Elephant RoboticsとM5Stackが共同開発したコンパクトな4軸ロボットアームmyPalletizerをスイッチサイエンスが発売

Elephant RoboticsとM5Stackが共同開発したコンパクトな4軸ロボットアームmyPalletizerをスイッチサイエンスが発売

スイッチサイエンスは2月8日、中国深センの産業用ロボットメーカーElephant RoboticsM5Stackが共同開発したロボットアーム「myPalletizer」と、そのエンドエフェクター2種の販売を同日開始した。myPalletizerの価格は6万9454円(税込)。すでにスイッチサイエンスから発売されているElephant Roboticsの6軸ロボットアーム「myCobot 280」をさらにコンパクトにしたもので、エンドエフェクターには、一部myCobotと互換性がある。

myPalletizerは重量960g、作業半径260mmという大変にコンパクトなロボットアーム。制御システムとして開発モジュール「M5Stack Basic」を搭載し、アーム部にはM5Stackシリーズの最小ユニット「ATOM Matrix」が装備されている。開発環境としては、Python、ROS、Arduino、Roboflowなどに対応。アーム先端と本体底部には著名ブロック玩具互換のコネクターも装備されている。

アームの先端に取り付けるエンドエフェクターは、今回、「myPalletizer用グリッパー」と「myCobot 280/myPalletizer用カメラフランジ」が同時発売されたが、myCobot 280の「myCobot 280用Gベース(クランプ)」や「myCobot 280用吸引ポンプ」も使える。

エンドエフェクターのmyPalletizer用グリッパーは、小さな箱やボールを掴むことができる。ROS、Arduino、UIFlow、RoboFlowなど、あらゆる開発環境で使用可能。myPalletizer専用。

myCobot 280/myPalletizer用カメラフランジは、顔認証、スマートディスプレイ、スマートデリバリー、自動販売機、コードのスキャン、アクセス管理などの用途に使えるカメラパーツ。「myCobot 280」でも使用可能。

myPalletizer」概要

  • 型番:MYCOBOT-MYPALLETIZER-PSE
  • 軸数:4軸
  • ペイロード:300g
  • 作業半径:260mm
  • 精度:±0.5mm
  • 重量:900g
  • モーター:高精度磁気エンコーダー式サーボモーター
  • 作動速度:120°/s
  • 電源:8~12 V 5A(12VのACアダプターを同封)
  • コネクター:USB Type-C(M5Stack Basic本体)
  • 価格:6万9454円(税込)

myPalletizer用グリッパー」概要

  • 型番:MYCOBOT-MP-GRIPPER-AG-WH
  • サイズ:110×90×60mm
  • 重量:88g
  • クランプ幅:20~45 mm
  • 最大クランプ重量:150g
  • 価格:1万6445円(税込)

myCobot 280/myPalletizer用カメラフランジ」概要

  • 型番:MYCOBOT-CAMERAFLANGE
  • USBレンズ(歪みなし)
    ・サイズ:18×18×20 mm
    ・最大ピクセル:100万(1280×720)
    ・対応画像フォーマット:YUV、MJPEG
    ・ピクセルサイズ:3.4um×3.4um
    ・最大フレームレート:1280×720@25fps
    ・USBプロトコル:USB 2.0 HS/FS
    ・対応解像度:1280×720、640×480、320×240
    ・電源:DC5 V 90mA
    ・レンズ焦点距離:標準1.7mm
    ・FOV角:≈60°
    ・対応OS:Windows、Linux、MacOS
  • エンドフランジ
    ・材質:感光性レジン
    ・仕上げ:塗装
    ・サイズ:80×40×20 mm
    ・重量:60g
  • 価格:1万4465円(税込)

ユニティとアールティが「UnityとROSで学ぶ移動ロボット入門 UI作成編」を開発、10月より無料公開予定

ユニティとアールティが「UnityとROSで学ぶ移動ロボット入門 UI作成編」を開発、10月より無料公開予定リアルタイム3Dプラットフォーム「Unity」を展開するユニティ・テクノロジーズ・ジャパン、ロボット分野の技術開発と高度人材育成を行うアールティは9月9日、ロボット入門者向け教材「UnityとROSで学ぶ移動ロボット入門 UI作成編」を開発したと発表した。「Unity」上でROS(ロボット・オペレーティングシステム)対応ロボットの操作性を高めることを目的としたもの。ユニティの産業向けサイトUnity for Industryにおいて、2021年10月上旬に無料公開する予定。

この教材では、UnityからROS対応ロボットへの指令の出し方や、ロボットに搭載された各種センサーの値やロボットの状態の可視化の方法などが学べ、ロボット操作用のUI開発の足がかりになる。入門用としてわかりやすい解説を行うために、アールティが培ってきたエンジニア教育教材や研修のノウハウなどが活かされているとのことだ。学習後は、Unity Asset Storeなどで公開されているアセットを使って、オリジナルのUI制作にも活用できるという。

教材中のシミュレーションでは、アールティが開発し製造・販売しているRaspberry Pi搭載の左右独立二輪方式小型移動プラットフォームロボット「Raspberry Pi Mouse」のデータが使われている。将来は、この実機の操作が行える教材も公開される予定。

Unityは、ゲームなどのリアルタイム3Dコンテンツの開発運用に広く使われているが、製造業やロボット産業でも活用されている。ロボット開発のためのシミュレーションでは、リアルな周辺環境やロボットの動きが求められるが、Unityは、そうしたリアリティある環境が特徴となっている。

同社は、これまでにもUnity Robotics Hubを通じて、ROSとUnityを接続するための各種のパッケージやサンプルをオープンソースソフトウェアとして提供することで、ロボット開発の効率化に取り組んできたという。

今回この教材を通して、「ハードウェアになじみの薄かったソフトウェアエンジニアにはハードウェアを身近に感じてもらえることを、ハードウェアエンジニアにはUnityによる可視化やUIの広がりを体験し、より使いやすいインターフェイスをロボットに装備できるようになることを期待しています」とユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは話している。

UnityとROSで学ぶ移動ロボット入門 UI作成編は、一般公開に先立ち、2021年9月16日に東京都墨田区で開催されるROS開発者会議「ROSCon JP 2021」のアールティ出展ブースにおいて、開発画面の一部が公開される予定(チケット販売は終了)。

価格約1万1000円、Raspberry Piで簡単に3Dポイントクラウドが作れる3Dセンシングシステム「ILT開発キット」発表

Raspberry Piで簡単に3Dポイントクラウドが作れる3Dセンシングシステム「ILT開発キット」発表

マジックアイは、企業や学校の研究者など3Dセンシングに興味のある人を対象に、小型・高速・高精度・低遅延・省電力を特徴とする独自特許技術の3Dセンサー方式「インバーティブル・ライト技術」(ILT)を手軽に評価できる入門モデル「ILT開発キット」(DK-ILT001)を7月15日から世界同時発売すると発表した。希望小売価格は100ドル(約1万1000円)。予定販売数は5000台。スイッチサイエンスから販売予定。

縦横44×24ミリ、高さ16ミリというコンパクトなハードウェアと専用ファームウェアからなるILT開発キットは、Raspberry Pi(別売)と組み合わせることで、動きの速い立体も高精度に測距して3Dポイントクラウド(3D点群)化できる。


「ILT開発キット」(DK-ILT001)仕様は次のとおり。

「ILT開発キット」(DK-ILT001)仕様

  • プロジェクター発光到達距離:1500mm
  • 推奨測距距離:150〜800mm(測定精度±3¥%)
  • 高精度測距距離:150〜500mm(測定精度±1.5¥%)
  • 測距有効視野角(FOV):約55度×約43度(マジックアイ開発環境による)
  • 測距速度:約120fps(マジックアイ開発環境による)
  • 動作環境:Raspberry Pi Zero W/3B/3B+/4(専用ファームウェアを準備)
  • レーザークラス:クラス1IEC60825-1(2007)、FDA:2110463-000)
  • 電源電圧:3.3V(電源はRaspberry Piのカメラコネクターより供給)
  • 消費電力:0.6W(平均)
  • 形状:W44×D24×H16mm
  • 質量:16g

開発環境

  • Raspberry Pi Zero W/3B/3B+/4(専用ファームウェアを準備)
  • 対応OS:Ubuntu 20.04、Windows 10
  • 対応言語:C++、Python
  • 対応ミドルウェア:OpenCV、PCL(Point Cloud Library)、Open3D、ROS、Unity(計画中のものを含む)

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タグ:Windows 10(製品・サービス)Ubuntu(製品・サービス)OpenCV(製品・サービス)Open3D(製品・サービス)コンピュータービジョン(用語)C++(製品・サービス)スイッチサイエンス(企業)Python(製品・サービス)PCL / Point Cloud Library(製品・サービス)マジックアイ(企業)Unity(企業・サービス)Raspberry Pi(組織・製品)ROS(製品・サービス)日本(国・地域)

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ROS対応協働ロボットアーム「myCobot」のラズパイ対応版「myCobot Pi」

myCobotは、ロボット開発用のソフトウェアプラットフォームROS(ロボット・オペレーティング・システム)に対応した6軸ロボットアーム。5月に発売された「myCobot 280」では、制御システムにM5Stackを使っていたが、myCobot PiはRaspberry Pi 4を採用。ディスプレイ、マウス、キーボードを接続すれば、簡単にプログラミングが行える。Pythonでのプログラミングも可能になった。

またmyCobot Piのアーム部には、「myCobot 280」と同じくM5Stackの「ATOM Matrix」が搭載されている。

myCobot Piは、Raspberry Piを搭載し、インターフェイスがM5Stack Basicのものと異なる以外は、基本的に「nyCobot 280」と仕様は同じ。オプションのエンドエフェクター(アームの先端で物を使うなどの実際の作業を行う装置)や固定用の器具も共通して使える。

myCobot Piの仕様

  • 軸数:6軸
  • ペイロード:250g
  • アーム長:350mm
  • 作業半径:280mm
  • 精度:±0.5mm
  • 本体重量:850g
  • 電源電圧:12V
  • 動作温度:-5〜45度
  • Raspberry Pi 4 Model B / 2GB:OS書き込み済みSDカード搭載(32GB)

インターフェイス

  • 2×USB 3.0、2×USB 2.0
  • 2×microHDMI
  • GPIO40ピン
  • myCobot Pi

商業用途にも適した「myCobot Pro」はM5Stack Basicベース

取り寄せ商品となる「myCobot Pro」は、やや大型で、関節にはブラシレスモーターを採用して精度±0.3mmという本格的な産業用ロボットとしての性能を備えている。制御システムはM5Stack Basic、アーム部にATOM Matrixを搭載、プログラミング環境は、UIFlow、ROS、moveit、RoboFlowなどに対応している。エンドエフェクターには、産業用ロボットに使用されるmyCobot Po専用の「電動グリッパー」が用意されている。

myCobot Proの仕様

  • 軸数:6軸
  • ペイロード:1kg
  • 作業半径:320mm
  • 精度:±0.3mm
  • IPレベル:IP42
  • 本体重量:3kg
  • 電源電圧:24V
  • 動作温度:0〜50度

インターフェイス

  • USB Type-C
  • Ethernet Port
  • ベースIO:2×D-INPUT、3×D-OUTPUT
  • ツールIO:2×D-INPUT、3×D-OUTPUT

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カテゴリー:ロボティクス
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