Microsoft Office 365の小企業向けプランを改定、ますます安売り指向に

Microsoftが今日(米国時間7/9)、Office 365の小企業向けのさまざまな新しいプランを発表した。既存のプランはそれらのどれかに置き換わるものと思われる。

まず、小企業向けのいちばん高価なプランが、一人月額15ドルから12.50ドルに値下げされ、社員数の上限は場合によっては今の25から300になる。Office 365のクラウドプロダクトの一人月額5ドルのオプションはそのまま残るが、そこにはOfficeのデスクトップバージョンは含まれない。

クラウド上の生産性アプリケーション(OAソフト)はこのところ競争が激しくなっているので、Microsoftとしてもよりカスタマーフレンドリにならざるをえない。Microsoftは人びとを、長年のソフトウェア購入のサイクルから引き離し、小企業を手頃な料金で、SaaSとしてのOfficeのユーザにしていきたいのだ。

同じようなことを、Google、Apple、Dropbox、それにBoxがねらっている。この、単純にファイルをエディットしたり、保存したりというサービスに、1兆ドルを超える規模の市場がある。各社は、Office 365がこけることを、期待している。

以下は新しいプランに関するMicrosoftの説明だ:

Office 365 Business – すべてのOfficeアプリケーション – Outlook, Word, Excel, PowerPoint, OneNote, そしてPublisher。1TBのクラウドストレージOneDrive for Businessで文書にアクセス、編集、そして文書をWindows PC, Mac, iPad, Windowsタブレット/スマートフォン上で共有できる。

Office 365 Business Essentials – 企業の日常稼働のための中核的クラウドサービス – 企業向けに最適化されたメールとカレンダー、Office Online、オンラインミーティング、IM、ビデオ会議、クラウドストレージとファイル共有、その他。

Office 365 Business Premium – Office 365 BusinessとBusiness Essentialsの両方のプランのすべて。

これら新しいオプションは10月1日より適用される。

Microsoftは最近クラウドストレージの容量を増やし、Office 365のアカウントでは1テラバイト、そのほかのOffice有料アカウントでも容量が増した。

Office 365はMicrosoftのAmazon Primeになりつつある: 年会費を払うと、あれやこれやといろんなサービスが得られる。Amazonと同じく、雑多なサービスの寄せ集めでも平気だ。いっそ、Office 365をPrimeと改名したらどうだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoftが一人一台用ライセンスOffice 365 Personalを月額$6.99で提供

Microsoftが今日(米国時間3/13)、Office 365の個人向けプランOffice 365 Personalを発表した。月額6.99ドルあるいは年額69ドルで、Office 365を一台のPCまたはMac、そして一台のタブレットで使える一人用ライセンスが得られる。このプランの提供開始は今春の終り頃ということだ。

Office 365のそのほかのライセンスと同じく、Skypeの使用が月に60分、そしてOneDriveのストレージ20GBが付随する。アプリケーションについては何も言ってないが、Officeのコアアプリケーション一式であることは間違いないだろう(Word、PowerPoint、Excel、OneNote、Outlook、Publisher、Access)。

これまでの最安のプランは月額9.99ドルからのOffice 365 Home Premiumで、こちらは5台までのPCまたはMacで使えた。しかし複数のライセンスなんか要らない人も多いから、今回のPersonalが登場したのだ。

今日の発表声明の中でMicrosoftは、“家族の大きさや形はさまざまなので、それぞれに合ったOfficeをご提供したい…家族内のお一人だけの場合にも、そしてご家族全員でお使いの場合にも”、と述べている。たとえばこのプランは、学生に歓迎されそうだ。

なお、Office 365 Personalがローンチしたら、それまでのOffice 365 Home PremiumはOffice 365 Homeにリネームされる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MicrosoftがOffice 365をアップデート: リアルタイムコラボレーション, 全エンタプライズバージョンにYammerを導入, などなど

Microsoftが企業や消費者向けにOfficeの会費制WebバージョンOffice 365を立ち上げてから6か月になる。今では200万あまりの消費者がOffice 365 Home Premium(5つのライセンスのあるOffice 365の”ファミリーパック”)の会員ユーザで、またFortune 500企業の60%が何らかの形で利用している。Microsoftによるとこれは、Microsoftの歴史上、成長が相当速いビジネスとなっている。

これまでOffice 365にはおよそ100の新機能が加えられてきたが、今日(米国時間11/6)はさらに三つが加わる…一つは企業ユーザ向け、残る二つは一般消費者向けだ。

その中のいちばんおもしろくて、Office 365のユーザでなくても喜びそうなのが、Office Web Appsにリアルタイムの文書共同制作機能が加わったことだ。このWeb AppsはWordやExcelやPowerPointの文書やプレゼンテーションをSkyDriveでエディットするものだが、このようなオンラインのオフィススイートには同様の機能を持つライバルが多い中で、OWAには良質なコラボレーションツールがこれまでなかった。なお、この機能に加えてWord Web Appには、オートセーブ機能が加わった。

Microsoft Office事業部の企業担当VP John Caseによると、Office Web Appsはまだ、その価値に見合うほどの評価をされていない。そこで今後は、マーケティングに力を入れて知名度注目度を高めたい。“これまでは従来からあるクライアントアプリケーションを補完する位置づけだったが、これからは独立的なアプリケーションと見なしていきたい”。そこでMicrosoftはWeb Appsへの投資も増やしていくそうだ。

二つ目の新機能は、Home Premiumを使っている消費者ユーザへの2つのボーナスだ。それはSkyDriveの容量の20GBアップと、世界のどこからでもSkypeで60分の無料通話ができること。これらは、有料ユーザの特典だったが、今回のアップデートにより全ユーザに提供される。

企業ユーザに対しては、Yammerのライセンスを大きく変えた。今後、Office 365のエンタプライズバージョンにはYammer Enterpriseが含まれる。これまで、このソーシャルエンタプライズツールを使えるのは、最上級ユーザのみだった。これからは、既存新規両方のすべての顧客が利用できる。Caseによると、ソーシャルはあらゆる規模の企業においてますます、社員のやる気を高めるための重要な方法になりつつあるが、最近ではユーザ企業のパートナーや納入企業にもその気運が見られる。

そこで今回のYammerのライセンスモデルの変更には、パートナーと納入企業への配慮が見られる。これまでのライセンスでは、外部ユーザがYammerにアクセスしてよいのか、曖昧だったが、本日より、Yammerの顧客には外部ユーザのYammerアクセスを認める権利がある、と明文化される。

今日のアップデートは、新しい機能が加わっただけではない。大手テクノロジ企業の中ではどこよりもマーケティングキャンペーンが好きなMicrosoftは、“Officeをどこでも使える、どこでも仕事をやり終えられる”ということを訴求するための一大マーケティングキャンペーン”Get It Done Day”を始動する。本誌はこれについてあまり質問をしなかったが、でも関心のある方は、Twitter上でツイートしてみるとよろしいだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Office 365がiPadにやってくる。スカウトの名誉にかけて

前にもあったことだ。もう一度話して傷つくのが怖い。嘘をつかれるのはこれが初めてではない。

去る2011年、われわれは2012年にOfficeがiPadにやってくるという噂を聞き、そのすぐ後にはiPad上のOfficeの写真も見た。しかし・・・それっきり。そしてまたしばらく何もなかった。今日までは。

MicrosoftはついにOffice 365をiPadに捧げようとしている。今日(米国時間10/8)フロリダで行われているGartnerのイベントで、Steve BallmerがiPad向けバージョンのOffice 365が進行中であることを明かした。iPadバージョンの公開は、Windowsマシンにタッチ主体のユーザーインターフェースを提供した後になる。The Vergeによると、その特別なタッチインターフェースは「現在進行中」だ。

Microsoftは既に、Office Mobile for Office 365定期利用サービスの一環として、Officeの一部をiOSエコシステムに解放している。このアプリケーションは高価なOffice 365定期契約をしているiPhoneオーナーのみが利用できる。

またThe Vergeは、Microsoft COOのKevin Turnerが最近の社内ミーティングで、「あらゆるデバイスを横断して生産性体験を支配する必要がある」と訴えたことも報じている。OfficeがMicrosoftにとって最高かつ最強の製品であることを考えれば当然と言える。

ソフトウェアの利用範囲拡大は賢明な行動であり、それが高額なOffice 365定期利用料をユーザーに払わせるきっかけになればなおさらだ。iPadおよびiPhone用に特別あつらえしたバージョンのOffice 365を、高額の、しかしデスクトップのフルバージョほど高くはない年間利用契約で提供すれば、さらに良いだろう。

しかしいずれにせよMicrosoftは、低調な自社タブレットの販売をさらに遅くするリスクを負っている。つまるところ、Surfaceタブレットのわずかに興味を引かれる長所は、Microsoftの生産生ツイートを使えることなのだから。Officeが全iOSデバイスに展開されれば、その長所さえ単にSurfaceでは無料であるという事実のみに縮小されてしまう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


AzureのもとでOffice 365がプログラマブルなサービスになることにより, アプリケーションのラピッドデリバリを実現

Microsoftは、Office 365とWindows Azureを使ってビジネスアプリケーションを構築する、という方法を今後提供していく。それは、同社のクラウド環境を有効利用してラピッドビルド(rapid build, 高速構築)を提供するサービスの一環だ。

MicrosoftのCEO Steve Ballmerは、Buildカンファレンスの初日の水曜日(米国時間6/26)に、ラピッドデリバリがMicrosoftの主要テーマの一つである、と述べた。そして木曜日にMicrosoftは、Windows Azureを利用してOffice 365をプログラマブルなサービスに変え、アプリケーションの統合とWebサイトの管理を迅速に行うやり方をデモした。その取り組みは、GoogleがGoogle Appsとサードパーティのサービスを統合するやり方を思い起こさせる。

そのデモではたとえば、PC MagazineのMichael Millerの指摘によると、Visual Studioで作ったアプリケーションが“Office 365のドキュメントやそのほかの情報を利用する”…つまりアプリケーションがOffice 365の機能を借用する、というやり方を見せた。Azureでアプリケーションを作るんだけど、そのアプリケーションの主機能はOffice 365からそっくり借りるので、ビルドもデリバリも速い、というわけだ。

木曜日のキーノートとデモは、エンタプライズを強調したクラウドが主役だった。サーバとツール事業部の社長Satya Nadellaがキーノートを担当し、そのあと、Visual Studioの新機能や、オートスケール、オンプレミスのソフトウェアをSaaS環境と統合するBizTalkサービスの使い方、などのデモが行われた。データサービスもちらりと見せたが、しかしそれはGoogleやAWSが提供している強力なサービスに比べるとまだ弱い、と見えた。

しかしMicrosoftの方向性は正しい。Office 365をWindows Azureに、いわば前者を後者の機能コンポーネントとして押し込むのだが、そのことによってカンファレンスに来た者には、Microsoftの将来にとってのAzureインフラストラクチャの重要性が、いやが上にも伝わってくる。またそれは同社のマーケティングのテーマとしては、AzureはWebサイトやWebアプリケーションをクラウドとエンタプライズ環境にまたがって開発するためのプラットホームとして使えますよ、という訴求になる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft曰く: Google Docsは仕事の生産性が落ちる危険なギャンブル

Bing、Scroogledと来て、Microsoftによる次のGoogle毀損キャンペーンはGoogle Docsに対する攻撃だ。MicrosoftのOffice担当シニアプロダクトマネージャJake Zborowskiが今日(米国時間5/10)、Docsを貶めるブログ記事をなんと二つもポストした。ひとつはドキュメントの正確さを問題にし、もう一つはユーザたちの証言をもとに、Google Docsは完成度が低いと論じている。

今週の初めにOffice 365担当のマーケティング部長Michael Atallaとチャットしたときには、その中で実際に”Google”の名前が言及されることはほとんどなかった。しかしZborowskiの場合は、藪をつつかなくても蛇がぞろぞろ出てくる。“OfficeのファイルをGoogle Appsに変換することはギャンブルだ”、と彼は書いている。“Microsoft OfficeとMicrosoft Office Web Appsを使えばOfficeのファイルを安全に作成し共有し編集できるのに、なぜOfficeファイルをGoogle Docsに変換するというギャンブルを冒すのか”。

Microsoftは、Webだけでなくタブレット上でもそうだ。と主張する。GoogleのタブレットアプリQuickofficeは、文書の変換をけっこううまくやってくれるが、しかしもちろん、Microsoftが示す例では違う(下図)。

では、最新のChromeドキュメントビューワはどうだろう? Zborowskiに言わせると、これも危険なギャンブルだ: “Googleが提供する最新のギャンブルは、同社のファイルビューワでMicrosoft Officeの文書を見ることだ。しかしこれすらも、リスクの大きすぎるギャンブルだろう”。

ブログ記事に添付されているビデオの中では、登場人物が、Docsにスイッチしたために昇進の機会を失っている:

二つ目の記事”Office is a team player”(Officeはチームプレーヤー)でZborowskiは、Google Docsには多くの重要な機能がどれもない、と主張している。何人かのMicrosoft Officeユーザが、彼に代わって証言している:

Officeはバージョンアップのたびに便利な機能がいくつも加わる。その中には2010年のペーストオプションのようなささやかなものもあれば、ExcelのFlash FillQuick Analysis のような重要な省力省時間機能もある。Officeは機能がとても充実しているので、仕事の生産性が高い。対してGoogle Docsでは、いろんなことを自分で工夫して実現しなければならない。時間もかかるし、ときにはそのためにサードパーティ製のツールを見つけなければならないこともある。

“Google AppsからOffice 365に切り替えたことによって、社員たちの自発的な協働体制が実現した。会社のどの部門でも、良い結果が得られている”[続きを読む]

– Andy Springer, Director, Rookie Recruits

これらと並行してMicrosoftが立ち上げたwhymicrosoft.comには、もっと多くの証言やスクリーンショットなどがある。これらのブログ記事を読んでもまだGoogle Docsへの乗り換えを検討している人たちに、とどめを刺すためだ。

この第二のブログ記事には、こんなビデオがある:

これらのGoogle Docs/Driveやっつけ作戦は、もちろんGoogle I/Oというタイミングをねらっている。とくにQuickofficeは、Microsoft Web Appsの強力な代替製品のベースになる重要なプロダクトだ。今は確かに、Microsoftが言うように、機能はMWAの方がGoogleのツールよりも充実している。しかし来週の水曜日(Google I/O)には、ベースであるQuickofficeの上に乗るものが、いろいろ発表されるのだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、学生の囲い込みを狙って、Office 365とSkyDrive 20GBを最大6ヵ月間無料トライアル可能に

Office 365の出荷を開始したMicrosoftが、今度は学生たちにもっと試してもらおうとしている。同社は既に学生向けOffice 365 Universityを4年間で80ドルと大幅に割引しているが、新たに学生がOffice 365を3ヵ月間、特典についてFacebookでシェアすればさらに3ヵ月間無料で使ってみられるキャンペーンを発表した。学生さちはSkyDriveのストレージ20GBも追加で使用できる。

Microsoftの広報担当者によると、このキャンペーンを行う理由は、「顧客らがSkyDriveを使ってドキュメントにアクセスし、どこでもどのデバイスからでも協働作業ができることを大いに満足している。中でも、学生はこの種のツールが役立つグループの一つだというフィードバックを直接聞いている」からだという。

この特典は、米国内で.eduのメールアドレスを持つ人全員が対象で、マーケティング・キャンペーンには“Parks and Recreation”のスター、Aubrey Plazaを登用している。.

Microsoftのこの分野最大のライバルはもちろんGoogleで、同社はDriveアプリを無料で公開している。しかし、Microsoft Officeの方が機能豊富で未だに多くの大学で標準になっているのは間違いない。それでも学界におけるMicrosoftの存在感は、多くの大学がOffice 365 for Education(旧 Live@Edu)を採用しているにも関わらず、縮小気味だ。

学生向け特典の殆どがそうであるように、この特典の狙いが学生たちをMicrosoft Officeエコシステムに囲い込むことにあるのは明白だ。しかし、文書ファイルはすべて標準フォーマットなので、いつでもファイルを持って出ていけるのはもちろんだ。トライアル期間終了後、Officeアプリは読み込み専用モードになるので、閲覧と印刷しかできなくなるが、もちろんファイルは自分の物で自由にSkyDriveからダウンロードできる(SkyDriveの基本Office Webアプリも引き続き利用できる)。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

Microsoft、一般ユーザー向けクラウド版Office、 365 Home Premiumをリリース―5年遅れでやっとGoogleドライブに反撃開始?

officeballmer

2006年にGoogleは後にGoogleドキュメントとなるサービスを初めて公開した。GoogleドキュメントはさらにGoogleドライブとなった。そして2013年に入ってやっとMicrosoftはGoogleの動きに反撃する決心をしたようだ〔*原注〕。

今日(米国時間1/29)、MicrosoftはOfficeの一般ユーザー向けオンライン版の最上位バージョン、Office 365 Home Premiumの再リリースを発表した。このサービスは(そうサービスだ)、 最大5台までのデバイスをサポートし、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteその他主要なOfficeアプリケーションがすべて利用できる。   また追加料金なしでSky Driveのオンライン・ストレージが20GB、 Skype通話が毎月60分まで利用できる。

このサービスはWindowsパソコン、タブレット、Macで利用でき、料金はアメリカでは年額99.99だ(月額8.34相当)。Office 365の大学版(学生、教職員向け)は4年間の契約で79.99ドルに割引される。

一回払いの箱入りソフトウェアも依然として購入可能だが、Microsoftはこのオプションをあまり宣伝する気はないようだ。Office Home/Student2013、 Office Home/ Business 2013、Office Professional 2013はそれぞれ伝統的箱入りソフトウェアとしても提供されるという。企業向けOffice365の最新版は2月27日にリリース予定。

Microsoftの公式ブログでCEOのスティーブ・バルマーは「今回一般消費者が初めてMicrosoft Officeを利用料金定期払い形式で利用できるようになった。これはわれわれのソフトウェア・ビジネスの根本的な変化に対応するものだ。Microsoftは今後、ソフトウェア事業者からデバイス・メーカー、サービス事業者へと変貌する」と宣言している。

変化だって? 変化が始まったことは5年(あるいはそれ以上)も前に誰の目にも明らかになっていたのではないだろうか?

バルマーは「現在Offeceを〔デスクトップで〕利用している10億人以上のユーザーの過半数はOffice 365サービスに移行するだろう」と主張するが、これは楽観的に過ぎる予測だ。もちろん企業向けソフトの世界ではMicrosoftは巨大な存在であり続けるだろう。しかし一般消費者、個人ユーザーは何年も前からクラウド上の軽量なアプリの利用へとシフトしている。Microsoftの次世代ユーザーとなる30歳以下の若い層はオンラインやモバイル・ネットワークで提供されるGoogleのアプリ(Googleドライブ)やAppleのiWorkで十分以上に満足している。Googleはたまたま(ではないかもしれないが)、昨日、iOS版のモバイルGoogleドライブのアップデートを発表した。これにはQuickOfficeが新たにサポートされている。Googleが昨年買収したQuckOfficeは従来のGoogleドライブ・アプリでは機能が不足する場合に有力なOffice代替機能を提供する。

一方でタブレットをメインのデバイスとして使うユーザー層は年齢を問わず、そもそもMicrosoft Officeを買おうと考えなくなっている。というのもタブレット版のMicrosoft Officeは存在しないからだ。OfficeのiPad/Androidネーティブなソフトウェアはまだリリースされていない(開発中だという情報はあるものの、一般公開はまだされていない。もちろんブラウザ版は存在する)。AndroidないしiOS版のデバイスのネーティブ・アプリが存在しない中で利用料金定期払い形式のサービスへの移行を急ぐのはリスクの高い戦略だと私は思う。Windows 8のセールスの出足が鈍い現状ではますますその感を深くする。

Microsoftはあらゆるプラットフォーム向けのネーティブなOfficeアプリの開発を急ぐべきだ。Google、Apple、に加えてCloudOnのようなスタートアップまで主要なすべてのモバイル・デバイスで動作するOffice代替アプリを提供し始めている中、 Microsoftがユーザーに有料のOffice-as-a-service(OaaS?)への転換を要求するのは容易ではあるまい。

〔原注〕* Officeの既存のウェブアプリはGoogleドライブのライバルとして勘定に入らないと思う。この記事を公開したところ賛否の反応が大きかったので、私の考えを補足しておきたい。まず私がOfficeとGoogleドライブやiWorkを比較した理由を簡単に説明しよう。Googleドライブは各種ブラウザとモバイル・プラットフォーム(iOS/Androidのネーティブ・アプリ)で単一のプロダクトとして作動する。iWorkはデスクトップ・ソフトウェアとiOSネーティブ・アプリとして作動する。しかしOffice 365は、その名前でも分かるとおり、デスクトップも含めて生産性ツールとしてのあらゆる機能をサポートすることを目的としている。しかしOffice Web Appsは365とは別系統の軽量プロダクトという扱いだった(Officeを非Windows環境で動作させるためにブラウザを経由させた)。Microsoftはこの軽量バージョンのOfficeをデスクトップとWindows 8タブレット以外のプラットフォームでもネーティブ・アプリとしてサポートすべきだった。365が一日も早く他のプラットフォームでもサポートされてこの状況が改善されることが望まれる。Office Web Appsは単なるGoogleドキュンントの後追いだった。今回のOffice 365のリリースで、初めてMicrosoftはSkypeやSkyDriveとの連携という独自性を打ち出すことに成功した。これでライバルに対するの競争力が大きく増したと思う。

〔Office 365 Home PremiumはMicrosoftの日本版サイトでは未発表。アメリカサイトのプレビューページ〕〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+