オンデマンド「犬の散歩代行」のWag、密かに資金調達ラウンドを実施

先週本誌は、ペットケア・ビジネス大手のRoverとDogVacayが合併を決めたことを報じた。一方情報筋によると、犬の散歩代行サービスのWagは市場拡大のために、過去2年間に2ラウンドの資金調達を行っていたことがわかった。

WagとDogVacayとRoverは似ているようにみえて、運営形態に重要な違いがある。DogVacayとRoverは、「マーケットプレイス」的モデルで、ペットシッターや散歩代行人はペットオーナーと直接連絡を取りあってペットを預かる。

それに対してWagはオンデマンド方式で、会社が散歩代行者を事前に選定しておき、要求に応じて都合のよい散歩人を派遣する。つまりWagは、AirbnbよりUberかLyftのような運営形態をとっている。これは散歩人の選定プロセスについても新市場への拡大についても言えることだ。

Wagは順調に市場を拡大している。2年前に本誌で紹介したときWagはオンデマンド散歩代行サービスをサンフランシスコでもスタートしたところだった。あれ以来、ロサンゼルス拠点の同社は数多くの都市でサービスを展開してきた。現在Wagの散歩代行サービスが受けられる場所には、オースチン、ボストン、シカゴ、デンバー、マイアミ、ニューヨーク、オレンジカウンティ、ポートランド、サンディエゴ、サンノゼ、シアトル、およびワシントンDCがある。

地域拡大のためにこれまで同社は未発表のラウンドで資金を調達してきた。過去2年間にシリーズAでGenral Catalystから、シリーズBでSherpa Venturesから資金を受けた。

情報筋によちると2回のラウンドで獲得した金額は合計1900万ドルで、General Catalystが400万ドル、Sherpa Venturesが昨年秋に1500万ドルを投入した。Wagはそれ以前にシード資金として240万ドルを、Freestyle Capital、CrunchFund、Greylock、Ludlow Ventures、RRE Ventures、Social Leverage、およびStructure Capitalから調達している。

WagとGeneral Catalystの広報はコメントを拒んでおり、Sherpaの広報は本誌の問い合わせに返答していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

猫の水飲み量を知ることは健康チェックに欠かせない、そこで電脳水飲み器Puraが登場

puracat

猫を水のところへ連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない。猫は腎臓疾患になりやすいが、それなのに頻繁に脱水状態になるのは、渇きの感覚が十分に発達していなかったり、飲水の選り好みが激しいからだ。台北在住のロボット学者が作ったPuraという水飲み器は、猫をその気にさせるデザインであるだけでなく、飼い主がお猫様の水の摂取量をチェックできる。

Puraは今Indiegogoで資金募集中だが、それを作った台北のNoacare社は、ロボット科学者のLi-wei WuがCEO兼CTOだ。彼はこれまで台湾のいろんなトップテクノロジ企業や航空宇宙企業に在籍した。Foxconnもその一つだ。同社にはRed Dot Design Awardという権威ある賞を受賞した人や、獣医、そして人工知能の研究者もいる。彼らが見せてくれたPuraの実動プロトタイプは先週、同社のオフィスで50匹の猫でテスト済みだ。

Pura app

Puraで猫が飲んだ水の量は、猫の首輪につけたBluetoothタグが教えてくれる。猫は一匹ずつそのプロファイルをセットアップし、するとアプリが猫の品種や年齢、体重、フードはドライかウェットか、などに基づいて、毎日飲むべき水の量を計算する。猫が水飲み器にやってくると、首輪のタグがPuraのモニタリングシステムをトリガし、猫が去ったら水の減った量を報告する。

アプリは、猫が飲んだ水の量が少なすぎたり多すぎるとアラートする。とくに、突然の多飲は腎臓や肝臓の疾患の疑いがある。

この水飲み器には、猫フレンドリーな工夫がいくつかある。猫はキッチンの蛇口やトイレの水洗など、動く水が好きなので、この水飲み器もたえず水が勢い良く流れている。ただし水の流れが猫のヒゲを濡らさないようにしてある(ヒゲが濡れると嫌がるので)。底の部分は重くて、滑り止めがしてある。不機嫌な猫がひっぱたいても、動かない(ほかの猫とチームを組めば動くかも)。

これまでの猫用水飲み器に比べると、おもしろい特徴がいっぱいあるが、おもしろいだけでなく耐久性もあり、洗いやすい。バクテリアの繁殖を防ぐために、水飲み器を洗うことと、水の交換は必須だ。

今の猫用水飲み器は、分解が面倒なのが多い。私は今、日本のGEXというブランドのを使っているが、電動フィルタを三つの部品に分解してから、ブラシで洗うのだ。ちょー面倒。Puraは下図のように、全体が三つのパーツから成る。最上部は水飲み用のお皿、その下が活性炭粒子を使ったフィルタ、いちばん下が水容器で、モニタリングシステムや撹拌機なども収まっている。分解して洗うのに数分しか、かからない。

Pura components
欠点らしきものといえば、首輪のタグを嫌がる猫もいるのでは、ということ。私の猫は、首輪そのものを嫌がる。だから、かんじんのアプリを使えない。タグが首輪の面から突出しない平滑なデザインは、部品が多くて無理だった。今後は、体内埋め込みのRFIDチップを使う方法など、いろいろ考える、と彼らは言っている。

Puraはクラウドファンディングの締め切りまであと25日あるが、すでに目標の10万ドルの半分まできている。製造は、台湾の工場で行う。Indiegogoに載せたのは、グローバルな関心を知りたかったからだ。資金募集に成功したら、発売は2016年4月を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ネットから制御する自動給餌機SmartFeederでペットの過食と肥満を防ぐ

【抄訳】

ロサンゼルスのPetnetが今日(米国時間1/21)、112万5000ドルのシード資金を獲得したと発表した。投資家はGrishin RoboticsKima VenturesSparkLabs Global Ventures、そしてLaunch Capitalだ。Petnetは得られた資金を、最初の製品であるSmartFeederの商用化に投じ、発売は今年半ばを予定している。なお、オーストラリアのペット用品ショップPetnetと、こちらのPetnetはお互いに無関係である。

ここ数年でペットケア産業は不況に強いことを証明した。American Pet Products Associationの統計によると、2008年の世界金融危機のあとでもペット製品への支出は着実に成長を維持し、2013年には合衆国における支出額が推計で555億3000万ドルに達した。その38%、212億6000万ドルが、フードだ。

またアナリスト企業のEuromonitorによると、ペットケア市場は世界的にも成長しており、2013年の総売上は960億ドルと推定される。

ペットのオーナーには、他の支出を切り詰めてでもペットにはお金を投ずる傾向がある。中には、あまりにもやりすぎではないか、と思われるほどの可愛がり方も見受けられる。Association for Pet Obesity Prevention(ペットの肥満防止協会)によると、合衆国の犬と猫の推定54%が、過食による太りすぎ、ないし肥満である。それは言うまでもなく不健康であり、さまざまな疾病の原因、そして短命の原因になりやすい(典型的には、糖尿病、腎臓病、心臓病、癌、関節の障害など)。

今売られているペットフードの給餌機、たとえばPetmate Le Bistro Portion-Control Automatic Pet Feederなどは、タイマーとドアシャッターを使って給餌量を制限する。ペットの首にスマートIDをつけておき、ペットの接近を感知したら給餌機がシャッターを開けて一定量のフードを出すのだ。

後発のPetnetが考えたのは、物のインターネットを利用するペット給餌機だ。定価199ドルのSmartFeederには、インテリジェントなセンサ、学習アルゴリズム、ペットの食餌要件に基づいて給餌量や給餌スケジュールを計算するプロセッサ、などの機能がある。給餌が終わったら飼い主にアラートし、また給餌機内のフードの量が少なくなりすぎるとアラートする。需要はすでに活発で、今現在10000を超える予約が集まっている。

SmartFeederの競合ないし類似製品には、Bluetooth LEを利用するペットトラッカーPuppyや、インターネットからコントロールするペットの遊具PetcubeEggなどがある。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))