この発言と時を同じくして、FacebookGoogle、およびYahooは揃って、NSAの要求に関する情報の公開をさらに可能にするよう米国政府に強く働きかけた。

これはConwayが何も意見を持っていないということではないが、彼の戦う姿勢のなさはある意味で、VCや小さなスタートアップにとってこの話題への反応が難しいことをものがたる。「最近60日間の出来事は、透明性と国家安全との間にはバランスが必要だということを示している・・・しかし、私は今年の残る時間を移民法改訂に費やすつもりだ。私は、同時にNSA改革もやるなどと言えるほどほら吹きではない。現時点では私にとって移民法改正の方が重要だ・・・あなたは完壁なリーダーのようだ。

この日の午前に、サンフランシスコのエド・リー市長もこの話題に言及した。「もっと多くの人がこれについて議論すべきだ・・・この論争がどこへ向かっているのかわれわれは知らない。同時に、多くの人々がわれわれの取るべきバランスについて話し合うべきだという目標もある。個人情報がとんでもない形で使われることを私は好まない」。彼は、例えばサンフランシスコの街頭カメラは、バランスを取る必要があることを指摘した。同市は抗義運同中はスイッチを切るが、それ以外は街頭犯罪を妨ぐためにスイッチを入れておくことを決めた。

Michael Arrington(TechCrunchファウンダー)は自らの意志を表明し、NSA、セキュリティーと情報、およびシリコンバレーがこのストーリーで果たしている役割について強く訴えた。彼は、シリコンバレーの企業は大小を問わず、一連の情報要求やその他国家安全の名に下に政府組織が行ってきたことに対して十分に抵抗していない、と信じている。

「この国の政府には恐怖を感じる。そしてそれと戦うためにシリコンバレーが殆ど何もしていないことにうんざりしている」とArringtonは今日のブログに書いた。

Ron Conwayについては名指しで、「Ron Conwayには質問するつもりだ。彼はSandy Hook Promiseを通じて一年近く銃規制を推進しているが、米国政府による人権の大規模破壊に対するシリコンバレーに役割について一言も発していない。彼は、真の透明性や政府に対する真の反抗をリードすることによって、数多くのことができたはずだ。しかし、何一つ行動していない。私はその理由を知りたい」

Sandy Hook Promiseは2013年3月に立ち上げられた、銃器による暴力を減少または排除するスタートアップへの投資を約束する共同体だ。Arringtonは今日この取組みを「漠然としている」と評した。

Arringtonが、Ed LeeとRon Conway、後にはSV Angelのパートナーらと話すところのビデオ全編を下に貼った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAはあなたのスマートフォンもハックできる(Der Spiegel報道)

米安全保障局(NSA)はスマートフォンを直接盗聴することが可能であることが、ドイツDer Spiegel紙が報じた漏洩文書でわかった。Der Spiegelによると、NSAは「スマートフォンの連絡先、SMS通信、ノート、およびユーザーの位置情報等、最も守秘性の高い情報を盗聴できる」。

この内部文書は、iPhoneにはユーザーがパソコンに同期する際に侵入できる、またNSAはBlackberryが2009年にカナダ企業に買収された際、一時的にアクセス不能になったなどと言いふらしている。現在同紙は、NSAがiPhone、BlackBerry、およびAndoridに侵入したことだけを報じているが、今後他にも暴露されるかもしれない。

スマートフォンメーカー各社、特にAppleは、同じタイプのデバイス間同志で送受信された暗号化メッセージを当局は読むことはできないと主張している。しかし、それらのメッセージも企業が保有するサーバーを経由しているため、NSAがそれにアクセスすることは可能だ。もしDer Spiegelの記事が真実なら、BlackBerryにとって特にダメージが大きいだろう。同システムは政府で強く後押しされている。

Der Spiegelは、明日「完全版の記事」を掲載すると書いている。だからそれまで、あなたのAngry Birdsのスコアが詮索好きの目を逃がれているかどうかは不明だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAは、サイトの協力による裏口アクセスで殆どの暗号を破っている(New York Times報道)

国家安全保障局最大のお尋ね者で、新参ロシア住民のエドワード・スノーデンは、諜報局が秘密であるべき通信に侵入する手口について新たな詳細を暴いた。

「国家安全保障局は、暗号に関する長年の秘密戦争に勝つために、スーパーコンピューター、技術トリック、裁判所命令、裏工作などを駆使して、インターネット時代の日常的通信のプライバシーを保護する主要ツールを攻撃していると、新たに公開された文書に書かれている」とNew York Timesは報じた。同文書によると、NSAは、銀行、メール、Eコマース、データ送信などの秘密を守るために使われている「暗号化のアルゴリズムと技術の殆ど」を回避あるいは解読した。

記事の主要部分は以下の通り。

  • 少なくとも3年前から、英国および米国のスパイ組織は、Google、Yahoo、Facebook、Microsoftを含む主要インターネット企業の裏口アクセスを手に入れていた。「2012年までに、GCHQ[政府通信本部]はGoogleシステムへの「新しいアクセス手段」を開発したと文書は伝えている」(Googleは、NSAが何らかの特殊アクセス手段を入手したことを繰り返し否定している。
  • スノーデンによると、NSAは約2億5000万ドルを費して、国際暗号標準および製品を弱体化させ、NSAが解読できるようにした。
  • あるケースでは、2007年にMicrosoftの技術者が致命的セキュリティー欠陥をみつけたところ、それは当初NSAが国際標準化グループに「強要」したものだった。
  • 世界には、これらの解読技術を自由に入手できる諜報高官による緊密な内部グループがある。「NSAの解読能力の全貌は、Five Eyesと呼ばれるNSAおよび英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの相当機関のトップアナリストからなる限られたグループのみが知っている」
  • NSAは、シリアやアルカイダ指導者等から送られるメッセージの解読は、国家安全上決定的に重要であると主張している。

記事によると、政府関係者はTimesに同記事を公開しないよう要請したという。Timesは情報の一部を機密保持のために公表を控えたが、記事は(当然)掲載)された。

以前本誌が報じたように、NSAは1990年に、携帯電話の裏口アクセスを可能にするハードウェアでも同じ手口を試みた。失敗作の「クリッパー・チップ」だ。どうやらNSAは裏口アクセスを入手する新しい方法を見つけたようだ。「彼らはいずれにせよ誰にも言わずに実行しただろう」と暗号学者のPaul KocherがTimesに語った。

スノーデンは今も「強力な」暗号はNSAにも解読できないと言っている。「正しく実装された強力な暗号化システムは、頼ることのできる数少ない手段だ」。つまり、今でもメッセージの安全を守る方法はあるようだ。

なお、捜索に必要なあらゆる法的手続きは、解読された情報にも適用されることを指摘しておかねばならない。

画像提供:Flickrユーザー、FutUndBeid

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(翻訳:Nob Takahashi)


スノーデン、520億ドル諜報予算の詳細をリーク。「攻撃的サイバー作戦」が暴露

米国安全保障局情報漏洩者で新ロシア住民のエドワード・スノーデンが、最高機密の520億ドル諜報予算をWashington Postにリークした。一部編集済みの予算書には、米国の無秩序に広がる諜報ツールの成果や弱点、さらには最高レベルの予算項目の正当化理由などが暴露されている。

CIAおよびNSAは、情報奪取、敵国システムの妨害を目的とした海外コンピューターネットワーク侵入の新たな積極的取組みをスタートし、「攻撃的サイバー作戦」と名付けて予算を計上している、と同紙は書いている。

特に注目すべき情報:

  • スノーデンが電話やインターネットの監視をリークするはるか以前から、上層部は不良契約社員による最高機密アクセスを恐れていた。
  • NSAがアルカイダの通信を傍受する能力は「手に負えそうにない標的の情報を取得するための、しばしば最高かつ唯一の方法」と説明されている。
  • NSAは、大量のハッカー、アナリスト、および暗号解読者を擁し、「総合暗号化技術プログラム」という大分類で呼ばれている。
  • NSAは、「適合無線周波数手法」と称するものを立ち上げ、Washington Postはこれを「国際ネットワークを介さない通信を傍受するための近距離センサー」と説明している。同様にCIAも、敵地の無線および電話による通信の取得に17億ドル(総予算の12%)を投じている。
  • 米国は、北朝鮮の核施設建設を監視する地上センサーを設置している。
  • この漏洩された予算自体は、何らショッキングな新情報を暴露するものではないが、スノーデンのような独立アナリストがこれほどの情報にアクセスしていたことは驚きだ。

    全予算のインタラクティブ・グラフがここで見られる。

    [原文へ]

    (翻訳:Nob Takahashi)


NSA、国連ニューヨーク本部も盗聴(Der Spiegel報道)

米国と国々との間で、一時は秘密だったNSAスパイ問題に関する緊張が高まる中、ドイツのDer Spiegel紙は今日(米国時間8/25)、NSAが国連のニューヨーク本部を一年近くにわたり盗聴していたと報じた。

Der Spiegelは、セキュリティーコンサルタント転じて情報漏洩者、エドワード・スノーデン「由来」の文書を多数挙げ、NSAが国連のテレビ会議システムを2013年夏に初めてクラックしたことを示した。

Der Spiegelが入手した文書の中には、関係者が自分たちの行動を説明する一種陳腐な文章も見られる — 「このデータトラフィックは、国連の内部テレビ会議の様子を伝えるものだ(イエィ!)」と書かれたものもある。その後、解読された会話の数は12から458へと増大し(まず間違いなくそれ以上に増えただろう)、NSAが国外組織に対する監視強化を続けていたことが伺われる。

しかも、NSAがこの方法で標的にした組織は国連だけではない — これもDer Spiegelが入手した文書は、Special Collection Serviceというプログラムの存在を示しており、これはNSAによる世界80カ所の大使館および領事館の監視を可能にするものだ。標的リストの中には、国際原子力機関(IAEA)および欧州連合も含まれているが、これらの組織にNSAがどこまで侵入に成功したのか正確なところは現時点では不明だ。もはや驚くことではないだろうが、Special Collection Serviceは「テロリスト対策とは全くと言っていいほど無関係」なよくできた計画であると、Der Spiegelは書いている。

これは当惑させる新事実ではあるものの、国連が国際スパイ活動の舞台になったのは初めてとはほど遠い。英国議会のClare Short議員は2004年に、英国諜報員が当時のコフィー・アナン国連事務総長をスパイしていたことを暴露し、The Observer紙は、2003年の米国によるイラク侵攻直前に安保理事会メンバーを含む国連高官に対する監視を強化するようスタッフに指示する、NSA高官の漏洩した書簡を公開した。

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(翻訳:Nob Takahashi)


人気の法律知識サイトGroklawがSnowden効果で閉鎖へ

すでに10年以上と歴史の長い、人気の“法律知識大衆化サイト”Groklawが、メールが調べられる危険性が迫っているとして閉鎖を決定した。サイト主宰者のPamela Jonesは彼女の最後のポストで、“Lavabitのオーナーはメールの使用を停止した。似た立場にあるわれわれも停止すべきである。メールが使えないならGroklawの存続は不可能である。これは、難しい決断である”、と述べている。

JonesはNSAのやり方を、通信の窃盗行為であると呼び、Groklawは読者からのメールによる質問に答えるという形式なので、今後はとくにオープンソース運動に関連した法律情報を伝えることが難しくなる、と言っている。このサイトは“法律家とギーク”が、プログラミングやネットワークやFOSSソフトウェアに関して話し合う場である、とみなされていた。

彼女は次のように書いている:

どうすべきか? 二週間あまり、それを考えていた。そして、これ以上Groklawを続けることはできない、という結論に達した。とても悲しいことだ。でも、現実的であることは良いことだ。そして単純な事実として、記事や投稿の収集選別においてわれわれがいかに善意で、そして“クリーン”であったとしても、それらに対して今後何をされるか分からないという今の雰囲気の中では、Groklawを継続することはできない。

—中略—

今のところ、強制的な情報開示を断る方法はない。上のかっこの中で述べたことはテロとは無関係だ。でも、メール、とくに合衆国の国境を越えて行き来するメールでは、いつも、検閲の可能性に備えた書き方をしなければならない。つまり私たちの通信の自由は、なくなってしまった。いちいち、見知らぬ人に読まれることを意識しながらメールを書くなんて、そんな窮屈なことは続けられない。

反応は、彼女を聖人化するものからシニカルなものまでさまざまだ。でも、あれほど良質で心に響くサイトが、こんなに早くなくなるのは惜しい。でも、Snowden以後のインターネットは、意思決定が迅速で、しかも奇妙だ。

〔余計な訳注: 某UNIXベンダにLinuxが訴えられたときも、そしてJavaに関してOracleがGoogleを訴えたときも、このGroklawサイトはとっても勉強になりました。別の形での復活を、絶対的に希望します。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


米NSAアレキサンダー長官、セキュリティー会議「ブラックハット」で自らの監視行為を弁護

米国家安全保障局のアレキサンダー長官は、Black Hatセキュリティー・カンファレンスの壇上で、NSAのやっていることは合法かつ有効で何ら議論を呼ぶものではないと再度語った。

Glenn Greenwaldによる長官の行動に関する詳細なリークを受け、NSAは懐疑的な聴衆を自分たちの側に転換させる必要があった。スピーチに関するTecchCrunchの最初の記事はこちら。彼の発言に対する論論家らの指摘はこちらで読める

彼のスピーチと同日、グリーンワルドとエドワード・スノーデンがXKeyscoreのニュースを公開したことは注目に値する。NSAのアナリストが令状なしでメールその他のメッセージの内容にアクセスできるシステムだ。

講演スライドはここにあり、現在のプライバシー・スキャンダルに対する彼の意見も読める。

トップ画像提供:ttarasiuk

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAのX-Keyscoreプロジェクトはインターネット上の誰のトラフィックでも収集できる

最新のリーク情報によると、NSAにはX-Keyscoreと呼ばれるプロジェクトがあり、わずかなキー操作でユーザがインターネット上で行うことのすべてが分かる。チャットの内容も、メールも、Webの閲覧先も。

そのシステムは、ユーザを特定するための情報としてメールアドレスを利用する。NSAが集めたネット上のトラフィックやメタデータのデータベースは、メールアドレスのユーザ名やドメインで検索される。

Snowdenは6月10日のGuardian紙に、“その人の個人的なメールアドレスが分かれば、誰でも、あなたでもあなたの会社の経理の人でも、連邦裁判所の判事でも、それに大統領でさえも、ネット上のトラフィックを盗聴できる”、と語っている。それは、このX-Keyscoreのことだったのだ。

そのシステムはNSAのアナリストたちが無許可で自由に利用できる*。2010年に作られた教育訓練マニュアルによると、システムに特定個人のデータをリクエストできるのは、アナリストだけである。そしてそのシステムは、起点または終点が合衆国であるトラフィックを、各種のキーワードで検索する。Facebookのコメントをはじめ、ソーシャルメディアのデータも検索できる。〔*: NSAは否定。〕

データは恒久保存されない。一日に何十億レコードものデータを集めるから、データベースにはほんの数日分しか保存できない。NSAによると、その検索によって特定の人びとのあいだの、インターネットや電話による通信を見つけて拾い上げたり、ブログ記事やメールやそのほかの共有コンテンツ中に特定の言葉や名前を見つけることができる。その結果は完全に監査されるが、海外のターゲットに限定されている。ただし、そういった諜報情報の中にアメリカ国籍の者が紛れ込むこともある。

NSAはGuardian紙の取材に対して、“XKeyscoreはNSAの合法的な海外諜報システムの一部として利用されている。NSAが集めるデータにアナリストが無許可で自由にアクセスできるという申し立ては、まったく真実ではない”。

出典: The Guardian

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


米政府は、令状なしにメールが読めることに関して嘘をついていた

エドワード・スノーデン:「私はデスクの前に座ったまま、誰のメールでも見ることができた。あなたの会計士から連邦判事、いや大統領でさえ。その人の個人メールアドレスがわかれば」

マイク・ロジャース下院議員:「彼は嘘をついている・・・できると言っていたことは、彼には実行不可能だ」

どちらが正しくて、どちらが嘘をついているのか。最近Guardian紙でGlenn Greenwaldが暴いたところによると、政府はまたしても真実を曲げており、実際にはスノーデンが正しい。NSAのXKeyscoreという名前のプログラムは、スノーデンが詳しく説明し、ロジャース議院が否定した能力そのものを提供している。

政府によるNSAの能力の否定が偽りであったことは多数に上り、NSA公式コメントの権威は失われ、今や全くの誤りの領域に近づきつつある。

XKeyscoreを使ってNSAがあなたのメールを見る方法はこうだ。NSAのアナリストは、令状なしに、ただメールアドレスまたはIPアドレス、書面による「正当な理由」、および対象期間を提出する。それだけだ。もしこれが少々緩いと感じるなら、 あなたの内部反応は正常である(NSAがこのデータを収集および保管している方法はここにある)。

文書は、メールの「本文」も実は検索可能であることを指摘している。つまりNSAは、単にメールのメタデータを追跡するよりもはるか先を行っている。たしかにメタデータも検索可能だったが、それはNSAが実際に見つけてアクセスできるものの全てではなかった。

アナリストがXKeyscoreにメールを要求した後何が起きるのだろうか?Greenwaldはこう言う。「次にアナリストは、読みたいメールをNSAの読み取りソフトを使って開く」。文書によると、このソフトは米国を「通過」する通信、および米国で「終結」する会話を読むために使用する。問題の通信は海外が発信元であり、したがって憲法による保護に関係ないが、世界がこの弁解に納得するとは思えない。

おそらくこの中で最も恐ろしいのは、プライバシーと個人の権利の保護するために設定されたセキュリティー基準の滑稽さだ。下のメール要求に関する「正当化」の節にある。見つけられるだろうか。

2つの小さな入力フィールドを埋めるだけ。しかも一つは何とドロップダウンメニューだ。いったいNSAはアナリストにどんなオプションを親切にも提供しているのか興味深い。

上記の話は新しくて暴露的ではあるが、おそらくあまり驚きではないだろう。これが何をものがたっているかと言えば、われわれが以前から言っているデジタル・プライバシーは存在しないという発想は正しく、政府の上級幹部はこの国のデジタル監視能力を一貫して偽って伝えてきたということだ。

そしてこれは、決して良いことではない。

トップ画像提供:Andrew Malone

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(翻訳:Nob Takahashi)


MIT製ツールで、NSAがどうやってメール履歴から人間関係を洗いだすかを視覚化しよう

MITの異才が、メール相手や連絡頻度を元に国家安全保障局(NSA)がどうやってあなたの人間関係を探れるかを視覚化するすごいプログラムを作った。果たしてNSAがわれわれの通話記録やインターネット活動を収集しているのかどうか、未だ明らかではないが、裁判書類上院議員の証言から、政府が人々の連絡相手に関するいわゆる「メタデータ」を広く集めていることはわかっている。

自分のGmailアカウントを、MITの “Immersion” というツールにここからリンクするとマップが得られる。メール人間関係マップから誰にでもすぐ読み取れる情報が2つある。

1. NSAはチームとそのリーダーを識別できる。私のマップでは、TechCrunchの共同編集長であるEric EldonとAlexia Tsotisの2人が巨大な存在感を示し、周囲にわれわれチームメンバーの網が張られている。

2. 孤立した大きなノードは、隠しておくべき関係を暴露している。私には直メールだけでやりとりしている情報源が何人かいる。それらの相手が別の人と一切連絡を取り合っていないことは疑念を抱かせる。これらのノードはゆすりネタの宝庫だ。愛人、医者、あるいはドラッグディーラー。

メタデータがメール内容よりも侵入性が高いかもしれない理由について、 多くの記事が書かれているが、この新ツールは、それを極めて個人的な形で説明してくれる。

国税庁が社会保障番号を公表/Snowden、ドイツのスパイ行為を暴露/Snowdenの逃亡は正しかった/ニュース局もTwitterで失敗

1. 国税庁大失態 [Gizmodo]

― 米国国税庁が何万人分もの社会保障番号を誤って公開した。その後削除された。

― 「同庁が非営利団体のために大量のデータをアップロードした際、不運にも誰かが識別番号を消し忘れたようだ」

2. ドイツの偽善 [The Guardian]

― ドイツはNSAのスパイ問題に関して異常なほど怖がっていたにもかかわらず、Edward Snowdenに言わせるとドイツも国民に対してスパイ行為を働いている。

― 「ドイツ人も同じ穴のむじな。どの西側諸国もそうだが」とドイツのDer Spiegel紙に語った。

3. Ellsberg:Snowdenは逃亡して正解[Washington Post]

― ペンタゴン文書の通報者、Daniel EllsbergがWashington Postの論説欄に、Snowdenの亡命は正しい判断だったと書いた。

–「しかしSnowdenは、憲法修正第1、第4、第5項再建という崇高な目的を持っていた。そのことは彼の評判や推測される性格や動機とは一切関係ない ― ましてや、現在の容疑を裁く法廷への出頭や、残りの人生を獄中で過ごすこととも無関係だ」

 4. アシアナ航空214便は転覆していなかった

アシアナ航空214便のサンフランシスコ空港着陸事故のニュースが溢れる中、地元局のKTVUは同機が転覆したと報じたが、他の報道から考えると非常識だった。同局はTwitterにこの説明を流した。


[滑走路にひっくり返って止まったって? 写真くらい見たのか?]
[目撃者がわれわれにそう言った。転覆してから元に戻ったのかもしれない]

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(翻訳:Nob Takahashi)