電動原付スクーターのシェアサービスRevelがEV充電ステーション事業を起ち上げ

電動原付スクーターのシェアサービスを展開するスタートアップ企業Revel(レベル)が、ニューヨーク市に電気自動車用のDC急速充電ステーションを建設中だ。これは同社の新事業の1カ所目で、いずれは他の都市にも拡大が計画されている。

ブルックリンの旧Pfizer(ファイザー)ビルに新設されたこの「Superhub(スーパーハブ)」には、30台の充電器が設置される予定で、24時間いつでも一般利用が可能になると、同社は米国時間2月3日に発表した。これは、Revelがニューヨーク市全域で開設するスーパーハブのネットワークの最初のものになると、同社は述べている。

RevelはEV充電器を自社で開発しているわけではない。ブルックリンで最初に設置された10台の充電器には、Tritium(トリチウム)社製の新型モデル「RTM75」が使用されており、この春から稼働する予定だ。Revelによると、これらの充電器は約20分間で100マイル(約161km)を走れる電力をEVに供給できるという。

EV充電ビジネスは、都市を電動化するためのミッションであるとRevelは説明する。この動きは、GM、Ford(フォード)、VWグループといった伝統的な自動車メーカーに加え、新規参入を図るRivian(リヴィアン)やEV業界のリーダーであるTesla(テスラ)などの企業が、ますます多くの電気自動車を製品ラインアップに加えていることを受けてのものだ。

Revelの充電ステーションは、同社にとって2018年に発表した電動原付スクーターのシェアリングサービス以来の新事業となる。Frank Reig(フランク・ライグ)氏とPaul Suhey(ポール・スヘイ)氏が設立したRevelは、ブルックリンで試験プログラムを開始し、後にクイーンズ、ブロンクス、マンハッタンの一部にまで事業を拡大していった。2019年10月にIbex Investors(アイベックス・インベスターズ)が主導したシリーズAラウンドで2760万ドルの資本を調達したおかげで、急速な成長を続けている。このエクイティラウンドには、新たにToyota AI Ventures(トヨタAIベンチャーズ)が参加し、Blue Collective(ブルー・コレクティブ)、Launch Capital(ローンチ・キャピタル)、Maniv Mobility(マニブ・モビリティ)もさらなる投資を追加した。

現在、ニューヨークではRevelによる数千台の原付スクーターがレンタル可能になっている。同社は業務開始から18カ月で、オースティン、マイアミ、ワシントンD.C.など他の都市にも原付スクーターのシェアサービス事業を拡大した。2020年はオークランドでも事業を開始し、同年7月にはサンフランシスコで営業許可を取得した。

とはいえ、原付スクーターのシェアサービスはどこでも成功しているわけではない。Revelは2020年12月、オースティンから撤退した。ライグ氏は当時、新型コロナウイルス感染流行が、マイクロモビリティのシェアサービス全体で利用者数の減少を引き起こしていることに加え、同市の根深い自動車文化が、その浸透の妨げになると証明されたと語っていた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:電気自動車充電ステーションRevelニューヨーク

画像クレジット:Revel

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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