ニューヨークの電力網に負担をかけずに電動モペッドの電力を供給するためにRevelはゲーム化したアプリを利用

Revel(レベル)が、ニューヨーク市の電力網に負担をかけずに3000台以上の電動モペットへの充電を行うために、エネルギー使用をゲーム化したアプリを利用する。

ブルックリンを拠点とするこのスタートアップにとって、電気は重要な要素だ。最近同社のサービスは、電動モペッドの共有だけでなく、電動バイクのサブスクリプション急速充電インフラ、さらには電気自動車(EV)の配車サービスにまで拡大している。Revelが運用コストを可能な限り低く抑えるためには、単なる電力の利用だけでなく、電力を利用するタイミングも管理することが不可欠だ。

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そこで、登場したのがLogical Buildings(ロジカル・ビルディング)だ。このソフトウェア会社は、利用者が毎月のエネルギー消費量を減らし、それによって、現金報酬を得ることができるアプリGridRewards(グリッドリワーズ)を開発した。このアプリの「仮想発電所」ソフトウェアは、Revelが保有する車両の充電スケジュールを動的に調整し、ニューヨーク市の電力網の弾力的運用をサポートするのに役立つと両社は述べている。

RevelのCOOで共同創業者のPaul Suhey(ポール・スヘイ)氏は「当社は電動モビリティ製品を拡大していく中で、電力網の負債ではなく資産となることを計画しています」と述べる。「私たちのEVインフラと充電オペレーションは、ニューヨーク市がよりクリーンな電力網に移行する際に大きな役割を果たすことができます」。

電気自動車の導入やマイクロモビリティの共有サービスが増加しているため、多くの業界関係者がバッテリーと電力網間でのエネルギーを転送を模索している。EVのバッテリー交換を行うAmple(アンプル)は、同社の交換ステーションを緊急時のバックアップ電源として利用できるとしている。また、フォードの新型ピックアップトラック「 F-150 Lighting」も、停電時に自宅の電力を供給することができる。

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Revelの場合、電力網の解放が即座に必要な場合には、迅速に充電ステーションからの負荷を軽減する「デマンドレスポンス」(需要反応)オペレーションのようなサービスを提供したいと考えている。これは同社が先にニューヨークで実施したような運用だ。6月28日の猛暑の中で、Revelは需要のピーク時を避けるために、車両群の充電スケジュールを調整したのだ。

Revelによれば、エネルギー需要が高い時には、発電所から単位電力あたり2倍の二酸化炭素と20倍の窒素酸化物が排出されるため、ピーク時の需要を避けることで、よりクリーンな電力網の構築にもつながるという。

Revelまた、完全EV配車サービス用にTesla(テスラ)も所有しているが、このサービスは、市でのハイヤー新規導入に上限が設けられたため、サービスの停止を余儀なくされている。しかし現時点では、同社がこの技術を適用するのは電子モペッドに限定されている。

Logical Buildingsの業務担当副社長であるDavid Klatt(デビッド・クラット)氏は「交通機関の電化が進む中、電気モビリティ会社は電力網の弾力性を高めるための充電スケジュールを立てることが重要です」という。「Revelは、ニューヨーク市の円滑な電化と脱炭素化に道を開く、インテリジェントな充電オペレーションのリーダーとなるために必要な措置を講じています」。

カテゴリー:モビリティ
タグ:ニューヨーク電力網電動モペッドRevel電気自動車充電ステーション

画像クレジット:Revel

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

「街の電動化」を目指すRevelが50台のテスラ車で全電動配車サービスを開始予定

Revel(レベル)は2018年、ニューヨーク市ブルックリン区でドックレス方式による電動モペットのシェアサービスを開始した。後にそれは、クイーンズ区、マンハッタン区、ブロンクス区、さらに米国内の他の都市にも拡大された。2021年になり、同社はニューヨーク市内で電動自転車の月間サブスクリプションサービスを立ち上げ、同時にブルックリン区のベッドフォード・スタイベサント地区に電動車両用充電ハブを建設する計画を発表した。そして今、Revelは全電動、全Tesla(テスラ)の配車サービスをマンハッタン区に展開しようとしている。

かつては、方向性が定まらず、いろいろな形態の交通手段に場当たり的に手を出しているように思えたRevelだが、ニューヨーク市を手始めに、各都市に独自の電動化インフラを展開するという、計算された戦略がようやく見えてきた。これは、創設者でCEOのFrank Reig(フランク・レイグ)氏が当初から力強く宣言していたことだった。

「創設初日から、我々のミッションは街の電動化でした」とレイグ氏はTechCrunchに語った。「そのために私たちは、都市で必要とされる電動交通手段を提供し、その実現に必要となる電動車両インフラの構築を行ってきました」。

50台のRevelブランドのTesla Model Yを使って2021年5月末に開始を予定している新配車サービスは「都市内の移動をことごとく電動化する」という目標への次なるステップとしては、ごく自然な流れだとレイグ氏は話す。利用者は、電動モペットの予約に使うアプリで、そのまま配車サービスも受けられる。同社によれば、開始当初はマンハッタン42番街より南の地区で展開され、第1フェーズの需要とデータを見ながら、次第に対象地区を広げていくという。

Revelの配車サービスの立ち上げは、3年前に電動モペットのシェアサービスを開始したときと似たアプローチをとっている。共同創設者のPaul Suhey(ポール・スーイ)氏の話によれば、それはまずは小さい地域から始めて、街全体をカバーするという最終目標に向けて徐々に広げてゆくというものだ。

同社はまだ、ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会に認可事業者の申請を出しているところだ。Revelは第一の認可は得たものの、正式な許可証を取得するまでには、まだいくつかの手続きが残されている。

「正式な許可証が交付されて準備万端整うのを待たずに、この段階で計画を公表した理由に、ドライバーの募集があります」とスーイ氏はTechCrunchに話した。「ドライバーを雇い入れるには、まず情報を広めなければなりません。私たちは今の時点で、ドライバーを雇って確保しておきたいのです」。

Revelの対顧客相場は、Uber(ウーバー)やLyft(リフト)と同等になる予定だとレイグ氏は話すが、ドライバーはギグワーカーに頼ることはせず、全員を雇用するという。

「同じ料金で、私たちは完全な電動化を実現し、同時にニューヨーカーを雇用することで、ぎりぎりの生活費でやっているニューヨーク市民に保険リスクと資産減価償却のすべてを押し付けるようなことはしません」とレイグ氏。

給料で支払うかたちは、Revelの利他主義によるものだけではない。ドライバーを雇用することが、TeslaにRevel向け仕様の車両を製造させる大きな条件になるため、理に適っているのだ。Revel向けModel Yは「Revelブルー」で塗装され、室内の温度や音楽をコントロールできる客席用のタッチスクリーンが装備される。助手席は新型コロナの社会的距離ガイドラインに従うためと、後席の乗客が脚を伸ばせるように取り外される。

だが、もっと重要なこととして、カリフォルニア州のProposition 22(住民立法案22号)の問題がある。Uber、Lyft、Postmates(ポストメイツ)といった企業は2億ドル(約217億円)のキャンペーンを展開してカリフォルニア市民に賛成の投票を呼びかけた。この法案とは、アプリベースの企業は労働者を福利厚生が受けられる従業員として扱わなくてよいとするものだ。法案は通過した。しかしレイグ氏には、その金があれば、幻滅したドライバーが抜けた欠員を埋めるために常に人材募集し続ける必要はなくなり、堅実な働き手を惹きつけ確保できたはずだとの持論を掲げている。

「車両に関して言えば、それが安全対策にもなります」とレイグ氏。「私たちが車両を保有しているため、加速、速度、ブレーキングなど、車の詳細な情報を常に把握できるのです。私たちが雇用し訓練したドライバーには、各シフトの終わりに安全スコアが示されるので、運転技術を磨くことができます。さらに、保険費用と保険責任を減らすことにもつながります」。

Revelは、街の電動化を進めつつ、そのビジネスモデルをその先の展開の足場にしようと考えている。配車サービスの提供は、新しい事業の構築という意味に留まらない。これは同社の充電事業の創設を加速する意味も持つ。Revelは、電気自動車のニワトリとタマゴの問題を解決して、独占的な電動化事業を確立を目指している。ニワトリとタマゴとはつまり、電気自動車の潜在的購入者は充電スタンドが拡充されたなら買いたいと考えている一方で、充電スタンドの展開を計画する企業は、電気自動車がもっと売れたなら建設できると考えているという問題だ。

「私たちが企業として行っているのは、都市における電気自動車の導入推進と、利用できる電動交通手段の拡大に尽きます」とスーイ氏。「それが電気自動車、電動自転車、電動モペットであれ、いろいろな形での利用を人々は願っています。私たちは、都市の電動化を、もっと幅広いものとして考えているのです」。

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タグ:RevelTesla配車サービスProposition 22電気自動車ギグワーカー

画像クレジット:Revel

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:金井哲夫)

電動モペッドシェアリングのRevelが電動自転車サブスクも開始、NYで提供

電動のモペッドシェアリングのスタートアップRevel(レベル)が月極の電動自転車サブスクリプションをニューヨークで開始する。ここ数週間で同社が発表した新規事業としては2つ目となる。

Revelは米国時間2月16日、プロダクトラインを拡大すると発表した。2021年1月末まではモペッドのシェアリングのみだったが、今後は電動自転車の月極サブスクも提供する。サブスクは、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクスの住人に提供される。WING Bikesが製造した自転車には36Vのバッテリーが搭載され、1回のフル充電で45マイル(約72km)走行でき、最高速度は時速20マイル(約32km)だ。

電動自転車サブスクの料金は1カ月99ドル(約1万500円)で、ここには自転車レンタル、ロック、バッテリー、修理・メンテナンス費用が含まれる。Revelは顧客が問題を報告してから24時間以内に、通常の自転車のメンテナンスを行うと約束している。また、同社によると、自転車に関する法律、安全、最善の施錠方法についての教材もアプリや印刷物などでユーザーに提供されるという。

Revelは電動モペッドのシェアリングサービスを2018年に開始した。Frank Reig(フランク・レグ)氏とPaul Suhey(ポール・スヒー)氏が創業した同社は、ブルックリンでパイロットプログラムを始め、その後クイーンズ、ブロンクス、マンハッタンに拡大した。2019年10月にIbex InvestorsがリードしたシリーズAラウンドで資金2760万ドル(約29億円)を調達し、事業を強化した。事業開始から18カ月も経たないうちに、同社はモペッドシェアリング事業をオースチン(すでに閉鎖)、マイアミ、ワシントンD.C.に拡大。さらに2020年オークランドでも事業を開始し、2020年7月にはサンフランシスコでの事業許可を取得している。

Revelはモペッドシェアリング事業のみを展開していたが、2月3日に電気自動車向けのDC急速充電ステーションをニューヨーク市で展開する計画を発表した。ブルックリンにある元Pfizer(ファイザー)ビルに置く新しい「Superhub」にはチャージャー30基が設置され、24時間だれでも利用できる。これはRevelがニューヨーク市で展開するSuperhubネットワークの初のステーションとなる。2021年春に開所予定のブルックリンのSuperhubサイトにおける最初のチャージャー10基は、Tritium社の新RTM75になる予定だ。Revelによると、これらチャージャーでは20分で100マイル(約160km)走行分の充電ができる。

関連記事:電動原付スクーターのシェアサービスRevelがEV充電ステーション事業を起ち上げ

同社は現在、電気自転車サブスクという3つめの事業を加えている。レグ氏はさらに事業を多角化する用意ができているようだ。

「Revelのミッションは街を電動化することです」と同氏はTechCrunchへの電子メールで述べた。「このミッションを引き続き実行するために、そしてニューヨークのような都市の当社ユーザーにさらなるアクセスを提供するために電動自転車に事業を拡大します。これが2021年における最後の大きな発表ではないことは確かです」。

電動自転車サブスクのウェイトリストは2月16日に受付を開始し、自転車は3月初めから順次顧客のもとに届けられる。

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タグ:Revel電動自転車サブスクリプション

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

電動原付スクーターのシェアサービスRevelがEV充電ステーション事業を起ち上げ

電動原付スクーターのシェアサービスを展開するスタートアップ企業Revel(レベル)が、ニューヨーク市に電気自動車用のDC急速充電ステーションを建設中だ。これは同社の新事業の1カ所目で、いずれは他の都市にも拡大が計画されている。

ブルックリンの旧Pfizer(ファイザー)ビルに新設されたこの「Superhub(スーパーハブ)」には、30台の充電器が設置される予定で、24時間いつでも一般利用が可能になると、同社は米国時間2月3日に発表した。これは、Revelがニューヨーク市全域で開設するスーパーハブのネットワークの最初のものになると、同社は述べている。

RevelはEV充電器を自社で開発しているわけではない。ブルックリンで最初に設置された10台の充電器には、Tritium(トリチウム)社製の新型モデル「RTM75」が使用されており、この春から稼働する予定だ。Revelによると、これらの充電器は約20分間で100マイル(約161km)を走れる電力をEVに供給できるという。

EV充電ビジネスは、都市を電動化するためのミッションであるとRevelは説明する。この動きは、GM、Ford(フォード)、VWグループといった伝統的な自動車メーカーに加え、新規参入を図るRivian(リヴィアン)やEV業界のリーダーであるTesla(テスラ)などの企業が、ますます多くの電気自動車を製品ラインアップに加えていることを受けてのものだ。

Revelの充電ステーションは、同社にとって2018年に発表した電動原付スクーターのシェアリングサービス以来の新事業となる。Frank Reig(フランク・ライグ)氏とPaul Suhey(ポール・スヘイ)氏が設立したRevelは、ブルックリンで試験プログラムを開始し、後にクイーンズ、ブロンクス、マンハッタンの一部にまで事業を拡大していった。2019年10月にIbex Investors(アイベックス・インベスターズ)が主導したシリーズAラウンドで2760万ドルの資本を調達したおかげで、急速な成長を続けている。このエクイティラウンドには、新たにToyota AI Ventures(トヨタAIベンチャーズ)が参加し、Blue Collective(ブルー・コレクティブ)、Launch Capital(ローンチ・キャピタル)、Maniv Mobility(マニブ・モビリティ)もさらなる投資を追加した。

現在、ニューヨークではRevelによる数千台の原付スクーターがレンタル可能になっている。同社は業務開始から18カ月で、オースティン、マイアミ、ワシントンD.C.など他の都市にも原付スクーターのシェアサービス事業を拡大した。2020年はオークランドでも事業を開始し、同年7月にはサンフランシスコで営業許可を取得した。

とはいえ、原付スクーターのシェアサービスはどこでも成功しているわけではない。Revelは2020年12月、オースティンから撤退した。ライグ氏は当時、新型コロナウイルス感染流行が、マイクロモビリティのシェアサービス全体で利用者数の減少を引き起こしていることに加え、同市の根深い自動車文化が、その浸透の妨げになると証明されたと語っていた。

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タグ:電気自動車充電ステーションRevelニューヨーク

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)