ソフトバンクが出資するインドのOyoが追加で従業員を一時帰休に、役員報酬もカット

インドの格安ホテルスタートアップOyoは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックにより売上高がおおよそ60%減っている。この対応策として経費削減を模索していて、グローバルでさらに多くの従業員を一時帰休とし、役員報酬を7月まで25%カットする。

OyoのCEOであるRohit Kapoor(ロヒット・カプール)氏は22日に開いたバーチャル対話集会の中で従業員にこのニュースを伝えた。ここ数カ月で同社は数千人を対象にした一時帰休と解雇をすでに実施している。

TechCrunchが入手した文書によると、カプール氏は「今日、当社はインドにとって困難だが必要なステップをとる。全てのOyoプレナーズ(役員会メンバー)に固定報酬の25%減を受け入れてもらう。これは4〜7月の支払いが対象となる」と述べた。

カプール氏は、影響を受ける従業員に同社が“限定された”福利厚生の提供を続けると強調し、今後追加の解雇は行わないと約束した。Oyoの広報担当はTechCrunchに対しそうした内容を認めたが、何人が一時帰休となるのかは明らかにしなかった。

Oyoの創業者で最高責任者のRitesh Agarwal(リテッシュ・アガーウォール)氏は今月初め、新型コロナ感染拡大がグローバルで同社の事業に深刻な影響を及ぼしていると話していた。その際、同社の客室稼働率と売上高は今年初めから50〜60%超落ち込んでいると述べた。

Oyoの2019年3月に終了する事業年度の世界全体の売上高は9億5100万ドル(約1024億円)で、3億3500万ドル(約360億円)の損失となった。

同社のこのところのパフォーマンスは孫 正義氏のソフトバンクにとって最新の打撃となる。ソフトバンクのポートフォリオにあるいくつかのスター企業は新型コロナで苦戦している。

ソフトバンクはすでに、昨年瓦解したWeWorkに訴訟を起こされている。そしてソフトバンクが強力にサポートしているもう1つの企業のUberは先週、2020年の業績予想を撤回した。ソフトバンクはこれまでにUberに19〜22億ドル(約2050〜2370億円)を株式投資している。

AIベースの貸し出しプラットフォームKabbage一時帰休を実施し、グローバルコミュニケーション企業OneWebは破産申請した。オンライン不動産売買スタートアップのOpendoorは先週、全従業員の35%にあたる600人を解雇すると明らかにし、eコマーススタートアップのBrandlessは今年初めに廃業した。不動産ブローカースタートアップのCompassも従業員を解雇した。

ソフトバンクは今月初めに2020年3月期決算が70億ドル(約7500億円)の赤字となり、営業損失は125億ドル(約1兆3000億円)に膨れるとの見通しを示した。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

ソフトバンクが「Vision Fundは1.8兆円の損失」と予測、本体もWeWorkとOneWeb投資が痛手

日本の巨大テクノロジー企業グループ、ソフトバンクは2019年度の損益見通しを発表した。これによれば、Vision Fundの損失は1.8兆円という巨額に上るという。

またソフトバンク本体の投資でも、シェアリングエコノミーのブームを代表したオフィススペース賃貸のWeWork、衛星通信のOneWebに対する投資の失敗が痛手となった。 投資先のテクノロジースタートアップのビジネスの失敗により、グループ全体での損失も7500億円となる予想だ。

この2年間、ソフトバンクとファウンダーの孫正義氏は、Vision Fundの数十億ドルの資金(大半は外部投資家のカネだったが)をスタートアップに投じてきた。機械学習、ロボティクス、次世代テレコムへの投資はやがて数千億ドルの利益を生むという見通しに賭けたものだった。

ともかく孫氏が投資家に売り込んだビジョンはそうだった。しかし実態は、WeWork、OpenDoor、Compassなどへの数十億ドルは要するに不動産投資だった。消費者向けビジネスではBrandlessは事業閉鎖 犬を散歩させるWagでは持ち分売却を余儀なくされた。食品配達のDoorDashへの投資も成功とはいえないだろう。これに加えて大口の投資を行ったホテルチェーンのOyoが苦境に陥っていることでVision Fundの「先見の明」に大きな疑問符がついている。

2019年はこうした投資先がいくつも暗礁に乗り上げた。見事なまでの崩壊をみせたのは、我々も繰り返し報じてきたがWeWorkだ。会社評価額は一時の400億ドル(約4兆3000億円)以上から約80億ドル(約8600億円)に急落した。

Brandlessは2020年初めに廃業した。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの発生により、ホテルのOyoに加えて不動産投資ではCompassも打撃を受けている。

もっともソフトバンクのVision Fundの投資先に失敗企業が続出しているのは事実だが、失敗の多くは経済全体に逆風が吹いている結果だ。またすべての投資が行き詰まっているわけではない。例えばVision Fundは上場前のSlackに巨額の投資をしている。しかも新型コロナウイルスによる否応ないリモートワーク化はSlackの強い追い風となっている。

ソフトバンクの投資の中で最も遠大なビジョンがあったのは(皮肉にもこれはVision Fundからの投資ではなかったが)衛星ネットワークのOneWebだったに違いない。しかし世界のいたるところに高速のインターネット接続サービスを提供するというビジョンは優れていたが、あまりに多額の資本を必要としたためその重みで自壊した。ピザのロボット配達サービス、Zumeも失敗している。

しかしこうしたギャンブルが軒並み失敗に終わってもソフトバンク自体が倒れない理由は、なんといっても大量のアリババ株という金庫を抱えているからだ。またコアビジネスのテレコム事業や傘下の半導体事業も堅調だ。

ソフトバンクは発表で次のように述べている。

「上記に加え、(2019年度比較して2020年度の)税引前利益の減少は、主として営業外損失の計上が予測されることによる。 2019年度における(Vision Fund外の)投資関連の損失総額は8000億円となる。これはAlibaba株式のPVF(プリペイド・バリアブル・フォワード)契約(による売却)から生じる利益によって部分的に相殺される。2019会計年度第1四半期に計上され、Alibaba株保有分の希薄化によって生じた利益は2019年度第3四半期に計上されている。またAlibaba株式関連の投資については対前年比での利益の増大があると予測される」。

結局のところ、孫氏は大胆かつ優れたビジョンを持つ投資家だという神話に自縄自縛となったのではないだろうか。この神話は外部の株主、投資家に損害を与えるものとなったようだ。

4月13日に、Bloombergはop-edコラムで次のように書いている

「(多額の投資をすることで)スタートアップをファウンダーが考えているより早く成長させ、予想以上の収益を上げさせることができる」という孫氏の主張は今や重荷となっている。これはVision Fundやソフトバンク本体への投資家にとって利益より損失を生むリスクをもたらしている。

多額のキャッシュをばらまいたために多数のスタートアップが財政規律を維持することを忘れ、金を使うことに夢中になってしまった。何年もの間、これは賢明な戦略のように見えた。ソフトバンクの投資を受けたスタートアップはライバルよりも多額のキャッシュをユーザー獲得のインセンティブや広告に支出し、、能力の高い人材を惹きつけることができた。これは市場市場シェアを得るために役立った。

現在、ソフトバンクはUber、WeWork、Grab.、Oyoなどの市場リーダーの大株主だ。 しかしナンバーワンになることと、利益を上げることはまったく別の話だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

格安ホテルOyoが従業員数千人を一時帰休、新型コロナで売上高50%以上減少

格安ホテルチェーンを運営するOyo(オヨ)は、米国など複数の市場で従業員数千人を対象に最大3カ月の一時帰休とした。新型コロナウイルスの感染拡大により売上高と需要が50%以上減少した。

事情に詳しい関係者によると、一時帰休によって最も影響を受けるのは米国だという。Oyoは声明で一時帰休について認め、同社にとって国内市場であるインドは影響を受けなかったと付け加えた。同社は雇用者の削減はしないと述べ、一時帰休者を含め従業員に対する医療や薬に関する福利サポート提供を約束した。

創業者兼最高経営責任者であるRitesh Agarwal(リテシュ・アガワル)氏は従業員へのビデオメッセージで、新型コロナの感染拡大が世界中でビジネスに深刻な影響を与えていると語った。稼働率と売上高は、年初に比べ50〜60%「以上」下落したと述べた。

Oyoは2019年3月31日に終了する事業年度で、全世界ベースで9億5100万ドル(約1030億円)の売上高に対し、3億3500万ドル(約360億円)の損失を計上した。

ソフトバンクが支援する同社の一時帰休は、インドや中国などの市場でこの数カ月で5000人の従業員と請負業者をレイオフしたことに続くものだ。

世界中のビジネスを混乱に陥れた新型コロナのパンデミックは、ソフトバンクにとって新たな逆風となり、WeWork(ウィーワーク)、Kabbage(カバッジ)、OneWeb(ワンウェブ)などのポートフォリオのスタートアップの多くが従業員の一時帰休または破産を選択している。

WeWorkは昨年IPOの申請を急いだもののガタガタになった。孫正義氏率いるソフトバンクが30億ドル(約3260億円)の公開買付けを開始しないと表明後、WeWorkは契約違反および善管注意義務違反でソフトバンクを訴えた

昨年、投資家のLightspeed Partnersなどから株式を買い戻してOyoへの出資比率を約33%に引き上げたアガワル氏はOyoの貸借対照表について「厳しいストレスにさらされている」と述べ、「あらゆる管理可能なコストを見直し、削減することを余儀なくされた」 と続けた。

「その一環として、将来を見据えた設備投資、M&A、不要不急の出張や新規の支出などを1カ月以上前にすべて停止した」。同氏は今年の残りの給与を受け取らない予定だ。経営幹部も給与を最低25%引き下げることに同意している。

インドで2番目に価値の高い100億ドル(約1兆900億円)規模のスタートアップである同社は、多くのホテルチェーンパートナーが契約を順守していないと主張しており、ここ数カ月間は動向が注視されていた。

Oyoは先月、売上保証などの特典を世界中のホテルパートナーに付与する慣行を終了し、ホテルパートナー向けに新しい契約を展開していると述べた。

「私と当社のリーダーシップチームにとって、長期的な成功に必要な正しい決定と、会社の長期的なキャッシュランウェイ(キャッシュフローが赤字の間、手元資金で乗り切れる期間またはその期間の経営)の視点から正しいことを行うことが重要だ」とアガワル氏は4月8日に述べた。

「Oyoの中国のホテルパートナーは需要の高まりを感じ始めている。当社は今後も世界中の当局と協力して、新型コロナと戦うために医療従事者や最前線の人々にホテルを提供する予定だ」と同氏は付け加えた。

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(翻訳:Mizoguchi

ソフトバンク出資のインド格安ホテルチェーン「Oyo」が世界で5000人レイオフ

米国時間3月4日、インドで説立された格安ホテル仲介のスタートアップであるOyoは、世界で5000人のレイオフを実施すると発表した。支出を削減し収益性を向上させるためだという。

今回の人員削減により、Oyoの社員数は世界80カ国合計で2万5000人程度となる。Oyoの広報担当者はこの人員削減はOyoが1月に発表したリストラの一部だとして次のように述べた。

「OYOは2020年1月に発表したリストラをグローバルで実施中だ。中国における最近の施策もこれに沿ったものだ。中国はOYOの住宅供給事業の重要な市場だ。我々は界の数百万人の中所得層の人々に質の高い生活を提供するというコアなミッションを果たすために、何千ものOYOパートナーとの協力を続ける。新型コロナウィルスがもたらす困難な状況の中でも、善意にあふれ強靭な回復力がある中国社会をあらゆる方法で支援し続ける。パートナー、社員、顧客のすべてに対し、力強い協力に感謝したい」。

Bloombergの報道によれば、、レイオフは主としてOyoの中国におけるビジネスに関連するものだ。同社は中国で6000人の常勤社員の半数をレイオフする。インドや米国でも4000人の裁量労働契約の社員を「一時的に」解雇する。つまりビジネスが回復すれば一部は再雇用される計画という。

Ritesh Agarwal(リテシュ・アガルワル)氏 が創立し、ソフトバンクが巨額の投資をしているOyoはインド国外にも積極的に進出を続け、最近では世界最大のホテル宿泊仲介サービスとなることを目指していた。

急拡大の過程で同社は15億ドル以上を調達した。 昨年10月に26歳のアガルワル氏はさらに15億ドルの資金を求めており、うち7億ドルは個人として調達したことを発表した

しかし昨年、ソフトバンクが巨額を投じたもう1つのスタートアップ、WeWorkの経営悪化が劇的に明らかになった後、Oyoに対する視線も厳しくなっていた。

今年初めのNew York Timesの記事によれば、Oyoのパートナーとなったホテルの多くがOyoが契約条項を守らず、だまされたと感じており、深刻な財政状態に陥っているという。インドのビジネスメディア、The KenはOyoは非現実的な目標を示し、社員にかける圧力を増大させたことを詳しく報じた

Oyoは2019年3月31日を終期とする会計年度で、世界で9億5100万ドル(約102億3000万円)の収入があったものの3億3500万ドル(約360億3600万円)の損失があったことを明らかにしている。前年の損失は5000万ドル(約53億8000万円)だった。アガルワル氏は1月にブログに次のように書いている

「これらの意思決定の一部、ことに人員配置モデルの変更に関連する決定は困難なものだったが、Oyoのビジネスおよび2万5000人以上のOYO提携者の利益となる正しいものだったと信じる。我々は困難な時期を終わろうとしており、まもなくリストラは完了する。2020年以降は力強く安定した成長を続けることになるだろう」。

画像: Akio Kon/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

格安ホテルOyoの2019年3月期決算は売上高約230億円増加も損失も6倍以上に拡大

格安ホテル運営スタートアップのOyo(オヨ)は、2019年3月31日に終了する事業年度の世界全体の売上高9億5100万ドル(約1050億円)に対し損失は3億3500万ドル(約370億円)になったと発表した。インドに本社を置く同社は積極的な拡大に慎重になっており、今後の支出削減を約束した。

創業6年目を迎える同社の2019年度の売上高は2018年3月31日に終了した事業年度(2018年度)から2億1100万ドル(約230億円)増加した。OYO Hotels&HomesのグローバルCFOであるAbhishek Gupta(アビシェク・グプタ)氏は声明で「当社の売上高の成長と、今年は利益計上へ向かうという明確な目標は方向性が一致している」と述べた。

だが損失も拡大した。2019年度の連結純損失は3億3500万ドル(約370億円)で、2018年度の5200万ドル(約57億円)から6倍以上拡大した。インドでは、2019年度に6億400万ドル(約660億円)の売上高を計上し(2018年度から2.9倍に増加)、純損失を2019年度の売上高の14%(前年度は24%)の8300万ドル(約91億円)に減らすことができた。

インドの法律は、すべてのスタートアップや国際的な企業に財務情報を毎年開示することを義務付けている。ほとんどの会社は10月上旬に財務報告を提出する

Oyoは現在、80カ国800都市に4万3000を超えるホテルで100万室以上を運営している。中国を含む海外市場での事業拡大が損失の要因だと同社は説明した。同社は2018年、世界で最も人口の多い中国に進出し、同国はすでに同社にとって2番目に大きい市場になったという。

「海外市場は世界全体の売上高の36.5%を占める。すでに粗利率の上昇が見られるインドのような成熟市場で収益性が一貫して改善している一方で、来年度(2020年度)は当社にとっての新市場でも同じ財政規律を達成することを決意した」と同社は声明で述べた。

かつて同社の最高経営責任者を務め、現在取締役会のメンバーであるAditya Ghosh(アディティア・ゴーシュ)氏は記者らとの電話で「Oyoは昨年多くの市場に参入して成長ステージに突入し、投資を必要としている」語った。特に中国について同氏は「他の多くの企業と同様、一部のホテル閉鎖に至った新型コロナウイルスの発生を注視している」と語った。

同氏はまた「Oyoが複数の市場から撤退し、インドでも約200の都市から撤退した」と述べた。「当社は現在新しい市場への拡大を検討していない」と同氏は付け加えた。

現在は粗利率の改善に取り組んでいる。インドの粗利率は、2018年度の10.6%から14.7%に上昇した。

Oyoの海外市場における成長

Oyoはここ数カ月間精査されている。一部のアナリストは同社の積極的な拡大は持続可能ではないと主張している。同社は独立した格安ホテルを改装してOyoブランドに変えているが、2020年初めにNew York Times(ニューヨークタイムズ)が報じたように、ホテルを新たに登録したように見せるうわべだけの方法にも関与した。何人かのホテル経営者は、Oyoが契約を順守せず、支払いも残っていると主張する。

2019年、Airbnb(エアビーアンドビー)も投資しているOyoは、欧州や米国などの市場に進出した。欧州のバケーションレンタル市場を狙って、Axel SpringerからLeisure Groupを4億1500万ドル(約460億円)で買収した後、このビジネスにさらに3億3500万ドル(約370億円)を投資する計画を発表した。同月、同社として米国で最初の不動産購入となる、約1億3500万ドル(約150億円)でのHooters Casino Hotel Las Vegas買収を発表した。

また、ソフトバンクと提携し日本にも進出した。Bloomberg(ブルームバーグ)は2月16日、Oyoが現在、日本国内に約1万2000の部屋を持っていると報じた。しかし100万という野心的な目標には遠く及ばない。

Oyoの幹部はこの数カ月、同社の成長があまりに急激なため、多くの「創業初期に特有の問題」に直面していることを認めた。同社は過去3カ月間、主にインドで少なくとも3000人の従業員を解雇した。ゴーシュ氏によると、同社はまだ新しいポジションの採用を続けているが、データサイエンスなどの重要な分野でのみ採用しているという。

「コーポレートガバナンスに注力するとともに、高いパフォーマンスを生み出し従業員を優先する企業文化を構築して、当社の持続可能な成長を次の段階でも推し進める」とグプタ氏は述べた。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

インドOyoがコペンハーゲン拠点のデータサイエンス企業を10億円で買収

インドのOyo(オヨ)は9月2日、コペンハーゲンに拠点を置くデータサイエンス企業であるDanamica(ダナミカ)を買収すると発表した。Oyoは急速に成長する宿泊施設のスタートアップ企業として、ヨーロッパでのビジネスを拡大する狙いがある。

いずれの当事者も買収条件を公表していないが、本件の情報筋はTechCrunchに、Oyoがこのデンマーク企業を買収するために約1000万ドル(約10億円)を支払ったと語った。

2016年創業のDanamicaは、機械学習ツールと「ビジネスインテリジェンス機能」を開発し、賃貸物件のダイナミックプライシングに特化している。Oyoによると、Danamicaのアルゴリズムは1時間ごとに144,000のデータポイントを分析し、97%の予測精度で毎日6000万件の価格変更を行い、ホテルの収益増加に貢献している。Oyoが海外拠点を拡大しつつある中、DanamicaがOyoの技術的専門知識を強化するのに役立つとのことだ。

インド最大のホテルチェーンであるOyoは、他の国でも急速に拡大している。すでに80カ国でビジネスを展開する。Oyoの運営する100万室のうち約半分がある中国には昨年進出した。

Oyoは数週間前に、ヨーロッパのバケーションレンタル事業に3億ユーロ、今後数年間の米国の事業拡張に3億ドルをそれぞれ投資する計画を発表したが、今日の発表はそれに続くものだ。今年5月、Oyoはアムステルダムに拠点を置くホリデーレンタル会社LeisureをAxel Springerから4億1500万ドルで買収した。

OYO Vacation and Urban HomesのグローバルヘッドでOYO Hotels&Homesの最高戦略責任者を務めるManinder Gulati(マニンダー・ガラッティ)氏は声明で「ヨーロッパに拠点を置く機械学習およびビジネスインテリジェンス企業でありダイナミック・プライシングに特化するDanamicaの買収を発表できることをうれしく思います。ダイナミック・プライシングはより正確な価格設定を可能にし、それにより不動産所有者の効率と収益性が向上し、OYO Vacation Homesを選ぶ何百万人もの世界中のゲスト(旅行者と都市居住者)にも払うお金に見合う価値を提供します」とコメントしている。

今年7月、OyoはOyo Workspacesの立ち上げによりコワーキングスペース市場に参入した。 同社の幹部はニューデリーで行われたメディアカンファレンスで、来年末までにOyo Workspacesをアジアマーケットで最大のプレーヤーに育てることを目指していると語った。市場シェアの早期獲得のため、OyoはインドのコワーキングスペースのスタートアップのInnov8を買収したと述べた。情報筋によれば、OyoはInnov8を買収するために約3000万ドルを支払ったようだ。

同月、ソフトバンクが支援するOyoの創業者で25歳のRitesh Agarwal(リテッシュ・アガーウォール)氏は、同社に早い時期から投資していたLightspeedとSequoiaが持分を現金化するタイミングで、自身の持分を3倍にするために20億ドル投資した。この投資がOyoのバリュエーションを100億ドルに引き上げた。

画像クレジット:Ramesh Pathania / Mint / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

インドのホテルスタートアップOyoが創業者の株式購入で企業価値1兆円超え

急成長中のインドのホテルスタートアップであるOyoが、同社の創業者Ritesh Agarwal(リテッシュ・アガーウォール)氏がベンチャーキャピタルSequoia CapitalとLightspeed Venture Partnersから20億ドル(約2150億円)の株式を購入し、企業価値が100億ドルになったと米国時間7月19日に発表した。

現在25才のアガーウォール氏はOyoを当時19才だった2013年に創業した。今やグローバルのホテルチェーンとしてかなりの成功を遂げ、 The Wall Street Journal(WSJ)によると、アガーウォール氏はRA Hospitality Holdingsというケイマン諸島の企業を通じて株式の持分を10%から30%に増やすことにした。このラウンドではソフトバンクも持分を増やし、Oyoの株式の半分近くを所有している。

Oyoはこれまでに自己資本で16億ドル(約1700億円)を調達し、直近のラウンドで企業価値は50億ドル(約5380億円)に達していた。他の出資者としては、Airbnb、Grab Holdings、そしてDidi Chuxingが名を連ねる。

Oyoは80カ国800都市でホテル2万3000軒を展開している。最近、同社は米国マーケットに3億ドル(約320億円)を投資する計画を明らかにした。米国では現在10州35都市でホテル50軒超を運営している。

インド・グルガオンを拠点とするOyoは今週はじめ、Oyo Worksplacesを発表した。この新事業は従業員200人超を抱えるコワーキングスタートアップのInnov8の買収で生まれた。TechCrunchのManish Singhの記事によると、この設立4年のスタートアップは約3000万ドル(約32億円)で買収された。

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(翻訳:Mizoguchi)

インドの急成長ホテルスタートアップ「OYO」がコワーキングに進出

ホテルチェーン事業を80カ国以上に拡大しているインドのOYOは、共同住居スペースの分野にも参入している。昨年9月以降、Airbnbなどのビッグネームからおよそ10億ドル(約1080億円)を調達したOYOは、新たにコワーキングスペース事業に乗り出す。

インドのグルガオンを拠点とする同社は、7月16日に「OYO Workplaces」を発表した。すでにインドの10都市で20以上の拠点が運営され、1万5000人以上が利用できる。Swiggy、Paytm、Pepsi、Nykaa、OLX、Lenskartなどの企業の6000人以上が、同社のサービスと契約している。

ニューデリーで開催された記者会見で、OYOのNew Real Estate Businesses(新規不動産部門)のCEO、Rohit Kapoor氏は「OYO Workspacesの拠点を年内に50カ所開設する計画で、来年末までにはアジアで最大のコワーキング事業にすることを目指している」と語った。

発表の中でOYOは、従業員200人以上、16カ所の拠点を持つコワーキングスペースのスタートアップ、Innov8を買収したことを明らかにした。4年前に起業したInnov8は、関係筋によると3000万ドル(約32億円)で買収された。

Innov8は、OYO Workspacesの3つのブランドのうちの1つだ。あとの2つ、WorkfloとPowerstationは安価なスペースを求める人を対象としていて、月額6999ルピー(約1万1000円)から利用できる。Innov8はプレミアムという位置づけだ。

インドのコワーキングスペースは、比較的新しい分野のビジネスではあるが、3億9000万ドル(約420億円)規模と見られている。それでもオフィスと事業用不動産のビジネスが300億ドル(約3兆2000億円)であることから見ればごくわずかだ。Kapoor氏は、OYOはコワーキングスペース市場でインドのリーダーになるだけでなく、市場規模そのものも拡大させていくだろうと述べている。OYO Workspacesはこれから、91Springboard、GoHive、Awfis、GoWork、そしてグローバルで成功しているWeWorkと戦っていくことになる。

OYO Workspacesはすべての拠点で、Wi-Fi接続、施設内キッチン、ハウスキーピング、倉庫、駐車場などのサービスを提供していく。価格は、現在もかなりディスカウントしているが、月単位または四半期単位のパスも提供して価格を下げる。

OYOのホテル事業は85万室以上を取り扱い、1日に50万人以上が利用している。各地のホテルと提携して積極的にビジネスを拡大し、世界第3位のホテルチェーンとなっている。TechCrunchが以前に報じた通り、同社は設立から6年で、最新の資金調達ラウンドでは50億ドル(約5400億円)以上と評価された。

OYOはリスティングと予約プラットフォームの両方を提供しており、売上の大半はフランチャイズと予約によるものだ。Kapoor氏は、OYOがインドと東南アジアの事業に今年投資する予定の2億ドル(約215億円)の一部がコワーキング事業に充てられる予定であると語った。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ホテル予約サービスの5600億円企業OYOが日本でソフトバンクとの合弁事業を発足

Airbnbから大型投資を受けたことで話題になったインドの宿泊ネットワーク、OYOが日本に進出することを正式に発表した。これは大株主である、ソフトバンクとの合弁事業となる。昨年のOYOの10億ドルのラウンドはVision Fundがリードした。 OYOは中小規模のホテルを中心とする宿泊施設のレンタルとリースのネットワークをアジア全域で展開している。

合弁事業の財務の詳細は発表されなかった。TechCrunchの取材に対し、OYOは回答を避けた。

OYOはインドでスタートし、当初は地元の格安ホテルの予約サービスだったが、その後、中国、マレーシア、ネパール、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、フィリピンに事業を拡張した。中でも中国ではOYOの宿泊ネットワークにはインド本国の2倍の施設をリストアップするという成功を収めている。

同社の成長はこうした地理的なものにとどまらず、格安ホテルのロングテールネットワークから幅広いホスピタリティーサービスへとビジネス自体も進化を遂げている。事業内容は中小ホテル、個人所有の家やアパートのレンタルを中心としているが、特にインドでは結婚式場、ホリデイパッケージ、コワーキングスペースの提供まで幅広いものとなっている。コア事業の宿泊サービスはホテルチェーンの部屋のレンタルと物件のリースのミックスだ。当初格安の部屋を探せることがセールスポイントだったが、現在では出張客にも対応している。

日本での事業は OYOの創業チームの一員というPrasun Choudharyだ。これまでOYOはまず進出先地域の中小の独立系ホテルあるいはホテルチェーンの所有者にアピールしてきた。利用者側からみると、格安から中程度のホスピタリティーを探す国内外の旅行者が主なターゲットとなっている。ホスピタリティーというのはOYOのファウンダー/CEO、Ritesh Agarwal氏(この記事のトップ写真)が宿泊関連サービス全般を指して使っている用語だ。

Agarwal氏はビリオネアで投資家のPeter Thiel氏によるThielフェローの1人に選ばれ、2011年に18歳の若さでOYOをスタートさせた。最初の会社はOravelというAirbnbのクローンだったが、すぐに事業内容をピボットさせて社名もOYOとなった。同社は合計15億ドルの資金調達に成功しており、現在の会社評価額は50億ドル前後だ。

ソフトバンクはこれまでもビジョン・ファンドの投資先企業の日本上陸を助けてきた。これにはコワーキングスペースのWeWork、中国のタクシー配車サービスの滴滴出行(Didi Chuxing)、インドのオンライン支払サービスのPaytmなどが含まれる。

【訳注】今回発表された事業はOYO Hotels Japanだが、TechCrunch Japanでは3月末にOYO Life Japanの短期賃貸事業について報じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Airbnbの利用者が5億人を突破

Airbnbなら1泊181ドル(約2万円)でアイルランドのゴールウェイにあるお城に泊まれます。

お城のプライベートルームに多くの人が注目し、予約を集めているという。こんな楽しい情報とともに、Airbnbが創業以来12年の成長の軌跡を示すさまざまな数字を公開した。

最も注目すべき数字は、Airbnbに登録されている600万の家、移動式の住居、ツリーハウス、ボートなどの利用者が、5億人を超えたというものだ。

Airbnbの積極的な拡大戦略からすれば、5億人を超えたことに驚きはない。310億ドル(約3兆4千万円)の価値があるとされている同社は先日、およそ4億6,500万ドル(約500億円)の価値があるとされているHotelTonightを買収すると発表した。

Airbnbの長期的なゴールは、ホームシェアリング、ホテルの予約、出張の手配、体験などエンド・ツー・エンドの旅行全般にわたるプラットフォームを構築することだ。直前の宿泊を手配できるモバイルアプリのHotelTonightを買収したことで、ピア・ツー・ピアのレンタル市場の支配が加速する。最も欲張りなユニコーンであるAirbnbは、Crunchbase Newsによるとインドのホテルのスタートアップ、Oyoの株式購入も検討しているという

分析プラットフォームのSecond Measureによれば、Airbnbは急速に既存のホテルビジネスを追い抜いている。2016年以降、Airbnbの売上は3倍に達したが、一方で大手ホテルチェーンの成長は11パーセントにとどまっている。Airbnbの年間売上はIHGとヒルトンを上回り、マリオットをも超えようとしている。マリオットといえば2016年にスターウッドホテルを買収して以来、業界を支配してきた存在だ。

2019年か2020年のIPOを検討していると言われるAirbnbにとって、こうした数字はすべて幸先の良いものだ。同社はこれまでに、Andreessen HorowitzやSequoia Capitalなどのベンチャーキャピタル投資家からの借入金とエクイティファンドで合わせて44億ドル(約4800億円)を調達している。 Airbnbは1月に、EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加えた利益)ベースで2年連続で黒字になったと発表していた。

利用者が5億人の節目を迎えたことに加え、Airbnbのプラットフォームを利用してスペースを提供しているホストの報酬の合計が650億ドル(約7兆円)に達したことも発表された。Airbnbのプラットホームで利用できる部屋数も152パーセント増えているという。利用者の地理的分布も、利用する目的地も広がっている。

そしてホストの年齢も幅広くなっていて、米国ではシニア層が急成長している。一方、ここ3年間で予約をした利用者の70パーセントは40歳未満だ。世界中のミレニアル世代がAirbnbで310億ドル(約3兆4千億円)の旅行を予約している。

現在Airbnbはピア・ツー・ピアのレンタル市場を支配しているが、Expediaは子会社のHomeAwayとBookings Holdingsを通じてBookings.com、Kayak、Pricelineが健闘しているためシェアを獲得しつつある。Airbnbが現在の成長スピードを維持するのは難しいかもしれない。

Image Credits:Airbnb

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(翻訳:Kaori Koyama)