Googleの自然言語検索がよりスマートに。

昨日にGoogleから発表されましたが、検索エンジンのクエリに対する理解が深まったことを報告する内容でした。個人的には、”複雑な質問”の理解が興味深く、人間が参加するクイズ大会で優勝したIBMのワトソンを思い出しました。(もちろん、質問内容の理解はできていませんが。)先日発表された、RankBrainも(直接的ではないにしろ)この進化に大きく関与しているのでは?とも思っています。ますます便利になる一方、Webマスターにとっては悩みの種ともなる可能性がありますが、今後もGoogleの進化は止まることはないようです。– SEO Japan

Googleがクエリの理解について、より賢くなっている。最上級、時間軸、そして複雑な質問に対しても、最適な検索結果を提供している。

Googleは、自身の検索エンジンの自然言語の検索に対する理解がより深まったと発表した。特に、最上級、時間軸、複雑な質問に対する理解が深まっているようだ。

Googleのプロダクトマネージャーである、サチャート・サルガー(Satyajeet Salgar)氏は、以下の3つのタイプのクエリに対する理解が深まったと述べている。

最上級を含むクエリ

Googleは最上級への理解、つまり、”最も高い”や”最も大きい”などを含むクエリへの理解ができるようになっている。つまり、Googleに下記のような質問を尋ねることができるのだ。

  1. マーベリックスの中で、最も身長の高い選手は?
  2. テキサス州で最も大きな町は?
  3. アイオワ州の地域別で最も大きな町は?

時間軸を含むクエリ

Googleは、クエリ内で言及された時間についての理解も深めている。

  1. 1965年のシンガポールの人口は?
  2. 2014年に録音されたテイラー・スウィフトの曲は?
  3. 2013年にロイヤルズに登録していた選手は?

より複雑なクエリ

Googleはより複雑な組み合わせの理解を深めている。つまり、下記のような質問にも答えることができるのだ。

  1. セス・ガベルの義父の映画は何?
  2. バーニー・サンダースが生まれた時のアメリカの人口は?
  3. エンゼルスがワールドシリーズで優勝した時のアメリカの大統領は?

下記に、Googleが発表した今回の進化について説明した画像を掲載する。

上記画像和訳。左上から。
【Who was the US President when the Angels won the World Series?】
(エンゼルスがワールドシリーズで優勝した時のアメリカの大統領は?)
【Who was the US President】
(大統領のリスト)
【US】
(国名)
【when the Angels won the World Series?】
(ワールドシリーズの勝者を年代ごとに)
【the Angels】
(野球チーム)
【Presidents of the United States】
(アメリカの歴代大統領)
【Year The Angels Won The World Series】
(2002年に優勝している)
【George W. Bush】
上記の認識を組み合わせて算出した答え

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Natural Language Search Gets Smarter」を翻訳した内容です。

Googleのクエリに対するインテント(意図)の理解はかなり進んでおり、Web検索だけでなく、様々なサービスに影響を与えていると感じています。一概に言うことは難しいことは承知ですが、日本語と比べ、英語での理解はかなり進んでいそうです。言語が異なることで、同品質のサービスを提供することは困難であることは明白ですが、様々な言語でも同様の検索が行えれば素晴らしいですね。– SEO Japan

続きを読む Googleの自然言語検索がよりスマートに。

FacebookがGoogleのApp Indexingの使用を開始。検索結果からアプリへの流入を期待。

アプリ内のコンテンツを検索結果に表示させるApp Indexingですが、今回Facebookがこの機能を実装したとのことです。記事内でもある通り、私もいくつか検索してみましたが、アプリを直接開くことはできませんでした。しかし、該当のページが再度インデックスされれば、直接アプリを開くようになると思います。Androidのみの対応ということですが、今回のFacebookの実装により、他のアプリの実装も加速するかもしれません。– SEO Japan

App Indexingを使用することで、検索者をGoogleからFacebookのアプリへ呼びこむことができる。しかし、Androidのみの対応で、Facebookの全てのコンテンツが対象となるわけではない。

FacebookはFacebook内の”アクセスが限定されている領域”の一部をGoogleに公開してきた。Googleからのトラフィックを獲得するためだ。今回、Facebookは、GoogleのApp Indexingを実装することで、検索エンジン最適化にさらに力を入れたことになる。モバイル利用の継続した増加に対応し、トラフィックを獲得し続けることを狙っている。

FacebookにとってGoogleのトラフィックは魅力的。

Facebookは自身のコンテンツの一部を、Googleがインデックスすることを許可していた。少なくとも、2007年にはFacebookのプロフィールページがGoogleとその他の検索エンジンに公開されている。”インデキシング(Indexing)”とは、Googleが該当のページのコンテンツの全てを読み込むことを意味している。その結果、ユーザーが検索をした際、これらのページがGoogleの検索結果に表示される(かもしれない)ことになる。

SEOのプロフェッショナルにとっては周知の通りだと思うが、インデキシングはGoogleとFacebookの両者に利益を与えることになる。Googleにとっては、ユーザーの検索ニーズを満たすコンテンツを獲得することになり、Facebookにとっては、Googleからのトラフィックを獲得することになる。

時間をかけて、Facebookはより多くのコンテンツをGoogleに公開してきた。例えば、2011年にはFacebookのコメントを公開している。今回のGoogleのApp Indexingのサポートを開始したというニュースは、公開するコンテンツを増加した、ということではない。しかし、Google内で発見できる既存のFacebookからのコンテンツが、より良いモバイル体験を導くという狙いが見られる。

App Indexingはブラウジングではなく、Facebookのローディングを意味する。

Wall Street Journalが、本日、このニュースを報じた。記事内では、Googleによれば、FacebookがGoogleのApp Indexingへの許可を、金曜日から開始したと記載されている。FacebookはSearch Engine Landに対し、上記内容が間違いないことを認めている。

App Indexingにより、Googleはユーザーを検索結果から、同一のコンテンツがロードされているアプリへ、直接導くことができている。

Facebookの場合、検索者がGoogleの検索結果画面でFacebookへのリンクをクリックすれば、該当のページのコンテンツをロードするのではなく、Facebookのアプリの開き方を理解しており、アプリ内の同一のコンテンツをロードするということになる。

上記は、公開設定されているプロフィール、Facebookページ、グループ、イベントなど、Googleに既に公開されているFacebookのコンテンツが該当する。(Facebookのアカウント保持者がブロックを設定していないことが前提。)

GoogleのApp Indexingが獲得していなかったコンテンツの中で注目すべきページがある。公開設定されている、個人の投稿やステータスの更新だ。現在、Googleはそれらのコンテンツをインデックスすることができる。モバイルでの検索にも表示されるだろう。しかし、私が見る限り、Facebookはこれらのコンテンツに対してGoogleのApp Indexingの実装を行なっていない。つまり、Facebookのアプリではなく、ブラウザでロードをしていることを意味している。

App Indexingは新しい情報を集めているわけではない。

FacebookはGoogleのApp Indexingを通じて、Googleがまだ獲得していない、新しい情報を提供しているわけではない。これについて、Facebookは直接私に伝えてくれている。つまり、Wall Street Journalの記述は正しいとは言えないことになる。

Googleの検索エンジンはWebの世界を支配している。しかし、アプリ内の情報を自動的に”クロール”し、分類することはできない。そして、アプリは、スマートフォンのユーザーが大部分の時間を過ごす場所である。つまり、アプリの開発者に、アプリ内のコンテンツの公開を依頼しなければならないのだ。

多くの場合、Googleがインデックスできない情報をアプリが保持しているということはない。特に、主要なWebサイトのアプリであれば。アプリはWebサイトとアプリの両者を強化するため、同一のソースから情報を引っ張ってきている。Yelp、TripAdvisor、Facebookなどは、こうした例に該当する。Googleはこれらのアプリの中身をよく知っているのだ。なぜなら、こうしたアプリの中身は、Webサイトの中身と同一であるからである。

GoogleのApp Indexingは、検索者の体験を向上させるための作りとなっている。ブラウザではなく、アプリへ直接誘導し、アプリにしか存在しない情報を発見するというものではない。

Androidのみが対応で、AppleとBingは未対応。

Search Engine LandのFacebookページなどでは、App Indexingのコードが確認できる。しかし、Nexus 6Pを使用した実験では、Googleの検索結果からFacebookのアプリへ直接遷移することはできなかった。私はFacebookのアプリをインストールしているため、直接アプリへ遷移すべきはずだ。

この件についてGoogleに確認を取っているが、Googleが単純に新しくコードを追加したFacebookページを更新出来ていないでいることが原因かもしれない。こうしたページが再度インデックスされれば、直接遷移できるようになるだろう。

この機能は、Androidのみが対応である。AppleとBingも同様の機能を持っているが、Facebookはまだ実装していない。そのため、(Safariでも、Chromeでも)iOSやWindowsモバイルでは使用することができない。AppleとBingが未対応である点について、Facebookはコメントするものはない、としている。

今回の実装の理由。

なぜ、Facebookではなく、GoogleがWall Street Journalにこのニュースを認めたのだろうか。特別な合意があったとは思えない。結局のところ、Googleによれば、今回の件についてはGoogleによるApp Indexingの使い道についての一般的なディスカッションの一部に過ぎなかった、ということだ。

いわば、GoogleのApp Indexingにとっての大勝利だと言える。今回のFacebookの対応により、多くのパブリッシャーがApp Indexingの使用に積極的になるかもしれない。そしてそれは、Googleのモバイルユーザーにより良い体験を提供することを意味している。

しかし、これはSEOにおけるベストプラクティスと合致するものでもある。つまり、SEOを意識しているあらゆる組織が行うべき取り組みであるということなのだ。Googleは検索結果内でアプリを優遇している傾向がある。時に、ユーザーへの悪影響を断定するかのように。しかし、パブリッシャーにとっては、この波に乗る理由は十分にあると言えるだろう。特に、ランキングを押し上げる要因となる点については。

Facebookによれは、今回のGoogleのApp Indexingの実装は、Facebookアプリを利用しているユーザーの体験を向上させる目的の一部だとしている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Facebook Now Using Google App Indexing To Drive Visitors From Search Into Its App」を翻訳した内容です。

たまに利用者減のニュースや調査結果を聞きますが、まだまだFacebookはSNS界の王者だと思います。しかしながら、他サービスの人気も高まりつつあり(日本でもInstagramの人気が伸びていますね)、王者と言えどうかうかしていられないというところでしょうか。モバイルにおけるユーザー体験の向上が目的であるならば、少なくともiOSには対応すべきかと思いますが、近いうちに実装されるかもしれないですね。– SEO Japan

続きを読む FacebookがGoogleのApp Indexingの使用を開始。検索結果からアプリへの流入を期待。

【SMX East 2015 レポート記事】”検索エンジンの中の人になんでも聞こう!”から見えた 6つのこと。

Search Engine Landに掲載された、SMX Eastのレポート記事の第二弾となります。(第一弾はこちら。)今回は、SMXではお決まりの(そして、大人気の)”検索エンジンの中の人になんでも聞こう!”のセッションになります。Googleからはゲイリー・イリーズ氏、Bingからはデュアン・フォレスター氏が、様々なトピックについて議論します。(司会は、もちろん、ダニー・サリバン氏。)今回のSMXではどのような内容が話されたのでしょうか?– SEO Japan

寄稿者のエリック・エンジ氏が、Googleのゲイリー・イリーズ氏とBingのデュアン・フォレスター氏を迎え、検索エンジンの現在、および、未来について議論したセッションを振り返る。

Six Key Themes From SMX East

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

10月1日、私はSMX Eastの「検索エンジンの中の人になんでも聞こう!」のセッションに参加した。このセッションには、Googleのゲイリー・イリーズ氏とBingのデュアン・フォレスター氏を招き、Search Engine Landのファウンダーであるダニー・サリバン氏が司会進行を務めた。この記事では、このディスカッションで取り上げられた6つのテーマを振り返っていく。

テーマ 1: AJAXのクロール

2009年10月、GoogleはAJAXをクロール可能にする方法を推奨していた。これは、簡単に言うと、ハッシュタグ(#!)をURL内に含めることで、AJAXがクロール可能なURLである点を検索エンジンに伝えるアプローチであった。

このシグナルを確認すると、”#!”を文字列”?_escaped_fragment_”に置き換えるようにURLを修正する。例えば、下記のようなURLがあったとしよう。

Hashbang URL

上記のURLは下記のURLに置き換えられる

Escape Fragment URL

ウェブサーバーはこのバージョンのURLを受け取ると、HTML のスナップショットを検索エンジンに返す合図だと理解する。基本的に、このスナップショットは、ユーザーが目にするのと同様の、ページを完全にレンダリングしたバージョンである。しかし、検索エンジンにとっては理解や解釈しやすいフォーマットとなっている。

この件に関してのイリーズ氏からの報告は、「現在、Googleはこのアプローチを推奨していない」といったものだった。ただし、今後もGoogleは、この方法に対応することも明言している。つまり、Googleは今後推奨することをやめる、といったことだ。また、同氏は、Googleが、この件で同社の立場を明確にする記事を”2週間前後”にブログにアップするとも述べていた。

フォレスター氏とイリーズ氏は、この話の中でAngularJSにも言及していた。その中でも重要であった発言は、「ユーザー体験という意味では必要ないのに、AJAX、または、AngularJSを利用しているサイトが多い」といったものだった。

これらのフレームワークは、コーディングにおいて、あまりにも過剰な取り組みになっていることが多く、ディベロッパーが喜びを感じるものであるかもしれないが、わざわざ利用する理由として妥当ではない。このフレームワークを利用する決断を下す前に、ユーザー体験の面で本当に必要かどうかを確認してもらいたい。

テーマ 2: セキュリティ

このテーマでは、ランキングシグナルとしてHTTPSを使用する件に関しての議論から始まった。イリーズ氏は、ランキングシグナルのためではなく、ユーザーのために、HTTPSに切り換えるべきだと指摘していた。過去に何度も同氏が指摘していたように、ランキングのメリットがあるとしても、2つの同等なページの勝敗を決める程度であり、HTTPSに切り換えたとしても、それだけでランキングが上がる可能性は低い。

フォレスター氏は、「検索エンジンがセキュリティに関して強固な方針を取るのは簡単なことではない」、と話していた。個人的には、この発言は重要だと思っている。ユーザーのセキュリティに対する関心は徐々に高まってきていると言えるが、HTTPSを利用するサイトのみが上位にランクインする状況は、検索エンジンのユーザー体験としては望ましいものではない。なぜなら、セキュア対策がされていないが、ユーザーが求めているものを提供しているサイトは数多く存在するためだ。検索エンジンは、ユーザーを最優先しなければならないのだ。

しかし、検索エンジンがセキュリティの議題をプッシュする理由には注目する価値がある。フォレスター氏は、この点を強調し、元FBIの捜査官、マーク・グッドマン氏が綴った「Future Crimes」を紹介していた。この本は、ウェブがいかに危険であるか、そして、私達がいかに無防備であるかを詳しく説明している。

個人的には、今後の2年で、恐ろしいほどの”安全への侵害”が何度か起き、一般の人達のセキュリティに対する意識が急激に高まると予想している。不倫サイトのアシュリー・マディソンの事件は十分に恐ろしかった。遥かに強烈な事件がいずれ発生することになるかもしれない。

もう1点重要なポイントを挙げていく。「HTTPSの対応を実施する必要があるのはショッピングサイトだけ」という指摘をよく耳にする。しかし、普通のブログサイトでもHTTPSを利用するべきである。なぜなら、ユーザーは、(セキュリティが脅かされているサイトでも)修正が加えられたコンテンツではなく、あなたが提供するコンテンツそのものを受け取ることもあるからだ。以下の画像は、「中間者攻撃」によって、ハッキングされてしまう仕組みを説明している。

Man in the Middle Attack

実際のシナリオを用いて、この問題を説明してみよう。移動中に、Starbucksやホテルが提供するWiFiネットワークを受信したとする。このWiFiサービスのプロバイダーは、あなた(ユーザー)が受け取るコンテンツを修正することができてしまう。この技術の基本的な利用法は、広告を挿入することだ。これだけでも、注目に値するだろう。

しかし、問題はそれだけではない。彼らは、ユーザーがアクセスしたコンテンツのデータを集め、そのコンテンツのプロフィールを作ることもできる。このプロフィールを色々な目的で利用されてしまうかもしれない。少なくとも私は、こんな展開に巻き込まれるのはゴメンだ。そのため、できるだけ早く、多くのウェブサイトにHTTPSに切り換えてもらいたいものだ。

テーマ 3: ミレニアル世代がやって来る!

このトピックは、フォレスター氏から発せられ、今までの世代と、この新しい世代の違いを認識する必要性が盛んに論じられていた。オンライン/スマートフォンの世界で育ったこの世代は、慣習的なルールを変えつつある。フォレスター氏が強調した重要なポイントを簡潔にまとめておく。

  1. 低品質への寛容さがない
  2. ブランドからの本物の交流(エンゲージメント)を望む
  3. 信頼性は重要視される
  4. 体験や経験を求める
  5. 注目(集中)が持続する時間が短い

さらにフォレスター氏は、彼らが成人になり、親が亡くなると、史上最大の遺産の相続人になると述べていた(その額なんと7兆ドル!)

7 Trillion Dollars

つまり、ミレニアル世代は、その他の世代よりも厳しい要求をするようになると言える。私はSMX Eastの最後のパネルディスカッション「Best Of Show: Top SMX Takeaways」に参加した。そこで、オーディエンスの一人が、既にあらゆる世代が上記の内容求めているため、彼らに注目することはたいして重要ではないと反論していた。

確かにその通りではある。しかし、ミレニアル世代の要求のレベルは今までとは異なるという事実もある。例えば、ユーザーがコンテンツに集中する時間は、10年前では10分だとすると、現在は2分程度である。10年前にコンテンツを読んでもらうためのアピールの時間が20-30秒間あったとしたら、現在は2-3秒しかない。

事実として、ユーザーにとっての価値向上に今まで以上に力を入れ、ユーザーを優先したアプローチをマーケティングに反映させなければ、成功することはできなくなるということを意味しているのだ。

テーマ 4: コンテンツシンジケーション

コンテンツシンジケーションのメリットを尋ねる質問がオーディエンスから出ていた。フォレスター氏は、SEOを目的として行うべきではないが、その他のビジネスの目的のためであれば、実施する価値はあるかもしれないと述べていた。さらに、理論上は、重複コンテンツの問題は起きないとしたが、確実な保証はないとも述べている。

つまり、Bingは、あなたのサイトのコンテンツがオリジナルであると認識することを保証することはできないが、大方、適切に判断するということだ。

イリーズ氏は、重複コンテンツのペナルティというものは存在しないという点を強調していた。重複したコンテンツがあった場合、Googleは、正規のバージョンを選択し、それを表示する。これは、あなたのサイトへのペナルティではなく、Googleは単純にどちらのバージョンが最適かを選んでいるだけなのだ。

イリーズ氏は続けて、The New York TimesがコンテンツをCNNに配信した場合、CNNがコンテンツの作成者として認識される可能性もあるとした。そのため、rel=”canonical”タグを使用するなどして、オリジナルのバージョンを判断する際のヒントを検索エンジンに与えておくことが重要になる。The New York TimesとCNNの例においては、CNN版のコンテンツにThe New York Times版のコンテンツに向かうcanonicalタグを加えることになる。

【筆者の意見】
コンテンツシンジケーションは、デジタルマーケティング戦略において利用価値があると考えている。評判と露出(ビジビリティ)を高める可能性のある手段として、このアプローチを見てもらいたい。次のイメージをご覧になれば、このコンセプトを理解してもらえるのではないだろうか。

Content Syndication Done Right

注意してほしいことは、被リンクを期待し、多数の質の低いサイトにコンテンツをばらまいてはならないということだ。(反対に悪影響をもたらす危険がある)。そうではなく、あなたのサイトよりもオーソリティがあり、あなたが接触したいオーディエンスを抱えるサイトにコンテンツを配信する努力を心掛けてもらいたい。

このアプローチは、評判とビジビリティを高める上で有効に働くだろう。さらに、SEOにおけるリンクの価値をもたらすタイプのシンジケーションがあれば、利用しない手はない。

この件についての最後のアドバイスをしよう。それは、自分のサイトよりも信頼されているサイトにあなたのコンテンツを受け入れてもらえた場合、そのサイトへオリジナルのコンテンツを提供し、あなたのサイトには別のコンテンツを掲載するべきではないか、という点だ。この方法はビジビリティを高める手段として優れており、(オーソリティの高いサイトから)あなたのサイトへの被リンクの獲得も期待できる。そして、そのリンクから訪問したユーザーに、他のコンテンツを見てもらえるかもしれない。個人的には、こちらの方法がより優れていると考えている。

テーマ 5: 国際的なドメインのURL

オーディエンスの一人から、インターナショナルなサイトにおいて、どのようなURLの構造がベストかを問う質問が出ていた。イリーズ氏は、Googleにとっては関係がないと指摘した。最も重要なのは、hreflangタグを利用することだ。(このタグを実装する方法を知りたい方はここをクリック。)

続いて、フォレスター氏が、利用するURLに気を配る点に関しては、ユーザーを考慮した理由が存在するのではないかと述べていた。例えば、フランスのオーディエンスをターゲットとしている場合、”.fr”のドメインを利用することは賢い選択だ。また、フォレスター氏は、これは検索エンジンへの対策ではなく、ユーザーが望む体験を提供する取り組みであると指摘した。

ただし、これで問題が解決したわけではない。下記に、SEOに間接的なインパクトを与える可能性のある、CTRについての記載がある。(少なくともBingでは、ユーザーが”/fr”のフォルダを表示するサイトよりも、”.fr”のドメインを使用しているサイトの方がより多くクリックしている場合、こうしたことがランキングに影響を与えているかもしれない。)。

テーマ 6: ユーザーデータと検索エンジンのランキング

このトピックは、ページスピードについての話から始まったが、ページスピードについては特筆すべきことはない。しかし、フォレスター氏から気の利いた発言を引き出すきっかけとなった。フォレスター氏は、「ページスピードがSEOにとって重要なパターンがもう1つある。ユーザーがクリックした後、検索結果に戻ってくる時間が短ければ短いほど、ランキングの下降を導く」、と発言したのだ。これは新しい情報ではなく、私自身2011年にフォレスター氏とこの点について議論をしている。

続いてイリーズ氏は、ユーザーの行動に関するデータは不要な情報が多く、使いにくいと指摘した。しかし、Googleは特定の方法でこのデータを実際に利用しているとも述べている。 例えば、Googleは、検索結果で新しい機能をテストする際に、このデータを利用することがあるかもしれない。

さらに、パーソナライゼーションにおいても有益だと同氏は明らかにしている。例えば、ユーザーが”apple”で検索をかけた場合、appleが会社を意味するのか、あるいは、フルーツを意味するのかハッキリしない。ユーザーが、フルーツに関するページを求めていることが明らかである場合、Googleは検索結果をパーソナライズして、こうした検索に対しては、フルーツに関連するページをより多く表示するようになる。

ちなみに、クリックスルー率の単純計測を改良した、ポゴスティッキングの概念は、今回のパネルでは取り上げられなかった。

Pogosticking in the SERPs

これについての私見を述べたいと思う。この分野に関して検索エンジンが何をしているのかは不明だが、コンテンツの品質とユーザーエンゲージメントに関するデータを収集することは、検索エンジンにとって重要であることは疑いようがない。どのシグナルに注視しているのかを解明するのは非常に難しいことであるが、何らかの形でこのデータに注目しているはずである。これについては、私がSearch Engine Landで書いた、「100のユーザーモデル」を参照してほしい。

基本的に、検索エンジンが提供する結果に対するユーザーの満足度が高ければ高いほど、検索エンジンの利益につながると私は確信している。なぜなら、もし、ユーザーが彼らの質問に答えるサイトを紹介してもらえないのならば、質問の答えを得られる別の場所に向かうからだ。(Facebook、友達にメールを送る、電話で誰かに尋ねる、Amazonで検索する、そして、もちろん、別の検索エンジンで検索する手もある)。

2009年、GoogleとBingはサーバー側の遅延をテストした結果を公表した。このテストでは、検索結果のレンダリングに意図的に遅れを生じさせていた。以下にその結果を掲載する。

Impact of Server Side Test Delays

ユーザーの満足度と検索エンジンの利益の間に強い相関関係が見られる。 このデータは、品質の低い検索結果ではなく、遅延に焦点を絞ったデータではあるが、GoogleとBingにとっての共通の課題であると結論づけても問題はないだろう。

つまり、最善の結果を提供することは、どちらの検索エンジンにとっても最優先しなければならない取り組みであることは明らかである。従って、できるだけ多くの(質の高いシグナルを送る)方法を使用しているはずなのだ。

まとめ

今回は、このセッションの中で、私が重要だと感じたテーマを紹介した。他にも多くのトピックがあったが、個人的に注目したものを選ばせてもらった。あなたの意見を聞かせてもらえると嬉しい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。著者のリストはこちら

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Six Key Themes From “Meet The Search Engines” At SMX East」を翻訳した内容です。

トピックはエリック・エンジ氏によって選ばれたものですが、注目に値するトピックのみを選択していると思います。ここで話されている内容は、もしかしたら、既知の情報が多かったかもしれません。(AJAXについては新情報だったかもしれませんが、既にGoogleからの公式ブログにも掲載されています。)しかし、現在注目すべき事柄や、これから取り組むべき課題を選ぶ際の参考にはなると感じています。SEOにおける課題は多く、サイトの状況によって優先度は変わってくると思いますが、こうした場で繰り返し話題となるトピックについては優先的に行ってもよいかもしれません。次に取り組むべき課題の選択の参考になれば幸いです。

続きを読む 【SMX East 2015 レポート記事】”検索エンジンの中の人になんでも聞こう!”から見えた 6つのこと。

【SMX East 2015 レポート記事】Google NowとMicrosoftのCortanaが実現させる、予測検索の世界。

少々時間が経ってしまいましたが、9月29日から10月1日にかけて、アメリカはニューヨークにて、SMX Eastが開催されていました。アイオイクス(SEO Japan)は参加しませんでしたが、Search Engine Landでいくつかキャッチアップ記事が掲載されていたため、ご紹介させていただきます。今回の記事は予測検索(Predictive Search)を扱っており、最先端の一つとも言えるこの検索技術について、様々な情報を与えてくれています。SEO Japanでも、以前にGoogle Nowを取り上げた記事(iOS9がメインですが)を掲載していますので、そちらもご参照いただければと思います。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

寄稿者のベンジャミン・スピーゲル氏が、SMX Eastのプレゼンテーションを振り返る記事を執筆してくれた。成長が著しい予測検索の技術、それがもたらす機会、そして、検索マーケターが考慮するべき事項とは何かを明らかにしている。

future-search-box-ss-1920

次にあなたは何を検索するのだろうか?GoogleとMicrosoftは、それぞれの製品(NowとCortana)で、この答えを解き明かそうとしている。全てのデータが利用可能になれば、あなたが検索をする前に、検索エンジンは、あなたが次に何を検索するかを理解することができるようになるかもしれない。マーケターとして、あなたがこうした技術の進歩を理解することで、ユーザーが認知する前に、あなたのブランドと製品を積極的に提示してもらう機会を増やすことができるのだ。

この「予測検索」というトピックは、MobileMovieのファウンダーである、シンディー・クラム氏が、先週ニューヨークで行われたSMX Eastで発表したプレゼンテーションの中心的なテーマであった。

クラム氏のプレゼンテーションはGoogle Nowを中心としていた。なぜなら、Googleは、Googleの製品を総動員し、データ収集という分野ではトップに立っているからだ。そのため、Microsoftのスマートフォンの予測検索エンジン「Cortana」についての言及は限られたものだった。

クラム氏は、Google Nowが、ユーザーが尋ねたり検索する以前に答えを提供することを試みているという前提に基づいて話を進めていた。Googleが網羅する範囲、および、データのルートは拡大し続けている。そして、Googleが提供するこの種の答えは、予測検索エンジンの進化とともに、デジタルマーケターが考慮すべき機会と課題をもたらしている。

正直に言うと、当初、私は「音声検索の未来とデバイスに命令を送る様々な方法」に関する、ありきたりなセッションに参加してしまったのではないかと思い、一抹の不安を抱えていた。しかし、クラム氏は、Google Nowの情報の原動力となり、影響を与える全てのデータをあますところなく伝え、さらに、マーケターが未来の検索に備える上で役に立つ実用的な見解を発表してくれたのだ。

それでは、シンディー・クラム氏が取り上げた重要なトピックを一つずつ振り返っていこう。

予測検索とは何か?

予測検索は、ニーズに対するセマンティックな予測をベースとしている。つまり、予測検索エンジンは、現状のコンテキスト、過去の行動履歴、今まで収集してきたユーザーの行動パターン、そして、アクティブな情報の提案などを基に、結果を返しているのだ。

このようなサインや指標を組み合わせることで、検索エンジンは、ユーザーの現在の意図を予測し、最良の答えを提供することができている。デバイスに向かって叫ぶ必要はなく、予測検索が我々に答えを提供してくれため、クエリを投げる時間すら、必要がないのだ。

なぜ予測検索が重要なのか?

  1. モバイルデバイス、ウェアラブルの台頭、成長が予測される「モノ・ゴト」のインターネット、そして、多種多様なデバイスのインタラクション(相互関係性)に伴い、プラットフォームが、ユーザーがどこでも見やすい形式で、彼らの質問に対しての予測した答えを提供することは、今まで以上に重要になってきているのだ。
  2. Amazon、iTunes、そして、Netflixなど、ユーザーは彼らが望むものを、様々な場所で検索をする機会が増えてきている。Googleは、ユーザーが各分野の検索エンジンに直接訪問するのではなく、自身の検索トラフィックを維持することを望んでいる。そのため、Googleは、ユーザーが望み、必要としていることを意識する以前に、あらゆるデータをベースとした、彼らが検索するであろう対象を提示しているのだ。

予測検索のために用いられるシグナルは何か?

Google Nowは、検索、メール、マップ、カレンダー、そして、Google+、つまり、Googleのログイン情報を使うあらゆるサービスから集めたデータを活用している。

Googleは、あなたが誰で、何を、どこで行っているかを、行動パターンを基に、あなたが望むものを予測している。(MicrosoftのCortanaは、これ程までのデータポイントの範囲や量を保持しておらず、ユーザーが設定した好みを基に結果を提供している。)

ジオロケーション(地理的な要素)も、Google Nowの結果において、コンテキストの大きな判断材料となる。スマートフォンとウェアラブルにおいては、IPアドレスではなく、デバイスの実際の位置と動きで、場所が特定される。Google Nowは、ロケーションの履歴情報を用いて、ユーザーが住む場所や働いている場所を学習する。GPSのチェックインを基に移動を追跡し、日付、時間、検索履歴などのデータを利用して、関連性の高い交通情報、天気予報、地域のレストラン、お薦めの旅行先、フライトスケジュールなどの情報を提供している。

予測検索の結果は、どのように表示されるのか?

クラム氏は、ナレッジグラフが第一の予測検索のカードだとした場合、Google Nowはナレッジグラフ2.0であるとしている。Google Nowはユーザーが求めている可能性のある情報(音楽、ニュース、ホテル、買い物情報など)についてのカードを作成し、提示する、真の予測検索体験を提供しているのだ。

ユーザーは、好きな活動(アクティビティ)、定期的に見ている番組に関する詳しい情報や抜粋、関係性の分析を基にしたおすすめ情報などのリマインダーを手にすることができている。

Google Nowと統合したアプリ

Google Nowの中でも最先端の機能の一つに、Lyft(運転者と乗客のマッチングサービス)、Uber(タクシーの配送サービス)、そして、Open Table(レストランの予約サービス)などの第三者アプリとの統合が挙げられる。(そして、Google Nowと統合するアプリの数はさらに増え続けている。)アプリからのシグナルにより、位置情報をベースとしたアラートとレコメンデーション(おすすめ情報)を提供しているのだ。

現在、Google Nowは最新のAndroidのスマートフォンに搭載されているが、iPhoneでもダウンロードして、アプリとして使うことができる。しかし、クラム氏は、AppleのOSプラットフォームとの統合は十分ではないと指摘している。今のところは。

予測検索はどこに向かっているのか?

モバイル検索は、デスクトップ検索と相互的な関係を持っており、Google Nowはプラットフォームのスタイルを融合している。Google PlayとYouTubeの融合は現在進行中であり、カードとして提示されるモバイルの検索結果は増え続けている。(デスクトップ検索でもある程度この傾向が見られる。)

また、Google Nowは、オフラインのデバイスとの統合も行っており、「モノ・ゴト」のインターネットを予測検索にもたらしている。クラム氏は、ロケーションのカードは、ブラウザから簡単にお気に入りに登録することが可能であり、また、レストランのメニューのカードも間もなく登場すると指摘していた。

Google Nowが、検索に刺激的な機会をもたらしている点は疑いようがなく、また、ウェアラブルやモバイルデバイスの小さなスクリーンにとっては、うってつけの機能だと思える。現時点では、マーケターは、この機能を活用する手段を探っている状況だが、Googleは、そのうちスポンサー付きのオプションを提供するようになると私は考えている。

現在、Google Nowは、ユーザーの行動や好みに関する莫大な量の情報を保有しているため、独占的な立場を保っている。しかし、注目に値するサービスや競合者が近いうちに現れることを、私は確信している。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもSearch Engine Landを代表しているわけではない。著者のリストはこちら

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Now, Microsoft Cortana & The Predictive Search World: Recap From SMX East」を翻訳した内容です。

Google Nowがメインに話されていたようですが、個人的にもよく利用しており、かなり便利だと感じています。(AppleのSiriについての言及はありませんでしたね。)記事中にある通り、Googleはあらゆるデータをクラウドから利用していますが、プライバシーを考えると、他サービスが魅力的に映るユーザーもいると思います。これに関しては好みによるものなのかもしれませんが、今後市場の動きがどちらに動くか、注視してみたいと思います。

続きを読む 【SMX East 2015 レポート記事】Google NowとMicrosoftのCortanaが実現させる、予測検索の世界。

Googleのインタースティシャル広告へのペナルティが導入される。

本日のSEO Japanは久々の2記事更新となります。(もう1つの記事はこちら)Googleが数ヶ月前から宣言していたとおり、コンテンツの大部分を覆うサイズのインタースティシャル広告(アプリのみ対象)を掲載しているサイトを、モバイルフレンドリーとして扱わなくなるようになりました。実際は1日遅れの開始ですが、そこはご愛嬌でしょうか。今のところ、実際に影響を受けたという例はあまり無いようですが、これから徐々にそうした例も見られるようになるかもしれません。– SEO Japan

昨日、Googleがモバイルフレンドリー・アルゴリズムのアップデートを行った。アプリのインストールを薦める、巨大なインタースティシャル広告を使用しているサイトへのペナルティを追加したのだ。

9月1日に、Googleはアプリについての巨大な広告はランキングの下降を引き起こすと述べており、11月1日から開始するとしていた。この、”アプリインストールのインタースティシャル広告へのペナルティ”としても知られるアルゴリズムは1日遅れの11月2日に開始されることとなった。

Googleはこの件について、様々なソーシャルネットワークでアナウンスをしている。その中で、Google+では以下のように述べている。

本日より、検索結果から到達したコンテンツの大部分を隠すような、アプリのインストールを促すインタースティシャル広告を掲載しているページは、モバイルフレンドリーと見なされなくなる。

このペナルティは、Googleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムの中に組み込まれることになり、その結果、11月2日を第2弾のモバイルゲドンとして位置づけることとなる。もちろん、そうならないかもしれない。今のところ、私はこのペナルティにヒットしたWebマスターからの報告は目にしていない

Googleのアドバイスはどういったものか?

全ページのインタースティシャル広告を使用するのではなく、我々はバナーのような、よりモバイルフレンドリーなフォーマットを使用することを薦める。我々は、今回の変更により、検索者が探しているコンテンツを、該当のページの中で、より簡単に発見できるようになることを期待している。

どのような設定がモバイルにおいてリスクとなるか、より詳細に確認したいのであれば、我々の過去記事を参照してほしい。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s App Interstitial Giant Ad Penalty Is Now Live」を翻訳した内容です。

今年の4月に導入されたモバイルフレンドリー・アップデートですが、今回大きは変更が追加されました。Googleの予告通りでしたので、多くの方が対応済みであるかと思います。(実験のためあえて残しているというサイトもあるかもしれませんが。。。)次回のアップデートの内容や時期は明確となっていませんが、サイトスピードが対象になるのでは、という声をよく聞きますね。インタースティシャル広告も同様ですが、あくまでユーザーのためという形で、対応を進めていければと考えています。

続きを読む Googleのインタースティシャル広告へのペナルティが導入される。

Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。

昨日から話題になっているRankBrainについて、Search Engine Landのダニー・サリバン氏が現在伝えられている情報をまとめています。Q&A形式で書かれている記事であり、Googleからの追加情報とダニー氏自身の見解も併せて紹介されています。RankBrainが何かSEOに画期的な変化を与えていると言えばそうではありませんが、多くの方が注目している内容だと思います。また、かなり長めの記事となっているため、コメントはこの辺りまでにしておきます。(笑)– SEO Japan

Googleはマシンラーニングの技術を検索結果の表示に使用している。RankBrain(ランク・ブレイン)と呼ばれているが、それについての情報をまとめてみよう。

昨日、Googleが”RankBrain(ランク・ブレイン)”と呼ばれる、機械学習の技術を用いた人口知能を、検索結果を選定する目的で使用しているというニュースがもたらされた。RankBrainはどのように作用し、Googleの全体のランキングシステムへどのような影響を与えているのだろうか?この記事で、我々が知りうる限りの情報をお伝えしようと思う。

この記事中で述べられている内容のソースは3つある。一つ目は、Bloombergの記事であり、昨日RankBrainについてのニュースを報じたものだ。(こちらの記事にもまとめられている。)二つ目は、GoogleがSearch Engine Landに直接提供してくれた追加情報だ。三つ目は、Googleが提供してくれなかった箇所について、我々の知識と最大限の仮定を基にしている。また、一般的な背景とは別に、必要だと判断した箇所にはこれらのソースからの情報ということを表示している。

RankBrainとは何か?

RankBrainとは、Googleが名づけた機械学習を用いた人工知能システムであり、検索結果を処理する(手助けとなる)ために使用されている。これは、Bloombergが報じていることでもあり、Googleによって我々にもたらされた情報でもある。

機械学習とは何か?

機械学習とは、コンピューターが人間や詳細なプログラミングによって教えられるのではなく、コンピューターが何かを行う方法を自身に教える(自身で学習する)仕組みである。

人工知能とは何か?

本当の意味での人工知能(Artificial Intelligence)、もしくはAI、とは、コンピューターが人間と同程度の賢さを手にしたものである。少なくとも、知識習得における、教えられる方法と、すでに学習した内容を基に新しい関連性(結びつき)を創り出す方法の二点について、同程度の賢さを持つことだ。

そうした本当の意味での人工知能はSF小説の中にしか存在しない。実際に人工知能が意味するところは、学習し、関連性を創り出すために設計されたコンピューターシステムを指すだろう。

AIと機械学習の違いは何だろうか?RankBrainに限って言えば、同じ意味を持つ言葉と言えるだろう。交互に用いられる場合もあるだろうし、機械学習をその時に用いられている人工知能的なアプローチの一種として用いられる場合もあるだろう。

RankBrainはGoogleが検索結果をランク付けする新しい方法なのか?

答えはNoだ。RankBrainはGoogleの検索”アルゴリズム”の全体の一部分である。そして、アルゴリズムとは、特定のクエリに対して最適だと思われるページを、数十億のページの中から選り分けるために使用されているコンピュータープログラムである。

Googleの検索アルゴリズムの名前は?

Googleの検索アルゴリズムは、我々が過去に報じた通り、ハミングバードと呼ばれている。何年間も、アルゴリズム全体としての名前は付けられていなかった。しかし、2013年に、Googleはアルゴリズムのオーバーホールを行い、ハミングバードという名前を与えたのだ。

つまり、RankBrainとはハミングバード(検索アルゴリズム)の一部なのか?

我々はそう理解している。ハミングバードは検索アルゴリズム全体を指し、ちょうど車における全体としてのエンジンのようなものだ。エンジン自体は複数のパーツから作られているものであり、オイルフィルターや、燃料ポンプ、ラジエーターなどがパーツにあたる。同様に、ハミングバードは複数のパーツを含むものであり、RankBrainは最も新しいパーツの一つなのだ。

実際、RankBrainがハミングバード全体の一部であることを、Bloombergの記事からも読み取ることができる。同記事では、RankBrainが全体の検索を処理しているわけではないことを、はっきりと記しているのだ。

ハミングバードは他の複数のパーツから構成されており、SEO業界の方には馴染み深いだろう。スパムを取り締まる目的で設計された、パンダや、ペンギンや、ペイデイといったものがある。ピジョンはローカル検索の改良を目的とし、トップ・ヘビーは広告を過度に表示しているサイトのランキングを下げている。モバイル・フレンドリーはモバイル対応をしているサイトに恩恵を与え、パイレーツは著作権を違反したサイトを取り締る目的で設計されている。

私はGoogleのアルゴリズムは”PageRank”と呼ばれていると考えていた。

PageRankはハミングバード・アルゴリズムの一部であり、他サイトから張られているリンクを基に、そのサイトに評価を与える特別な方法を含んでいる。

PageRankは非常に特別なものだ。なぜなら、ランキングアルゴリズムの一部に特別な名前を与えた、最初の例であるからだ。その時期は、1998年。この検索エンジンが世に産まれた時代までさかのぼる。

Googleがランキングに使用している”シグナル”とは何か?

シグナルとは、Googleが該当のWebページをどのようにランク付けすべきかを決定するために、手助けとして使用されるものである。例えば、Webページに記載された言葉が挙げられる。特定の言葉が太字である場合、それはまた別のシグナルとなる。PageRankの一部として使用された計算は、(シグナルとして用いられている)PageRankスコアを該当のページに与える。該当のページがモバイル・フレンドリーであると認められた場合は、別のシグナルとして、カウントされる。

こうしたあらゆるシグナルは、ハミングバード内の複数のパーツによって処理され、最終的には様々な検索に対しての結果として、Googleがどのページを表示するかを見つけ出すのだ。

どのくらいの数のシグナルがあるのか?

Googleは200以上の主要なランキングシグナルがあり、さらに10,000に及ぶバリエーションやサブセットがあると話している。通常、”数百”の要素があるとよく述べられており、昨日のBloombergの記事でもそう記載されている。

ランキングシグナルのビジュアルガイドが必要であれば、我々のこの記事を参照して欲しい。

これは、非常に優れたガイドであると、我々は考えている。Googleのような検索エンジンがWebページをランク付けするために使用している要素を全般的に知ることができる。

そして、RankBrainは三番目に重要なシグナルなのか?

その通りだ。どこからともなく、この新しいシステムは、Googleが言うところの、Webページをランク付けするための三番目に重要な要素となっている。Bloombergの記事を下記に引用しておこう。

コラード氏によれば、RankBrainはGoogleの検索結果に何を表示し、どの順位に位置づけるかを決定するアルゴリズムを構成している、”数百”ものシグナルの中の一つであるとのことだ。導入されてから数ヶ月で、RankBrainは検索結果に影響を与える、三番目に重要なシグナルになった、とも述べている。

最も重要なシグナル、二番目に重要なシグナルとは何か?

Googleは、最も重要なシグナルとニ番目に重要なシグナルについては明かしてくれなかった。我々は尋ねた。二度、尋ねた。

Googleが、その二つのシグナルを説明しないことは、なんとも悩ましいことだ。Bloombergの記事には何の不備もない。Googleは、機械学習におけるブレークスルーのPRとなるものを欲しているのだ。

しかし、本当にそのブレークスルーを求めるのであれば、Googleが現在使用している最も重要な要素を、RankBrainに取って代わられた要素を含め、明らかにすることが望まれるはずだ。ここに、Googleがこれらの要素を明らかにすべき理由がある。

ところで、私の個人的な見解では、リンクが未だ最も重要なシグナルであると推測する。Googleは、リンクを投票の形態として活用しているのだ。私が過去に投稿したこちらの記事でも述べている通り、非常に老朽化したシステムだ。

二番目に重要なシグナルは、”言葉(words)”であると推測する。ここでは、ページ内の言葉から、RankBrainによる分析の外側で、人々が検索ボックスに入力し、Googleが解釈するという意味での言葉も含んでいる。

RankBrainが実際に行っていることとは?

GoogleからのEメールから読み取ると、私は、RankBrainは検索者が探している言葉と正確に一致した記載がないページを探すための検索に用いられていると考えている。

Googleは正確に一致したクエリ以外のページを探し出す方法を既に持っているのではなかったか?

その通りだ。Googleは検索者が入力した言葉と完全に一致したページ以外を探し出すことを、ずいぶん前から行っている。例えば、何年も前には、”shoe(靴の単数形)”と検索した場合、Googleは”shoes(靴の複数形)”と記載されているページを探し出せなかったかもしれない。なぜなら、これら二つの言葉は別々の言葉であるからだ。しかし、”語幹解釈(stemming)”の技術により、Googleはより賢くなった。結果として、”runnning”が”run”の変化形であることと同様に、”shoes”は”shoe”の変化形であることを理解できるようになった。

Googleは、同意語の理解も深めている。例えば、”スニーカー”と検索された場合、検索者は”ランニングシューズ”も意味していると理解しているだろう。概念的な理解も深めており、”Apple”という言葉について、テクノロジー会社か果物かを理解することができるようになっている。

ナレッジグラフについてはどうだろうか?

ナレッジグラフは2012年にローンチされ、言葉と言葉のつながりをGoogleが理解を深めた結果とも言える。より重要なことは、Googleの表現を借りれば、”文字列ではなく物事(things not strings)”を検索する方法を学んだことになる。

文字列とは、一連の文字の列を意味しており、”Obama”という綴りと一致したページを検索することである。物事とは、検索者が”Obama”と検索した場合、アメリカの大統領であるバラク・オバマ氏を意味しており、それ以外の人々や場所や物事と結び付けて理解する、ということである。

ナレッジグラフはこの世界における物事とそれらの関連性についての事実のデータベースである。これによって、あなたが”オバマ氏の夫人はいつ産まれた?”という検索を行った場合、下記に記載している通りのミシェル・オバマ氏の情報を、彼女の名前を含めずに、得ることができるのだ。

RankBrainはどのようにしてクエリの精製(改善)の助けとなるのか?

Googleが既に使用しているクエリを精製する方法は、語幹解釈や同意語のリストの作成、物事の関連性についてのデータベースの構築など、人間の手によって行われたものを必要としている。もちろん、その中に自動化は含まれてはいる。しかし、大部分においては、人の手による作業に依存しているのである。

問題は、Googleが30億ものクエリを毎日処理しているということだ。2007年に、Googleは全体のクエリの20%から25%が、今まで誰も検索していなかったクエリだと述べている。2013年には、その数が15%までに減少しており、この数字はBloombergの記事に記載された数字で、Googleが我々に再度知らせてくれた数字でもある。しかし、30億の15%(1日につき4億5千万)という非常に大きい数が、今まで誰も検索していなかった言葉となる。

こうした複数の言葉から成る、”ロングテール”と呼ばれるクエリは非常に複雑なものとなっている。RankBrainは、こうしたクエリをより良く解釈し、効果的に翻訳し、ひっそりと最適なページを検索者に提供するための手助けとなるように設計されている。

Googleが我々に伝えてくれた内容によると、RankBrainは一見すると結び付けられていない複雑な検索の間に、それらが実際はお互いにどの程度似通っているかを理解するためのパターンを見ているとのことだ。その結果、この学習によって、未来における複雑な検索を、それらが特定のトピックにどのように関連しているかをより深く理解できるようになっている。Googleが我々に伝えたことの中で最も重要なことは、RankBrainはこうした検索のグループと、検索者が最も好むであろう検索結果とを結び付けることができるという点だ。

Googleはこうした検索に該当する例を提供しておらず、RankBrainがどのようにして最適なページを推測しているかについての詳細も述べてはいない。しかし、後者については、RankBrainが不明瞭な検索をより特定のものに落としこむことにより、より良い答えを返すということだろう。

具体例については?

Googleはこうした検索の例を与えてくれてはいないが、Bloombergの記事にはRankBrainが手助けしているであろう、検索の例を1つだけ記載している。下記に記載しよう。

食物連鎖における、最上位の消費者のタイトルは何か?

私のような素人にとっては、”消費者”とは何かを購入する人物を指すように思われる。しかし、科学用語でもあり、この場合は、食べ物を消費する何か、を指す。また、食物連鎖には消費者のレベルが存在する。そして、最上位のレベルの消費者とはなんだろうか?そのタイトル(名前)は、”捕食者(predator)”だ。

このクエリをGoogleで検索すると、クエリ自体は非常に奇妙に思えるが、素晴らしい答えを提供している。

そして、この検索結果が、”食物連鎖の上位レベル”というクエリとどの程度似ているか調べてみよう。結果は下記の通りだ。

RankBrainが長くて複雑な元のクエリと、より使用されているであろう、短いクエリと結びつけていることを想像して欲しい。RankBrainは上記二つのクエリが非常に似ていると理解しているはずだ。結果として、Googleはより使用されているであろうクエリに対する答えが、あまり使用されていないクエリに対する答えをより良くする手助けとなるように利用しているのだ。

再度強調させていただきたいのだが、私は、RankBrainがこれら二つの検索を結びつけているかどうかはわからない。私は、Googleが最初の例を与えてくれたことを知っているだけだ。これは、RankBrainが検索結果を向上させる方法として、あまり検索されていないクエリとよく検索されているクエリを結びつけるために使用されているという、簡単な説明にすぎない。

BingはRankNetによって、これを実現しているのか?

2005年にMicrosoftは、RankNetと呼ばれる、独自の機械学習システムを使用し始め、今日では、Bingの検索エンジンの一部となっている。事実、RankNetの産みの親であるチーフ・リサーチャーは賞賛を浴びている。しかし、Microsoftは何年もの間、RankNetについては話していない。

RankNetも変化しているはずだ。非常に興味深い事に、RankBrainの素晴らしさを説明した上記のクエリをBingで検索してみたところ、Bingも素晴らしい検索結果を表示している。その中には、Googleが検索結果に表示したものも含まれている。

一つのクエリによって、BingのRankNetがGoogleのRankBrainと同じように素晴らしいと言える証拠にはならないし、逆もまたしかりだ。残念ながら、この種の検索の比較を行うためのリストを作成することは、非常に困難なことである。

他の例は?

Googleは、新しい例を一つ与えてくれている。”1カップは大さじ何杯?(How many tablespoons in a cup?)”というクエリだ。Googleいわく、RankBrainはこのクエリに対し、オーストラリアとアメリカでは違う検索結果を提供するということだ。なぜなら、似たような名前にも関わらず、それぞれの国では測定方法が異なるからだ。

私は、Google.comとオーストラリアのGoogleで検索をしてみたが、両者に違いは見られなかった。RankBrainがなかったとしても、異なる検索結果は表示されることもある。なぜなら、”昔ながらの”手段により、オーストラリアのGoogleを使用している検索者のために、オーストラリアではよく知られたサイトから検索結果を選ぶこともあるからだ。

RankBrainは本当に助けとなるのか?

上記の二つの例は、RankBrainの素晴らしさを伝えるという点では少々物足りなかったかもしれないが、Googleが主張しているように、私はRankBrainが大きなインパクトを与える可能性を持つことを信じている。Googleはランキングアルゴリズムに手を加える場合は、非常に保守的である。常に、小さなテストを行っている。Googleは相当の自信を持った場合に、大きな変更をローンチする。

RankBrainを導入し、3番目に重要なシグナルとなったことは、非常に大きな変更だ。Googleは、本当に助けとなるという自信がなければ、RankBrainを導入しなかっただろう。

RankBrainはいつ開始したのか?

Googleによれば、2015年の初期にゆっくりとロールアウトし、完全にライブとなりグローバルに適用されてから数ヶ月経っているという。

どのようなクエリが影響を受けるか?

GoogleはBloombergに対して、クエリの”非常に大きな割合”がRankBrainによって処理されていると述べている。我々は、より詳細な数字を尋ねたが、同じ答えが返って来ただけであった。

RankBrainは常に学習しているのか?

Googleによれば、RankBrainが行う学習の全てはオフラインで行われているようだ。過去の検索のバッチが与えられ、それらから予測することを学習している。

こうした予測はテストを受け、良い評価が下されれば、最新のRankBrainに活かされる。そして、このオフライン学習とテストのサイクルが繰り返されているのだ。

RankBrainはクエリの精製以上の役割を果すのか?

通常、(語幹解釈や同意語、そして今ではRankBrainによって行われる)クエリの精製は、ランキング要素やシグナルとしては考えられていない。

通常、シグナルはコンテンツに結び付けられた要素であり、ページ内の言葉や、そのページに張られているリンク、セキュアなサーバーを使用しているか、などが例として挙げられる。また、ユーザーに結び付けられたものでもあり、検索者のロケーション、検索やブラウジングの履歴などがあてはまる。

GoogleはRankBrainを3番目に重要なシグナルだと述べたが、本当にランキングシグナルを意味しているのだろうか?答えは、Yesだ。Googleは、我々にRankBrainが直接ランキングに影響を与える要素が(Googleのアルゴリズム内に)あることを再度確認している。

どのくらいの精度か?”RankBrainスコア”といった類のものがあり、品質を算出しているのか?おそらく、RankBrainは、彼らが保持しているコンテンツをベースに、ページをより良く分類するための手助けをしているように思える。RankBrainはGoogleの既存のシステムが行っていること以上に、そのページについての情報をよりよくまとめることを可能にしているのかもしれない。

そうでなければ、Googleはランキングの構成要素が含まれている、といった以上のことを述べないだろう。

RankBrainについてさらに学ぶためにはどうすればよいか?

Googleは、”ベクター(vectors)”(ワードやフレーズが数学的に結び付けられる方法)について知りたい人は、このブログ記事を読むべきだと述べている。この記事では、システム(記事中ではRankBrainとは名付けられていない)がニュース記事をスキャニングするだけで、複数の国の首都という概念を学んだ方法が記されている。

この記事の元になった、より長い調査論文はこちらにある。また、Googleのword2vecツールを使うことで、独自の機械学習のプロジェクトを行うことができる。さらに、Googleは人工知能と機械学習についての論文を集めた場所を用意しており、Microsoftも、こちらに用意している。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「FAQ: All About The New Google RankBrain Algorithm」を翻訳した内容です。

メインのRankBrainに加え、かなりの範囲を解説していた記事でした。そもそもGoogleのアルゴリズムとは何か?という説明をしているあたり、ダニー氏は今回のGoogleの発表をかなり重要視しているように思えます。具体例として、モバイルに代表される曖昧な検索への対応が挙げられますが、他の要素と絡めてみれば、Googleが今後進むであろう道筋がさらに明確になったとも感じています。Web業界のトップ企業がこぞって投資を行っている人工知能の分野に、今後も注目していきたいと思います。

続きを読む Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。

RankBrain(ランク・ブレイン)。人工知能は、既に、Googleの検索結果を処理している。

既に話題となっているRankBrainですが、Search Engine Landのダニー・サリバン氏も記事をアップしていたので、紹介させていただきます。Googleの検索アルゴリズムに機械学習の技術が使用されているということですが、Pubcon 2015のランド・フィッシュキン氏のキーノートでも話されていたように、ある程度自明のことであったと思います。今回は、Googleがその存在を、具体的な名前と使用率を共に公表したことで話題になっているといった状態ではないでしょうか。様々な方が言われている通り、(対象範囲の拡大や理解の深度は別として)RankBrainへの特別な対策が必要だ!、といった類のものではありません。ディープラーニングが導入されればアルゴリズムの仕組みが誰もわからなくなる、といったことが起こるかもしれませんが、おそらく数年先の話でもっと別の形での発表となる気がしています。– SEO Japan

機械学習を用いた人工知能はGoogleの検索クエリの15%を処理している。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

RankBrain(ランク・ブレイン)が、Googleのエンジニアが手作業で構築していた検索アルゴリズムを隅に追いやっている。RankBrainは機械学習を用いた人工知能であり、Googleの1日における検索結果の15%を処理するために使用されている。

しかしながら、 ハミングバードとして知られている、Googleの検索アルゴリズムに完全に取って代わるものではない。このアルゴリズム(ハミングバード)は、最適な検索結果を提供するために、ユーザーが探しているものと何十億のページの詳細な確認を処理するシステムである。

RankBrainはクエリを解釈するための新しい方法か?

RankBrainは、検索者が何を探しているかを解釈し、様々な形でその答えを提供する方法を理解するアルゴリズムの、一部のようなものと思われる。

例えば、ユーザーが”Barack(オバマ大統領のファーストネーム)”と検索したとしよう。かつては、Googleやその他の検索エンジンは、その検索語と完全に一致した単語を記載したページを探していた。しかし、ここ数年(特にハミングバードが登場した2013年以降)は、Googleは言葉と言葉の関連性をより深く理解できるようになっている。”Barack”の検索については、 “US President(アメリカ 大統領)”、 “Barack Obama(バラク オバマ)”、”Michelle Obama’s husband.(ミシェル オバマ夫人)”といったクエリにマッチするページや情報を返している。

Bloombergが、Googleのシニア・サーチ・サイエンティストでRankBrainにも関わっている、グレッグ・コラード氏へのインタビュー記事をスクープしている。

RankBrainはクエリを処理する新たな方法であるようで、今まで使われていた方法よりも、さらに進化したものであるようだ。下記に、Bloombergの記事を引用する。

RankBrainは大量の(文章による)言語を、コンピューターが理解することができる、ベクター(vectors)と呼ばれる機械的なエンティティへと組み込むことに、人工知能を使用している。RankBrainが馴染みのない言葉やフレーズを見つけた場合、その言葉の意味に近いフレーズなどを推測し、それに従って検索結果をフィルタリングする。これにより、今まで見たことのない検索クエリ、への対処をより効果的に行うことができるのだ。

RankBrainは3番目に重要なシグナル?

記事によれば、現在はクエリの15%がRankBrainによって処理されているようだ。また、ランキングにおける、3番目に重要なシグナルとも書かれている。

コラード氏によれば、RankBrainはGoogleの検索結果に何を表示し、どの順位に位置づけるかを決定するアルゴリズムを構成している、”数百”ものシグナルの中の一つであるとのことだ。導入されてから数ヶ月で、RankBrainは検索結果に影響を与える、3番目に重要なシグナルになった、とも述べている。

これについての補足を加えておこう。ランキング・シグナルはページの品質に関連付けられる何かであり、そのページに向けられているリンクやページ内の単語(言葉)などが例として挙げられる。Googleは数百ものランキング・シグナルを使用しており、その内の大部分は、当ブログのこちらの記事(Periodic Table Of SEO Success Factors)にまとめられている。

RankBrainは、実際はおそらく、ランキング・シグナルではなく、クエリを処理するツールであるだろう。Bloombergを再度引用するが、その中では、ランキングへの使用も示唆している。

今のところ、RankBrainは人工知能の宣伝としての役割を果たしている。アルゴリズムの構築に長い時間を費やしてきたGoogleのエンジニアが、幾つかのページを詳細に確認するように言われた。そして、Googleの検索エンジンがトップに表示するであろうページを選ばされた。人間による推測は70%の正答率であったが、RankBrainは80%の正答率であった。

RankBrainについては、今後も情報を集めていく予定だ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Meet RankBrain: The Artificial Intelligence That’s Now Processing Google Search Results」を翻訳した内容です。

繰り返しになりますが、今回の内容は、Googleが既に導入している技術の紹介といったもので、今後目指すべき場所が変更された、といったことではありません。しかし、既に言われている内容の重要度や注目度は増していく契機になるかなとは思います。長めで細かく、過去に同一の検索は少ない(モバイルで多い)といったクエリの処理に用いられているようですが、モバイル検索とロングテール検索の増加は当たり前のことに思われています。そして、検索エンジンフレンドリー(構造化データなど)やユーザーフレンドリー(表示速度など)といった、大事と思われている要素が今後ますます必要という認識が広がるかもしれません。AIへの投資は、Facebookを始め、様々な企業が積極的に行っている部分ではありますが、Google以外の企業もこうしたアナウンスを積極的に行うようになればおもしろいですね。

続きを読む RankBrain(ランク・ブレイン)。人工知能は、既に、Googleの検索結果を処理している。

米Yahoo!がモバイル検索用の独自のアルゴリズムを保持している、と発言。

10月20日(米国現地時間)に、米Yahoo!はGoogleと3年間の契約を結んだことを発表しました。この契約は、検索結果と広告に関するもので、米Yahoo!がGoogleの検索結果や広告ネットワークを表示できるようになるといったものです。詳細はSearch Engine Landのこちらの記事に詳しく書かれていますが、これとは別にモバイル検索についての記事が掲載されていたので、ご紹介させていただきます。米Yahoo!のCEOである、マリッサ・メイヤー氏が質疑応答で明らかにしたとのことですが、モバイル検索においては独自のアルゴリズムに取り組んでいるとのことです。(今のところはモバイル検索結果の全てに適用しているわけではなさそうです。)検索市場の主役はモバイルに移りつつありますが、Yahoo!の取り組みがどういった影響を与えるか、見ものだと感じています。– SEO Japan

Yahoo!のマリッサ・メイヤー氏は、ユーザーに優れた検索体験を提供する、Yahoo!独自の検索アルゴリズムを保持していると述べた。

*リンク先は全て英語となっております。

昨日のYahoo!の収支報告の質疑応答の部分で、YahooのCEOであるマリッサ・メイヤー氏が、「Yahoo!はモバイルの検索結果には独自のアルゴリズムを走らせている」と述べた。

こちらの記録(書き写し)によれば、マリッサ・メイヤー氏が独自の”モバイルにおけるアルゴリズムによる検索(algorithmic search on mobile)”を保持していると述べたことになっている。こちらの文章には、”リッチなカードの体験(rich card experiences)”という記述があり、こちらの体験をモバイルの検索結果に追加する、とある。メイヤー氏はさらに、「モバイルの自然検索結果には我々独自の技術を用いる。我々は、この技術がよりリッチで、より行動指向となるモバイル体験を提供するものだと考えている」と述べている。

これにより、Yahoo!はGemini(Yahoo!の広告用プラットフォーム)を通じて、広告とモバイルにおける検索体験をマッチさせる取り組みを紹介したことになる。

Yahoo!は独自のナレッジグラフにも取り組んでいる。これらのデータは、彼らが長い時間をかけて構築したアルゴリズムによりクロールされ、使用許可を得たものかもしれない。

Webマスターは、Yahoo!の検索クローラー(ボット)である、Yahoo Slurpが、Webサイトを引き続き巡回していることに気がついていることだろう。このクローラーの巡回頻度は、Yahoo!が独自の検索結果への取り組みを中止した後、ゆっくりとしたものになっていた。しかし、Yahoo!はWebのクローリングを完全に止めることはなかった。検索結果に独自の情報を表示するために、Webサイトを巡回することを示していた。

下記に、マリッサ氏が検索アルゴリズムについて述べた部分を記載する。

そして、モバイル検索においては、ユーザー体験を向上させるものについて考えを巡らしている。リッチなカード体験をモバイル検索に追加することを紹介できることに、非常に興奮している。実際、今日において、モバイルにおける(我々が提供する)経験、我々の検索、我々の検索結果、自然検索結果の半数以上を、Yahoo!独自の技術を採用している。そしてその技術は、より行動指向となるモバイル体験を提供するものだと考えている。我々は広告をそれらと合致させることを望んでいる。我々は心からそうした経験を欲しているのだ。検索広告における素晴らしさの一つに、検索体験の向上とより良い結果をユーザーに提供することが挙げられる。そのため、Yahoo!は、Geminiを通して、広告をアプリやディープリンクに誘導するなどの行動を喚起するものにすることが可能であることを明らかにしたい。そして、Yahoo!独自のプラットフォームを持つことにより、そうした試みが可能となるのだ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Yahoo Says It Has Its Own Algorithm For Mobile Search Results」>を翻訳した内容です。

昨日の提携のニュースは非常に大きいもので、SEO界隈に限らず、IT系のニュースでも広く取り上げられていたと思います。日々変化が起こることが当たり前の業界ではありますが、その中でもひときわ注目を集める内容でありました。日本のヤフーは米Yahoo!から独立しているため、(今のところ)実際には大きな影響が無いのかもしれませんが、今後も検証記事などが掲載されることが予想されるため、引き続き注目していきたいと考えています。

続きを読む 米Yahoo!がモバイル検索用の独自のアルゴリズムを保持している、と発言。

オーサーシップのマークアップはそのまま残しておいたほうが良い、とゲイリー氏が発言。

昨日の記事に続き、ニューヨークで行われているSMX Eastについての記事となります。Googleのゲイリー・イリーズ氏が登壇しましたが、アップデートについての報告もあったようです。①パンダ・アップデート4.2はロールアウト中であること、②近い将来(おそらく年内)にペンギンアルゴリズムのアップデートが行われ、リアルタイムバージョンになること(SEO Japanの記事はこちら)、の2点が報告されたようです。今回の記事はオーサーシップについての記事となりますが、サプライズを伴った内容でした。– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっています。

Googleはオーサーシップのマークアップを再度使用するようになるかもしれない。1年以上前に廃止しているとはいえ。

ゲイリー・イリーズ氏がSMX Eastのセッションに登壇し、Webマスターとパブリッシャーはオーサーシップのマークアップを自身のページに残しておくべきだ、と発言した。

Googleは2014年6月に検索結果上に著者の画像を表示することをやめ、8月にはオーサーシップのサポートを完全に廃止している。

しかし、ゲイリー氏は皆が驚く内容を発表した。ソースコード上にオーサーシップを活かしたままにしておくべきだ、と述べたのだ。Search Engine Landのダニー・サリバン氏を始め、会場にいたオーディエンスも驚く内容であった。

Googleのジョン・ミュラー氏は以前、オーサーシップのマークアップをサイト上から取り除くほうが安全である、という発言をしている。しかし、今回、ゲイリー氏は残したままにすべきだ、と述べたのである。

残しておくべき理由とは何か?Googleの検索チームが再びオーサーシップのマークアップを使用したいと思うようになるかもしれないが、その時がいつになるかを誰も知ることはできない、とゲイリー氏は述べている。皆様のお気持ちはわかる。これは非常に悩ましいことである。

個人的には、Googleがオーサーシップとオーサーランクを”in depth articles“の選定の際に使用していると確信している。おそらく、ゲイリー氏がオーサーシップのマークアップを削除すべきでないと発言した理由は、そこにあるのではないか?

我々はこの件に関して、Googleからの説明を得ようと試みている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: Leave Your Authorship Markup On Your Page」を翻訳した内容です。

パンダ・アップデートとペンギンアップデートについて、Googleからの報告という形で発表されたことになります。オーサーシップについては、詳細情報が待たれるところです。ちなみに、来週から行われるPubconにSEO Japanは参加する予定ですが、ゲイリー氏のセッションもあるため、直接質問してみたいと思います。その他のセッションのレポートもさせていただきますので、ぜひご確認いただければと思います。

続きを読む オーサーシップのマークアップはそのまま残しておいたほうが良い、とゲイリー氏が発言。

Googleが新しいAPP IndexingのAPIをランキング要素に追加すると発表。

9月29日から10月1日にかけて、SMX Eastがニューヨークで開催されています。昨日のセッションで、GoogleからApp Indexingについての発表がいくつかあった模様で、Search Engine Landが速報記事を掲載しています。Googleのモバイル&アプリ推しは、Httpsと並んで非常に強く感じるところですが、今後もしばらく続くかもしれません。– SEO Japan

GoogleがAPP Indexingを新しいランキング要素として使用することを発表した。また、iOS用のプロトコルとSearch Consoleの幾つかの機能も新たに発表している。

GoogleのWebマスター・トレンド・アナリストである、マリヤ・モエバ氏が本日のSMX Eastで発表した。Googleが2015年2月26日に公表しているアプリ用のランキング要素に加え、新しいApp IndexingのAPIを実装したアプリに対し、ランキングへの恩恵を与えるようだ。

マリヤ氏の説明によると、アプリがこの新しいAPIを実装した場合、Googleはそのアプリからより重要なデータを取得できるようになり、そのアプリがどれだけユーザーにとって有益であるかを判断する手助けとなるとのことだ。

Googleはこの件に関してのブログでの発表を行なっていない。マリヤ氏によると、この件に関する変更(おそらく”報告”の意)は非常に素早く行える、ということが理由のようだ。また、App IndexingのAPIがランキング要素になることに加え、GoogleはApp Indexingに関する新たな情報をSMX Eastで発表している。

iOS用のインデキシングについての新しいドキュメント

GoogleはiOS用のApp Indexingについての一連のドキュメントを新たに発表した。新しいドキュメントは、こちらに掲載されており、iOS9のオペレーティングシステムに対応している内容だ。

App Indexing関連のSearch Consoleの新しい機能

ベータ版ではあるが、GoogleはSearch Consoleでの新しい機能を実装した。App Indexingのデベロッパーが使えるようになる新しい機能は、以下のとおりだ。

(1)検索アナリティクス内で、検索結果でのクリックをベースとしたデータと、インストールされたアプリ内のボタンでのクリックのデータを区別する機能。

(2)Google Playで発行されたバージョンのAPKファイルを使用した方法に加え、非発行のAPKファイルをアップロードすることにより、Fetch as Googleを直接使用することができる機能。

(3)Fetch as Googleの結果が、タイトル、ディスクリプション、APIのURLやその他の情報を含んだAPIの情報を表示することができる。

本日はApp Indexing関連の情報がGoogleから幾つかもたらされている。

ベータ版のテスターになりたい場合は、下記のURLから必要事項を記入し、応募できる。

https://docs.google.com/forms/d/1zDuiWyoRhkmxBaUlkv_VlJGwDg6bMYs4k-54vgTbwBU/viewform

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Adds Additional Ranking Boost For Using App Indexing API」を翻訳した内容です。

ランキング要素に使用することについての発表はGoogleのブログではまだされていないようですが、新しいAPIの説明ドキュメントの和訳もまだされていないようです。また、どの程度の”ブースト”になるかについても情報はないようです。近年、Googleからのランキング要素の公表が多く行われていますが、技術普及の側面も含まれているのではないでしょうか?速報的な内容でありましたが、Googleからのより詳細な情報を待ちたいところです。

続きを読む Googleが新しいAPP IndexingのAPIをランキング要素に追加すると発表。

コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

先日、「コンテンツマーケティングのはじめの一歩。」という記事を紹介させていただきましたが、今回の記事もエリック氏の記事となります。前回の記事は具体的は方法を紹介していましたが、今回の記事は基本概念に絞った内容となっています。あくまで基本的(もしくは、理想的)な流れを紹介していますが、まとめられたポイントについては納得感があります。コンテンツマーケティングをこれから始める方も、既に始めているが見直しが必要という方にも、一つの参考となっていただければ幸いです。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、間違いなく、自然検索におけるトラフィックを増加させる。寄稿者のエリック・エンジ氏による、確かなコンテンツマーケティング戦略を実施する方法をお届けしよう。How and Why Content Works

“コンテンツマーケティング”という言葉は、使う人によって異なる意味を持つ。一般的な概念を理解しているマーケターは沢山いるが、彼らはコンテンツマーケティングの仕組みの基本的な要素を見落とし、その結果、その効果を十分に活かしきれていないように感じている。

そこで、この記事ではコンテンツマーケティングの計画を適切に実施するための、基本的な方法をお伝えしようと思う。

まずは定義から見直してみよう。

Definition of Content Marketing

【上記画像和訳】
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを作成し、配布し、共有する一連の行為であり、その目的は、あなたのブランドに対する評判の構築と発見性を高めることである。

この定義には、何か欠けている気がする方もいるのではないだろうか?上記の定義の中に、リンクの獲得についての言及を含めなかったのだが、それに気がついただろうか?

良質なコンテンツマーケティングキャンペーンは、多くの質の高いリンクをもたらす。しかし、リンクをコンテンツマーケティングの目的の中心に据えると、方向性を見失ってしまう可能性があるだろう。評判と発見性を優先することにより、副作用として、最高のリンクを獲得することができるのだ。

今回の記事では、SEOのメリットにはほとんど触れていない。しかし、勘違いはしないで欲しい。効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、ランキングの上昇、および、自然な検索トラフィックの増加をもたらす原動力となり得るのだ。

リンクはSEOにおいて今でも重要だが、先ほども申し上げた通り、コンテンツマーケティングを旧来のSEOの考えに基づいて実施してしまうと、失敗につながる可能性がある。

この投稿では、主にセールスファンネルの上層部に新たな顧客候補を呼び込む効果に注力して、話を進めていく。

とは言ったものの、あなたの製品を全く購入しない人達との関係を構築してしまうことも、多くある。しかし、彼らがそのコンテンツを広めてくれることもあるため、彼らとの関係性にも大きな価値があるのだ。

また、既に交流を行っている人達をセールスファンネルの後半の段階に導くためのコンテンツは、この記事で扱うコンテンツの性質とは大きく異なる点を予め指摘しておく。

関係性と発見性の観点からコンテンツマーケティングを考える上でベストな方法は、あなたのブランドの認知度を高めることに、最初のうちは注力することだ。

Content Marketing Can Raise Awareness

【上記画像和訳】
認知度
顧客候補
問い合せ
提案/販売
新しい顧客

プッシュマーケティング vs プルマーケティング

Webの誕生がもたらした偉大な変化の一つに、ブランドと顧客の間で交わされる会話を、顧客がより直接的にコントロールすることができるようになったことが挙げられる。

Webが誕生する以前は、コミュニケーションは主にTV、印刷媒体、そして、ラジオを介して行われていた。相互の交流は不可能であり、顧客が望む望まないにかかわらず、コマーシャルのメッセージを受けなければならなかった。

Webがこの状況を変えた。望まない宣伝に消費者が耳を傾けなければならない理由はなくなったのだ。別のWebページにアクセスするか、あるいは、単純にコンテンツを見なければ済むためだ。

Push Marketing Has Been Replaced by Pull Marketing

時間の経過とともに、この変化の影響はより濃く現れるようになる。賢明なブランドは、顧客候補となる人々を魅了し、彼らの生活に役立つコンテンツを作成する必要性に気がついたのである。

このコンセプトは、TVのCMにも浸透するようになった。現在、娯楽的な価値をCMに付加する動きが強まっており、それ故、CMもコンテンツマーケティングの一つとして考えられるようになっている。

顧客候補となる人々がいる場所に向かえ

コンテンツマーケティングを理解する人が増えるにつれ、コンテンツマーケティングに利用することが可能なWeb上のチャンネルの数も増えていった。自身のサイトでコンテンツを配信することも、第三者のサイトでコンテンツを配信して顧客との関係を築くことも、あるいは、ソーシャルメディアプラットフォームを活用することも可能だ。

しかし、多数のソーシャルメディアの選択肢があり、また、コンテンツを配信することが可能な第三者のウェブサイトの数も多い。そのため、大半のビジネスは少数の選択肢に絞らなければならない。こうした理由から、最も価値をもたらしてくれるチャンネルを選ぶことが重要になる。

手を広げ過ぎるべきではない。つまり、あくまでも”顧客候補となる人々がいる場所に向かう”ことを目的とするのだ。この目的を達成するために、ターゲットとなるオーディエンスが望む時に、そして、望む方法でコンテンツを消費できるようにすべきなのだ。

Go to Where Your Prospects Are

【上記画像和訳】
左から時計回り:関連する業界のウェブサイト1 業界内の主要メディア 関連する業界のウェブサイト2 ソーシャルメディア&ネットワーキングチャンネル
下: コンテンツマーケティング 顧客候補がいる場所に向かう

ソーシャルメディアとコンテンツのプロモーション

強固なソーシャルチャンネルを構築することができれば、強力なメリットを得られる。あるいは、有料のソーシャル広告を用いて、より多くのオーディエンスに見てもらう手もある。

多くのブランドが、この取り組みの恩恵を受けてきた。例えば、下の図で示したように、ソーシャルプラットフォームを通じて強力なコンテンツをシェアすることで、大きなメリットを得ることができるのだ。

Synergy Between Publishing Great Content and Social Media

【上記画像和訳】
トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェアされると
新たなファロワー、ファン、シェア、+1がもたらされる

ご覧のように、どちらの側にもメリットはある。良質なコンテンツは、あなたのソーシャルメディア上の存在感を強める。ソーシャルでの露出が高まれば、ビジター、購読者、そして、リンクをもたらす機会が増え、あなたのコンテンツにおけるROI(投資利益率)を高めてくれる。

つまり、ソーシャルメディアを担当するチームとコンテンツを担当するチームが力を合わせることが、何よりも重要だと言えるだろう。

ソーシャルが全てではない

さらにコラボレーションを発展させてもらいたい。コンテンツマーケティングは、あなたの会社の評判と可視性の拡大にとって不可欠な存在であるため、PRチームにも協力を求めるべきだ。 PR部門は、あなたが作成したコンテンツの宣伝に役立つネットワークを、多く持っている可能性がある。

また、あなたが行うコンテンツのプロモーションと、PR部門が通常業務として行うプロモーションとの間に、衝突がないように配慮しよう。

さらに、(信じ難いかもしれないが)以下の図でも説明している通り、プレスリリースは今でもコンテンツの可視性を高める上で役に立つのだ。

Press Releases Can Be Beneficial

【上記画像和訳】
左上から時計周り
プレスリリース ワイヤーサービス 他者のオーディエンス あなたのコンテンツへ向かうリンク

PRチームと協力する理由は沢山ある。彼らをチームに招くことを忘れずに。

その他の巻き込むべき人達

(ターゲットのオーディエンスだけではなく)その他にも引き寄せるべきタイプの人達が存在する。

  1. メディア関係者とブロガー(メディア)
  2. インフルエンサー

メディア関係者は、あなたのコンテンツに対する記事を書いてくれるかもしれないし、彼らのサイトであなたのコンテンツの一部を配信してくれることもある。いずれのケースにおいても、オーディエンスにあなたのコンテンツを見てもらえる機会は増えるだろう。

インフルエンサーもまたメディア関係者の場合が多いが、そうだとも限らない。例えば、大勢のソーシャルメディアのフォロワーを抱える人物は、ブログやメディアサイトを運営していなくても、インフルエンサーに該当する。

こうした人々にコンテンツをシェアしてもらえると、大きな利益を得ることになるだろう。多くのメディア関係者にあなたのコンテンツを見てもらえるようになるかもしれないし、記事で取り上げてもらえるかもしれない。インタビューを申し込まれる、あるいはゲスト投稿の機会を与えてもらえる可能性もある。

あるいは、あなたの存在をメディア関係者に知ってもらうことだけでも大きな違いがある。今後彼らと実際に話す機会があれば、あなたが書いた別のコンテンツの話しができるかもしれない。以前あなたのコンテンツを読んだことで既に相手の中で信頼感が芽生えていれば、より有益な対話が行われるだろう。

以下の図は、インフルエンサーがマーケティングミックスにおいて担う役割を説明したものである。

Influencers Can Accelerate Your Content Campaigns

【上記画像和訳】
上から右回り: トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェア 新たなフォロワー、ファン、シェア、+1
シェアがプロセスを加速化 リンク フォローする/直接的な接触

目的は関係の構築

評判と可視性を築くことを目指すコンテンツマーケティングは、製品やサービスを宣伝するために実施するのではない。コンテンツを消費する人に、価値を与えることが目標なのだ。

継続的にこうした取り組みを行うことで、直接交流しているわけではなくても、オーディエンスはあなたとの関係が構築されていると感じるようになる。そして、”良い人だ”というイメージがつきはじめる。こうしたイメージは、あなた自身、そして、あなたの発言に対する信頼につながるため、是非、手に入れておきたいところだろう。

関係性の構築が主要な目的である点を考慮し、コンテンツを作る際には以下の点を考慮していただければと思う。

  1. あなたの製品やサービスの宣伝をしない。
  2. 新しく、独自の価値を与えるコンテンツを作成する。
  3. 会話を促し、質問を投げ掛ける。
  4. 投稿した記事、ソーシャルメディアなどで直接コメントに対応する。
  5. 接触してきた人々を助ける方法を探す。

この方針を徹底することで、あなたと読者/視聴者との関係は育まれていくのだ。

まとめ

大半の組織は、上記プロセスの内のいくつかでつまずいている。彼らが直面している共通の問題は以下の様なものだろう。

  1. リンクの獲得に比重を置いてしまう。
  2. ソーシャルメディア/PR部門とのコラボレーションが欠けている。
  3. 利益をあげることが目的でないコンテンツを作成することに消極的であること。
  4. ターゲットとするチャンネルが適正でない。
  5. キャンペーンを立ち上げる前の計画が不十分。
  6. インフルエンサーとメディアへの注力が乏しい。
  7. ターゲットオーディエンスとの関係性の重要度を理解していない。

基本的なコンセプトを正しく理解しておくと、コンテンツマーケティングの取り組みから、より多くのメリットを得られるようになる。また、上の問題のリストに挙げられている問題を複数抱えているなら、一つずつ解決していこう。前へ踏み出すその一歩一歩が、成功へとつながるのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「How And Why Content Marketing Works」を翻訳した内容です。

前回の記事でも述べられていることですが、コンテンツマーケティングはリンク獲得の手段ではない、という点を改めて解説しています。ソーシャルでの露出が増えることで多くの人の目に触れ、リンクを獲得する機会は増えることにはなります。しかし、最初からリンク獲得を狙ったコンテンツを作成しても、多くの人の目に触れることは難しいかもしれません。結果、すぐに効果がでる取り組みではないとは思いますが、地道にコツコツとやることが、一番の近道となるでしょう。

続きを読む コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

iOS9により、AppleのSiriとSpotlight検索はより優れたものになる。

本日、Appleの新しいオペレーティングシステムであるiOS9の配信が開始されました。いち早くベ-タ版を利用していたダニー・サリバン氏がレポートを掲載しています。検索についての言及は少なくなっていますが、文中に紹介されているエミリー・グロッスマン氏の記事で詳しく書かれています。(近々、SEO Japanで掲載予定です。)今後の検索行動に影響を与えるかもしれない新機能を、自身の見解とともに伝えてくれています。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

この新しいリソースは、引き続き、GoogleをApple独自の検索システムの端に追いやる。しかし、Google Nowは予測機能でさらに先を行っている。

Appleの最新のオペレーティングシステムが本日リリースされる。iOS9だ。iOS9はAppleのパーソナル・アシスタント機能であるSiriとSpotlight検索に改良を加えている。今回変更された内容の要約を記そう。

Spotlight。Apple製の検索エンジン。

昨年、Spotlight検索はあなたのiPhone内の情報以外を検索できるように改良された。画面をプルダウンすれば、”Spotlight 検索”を呼び出すことができる。

今年の初め、ジェイソン・カラカニス氏が非常に優れた記事を書いている。内容は、SpotlightがどのようにしてGoogleを破滅させるか、についてだ。記事内容には非常に同意している。実際にGoogleを破滅させることができるかはわからないが、Appleが今後進むであろう方向と非常に合致していると感じている。つまり、Appleは”核反応”のようにGoogleを破壊するのではなく、ゆっくりと時間をかけて、Googleを”閉じ込める”つもりなのだ。

私が2012年に書いた記事の内容を以下に抜粋する。

もしあなたがAppleであれば、あなたは何をするだろうか?あなたはSiriを、他の検索パートナーと伴に、成長させるだろう。Googleを閉じ込め、検索という領域を勝ち取ることを狙うのだ。

最終的には、あなたはApple製の検索エンジンをローンチすることになる。Webベース版のSiriだ。おそらく、あなたはSiriという名前はそのままにしており、Siri.comを通じて利用できるようになっている。限定されたプロバイダーから、よく検索される情報を取得し、それに対しての答えを提供できるように、ゆっくりと、成長していく。さらに、”バックアップ”の検索エンジンを変更する可能性もある。最終的には、パートナーを必要としない状況になるだろう。ちなみに、GoogleはBingに取って代わられている。ひっそりと。

あなたがAppleであれば、上記の内容がGoogleと戦う術であるはずだ。爆弾は一つも落とされない。消費者は、戦争をしていることにすら、気が付かないのである。

“閉じ込め”の戦争は、Spotlightによって継続されている。しかし、奇妙なことに、Spotlightという名前が表示されなくなっている。下記に、iOS8(左側)とiOS9(右側)の画像を掲載しておく。(私はベター版のiOS9.1を一般公開前に使用することができている。)

Spotlight検索を行う際、あなたは何かに気がつくはずだ。Siriの新しい機能である、”アプリ・サジェスト”が使えるようになっているのである。これは、Siriの”前衛的な”機能であり、これについては後ほど述べたいと思う。

Spotlight内のBingとその他の検索結果

Spotlight検索は、以前と比べ、より多くの情報を提供している。よりリッチな検索結果を表示するようにもなっており、スポーツなどについては”カード”形式の結果を表示しているのだ。例えば、”angels”を検索した場合は下記のような違いがある。左側がiOS8であり、右側がiOS9の検索結果だ。

iOS9の場合は、特定の試合のスコアが表示されていることに気がつくだろう。南カルフォルニアのオレンジカウンティのアナハイムに位置する、ロサゼルス・エンゼルスの試合結果だ。さらに、別の例を記載しよう。

こちらの例では、”Web動画”というエリアが新しく表示されている。Twitterよりも上位に位置し、Bingについてはさらに下に追いやられている。さらに、別の例を記載しよう。

上記の例では、両方のケースでWikipediaをソースとする検索結果が1位に表示されている。奇妙なことに、Notes機能からのコンテンツは合致しないことになっている。Notes機能を同期しているのにも関わらずだ。iOS9ではWeb動画のエリアが表示されている。また、両者ともに、Bingの検索結果は下に追いやられている。

あなたのSpotlightでの検索結果は、インストールしているアプリによって異なるし、逆を言えば、インストールされているアプリのコンテンツはより多く表示されるようになるだろう。これについて(Googleによる同様の取り組みについても)は、エミリー・グロッスマン氏とシンディ・クラム氏が非常に優れた記事をSearch Engine Landに投稿している。下記にリンクを記載しておこう。

GoogleはSafariに留まる

Spotlight検索はBingを去年から採用しており、これについての変更はない。Appleの検索システムからGoogleが閉めだされた格好だ。

しかし、Safariにおいては、Googleは引き続き採用されている。AppleとGoogleの長期に及ぶ契約が数カ月前に満了しているにも関わらずだ。Googleは5月に、この契約についての話し合いは引き続き行われていると発言している。個人的な見解ではあるが、この契約は、実はひっそりと再契約されているか、6ヶ月か12ヶ月ほどの一時的な延長が合意されていると考えている。

Spotlight内のBingのように、Googleは検索エンジンの最終兵器である。デフォルト設定では、Safariはあなたが入力した内容をサジェストするため、Spotlightから内容を引っ張ってきている。検索結果には他のソースからの情報も含まれる可能性があり、スポーツのスコアや天気予報などの場合は、カード形式の情報が表示される場合もある。

下記に、天気予報の表示をiOS8とiOS9の場合で比べた画像を掲載する。iOS8では天気予報のアプリをサジェストする表示となっている。

Siriは前衛的であろうとしている

Apple独自のデジタルアシスタント機能であるSiriは、検索に用いることも可能だ。今月末に登場するiPhone 6sとiPhone 6s Plusでは、”Hey Siri”と呼びかけることで稼働する機能を実装している。ハンズフリーで用いることができ、プラグインの設定も必要ない

さらにSiriは新しい機能を実装している。Appleによる、Siriの新しい機能の一覧はここで確認することができる。その中の一つを取り上げると、特定の場所で撮影した写真を見つけるよう、尋ねることができる機能だ。Appleフォト内の写真の中で合致したものを探してくれるのだ。その他では、マップで特定の場所、例えばグロッサリーストアなどを選択し、”ピクルスを買うことを忘れないように”と伝えることができる。そして、該当のお店に到着した時にその内容を伝えてくれるのだ。この機能は、マイクロソフトのCortanaに似ている。

Siriはあなたが尋ねる前に、あなたが望むものを予測しようとしている。Google Nowが行っている試みと同様だ。この”前衛的”な機能は、Google Nowに追いつこうとする機能だろう。道のりは非常に長いと言える。なぜなら、Siriの場合は、検索やブラウジングの履歴やメールの内容などを参照せず、非常に限定的な方法を採用しているからである。

もちろん、Siriはあなたのメールの内容を参照している。しかし、Cortanaと同様、あなた自身のデバイス内のメールのみを見ているのであり、クラウドに保管されたメールは見ていない。しかも、あなたが、Appleのメールアプリを使用してい場合のみ、該当するようになっている。あなたのメールの内容から学習した内容は、ローカルの場所に保管される。Googleはクラウドに保管されたあなたのメールを見ており、その内容をクラウドベースの場所に保管している。

iPhoneの画面を左側にスワイプすることで、Siriの詳細な予測機能を確認できる。ここでは、Siriがあなたが好むであろう内容を予測し、それについての情報を記載している。良く使用するアプリや、ニュース速報、”近くの〇〇”といった情報だ。

この画像は、上記のページが表示するアプリやニュース速報や近くの〇〇の違いの例だ。昨日の夕方、近くの〇〇はレストランとバーを表示している。今朝の場合は、ランチとコーヒーの場所を表示している。

いずれかをタップするとAppleマップが表示され、関連する情報も併せて表示されている。下記は、私がいた場所の近くのレストランとバーのリストを表示している画像だ。

この機能は、Googleが最近追加したGoogleマップ内のExplore機能に似ている。どちらも非常に優れている機能だ。

Siriは、スケジュールをカレンダーに追加していれば、フライトやアポイントメントの時間を知らせてくれる。また、メールの内容からもお知らせをしてくれるだろう。私がベータ版を3週間試したところ、まだこの機能は動いていないようだ。しかし、いずれ使えるようになるだろう。

最後に、Siriはあなたがアプリを使用している時、よりスマートな機能を提供してくれる。例えば、ヘッドフォンを使用している時、あなたが最後に行ったことを判断してくれる。オーディオブックを聞き、音楽を流していた、というような具合だ。

プライバシーポリシーにおけるジレンマ

概して、追加された機能は非常に優れたものと感じている。Appleは引き続き、Googleを自身の検索の領域の端へと追いやっている。しかし、予測機能の観点からすれば、新しいSiriの機能は、Google Nowと比べ、非常に限定的と言えるだろう。

例えば、Siriはニュース速報を表示してくれるが、あなたが一般的に興味がある分野に限られている。Cortanaも同様だ。しかし、Google Nowはあなたの検索履歴を参照しており、その結果、あなたが興味のある特定の分野のニュースや関連情報を表示することができる。それに対し、ユーザーが特別に何かをする必要はない。

これは非常に優れた機能と言えるだろう。しかし、プライバシーの問題も常に存在している。あなたはGoogleを信用しなければならないし、あなたについての情報がクラウド内に保管されていることも、信用しなければならない。こうした状況を好まないユーザーにとっては、Siriはより魅力的な手段として映るだろう。しかし、同時に失わなければならないものがある。予測機能の精度は、諦めなければならない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「With iOS 9, Apple’s Siri & Spotlight Search Get Smarter」を翻訳した内容です。

記事内でも強調されているSiriとGoogle Nowの比較については、非常に同意です。それぞれの哲学というか、考え方に違いが見られますね。検索における影響は、Appleでも採用を始めたディープリンキングが主になるかと思いますが、上記で述べたとおり、別記事で紹介したいと思います。日本では圧倒的な人気を誇るiPhoneですが、SEOの観点からも色々と考えさせられる記事でした。

SEOにおける新たな領域。あなたのアプリを見つけてもらおう。

以前からその重要性は叫ばれていましたが、今年に入ってからは特に、モバイルとアプリに関する話題が多くなってきたと感じています。SEOが検索に伴う技術であるならば、新たな検索場所(モバイル)と検索対象(アプリ)は確実に考慮すべきでしょう。多くの方がすでに認識されていることだとは思いますが、”そもそもなぜ重要なのか?”が上手くまとめられた記事となっています。– SEO Japan

かつて、検索エンジン最適化(SEO)といえば、その全てがWebページを対象とするものであった。しかしながら、当ブログのコラムニストであるジャネット・ドリスコール氏が指摘する通り、事態は大きく変わっている。モバイルの成長とともに、SEOの領域はアプリをインデックスさせる役割も含むようになったのである。

apps-mobile-smartphone-ss-1920

ついにこの時が訪れた。モバイルの時代がやって来たのだ!Google検索の多くは、デスクトップではなく、モバイルで行われるようになり、SEO担当者は、対象をモバイルにも拡大しなければならなくなった。ただし、Webサイトをモバイルフレンドリー化すれば、それで済むような話でもない。Webサイトのみならず、モバイルアプリも考慮に入れなければならない。

SMX West 2015で、ジャスティン・ブリッグス氏は、構造化データについてのプレゼンテーションを行い、SEOの未来に対する奥深い見解を語っていた。彼は、ユーザーのニーズを把握するために検索エンジンが獲得しなければならない知識についての説明を行い、それに関するデータを披露した。さらに、構造化データとモバイルアプリケーションを結びつけるために必要な作業についての説明も行っている。こうした動きは、Google Now On Tap“micro-moments”のメッセージからも、Googleがこの方向に進んでいることを読み取ることができる。

もちろん、すべての会社がモバイルサイトとモバイルアプリを用意しているわけではない。しかし、Criteo社が実施した最新の調査によると、小売業界と旅行業界においては、モバイルサイトよりも、モバイルアプリの方がコンバージョン率が高いという事実もある。

mobile retail conversion rates app desktop criteo

モバイルでのコンバージョンにおいてアプリがどれほど重要な役割を担っていたとしても、ウェブサイトと同様に、アプリを見つけてもらえなければダウンロードしてもらうこともできない。その結果、コンバージョンにも貢献することもない。ここで登場するのが、SEOの新たな領域とも言える、アプリの発見性を高める取り組みである。

Google Playストアは、2015年2月の時点で、140万点以上のアプリを提供しているようだ。これほど多くのアプリが存在するなかで、どのようにあなたのアプリを見つけてもらうのだろうか?

アプリを宣伝する手段は、広告、アプリストア用の最適化、自身のWebサイトに掲載するなど、多数存在する。しかし、Googleは、オーガニックにモバイルアプリを見つけてもらいやすくする新たな手段を追加している。SEOの取り組みを実施しているなら、総合的な最適化のプロセスにおいて、是非ともこの新たな手段を検討するべきである。

Google モバイル検索でのアプリ

モバイルアプリは、以前からGoogleのモバイル検索結果に表示されていたが、モバイルデバイスに既にインストールされているアプリのみが対象であった。

しかし、検索クエリと関連する場合は、モバイルの自然検索結果に新しいアプリのインストールを提案する表示も含まれるようになると、Googleが発表している。つまり、アプリ内のコンテンツが、従来のウェブページと同じように、自然検索を介して見つけてもらえるようになり、新しいユーザーにアプリのダウンロードとコンテンツの利用を促すことができるようになったのである。

Google Now On Tap

2015年5月に行われたGoogle I/Oにて、Googleは、Google Now On Tapの告知を行った。Now On Tapは、AndroidデバイスのGoogle Nowをパワーアップさせたものであり、ホームボタンをホールドするだけで、スマートフォンでどんな機能を利用していても、”その瞬間に”助けてもらえるサービスだ。Googleは、次のようにNow On Tapを説明している。

例えば、新作映画のトゥモローランドを見に行かないかとEメールで友達から誘われた場合、そのEメールアプリを閉じることなく、Google Nowを呼び出し、その映画に対する評価を確認したり、予告編を見たり、チケットを購入することが可能です。その後、即座に今まで実施していたタスクに戻ることができます。

Google Now On Tapは、ディープリンクの設定が有効になっているアプリで動き、今年の後半に発表される予定のAndroid MのOSと共にローンチされる。Google Now On Tapは、ユーザーのデバイスに既にインストールされているアプリに加え、まだインストールされていないアプリに対して、さらなるビジビリティや露出の面で、大きなチャンスをもたらす。さらに言えば、通常のアプリストアとモバイルの検索結果以外における発見性を高めることになる。

App Indexingにより、あなたのアプリの発見性を高める。

アプリをGoogle Now On Tapやモバイルの自然な検索結果に表示させたい場合、App Indexingを実装しなければならない。App Indexingを実装することにより、検索エンジンのクローラーが、ディープリンクを介してアプリのコンテンツをインデックスすることが可能になる(App Indexingを実装するには、アプリのコンテンツに対応するウェブページを用意する必要がある)。

現在、App Indexingは、Androidのアプリを対象としているが、同時にGoogleは一部のiOSアプリに対するテストを開始している(Googleは、このテクノロジーをできるだけ早い段階で公開することを目指しているが、iOSアプリの開発者には一足先にこの技術を利用する特権が与えられている)。当然ながら、Google NowはAndroidのスマートフォンでのみ稼働する。

つまり、SEOを生業としているものの、このテクノロジーをまだ活用していないのであれば、アプリの発見性をタスクの一部に盛り込むことを検討してみるとよいだろう。SEOはウェブサイト限定の取り組みではなく、データの置き場所がウェブサイト内であれ、モバイルアプリ内であれ、ビジビリティを高めるため、より包括的なアプローチを考慮するべき時代に差し掛かっているのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Emerging Role Of SEO In App Discoverability」を翻訳した内容です。

記事中にも触れられている通り、全てのWebサイトがアプリを必要としているわけではありません。そのため、対象者という意味では限定的な取り組みとなってしまいますが、アプリが生命線とも言えるサービスもあるわけで、注目度は高いと言えます。アプリの表示に限らず、Twitterやその他の表示も含まれているため、Googleがいかに最適な検索結果を提供するか、改めてその部分が注目されると感じています。

続きを読む SEOにおける新たな領域。あなたのアプリを見つけてもらおう。

検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ。

2012年にマット・カッツ氏が、先日のSMXではミト・ガンジー氏が、また、その他の方からもちらほら聞かれるSearch Experience Optimization。明確な定義はありませんが、検索エンジンに特化した施策ではなく、ユーザー(検索)体験の最適化を目的としたアプローチです。記事中のクリック率とランキング要素の関係については賛成しかねるところはありますが、目的としている部分は正しいのではないでしょうか?– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

future-search-box-ss-1920

2015年以降のSEOを成功に導くために、我々は何をすれば良いのだろうか?今まで何度となく耳にしてきた以下の指摘は、今まで以上に真実味を帯びてきている。

“優れたコンテンツを作る”

“コンテンツは何よりも重要だ”

“品質の高いサイトを構築する”

しかし、そもそも何をもって”優れた”と言うのだろうか?どのように”品質”を計測すれば良いのだろうか?

ユーザーの期待を考慮せずに、コンテンツの品質を評価することはできない。ユーザーの期待を満たさないのであれば、どれだけ巧みに文章を綴っても意味はない。検索の観点において、質の高いコンテンツを提供するためには、Search Engine Optimazation(SEO:検索エンジン最適化)を超え、Search Experience Optimization(SXO:検索体験の最適化)に発展させることが必要となる。

検索体験はGoogleに始まり、Googleで終わる

通常、ユーザー体験(UX)の最適化は、成功を判断する基準が設定されている。ユーザーをバイヤーにコンバートする、Eメールアドレスを集める、ページビューを増やす、あるいは、ユーザーに広告をクリックしてもらうことなどが、そうした基準に該当する。

また、それらはGoogleの基準ではなく、あくまでも、あなた自身の基準であるはずだ。さらに言えば、基準となる対象はあなたの顧客であり、Googleの顧客ではない。一方、SXOにおいては、Googleの顧客に焦点をあてることとなる。この体験は、Googleに始まり、Googleで終わる体験なのだ。

自分自身の基準に従えば、全ての基準にアクセスすることができる。その中には、明確な基準(購入決断など)もあれば、曖昧な基準(直帰率など)もある。しかし、Googleの基準(彼らが検索結果に対しでどのように計測を行っているか)に関しては、非常に情報が少なくなってしまう。それは、底の見えないブラックホールのようなものだろう。検索体験を最適化するためには、この明らかにされていない箇所にいくばくかの光を当てる必要がある。

あなたが望むものを、あなたはいつでも得られるわけではない

買う意欲のある、予約する意欲のある、購読する意欲のあるなど、自身のビジネスにとって有益な行動を起こす意欲のあるユーザーを私達は求めている。次のチャートは、仮説に基づいたものも含まれるが、検索エンジン経由のビジターによるサイトの利用の内訳を表している。

UserActions

【上記画像和訳】
・シングルページ(直帰)
・エンゲージメント(コンバージョンには至らず)
・Eメールアドレスを残す
・購入

上記のチャートによると、ユーザーの60%はなにも行動を起こしていないことになる。そうしたユーザーは、欲しいものを手に入れることができたのだろうか?また、どのような人達なのだろうか?そして、なぜあなたのサイトにやってきたのだろうか?

(自身のサイトにとって)成功と見なすことができる行動(登録や購入)を取ったのは、10%に過ぎなかった。残りの90%のユーザーはどうだったのだろうか?直帰しなかったユーザーは何をしていたのだろうか?フラストレーションを抱えてサイトを去ったのだろうか?それとも、満足してサイトを後にしたのだろうか?

我々は、自身が望むビジターを常に得られるわけではない。SXOは、我々が望むようなユーザーはもちろん、我々が実際に獲得したユーザーの体験を最適化する取り組みである。それは、Googleの望みと一致しているだけでなく、全てのユーザーをより良く理解することで、我々のビジネスの目標達成にも有効に働くものなのだ。

Googleが望むことは答えを提供すること

ナビゲーショナル検索(特定のサイトに訪れたいという意思が既にある場合の検索)を除き、たとえその形式を成していなくとも、基本的に全ての検索は質問である。非常にシンプルなことではあるが、Googleはそうした質問に対する答えの提供を望んでいるのだ。検索結果で提供されるダイレクトアンサーの数が増加していることが何よりの証拠と言えるだろう。

下記に記載する検索について考えてみよう。

search-intent-examples

【上記画像和訳】

ハイアット リージェンシー ユーザーは価格、アクセス方法、レストラン情報などを求めている可能性がある。
ダイソン ホームズ 家の価格は?学校のシステムは?自分の家の価値は?
ニューバランス 433XB 購入するサイトを探している?レビューを読みたい?製品の詳細な性能を知りたい?
アメリカン エアーラインズ 航空券の予約、出発時間、ポリシーの確認、など。

Googleは、答えを提供する点に関しては成功を収めている。しかし、Googleはどのようにして、成功しているかどうかを判断しているのだろうか?とりわけ、クエリが質問形式ではない場合は。

Googleによる評価方法

Googleが独自の基準を用いて、検索結果の品質を計測していることは明らかだろう。我々にとっての自身のサイトと同様、Googleはユーザーがクリックした結果を元にしたメトリックスをもっているはずである。事実、Googleは先日この点を認めている

Googleがクリックの結果を分析する方針は理にかなっている。Googleが確認している可能性が高く、また、頻繁に話題になっていることも考慮に入れると、下記の要素を見ているはずだ。

  • ショートクリック(Short click)
    ショートクリックは、ウェブサイトからすぐにGoogleに引き返す行為を指す。当然だが、すぐに引き返されてしまう場合、良いシグナルとは言えない。
  • ロングクリック(Long Click)
    ロングクリックには、ユーザーがGoogleに引き返すまでに長時間を要するクリックが該当する。その時間は長ければ長いほど良い。
  • ポゴスティッキング(Pogosticking)
    検索エンジンのユーザーが、複数の検索結果を行ったり来たりする行為を意味する。
  • クリックスルー率(Click-through rate)
    検索結果に表示された頻度とユーザーがクリックした頻度の比率(%)で表現される。
  • ネクストクリック(Next Click)
    ポゴスティック後、ユーザーが次にするクリック。(既存の検索結果、もしくは、新しい検索を実行した後のクリックも含む。)
  • ネクストサーチ(Next search)
    ユーザーが新しい検索に移行したケース。
  • 2回目の検索のクリック率(Click rate on second search)
    パーソナライズ検索や過去にクリックされたことにより、前回のページの順位が上がる。

ネクストクリック

Googleにおいて最も重要なシグナルは、”ネクストクリック”だろう。Googleがクエリに対する答えを提供したいのであれば、ユーザーが次にクリックする結果は、ユーザーが何を知りたいかをGoogleに伝える上で重要な指標となる。例えば、ユーザーは、New Balanceのランニングシューズを買う場所を見つけたのだろうか?ナパのB&Bのレビューを探しているのだろうか?

もしユーザーが同じクエリで異なる検索結果に対し、クリックと”戻る”を繰り返しているのなら、また、Googleに継続して訪問し同じクエリを繰り返しているのなら、ユーザーは既存の検索結果に満足していないことを意味している。反対に、ユーザーが検索結果ページに戻り、まったく異なる検索を新たに実施した場合、ユーザーは検索結果に満足したと考えられる。

Googleは、ユーザーがクリックする行動がランキングに直接影響を与えることを認めてはいない。しかし、影響を与えるとしか私には思えない。仮にランキングに影響を与えないとしても、アルゴリズムの評価と変更に影響を与えている可能性は高いと思う。いずれにせよ、Googleの検索結果にあなたのサイトが表示され、Googleの基準数値が改善されるのであれば、あなたにとって良いことづくめだと言えるだろう。

検索を完了させる

従って、検索ユーザー体験を最適化するためには、ユーザーによる(それ以上の)探索を止めさせ、検索という行為を完了させる必要があるのだ。

ユーザーがGoogleの検索結果に戻り、さらに答えを探す理由がない状況を作り出さなければならない。我々が具体的なネクストクリック後の訪問先を知る手段はない。しかし、ユーザーを理解することで、ネクストクリックに影響を及ぼすことは可能だ。

“検索を完了させる”ためには、ユーザーがなぜ自分のページにたどり着いたかを理解する必要がある。どんな疑問を抱えていたのか?そもそも、どんなニーズがあってGoogleを訪問したのだろうか?

ユーザーが特定のホテルを検索するケースを想定してもらいたい。

  • 最も安い価格を探しているのか?
  • レビューを探しているのか?
  • ドライブのルート情報を必要としているのか?
  • アメニティグッズを調べているのか?

もっともらしい推論を導くことは可能ではあるが、さらなる上を目指してみよう。

キーワードデータ

まずはキーワードのデータをチェックしよう。キーワードのデータをWebmaster Tools(現在はSearch Consoleに名称を変更している)で精査し、検索意図を明らかにするために修飾語句を探そう。まずは、特定のページのタイプ、および、トラフィックが多いページに対するキーワードを確認する。

曖昧で、意図が明らかでないキーワードが多いだろう。例えば、旅行のサイトを運営している場合、修飾語句がない”Hyatt Regency”で100回の検索、”レビュー”、”ルート”、”場所”などの修飾語句がある検索が20回、といった具合になるはずだ。こうした修飾語句とその出現回数は、ユーザーがあなたのサイトを訪れた際に抱く疑問を明らかにする材料になる。

これはあくまでも初めの一歩に過ぎない。 おそらく、あなたが知り得ないクエリも多くあるはずだ。なぜなら、そうしたクエリでは、あなたのサイトはランクインしていないからである。そこで、SEMrushやGoogle キーワードプランナーなどのキーワードツールの登場となる。また、UberSuggestを使ってユーザーのマインドセットを把握する方法もお薦めだ(クエリの量は多くなくても、その他のツールでは盛り込まれていない多くのバリエーションを知ることができる)。

UberSuggest

キーワードデータは、ユーザーの考えていることを把握する上で良い出発点となる。しかし、あくまでも出発点である点を忘れないでもらいたい。それでは次のステップに進んでいこう。

SEO調査

ユーザーがあなたのサイトにアクセスした理由を明らかにするための調査を行おう。私自身、SurveyMonkeyやQualaroo等のツールを使って、長年SEO調査を実施してきた。 当然だが、調査自体はユーザー体験にマイナスの影響を与える。そのため、統計的に有意な値を得られるまでの期間に限定している。通常、100名からレスポンスを得られれば十分だと私は考えている。以下に、調査をする際の注意点を挙げていく。

  1. 検索を基にユーザーを分類する。これはSEOの調査であり、検索エンジンを経由したビジターのみが対象となる(その他のセグメントのユーザーに拡大する価値も、もちろん、ある)。
  2. この調査の目的は、ユーザーがサイトを訪れた理由を知ることだ。 ユーザーを検索に駆り立てた疑問や問題は何だったのだろうか?
  3. 間髪入れずに調査を行う。 待ち過ぎてしまうと、すぐに検索結果に戻ってしまうビジターを対象にする機会を逃してしまう(このタイプのビジターこそ最も調査に含めたい)。
  4. ページのタイプごとに調査を分類する。 例えば、ホテルの施設に関するページにアクセスしたユーザーは、街やホテルを紹介するページにアクセスしたユーザーとは大きく異なる動機を持っている。トラフィックの多いコンテンツに対しては、個々のページで調査を実施したいところだ。
  5. 調査の領域は、SEOトラフィックの大部分である必要がある。

ユーザーに”本日、このサイトを訪問した理由をお聞かせください”と尋ね、理由の選択肢を幾つか用意しよう。その際、”その他”を用意し、あなたが思い浮かばなかった理由を逃さないようにしてもらいたい。例えば、住宅を販売する不動産業者のサイトの場合、以下のような質問が効果的だ。

  • 購入目的
  • 賃貸
  • 家の価格
  • 近郊の学校の情報
  • 見積もり
  • オープンハウス
  • 地図

調査で得たデータに基づいて、ユーザーのニーズに優先順位をつけることが可能となる。予想外の結果が出ることが多いが、それがそのままチャンスに結びつくこともある。例えば、不動産サイトの販売ページにアクセスしたユーザーに対して調査を行い、そのうちの20%が、実は、賃貸も検討している点が判明した、といった具合だ。これはクロスマーケティングを行う絶好の機会となる。

統計的に有意な値

あなたはユーザーを満足させたいはずだ。しかし、全てのユーザーに喜んでもらうことは不可能である。そのため、改善すべきアイテムに優先順位をつけ、できるだけ多くのビジターのニーズを満たすようにしよう。

例えば、レストランのページにアクセスしたビジターの25%が、予約したいと望んでいるものの、予約ができない状態であれば(予約機能が提供されていない、もしくは、ユーザビリティの問題が存在するなどの理由で)、それは大きな課題となるはずだ。仮に、アクセス方法を知りたいと思っているビジターが全体の1%程度であれば、アクセス方法の提供の重要度は遥かに低いことになる。

猶予は10秒間のみ

UXのエキスパートとして名高いヤコブ・ニールセン氏は、数年前にMicrosoft Researchの調査の分析を行っていた。こちらの分析によると、サイトにアクセスしてから10秒以内に最も多くのビジターがサイトを去ることが判明している。そのため、10秒を過ぎると、当該のユーザーがサイトに留まる確率は高くなる。下記に挙げる要素をユーザーに提供する必要があるが、その猶予は10秒間しかないということだ。

  • ビジターが持つ疑問の答えがサイトに存在すること
  • 信頼に値する答えを持っていること
  • その答えを簡単に得られること

これは非常に難易度が高い。あなたは、多くの競合する優先度にバランスを与えるページデザインを作成しなければならない。効果的なランディングページをデザインするためには、ビジターがどんな疑問を持っているのかを知る必要がある。

SEOユーザビリティテスト

ユーザビリティテストは、ユーザーがどの程度、彼らの目的を達成したかを判断する、非常に優れたツールである。現在、ユーザビリティテストはSEOの取り組みの一環として捉えるべきだと思う。UXチームやプロダクトチームがこのタスクに失敗しているのであれば、彼らとともに取り組み、あなたの視点(SEO観点)がユーザービリティテストに含まれているか確認しよう。もしも含まれていないのであれば、彼らにテストから得られた結果を含めてもらうよう、依頼すべきだ。

ユーザビリティに馴染みのないSEOの担当者には、Rocket Surgery Made Easyに一度目を通すことを薦める。 また、非常に有益で迅速にテスト結果を提供してくれるオンラインサービスも存在する。個人的にはUserTesting.com(より本格的なテストに向いている)とFiveSecondtest.comを実際に使ったことがあるので、お薦めしたい。下記に、SEOユーザビリティテスト特有のアドバイスを挙げておこう。

  • SEOのユーザー・シナリオを作成する。背景と目的を設定しよう。検索結果でテストをスタートさせ、検索結果からランディングページへの移動を観察しよう。
  • 最も多くのトラフィックを獲得するページのテンプレートを用いて、ランディングページに焦点を絞る。
  • キーワード分析と調査で明らかになった使用事例や問題に焦点を当てる。

一貫性のあるタイトルとメタディスクリプション

すべての検索が質問であるならば、検索結果ページでは答えが提供されているべきだ。サイトのタイトルは、そのサイトが提供する情報を正しく表現できているか、確認すべきだろう。

あなたの製品の内、半分しかレビューがないのであれば、レビューがある製品の場合のみ、その内容をタイトルとディスクリプションに記載しよう。さもなければ、ユーザーは好ましくないクリックを行うことになり、結果として不満を抱えてしまうだろう。また、”無料”という言葉を使うのであれば、”無料!”としたほうが良いだろう。

ウェブ製品の改善

SEOの役割は広がり、ビジターの問題を理解し、解決することまで求められるようになった。スキルを増やし、今までとは違った領域に踏み込む必要があるため、SEOの担当者にとっては大きなチャレンジとなるだろう。しかし、リンク構築と比べ、遥かに面白く、また、遥かに大きなやりがいを得られるはずである。

もっと言えば、SEOの役割は、あなたの組織内でより厳しい目で見られる可能性もある。なぜなら、学習し、改善することでウェブサイトに大きな利益を与えるようになり、従来のSEOの範疇を超えた影響を与えることになるからだ。”Search Engine Optimization”から”Search Experience Optimization”への移行の素晴らしいところは、サイトへのトラフィックを増やすだけでなく、ウェブ製品自体を改善する効果が見込める点である。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「From SEO To SXO: Search Experience Optimization」を翻訳した内容です。

SEOの対象範囲は広がる一方であり、従来の範囲を元にすると”SEO終了説”もささやかれたりします。(個人的には、人々が検索という行為をやめない限り、SEOの必要性はあり続けると考えていますが。)それでも、目線やアプローチや施策内容は刻々と変化していきますので、有益なサービスを提供できるよう、頑張っていきたいものです。

続きを読む 検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ。

コンテンツマーケティングのはじめの一歩。

今回のSEO Japanは既におなじみ(!?)のエリック・エンジ氏の記事ですが、コンテンツマーケティングについての彼の見解をまとめた内容となっています。コンテンツマーケティングについては、手法やコンセプトなど、さまざまな見解があるとは思いますが、”ユーザーの手助けとなるアンサーコンテンツの作成”というコンセプトには同意です。記事中にあるゲスト投稿については、米国との違いもあり、日本ではむしろハードルが高いかもしれませんが、機会が与えられれば非常に効果的な手法とも思います。これからコンテンツマーケティングに取り組む方も、既に取り組んでいる方も、今一度自身の見解を確認する参考となればと思います。– SEO Japan

コンテンツマーケティングに馴染みが薄く、どこから始めれば良いかわからないという方も多いのではないだろうか?当ブログのコラムニストである、エリック・エンジ氏がそうしたSEO担当者(に限ったことではないが)のために、デジタルマーケティングにおける重要な戦略-コンテンツマーケティング-についてアウトラインをまとめてくれた。

Getting Started in Content Marketing

SEO戦略を成功に導くためには、リンクを獲得する取り組みに加え、宣伝の要素、つまり、ビジネスの評判や認知度を高める取り組みが求められてる。しかし、いまだに多くのビジネスがコンテンツマーケティングを真剣に実施してはいない。そこで今回の記事で、コンテンツマーケティングを始める上で必要な要素をまとめてみることにした。

大企業であっても、個人や数名で運営を行うスモールビジネスであっても、大規模なキャンペーンを立ち上げるのは容易ではない。大企業の場合は、マーケティングの予算を豊富に持っているものの、この予算の割り振りは厳格に定められており、予算がまったく残っていないという可能性もある。そのため、短期間で、大規模なコンテンツマーケティングの取り組みを行うために、多額の資金を引き出すことはほぼ不可能といえるだろう。

一方、スモールビジネスの場合、コンテンツマーケティングを実施するという決断が下されれば、大企業と比べ、その優先度を高めることは容易な作業であろう。しかし、コンテンツマーケティングに対して十分な予算を与えてもらえるわけではない。

いずれのケースにおいても、大半の会社は、スロースタートを切らざるを得ない。この点を踏まえながら、SEOに大きなインパクトを与えるコンテンツマーケティングキャンペーンを始める上で、最初に優先するべき幾つかのポイントを見ていくとしよう。

4つの優先事項

SEOのニーズを満たすコンテンツマーケティングを実施しようとするあまり、リンクの獲得を目的にしてしまうこともあるが、これは大きな過ちとなる可能性がある。この方針は、Googleのジョン・ミューラー氏が、リンク構築において指摘していた行為 (氏は「基本的に、私なら回避する。」と述べている)と言えよう。

公正を期すために言っておくが、ジョン・ミューラー氏の発言は、リンクを求める行為に対するものだ。このリンクの獲得を最優先にするアプローチには背を向け、代わりに、コンテンツマーケティングが正しい方向に向かうように、幾つかの主要な優先事項に力を入れてもらいたい。以下に4つの優先事項を挙げていく。

  1. 評判を築く
    人々があなたのブランドを思い浮かべる際、あなたは彼らに良いことをイメージしてもらいたいはずだ。コンテンツマーケティングをあなたの代理人として、ブランドについての評判を高める手段として活用しよう。
  2. 露出を高める
    コンテンツマーケティングは、いろいろな形であなたのブランドの露出度を高めてくれる。基本的なコンセプトを、(ソーシャルメディア等の手段を介して)シェアしたくなるようなコンテンツの作成に設定しよう。その結果、新たなオーディエンスにあなたのブランドを知ってもらえるようになる。
  3. オーディエンスを構築する
    詳細は下記で説明するが、自分のサイト以外のプラットフォーム(例えば、他人のウェブサイトやソーシャルメディアサイト)でコンテンツを配信し、評判と露出度を上げる方法はいろいろある。しかしこうした方法は、結局、他人のスペースを借りているだけである。配信する場所にかかわらず、あなたのコンテンツを探してくれるファンを作る必要がある。オーディエンスの育成は非常に重要な要素だ。既存のオーディエンスがあなたの助けとなる度に、また新たなオーディエンスへあなたはアプローチできるようになる。コンテンツを投稿し、シェアする度に次のような波及効果が起きるのだ。

Audience Exposure Ripple Effect

  1. 近づきやすい存在になる
    評判、露出、オーディエンスはすべて重要だが、近づきやすい存在と感じてもらう必要もある。大勢の熱狂的なファンを獲得したとしても、ファンがあなたとの交流に疑問を抱いてしまえば、ファンを獲得したビジネス面でのメリットに制限をかけてしまう。そこで、他の人達 — インフルエンサー、および、インフルエンサー以外の人達 — と交流し、オーディエンス全体があなたを身近な存在であると理解してもらうよう、努力すべきだ。

上記の4つのポイントを適切に理解することが求められる。長い目で見れば、このアプローチこそが、最高の質のリンクをもたらし、リスクを最も軽減することができる方法なのだ。これは、人生において時に起きる奇妙な現象と通じるものがある — 欲しいものを直接求める行為を控えれば控えるほど(この場合、価値の高いリンク)、それらを得られるようになる。

You First 4 Priorities in Content Marketing

最初に取り組むべきことは、ゲスト投稿。

先程も申し上げた通り、新しいコンテンツマーケティングキャンペーンは、突然、何もないところから、優秀な人材のチームと共にスタートを切ることができるわけではない。あなたには限られた人材と予算しか与えられないが、そうした状況の中、メリット(そして、実施するスキル)を証明しなければならない。

シンプルなゲスト投稿から始めると良い。私の場合、月に1度、1つ、または、2つのコラムを投稿する機会を得ている。投稿しているサイトは自分のマーケットと一致しているサイト(また、ターゲットオーディエンスにリーチできるサイト)である。ここでのゲスト投稿の内容は、コラムであることを強調しておこう。

ターゲットのオーディエンスにリーチしているサイトでコラムを書くという取り組みは、上記4つの優先事項に取り掛かる上で非常に有効である。他の人達が抱える問題の解決に役立つコンテンツを配信することで、あなたの評判を確立しよう。その結果、あなたの露出度も高まるはずだ。他社のWebサイト、すなわち、彼らのオーディエンスに対して、あなたが何かを伝える機会を与えられたのだから。

さらに、このコンテンツは、自分のオーディエンスの獲得にも貢献してくれる。なぜなら、あなたのコラムを読んだオーディエンスの一部は、あなたのコンテンツをもっと見たいと望むようになるためだ。これは、あなた自身のオーディエンス獲得するための第一歩だと言える。下記の画像で、適切な場所でのゲスト投稿がオーディエンスの増加に導く仕組みを説明している。

Guest Posts Expose You to New Audiences

上記画像のサマリー部分の和訳
コラムを投稿したサードパーティのサイトからリンクとビュー数が、コラム投稿者のサイトへと流れる。

最後に、あなたのコラム対するコメントや質問には必ず返信するようにしよう。そうすることで、あなたはオーディエンスにとって、より近づきやすい存在となる。

注記: SEOを意識したゲスト投稿に対してマット・カッツ氏が警告を行ったことは私も理解している。しかし、上記の4つの優先事項は、マット・カッツ氏が指摘した内容とは異なる。あくまでも力を入れるのは、評判、認知度、オーディエンス、そして、近づきやすさである。

ソーシャルメディアでの認知度を高める取り組みもOK!

ソーシャルメディアを活かした取り組みも、コンテンツマーケティングを始める場所としては最適だ。ゲスト投稿と同じように、ソーシャルメディアでの取り組みも、ビジネスにすぐに利益をもたらすわけではないが、4つの優先事項に取り掛かる際にプラスの効果を与える。

コラムの投稿と同様、単純に時代遅れのマーケティング用メッセージを伝える配信メディアとして利用するのではなく、誰かの助けとなるコンテンツを配信することに注力しよう。そうすることで、あなたの評判、露出、そして、オーディエンスを一度に高める効果が見込めるのだ。

Social Media Exposes You to New Audiences

ソーシャルメディアでも、あなたへのコメントに返信し、オーディエンスと交流することを忘れずに。そうすることで、近づきやすい存在であることを証明することができる。

ゲスト投稿とソーシャルメディア以外にすべきこと

ゲスト投稿とソーシャルメディアは、他者のオーディエンスにあなたの存在を知ってもらえるため、コンテンツマーケティングに着手する上で最初に取り掛かるタスクとして、非常に適している。言い換えれば、あなたの潜在顧客や見込み客がすでに存在する場所を訪れることである。そうした見込み客にあなたがコンテンツを提供し、彼らが抱える問題を解決する手助けをすることで、あなた自身のオーディエンスを獲得するきっかけとなる。

しかし、彼らはあくまでも他者のオーディエンスである。Facebookが良い例だが、利益を発生させることが最優先事項になれば、自身の広告用のプラットフォームに多くのトラフィックを発生させることに注力し始め、(Facebookから見た)第三者の投稿の露出を低めてしまうだろう。他のソーシャルメディアも同様のことを行うかもしれない。また、ゲスト投稿も、将来的には同じ道をたどる可能性がある。

こうした理由から、あなたは別の種類のコンテンツマーケティングキャンペーンにも取り組み、自分のサイトで直接オーディエンスを構築する試みを始めるべきである。つまり、他者のオーディエンスから、自分自身のオーディエンスへ、獲得する対象を転換することが重要なのだ。

今回の投稿は基本的な概念の説明となっているため、自身のオーディエンスを獲得するためのアプローチを詳しく説明することは控えたいと思う。しかし、ゲストコラムとソーシャルメディアにおける取り組みをしっかりと行えば、あなたは強力な基盤を獲得することとなり、それはあなたのコンテンツマーケティングを次のレベルへ押し上げる原動力となるだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではありません。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Your First Steps In Content Marketing」を翻訳した内容です。

SEOの視点のみで考えると、コンテンツマーケティングをリンク獲得のための一手法として単純に考えてしまうかもしれませんが、それだけで成功するほど甘いモノではないかもしれません。業界や会社の規模などにより、どれが正解かと判断するのは難しいかと思いますが、長期的に取り組むことでユーザーへの貢献度を高めていければいいですね。

続きを読む コンテンツマーケティングのはじめの一歩。

GoogleがTwitterのつぶやきをデスクトップの検索結果に含めることを公式に発表。ただし、英語クエリのみ。

先日、GoogleがTwitterのつぶやきをデスクトップ検索でも表示させる実験を行っているという記事を紹介しましたが、いよいよオフィシャルに導入が発表されたようです。上記の記事では、イギリスでの検索結果のみの実験という内容ですが、今回の導入は全世界を対象とした英語クエリのみとなっているようです。私も、言語設定を英語に設定し、”danny sullivan”で検索したところ、しっかりと表示されていることを確認しました。他言語への対応が気になるところですが、まずは英語からのスタートとなるようです。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

GoogleはTwitterのつぶやきをデスクトップの検索結果に含める実験を行っていたが、全ての英語クエリに対し、グローバルに適応することを決定した。

GoogleがブログTwitterで報告した内容によると、Twitterのコンテンツ、つまりは、つぶやきをデスクトップの検索結果に含めるようになったようだ。

今月の初め、我々はGoogleがデスクトップの検索結果にTwitterのコンテンツを表示するテストを行っていることを報じた。5月には、Googleはモバイルの検索結果につぶやきの表示を含めるようになっていたが、今回、デスクトップでの英語クエリに対しても表示するようになった。

Googleは我々に、全世界を対象とする英語圏のユーザーに対し表示するようにしたと連絡をくれている。モバイルの検索結果と同様、Googleは自然検索結果のメインコラム内のカルーセル(横にスクロールが可能)に、つぶやきを表示している。つぶやきは、Googleがクエリとの関連性があると判断した場合のみ、表示されるようになっている。ユーザーは検索結果に表示されるつぶやきの表示を確認する、もしくはクリックする場合に、Twitterのアカウントを保持している必要はない。

Googleはつぶやきが表示される際の関連性やランキングについては、今後進化と改良を繰り返し、徐々に成熟していくと述べている。現在のところ、自然検索結果の中に広告の要素を含むつぶやきは表示されていない。

私も個人的に試してみたところ、デスクトップの検索結果につぶやきが表示されていることを確認している。下記に、人々やブランドが表示された例を記載しておく。しかし、検索結果には関連性のあるホットなトピックも表示されているようだ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Officially Expands Twitter Into Desktop Search Results」を翻訳した内容です。

今年の初めにTwitterとの再提携が話題になりましたが、いよいよデスクトップ検索にも導入となるようです。先日はトップコントリビューターにTwitter上で質問をすることができるハッシュタグ(#gHelp)の発表も行われていました。今後もいろいろな形でTwitterとの連携が加速するかもしれません。

続きを読む GoogleがTwitterのつぶやきをデスクトップの検索結果に含めることを公式に発表。ただし、英語クエリのみ。

Googleがデスクトップの検索結果でのTwitter表示の実験を行っている模様。

今年の2月にGoogleとTwitterの再提携が発表され、大きな話題になりました。その後、5月にアメリカでのモバイル検索限定で、検索結果に表示されるようになりました。デスクトップでの検索では表示されていませんでしたが、どうやらGoogleがテストを開始しているようです。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語になっています。

Googleのデスクトップでの検索結果にTwitterの表示が含まれているケースが報告された。今のところ、モバイルの検索結果のみ、Twitterが表示されている。

今年の5月にGoogleはモバイルでの検索結果にTwitterの表示を含めるようになった。対象国はアメリカのみである。しかし、現在、デスクトップの検索結果にもTwitterの表示が含まれているようだ。そして、その対象国はアメリカではない。

Conductor社がSearch Engine Landに報告してくれた内容によると、イギリスでのGoogleのデスクトップ検索にTwitterの表示が含まれているようだ。下記に、スクリーンショットを記載する。

Conductor社によると、何人かのセレブや有名ブランドの検索結果で表示されることが確認されている。しかし、イギリスでの検索のみに限るようだ。

我々が試したところ、上記のような検索結果を再現することはできなかった。しかし、Googleのテストを行うときにはよくあることだが、Conductor社は実験グループと共同で大規模な調査を行った可能性がある。我々はGoogleからの公式な発表がないか、確認をとっている。

【追記】
Googleのスポークスマンがこの件に対しての回答をくれた。Googleは7月の中旬からデスクトップ検索にTwitterの表示を含める実験を行っているようだ。彼はまた、「今のところ、これ以上発表できる内容はない」、とも述べている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is Google Experimenting With Bringing Twitter Into Desktop Search Results?」を翻訳した内容です。

先日、ローカル検索結果が従来の7リンクから3リンクに減少することになりましたが、検索結果に含まれる情報が日々変化していくことを実感できます。リアルタイム検索はモバイルでの需要の方が高いと感じられますが、デスクトップ検索でも需要はあるとも思います。両社の提携が今後どのような方向に進んでいくか、非常に興味深いところではないでしょうか。

続きを読む Googleがデスクトップの検索結果でのTwitter表示の実験を行っている模様。

モバイルフレンドリーでないサイトは、Googleの検索結果から消えたのか?

今年の4月にGoogleがモバイルフレンドリー・アルゴリズムを導入しましたが、予想された程のインパクトはありませんでした。複数の理由がGoogleから挙げられていますが、モバイルフレンドリーに対応したサイトの数が増加したことも、その内の一つです。皆が対応している事柄のため、対応しているサイトが他のサイトより秀でているという状況は生まれず、逆に、対応していないサイトの不備が目立ってしまっている、という状況でしょうか。今回の記事は、モバイルフレンドリー・アルゴリズムが導入された以降、多数のキーワードの順位を追った調査結果になります。アメリカのデータではありますが、興味深いデータであることは変わらないでしょう。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語になっています。

複数の業界で、1,000以上のeコマース(EC)関連のキーワードをトラッキングした調査から考察してみよう。

驚くべきことに、モバイルフレンドリーに対応していないブランドサイトや企業サイトはまだまだ存在している。MooVweb社が公開している最新の調査によると、ユーザビリティに加え、ビジビリティとランキングに明確な影響が見られるようだ。

4月21日にGoogleはモバイルフレンドリー・アルゴリズムを導入している。それ以降、Moovweb社は”複数の業界で、eコマース関連の主要なキーワードを1,000以上”トラッキングしている。Googleのアルゴリズム変更が、モバイル検索の順位に影響を与えているか、そうであれば、どの程度与えているのかを調査するためである。

グラフタイトル(画像上部)
検索結果の上位3位のモバイルフレンドリー
系列(画像左側)
検索結果の上位3位のモバイルフレンドリーサイトの割合

同社によると、1位を獲得しているサイトの83%がモバイルフレンドリーに対応しており、上位3位以内の81%がモバイルフレンドリーに対応している。また、モバイル検索結果の1ページ目に表示されているサイトの内、77%(10サイト中7.7サイト)がモバイルフレンドリーに対応している。

上記の結果から、一つの疑問が湧き上がる。モバイルフレンドリーに対応していない20%以上のサイトの順位はどうなっているのだろうか?

グラフタイトル(画像上部)
検索結果の10位内のモバイルフレンドリー
系列(画像左側)
各順位におけるモバイルフレンドリーサイトの割合

上記のグラフは、1,000キーワードを対象とした、上位10位のそれぞれの順位におけるモバイルフレンドリーサイトの割合を示している。

また、同社の調査は、モバイルフレンドリーの割合は業界ごとによって異なる、という事実も明らかにしている。下記のグラフによれば、ある業界は他の業界に比べ、モバイル対応をしているサイトの割合が高くなっていることを示している。7つの業界に区分した所、小売業は最もモバイル対応のサイトが多くなっており、交通機関は最も低い割合になっている。

グラフタイトル(画像上部)
業界ごとのモバイルフレンドリー
系列(画像左側)
検索結果の1ページ以内のモバイルフレンドリーサイトの割合

異なる業界におけるモバイルゲドンの影響については、まだまだ議論の余地がある部分も明らかになっている部分もあるが、一般的に言えば、モバイルフレンドリーに対応していないサイトへは悪影響があることは疑いの余地はないだろう。

モバイルフレンドリーに対応していないサイトのマーケターが、次に行うべきことは明らかである。しかし、単純にGoogleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムに対応することをゴールに設定するべきではない。より大きな目標として、スマートフォンを使用しているユーザーの体験をより豊かなものにし、あなたのビジネスにより興味を持ってもらうことを目指そう。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Study: Non-Mobile-Friendly Sites Disappearing From Top Google Results」を翻訳した内容です。

あくまで、モバイルフレンドリーは数あるアルゴリズムの一つにすぎないため、モバイルフレンドリーのみが順位を決定づけることはありません。前回のモバイルフレンドリー・アルゴリズムは、対応していれば順位への影響はあまり見られませんでしたが、モバイルフレンドリー・アルゴリズムが更新されれば、現在対応しているサイトへも影響が見られるかもしれません。4月以降、モバイルフレンドリー・アルゴリズムに大きな動きはありませんが、Googleも更新を示唆しているため、まだ対応していないサイトがあれば、今のうちに対応しておいて損はないはずです。

続きを読む モバイルフレンドリーでないサイトは、Googleの検索結果から消えたのか?

Googleが検索アナリティクス用の新しいAPIを公開!!

Googleが検索アナリティクス用のAPIを公開しました。6月の中旬頃からテスターを募集しており、2ヶ月弱でのローンチとなります。検索アナリティクスのテスター期間と比べると早かったなと感じておりますが、APIなので妥当なところでしょうか?今回のAPIにより1000行以上のデータが取得できればと、多くの方が期待していたと思いますが、それは叶わなかったようです。Search Consoleについてですが、Googleのジョンミュラー氏は、①新しい機能の実装に取り掛かっている、②より多くのデータを取得すると既存のレポーティング機能が遅くなる、ことをこちらの記事(英語)で理由として挙げていました。Googleも要望が多いことは認識しているようなので、何らかの形で実現できればいいですね。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

予想されたとおり、GoogleがSearch Console内の検索アナリティクス用のAPIを公式にローンチした。この新しいAPIを利用してキーワードデータを取得することができるようになった。

昨夜我々が報じたとおり、Googleは今朝、Search Console内の検索アナリティクス用の新しいAPIのローンチを公式に報じた

検索アナリティクスAPIを利用することで、Webマスターはツールをプログラミングし、検索アナリティクス内のデータを直接レポーティングすることができるようになった。

この新しいAPIについての技術的なドキュメントは、こちらで読むことができる。

API内でフィルターとパラメータを定義し、検索トラフィックのデータにクエリを投げる。すると、行を特定するキー(row keys、または、dimensions)でグループ化されたデータが返ってくるが、1日以上の日付を設定しなければならない。特定の日付がdimensionsで設定されると、この特定の日付以外のデータは、結果リストから除外される。結果リストはクリック数(降順)でソートされるが、2つの行のクリック数が同数の場合、任意の順でソートされる。

Googleが挙げている、このAPIを使用して取得できるデータの例を下記に記載する。

繰り返しになるが、検索アナリティクスAPIのアクセスは、こちらから行える。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Confirmed: Google’s New Search Analytics Search Console API Now Available」を翻訳した内容です。

色々と便利な検索アナリティクスですが、より詳細なデータを取得できるAPIとなっています。上記のコメントでも触れたとおり、データ量の増加は実現しませんでしたが、Googleも色々と取り組んでいる気配はあります。一度に全てを実現することも難しいため、まずは、今回リリースされたAPIで色々と試してみるのもいいかもしれません。

続きを読む Googleが検索アナリティクス用の新しいAPIを公開!!

パンダアップデート4.2がついに更新!!10ヶ月の期間を経て、徐々にロールアウトされる見通し。

待ちに待った(?)パンダアップデートが更新されたようです。GoogleがSearch Engine Landに報告したところ、先週末から行われてるとのことです。(下記の記事では、原文通り、”今週末”と表記しています。)先日、ファントムアップデートの記事を掲載しましたが、時期がズレているので別物かと思われます。今回の更新は非常にゆっくりとしたスピードであり、現状の影響範囲は限られているようです。Googleは英語圏の影響範囲を述べていますが、SMX Advancedでゲイリー・イリーズ氏に確認したところ、全地域同時発生と答えてくれています。詳細なデータや情報は不十分でありますが、まずは、速報記事としてお伝えします。– SEO Japan

Googleがパンダアップデートの更新が今週末に開始されていたことを認めた。しかし、完全にロールアウトされるには数ヶ月かかるとのこと。

GoogleがSearch Engine Landに伝えてくれた。今週末にパンダアップデートの更新を行っていたということだ。

多くの人がパンダアップデートの更新に気がついていないのも無理はない。なぜなら、今回のロールアウトは非常にゆっくりと開始されているからだ。Googleは、完全にロールアウトされるには数ヶ月かかる可能性があると述べている。あなたのサイトへの影響は徐々に現れるだろう。パンダアルゴリズムはサイト単位に影響を与えるアルゴリズムだが、一部のページには、すぐには、変化が見られないかもしれない。

最後にパンダアップデートの更新が行われたのは10ヶ月も前である。2014年9月25日に起こったパンダ4.1である。これは28回目のアップデートであったが、私は29回目、もしくは30回目のアップデートと見ている。なぜなら、2014年10月に小規模な変動があったからだ。

私が知る限りでは、今週末のアップデートに気がついたWebマスターは非常に少数であった。しかし、これは当然のことであるのだ。それほど、今回のロールアウトはゆっくりとしているものなのである。

Googleによると、英語でのクエリの2-3%に影響を与えているという。

新たなチャンスを得るサイトと新たなペナルティを受けるサイト

正しい変更を行っていれば、前回のパンダによってペナルティを受けたサイトにとっては、ロールアウトは順位回復の可能性を意味する。以前のパンダによるペナルティを受けたサイトにとっては不幸なことではあるが、順位回復がすぐには見られないだろう。しかし、時間をかけて徐々に回復してくだろうから、順位の変動には注目してよいかもしれない。

今回の更新は、過去の数あるパンダアップデートとは状況が異なっている。過去のアップデートでは、Googleからのトラフィックの大規模な増減をすぐに確認することができていた。

下記に、今まで行われたパンダアップデートをまとめておく。その内の幾つかはAKA (also known asの略。よく知られている別名)も併せて記載している。

*今回の記事では過去のパンダアップデートのリストは省略しています。
原文には記載されていますので、興味のある方はご確認下さい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Panda 4.2 Is Here; Slowly Rolling Out After Waiting Almost 10 Months」を翻訳した内容です。

アップデートの更新にとらわれることも良くないことと思いつつ、やはり、気になっていたところもありました。今回の更新は過去のアップデートとかなり状況が異なるようですが、本質的な部分は変更がないでしょう。パンダアップデートの次はペンギンアップデートやモバイルアップデートに意識が向いてしまうかもしれませんが、一番必要な作業を常に頭に入れておきたいところですね。-SEO Japan