あなたのサイトを”フィーチャード・スニペット”の引用元にする方法。

Googleが検索結果に直接クエリに対する答えを掲載する場合が多々あります。”ダイレクトアンサー”や”リッチアンサー”とも呼ばれていますが、Googleは”フィーチャード・スニペット”と呼んでいるようです。今回の記事は、先日行われたSMX Advancedでも紹介されましたが、”フィーチャード・スニペット”に引用される方法を実験した内容になっています。”フィーチャード・スニペット”に対しては賛否両論あると思いますが、自身のサイトが引用された場合は大きなメリットがありそうです。– SEO Japan

Googleは様々な検索クエリに対しての答えを検索結果に直接表示しているが、多くの人が、自身のコンテンツを答えとして利用される方法を求めていることだろう。幸運にも、我々のコラムニストのエリック・エンジ氏がそのプロセスを紹介してくれている。

多くの人がフィーチャード・スニペット(リッチアンサー、もしくは、ダイレクトアンサーとも呼ばれる)に自身のサイトが引用され、検索結果に表示されることのメリットについて議論している。中には、Googleが検索結果に答えを表示してしまうことで、それに関連するサイトへのトラフィックが減少することを主張している者もいる。私はこの議論に対して、実際のトラフィックデータを元に、一つの提言を投げたいと思う。

ケース1:Confluent Formsの例

Confluent Forms(ドメインオーソリティが47のサイト)のデイビッド氏が、自身のサイト内のページがフィーチャード・スニペットに使用された例を共有してくれた。検索クエリは、「what is a rfp(rfpとは何か)」である。

この例で興味深いところは、スニペットを生成しているページが、検索結果ではWikipediaに次ぐ2位でありながら、スニペットに引用されているという点である。下記に、引用された箇所の実際のページを記載する。

【画像内和訳】
見積依頼書(RFP)とは、ビジネス上の目的を通して製品やサービスを獲得するために、組織が今後取引をする可能性のあるベンダーから入札金額を引き出すために作成された提案資料である。RFPの作成は、購買決定をする上で、取引の構造と透明性を明らかにする一方、要求と議論すべき内容を公にすることでリスクを減らす目的も存在する。

質問に対する回答が、明確で、直接的で、シンプルに記載されていることが確認できるだろう。これはユーザー体験として非常に優れており、確実にGoogleが好む内容と言えよう。それでは、この例におけるトラフィックはどうなっているのだろうか?下記にグラフを記載しよう。

私にとっては明確な勝利に見える。しかし、たった一つの例で結論付けるのは、なんとも心もとない。もう一つの例を見てみよう。

ケース2:Steady Demandの例

次の例はSteady Demandのベン・フィッシャー氏によって共有されたものだ。ちなみに、このWebサイトのドメインオーソリティは38である。また、今回の例の検索クエリは、「how to get more followers on google plus(Google+でより多くのフォロワーを得る方法)」である。

このスニペットに引用されたコンテンツを下記に記載しよう。

【画像内和訳】
下記に記載する方法を行えば、Google+でより多くのエンゲージメントと対象のフォロワーを獲得することができるでしょう。
1.自身のプロフィールを埋め、獲得したいフォロワーを幾つかのタイプに分類し、書き出す。
2.Circloscopeに登録する。これにより、Google+のサークルを容易に管理できるツールを獲得したことになる。
3.あなたがシェアしたコンテンツに興味のあるコミュニティ、ユーザー、Google+の投稿を探し、彼らをサークルに追加する。
4.あなたがサークルに追加した人のエンゲージメントを測定する。また、エンゲージメントが見られるメンバー(もしくは、あなたが消費したいと思う優れたコンテンツを作成したメンバー)をより永続的なサークルに移動させる。
5.定期的にサークルのメンバーを整理する。

Confluent Formsの例と同様に、明確で、直接的で、シンプルに答えが提供されていることがわかるだろう。それでは、このページヘのトラフィックの状況を見てみよう。

今回もトラフィックが増加していることがグラフから読み取れる。上記2つのサイトは、フィーチャード・スニペットに引用されてから、ページヘのトラフィックが増加したのである。

もちろん、2つの例のみでは統計的に十分とは言えないだろう。そのため、あなたのサイトが引用されたとしても、上記の2サイトのようにトラフィックが確実に増加するという証拠はどこにもない。しかし、これらの例は、フィーチャード・スニペットをSEOの1つの手法として取り組むべき可能性を十分に秘めていると言えるのではないか?

フィーチャード・スニペットの作成方法

Googleの検索結果に答えとして表示されるためには、どうすればいいのか?我々がStone Temple Consulting社で行った様々なテストの結果、その過程を以下の4つにまとめてみた。

  1. あなたの業界に関してのシンプルで、共通した疑問(質問)を特定する。
  2. その質問に対して明確で、直接的な答えを提供する。
  3. 上記答えに加え、付加価値のある情報を加える。
  4. ユーザー(そしてGoogle)にとって発見しやすいようにする。

上記4つの項目が、我々が実際のフィーチャード・スニペットに引用されたサイトを数多く研究した結果、得ることができた共通項である。フィーチャード・スニペットに関する我々の研究対象は100,000例を超えている。非常に多くのサイトを見てきたのだ。

それでは次に、上記の方法が実際に上手くいくか試してみよう。

ケーススタディ

我々の研究は非常に興味深いものであったが、実際に上手くいくのだろうか?それを証明するために、SEO業界における5つのよくある疑問を選び、それらに回答するコンテンツを作成してみた。コンテンツには動画を含め、その動画の書き起こしも記載し、5月20日に公開した。

先に記載した項目でも述べたが、我々は単純な答えに加え、より有益な情報も付加している。上記の記事は、NoFollowを使用すべき場面と、NoFollowとは何かを説明している。こうした内容はフィーチャード・スニペットの引用にとって非常に重要であるため、絶対に取り除くべきではない。

状況をより加速させるため、我々は該当記事のURLをGoogle+でシェアし、サーチコンソールに提出した。そして、たった3日後、5つのテストページの内2つがフィーチャード・スニペットに引用された。

40%の成功率はそれほど悪くない数字だろう。

まとめ

個人的には、あなたのサイトの重要なページがフィーチャード・スニペットに引用されることは非常に喜ばしいことだと考えている。ビジネス上の価値は、その業界に関連する、潜在的な消費者からの質問を特定することで決定される。また、あなたのビジネスに関連性のない項目でフィーチャード・スニペットに引用されることはない。

そのため、フィーチャード・スニペットに引用されることは好ましい状況といえるだろう。さらに言えば、ユーザーを念頭においたページデザインが求められているのだ。シンプルで、明確で、直接的な答えを提供するというコンセプトは、ユーザーに多くの価値を与える。また、それによって、Googleが行うべき仕事をより容易にすることとつながることになるのだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How To Get Featured Snippets For Your Site」を翻訳した内容です。

Googleは様々な分野を実験しながら(廃止されるものも多いですが。。。)、ユーザー体験の向上に務めています。”フィーチャード・スニペット”に関して言えば、今後のモバイルやウェアラブルデバイスの普及にともなって拡大していく可能性は十分にあります。今後の可能性を考え、今のうちに準備しておくことも重要かもしれません。-SEO Japan

5月初旬の順位変動は、Googleの”クオリティ・アップデート”によるものと、Googleが認める。

5月の初旬(日本ではGWまっただ中)に、Googleの大規模な順位変動が行われた、というニュースがありました。パンダアップデートの更新が疑われましたが、Googleはそれを否定していました。しかし、今回Googleが大規模な順位変動があったことを公式に認め、その要因はパンダやペンギンではないということです。Search Engine Landは“The Quality Update(クオリティ・アップデート)”と名づけたようですが、特定のサイトをターゲットとしているのではなく、アルゴリズム全体の変更を加えたようです。ちなみに、ほぼ同時期に話題となった、手動アクションについては触れられていません。– SEO Japan

*リンク先は全て英語のサイトになっています。

今月の初めに多くのWebマスターがGoogleの大規模な順位変動に気づいていたが、Googleが、ついに、大規模な順位変動があったことを認めた。

先日の順位変動はあなたの幻想によるものではなかった。今月の初めから、Googleの順位は確かに変動していたのだ。Googleは、コンテンツの品質の評価方法に変更を加えており、これが順位変動の原因であるとSearch Engine Landに対して公に認めたのだ。今回のアップデートは、“The Quality Update(クオリティ・アップデート)”とでも呼ぶべきだろうか。

今月の初めにGoogleの検索順位の変動があったことを、多くのWebマスターが報告していた。我々は、パンダ・アップデートやそれに似たアップデートによるものか、Googleに問い合わせていた。しかし、Googleの返答は、”そうではない“、というものだった。それ以降も順位変動に関する多くの報告を目にしたが、その中には、”Phantom Update(ファントム・アップデート)“、と呼ばれるものも含まれている。名前の由来は、”Googleは認めてはいないが、確かに、何かが起こっている”、ということからくるものだった。

そして今、Googleがその存在を認めた。今週に入ってから再度Googleに質問をしたところ、Search Engine Landに対し、新たな返答をしたのだ。その内容は、”スパムに関連するアップデートは行われてはいないが、品質を決定するシグナルの評価方法について、順位アルゴリズムの核となる部分に変更を加えた”、というものだった。

我々はGoogleに対し、なんらかのアップデートが行われたのか?、という質問をしていたが、今回の件も、その質問に含まれる内容であったと思う。パンダやペンギンのような特定のフィルターではなく、今回はアルゴリズムの核となる部分の変更であったとしても、大規模な変動の要因となっているという意味では、”アップデート”であると考えている。そして、その存在が認められた今、我々は“The Quality Update(クオリティ・アップデート)”と名付けることにした。

現在、コンテンツの品質がどのように評価されているかという点について、Googleは特別な情報を提供していない。Googleの過去の発言から推し量ると、特定のページやサイトの品質は、様々な種類の要素によって決定されるということだ。今回の変更により、その中の特定の要素を強めたり、弱めたりした可能性はある。

その他の大規模なアップデートと同様に、今回のアップデートにより、Googleでの露出が激減したサイトもあるだろう。Hubpagesの記事によると、”ハウ・ツー系のサイト”や情報提供型のサイトがターゲットとなっているようだ。

しかしながら、上記の記事は、未だに多くのビジビリティを獲得している情報提供型のサイトの例も掲載している。また、私はクレジットローンやニュースサイトなどの分野からの報告も受けているが、ビジビリティが減少した例も、増大した例も目にしている。

こうした例がGoogleの発言を裏付けていると言えるだろう。今回のアップデートは、特定の分野やサイトをターゲットとしているのではなく、アルゴリズム全体のアップデートであるのだ。

コンテンツの品質を高めたいと思う方、今回のアップデートで打撃を受けた方などは、2011年のGoogleによるこの記事を確認するとよいだろう。この記事は、パンダアップデートによる影響を受けたサイトに向けて書かれているものだが、全般的なコンテンツの品質について扱っている記事だ。Googleは、コンテンツの品質について、こちらでも説明している。

今月の初めに、あなたのサイトの順位に変動があったとしても、あなたのサイトだけが変動したわけではない。Googleは検索結果の品質を改良するためにアルゴリズムの変更を今後も続けていくだろうが、我々からの特別なアドバイスを与えることはできない。より良いサイトを構築することに集中し、ユーザーを含む、全体の品質を向上することを目的とすべきなのだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Confirms Changing How Quality Is Assessed, Resulting In Rankings Shake-Up」を翻訳した内容です。

記事中にもある通り、特定のサイトを狙ったアップデートではないということですが、パンダ・アップデートと内容は似ているように思えます。コンテンツの品質を評価する方法に変更を加えた結果、マイナスポイントを多く獲得したサイトの順位が下がり、プラスポイントを多く獲得したサイトの順位が上昇した、というところでしょうか。自身のサイトに変更を加えていなくとも、Google側で変更がなされたため、特別な対策というものはなさそうです。記事の結びにもありましたが、より良いサイトを構築することが何よりの対策であり、逆を言えば、日頃から取り組んでいるサイトは今回のアップデートの影響はなかったのではないでしょうか?

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モバイルフレンドリー・アルゴリズムについての新情報!~ロールアウトには1週間ほどかかる見込みも、対応/非対応のみを判断、その他~

先日行われたGoogle+ハングアウトにて発表された、モバイルフレンドリー・アルゴリズムについての話題です。4月21日のロールアウトに向けて、モバイルフレンドリー・アルゴリズムの概要に関する情報が継続的に発表されています。全地域に一斉導入ということもあり、影響度はパンダやペンギン以上になるようです。いよいよ、1ヶ月を切りましたが、今回発表された情報はどういったものなのでしょうか?– SEO Japan

*リンク先は全て英語のサイトになっています。

Googleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムのリリース日である4月21日に向けて我々は着々と準備を進めているが、その概要について、また新たな情報が判明した。

4月21日にローンチされるGoogleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムは、ページ単位、かつ、リアルタイムであることが明らかになっている。しかし、今回のアルゴリズムがロールアウトにかかる期間はどのくらいのものだろうか?また、自身のページが今回のアルゴリズムによる恩恵を受ける基準を満たしているという判断は、どのようにするべきだろうか?

今回のアルゴリズムがパンダやペンギン以上のインパクトがあることも明らかになっているため、多くのWebマスターが不安にも似た気持ちを抱いていることだろう。

昨日のGoogle+ハングアウトにて、この新たなモバイルフレンドリー・アルゴリズムについての質問に対し、Googleが返答をしている。主な内容は以下の3点である。

(1)今回のアルゴリズムは4月21日に開始されるが、全地域において完全に完了するまでには、数日から1週間ほどかかる。

(2)対象のサイトがモバイルフレンドリーであるか、そうでないか、のみが基準となる。どの程度対応しているか、という基準はない。

(3)モバイルフレンドリーであるかどうかを判断する最も簡単な方法は、モバイル検索結果にて、モバイルフレンドリーのラベルが表示されているかどうかを確認することだ。もしも表示されていない場合は、モバイルフレンドリーテストツールを用い、自身のサイトを確認しよう。また、モバイルフレンドリーテストツールは、実際のGoogleの検索結果と一致しているはずであるが、Webマスターツール内のモバイルユーザビリティレポートは、クロールのタイミングの問題で、対応が遅れる場合がある。

ロールアウトには数日から1週間ほどかかる

GoogleのMary氏の返答をこちらに書き起こしている。以下に、一部を抜粋する。

モバイルフレンドリー・アルゴリズムは4月21日に開始されることが予定されているが、完了期間については特に設定していない。なぜなら、数日かかる見込みであるし、もしかしたら1週間ほどかかるかもしれないからだ。

モバイルフレンドリーであるかどうか

モバイルフレンドリー・アルゴリズムは、対応か非対応かを、ページ基準で判断する。しかし、どの程度モバイルフレンドリーであるかを判断するものではない。単純に、モバイルフレンドリーであるか、そうでないかのみである。こちらに書き起こしているが、以下に抜粋する。

今回のアルゴリズムにおいては、モバイルフレンドリーであるか、そうでないかが基準となる。その判断となる指標は既にお伝えしているものである。小さいフォント、リンクやタップボタンがそれぞれ近すぎる配置になっていないか、コンテンツは実際に読むことができるか、そして、ビューポイントである。こうした指標を満たしていれば、あなたのサイトはモバイルフレンドリーであるということになり、ランキング変更における恩恵を受けることになるだろう。
しかし、以前から述べている通り、Googleは200を超えるランキング要素を使用しているため、モバイルフレンドリーのみがランキングを決定づけるものではない。ランキングはあなたのサイトのあらゆる要素に関わっており、素晴らしいユーザー体験をあなたのサイトが提供しているかどうかが重要だ。これについては、デスクトップ検索と同様のものであり、モバイル検索だけの特別な状況というわけではない。

モバイルフレンドリーであるかを判断する方法

自身のサイトがモバイルフレンドリーであるかどうかを判断するにはどうしたらよいか?幾つか方法はあるが、Googleはモバイル検索結果を確認し、モバイルフレンドリーのラベルが表示されているかどうかを見ることが、最も簡単な方法であると述べている。ラベルが表示されているのであれば、モバイルフレンドリーテストツールに合格しているはずだ。注意してほしいことは、Webマスターツール内のモバイルユーザビリティレポートの内容は反映に時間が掛かることがある、ということだ。これは、クロールのタイミングの問題であるため、その他のレポートに遅れが生じることと同一の理由である。

Googleの発言はこちらに書き起こしているが、以下に抜粋する。

スマートフォンを手に取り、あなたのWebサイトを調べてみよう。そして、灰色のモバイルフレンドリーのラベルが表示されているか確認しよう。検索結果に表示されているのであれば、Googleはあなたのサイトをモバイルフレンドリーであると認識していることになり、表示されていないのであれば、Googleはあなたのサイトをモバイルフレンドリーであると認識していないことになる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Clarifies The Mobile-Friendly Algorithm Will Roll Out Over A Week, Be A Yes/No Response & More」を翻訳した内容です。

SMXでの発表に続き、また新たな情報が発表されました。今回は、モバイルフレンドリーであるかどうかの単純な判断のようですが、今後はその程度も考慮されることになるのでしょうか?完了するには1週間ほどかかる可能性もあることですが、全地域一斉導入ということなので、即日というわけにはいかないようです。まずは、自身のサイトをモバイルフレンドリーテストツールで確認することが大事ですね。

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Googleのモバイルフレンドリーアルゴリズムは、現在のところ、デスクトップのランキングシグナルとの区別はつけていない。

モバイルフレンドリーのアルゴリズムはリアルタイムで動き、ページ単位を対象にする、という内容の記事を前回紹介しましたが、今回の記事もSMX Westでの発言を扱った記事になります。John Mueller氏が発言していた内容と同一ではありますが、今一度確認してもよい内容になっています。– SEO Japan

デスクトップのサイトスピードが早ければ、モバイルサイトのスピードが速かろうが遅かろうが、モバイルでのランキングには影響しない。Googleはモバイルランキングにもデスクトップのシグナルの多くを使用しており、それは、4月21日も続くことだろう。

Googleのモバイルフレンドリーアルゴリズムが間もなくローンチされるが、リアルタイムであることと、ページ単位であるという情報は既に報告されている。しかし、SMX Westにて、GoogleのGary Illyes氏は別の情報も公開していた。ページスピードのようなランキングファクターは、デスクトップのバージョンをベースとしており、モバイルバージョンを基準としていない。

昨年の11月にGoogleのJohn Mueller氏が、モバイルでのランキングには多くのデスクトップのシグナル(ページスピードなど)が使用されていると発言していた。しかし、これについて考えてみると、もしモバイルとデスクトップのサイトがあり、それぞれのサイトスピードが異なる、という場合はどうなるのだろうか?例えば、デスクトップのバージョンよりも10倍速い(または遅い)サイトの場合もあるかもしれない。なぜ、Googleはモバイルでのランキングにデスクトップのシグナルを用いるのだろうか?

上記は今日においても事実であるが、Illyes氏は、Googleがいくつかの要素をモバイル用にデスクトップから切り離そうと試みていると発言した。ページスピードアルゴリズムトップヘビーアルゴリズムの場合は意味をなすだろう。しかし、ペンギンパンダアップデートの場合は、モバイルとデスクトップとで、要素を区別する必要性は薄いと言える。

繰り返しになるが、Gary氏は、Googleがこうしたシグナルをモバイルとデスクトップとで区別はしていないと、発言している。しかし、調査と実験は行われているようである。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: The Mobile-Friendly Ranking Factor Runs In Real-Time & Is On A Page-By-Page Basis」を翻訳した内容です。

SMX Westについての記事はこれから読み進めていこうと思っていますが、モバイルフレンドリーについては大きな話題となっていたようです。4月21日のローンチまで、また新たな情報が発表される可能性も大いにあるため、しばらくは重要なトピックとして考えておこうと思います。SEO Japan

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Googleのモバイルフレンドリーのランキングファクターはリアルタイム&ページ単位基準。

先日モバイルフレンドリーであることをランキングファクターとして用いることをGoogleが発表しましたが、3月3日から5日にかけて行われたSMX Westにて、新情報が発表されたようです。モバイルSEOのセッションで発表されたようですが、このセッションでモデレーターを務めたBarry Schwartz氏が執筆した記事がSearch Engine Landに掲載されています。– SEO Japan

およそ一か月後にローンチされるモバイルフレンドリー・アルゴリズムが、ページ単位基準でリアルタイムで反映されることが発表された。多くのWebマスターにとって朗報と言えよう。

Googleは先週、2015年4月21日に、モバイルフレンドリーのランキングファクターを、新たにモバイル検索に追加することを発表した。先日行われたSMX Westにて、GoogleのGary Illyes氏がこの新しいランキングファクターについての質問に答えている。Gary Illyes氏によれば、このランキングファクターは、リアルタイムで動き、対象がページ単位になるということだ。

リアルタイムの検索アルゴリズム

私が司会を務めたモバイルSEOのパネルにて、4月21日のローンチによる影響を大きく受けないために、Webマスターはいつごろサイトをモバイルフレンドリーに対応させるべきか、という質問をGary氏に尋ねてみた。Gary氏の説明によると、このアルゴリズムはリアルタイムで動くため、技術的に言えば、モバイル対応への変更の時期は、いつでもかまわないということだ。Gogleが変更を確認した(クロールした)直後に、今回のアルゴリズムの変更による恩恵を、変更されたページに与えるらしい。

私は、リアルタイムという言葉が意味するところは、Googleが該当のページをクロールした後、すぐにモバイルフレンドリーのサイトであるとラベル付けされ、アルゴリズムからの恩恵も受けるということだと解釈している。そのため、アップデートの頻度が低いことからインデックスされるスピードが遅いサイトの場合は、モバイルフレンドリーの対応を急いだ方がよいということになる。

Googleは、リアルタイムという意味を、モバイルフレンドリーのページをクロールし、インデックスをした直後を意味するものであるか、クエリが検索ボックスに入力された直後を意味するものであるか、そのどちらかを明言はしていない。個人的には、Googleがページをクロールし、インデックスした時だと考えている。Googleがページをクロールする頻度によるが、4月21日までに全てのページをモバイルフレンドリーにする必要があるのであれば、時間の調整をするべきだろう。

ページ単位で動く

Gary Illyes氏は、このアルゴリズムはページ単位で動くということも認めている。そのため、10ページのサイトが、そのうちの5ページのみをモバイルフレンドリーにしていた場合、モバイルフレンドリーの5ページのみ、恩恵を受けるということだ。

今回のアルゴリズムが、サイト全体によるものか、ページ単位によるものかを、Googleは公表していなかった。そのため、この知識を得ることは、多くのWebマスターにとって重要であると言える。サブセクションのページや特設ページなど、モバイルフレンドリーにするには難しいページのあるサイトもあるだろう。そうしたページのあるサイトの場合でも、4月21日までに全てのページをモバイルフレンドリーにしなければ、という心配は持たなくてよいのだ。

もちろん、モバイル利用率の急激な増加を考えると、全てのページをモバイルフレンドリーにすることは非常に重要だ。しかし、モバイルフレンドリーの対応をすることが非常に複雑である場合は、ページごとに優先度をつけ、判断をしてもよいのだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: The Mobile-Friendly Ranking Factor Runs In Real-Time & Is On A Page-By-Page Basis」を翻訳した内容です。

SMXは非常に注目度の高いイベントですが、こうしたイベントの前にGoogleは比較的大きな変更を行ってきたケースが今までにもありました。今回のモバイルフレンドリーの変更が、SMXが開催された時期に合わせていたかは不明ですが、今回の変更をより多くの人が知る契機になったことは事実と言えそうです。モバイルフレンドリーについては、ここ最近では一番のトピックとも言えるため、引き続き、情報収集に努めたいと思います。SEO Japan

Googleのリサーチャーが”リンク”ではなく、”事実”を元に順位付けをするシステムを発表。

Googleの検索順位を決定する要素として、リンクの価値は減少傾向にあることはよく言われています。ソーシャルシグナルやエンゲージメント、ユーザビリティなどが台頭していく、という記事もよく目にしますが、今回は新たに”事実性”をシグナルとして用いるのでは?というお話です。Googleから発表された報告書を元にした記事であるため、今のうちに身につけておくと良い考えかもしれません。– SEO Japan

いつの日か、GoogleはWebページの正確性を元に、順位付けを行うようになるのだろうか?Googleが発表した報告書が、その可能性を指し示している。

しばし目を閉じ、新しい世界を想像してほしい。Webページが獲得したリンク、つまりは人気度のみで順位付けされるのではなく、記載している情報の正確性も順位付けの判断材料になる、という世界だ。そうした世界がやってくるのは、もしかしたら、それほど遠くはない未来かもしれない。

New Scientistが報じたところによると、GoogleのリサーチチームがKnowledge-Based Trust (KBT)という考えを説明した文章を発表したとのことだ。KBTはWebページの品質を決定する新たな手法であり、Webページの情報がどれだけ正確かを基準にしている。

Webソースの品質の決定は、ハイパーリンクの構造などの、外部からのシグナルによって判断されてきた。我々は今回、内部からのシグナルを用いた、Webソースの品質の決定に関する新しい試みを提示したい。つまりは、Webソースによって提供される情報が、事実として正確であるかを基準にするのだ。これにより、不正確な事実の記載が少ないソースほど、信頼に値するWebソースと判断されることになる。

上記の記述に続き、Webページに記載されている事実と、ナレッジベース(ナレッジグラフナレッジバレット)に蓄積された事実を比較する、事実の抽出プロセスについての説明をしている。また、より正確に事実を記載しているWebページヘ”恩恵”を与える方法についても言及している。十分な事実を記載していないページがある場合は、同一のサイトの別ページから信頼性を判断するようだ。

Googleは数年間に渡り、よく知られた事実を集め、巨大なデータベースを構築し続けており、2012年にナレッジグラフを導入している。ナレッジグラフは検索結果の右側に表示され、検索語に対しての情報を記載している。その対象は、人々、場所、エンティティを含む。

報告書の著者によると、KBTの初期のテストは、非常に明るい未来を示すものだったと発言している。また、”我々は、WEb上から28億のトリプル(下記参照)を抽出し、1億2千万のWebページと560万のWebサイトの信頼性を正しく評価することができた”と発言している。

注:上記の”トリプル(triples)”とは報告書で使われている言葉で、Webページで発見され、抽出された、事実性を図る要素を意味している。

このKBTというコンセプトは、インターネット全体に影響するコンセプトとなる必要はない。なぜなら、事実を共有するために作成されていないWebページや、ナレッジグラフのデータベースに存在しないエンティティを取り扱っているWebページなどもあるからである。

こうしたことも踏まえ、著者はこの信頼性を測定する方法を、”Webサイトの品質を判断するためのさらなるシグナルの提供”としており、”ページランクなどの既存のシグナルとの併用”として用いることができるとしている。つまりは、既存のシグナルに取って代わる必要はないとのことだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Researchers Introduce System To Rank Web Pages On Facts, Not Links」を翻訳した内容です。

個人的には非常に興味深い(というより複雑な?)コンセプトだと思いました。記事の下部にも言及されているように、活用できないケースもあるとは思いますが、実現されれば色々と変化が起きそうですね。誰でも情報発信者になれるがゆえに、信頼性という点では不十分であることも否めないということがインターネットの”伝統”でもありますが、こうした技術が開発されることにより、Web上のソースが一番信頼のおけるソースとなる日もくるかもしれないですね。SEO Japan

GoogleがモバイルフレンドリーとAPP Indexingをランキングアルゴリズムの要素に追加することを発表

モバイル利用の爆発的な増加はあらゆる場所で議論されていますが、Googleは検索結果を決定する要素として、モバイル対応を導入することを発表しました。Googleは近年、明らかにモバイルへの注力を高めていたため、サプライズと感じている人は少ないのではないでしょうか?また、モバイルフレンドリーに加え、APP Indexingについての発表もあったため、併せてご確認ください。– SEO Japan

Googleはモバイルでのランキングアルゴリズムに、モバイルフレンドリーであること(ユーザービリティの要素)を組み込むことを公式に発表した。また、APP Indexingをランキングファクターに含めることも併せて発表した。自身のサイトをモバイル対応に設定することが、今まで以上に重要となった。

Googleはモバイルでの検索結果のランキングに二つの大きな変更を行うことを発表した。

Googleはモバイル対応の要素を、モバイルでの検索ランキングに、2015年4月21日から導入する。また、APP Indexingに対応しているアプリのコンテンツを、そのアプリにサインインしているユーザーに対し、露出を高めることを発表した。APP Indexingに関しては、本日からの導入となる。

モバイルフレンドリーなWebサイトをモバイル検索でより上位に表示されるように

Googleは、モバイルフレンドリーであることを検索結果に表示させるだけでなく、検索結果に上位表示されるための、ランキングファクターとして用いることを報告した。2015年4月21日からの導入となる。また、Googleは今回のアルゴリズムの変更が、モバイルでの検索結果に、”大規模な影響”を与えるとしている。米国だけでなく、全ての言語への影響となる。

Googleは2013年にローンチした、モバイルでの検索結果の変更(モバイルフレンドリーでないサイトのランキングの下降)をより拡大するとしている。

さらに、Googleは、ユーザーが”デバイスごとに最適化された、関連性と品質の高い検索結果”を手に入れることができるとしている。

しかし、なぜ、すぐの導入ではないのか?GoogleはWebサイトのオーナーに一定の準備期間を与えているのだ。つまり、あなたには自身のサイトをモバイルフレンドリーに変更する期間が数ヶ月与えられているということだ。Googleはモバイルフレンドリーをランキング要素に組み込むテストを行い続けてきたが、それが現実となったのである。

モバイルフレンドリーへの準備をするために、Googleのモバイルユーザビリティレポートモバイルフレンドリーテストツールが役に立つだろう。また、モバイルガイドラインに目を通しておくこともお勧めする。

Googleにインデックスされているモバイルアプリが検索結果でより上位に表示されるように

Googleはさらに、App Indexingを設定し、Googleにインデックスされているアプリをモバイル検索で、より上位に表示されるようになると発表した。これに関しては、本日からの導入となっている。Googleによると、この対応は、該当のアプリをインストールしており、サインインもしているユーザーのみへの対応だということだ。つまり、App Indexingは、現段階ではAndroidのみの対応となる。Googleは”インデックスされているアプリは、検索結果に、より頻繁に表示されるようになる”と説明している。

アプリをGoogleにインデックスされるためには、こちらを参照すると良いだろう。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Search Algorithm Adds Mobile-Friendly Factors & App Indexing To Ranking」を翻訳した内容です。

明確な導入日を事前に公表し、全世界一斉対応というところからも、Googleが大きく関心を寄せている分野ということが伺えます。(しかしながら、日本語での発表がないような気がしますが。。。)モバイルフレンドリーというと、今までは、ユーザビリティを高めるという論点で語られることが多かったように感じていますが、これからはSEOからの論点も含まれることになるでしょう。加速度的に変更される場合に備え、最新情報は常に確認しておきたいですね。SEO Japan

2015年にマスターしたい5つのSEOスキル

久々のサーチエンジンランドの記事は、今年SEOのエキスパートとして生き残っていくために必要な5つのスキルをまとめた記事を。コンテンツマーケティングに押され気味のSEOですが、真のプロフェッショナルとして活躍を続けていくために求められるものとは? — SEO Japan

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毎年、SEOは進化し、より高度な領域へと姿を変えていく。マーケッターがスキルを改善していくにつれ、検索エンジンは検索製品を改善する。そして、様々な業界のブランドが自然な検索が成長に与える影響を実感するにつれ、控え目な取り組みであったSEOは、マーケティングの領域の一つとして確固たる地位を築くようになった。

自然な検索の過去と現在

2014年、あらゆる業界がSEOからメリットを得ていた。この傾向は、2015年に入ってからも続いている。National Retail Federationが実施したこの調査によると、SEOを含む検索マーケティングは、2014年、85%のショッピングサイトにおいて、新しい顧客を獲得する上で最も効果の高い取り組みであったようだ。

また、他のデータにおいても、自然な検索は、製品やサービスをターゲットの顧客に提示する上で、主要な出発点となることが明らかになっている。Kenshooのデータを参考にすると、大多数の消費者は、旅行を予約する際に最初に検索を行うようだ(レジャー目的の旅行者の58%、そして、出張目的の旅行者の64%)。

BrightEdge(私が勤める会社)が行った調査では、自然な検索が、分析したほぼ全ての業界において、最大のトラフィックの源であることが分かった。B2Bのマーケッター達は、自然な検索はトラフィックの51%をもたらすと指摘している。

BrightEdge traffic study by industry

それでは、現在の勢いを維持するため、SEO業者は何をすればいいのだろうか?そこで今回の投稿では、2015年に、あらゆるマーケッターがマスターするべき5つのSEOの領域を紹介していく。

1. 戦略をオーディエンスに合わせる & 競合者分析

ここ数年、SEO業界は、キーワードの意図の理解、および、意図にマッチするマーケティング戦略の分割を大幅にレベルアップしてきた。

Google アナリティクスでキーワードのデータが提供されなくなり、また、領域としてSEOが進化してきたことを受け、従来型のマーケティングのコンセプトをSEOに統合し、オーディエンスの分割における新たな手法が生まれ始めている。

量的なデータを検索の需要を生むトピックに結びつけ、オーディエンスの人物像、および、購入プロセスの有益な情報のタイプと組み合わせなければならない。

また、需要をもたらすトピックに対して、競合者が何をしているのか理解する必要もある。なぜなら、ご存知の通り、検索は片方が利益を得れば、もう片方は必ず減益を出すシステムだからだ。

要するに、次のタスクを行う上で有効に働くデータを探す必要がある。

  • 関連するマーケットに参入する新たな方法を特定する
  • ターゲットにする新しいキーワードを発見する
  • コンテンツのパフォーマンスのタイプを理解する
  • 競合者が得意とする分野、自分が改善するべき分野を確認する

進歩的なSEOは、テクニカル、分析、そして、従来のマーケティングを全て網羅する。

2. コンテンツ & SEOチームを調整する

SEOの取り組みは、ターゲットのオーディエンス像のために体験を作り出す行為そのものである。だからこそ、SEOを成功させるには、優れたコンテンツと連携する必要があるのだ。時間を割いて、先程説明したステップ 1に従えば、ユーザーを重要視したコンテンツとSEOの調整を行う際のしっかりとした土台を築くことが出来る。

2014年にContent Marketing Instituteが公表したデータによると、B2BおよびB2Cは、コンテンツマーケティングの主要なパーツとして、ブログの記事とウェブコンテンツの形式でコンテンツを活用しているようだ。

SEOの関係者の多くは、まずは戦略的なコンテンツに着手し、SEOのベストプラクティスを応用して、メリットとビジビリティ(検索結果でユーザーの視界に入る能力)を高めるのがベストなアプローチだと考えている。一方、パンダ等のGoogleのアルゴリズムは、ユーザーエクスペリエンスと品質のために力を尽くすべきだと示唆している。

また、独創的なコンテンツとテクニカルなSEOの両立を薦める意見は、確かに理論としては魅力的だが、現実として、多くのブランドが、どの部門やチームが何をすればいいのか、そして、どんな順番で行えばいいのか分からずに苦労している。

この点は、コンテンツとSEOに関する記事でも取り上げている。この記事では、コンテンツ作成とSEOを担当するチームが協力する体制を裏づける1つのソリューションとして、コンテンツの作成から最適化までの明確なワークフローを策定するアプローチを紹介した。

Content Optimization

テクニカルチーム & コンテンツ作成のチームが連携する手立てを決めようと試みているブランドに対して、この記事で指摘した考えに再び言及されてもらう — デジタルマーケティングチームの役割とスキルを全て明らかにして、重複、そして、コンテンツ作成担当スタッフがSEOを学び、SEOのスタッフがコンテンツの作成を学ぶための相互トレーニングの機会を発見すると良い。

2015年にコンテンツを介してメリットを作り出す取り組みに関しては、Marketing Landに投稿されたこの記事を参考にすると良いだろう。

3. モバイルSEOを優先する

数年前から、SEO業界では、ウェブサイト、および、企業はモバイルマーケティング戦略を策定するべきだと言う指摘が行われていた。2015年はモバイルの1年になると言って間違いなさそうだ。

事実、comScoreによると、デジタルメディアを消化する時間において、モバイルデバイスはデスクトップを既に上回っている。

5月[2014年]はモバイルが躍進した1ヶ月となった。過去数年間のモバイルメディアの勢いが、いかに強烈であったかを強調する節目を迎えた。モバイルプラットフォーム(スマートフォンとタブレット)が、デジタルメディアを消化する時間において、全体の60%に達したのだ(昨年同時期は50%)。

SEOにおいては、モバイルサイトの作成は、2015年における強固なSEO計画の中核を成す取り組みだと言える。しかし、構成には注意が必要だ — 昨年、BrightEdgeが実施した調査では、モバイルの構成を誤ると、平均でスマートフォンのトラフィックを68%失うことが明らかになっている。

また、Googleはレスポンシブデザインを推奨しているものの、マーケティングのニーズを満たすためには、ハイブリッドなアプローチの方が適している可能性がある。

ちなみに、どんなルートを辿ったとしても、Googleは1秒以内に上半分のコンテンツを読み込むことをサイトに要求している点を忘れないでもらいたい。読み込みに時間がかかると、モバイルの検索結果にマイナスの影響を与える可能性がある。

4. 役に立つ計測 & レポートを探す

自然な検索に関する調査資料は、業界としてのパフォーマンスを計測する上で重要だが、ブランド、そして、マーケッターは、結果を計測し、取り組みを定量化し、SEOが予算の分配に値する点を証明することに苦労している。

2013年、分析スキルを持つマーケッターに対するニーズを記事で取り上げたことがある。事実、2014年にCMOSurvey.orgが行った調査では、調査の参加者の44%が、マーケティングのインパクトを証明する計測指標を持っていないと答えていた。

この感想は2014年のAdobeの調査でも表れており、マーケティングの資金を投入する場所を考える際、マーケッターの49%はデータではなく、直感に頼ると打ち明けていた。

ただし、レポートは必ずしも複雑化しているとは限らない。今年は、データのソースを簡素化し、構造化したデータのソースを介して、正しい情報を見出す取り組みに力を入れるべきである。

つまり、マーケティングの取り組み(その中でも、会社の収益に影響をもたらすもの)を証明する上で紛れもなく重要なKPI(主要業績評価指数)を特定し、複数のデータソースを単一のプラットフォームに取り込み、パフォーマンスにおける真の見解を手に入れる必要がある。

5. SEOのデータを全てのチームに統合する

SEOの担当者や担当チームは、他のチームと同じ目標を掲げなければならない。様々なマーケティングを担当するチームが、得た情報をシェアし、複数のチャンネルをまたぐマーケティングを行うために連携すれば、各々で行動を起こす場合と比べて、大幅にパワーアップするはずだ。

例えば、共生関係を持つ2つのチャンネルとしてSEOとPPCが挙げられる。SEOのデータはPPCにとって有益であり、反対に、PPCのデータはSEOの役に立つ。Google、Kenshoo等のデータは、自然な検索および有料検索がお互いの成果に与える影響を明らかにする。

2015年、SEOのデータを他のチームとシェアし、マーケティングキャンペーンにおいて連携した取り組みを行う手段を皆さんは用意しているだろうか?

小さなステップを踏み、最終的にマスターする

「人生は終わることのない旅」と言う格言はSEOにも当てはまる。

SEOは、ウェブサイトの一部となり、継続的にブランド(そして、コンテンツ)をより大勢のオーディエンスに提示し、ユーザーにより優しい体験を作り出す能力を改善する。

1日でSEOをマスターすることは出来ないものの、SEOの各領域で少しずつ前に進むことは可能だ。そうすれば、サイトは改善され、SEOに対する取り組みはより大きなインパクトを与えるようになる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「5 Essential SEO Techniques To Master In 2015」を翻訳した内容です。

SEO単独のスキルというよりは、SEOをいかにウェブマーケティングに統合していくか?というお話でした。実際、実用性や有効性考えても、単体のSEOスキルよりはコンテンツマーケティング含めたウェブマーケティング全体にいかにSEOを融合していけるかということが、はるかに重要と思いますし、SEOのエキスパートに求められているものかと思います。 — SEO Japan

Googleの新アルゴリズム「ピジョン」の全て

ローカル検索に関するアルゴリズムとして登場したGoogleの「ピジョン」(鳩)アルゴリズム。日本ではまだ適用されていないようですし、国土も広くローカル検索が進化している米国と違い、重要性がまだ薄いかと思い、これまでSEO Japanで取り上げてきませんでしたが、サーチエンジンランドでまとめ記事が出ていたのでここに紹介したいと思います。今後重要性が増していくことは間違いないローカル検索、いずれこのアルゴリズムも適用されていくと思います。そうなる前に、まずはこの記事でGoogleの新アルゴリズム、そしてGoogleのローカル検索に対する考え方を理解しておきたい。 — SEO Japan

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ローカル検索は重要だ。今までも、そして、今後も重要な存在であり続ける。移動が多い人であっても、ローカル検索の結果を軽視するべきではない。 

Googleの最新のローカルアルゴリズムは、具体性および正確性を一段とレベルアップさせている。今回の投稿では、このアルゴリズムのアップデートに関して、知っておくべきことを全て伝える。

1. 2014年7月24日に導入されたピジョン

昨年の7月24日、Googleは新たなローカル検索アルゴリズムを導入した。バリー・シュワルツはその日の夜にSearch Engine Landでこのニュースを伝え、その後、「ピジョン」と命名した。

Mozはアルゴリズムの変化に関するレポートで、このアップデートを次のように描写していた。

Googleは、このアップデートで、一部のローカルの結果を大幅に変え、さらに、検索エンジンが場所の手掛かりに対処 & 解釈する仕組みに修正を加えたことで、ローカルSEOを大いに揺るがした。そのGoogleは、ローカルアルゴリズムとコアのアルゴリズムの結びつきをより密接なものにした、と主張している。

8月1日、ピジョンはアップデートされたようだが、Googleは認めていない。

2. Google マップの検索 & ウェブ検索の双方の結果に影響が出る

Googleの検索とGoogle マップの検索は、時折異なる検索結果を表示することがある。ピジョンが導入された後、この傾向に変化が見られるようになった。ピジョンはウェブ検索とマップの検索の結果に一貫性をもたせる。

3. ローカルの結果は従来のウェブランキングシグナルに密接に関連する

ピジョンアルゴリズムにより訂正されたローカルの結果は、Volume Nineがレポートの中で説明しているように、「Google ウェブ検索のページのランク付けに似ている」。

Search Engine Landは「ピジョンはローカルの結果を通常のウェブランキングシグナルにより密接に結びつける」と指摘している。

新しいローカル検索アルゴリズムは、サイトのウェブ検索のランキング能力と密接に絡み、スペルミスの是正、類義語、および、ナレッジグラフ等の機能に加え、多数のランキングシグナルを活用する。

4. ピジョンはYelpを指定した結果の精度を改善する

ローカルレビューサイトのYelpは、検索結果で同社のサイトが明らかに軽視されているとして、2014年の中ごろGoogleに抗議した。Yelpは、検索エンジンのユーザーがクエリの中で具体的に「Yelp」を求めているにも関わらず、GoogleのレビューがYelpのレビューよりも上位に掲載されるととして、Googleを批判していた。

ピジョンはこの問題を解決し、現在、Yelpを指定するクエリは、Googleのレビューよりも上位に表示されるようになっている。

5. ピジョンはその他のローカルディレクトリに対する検索結果の認識も改善する

引き上げてもらったローカルレビューサイトはYelpだけではない。Urbanspoon、OpenTable、TripAdvisor、Zagat、Kayak等のサイトもまたピジョンのリリース後、検索結果で目立つようになった

「サンフランシスコ レストラン」のような一般的なクエリでも、つまり、レビューやレビューサイトを指定しなくても、このタイプの結果が返される可能性がある。基本的に、ピジョンはディレクトリとディレクトリのリスティングを重視していると言える。

6. ピジョンはGoogleがリリースしたアップッデートの中で規模が最も大きい

Mozcastのデータには、アップデートが行われた後、大きな変動が記録されている。以下のグラフには、ローカル(通常のリスティング)、カルーセル、そして、ワンボックスにおける変化が記されている。image00

7. 距離 & ロケーションのランキングパラメータが改善された

Search Engine Landは、「Googleがピジョンの導入により距離とロケーションのランキングパラメータが改善されたと述べた」と指摘している。距離 & ロケーションのランキングパラメータが何なのかは良く分からないが、具体性が高まったことにより、どうやら「インフォーマルスペース」(周りとの境界が曖昧な空間)と呼ばれる密度の高い地域に影響が及ぶと見られている。

昨年アンドリュー・ショットランドは、「インフォーマルスペース」および「地域アルゴリズム」を記事の中で取り上げていた。

ローカル検索のデータの世界では、地域は「インフォーマルスペース」と呼ばれることがある。つまり、標準的な境界線が存在しないと言うことだ。従って、地域の範囲の定義は、人によって異なる。その結果、Google等のサービスは、地域を適切に反映させることに苦労する。

ピジョンがリリースされる以前、このような密度の濃いスペースに対するローカルの検索結果は解析が困難であった。現在、ピジョンが具体性をレベルアップさせたことにより、精度が増している。それでは、この精度の改善により、どんな影響が現れるのだろうか?私は次のように推測している。

ピジョンは、地域を検索するための従来のクエリ、および、同じ地域を検索するための口語調のクエリに対して、より精度の高い結果を返す。

地域は、話しかける相手によって、複数の異なる名称で呼ばれる可能性がある。例えば、地図を必要とする不慣れな人が、場所 Aを訪問し、地図に書かれているように「アップタウン」と呼ぶ。しかし、地元の住民は、「アップタウン?聞いたことがないな。ここはトラックビルだよ」と言う。1つの場所に2つの名前が存在する。どちらの呼び方が正しいのだろうか?今回のアルゴリズムのアップデートにより、どちらも正しくなった。

ピジョンは検索された地域の少し外側のエリアの結果も提供する。

都市でカフェを探していると仮定する。地図が定義する別の地域の「境界」に近づいてきた。

ラテが飲みたいだけであり、境界線の策定など知ったことではない。そのため、「ソーホー カフェ」で検索をかけ、ソーホーの公式の範囲から外れたリトルイタリーの結果が表示される。ソーホーの場所によっては、リトルイタリーは目と鼻の先だ。

この例は、ピジョンが土台を置く明確に限定されていない具体性、および、ロケーションベースの直観を物語っている。ショットランドは、「無限のアルゴリズムの知識を持つGoogleは、地域のような小さな検索の領域を見ると、より安定した一連の結果を提供するため、ユーザーに指摘された領域の外側の結果も見せたくなる」と表現していた。

ピジョンは地域に特化したキーワードを使い、地域に言及するビジネスを優先する。

具体性が強化されたため、地域のビジネス(会社、店舗)は、ソーシャルメディアのプロフィール、言及、そして、Google+のプロフィールを、市や地区の名前だけでなく、市や地区の領域内の具体的な場所を反映させることを意識して最適化に励むことで、より上位にランク付けしてもらえるようになるだろう。従って、ハイパーローカルの重要度がより高くなったと言える。

8. 結果の組み合わせが行われ、多くのローカルの検索結果が変化した

ピジョンの導入後、一部のサイトはランキングを上げていたが、その一方で、ランキングを下げるサイトもあった。Search Engine Landの読者のコメントを幾つか紹介する。

  • ショーン M — 複数のクライアントのためにレポートを実施したが、検索クエリの結果において全てのクライアントがランキングを上げていた — 大きな変化も見られた。
  • リンダ B — SEOのリサーチを行うために私がチェックしているローカルの結果の全てで、大きな変動があった。
  • ジム K — 歯科医院を営むクライアントの結果をチェックしたところ、ローカルのリスティングが姿を消していた。
  • ロバート — Google+のリスティングが大打撃を受けた。以前は1位だったが、表示されなくなってしまった。地域で複数の店舗を展開しているが、私達の代わりに検索結果に表示されるようになったのは、店舗を持たないビジネスのウェブサイトだ。何と言うことだ…。
  • ニコ — 現実の世界のことを全く理解していない最低のアルゴリズムだと思う。残念だ。
  • ジェームズ — メインの検索フレーズに対する地図のセクションが消えた。ただし、州の略称、または、州の名前をそのまま入力すると再び地図が掲載されるようになる。
  • ジェイソン — 地域のレストランに対するSEOを軽く実施してみた。三週間前にレストランが完全に検索結果から姿を消していた。しかし、本日、州、市のレストランの検索結果で、1ページ目の3位に突然復帰した。出入りが激しい分野ではあるが…
  • ブライアン — クライアントのサイトの結果が大きく変化した。これほど大きな変化を見るのは久しぶりだ。

勝つ者もあれば、負ける者もある。アルゴリズムの変更はこのような結果を導く。

9. 一部の特定のタイプのビジネスはランキングを下げた

Search Engine Landに寄せられた大量のコメント、および、ダレン・ショウによる地道な作業の結果を参考にする限り、一部のビジネスのタイプは、ピジョンによるダメージを受けていると言える。ショウがランキングを落としたと特定した分野/テーマを挙げていく。

  • mold removal(カビ 除去)
  • dui lawyer(飲酒/麻薬専門 弁護士)
  • dui attorney(飲酒/麻薬専門 弁護士)
  • real estate/realtors(不動産/不動産仲介)
  • emergency plumber(緊急 配管)
  • commercial * (塗装、工事、改築等) — 基本的にcommercialの後に続くクエリは全て

10. ローカルのセクションが減る

ピジョンがもたらした変化の中で特に目立つのが、ローカルのセクションの減少だ。Whitesparkを運営するダレン・ショウは23%減少したと報告し、Mozcastでは60%の減少を記録していた。この大幅な減少に対してマイク・ブルーメンソールは有益な意見を提供し、また、7パックにおける減少も指摘している。

11. スパムが検索結果に表示された

アルゴリズムの変更が行われた直後、検索結果の上位にスパムが表示されていると言う苦情が寄せられていた。また、ピジョンがリリースされた後、Expediaはホテル扱いされていた。

当然だが、今回のアルゴリズムのアップデートはスパムを狙っていたものではない。そのため、一部のスパムが紛れ込む可能性はある。ピジョンに関する見解を多数提供していたバリー・シュワルツは、「あらゆるアルゴリズムの導入に共通することだが、バグ、予想外の結果、そして、関連性の低い結果を完全に避けることは不可能だ」と指摘している。

また、ローンチ後、継続的に改善が行われている。この点もあらゆるアルゴリズムの導入に共通することだ。事実、ピジョンが展開されてから、スパムレポートは徐々に消えていった(Expediaの問題も解決された)。ピジョンは、品質の高い結果のみを表に出すことで、安定化に成功したようだ。

12. ピジョンは世界各国に展開されているわけではない

2014年7月4日にローンチされたピジョンは、アメリカに限定されていた。昨年の12月、イギリス、カナダ、オーストラリアに展開されていった。この記事を書いている時点で、その他の地域にはリリースされていない。

結論

この件に関しては、本のタイトルで「グローバルなバーチャルな世界において、場所は今まで以上に重要になった」と断言したジョン A. クエルチとキャサリーン E. ジョクスの考えを私は支持する。

サンフランシスコに行き、テルアビブの同僚と会話を交わし、ロンドンのクライアントのウェブサイトを調整し、パースとニューヨークの業者とテレビ会議を行うような生活をしている者であっても、ローカル検索の重要性を理解する必要がある。

ピジョン(どんな呼び方をしても構わない)は、ローカル検索を推進する。これは良い傾向だ。皆さんのビジネスは、今回のローカル検索の改良により、どのような影響を受けただろうか?

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Everything You Need To Know About Google’s Local Algorithm, Pigeon」を翻訳した内容です。

アルゴリズム自体はまだまだ調整途中にあるようにも思えますが、スマホの普及やGoogle Now等もあり、ローカル検索のアルゴリズム改善は今後、ある程度一息ついたスパム対策以上にGoogleにとっての大きな課題なのかもしれません。記事にもあった、人によって距離感の概念が違う「インフォーマルスペース」の問題をどう解決していくかは興味深いですね。クリック・閲覧履歴もベースにできるでしょうが、スマホの場合は最終的には過去の滞在場所・移動履歴等も考慮されるようになると、驚く程に適格すぎる結果が出てきそうで怖いような嬉しいような。またそこにセレンディピティ的要素も考えないといけない所が検索の難しさ。もしかすると、いつも同じラーメン屋やコンビニばかり行く人にはセレンディピティは必要ないと考えるのかもしれませんが。。。Googleの進化、想像するだけでワクワクしますね。SEO屋としては死にそうですけど。 — SEO Japan

日本のニュースアグリゲーションアプリ「SmartNews」がアメリカを制す

日本で非常に熱いニュースアプリの分野ですが、その中でも先頭を走るSmartNewsが米国進出し好調なのをご存じの方も多いと思います。そんなSmartNewsに関する記事がまさかのサーチエンジンランドに出ていましたのでここに思わず紹介。– SEO Japan

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どこからともなく姿を現したSmartNewsは、あっと言う間に、アメリカのニュースアグリゲーションアプリのマーケットを席巻した。それもそのはず、数多あるニュースアグリゲーションアプリの中でも、このアプリの利便性は群を抜いている(Google Newsよりも遥かに優れている)。

今週始め、SmartNewsは、TIME、USA Today、MSNBC、NBC News、AP、CNET、Quartz、LA Times、Atlantic、Reutersを含む多数の既存のコンテンツのソースにローカルニュースのチャンネルを加えた。ローカルニュースは、手始めにサンフランシスコ、ニューヨーク市、ロサンゼルス、シカゴ、ワシントン D.C、アトランタ、シアトル、ボストンで提供される。

2012年に設立され、基礎的な検索/ウェブクロールテクノロジー & 機械学習を土台に構築されたSmartNewsは、昨年の10月にアメリカに進出した。それ以来、あまり話題にはならなかったが、急速なペースでユーザーベースを増やしていった。

Smart News

ここ数年の間、無数のニュースアグリゲーションサイトが生まれては消えていった。その多くは方針を転換したか、買収された後に姿を消している。その典型的な例が、Taptu、Pulse、そして、Ziteの3つだ。

Flipboardは生き残りに成功したが、バラ色の未来が待っているとは言い難い。Yahoo! News Digestは便利だが、完成度は低い。そして、Facebook Paperは現時点では使えない。

個人的な意見だが、現存するニュースアグリゲーションツールの中には、SmartNewsに対抗できるアプリは見当たらない気がする。実を言うと、このアプリがリリースされた際、ニュースアグリゲーションアプリがまた一つ増えただけだと私は考え、サイトで取り上げようとは思わなかった。

しかし、10月以来毎日のようにこのアプリを使うようになり(NY Timesの次に利用頻度が高い)、UI、ユーザビリティ、そして、カスタマイゼーションのレベルの高さを実感するようになった。SmartNewsは現在約40名のスタッフを抱え、そのうちの多くは日本人のエンジニアであり、エディター、「キュレーター」、デザイナーはほんの一握りしかいない。

昨年のアメリカでのリリースの直後、同社はリッチ・ジャロスロフスキーをコンテンツ担当のヴァイスプレジデントとして採用した。ジャロスロフスキーはオンライン版ウォールストリートジャーナルの初代の編集長であり、Online News Associationの創設者でもある。また、Bloombergでも編集部門を統括した実績を持つ。

SmartNewsは現在まで3600万ドルの資金を調達している。目下、日本とアメリカでサービスを提供し、ヨーロッパのマーケットに参入する準備を進めている。コンテンツパートナーの大半と明確な契約を結んでいる点においては、Google Newsとは一線を画していると言える。その意味では、アンチGoogle Newsとも呼べるかもしれない。

日本では、SmartNewsは広告を掲載している。パートナーが完全に広告を管理するか、それ以外の場合は収益をシェアする仕組みが取られているようだ。今のところアメリカでは広告を掲載していないものの、今後掲載される予定だ。

新聞社の収益と発行部数は減少しているものの、Pew Research Centerのデータを参考にする限り、消費者はニュースを求めているようだ。ただし、デジタル形式での提供を望む消費者が増えつつある。事実、PR会社のEdelmanが実施した世界的な調査によって、信頼に関して、デジタルメディアが従来のニュースのソースを追い抜いていることが明らかになっている。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「News Aggregator SmartNews Shows Rapid Growth, Adds Local Channels」を翻訳した内容です。

ニュースアプリのアイデア時代はFlipBoard、Zite、Pulse等、元々は米国が先行していたと思うのですが、FlipBoardは雑誌?的メディア路線を進みつつも、ZiteやPulseはそれぞれ買収されたせいか成長・変革スピードが少し落ちていたように感じます。その他にも多数の新興ニュースアプリ&リーダーがあったのですが、SmartNewsがあれだけ後発で短期間に急成長を遂げたのは日本人として誇らしい限りですね。元々技術的優位性が売りだったSmartNews(の前サービス?)と思いますが、優れたUIと使いやすさ(そこに技術力を生かしてもいるのだと思いますが)で米国市場のトップに躍り出るとは日本の技術・デザインがユーティリティアプリの分野でも世界に十分通じることが証明されたといっていいのでしょうか?!トップレベルの現地人材雇用と結果としての一流コンテンツパートナーの提携も素晴らしいですね。メディア分野で日本初のサービスが米国・そして世界を制する日が果たして来るのか、、、今後の成長が楽しみです。 — SEO Japan

コンテンツマーケティングにもリンク構築が必要な理由

これからはSEOよりコンテンツマーケティング、リンク構築はもう必要ない、と考えている人は多いと思いますが、そこに異論を呈した記事をサーチエンジンランドから。物事を単純に考えすぎている人は一読を。 — SEO Japan

teamhero

結論から言うと、コンテンツマーケティングチームは、リンクビルダーのメンバーを迎えると、大幅に戦力がアップする。

コンテンツマーケティングには、ライター、業界のエキスパート、グラフィックデザイナー等が必要だ。一人で数役をこなす場合もあるが、すべての役割をその道のプロのように全うすることは不可能である。また、コンテンツマーケティングにおいて、プロモーションを行う職種、とりわけリンクビルダーは見過ごされることが多い。

カンファレンスで出会った人達との会話から判断すると、コンテンツマーケティングとリンク構築の違いを理解していない人達がいると言わざるを得ない。

この点に関しては以前も指摘したことがあるが、今後も「コンテンツマーケティングとリンク構築を同一視するべきではない」と何度も指摘することになるはずだ。この2つの取り組みには、幾つか大きな違いがある。両者は巧みにお互いを補うものの、同義語ととらえるべきではない。コンテンツマーケティングとは、メッセージを広め、オーディエンスを増やす取り組みであり、一方のリンク構築は、検索結果で見つけやすくして、信頼の票を得るための運動である。

コンテンツマーケティングは、リンク構築ではない。しかし、リンクを加えると、コンテンツマーケティングに大きなメリットがもたらされる。コンテンツは、 自然に見つけやすくなるのではない — 最高の作品であっても、プロモーションが必要である。

コンテンツマーケティング & コンテンツショック

コンテンツマーケティングは、19世紀後半に生まれたコンセプトであり、デジタル時代に生まれたイノベーションではない。デジタルマーケティングは、日に日に、コンテンツの作成と配信への依存を強めている。

コンテンツマーケティングは、私がこの業界に参入した頃、急激にその存在感を増すようになった。1日に作られるコンテンツの量が、議論の対象になっており、正確な数量を計算する術はないが、DomoとColumn Five Mediaによると、2012年の時点でさえ毎分347本のブログの記事がアップロードされているようだ。

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しかも、これはWordPressのブログに限定した数量である。

コンテンツマーケティングの台頭により、コンテンツショックと呼ばれるセオリーが誕生した。この賛否の別れるセオリーは、2014年1月、マーク・シェーファーによって、初めて提唱された — マーク・シェーファーは、コンテンツマーケティングは、長続きしない取り組みであり、バブルはやがて弾けると指摘した。コンテンツの生産量が急激に増加し、単純に、時間に対して、目を通すコンテンツが多過ぎることが、このセオリーの根拠とされている。

このセオリーに同意していなくても(実際に反論している人達もいる)、とんでもない量のコンテンツがウェブに存在する点に関しては、否定のしようがない。星の数ほどのコンテンツが存在する中で、1本のコンテンツを目立たせるにはどうすればいいのだろうか?

その答えが、リンク構築である。

リンクを必要とする理由

リンクは、Googleのアルゴリズムにおいて、今でも最も重要視されているランキングシグナルである。この点に関しては、今までと変わりはない。Googleで重要な役職に就く従業員も認めている。

Googleのウェブスパム対策を統括するマット・カッツは、6月に行われたSMX Advancedカンファレンスで、1時間を割いて、ダニー・サリバン(当サイトの編集長)と議論を交わしていた。このセッションでは、様々な話題について議論が行われたが、私が気になったのは、ダニー・サリバンが、リンクの価値とリンク構築に関する見解を求めた場面だ(このインタビューはYouTubeで視聴することが可能であり、この場面は、27:27に始まる)。

リンク構築は滅びていません。[...] リンクにはまだまだ利用価値があると私は考えています。

マット・カッツ

要するに、コンテンツに向かう、信頼に値する、適切なリンクを持っていると、自然な検索結果で上位にランク付けしてもらえる確率は高くなるのだ。検索でコンテンツが目立てば目立つほど、トラフィックは増え、そして、認知度は高くなる。何と言っても、Googleは、世界で最もビジターが多いサイトである。

リンクビルダーが出来ること

このように、リンクは、最適化の取り組みにおいて、非常に重要度が高い。と言うことで、早速、リンクを獲得しよう!

…と言いたくなるかもしれないが、はやる気持ちをまずは抑えよう。リンク構築を成功させたいなら、現在のスタッフの仕事に単純にリンク構築を加えるべきではない。優れたライター/グラフィックデザイナーであっても、必ずしもリンクの獲得が得意なわけではない。 良質なリンクの要素、狙いを定めるべきサイト、避けるべきサイト、その他のリンク構築とSEOに関するニュアンスを理解していない可能性もある。

コンテンツチームを指導して、リンク構築のイロハを教える余裕があったとしても、現在の職務に加えて、リンク構築のスキルを磨く時間は持てないはずだ。リンクに値するコンテンツを作成する作業は、当該のコンテンツにリンクを構築する作業と同じように、時間がかかる。

だからこそ、コンテンツの検索結果でのビジビリティ(見つけやすさ)を高めるベストプラクティスを心得たリンクビルダーを雇用するアプローチが、ベストだと言えるのだ。そもそも、トレーニングを受けていないスタッフにコンテンツを与え、ブランディングを任せることが出来るだろうか?

リンクビルダーは、Googleにアクセスする大勢のユーザーに、コンテンツを提示するためのデジタルな基盤を築く。コンテンツマーケティングは、コンテンツを作るだけの取り組みではなく、コンテンツを宣伝する取り組みも含まれる。そして、この宣伝の役割を果たすのが、リンクである。

リンク構築が、キーワードリッチなアンカーテキストを、何でも受け入れる大規模なリンクディレクトリに投稿するだけの時代は終わった。古き良きリンク構築 — 宣伝としてリンク構築に取り組む時代が戻ってきたのだ。

宣伝としてリンク構築を行う

リンク構築は、随分以前から行われている。事実、アルゴリズムのメリットが登場する前から存在する。リンク構築の草分け、エリック・ウォードが、Amazonに対してリンク構築を始めたのは、今から22年前の1994年のことであった。当時、Googleはまだ生まれていなかった。Googleの前身、BackRubが生まれたのは1996年である。エリック・ウォードがAmazonのためにリンク構築を始めた頃は、リンクを票として見るのではなく、宣伝する目的でリンク構築を行うのが主流であった。

ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがGoogleを立ち上げた際、リンクは検索エンジンにおける最も強力なランキングシグナルになった。その結果、リンク構築は、あっと言う間に、操作が横行する取り組みと化してしまった。テクノロジーの天才が、Googleのアルゴリズムを操作することのみを目指して、大量の質の低いリンクを作るメソッドを次々と編み出していったのだ。

しかし、Googleは、密かに対策を練っていた。それが、2012年4月に導入されたペンギンアルゴリズムアップデートである。 このアップデートは、スパムとの闘いにおいて、最もアグレッシブな対策であったと言われている。ペンギンアップデートが展開された結果、リンク構築は、原点回帰することになった。

リンク構築の宣伝面でのメリットは、永久に不滅である。被リンクは、様々なアドバンテージをもたらしてくれる。Googleは、世界で一番交通量の多い通りで、交通整理を行っている警官だと考えてもらいたい。

自分のコンテンツに向かうリンクを取得すると、当該のコンテンツは、1日に30億回利用される検索エンジンの結果ページで、見つけてもらいやすくなる。

最近、ソーシャルメディアが急成長し、FacebookやTwitter等のプラットフォームは、デジタルマーケティングの取り組みにおいて、注目を集めていることは百も承知だ。しかし、ソーシャルシェアの効果は、その性質上、束の間である。私なら、自分の業界、製品、そして、コンテンツに関する情報を具体的にユーザーが求めているGoogleで、コンテンツを見つけてもらいたいと思う。

リンクの獲得に関して、全く宣伝を行うことなく、リンクを向けてもらえる場合、より大きな力を得ることが出来る。このようなケースは、実際に起こり得る。しかし、獲得した1本のリンクに対して、さらに5本のリンクの価値があり、その5本をもたらしてくれるのが、プロモーションである。そして、その役にうってつけなのが、リンクビルダーだ。

結論

優れたコンテンツマーケティングチームは、異なるスキルを持つ人物で構成されている。リンク構築もその中の一つに該当する。

コンテンツは、至る所に存在するため、とりわけコンテンツの宣伝を怠っている場合、簡単にかき消されてしまう。 チームにリンクビルダーを迎えると、コンテンツマーケティングを成立させ、検索結果でより大勢のユーザーに見つけてもらえるようになる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Why Your Content Marketing Team Needs A Link Builder」を翻訳した内容です。

リンク構築といってもいわゆる人口リンク注入とは違う次元の話です。リンクが多いコンテンツがGoogleのアルゴリズム上、上位表示されやすいのは当然の話ですし、今はリンク構築を意識せずコンテンツの内容だけで勝負している人が大半と思いますが、実際の記事の質以上に、投稿時にどれだけ人気を得られるかということや記事が掲載されているサイトのオーソリティ次第という部分も大きいですよね。リンク構築の手法はアプローチをコンテンツマーケティングの活動に投入していくことは、中長期的には検索経由のコンテンツへの集客を増すことにもつながると思いますし、検討してみる価値はあると思います。英語圏に比べ日本語のネットリソースはそもそも限られているので、どこまでできることがあるかは微妙な面もありますが、、、ただ時にリンクを意識した、いわゆるリンクベイトコンテンツを投入してコンテンツやサイトのオーソリティを上げていく等の内容ありきのリンク構築なら取り組めるかもしれませんね。 — SEO Japan

パンダとペンギンに生活を左右される日々の終わり

2015年も始まりましたが、昨年後半期待された?大型イベントといえばペンギンアルゴリズムのアップデートでした。予想以上に盛り上がらなかったのは想定の範囲内、といった感じだったかもしれませんが、そんな内容から改めてペンギン&パンダの最新状況を考える記事を。SEO業界を揺るがしてきた2大アルゴリズムの今とは。 — SEO Japan

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ペンギン 3.0(日本語)が登場してから数か月が経過した。「大きな影響を与えていない」、と言うのが大方の見方だ。事実、検索結果に変化が生じたのは1%に満たないとGoogle自身が報告している。

ペナルティーを受けたと主張するサイト全体で同じ様な結果が出ていた。私がマーケティングコンサルタントを務めるRankAboveでは、大量のデータを用いて分析を行っている。この中には、クライアントのデータもあれば、有益な情報を得るために、弊社自身が集めているデータもある。

ペンギンのインパクトを受けたサイトに対する、追跡中の25,000点近いキーワードにおいて、ほとんど変化は見られなかった。

Ranking Delta after Penguin

ペンギン 3.0後のランキングデータ

と言うことは、前回のアップデートが行われ、一部のウェブサイトを奈落の底に突き落とした時点から状況はほとんど変わっていないことになる。

ペンギン 3.0によって、窮地に陥った多くの小規模なオンラインビジネスが救われるのではないか、と言う期待があった。しかし、この期待を裏切る結果が出ている。今後も、過去の大きな変化と同じようなレベルの変化は生じない可能性が高い。ペンギン 3.0は安定期に入っており、新たな標準が確立されたと言えるだろう。

しかし、赦免を求めていたオンラインビジネスはどうなってしまうのだろうか?なぜか回復しなかったのだろうか?

ペンギン & パンダの仕組み

ペンギンとパンダのリリースによって、検索エンジン結果ページ(SERP)の再編成が行われた。これは必要とされていた変化であった。当時、ガラクタのようなページやスパムがSERPに蔓延していたためだ。そして、このようなウェブページは今も健在である。

ペンギンとパンダのアップデートはスパムの問題を解決するために行われた。不正をしているサイトの価値を低く評価することが可能なシステムを導入し、GoogleはSERPを揺るがした。その結果、様々な取り組みによって得た「妥当」なポジションを失うサイトが現れた。

最大の誤診であった可能性もある。しかし、実際に上位に値しないサイトもあった。つまり、不正な取り組みによって人為的に上位にランクインしていたサイトのことだ。

そのため、このタイプのサイトを運営しているなら、そもそも、人工的に到達したランクに戻ることが出来るなどと期待するべきではない。現在のペンギン後の位置こそが相応しい場所だと言える。

サイトがペンギンに捕まるとどうなるのかに関して、様々な推測が行われている。悪質なリンクによるメリットを全て失い、ペナルティーが新たに科されるのか?あるいは、SERPの本来あるべき位置まで落とされるだけなのだろうか?

Devalued Links vs Penalty Links

最新のアップデートによって、不正な手を用いたサイトは妥当な、粉飾されていない場所に落ち着いた、と私は見ている…追加のペンギンペナルティーが科されなければの話だが。

ペナルティーであれ、ペナルティーではないのであれ、サイトが被ったランキングの落下においては、その差はたいして重要ではないと思う。

実際の「ペンギンペナルティー」は幾つかの理由で、それほど大きな影響を与えていないと私は推測している:

  1. データを参考にする限り、SERPにおいて大きな変化が見られないため。
  2. ペンギンにつかまった大半のサイトはリンクプロフィールを整理したものの、ランキングはほとんど上がっていないため。

また、SERPにおける変化が少ない理由に関して、リンクの年齢と鮮度を考慮する必要もありそうだ。2012年より前にスパムリンクを日常的に構築していたウェブサイトは、新しい品質の高いリンクの獲得にほとんど時間を割いていなかったはずだ。

そして、2012年以降は、スパムリンクを整理する作業に力を入れ、新しい質の高いリンクを入手する取り組みはまだ行っていないのではないだろうか。要するに、過去2年間で被リンクのオーソリティは弱体化したのだ。簡単に言うと、2011年に得たリンクは、2014年に得たリンクほど価値が高くない。

Graph of Ranking Change Speculation

 

パンダとペンギンに生活を左右される日々に終止符

最終的に妥当なランキングに落ち着いたのではないだろうか。パンダとペンギンは2、3年間に渡ってSEO業界を揺るがしてきた。この2つのアルゴリズムのことを良く知る時間は十分にあり、また、過去の手法が効かなくなったことは明白である。

古いリンク構築の手法、そして、古い例レベルなコンテンツは効果がなく、求めている結果を得ることは出来ない。

リンク構築はマーケティングに過ぎない。ペンギンとパンダはこの点を私達に気づかせ、本来の検索エンジンによるリンクへの対応を反映させただけだ。

優れた、質の高いコンテンツを作る。その良質なコンテンツを基に、関連性があり、信頼のあるリンクを獲得する。このプロセスを繰り返し、鮮度を維持して、質が高く、有益で、価値の高いコンテンツをコンスタントに与えていく必要がある。

アルゴリズムのアップデートを気にする必要はない。(スパマーを除いて)その時期は終わったと言える。

これは新たな標準として確立されただけでなく、現実であり、そして、あるべき姿でもある。そのため、「回復しなかった」ことを嘆き悲しむのではなく、前向きな取り組みを行うべきだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is This The End Of The Penguin & Panda Era Shakeups And Recoveries?」を翻訳した内容です。

パンダとペンギンに生活を左右される日々に終止符が打たれた、というのはSEOを長くやってきた方であれば既に何となく実感しているのではないでしょうか。検索ユーザーにもウェブマーケッターにもポジティブなこととも思いますが、かつてのトリック派には少し物足りない時代かもしれません 汗 だからこそのコンテンツマーケティングだったりするわけなんですけどね。我々も新会社まで作ってしまいましたし、SEOの形は変われどより地道に着実に努力していきたいと思います。– SEO Japan

2010年代におけるGoogleの進化とSEO衰退の歴史まとめ

ペンギン・パンダ等のアルゴリズムの進化、そして手動の取締り強化により、SEOを巡る状況は英語圏のみならず日本でも大きく変わりました。今回はそんなGoogleの進化とそれに伴うSEOの衰退を整理してまとめてくれた記事をサーチエンジンランドから。もちろんSEOの概念や必要性がなくなることはないでしょうが、専門職としての役割と需要は、Googleの進化と共に減ってきているのは紛れもない事実と思います。業界関係者には是非読んでほしい内容。 — SEO Japan

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SEO業界は2010年以来劇的な変化に直面しているが、今度どのように進歩するのだろうか?

賢くなったGoogle

Googleは常に賢いサービスであった。立ち上げられたばかりの頃、ページランクアルゴリズムによって、Googleは検索業界を一変させた。あまりにも革命的であったため、今となっては誰も覚えていないその他諸々の検索エンジンを次々と葬っていった。カフェインが導入される前の、初期のGoogleも賢く、2010年以降に登場するGoogleの前任者としては申し分のない製品であった。

過去を振り返ると、Googleの品質保証、つまり検索エンジンの結果ページ(SERP)を保護する取り組みは力に頼っていた。相互リンク、有料テキストリンク、アーティクルリポジトリのリンク等、迷惑なリンクを特定して、ウェブスパムを識別し、対処するプログラムを書くのが常套手段であった。インフラに対するビッグダディアップデートが行われる前は、特にこの傾向が強かった。

インデックスのインフラを対象としたカフェインアップデートが2010年に導入された際、マイリー・オイェはウェブマスターセントラルで「ウェブ全体が拡大、そして、進化を続けており、カフェインを投入することでGoogleも共に進化することが可能になる」と話していた。この言葉は嘘ではなかった。カフェインが導入されると、Googleは好みのサイトをより正確に特定することが可能になった。

例えば、Googleは、上位にランクインしているコンテンツを書き直し、反復するのではなく、新しい情報、アイデア、あるいは、考えを当該のトピックに与えるコンテンツを求めている。

確かに、Googleはさらにパワフルな武器も導入している(パンダやペンギン等)。しかし、現在のGoogleはより知的な行動を取る気がする。ページランクアルゴリズムとパトロールが強化されただけではない。

初期のGoogleに話を戻す。10年以上前のGoogleと同じく、SEOコミュニティもまた賢かった。相関関係を誰かが発見するずっと前に、SEOコミュニティは重要なランキングファクターを特定することに成功していた。

SEOコミュニティはGoogleの裏をかくこともあった。SEO業者に欠けていたのは、知識、あるいは、知識だと思っていたモノを体系化するプロセッサとストレージだけであった。

その後、ムーアの法則が追いつき、クラウドが登場した。MajesticとMoz等の会社がウェブの広範囲をクロールするようになり、ベールを取り払い、Googleの隠し味の多くを明らかにする取り組みを始めた。

SEOの知識がピークに達したのは、カフェインが導入された時期と一致すると主張する声もある。当時、Googleはあらゆる情報を公開していた。

しかし、現在、SEO業界はGoogleの発表に関して既に持っている知識を精査することに専念している。同時に、Googleは共有するデータの量を減らしている。

今年の10月、Googleは — 「利用を止めた」ではなく、– ページランクに別れを告げると言った。また、Googleはキーワードの分析機能を取り上げ、さらに、キーワードツールのレベルを低下させた。知識と影響の比率において、2010年と現在を比べると、現在、SEOに対する知識の量は低下している可能性がある。

それでは、カフェイン導入後5年目に差し掛かろうとしている現在、SEOはどこに向かおうとしているのだろうか?

SEOの終焉

SEOに関して、ウェブサイトのオーナーは次の3つのタイプのいずれかに当てはまる:

  1. SEOをマーケティングのチャンネルの一つと考える。このタイプの見解を持つサイトのオーナーは、トラフィックを増やす手段としてSEOを実施する。SEO目的で、コンテンツを作り、ページを最適化し、リンクを構築する。
  2. SEOのトラフィックを、SEO以外の取り組みを全て適切に実施した褒美と考える。キーワードを選び、コンテンツを最適化するものの、コンテンツ、ソーシャルメディア、そして、宣伝を活用し、エンゲージメントとアウェアネスを高める取り組みに力を入れる。このタイプの人達は、SEO以外のタスクを全て正しく実施すれば、結果として、自然なトラフィックが増えると考えている。
  3. SEOを実施しない。 このタイプのウェブサイトのオーナーは認める認めないに関わらず、我流を貫く。デザイン、アーキテクチャ、そして、サイト上のコンテンツにSEOのベストプラクティスを反映されることはない。SEOが結果的に効果を発揮することを望むものの、その準備を行わない人達もこのグループに属する。

様々な理由で3つ目のタイプの見解を持つサイトのオーナーが増えつつある。最新のHTML5/CSS3/JavaScriptのデザインに夢中になり、何も変えたくない人もいれば、単純に諦め、豊富な資金を持つブランドとは勝負にならないと考えている人もいる。

大勢のSEOの関係者がこの業界を去りつつある。コンテンツマーケッターに転身した人もいれば、インバウンドマーケッターに転身した人もいる。このタイプに当てはまる場合、今でもSEOを仕事の一環として行っているが、仕事の範囲を拡大している。SEOのみでは、あまりにも仕事が限定されてしまうためだ。

SEOのみを生業とする業者は今でも存在するが、業界全体としては撤退する傾向が見られる。

Googleが有名な企業に大きなアドバンテージを与えるため、中小規模のビジネスは苦戦を強いられるようになり、とりわけ国内のみで営業する小さな会社は大きな規模のライバルに対して闘志を燃やすようになった。スタートアップ、そして、大企業レベルであっても、SEOをその他の部門に組み込む動きが進んでいる。

SEO専門の業者は確実に実在するものの、雇用の機会は減少を続けている。現在、SEO専門のエキスパートはエージェンシーか個人か企業社内のポジションに限られる。

ページランクの終焉

ページランクのアップデートを終了すると言うGoogleの発表は、少し拍子抜けした感が否めなかった。この発表を行うまでに、なぜこんなに時間がかかってしまったのだろうか?それよりも重要なことhな、貴重な情報がまた一つ取り上げられてしまったことだ。

Googleはアドワーズのキーワードツールを没収した。アナリティクスでは(随分前の話だが)キーワードのリファラー情報の提供を停止した。Googleはウェブマスターツールを気が向いたら強化しているものの、重要なアップデートを頻繁に行う必要のある本格的なソフトウェアプロジェクトのようには扱っていない。

現在、Googleの利益に貢献しない取り組み、あるいは、PCCの投資を減らす取り組みは、全て粛清の対象になってしまう気がする。

オーサーシップが思ったような効果を発揮しなかったら、修正するのではなく、諦めた方が良い。Google+の+1が期待したほど指標としての役目を果たさなかったら、断念しよう。今後も、Googleは情報を隠す手段を次々に考案していくはずだ。

キーワードターゲティングの終焉

ハミングバード(および、エンティティの基本的な概念)のおかげで、1つのページに関連する全てのキーワードとそのバリエーションを詰め込む最適化の手法が編み出された。

この展開に行き着く前、SEOのエキスパートはキーワードごとにページを作る方針を採用していた。Googleはリスクの分散を認めなていない。うまくやれば、多数のキーワード、キーフレーズ、あるいは、バリエーションで上位にランクインすることが出来る。失敗すると、沈没する。

また、Googleは既に他の誰かが言ったことを繰り返すのではなく、新たな考えを提示せよと注文をつけている。 これは効果的なSEOコンテンツを作る上で、大きな障害を作り出している。多くのページを1つのページにまとめ、オリジナルのテキストではなく、オリジナルの考えを詰め込まなければならないのだ。

ちなみに、SEOエージェンシーに勤めている/経営している方に言っておくことがある。今なら、ハミングバード以前のコンテンツをエンティティに変えるタスクを、製品として提供することが出来る。パンダから復帰させるサービスと組み合わせると良い。ただし、上位にランクインし、多くのトラフィックを獲得しているウェブサイトを台無しにすることがないように注意してもらいたい。

リンク構築の終焉

リンク構築は今まで以上に重要になったのだろうか?それとも、息絶えたのだろうか?Googleは有料のリンクを無視、または、罰っし、その一方で、無料のリンクを評価する方法を見出したようだ(ペンギンさんの登場)。

トッド・マイコートが作成したリンクベイト講座を読み直してもらいたい(その際は、フレーズ「リンクベイト」を無視しよう)。

Googleはウェブサイトのオーナーに対して、オーディエンスを獲得し、リンクとソーシャルメディアのシェアでオーディエンスから見返りを与えてもらうシステムを提案している。コンテンツがオーディエンスのアクティビティ、または、会話を促さないなら、リンクを得ることは出来ない。

そのため、ブログでのコメントやソーシャルメディアでのシェア等の指標に注目する必要がある。ただし、全ての記事、投稿、または、ページがバイラル化するわけではない。10本のうち2本がリンクをもたらしているなら、高く評価するべきだ。3本リンクを獲得したなら表彰状ものだ。

リンク構築のプロ — と言ってもウェブサイトの管理者に勧誘電話をかける人達ではなく、戦略的にリンクを構築することが可能な有能な人達 — つまり、お互いに助け合うグループをまとめることが出来るネットワーカーには、生き残る道がまだあると私は考えている。

個々のグループは大きな影響力を持たないかもしれないが、雪だるま式に膨らんでいくと、読者やフォロワーはコメントを残したくなり、シェアしたくなり、そして、リンクを張りたくなる。

最高のネットワークは最高のコンテンツに勝つ。インフルエンサーの仲間で構成されたソーシャルネットワークに属するインフルエンサーこそが、最高のリンクビルダーになれる。

マット・カッツの終焉

…と言っても、マット・カッツがもうすぐあの世に旅立つわけではない。十分に値する休養を終えた後、ミスター Googleとして、SEOコミュニティ専門の広報として、復活を遂げるだろう。期待しているが、復帰する確率は50%程度だと私は見ている。

マット・カッツが提供する情報は、GoogleのエンタープライズのPPCアドバイザーが提供する情報よりも、非エンタープライズのサイトを助けてくれる。そもそも、ウェブが若く、流動的であった時代と比べると、小さな事業を大規模な広告スポンサーに成長させることは難しくなっており、Googleには、公式の発表とアップデートを提供する以外にSEOを助けるインセンティブが存在しない。

また、個人、エージェンシー、そして、スモールビジネスのSEO担当者は、大企業のSEO担当者よりも鋭い質問、または、不満を投げ掛ける傾向がある。従って、雲隠れすることで、気まずい雰囲気を作らずに済む。

そもそも、Googleは質問に答える必要はあるのだろうか?Googleのエキスパートがこの役目を果たしている。Mozu等の会社は、そのツールと調査を駆使して、SEOに関してGoogleが今まで提供した情報よりも多くのデータと答えを提供している。

Googleの他の従業員もネット上で質問に答えているものの、Moz等のサービスは随分前からこの取り組みを行ってきた。事実、マット・カッツの穴を埋めるほどの働きをしている従業員はいない。アダム・ラスニクがウェブマスター Q&Aの動画を撮影している姿を見たことがない。Googleのエンジニアによる講演の機会が減る可能性は十二分にある。

最後に

質問は多いが、まともな回答はほとんど得られない。2020年にはGoogleはページランク、そして、リンクベースの検索エンジンから、オーソリティよりもクオリティを優先する検索エンジンへと姿を変えているのではないだろうか。

しかし、Googleのブランド贔屓が直ることはないだろう。つまり、大きな企業は今後もSERPで幅を利かせ、小さなビジネスが上位にランクインするのはますます難しくなっていく。大半のSEOの関係者はこの業界から足を洗い、ウェブディベロッパー、デザイナー、そして、コピーライターのスキルの一つに成り下がる可能性が高い。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Decade Is Half-Over: Where SEO Has Been & Where It’s Going」を翻訳した内容です。

SEOの衰退を断定的に言い切ってしまっていることには、反論を持つ方もいるかもしれませんが、SEO業界(SEOに専門に携わる人または会社、また彼らによるビジネス)全体の市場は一時に比べ確実に下がってきているのは間違いないでしょう。いわゆるわかりやすいスパム業者が事業撤退せざるえないのは仕方ないとしても、コーディングやキーワードリサーチ等のテクニカルな専門知識も、以前と比べ求められる専門性はより薄くなっていると思います。重要でない、という意味ではなく、通常のウェブデザイナーやコンテンツマーケッターが考慮すべき基本要素の一つに過ぎないというか。

もちろん、特殊ケースに対応できる職人的技や、検索経由のトラフィック獲得に注力したウェブマーケッターという意味でSEO専門職のニーズはあり続けると思いますが、それなりのレベルに達していなければ、これまでのようなビジネスを続けることは相当難しいのではないでしょうか。

私自身も昨年から新規サイトを幾つか立ち上げていますが実質やっていることの大半はコンテンツマーケティングですし、結果として従来のテクニック寄りのSEO以上に検索経由のトラフィックを伸ばせています(それ以上にソーシャル経由のトラフィックが多かったりもしますが)。もちろんベースにSEOの知識があることでコンテンツの価値を最大限活かせていると思いますが、コンテンツマーケティングやソーシャルメディアと切り離された「従来のSEO」は、既にその価値をほぼ失っているのでは、と思う最近です。SEO業者の代表がこんなことをいっていいのか、とも思いつつも汗、覚悟を決めて今年SEOに取り組んでいきたいと思う私です。 — SEO Japan

【2015年版】大胆過ぎるSEOの予想10選

コンテンツマーケティングの2015年のあるべき姿を考えた後は、やっぱりSEOについても考えてみたいですね。ということで、サーチエンジンランドによる今年のSEOに関する自称大胆な予想を10選。 — SEO Japan

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ブログとソーシャルメディアに新年の予測を行う記事が氾濫する素晴らしいシーズンが到来した。ソーシャルメディア2015年推測する記事、そして、SEOどのように 来年 変わるのかを推測する記事さらには範囲の広さが売り物のデジタルマーケティング2015年におけるトレンド予想する記事もある。ただし、すべて出尽くした感があり、そして、トピックによっては何度も登場するものもある。

しばらくすると、予測は一年中聞かされてきた内容とほぼ同じになる。しかも、最も優れた推測であっても結果を正確に言い当てるとは限らない。ほとんどのサイトが次のテーマの(全てではないなら)多くを取り上げることになる:

  • モバイルは今後も成長を続ける
  • 完全一致のキーワードの利用は少なくなる(少なくするべき)
  • ナレッジグラフのおかげでGoogle.comにとどまるユーザーが増える
  • グレイ/ブラックハットからすぐに足を洗うべき
  • 人が好むウェブサイトをデザインせよ
  • 偽のリンクはさらに役に立たなくなり、本物のリンクを得るのはさらに難しくなる(そして、さらに有益になる)– ただしGoogleが今後もリンクを混同するなら話は別だ

私はこの取り組みを非難しているわけではない — 事実、私自身も2015年の予想を行い、さらに、ハロウィン版まで試している。

しかし、今回は、その他大勢とは一線を画した非主流の推測を幾つか取り上げていこうと思う。

刺激的で、賛否両論を巻き起こす、クレイジーと言われてもおかしくない予測が目白押しだ。その多くは思い切り外れるはずだろう(外れることを強く願う予想もある)。それでは、推測コミュニティで異彩を放ち、誰も予想していないものの、実は迫りつつある変化の兆候を明らかにする可能性のある予言を紹介していく。

外部の自然なリスティングが一つもないテストの検索結果が現れる

2014年のマーケティング業界を揺るがす6つの予言

Googleは継続的にナレッジグラフ、視覚的な広告、そして、直接回答を提供する試みをアグレッシブに行っており、従来の、外部に向かう自然なリンクが一つもない検索結果が時折現れるようになる。実現したら、大勢のマーケッターが恐怖で凍り付くはずだが、実験/限定的な導入を越えたレベルには到達しないだろう(希望的観測?)。

ランド・フィッシュキン

「恐怖で凍り付く」は、マーケッターの心理を正確に描写した表現だと思う。ヨーロッパでGoogleに対する独占禁止法の裁判が長引いていることを考慮すると、このテストが実際に行われるとしたら、アメリカ以外に考えられない。

この影響は計り知れない。マーケッターは確実に抗議する。また、ユーザーも拒絶する可能性が高い。事実、検索エンジンのユーザーの86%は広告よりも自然なリスティングを信頼している。.

コンテンツ主体の事業は負けを見る

エキスパートの見解: 2015年にSEO業界で起きる3つの大きな変化

Googleはさらに多くの答えを結果ページに表示するようになるため、情報提供を生業とするウェブサイトは失速する。オーディエンスに答えを提供する事業を行っているなら、Googleと競合するため、辛い1年を迎えることになるだろう。

ダン・ペトロビッチ

要するに、ウェブサイトで答えを提供する取り組みで収入を得ているなら、その上で最も重要な資産(コンテンツ)は、既に競合者(Google)に渡ってしまっていると言うことだ。

また、Googleは矛盾を全く意に介してない。

スマート化が検索マーケティングの進歩に貢献する

SEOのプロならスマートデバイスを最適化せよ – IoTの悲痛な叫び

IoT [モノのインターネット]は検索マーケティングの定義を変えていくだろう。ビーコン、センサー、GPSを始めとする情報をプルするよりもプッシュするテクノロジーを介した自動識別が、検索の未来において重要な意味を持つ。

ローリー・サリバン

幸いにも、Googleを含む検索エンジンが、完膚なきまでに現在のSEOの概念を叩き潰しているとしても、SEOのプロにはモノのインターネットの世界で事業を立て直すチャンスがありそうだ。

Apple WatchがSEOの戦略を変える

Apple WatchがローカルSEOの世界を変える仕組み

Apple Watchは新たなトレンドを生み出す。ビジネスの経営者、そして、マーケッターはとりわけBingとApple マップに対する最適化に時間を割き、また、超具体的なローカル検索の台頭に備えなければならない。

ジェイソン・デマーズ

私には、いまだに未確認の新製品がBingに大量の検索アクティビティをもたらし、マーケッターが間もなく劇的な変更を実施するようになるとは、どうしても思えない。

ウルトラブックが期待に応えられなかった時のことを思い出してもらいたい — ウルトラブックは祖先にあたるタブレットに完敗していた。Apple Watch等、装着可能なデバイスの成功を断言するのはあまりにも時期尚早である。

Apple Watchが絶対にコケないとは言い切れない。また、その一方で、Google Glassが認知法律の難題を克服し、大ヒットする可能性もある。あるいは、数年後にまだ表舞台に出ていないデバイスがユビキタス化するかもしれない。

IoTの世界を制覇するのが何であれ、マーケティングと検索に大きな影響を与えることは目に見えている。しかし、装着可能なデバイスが絶大な影響力を持つようになる日はしばらくやって来ない気がする。

マーケッターはHTTPSに時間を無駄に費やす

こちらも同じく、「エキスパートの見解: 2015年にSEO業界で起きる3つの大きな変化」から

SEO業者は必要以上にHTTPSに切り換えるクライアントに対応しなければならなくなる(ビジターにとっても、ウェブサイトにとっても重要なアイテムを守る効果はない)。調査の結果によると、ウェブのユーザーはHTTPSを重視していないようだ。HTTPSが何なのかすら分かっていない。HTTPSを支持するSEO業者はクライアントから、トラフィックが劇的に改善されなかった理由を説明するよう求められる。

マイケル・マルティネス

確かにユーザーはHTTPSを重視していない。しかし、Googleは重視している。他に何か理由がいるだろうか?ユーザーの大半はHTTPSが何かも、何をするのかも知らないかもしれない。しかし、Googleは近いうちにHTTPSに関して一騒動を起こそうとしている気がする。

Googleの非協力的な姿勢が鮮明になる

デブラ・マスタラー: Alliance-Linkの代表取締役

Googleはツールの削除、および、分析機能の縮小を継続して行う。

デブラ・マスタラー

この預言は現実のものとなる。GoogleがSEOに与えるデータが少なくなると、手っ取り早いブラックハット/グレイハットのカラクリを編み出し、上位にランクインする手立てがなくなる。

すると、スパムまがいの戦略に対応する手間が省け、収益を増やす取り組みにより力を入れることが可能になる。当たり前のことだ。

Googleのアップデートが減る

2015年のGoogleを大予想: 16名のエキスパートはこう考える

敢えてリスクを冒し、かつてないほどアルゴリズムの変更が多かった2014年と比べて、アップデートが減ると言っておこう。

ケイレブ・ドネガン

あくまでも、パンダの機械学習ベースのシステムによるコンスタントなアップデート、あるいは、自己学習ベースのアップデートを除けばの話だ。Googleが先日買収/雇用したAI開発集団はまだ発展途上の段階にある。

「アップデート」の数は減るかもしれないが、変化は増えていく。

Google+がついに消滅する

こちらも、「2015年のGoogleを大予想: 16名のエキスパートはこう考える」から

2015年、Google+は失速し、閉鎖される。既存のGoogleの製品との統合は解除されるか、あるいは、任意になる。写真のシェアやハングアウト等のGoogle+の人気の高い機能は、Google+から外され、個別で利用することが可能になる。G+の利用は時間の経過と共に減少の一途をたどるだろう。

ラリー・キム

Google+は確かに落ち目かもしれないが、恐らく、あと数年は生き永らえるだろう。Googleの経営陣が本気で閉鎖を望むなら、ほぼ全てのGoogleの製品から切り離さなくてはならず、ある程度時間が必要になる。

個人的にはかつてGoogle Voiceであった機能がどのような扱いを受けるのか知りたい。?

今後の10年間で推測検索が答えを出す

2005年に実施した3つの予測は当たったのか?2015年の検索も推測してみる

未来の検索では、ただ単に、Siriのような製品に情報を求める、あるいは、ヘッドアップ装置(Google Glassではなくコンタクトレンズに近い)で質問について考え、答えを受け取るだけではなく、推測検索の答えの応用が鍵を握る。つまり、調達されるビッグデータは個人や状況を明確に理解し、ユーザーが必要とする前に、高い精度および関連度で情報を提供するようになる。
リー・オッデン

ランド・フィッシュキンが同じことを「考えていることは全て筒抜け: 目に見えない心を読むドローン」と、巧みに表現している — いつの日か検索は [たった今思いついた形容詞]になる。

Appleは独自の検索エンジンを立ち上げる

現時点では大それた予測と思われるものの、あらゆる おいて、GoogleとAppleの争いは激化する一方であり、また、以前からこの関係は続いているため、何が起きてもおかしくはない。

マット・カッツが永遠にGoogleに戻らない

これもまた大それた予想だが、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれない。マット・カッツはウンザリしており、Googleが自分なしでもやっていけるかどうかをA/Bテストの一環として実行に移しているのかもしれない。

それでは、最後は打って変わって、お決まりの頼み事でこの記事を結ばせてもらう — とんでもなく斬新だと感じた予想をコメント欄で教えて欲しい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Glimpses Of The Future: 10 Fringe SEO Predictions For 2015」を翻訳した内容です。

よくある少し知識のある人であれば「いわれなくともわかってます!」的な予測記事に比べるとはるかに刺激的で示唆にもとんだ内容でしたね。どれもその背景や今後の進化について自分なりに考えてみると、検索やウェブの未来について色々と思いを巡らすことのできる内容ばかり。週末に再度読み直してじっくり考えてみたいと思います。 — SEO Japan

ペンギンアップデート3.0は上位サイトを華麗にスルー

事前の話題の割に全く盛り上がらなかったペンギンアップデート3.0ですが、それなりに変化はその盛り上がらな度が実際の結果で理解できるような記事を。検索順位のリアルデータを元に、今回のアップデートの順位変動の度合いを分析し、そこから見えることを考えます。 — SEO Japan

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最新のペンギンアップデート3.0(日本語)が、広範囲にわたって展開されたのか、あるいは、限定的に展開されたに関して、何度も議論が行われてきた。この記事では、規模について結論を出すわけではないが、集めた情報を整理し、今後何が起きるのか推測していきたいと思う。

GoogleのアップデートはあくまでもGoogleに対するアップデートである。この点には満場一致で納得してもらえるはずだ。そして、私達の知る限り、ペンギン 3.0は英語のクエリの1%以下に影響を与えている。SEOに関してはお馴染みのことだが、自分達が持っている情報を用いて、自力で謎を解明していかなければならない。

そのため、大きなアルゴリズムの変更が行われる度に、出来るだけ多くの情報を集め、その後、データをつなぎあわせて、何が起きたのか、そして、次に何が起きるのかを理解する試みを行うことになる。

弊社、AWRはGoogle アルゴリズム変更ツールの開発に伴い、アルゴリズムの変更の影響を独自で調査している。
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私達が集めたデータによると、ペンギン 3.0によって、ランキングに大きな変化が生じていたようだ。とりわけ、10月18日と10月19日の変化は激しかった。総合的に見ると、ランキングの変化の規模は4.4に該当する。

ちなみに、今まで最も大きなランキングの変更の規模は5.6であり、 ランキングシグナル — HTTPS/SSLアップデートが行われた最中であった。

チャートの説明: Ranking Changes Factor(ランキング変化の要因)は、弊社のデータで判明した変化を基に算出された値である。このデータには、様々な業界にまたがる1万点のキーワード、そして、50万本のURLが含まれる。 また、データは毎日アップデートされており、変更の激しさを表している。

Overall(総合)セクションは、弊社独自のアルゴリズムを用いて導き出されるRanking Change Factorを表示する。Top 10-50のセクションは、(以前の日時と比べて)ランキングが変わったウェブサイトの数と%(ウェブサイトの総数と影響を受けたウェブサイトの数の比率)を表す。

インパクトを受けるウェブサイトが多ければ多いほど、アルゴリズムのアップデートの重要度は高いと言える。チャート内の青い線は弊社が計測する全てのウェブサイトの自然なSERPのビジビリティを表しており、サイトのランキングがアップすると上がり、ランキングが落ちると下降する。

ペンギン 3.0、低いランキングのウェブサイトを攻撃

Ranking Change Factorの計算に加え、私達は検索結果の範囲におけるインパクトに注目した。その結果、今回のアップデートは、とりわけ、SERPの2ページ目以降のサイトを狙っていることが判明した。

1ページ目に掲載された10サイトのうち、ランキングが5つ以上変動したサイトは1サイトのみであった(スクリーンショット 1)。しかし、範囲を広げて50位までの結果を盛り込んだところ、影響を受けたサイトの%は大幅に高くなり、36.2%に達することが分かった(スクリーンショット 2)。

Philip-Petrescu-Fig2

Philip-Petrescu-Fig3

ペンギン 3.0はSERPにおいて劇的な変化を多数起こしたわけではない。データを見る限り、10位以内のページで10以上ランキングを下げたページは1ページにも満たない(7.7%):

Philip-Petrescu-Fig4

この数値が高かったら、激震が走っていたはずだ。10位以内のサイトが10以上ランキングを落とすと一大事だが、ランキングの低いサイトは変動しやすい。

国によって異なるペンギンの動き

ペンギンアップデートは全世界に展開されているため、世界の言語および地域がこのアップデートのインパクトを受けている。しかし、ペンギン 3.0に関しては、アメリカ国内と国外では動きが異なることが明らかになっている。

Google.com(アメリカ)ではペンギン 3.0の影響はアップデート直後の10月18日に現れていたが、その他の国にこのアップデートが展開されたのは少し時間が経ってからであった。例えば、Google UKでは影響が表面化したのは10月20日に入ってからだ:

Philip-Petrescu-Fig5

Google Germanyでは、ペンギン 3.0は検索結果に大きなインパクトを与えていない:

Philip-Petrescu-Fig6

現時点では、実験段階であり、数ヵ国のデータしか処理していない。しかし、これは調査を行う上で面白い方向性であり、また、Google.com(アメリカ)以外を利用するサイトのオーナーにとって、ランキングの変動時の目安として参考にするには、うってつけのデータだと言える。

結論

ペンギン 3.0がサイトに与える影響は、ランキング、そして、SERP上のライバル(そして、その他の多くの未知の要因)に左右される。

Googleの動きに注意していなければ、何が起きたのかを理解することは出来ない。弊社は常にGoogleの動向に注目しており、何か変わったことがあれば報告する。

最後に、コメント欄、そして、Twitter(Google Algorithm Changesに#gacを利用している)を介して意見を聞かせてもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Google’s Penguin 3.0 Is Playing Out Across The Web」を翻訳した内容です。

米国中心だったのはともかく、順位が高いサイトへの影響が少ないとなれば、盛り上がりませんよね。。。アルゴリズムの多様化とテクニックに頼るSEOの衰退で、Googleのアップデートに一喜一憂する必要自体がそもそも必要なくなってきていますが、それを象徴するような出来事だったかもしれません。 — SEO Japan

Googleディスプレイネットワークの進化に関する【2014年まとめ】

Googleといえば検索エンジン、そしてそれに付随する検索広告で伸びた会社というイメージがありますが、アドセンスやGDNにお世話になっている方も多いと思いますが、実はディスプレイ広告でも相当なシェアを持っているんですよね。特に2014年はその成長が加速化したということで、Googleのディスプレイ広告事情をまとめた記事を。 — SEO Japan

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2014年はAdWordsに数多くの変更が加えられた。当然だが、派手な機能には多くの注目が集まった。

しかし、ほとんど注目されなかった変更も多数行われている。その多くは、Google Display Network(Google ディスプレイネットワーク)のターゲティングに対するアップデートであり、規模が小さく、また、宣伝される機会も少なかった。

事実、今年、GDNに加えられた変更の中には「状況を一変させる」クラスの変更はない。しかし、すべての変更をじっくり検討していくと、大きな変化に気づく。2014年に入ってから、GDNは進化を続け、従来のディスプレイサービスが提供する機能(あるいは、わずかに異なる機能)のほとんどを提供する本格的なディスプレイ広告プラットフォームへと成長したのだ。

GDNは多数の機能を用意しており、リマーケティング以外にも顧客候補のユーザーに接触する強力な方法が生まれている。その一部はピンポイントでターゲットを絞り、検索レベルの精度で結果を出すことが出来る。その他の機能はトップファンネルに焦点を絞っており、認知を高める効果がある。

GDNで効果的にターゲティングを行うには、検索キャンペーンの方法と考え方を捨て去り、代わりにディスプレイメディアのバイヤーの考え方を受け入れる必要がある。

GDNはキーワードでもなければ、標準以下のプレースメントネットワークでもない。GDNは複数のタイプのターゲティング、動的な広告の作成機能、そして、リアルタイムのバイイングを行う能力を持ち、適切に使えば、アドエクスチェンジ、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)として活躍する。

適切なターゲット、適切な広告、そして、最新のレポート & 最適化ツールを使えば、どんな広告主でも「検索タイプ」のパフォーマンスを実現することが可能だ。

ペルソナに焦点を絞る

ペルソナ(ユーザー属性)は従来型のディスプレイキャンペーンにおいて重要度が高い。ペルソナは、ユーザー層、そして、ターゲットの顧客を特定する行動の特徴によって構成される。Googleは以前からGDNにおいて年齢と性別のターゲティング機能を提供しているが、2014年に「子供の有無」(新たなユーザー層の重要な目安)が新たに加わった。

また、第三四半期にはユーザー属性のレポート機能がアップデートされ、より魅力的で、より見やすくなっただけでなく、年齢、性別、そして、子供の有無に関する総合的なスタッツが表示されるようになった。その結果、より効率良くターゲティングを行い、個人的なレベルでパフォーマンスを確認することが可能になった。

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上のデータは、ユーザー属性ベースの結果を表しており、子供を持つ中年のユーザーはクリックしやすく、CPA(コストパーアクション)を下げることが判明している。最適化の観点で、誰が重要なペルソナなのかは分かるはずであり、その他のターゲット等を試すことを薦める。その際は、期待したパフォーマンスに満たないユーザー層のグループは大胆に見限り、満たすグループに力を入れるべきだ。

新たなオーディエンス & 行動ターゲティング

キーワード、トピック、そして、プレースメントターゲットを介したコンテクストベースのターゲティングは、今でも提供されているが、Googleは2014年に新たなタイプのオーディエンスターゲティングをリリースし、コンテキストベースのターゲティングから距離を置きつつある。

閲覧しているコンテンツのタイプに関わらず、話題のコンテンツを追い、売買を行う準備ができたオーディエンスが見てくれることを願うよりも、適切なユーザーにターゲットを絞る方が顧客に接触するアプローチとして遥かに有効だ。

今年の早い時期には「Search with Display Select」キャンペーンが展開され、そして、暮れが近づく中、今度はDisplay Select限定のターゲティングが導入された。このターゲティングは、キーワードによるコンテクスト主体のターゲティングに行動のシグナルを加え、パフォーマンスの結果が遥かに高い少数精鋭のオーディエンスをもたらす。

Googleは「その他」の曖昧なインタレストカテゴリのターゲティング(最初にGDNに導入された行動主体のターゲティング)を引退させようとしている。その代わりに、「カスタムアフィニティ」カテゴリと呼ばれる新しいターゲティングのタイプを加えた。

新たなオーディエンスに対して、キーワードを手動で自由に入力してモデルを作るか、あるいは、顧客が関心を持つ別のウェブサイトを使ってモデルを作ることが出来る。ヒント: 競合者のサイトを盛り込むと良い)

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すると、広告主の提案、そして、広告主が追い求めるGDNのオーディエンスをより細かく、そして、より柔軟に一致させることが可能になる。最低でも自分が求めるオーディエンスに「近い」カテゴリをGoogleが既に特定していることを願うのではなく、自分でターゲットの特徴を細かく決めることが出来るため、検索キャンペーンのような結果が得られる可能性が高い。

今年の前半に投入されたアフィニティオーディエンスは、最も範囲が広いターゲティングであり、広範なユーザーの行動をベースにしたトップレベルのカテゴリに該当する。

(他のカテゴリを重ねずに)アフィニティオーディエンスを個別で利用する場合は、通常、ある種の調査キャンペーンやアウェアネスキャンペーンを強化するために行われる。例えば、ハイテクが好きな人達にガジェットのことを知ってもらいたいなら、このターゲティングのタイプを利用すると良いだろう。しかし、直接的な反応に力を入れるなら、このターゲティングは適役とは言い難い。

ブロードキャスト(テレビとラジオ)広告に資金を投じている大企業の場合、アフィリエイトオーディエンスを使えば、同様の接触を可能にするだけでなく、遥かに優れた追跡およびパフォーマンスのスタッツを利用することが出来る。

また、同じく今年の早い時期に、「購買意向の強いユーザー層」も導入されていた。これは、検索広告のスポンサーが通常求めるファネル下部の意図を持つオーディエンスに当たる。 成功する確率がより高いGDNのターゲティングを利用したいなら、購買意向の強いユーザー層、そして、既存の類似ユーザーのオーディエンスは、検索キャンペーンと同様の働きをするので検討してもらいたい。

新しい広告のタイプ

ディスプレイ広告の成功は、美しく、高度な広告作品とメッセージに大きく依存する。検索テキスト広告では、通常、オファーを明確に伝え、コールトゥアクションにキーワードを反映させ、詰め込もうと試みる。しかし、残念な結果に終わることが多い。

ディスプレイにおいては、成功の鍵を握るのは広告そのものである。利用する広告は、広告において達成したい目標に左右される。今年、Googleは、広告の目標を達成するための、新たなタイプの広告ユニットを多数GDNに投入し、さらなる進歩を遂げていた。

今年に入って、フラッシュ、および、HTML5のディスプレイ広告を簡単に作ることが可能なディスプレイ広告ビルダーが改善された。高度な広告とは言い難いが、以前の広告ビルダーツールよりも遥かに魅力があり、柔軟性の面でも優れている。多少時間と労力を注ぎ、そして、オリジナルのコンテンツを加えれば、他のカスタムデザインのユニットに匹敵する底力を発揮してくれる。

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2014年、新たに「広告ギャラリー」も追加され、Googleが導入した複数の新しい広告のタイプに容易にアクセスし、作成することが可能になった — G+のプロモーション(ソーシャル)広告、エンゲージメント広告、フィードベースの動的な広告ユニット、動画広告。

さらに、12月10日には、広告ギャラリーにライトボックス広告を加えたとGoogleは告知していた。これは反応型の動的な形式の広告であり、YouTube、Google マップを含むソースからコンテンツを収集する。Google ショッピングのフィードとの統合も間もなく行われるようだ。

ビュースルーコンバージョン & リーチの測定

2014年はコンバージョンの要素にも多くのアップデートが行われていた。ディスプレイ広告に限定すると、ビュースルーコンバージョンの期間を管理することが出来るようになった点は最も重要度が高い。以前、ビュースルーコンバージョンは常に30日の期間で計測されていた。

直接的なクリックベースのアトリビューションを信条とする検索マーケッターの間では、ビュースルーコンバージョンの人気は低い。しかし、ディスプレイのマーケッターは、以前からビュースルーコンバージョンの良さを理解していた。ディスプレイキャンペーンで適切に用いれば、ビュースルーコンバージョンは役に立つ。

The Guardianに先日掲載された記事の中で、Unique Digital社のポール・マーズデン博士は次のように指摘している:

「バナー広告をクリックするよりも、雷が落ちる可能性の方が高い。バナー広告をクリックする確率は1/3333であり、雷に打たれる確率は1/3000である。」

マーズデン博士は、コンテンツの飽和に関しては、確かに的を射た指摘を行っている。ただし、これはディスプレイ広告にも当てはまる。アプリ内、あるいは、YouTube上でオーディエンスをターゲットにしているなら、「動画を視聴する時間」や「アプリを利用する時間」を中断したくないため、クリックしてもらえる確率はさらに低い。

ただし、広告に気づいてもらえなかった、もしくは、オファーに興味を持ってもらえていないわけではない。関心を持つユーザーは、別のタブを開き、直接、または、検索を介して興味を持ったオファーを確認する – その後、コンバートしたら、ビュースルーコンバージョンにカウントされる。

また、新しいGDNの広告ユニットの多くは、視覚的な情報を多く運び、スクリーン全体に拡大される — そのため、クリックせずに発生したコンバージョンに影響を与えていないとは言い難い。提供する広告のタイプ、そして、製品に対する検討期間を鑑みた際に、理にかなった期間を設定することが肝要である。

例えば、28日前にユーザーが見て、クリックしなかった靴下のバナーにセールスの原因を求めるのは無理がある。しかし、靴下に関する動的な広告ユニットをスクロールしたユーザーが翌日その靴下を購入したなら、当該のビュースルーに功績を認めるのは、大いに筋が通る。

リアルタイムビディング

検索マーケッターは、CPCに関して、入札をGoogleのアルゴリズムに任せるアプローチを怖がる。一方、ディスプレイマーケッターは、リアルタイムビディング(RTB)はディスプレイのパフォーマンスに大きな影響を与える点を心得ている。

認知を求める広告主に対して、今年、Googleはアクティブビュー CPMビディングをリリースした。このツールを用いると、広告主は見てもらえる可能性が最も高い広告スロットとインプレッションを追求し、CPMの投資が広告ビューを実際にもたらすことを裏付けられる。このビディングは新たなアクティブビューレポートのカラムによって支えられている。

パフォーマンスキャンペーンでは、CPA ビディングに頼るべきだ。コンバージョンオプティマイザーは今年新たに登場した機能ではないが、GDNキャンペーンの成功に大きく貢献するアップデートを行っている。

コンバージョンオプティマイザーを有効にするために、キャンペーンに15回のコンバージョンが必要とされていた時代があった。2014年の半ばを過ぎると、この制限は緩くなった。アカウント全体で十分なコンバージョンを獲得している場合、新しいキャンペーンを作成し、すぐにCPA ビディングを有効にすることが出来る。

そのカラクリを教えよう。Googleは、各ユーザー、そして、コンバートする確率を行動面において深く理解しており、同社にとって、適切なインプレッションを適切な人物に提示し、ターゲットのCPAをもたらすのは朝飯前なのだ。

GDNにとって2015年は飛躍の年になるのか?

2014年のGoogleの収益のうちGDNが占める割合はたった3割程度であった — そして、専門家の多くがこの3割の大半をリマーケティングキャンペーンが稼ぎ出していると指摘している。GDNはGoogleにとって収益を伸ばす大きなチャンスをもたらすため、同社が新しい、優れた機能に力を入れるのは当然である。

検索マーケッターは、検索の垣根を越え、ディスプレイマーケッターのように考え、ユーザーに接触し、成果を分析する上で異なる方法を受け入れることが出来るのだろうか?

その答えは時が経てば分かるはずだ。勇気を持って新しいGDNの機能を試すつもりなら、あと2つだけディスプレイマーケッターのアドバイスに目を通してもらいたい。

  1. 適切なフリークエンシーキャップはとても重要だ。AdWordsでは、インプレッションキャップと呼ばれ、キャンペーンの設定ページに用意されている。また、リーチとフリークエンシーをディメンションタブで、そして、リーチの統計値を各種のレポートのビューで確認しておきたいところだ。
  2. バーンピクセルを利用する。バーンピクセルとはAdWordsの業界用語であり、オーディエンスの除外を意味し、タイミングを見計らって、ターゲティングを中断し、広告やオーディエンスの疲労を回避する手法である。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014, The Year Google Display Network Grew Up: Will SEMs Embrace It?」を翻訳した内容です。

Facebookもしかりですが、ネット業界のトップランナーの進化は加速化していますね。既にGoogleの広告売上の1/3を占めていることも知りませんでしたが、それでも大半はりマーケティングなんですね。その壁を打ち破れれば、また企業のディスプレイ広告への投資が倍増しそうです。サーチに負けじと進化を続けるGoogleのディスプレイ広告事情でした。 — SEO Japan

検索エンジンをスパムするリスク

久々にSEOの話題の気がしますが汗、今回はSEOはSEOでもスパム寄りなSEOをする際のリスクについて語った記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

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毎年、私は時間と専門知識を立派な活動に投じている。今年は、Googleのスパムペナルティを解除しようと試みる小さな会社に手を貸すことにした。

支援したくなった理由を明かそう。Googleのペナルティを受けたのは1年以上前であり、それ以来、この小さな会社は、3社のSEO会社が作成したリンクを一掃する作業を行ってきた。その中には、「柄の悪い」ネットワークも存在した。

その時、自分のウェブサイトがスパムペナルティを科され、1年以上も検索エンジンのトラフィックを失ったらどうするか私は考えてみた。

なかなか鋭い疑問だったと私は思う。

検索エンジンのトラフィックを失う影響

仕事柄、私はスパムペナルティにより、検索エンジンのトラフィックを失う影響を何度か見てきた。

その一部はオンラインパブリッシャーであった。トラフィックの大半は検索エンジンから寄せられていた。検索エンジンのトラフィックを失った結果、広告収益は減少してしまった。その上、検索エンジンで見つけてもらうには、有料検索広告を使うしかなく、よって広告費は嵩んだ。

どちらも数値化することが出来る。すべての検索エンジンのトラフィックを失うと、どれだけ収益は減少するのだろうか?適格な検索エンジンのトラフィックを維持するためには、いくら広告に支出する必要があるのだろうか?この2つのシナリオを数値化するだけでも、有意義である。

また、1-10段階でオンラインの評判への影響を評価してもらっている。もちろん、この評価は若干感情に左右される。ほぼ全てのクライアントは、オンラインでの評判をとても重視していると主張する。

ウェブパブリッシャーに関しては、最新の情報の情報源として認識されることは、成功する上で欠かせない条件である。

このような影響を私が指摘するのは、ウェブサイトの運営者が、特定のSEOの手法を実施する選択を行う前、あるいは、SEO会社を採用する前に、適格な検索エンジンのトラフィックを失う財務および評判におけるインパクトを計算していることを確認したいためだ。

現在、適格な検索エンジンのトラフィックを獲得している場合

現在、検索エンジンのトラフィックを獲得していると仮定する。その際、収益のリスクにおいては、単純に計算することを薦める。次のアイテムを盛り込んでおこう:

  • リード
  • ダイレクトセールス
  • 短期間、または、1度切りのセールス
  • 繰り返しのセールス、または、繰り返しの注文
  • 広告の経費
  • アウトソースの経費(アウトソースした場合)
  • 検証(GoogleやBingでクエリを検索しても、ウェブサイトが見つからない場合どうなるのか?)

スタッフの時間や人件費等の経費も忘れずに組み込んでもらいたい。.

この作業は、100%正確な数値を出すためではなく、トラフィックを失った際に、オンラインでの影響力にどの程度のインパクトをもたらすのかを大雑把に見積もるために実施する。

現在、適格な検索エンジンのトラフィックを少ししか得られていない場合、または、全く得られていない場合

「リスクはない」と考えたくなるかもしれない。しかし、実際にはこのような状況においても意外なコストが存在する。

ウェブサイトを作り、立ち上げ、そして、維持するために、どれぐらいの時間と資金を投じたのだろうか?ホスティング、デザイン、開発、ネット接続等のコストが生じているはずである。

ナビゲーショナルなクエリからのみトラフィックを受けているとしても、このトラフィックを失うとどのような影響が出るのか考えてもらいたい。

注記: ナビゲーショナルクエリとは、検索エンジンのユーザーが特定のウェブサイト、または、ウェブサイトの特定のページにアクセスすることを望む際に用いるクエリを指す。ナビゲーショナルクエリのことがよく分からないなら次の記事に目を通しておこう:

脅しではなく、これが現実

この記事を書いたのは、脅すためではなく、検索エンジンのガイドラインを無視して、マイナスの影響を受けているサイトを頻繁に見かけるためだ。

また、スパムペナルティによって、SEO業者が全般的に信頼されていない現状も私は実感している。

例えば、州の家庭内暴力からの避難所のサイトに関して、お互いにリンクを張るべきだと私は思っている。このようなタイプのリンクネットワークは、家庭内暴力の被害者を助けることが出来るかもしれない。

しかし、スパムペナルティを科され、1年以上もトラフィックを失ったサイトに対しては何と言えばいいのだろうか?相互リンクに関しては、検索エンジンのユーザーと検索エンジンに対して、(上の例のように)コンテンツが正当であることを証明する正当で、望ましいアプローチとは言い難い。

大勢のSEOのエキスパートはGoogleやBingの品質ガイドラインに忠実に従っているため、残念で仕方ない。

この記事から学んでもらいたいのは、スパムペナルティのリスクを無視するべきではないと言うことだ。この忠告を素直に受け入れてもらいたい。きっと後悔はしないはずだ。

他の読者の方々と分かち合いたいスパムペナルティに関するストーリーを持っているなら、コメント欄で発表してもらえると嬉しい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもSearch Engine Landを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Calculating The Risk Of Search Engine Spam」を翻訳した内容です。

まだまだ人口リンクが通用する部分もある検索エンジンのアルゴリズムですが、ペナルティを受けるリスクは当然あるわけですし、その際のトラフィック減少は避けられません。そのリスクを考えた上でSEOに取り組みましょう、という極めて当たり前の記事でしたが、中々そこから脱却しきれない方もまだ多いと思います。こういった記事が完全に過去のものとなる日はいつ頃になるのでしょうか。 — SEO Japan

Googleが進化すると、検索経由のアクセスが激減する?

Googleのデータ構造化活用が進んでいますが、その結果、Googleが検索結果ページに取得したデータを積極的に表示し、その結果、検索結果ページから外部URLリソースへの誘導が減るのでは、という懸念が広がっているようです。それに対するSEOの専門家の見解を紹介する記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

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最近、Googleは、Structured Snippets(構造化スニペット)を導入したと発表した。構造化スニペットとは、関連するデータを直接検索結果に表示する取り組みである。

Googleによると、表示されるコンテンツは、ナレッジグラフ、そして、その他のデータソースから抽出されるようだ。

Search Engine Landのニュース編集者、バリー・シュワルツは、記事「Googleの構造化スニペットが見つかる場所」の中で、Googleが、ウェブサイトのコンテンツを直接検索結果に表示する姿勢を強化することで、サイトのビジターが減ると懸念していた。

Googleが、検索結果の表示に関する決断を下した後では、何を言っても後の祭りだが、構造化スニペット、そして、Googleが所有権を持たないウェブサイトのコンテンツを引き続き抽出する行為に関して、5名のSEOのエキスパートに意見を聞くことにした。

それでは、一流のエキスパートによる見解を、早速、紹介していこう:

構造化スニペットに対するSEO業界のリアクション

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アン・スマーティー

構造化スニペットに対して、懸念を持っていますか?

スマーティー: 今のところ、懸念を持つような状況には遭遇していません。

経験上、構造化スニペットの情報は、十分とは言えず、サイト内部にもっと情報があることをユーザーに伝える効果があります。構造化スニペットは、リスティングを目立たせ、好奇心を刺激するように思えます。

そのため、私は心配していません。

Googleによる、ウェブページから答えを抽出し、直接検索結果に表示する継続的な取り組みに対して、どの程度懸念を持っていますか?

Googleが、検索エンジンではなく、パブリッシャーのような役割を果たそうとしている点に関しては、懸念を抱いています。しかし、今回の件に関しては、情報を把握する試みをウェブマスターに押し付けるのではなく、自力で解決しているため、満足しています。

今回に関しては、Googleは「このコードを使いなさい。時間を割いてウェブページをコーディングをやり直せば良いことが起きるかもしれません。数年後にこの実験を中止する可能性はありますが…」と言っているわけではないのです。

今回、Googleは、既存のコードと情報を活用しているだけであり、今後の展開を楽しみにしています。

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エリック・エンゲ

Googleの構造化スニペットに関する意見を聞かせて下さい。

エリック・エンゲ: Googleのこのタイプのスニペットには、大勢の人達が懸念を持つようになると思います。当然です。それは致し方ないでしょう。

以下のSupermanの例を見れば分かるように、データはimore.comのウェブサイトから抽出され、SERPに表示されています。

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ここで2つの興味深い疑問が浮かびます:

1. Googleが表示する情報はパブリックドメインに該当するのか?

私は法律の専門家ではありませんが、妥当な情報だと思えるパブリックドメインの情報なら自由に利用することが出来ると確信しています。著作権の対象にならないからです。

例えば、オリンピアはワシントン州の州都です。この情報を個人のウェブサイトから学んだとしても、関連しているなら、利用することが出来ます。つまり、パブリックドメインの情報を基にパブリッシングのビジネスを構築するのは得策とは言えません。

2. 米著作権局が定義するフェアユースに該当するのか?

該当するなら問題はありません。フェアユース(公正利用)の概念は複雑であり、許容範囲は曖昧です。第三者のサイトから得るコンテンツの量が鍵を握ると思います。

別のサイトを引用する人達、あるいは、第三者の著作権保護された作品のフェアユースの利用を試みる人達の間では、ソースを明らかにする行為は常識です。しかし、アメリカの著作権局は、「著作権のある作品のソースを示す行為は、許可を得る行為の代わりにはならない」と指摘しており、これだけでは十分ではない可能性があります。

フェアユースの議論は、米国に限られ、法律は国によって異なる点を忘れるべきではありません。Googleは、この件に関して、いずれ説明を求められるでしょう。

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シャリ・サロー

構造化スニペットに関して、懸念を持っていますか?

シャリ・サロー: はい。しかし、大勢のSEOのエキスパートとは異なる懸念を持っていると思います。

Googleの経営陣が、簡単なクエリに対して答えを与えて、UXを良くしたいと望む理由は理解しています。

私の懸念は、Googleがウェブサイトからトラフィックを「盗む」ことではありません。むしろ、Googleが推奨する方法で、多くのサイトが、単純な情報を知るためのクエリに対する答えをフォーマット化したため、Googleが誤って答えを提供してしまうことの方が怖いのです。

どのようにコーディングしようが、どのような形式を用いようが、質の低いコンテンツは、質の低いコンテンツです。

例えば、WikipediaのSEOの定義をチェックして下さい。この定義には私は納得できません。構造化スニペットによって、この定義は受け入れられてしまうのでしょうか?その可能性はあります。

それが私の懸念です。提供する情報が事実に基づいている点を証明するために、Google、あるいは、他のサービスの好むフォーマットに合わせなければいけない状況は好ましくありません。

Googleは、どのようにこの問題を解決すると思いますか?

シャリ・サロー: 適切な引用に関して積極的に関与するなら、ナレッジグラフに対する引用が、100%疑う余地がない点をGoogleは裏付ける必要があります。つまり、何もかも明らかにしなければならないのです。

Googleが、ウェブページから答えを抽出し、直接、検索結果に表示するアプローチを強化している点に関して、どの程度懸念を持っていますか?

シャリ・サロー: 検索結果のリスティングのために、コンテンツを取り出す行為ですか?正直に言うと、Googleが登場する前から、検索エンジンは、ウェブページから一部を抽出してきました。.

価値の判断は、厄介な問題です。現在、Googleの言うことは何でも真に受ける状態になっています。Googleが上位に格付けした文書は、「正しい」答え、もしくは、「最善」の答えだと心から信じているのです。

私達の社会では、検索結果を批判的に評価する方法も、クエリを形成する方法も教えていません。

私はテクノロジーに偏ったデザインは好きではありません。Googleはこの傾向を強めており、私が懸念を抱いているのは、まさにこの点です。

この問題に関して、何か特別なことをしていますか?

シャリ・サロー: 当然です。現在、Googleでテストを行っています。そのうち結果を発表する予定です。

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AJ コーン

Googleが検索結果にコンテンツを直接する方針を推進している件を問題視していますか?

AJ コーン: Googleの構造化スニペットに関しても、Googleがウェブページから答えを取り出し、検索結果に表示する取り組みに関しても、特に心配していません。

「ザック・エフロン 年齢」、「アルフ 声優」等の問いに対する答えを提供する取り組みに収益を依存してきたのなら、今まで運が良過ぎたのです。

このようなクエリの裏側にある隠れた意図を理解し、答えに関する豊かなUXを提供することが出来るかどうかが、勝者と敗者を分けるでしょう。

Derek Edmond headshot

デレク・エドモンド

ウェブページから答えを抽出し、直接検索結果に表示する取り組みをGoogleが推進している点に関して、懸念を持っていますか?

デレク・エドモンド: 広告収益を引き続き得るために、ユーザーをGoogleに留める必要がある事実に関しては、理解しています。また、大方、構造化スニペットを表示するサイトにメリットを与えるように情報を提示しているような気がします。

私達に出来ることはほとんどないため、特に懸念は持っていません。

ウェブサイトのパブリッシャーには、お馴染みのことですが、結局、私達ユーザーは力不足なのです。Googleの要求に応えざるを得ないのです。今回の件からも分かるように、オンラインビジネスを運営しているなら、自分でオーディエンスとネットワークを構築することが、何よりも重要だと言えるでしょう。

Googleは、営利団体であり、時代の最前線を進み、利益を得るためには、ルールの範囲内でなら、何をしても許されるのです。

とは言いましたが、Googleの成功は、文字通り、第三者のソースから情報をキュレートする能力にかかっています。Googleの取り組み、そして、(参照情報、そして、リンクに対する一連の基準に関して)第三者に強制する取り組みとの間には、笑ってしまうほど、皮肉としか言えない矛盾があります。

この新しい方針により、仕事のアプローチを変更、もしくは、修正しましたか?

デレク・エドモンド: いいえ、全く変えていません。

個人的な意見ですが、検索エンジンの結果で上位にランクインすることで得られる見返りは、Googleが、情報に基づいて構造化スニペットを表示したために少量のトラフィックを失うリスクよりも重要だと思います。

そもそも、Googleが、私達(もしくはクライアント)の情報に基づいて、構造化スニペットを表示するなら、それは信頼、そして、ブランド構築、そして、マーケティング戦略を認証した証だと考えています。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Reaction: What SEOs Think About Facts & Answers Showing In Google Search Results」を翻訳した内容です。

色々な意見はあるようですが、この傾向が進んでいけば、多少のトラフィックは減るでしょうね。そもそもバーティカルサイトなどは既にGoogleのユニバーサル化で、相当トラフィックを落としているわけですし。極端な話、将来的にはGoogleが勝手にウェブページの情報を集約して全てGoogle Glassやスマホの音声上で、大半の情報収集は解決してしまう、なんてことも十分ありえるわけですし。ソーシャルメディアやアプリの普及で、ウェブサイトやウェブページの意味や意義が問われている今日ですが、10年後、というか、5年後でも相当変わっていそうですし、ウェブ集客の概念自体が全く違うものになっているかもしれません。

記事にあった「ザック・エフロン 年齢」、「アルフ 声優」のSEOが運が良すぎた、というコメントには笑ってしまいましたが、Google自身がキーワードを意識したSEOを推奨していませんし、ロングテールのワードにニッチに対応するSEO自体が既に終焉を向いつつあります。SEOのみでトラフィックを意図的に増やすことは以前と比べ格段に難しくなってきているのは事実ですし、SEOを意識しつつコンテンツマーケティングなりソーシャルなりに他面的に取り組むのが重要になっていくのでしょう。SEO一本で勝負してきた専門家には辛いところもあるかもしれませんが、、、それがウェブの進化でありそこで働く者の宿命でしょうか。 — SEO Japan

インハウスSEOになる前に知っておきたいこと

フリーランスのSEO専門家として活躍していた筆者が、某スタートアップのインハウスSEOとして仕事を始めた経験を元に、インハウスSEOとして考慮すべき点や成功の秘訣をまとめた記事を紹介します。インハウスSEOの重要性がかつてない程認められ、その存在感が増している今日、SEO会社から転職する人も増えているように感じますが、事前に読んでおくとヒントになる点が多いかも。 — SEO Japan

物事には順序がある。それでは背景から説明していこう – 1年前に誰かにインハウスのSEOとして働いていると言われたら、私なら笑って、もっと自分を大切にした方がいいと助言していただろう。

そして、現在、私はインハウスSEOとして働いている。しかも、今まで思いもしなかったこと、つまり「他の誰かのために働こう」と言うこの決断にこれ以上ないぐらい満足しているのだ。

Clicker.com - In House SEO & Audience Development

遡ること1年弱、私がメキシコでのサーフトリップから帰宅中に国境を越えようとしている時だった。電話を通じて私はeメールを受信した。アスクドットコムの元CEO、ジム・ランゾーン氏からのメールであった。ランゾーン氏は同氏が運営するスタートアップ Clicker.com(クリッカードットコム)の情報を簡潔に伝え、近所に来ているので会って話をしたいと望んでいた。しめしめ、これで仕事がまた一つ増えたぞ。私はそう思った。

私は一度話を聞くまでは断らないと言うポリシーを持っており、そして、当時黒字の事業を運営していたため、単なるネットワークの良い機会として位置づけていた。

仕事が必要だったわけでもなければ、お金が必要だったわけでもなかった。 また、私は5年もの間、他の誰にも恨まれていなかった。自分のライフスタイルを気に入っていたし、自分自身に満足もしていた。しかし、その数カ月後、ジム・ランゾーン氏は徐々に私の考えを変え、もし試していなかったら、絶対に後悔するような機会を私に与えてくれた。

私の好奇心を引き寄せたのは給料ではなかった(スタートアップそのものが魅力的だったのだ)。これは、大きな成功を収めると思ったビジネスに参加し、関与するチャンスだったのだ。私を鍛え上げ、スキルを磨き上げてくれる重役の人達と毎日連絡を取り合うためには、私にはキャリアの次のステージに進む必要があった。ベンチャー投資家や経営陣と話しをして、自分の才能を分かってもらう必要がった。

また、私はクリッカーが優れたアイデアであり、ポテンシャルを引き出すことが出来れば、夢のような大金が転がり込んでくる可能性もあると期待している。

インハウスSEOとして想定するべきこと

インハウスSEOが想定することは、企業によって異なる。私は面倒なことは苦手であり、そして、自分の知っていることのみを綴る主義なので、自分の経験を思い返していこうと思う。これは私がたまに考えることであり、真実でもあるのだが、私のライフスタイルは基本的にほとんど変わっていない。

これは働く場所が大きく関連していると思うが、クリッカーは業績ベースの企業であり、毎日出勤するタイプの企業ではない。私はたとえ一時間だけであっても毎日のように今でもサーフィン(ネットサーフィンではなく、波に乗るサーフィン)を楽しんでおり、平常心を保つ自由を謳歌している。

私は別の場所から自分のチームに指示を出し、オフィスに行くのは月に数回である。この環境は、私が業績を上げ、期待を上回っている限り変わらないだろう。

大きな違いは皆さんが想像しているよりも目立たないが、それでも様々な角度で見ると違いがある点は疑いようもない。

まず、他の人に指示および答えを委ねなければならない。運が悪ければ、数人に対して答えを提供しなければならない可能性もある。自分一人で仕事をしたことがあるなら、これは辛いと感じるだろう。

上司を尊敬し、上司と同じ目標を達成することが出来ると信じること、または達成したいと願うことが重要である。それでも、小声で文句を言いたくなるときはやって来るはずだ。

次に、責任が重くなり、焦点を完全に一つのプロジェクトに絞ることになる。 これは良いとも悪いとも言える。私のように注意力が欠けているなら、退屈であり、飽きてしまうこともある。クライアントと仕事をする場合、クライアントは一人ではなく、複数のプロジェクトに同時に取り組めるため、新鮮な気持ちで挑める点は、クライアントと仕事をする上でのメリットと言えるだろう。

もちろん良い点もたくさんある。毎月、同じような“確認”の声を聞かなくても済む。新しいビジネスのために四六時中慌ただしく動き回る必要はない。事務作業はなく、使えるリソースも多い。

自分よりも大きな何かの一翼を担うことになる。自分の戦略を実施するためだけのSEOに特化したチームを持つことが出来る。また、新しく、貴重なスキルを身につけることも出来る。そして、仕事の後片付けが遥かに簡単である。それでも、高い波が来る予報が出ている際に中部に向かうのは気が重い。有給休暇と言われる制度もあるが、ちょっとずつしか使えない。

さて、突然、自分の人気が高まることもある。まるで背中に的を背負っているかのような勢いである。私がクリッカーで働き始めたことを公表してから依頼される仕事の量が10倍以上に増したのだ。良いか悪いかは状況によって異なる。私は自分の勤務先に満足しているし、去るつもりはない。

インハウスSEOになる前に考えておきたいこと

クレイグズリストで初めて見つけた仕事にいきなり応募するのはよくない。インハウスSEOとして成功したいなら、自分の優先事項が加わる会社と一致していることを確かめる必要がある。

私は大企業とは生活が大きく異なるスタートアップに参加した。その点を肝に銘じておいてもらいたい。条件が合わなかったら、自分の仕事を手放すことはなかった。以下に、一大決心をする前に使ってもらいたいチェックリストを用意した。

SEOに対する賛同

CEOおよびその他の重役陣がSEOの効果を疑問視しているなら、諦めた方がいい。上司に自分のアイデアを信じてもらい、賛同を得るために全力を注がなくてはならないなら、インハウスSEOとしての生活はあまり楽しいものにはならないだろう。SEOが優先されておらず、また、リスペクトされていないなら、他の会社を探すべきである。

確固たる信頼

勤務を始めてから数週の間、CEOが私を脇に連れ出し、経営陣に対してもっと断固たる態度を取ってもいいと言われた。当時、私はその他の重役に命令を出す前に自分自身の力を証明する必要がある気がすると答えたのであった。

これは私にとっては新しいテリトリーであり、そっと進むようにしたのだ。するとCEOは「もう充分力を証明しているよ。だから雇ったんだ」と言ってくれた。これが転機となり、自分の専門知識が100%信頼されていることが分かり、私は嬉しかった。

CEOと自分の間の壁は少ない方が良い

重役がSEOに賛同しているからと言って、会社全体が賛同しているとは限らない。なかなか計画を実行することが出来ないときがある。エンジニアが何かを変える意図を理解していないこともあれば、最高財務責任者(CFO)が成功するために必要な予算を拒むことも考えられる。CEOと直接話すことが出来れば、このような障害を容易に乗り越えることが出来るだろう。主要な意思決定者が近くにいてくれるほど心強いことはない。

自分の運営スタイルに合う強力なチーム

人が違えば、運営のスタイルも異なる。そして、既にチームが用意されていても、または新たに雇用するにしても、作業を実行する際の自分のスタイルに合わせておきたいところだ。私は無干渉主義であり、人の行動を細かく管理するのは嫌いだ。

また、賢く、自発的で、事細かい指示を必要とせず、自分で行動を起こせる人物と働くことを望む。私はオフィスで働くわけではないので、何も連絡してこない時は必要な作業を行っていると信じたい。実際に、私のチームは称賛に値する。

順調に仕事を行うために使えるリソース & ツール

この点については細かく説明する必要はないだろう。仕事を行うには、そして、効率よく行うためには、必要なものがある。事前に交渉を済ませておき、何を期待するべきか分かっている必要がある。

自分に何が期待されているのかを把握している必要があるように、会社側も自分が何を期待しているのかを理解しているべきである。雇ってもらったものの、これからの仕事を否定されてしまうことだけは絶対に避けたい。これは印象が悪い。

インハウスSEOとしての仕事はすべての人に向いているわけではないが、クライアントと仕事をする際や自分のウェブサイトを運営する際には見出せないメリットを多く含む新鮮な方向性を味わうことが出来る。

私は皆さんにインハウスSEOになろうと諭しているのではない。しかし、考えているなら、そして、まだ行動を起こしていないなら、いっそのこと試してみてはどうだろうか。期待以上の経験を味わうことが出来る可能性がある。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Making The Jump To In-House SEO」を翻訳した内容です。

極めて全うな考察で、インハウスSEOを検討している人には、というより、インハウスSEOとして働くべき企業であるべきかを見極めるにも、参考になる記事でした。全てが理想的な環境は少ないと思いますが、こういったことを意識することがインハウスSEOとして活躍するためにも大事ですね。ちなみに筆者が勤めたClicker.com、ドメインが既に無かったので一瞬あせりましたが、無事に大手テレビ局に買収されたようです。 — SEO Japan [G+]

地味で退屈な業界で活きるソート・リーダシップを活用したリンク構築戦略

コンバージョン最適化に最近注意が向いているSEO Japanですが、コンテンツマーケティングやリンク構築も忘れていません!これからのリンク構築に欠かせないコンテンツマーケティングですが、B2Cや広告やファッション等、派手な業界ならともかく、地味で派手さのない業界の企業の場合、そもそもコンテンツマーケティングのネタがない!と嘆いている企業も多いのではないでしょうか。そこはアイデア次第、逆にチャンスも大きいとサーチエンジンランドからの素敵なアドバイスを悩めるウェブマーケッターに。 — SEO Japan

現在の検索業界では、大半のSEOキャンペーンが、コンテンツを主体として行われている。実際に、私が参加するキャンペーンの多くは、質の高いコンテンツを作成し、一流のサイトで配信する取り組みを軸に展開している。shutterstock_126540911-content

SEOに対するこのアプローチは、従来のSEOキャンペーンよりも、典型的なPRキャンペーンに似ている — 大半のデジタルエージェンシーは、このPRキャンペーンに近いアプローチを重視する必要があると私は考えている。

要するに — 今後のSEOの鍵を握るのは、コンテンツマーケティングである。

それでは、この流行りのワードを早々に出すことに成功したので、本題に入らせてもらおう。

楽しく、リンクを張りたくなるコンテンツを作成する取り組みは、奇抜な製品を販売するB2Cの企業にとっては、それほど大変な作業にはならない。Red Bull、そして、同社のStratosプロジェクトやOreoのDaily Twist キャンペーンが良い例だ。どちらも秀逸なアイデアであり、コンテンツマーケティングの模範として定着している。

しかし、このようなブランドの価値、または、Red Bull等の企業が持つクリエイティブな姿勢が欠けている場合、苦戦を強いられる可能性がある。

私が協力した企業の約9割は、所謂「面白味のない」業界に属する企業である — 例えば、特定の機械専用のバルブを製造する会社。

刺激的な製品に関連するマーケティングアクティビティとは範囲が異なり、また、Red Bull等の企業が繰り出すキャンペーンは、ブランド志向である。Red Bullのキャンペーンのように「宇宙から人間を落としてみてはどうですか?」と提案したところで、クライアントに納得してもらえないどころか、私個人の人格まで疑われてしまうだろう。

ただし、解決策がないわけではなく、実際に多数のクライアントのサイトで、絶大な効果を上げている。

ソートリーダーのイメージを確立する

私達が行う取り組みの中で、クライアントを当該の業界のソートリーダー(独自の考えを示すことが出来る存在)として定着させる取り組みは、素晴らしい成果を上げている。B2B業界、とりわけ製品/サービスが特定の分野に限定されている場合、特に効果が高い。

ソートリーダーシップを軸としたアプローチでは、社内で重要な鍵を握るスタッフを業界内でエキスパートとしてアピールし、(オンライン/オフラインの)複数の一流のパブリケーションに取り上げてもらい、この確立した評判を使って、リードをもたらす。 検索、ソーシャル、オフライン、または、その他の様々なチャンネルを介して、この取り組みを実行することが可能だが、全て作成するコンテンツを土台にしている。

通常のアプローチを紹介しよう:

  1. 社内で、ソートリーダーシップのコンテンツを活かすことが可能な重要人物を特定する。
  2. ブランドの価値に合致する人物を中心としたメッセージとストーリーを作る。
  3. 伝えようと試みているイメージを反映させるため、インターネット上のプレゼンス(プロフィール等のアイテム)を最適化する。例えば、LinkedInのプロフィールやTwitterの経歴欄等の作成が、この取り組みに該当する。また、オンラインとオフラインのプレゼンスが、届けようとしているメッセージと一致することを確認しておく必要がある。イメージをさらに展開するため、当該の人物専用のブログを開設するケースもある。
  4. 社内の重要人物を取り上げもらい、ブランドを広範なオーディエンスにアピールするため、ターゲットにする一流のパブリケーションを特定する。
  5. 特に力を入れる主要なトピックを網羅するコンテンツ計画を策定し、重要な業界のトピック、イベント、さらに、会社の広範なニュース/キャンペーンと照合していく。
  6. 一流のパブリケーションにアピールして、信頼を得るための評判を高める取り組みに着手する。評判を高めるための取り組みとは、著名な業界のパブリケーションで取り上げてもらい、今後の紹介を促進する試みを指す。
  7. 業界のインフルエンサー、ジャーナリスト、名のあるコンテンツプロデューサーを特定し、関係を構築する。
  8. 仕事に精を出す。

先程も触れたように、全ての取り組みの中心となるのは、コンテンツである。そこで、業界の最新のトピックに関する詳細なレポートを作成し、ターゲットにしているパブリケーションを魅了する視覚的に優れたコンテンツを用意する。

Digital Asset Creation

(クリックして、拡大する)

上の図表は、デジタルキャンペーンに導入する新しいコンテンツを作る際に確認する、大まかなフレームワークである。テキストベースの記事のようにシンプルな作品から、マルチメディアをふんだんに詰め込んだインタラクティブなマイクロサイトのような高度な作品が該当することもあるが、全て同じ原則が適用される。

それでは、SEOの成果を改善するソートリーダーシップキャンペーンを築くステップを詳しく考察していこう…

ステップ 1: ソートリーダーを特定する

会社の規模に関わらず — ソートリーダーシップには、希望通りのイメージに会社を位置づける効果がある。この点を考慮する際に、社内のスタッフをキャンペーンの最前線に送り出す取り組みが、とても重要になる。

製品に重点を置く際は、技術力に優れたスタッフをソートリーダーとして位置付けることになる。すると、製品のスペシャリストとして、製品の仕組みを語ることが可能になる(特にテクノロジー中心の分野で)。

代わりに、取締役やディレクターにソートリーダーになってもらう手もある。この手法では、たとえ、当該の人物が無名であっても、パブリケーションにアプローチする際に、大きな信頼感を与える効果が期待できる。

キャンペーンの重要な目的をまとめ、重要人物が持つスキルを合わせて、ソートリーダーを特定するのが最善の方法である。例えば、製品の長所に対する認知度を高めること、ブランドの社会貢献の実績を確立すること、もしくは、インターナショナルな印象を与えることが目標に該当するかもしれない。目的によって、異なる人物がソートリーダーの候補に上がることもあり得る。

ステップ 2: ストーリーを作る

大半の大きな企業において、戦略的なストーリーテリングは、大きな役割を担っている。世界的に有名な企業は、会社の中心に染み渡る明確なメッセージとストーリーを持っている。

英国の老舗自動車メーカーのAston Martinが良い例だ。いつかAston Martinの車を所有したいと夢見る人は多い。同社は常に高級感がある、玄人好みの、上品なコンテンツキャンペーンを展開し、ジェームズ・ボンド等のつながりを活かし、この圧倒的な豪勢さを生み出している。

innocent-drinksInnocent Drinksも気に入っている。同社は、非常に競争の激しい業界に参入し、誰もが失敗を予想していた。しかし、この悲観的な予想を裏切る結果を同社は達成した。この成功をもたらした要因は、製品と結びつけたストーリーであった。

Innocent Drinksのスムージーを飲むことは、格好良いと言うイメージが定着したのだ。同社は、エコに重点を置き、多くの大手の会社が採用するプロセスに逆行した。

Innocent Drinksは、音楽のイベントで製品を売り始め、ビジネスを続けるべきかどうかを、空のボトルを「YES」と書かれたゴミ箱、もしくは、「NO」と書かれたゴミ箱に捨ててもらうことで、購入した人に尋ねた経緯を詳しく説明している。

同社の全てのマーケティングの取り組みに、何らかの形でこのストーリーが反映されており、新しい物好きの若者のマーケットにアピールしている。また、同じ顧客層をターゲットにしたその他の会社とのコラボレーションを積極的に進めてきた。

面白いことに、Innocentの製品を買うアンチ大企業の人達は、Innocent Drinksが、実はCoca Colaの子会社である事実に気づいていない。これは、Innocent Drinksのストーリーの力強さを証明していると言えるだろう。

この点を踏まえて、ソートリーダーシップをアピールするコンテンツの中で伝えるストーリーを考えてもらいたい。一貫性が重要である。そして、この一貫性こそが、明確に決めた、包括的なメッセージを持っている場合、全ての取り組みを一体となって前進する原動力になる。

ステップ 3: オンラインプレゼンスの最適化

このようなキャンペーンにおいて、このステップは、見落とされることがとりわけ多い。

社内のスタッフをエキスパートとしてアピールするつもりなら、全てのオンラインのプレゼンス(アカウントやプロフィール等のアイテム)に反映させる必要がある。必要な作業の量は、プロジェクトの規模に左右されるが、私は通常次の取り組みを実行する:

  • LinkedInのプロフィールの徹底した最適化 — 写真、プロフィール欄のコピーライティング、肩書きの更新、推薦と認定の追加、実務経験の更新を含む。
  • Google+のアカウントの更新と既存のコンテンツに対するオーサーシップの設定。
  • プロフィールの画像(その他のプラットフォームと同じ写真が理想)、経歴の情報を含む、Twitterのプロフィールの更新。また、既に配信されている既存のコンテンツの詳細な分析も行う。適切なメッセージを伝えていない投稿を削除するためだ。
  • 個人のブログの開設(常にこの作業を行うわけではないが、個人に対する信頼を植え付ける上で効果的な方法であり、リンク構築の武器になる)。

ステップ 4: 一流のパブリケーションの特定

キャンペーンに着手する際、確保したい最高のパブリケーションを特定するため、十分に時間を割いて、クライアントの業界におけるコンテンツの現状を分析する。この取り組みにおいては、分野に特化させる必要があるが、必ずしもオンラインに固執しなくても良い。オフラインでの配布は、ブランドへの信頼性を高め、オンラインでの配信の機会をもたらすことがある — リンクだけにこだわるべきではない。

この取り組みと並行して、同分野のトピックを取り上げる一流のジャーナリストを調査し、分析していく。社会的な実績、連絡先情報、寄稿するメディア、投稿することが多いコンテンツのタイプ等を調べると良いだろう。この情報を使うと、コンテンツを当該のジャーナリストが好みそうな作品に調整することが可能になる。すると、採用してもらう確率は大幅に高くなる。

この分析では、広範なブランドに対する記事にも注目するべきだ。私が良質なターゲットを特定し、コンテンツを配信してもらう際に用いる方法を詳しく知りたいなら、この記事に目を通しておこう。

ステップ 5: コンテンツ計画書の策定

コンテンツ計画書の策定は、恐らく最も重要なステップだと言えるだろう。ここでは、当該の分野に存在するコンテンツのギャップを見つけ、このギャップを埋めるような大作に力を入れる必要がある。

前回、Mozに投稿した記事では、データのスクレイピングを用いて、自分が働きかけている業界をリードするウェブサイトを分析して、成功するコンテンツに欠かせない要素の見解を得る方法を紹介した。この分析結果があると、投資に対して、より大きな見返りを得られるようになる。

多くの壮大なアイデアを考案し、小さなコンテンツで脇を固めるアプローチを私は好む。例えば、専門的なレポートを作り、その後、このレポートを裏付ける複数の記事を作成して、社内のエキスパートの名前で投稿し、コンテンツ攻勢を活用する。

レポートはあくまでも例の一つだが、あまり良い例とは言えないかもしれない。テクノロジーの分野に属していたとしても、特定の形式にこだわる必要はない。より広範なオーディエンスにコンテンツを見てもらい、その一方で、達成しようとするイメージに一致する、ブランドのストーリーの一面を見つけてもらいたい。これはリンクを得る上で最強のコンビになる。

個人的に、全米のトラック運転手の仕事に特化したTruckerClassifieds.comは良い例だと思う。同サイトは、インフォグラフィック Truckpocalypseを作成する際に理想の視点を見出し、その結果、ソーシャルメディアで3,000回以上シェアされ、700本以上のリンクを獲得した — なかなか立派なスタッツだと言えるだろう。このインフォグラフィックを見たことがないなら、是非、見てもらいたい — その価値はある。

Truckpocalypse Infographic

飲酒運転に狙いを絞ったTwonCentreCarParks.comのこのインフォグラフィックも模範的なコンテンツの一つである。このインフォグラフィックは、ブランディングにとってプラスに働き、さらに、サイトにもたらされた大量のトラフィックだけでなく、リンク/ソーシャルシェアにおいても、素晴らしい成果を残した。

Drink Driving Infographic

今回の投稿では、コンテンツを作成するプロセスの詳細に踏み込むつもりはないが(このトピックが自体が記事として成立するため)、様々なフォーマット、トピック、そして、アプローチを試しておくことを薦める。

ついでに、コンテンツの計画書を文書にまとめる際に役立つ良質なExcelのテンプレート(.zip ファイル)を紹介しておく — このテンプレートに救われる人が大勢いるはずだ(パム・ダイアー氏に感謝)。

コンテンツの作成に関して、オンラインで利用するために作成したコンテンツは、オフラインで、販促/マーケティングツールとしても利用することが出来る点を覚えておいてもらいたい。このポイントは、支持を得る上でも有効に働く。Animagraffsが作成したこのインタラクティブなインフォグラフィックを参考にしてもらいたい。

Animated Infographic

ステップ 6: 評判を高める取り組み

評判を高めるための取り組みとは、著者の信頼を高めることのみを目的に掲げ、コンテンツを掲載してもらう取り組みを意味する。この評判を高めるための取り組みは、ソートリーダーシップを得るためのキャンペーンにおいては、欠かすことが出来ない要素である。

評判を高めるための取り組みを実施する方法は幾つかあり、いずれの方法も長所と短所を持っている。以下に、私が通常利用するアプローチを紹介する:

スポンサード投稿: スポンサード投稿とは、単純に有料のコンテンツを指す。投稿内のリンクはnofollowだが、これは大した問題ではない。今後、ジャーナリストに連絡を取る際に、援護してもらうことが、エキスパートとして、コンテンツを提供する主な目的である。先程、「リンクのことばかり考えていると、このタイプのキャペーンに取り組むことが出来ない」と言ったのは、このためだ。

多くの一流のパブリケーションは、スポンサード投稿を認めているが、投入可能な予算に左右される。たとえ数回であっても、スポンサード投稿を実行すると、大きな効果が現れる。

このアプローチの長所は、すぐに実行することが可能であり、残りのキャンペーンに着手することが出来る点だ。

一流のライターに協力を呼び掛ける: 今年の始め、一流のパブリケーションのライターを特定し、関係を構築し、代わりに一流のサイトにコンテンツを投稿してもらう方法を記事の中で紹介した。これは私が実際に何度も実施し、輝かしい結果を残した戦略であり、評判を高めるための取り組みを実施する際に心強い味方となる。

このアプローチの長所は、継続的に活用することが可能な関係を築くことが出来る点だ。この関係から幾つかリンクを得られる可能性がある。短所は、スポンサード投稿等のアプローチと比べ、大幅に時間がかかることだ。

受け身のPR要請を行う: HAROやResponseSource等のサービスには、PRを行うチャンスが数多く眠っている。ジャーナリストは、常にエキスパートによる情報を求めているため、このタイプのサービスは、スピーディーに特集記事を確立する効果が期待できる。

このプロセスに関しては、今年のリンク構築(既に半ばに差し掛かっているが)に関する記事の中で、もう少し詳しく説明しているので、目を通しておこう。

ステップ 7: 関係構築

コンテンツの作成に取り掛かり、オンラインのプレゼンスを最適化し、初期の配信の機会を獲得したら(評判を高めるための取り組み)、次に長期的にリンクを得る上で活躍する関係構築に着手する。

ソーシャルメディアの利用が進んでいない業界では、関係構築は、とても難しく感じるかもしれないが、実際には、競争相手が少ないことを意味する。

この類の企業においては、3つのタイプの人物との関係構築に励むようにしている — 1.ジャーナリスト(出来ればフリーランスのジャーナリストが良い。なぜなら、複数のパブリケーションに寄稿しているため、投じる資金からより多くの利益を得ることが出来るからだ) 2.関連する分野のパブリケーションの編集者 3.業界のインフルエンサー。とりわけ、よりテクノロジーを重視する業界においては、時間と資金を大いに節約する効果が見込めるため、PRのデータベースを活用することを強く薦める。

ただし、ジャーナリストや編集者に接触する際は、良い印象を残すチャンスは1度しかないことを肝に銘じておいてもらいたい。同じメッセージを大勢のターゲットに一度に送る戦略は効果がないため、回避するべきだ。出来るだけ手をかけ、パーソナイズさせるべきである。また、事前にコンテンツを作成して、ジャーナリスト/編集者に売り込む方が、ゲスト投稿を好むかどうかを確認するためにEメールを送信するよりも、効果が高いことを私は実感している。

このガイドは、Eメールで優れたの売り込みメッセージを作成する際に役に立つかもしれない。

まとめ

ソートリーダーシップは、 面白味のない、もしくは、専門的過ぎると言う理由で切り捨てる人が多い業界で、キャンペーンを実施する際に、大きくプラスに働く。このアプローチのみを介してSEOのプロジェクトを実施したことがあるが、経験上、全体的な取り組みの一つの要素と位置づけた方が良い。

固有のコンテンツを介して、そして、社内の重要な人物を業界のエキスパートとして確立する取り組みを介して、構築される関係は、時間の経過と共に、自然な言及を生み出すきっかけとなる。これは、すぐに起きるわけではないが、販促ツールとしても利用可能な優れたコンテンツを作成し、社内の重要なスタッフの評判を高め、オンラインとオフラインのプレゼンスを一貫して活性化することで、ブランドに対する認知度を上げる取り組みを中心としたリンク構築戦略を求めているなら、ソートリーダーシップを確立するアプローチを薦める。

全文に目を通す時間がない方へ

  • 大勢の人達につまらないと見なされている業界であっても、異なる視点で考えるべきだ。チャンスと考えよう。
  • ソートリーダーシップは、単なるゲスト投稿の取り組みではない。
  • リンクを得ることだけを考えて、このタイプのキャンペーンに向き合うべきではない。
  • 評判を高めるための取り組みを行い、今後の接触キャンペーンの効果を上げよう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「A Step-By-Step Guide To Link Building For Boring Industries Or Products」を翻訳した内容です。

元記事のタイトルには「ソート・リーダシップ」というキーワードは入っていなかったのですが、ほぼソート・リーダシップの話だったので、あえて追加しました。ソート・リーダシップ(thought leadership)という言葉、コンテンツマーケティングの台頭と共に米国で出現頻度が増しています。日本ではまだ余り注目されていないとも思いますが、B2B業界で専門的な記事を積極的に書いてその分野の大家になっている人や企業は日本でも多いですし、結果ソート・リーダーシップを構築しているわけですけどね。SEOでもSEO Japanはともかく、そういったブログや人が多くいますし。細かいプロセスが書かれてはいますが、まずは情熱を持って取り組むことが大事なのかな?と思います。 — SEO Japan