Group NineのSPACが株式公開、約208億円を調達

Group Nine Media(グループナインメディア)は2020年12月、買収資金調達のためSPAC(特別目的買収会社)を設立したと明らかにした。

同社は現在、計画を進めており、米国時間1月14日にSPACのIPO価格を1ユニット当たり10ドル(約1040円)に設定し、合計2億ドル(約208億円)を調達したと発表した。現在はNASDAQでティッカーシンボル「GNACU」で取引されている。1月15日米国東部時間午後2時53分現在、株価は6.55%上昇した。(最終的にクラスA普通株式は、GNACとしてワラントはGNACWとして別々に上場される)。募集は1月20日に終了する予定だ。

Group Nine自体と同様、買収会社もCEOのBen Lerer(ベン・レラー氏、上の写真)がリードした。Imagination Capital PartnerのRichard D. Parsons(リチャード・D・パーソンズ)氏とRedditの最高執行責任者であるJen Wong(ジェン・ウォン)氏も取締役会に加わった。

Group Nineは、Discoveryの支援を受けてThrillist、NowThis、The Dodo、Seekerを合併して2016年に形成されたその後PopSugarを買収し、共同創業者のBrian Sugar(ブライアン・シュガー)氏がGroup Nineと現在のGroup Nine Acquisition Corpの両方の社長に就任した。

「白紙小切手」会社としても知られるSPACは、企業が公開市場から資金調達する方法として人気が高まっている。Group Nineは最初の申請書類で「合併、株式交換、資産買収、株式買収、再編、または類似の企業結合を実現する目的」で、資金を使用すると述べている。

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消費者金融サービスのSoFiがSPACとの合併を通じて上場へ

消費者金融サービスのスタートアップSoFi(ソフィ)は特別買収目的会社(SPAC)であるSocial Capital Hedosophia Holdings Corp Vとの合併を通じて上場する。Social Capitalはベンチャーキャピタル投資家Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏が設立した一連のSPACの1社だ。

SoFiは合併を認め、声明によると同社のバリュエーションは86億5000万ドル(約8981億円)になる見込みだ。ここにはキャッシュ24億ドル(約2491億円)、確認された私募からの12億ドル(約1245億円)、SPACからの出資5億500万ドル(約524億円)、T. Rowe Priceがリードして2020年12月にクローズしたSoFiへの投資が含まれる。

SPACを通じてSoFiを上場企業にするという契約はここ数週間噂されていた。可能性のあるSPACとしてパリハピティヤ氏の名前を明らかにした最新のニュースは最初にロイターが報じている

元TwitterのCOOであるAnthony Noto(アンソニー・ノト)氏が現在率いるSoFiは、学生ローンでより良い融資条件を確保する手段を提供すべく、10年以上前に設立された。同社は商品をローンや投資、保険、そして現金や資産管理のツール(未訳記事)といった消費者向けのもに拡大してきた。2020年4月のGalileoの買収でB2Bの領域にも進出した。

SoFiは創業以来、何百万ドル(数億円)もの資金を調達し、直近のものはカタール投資庁やカタール拠点のプライベートエクイティとソブリンウェルスファンドがリードした2019年の5億ドル(約519億円)のラウンドだ。SoFiは直近では43億ドル(約4464億円)と評価された。

パリハピティヤ氏はSPACブームの祖としての功績がある。空白の小切手の会社としても知られるSPACは他の企業の合併や買収を目的として組成されている。ペーパーカンパニーが後に公開企業となる非公開企業との合併を意図してIPOで資金を調達する。過去18カ月で数多くのSPAC合併があった。

2017年にパリハピティヤ氏はSocial Capital Hedosophia Holdingsという自身の最初のSPACのために6億ドル(約623億円)を調達した。この資金は最終的に英国の宇宙旅行会社Virgin Galacticの49%の株式を取得するのに使われた。Social Capital Hedosophia Holdings Corp Vはパリハピティヤ氏の3つめのSPACだ。2つめのSPACは2020年にOpendoorと合併した。

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元アップルエンジニアによるLiDAR開発のAevaが上場を前に206億円調達

元Apple(アップル)のエンジニア2人が創業したLiDAR開発のAeva(アエヴァ)が上場に先立ち香港のヘッジファンドSylebra Capitalからプライベート投資で2億ドル(約206億円)を調達した。

カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くAevaは2020年秋に、特別買収目的会社(SPAC)のInterPrivate Acquisition Corpと合併し、ディール後の時価総額は21億ドル(約2166億円)だと発表した。Aevaによると、InterPrivateの普通株を保有するSylebraからの今回の資金調達により、上場後の調達額は5億6000万ドル(約578億円)超になる。

Aevaは以前、PIPE(限られた投資家を対象に行う私募形式の株式の売出)でAdage CapitalやPorsche SEなどから1億2000万ドル(約124億円)を調達した。InterPrivateが投入していた2億4300万ドル(約250億円)を含め、累計調達額はSylebraが追加投資する前で3億6300万ドル(約374億円)だった。

さらに重要なことには、Sylebraは投資の大半で1年固定契約に踏み込み、全適格株で合併を支持する。合併は2021年第1四半期にクローズする見込みだとAevaは述べた。

Aevaの共同創業者でCEOのSoroush Salehian(ソロウシュ・セールヒアン)氏は投資について、同社の事業モデルと成長プランへの「自信の多数票」と表現した。Aevaは調達した2億ドルをさらなるR&Dへの投資とクルマ、電化製品、産業アプリケーションといった主要特定分野におけるプログラムを大規模展開するのに使う、と同氏はTechCrunchへの電子メールで述べている。

「ここ数カ月、そうした分野で当社のユニークな4D LiDARテクノロジーに対する顧客の関心が高まってきています。追加のリソースによって当社はこの増大する需要によりすばやく対応できます」と同氏は話した。

光検出とレーダー距離測定のLiDARは車周辺の高精度な3D地図を作成するのにレーザー光を使って距離を測定する。Aevaの創業者であるセールヒアン氏とMina Rezk(ミナ・レズク)氏は「4D LiDAR」と呼ぶものを開発した。太陽やその他のセンサーの干渉を抑制しながら、距離に加えて範囲はそのままにすぐさま速度も測定できるというものだ。同社のFMCWテクノロジーは省電力でもあり、知覚ソフトウェアに盛り込むことができる。

LiDARセンサーは、自動運転車の商業展開に必要不可欠なものと広くとらえられている。ただ、このセンサーには多くのユースケースがあり、自動運転車の商業展開への道のりが思っていたよりも長いものになるとわかってから、LiDAR開発会社は他のユースケースを追求し始めた。ここ2年間、自動車メーカーはLiDARを消費者に提供する新しい乗用車、トラック、SUVの高度ドライバーアシスタンスシステムの能力や安全性を高めるために使われる重要なセンサーとして考えられるようになってきた。Aevaのテクノロジーは、主に自動運転車両と高度な運転アシスタンスシステムでの使用を想定して開発されてきた。そしてこのテクノロジーは電化製品での活用でも関心を呼び起こしている、とセールヒアン氏は述べた。

従来のIPO手法を回避してSPAC合併を通じて上場するLiDAR企業はいくつかあるが、Aevaはそのうちの1社だ。VelodyneとLuminarもまた上場企業になるためにSPACと合併した。LiDARスタートアップのOusterは2020年12月にSPACのColonnade Acquisition Corpとの合併を通じて上場することに合意したと発表した。

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買収でデジタルメディアの整理統合を目指すGroup Nine Mediaが資金獲得のためSPAC設立

ThrillistとNowThis、The Dodo、Seeker、PopSugarを所有するGroup Nine MediaがSECに提出した文書によると、同社はSPACを作る最新の企業になるらしい。

SPAC(特別買収目的会社)と呼ばれるこの特殊な企業は、作った時点では中身がないため白紙小切手企業とも呼ばれているが公開市場から資金を調達する方法として人気になっている。提出文書によるとGroup NineはSPACを「合併と資本株式の交換、資産取得(企業買収)、株式購入、再編成または同類企業の結合を可能にする」ために作ろうとしている。

さらに続けて同社は、特定の買収ターゲットを想定しておらずそれに関する「いかなる実質的議論」もなかった、と主張している。関心があるのはデジタルメディアであり、また「それに隣接する産業」すなわちソーシャルメディアやeコマース、イベント、デジタル出版、マーケティングなどの業種だ。

デジタルメディア企業の資産の整理統合は、何年も前から何度も持ち上がるテーマだった。たとえばBuzzFeedのCEOであるJonah Peretti(ジョナ・ペレッティ)氏は、整理統合されたデジタルメディアエンティティ(NYTimes記事)には、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)と交渉できるより強力な力があると述べ、実際に彼は最近、TechCrunchのオーナーであるVerizon MediaからHuffPostを買収した。

Group Nine自身も、それまで独立のデジタル企業だった複数企業の集合体であり、それをCEOのBen Lerer(ベン・レラー)氏が束ねて仕切り、2019年にはPopSugarを買収して(未訳記事)大きくなった。The Wall Street Journalが最近の記事で、同社がSPACを検討中と報じている。

「デジタルメディアの分野は現在、整理統合の好機と思われる。デジタルメディア企業はそのエコシステムの中で競合し、長期的には株主に価値を還元するために、力のあるポートフォリオをインフラとして持つスケールアップしたプラットフォームであることを必要としている」とGroup NineのSEC文書には書かれている。

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電動バスとトラックのThe Lion Electricが量産を目指しSPACで上場へ

カナダの電動トラックとバスのメーカーThe Lion Electric Companyの米国時間11月30日、特別買収目的会社(SPAC)であるNorthern Genesis Acquisition Corpとの合併による上場計画を発表した。

合併後の同社はニューヨーク証券取引所に上場されるが、合併時の評価額は19億ドル(約1980億円)になる。両社は非公開株への投資で2億ドル(約210億円)を調達しており、約3億2000万ドル(約330億円)のキャッシュを保有する。

最近は電動車のメーカーが量産能力を獲得するためにSPAC経由で上場するケースが増えているが、今回はその最新の例となる。これまでArrival、Canoo、Fisker、Lordstown Motors、Nikola Corp.などが2020年にSPACによる合併を発表している。

Lionの場合、合併後のキャッシュは米国内の工場建設と、同社の先進的なバッテリーシステムの開発など同社の成長のために使われる。Lionは現在、カリフォルニア、イリノイ、インディアナ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、オレゴン、ペンシルベニア、ワシントン、そしてウィスコンシンの9つの州の10カ所の再開発用地を検討している。同社によると、用地買収と整地は2020年内に行い、まだ名前もない工場の操業開始は2023年初頭の予定となっているという。

Lionはすでに、中型でヘビーデューティーな都市型の全電動トラックを、年産能力2500台の工場で生産している。現在、約300台が路上にあり、2021年には650台のトラックとバスを出荷する計画だ。すでにAmazon(アマゾン)との契約もあり、同社の「ミドルマイル」(中継輸送)のために10台が納車される予定だ。

この合併の完了は2021年の第1四半期を予定している。Lionの社名でニューヨーク証券取引所に上場され、ティッカーシンボルは「LEV」になる。LionのCEOで創業者のMarc Bedard(マーク・ベダード)氏は、現職に留まる。合併後の同社には、9名の取締役を擁する取締役会があり、ベダード氏の他に、会長としてPower SustainableのPierre Larochelle(ピエール・ラロシェル)氏、そしてAlgonquin Power & Utilities Corp.の創業者Ian Robertson(イアン・ロバートソン)氏とChris Jarratt(クリス・ジャラット)氏も加わる。

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投資家ジェイソン・グリーン氏がSPACの展望と従来型IPOとの比較について語る

Jason Green(ジェイソン・グリーン)氏はベンチャーキャピタリストとして揺るぎない評価を得ている。同氏が17年前に共同創業した、企業を対象とするファンドであるEmergence Capital(エマージェンスキャピタル)はSaleforce、Box、Zoomなど多くの企業に投資している。いまやあらゆるファンドがサービスとしてのソフトウェア(Software-as-a-Service)のスタートアップに投資している一方で、同氏のファンドは法人向けの製品やサービスを販売する多くのトップ創業者が頼りにする存在だ。

グリーン氏の投資分野に影響を与えるトレンドについて詳しく知るため、先週の終わりに、SPAC(特別買収目的会社)からバリュエーションまで、また現在競合している多くのライバルとの差別化について同氏と対談を行った。以下は、その内容を短く編集した抜粋版だ。

TechCrunch(以下、TC):SPACは十分な収益を生み出していないがために従来のルートで公開できない企業向けだという評価についてどう思いますか。

ジェイソン・グリーン氏(以下、JG):ええ、そうですね、これからが本当におもしろいと思います。SPACにとって2020年は特筆すべき年になりました。正確な数は覚えていませんが、今年SPACが調達した資金は500億ドル(約5兆2000億円)に上ります。すべてのSPACが今後12~18カ月以内にその資金を目的に沿って投入する必要があります。投入できなければ返還されます。そしてSPACが買収したいと考える対象には信じられないほどに蓄積された需要があります。チャートのトップに顔を出す企業、つまり高成長で収益性の高い企業は、おそらく従来のIPOを選択するだろうと私は想像します。

SPACの(合併)候補企業は、急速に成長していて将来の公開企業としての魅力を備えてはいるが、チャートのトップに躍り出るほどではない企業になるでしょう。スポンサーが狙うのは、おそらく上位四分位(25%)の公開企業よりも少し成長は遅いが利益を計上している企業か、成長は速いが多額のキャッシュをどんどん使っており従来のIPO投資家を軒並み怖がらせてしまうような企業だろうと思います 。

TC:CEOらと、その道を選ぶべきか話し合っていますか。

JG:我々はそうした会話をちょうど始めたばかりです。ポートフォリオには、おそらく来年または2年以内に公開企業になる企業がいくつかあるため、検討すべき選択肢になることは間違いありません。ポートフォリオには近々何かが起こりそうな企業はありません。ほとんどの起業家は、従来の方法による公開を多少なりとも夢として持っていますが、SPACは若干魅力が劣ると思われます。公開前にもう1つプライベートラウンドを検討する可能性がある企業にとっては、「プライベートプラス」ラウンドといったところです。いわば、どっちつかずの位置づけですので、検討中の企業があるとすればまだ公開の準備が整っていない企業でしょう。

TC:SPACによる資金調達の多くは、パブリックウィンドウ(公開市場からの調達の機会)が閉じられてしまうかもしれないという時期における不確実性への対応のようにも見えました。選挙が終わったいま、不確実性は減ったと思いますか。

JG:選挙以降もリスクと不確実性は減少していないと思います。現在、政治的には依然として不確実性が存在します。最近、ワクチンやその候補に関していくつかの本当に良い発表がありましたが、パンデミックが再び著しい規模で出現しました。ですから、物事はさまざまな方向性に進む可能性があるといえます。

一般に公開市場というのは、より質の高い機会に引き寄せられる傾向がある環境です。その結果、企業の数は少なくなりますが、質は高くなります。そこにSPACが役割を果たす余地が生じます。2021年の前半には、SPACの方が公開企業に転じる可能性が高くなることが容易に想像できます。来年も後半に入り、ワクチンが投入され、人々がそれなりに通常の状態に戻ったと感じれば、従来のIPOが復活することになると思います。

TC:約1年前にお会いした(未訳記事)とき、Emergenceは年間1000件の取引を検討し、25件のデューデリジェンスを行い、資金を提供するスタートアップは毎年ほんひと握りだとおっしゃいました。2020年に入り、どう変化しましたか。

JG:過去5年間でほぼ完全に変わったと思います。現在の我々はデータ主導、仮説主導のアウトバウンドファンドであり、起業家が会社を設立しまたはシードファイナンスを獲得した後に、連絡を取ります。我々が行った直近の3つの投資はすべて、実際の資金調達プロセスを始める1年から18カ月前には関係を構築していました。信頼関係を築くために必要なのはそれだと思います。なぜなら、その結果、資金調達を非常に迅速に行うことができたからです。

2020年はおそらく、我々のファンドの歴史の中でかつてなかったほど多くの投資を行うと思います。新型コロナウイルスを考れば驚くべきことです。我々はパイプラインを積み上げ、確信を得るために必要な能力を磨くことができたと思います。そしてこの市場環境で、我々の投資対象を拡大するのにZoomが本当に役立っています。我々が見ている会社はおそらく50~100%増加しました。時間をかけて会社の数を減らしていき、チームとして深掘りしたい20~25社に絞ります。

TC:あなたの考えを理解したい創業者のためにお聞きします。いま、あなたにとっておもしろいものは何ですか。

JG:我々のファンドは一度に3つの主要なテーマに焦点を当てる傾向があります。1つは「コーチングネットワーク」と呼ばれています。これはAI、機械学習、人間同士の相互作用の重なる領域です。セールスエンゲージメントプラットフォームのSalesLoft、ナレッジマネジメントシステムのGuru、手動の工場組立ラインのビデオ分析を提供するDrishtiなどの企業は、このカテゴリーに分類されます。

2番目のテーマは、個々の業界にもっと深く入り込むものです。Veeva(Bloomberg記事)は、ヘルスケアとライフサイエンスの分野の初期の最良の例でした。現在、輸送の分野でp44と呼ばれる企業があり、非常に順調です。ヘルスケア分野のDoximityは医師向けのLinkedInのように深く浸透しており、いくつかのリモートヘルス機能を備えています。そして金融サービス分野には融資会社のBlendがいる。これらの企業はクラウドソフトウェアを採用しており、業界の最も重要な問題に深く取り組んでいます。

3番目のテーマはリモートワークの周辺領域です。Salesforceが何年かかけてプラットフォームになったように、Zoomもほとんどプラットフォームとなりました。Zoomは明らかに我々の投資の中でも最高のものでした。我々はClassEDUという会社に資金を提供しました。これはZoom上で提供される教育市場向けサービスです。Snowflakeもプラットフォームになりつつあります。新しい機会は単に次のコラボレーションツールを考え出すことにあるわけではありません。特定の用途または業種に深く入り込むことにあります。

TC:ここ数年であなたが見逃した会社と得た教訓について教えてください。

JG:我々には恥の殿堂があります(笑)。我々が同じ会社に投資していたとしても、同じことが起こったと考えるのは危険だと思います。交渉のテーブルに同席したその投資家だったからこそ、会社の結果に違いをもたらしたのだと私は信じています。私は逃した機会に関して自分をあまり責めないようにしています。会社が成功するにあたり、(我々が関与するよりも)良い組み合わせや投資家に出会ったかもしれないからです。

しかし、CoupaのRob Bernshteyn(ロブ・バーンシュタイン)氏は、彼がSuccessFactors(同社の製品マーケティング担当副社長だった)にいたときから知っていて、私はいつも彼を尊敬し、気に入っていました。我々は常に同社のバリュエーションの推移を追いかけていました。確か8000万ドル(約83億円)か1億ドル(約104億円)のバリュエーションだといわれて我々は断りました。現在は200億ドル(約2兆800億円)で評価されています。夜、眠れなくなるには十分の経験です。

その時点では、(投資対象の)事業に関してリスクや懸念があったり、より積極的になることをいとわない人々が他にいたりして、機会を逃すことがあります。我々のビジネスの素晴らしいところは、ゼロサムゲームではないという点です。

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(翻訳:Mizoguchi

走行距離で課金する自動車保険のMetromileがSPACを通じて公開市場へ

2020年初め、新型コロナウイルスにともなう経済の不確実性により、スタッフの3分の1を解雇した「Pay-per-mile」(従量制)自動車保険の会社であるMetromile(メトロマイル)が、SPAC(特別目的買収会社)を通じた公開市場への道を進んでいる。

2011年創業で、CEOのDan Preston(ダン・プレストン)氏が率いる同社は、SPACであるINSU Acquisition Corp. IIとの合併契約に至ったと述べた(GlobeNewswire記事)。株式価値は13億ドル(約1350億円)だ。

MetromileはChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏の会社であるSocial Capitalがリードした投資ラウンドにおいて、公開会社への私募増資(PIPE)により1億6000万ドル(約170億円)を調達したと述べた。既存投資家からHudson Structured Capital ManagementとMark Cuban(マーク・キューバン)氏が、新規投資家としてMiller ValueとClearbridgeが参加した。Metromileは、クロージング時には約2億9400万ドル(約310億円)の現金を保有していることになる。

同社はその資金で既存の負債を減らし、成長を加速する。特に個人向け保険と法人事業を支えるために従業員を雇用し、進出地域を現在の8州から来年末には21州とすることを目標とする。2022年末までに全国をカバーする計画だ。

Metromileは、自動車保険のビジネスモデルの非効率性、特にユーザーの課金方法に革新をもたらしたことで知られる。Metromileはユーザーに対し、標準的な定額料金の代わりにマイレージ(走行距離)に基づいて課金する。マイレージは車に装着する機器が計測する。Metromileによると、米国のドライバーの約3分の2は走行距離が少ないと考えられる。Metromileは、走行距離に応じて課金すると、ユーザーは従来の保険会社と比較して平均47%を節約できると話す。

同社はモバイルアプリも開発した。このアプリは、ユーザーが保険金の請求を行うことができるほか、たとえば街路清掃活動中に駐車違反の可能性をドライバーに警告するなどの機能もある。いまや30億マイル(約48億3000万km)のドライバーデータにより、同社はユーザーのコストを削減し、ユーザーの全体的なエクスペリエンスを向上するための予測モデルを構築することができる。

新型コロナのパンデミックは、ベイエリアで最も急成長していたスタートアップの1つ(未訳記事)であるMetromileにとって初めての逆風となった。Metromileは従業員の削減のため最終的に約100人を解雇した。同社は当時、パンデミックによる自宅待機勧告の影響を受けてユーザーの運転が減ったと語った。またパンデミックにより、米国のドライバーは減った走行距離を支えてくれるような保険を探し回るようになった。

投資家のキューバン氏は、MetromileのSPACに関する発表の中に同社の事業の可能性を見出したと語っている。

「経済的困難、失業、在宅勤務の時期にMetromileは保険の重要な選択肢を提供してくれます」とキューバン氏は述べた。「1マイル(約1.6km)ごとに保険料を支払うという選択肢はまさにゲームチェンジャーであり、Metromileの将来に私が信じられないほど興奮している理由です」。

Social Capitalのパリハピティヤ氏も同様に強気で、米国時間11月24日火曜日に「バフェットはGeicoを保有しました。私はMetromileを選びます」とツイートした

Metromileはこの春に一時解雇したスタッフを再雇用し、従業員を取り戻した。現在、同社には230人以上の従業員がおり、将来的に従業員が減少することはないとの見通しだ。それどころか、同社はTechCrunchに、個人と法人向けの両方が今後数年で「かなり」成長すると見込んでおり、追加のスタッフを雇う予定だと語った。

合併は2021年第1四半期に完了する予定。合併後の会社はMetromile Inc.,と名付けられ、NASDAQ(ナスダック)に新しいティッカーシンボル「MLE」で上場を維持する。

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(翻訳:Mizoguchi

MS Officeのサポート企業AvePointが企業価値2100億円でSPAC経由の上場へ

AvePointは、Microsoft Office 365やSharePoint、Teamsなどを使っている企業に、それらに対するコントロールレイヤーを提供している。同社は米国時間11月23日、Apex Technology Acquisition CorporationとのSPAC合併で上場すると発表した。この取引でAvePointの価値はおよそ20億ドル(約2090億円)になる。

この買収で、テクノロジー業界の強力な役員たちが一堂に会することになる。Apexを経営しているのは元OracleのCFOであるJeff Epstein(ジェフ・エプスタイン)氏と、元Goldman Sachsの技術投資銀行部門のトップBrad Koenig(ブラッド・ケーニッヒ)氏で、2人はこれからAvePointのCEOであるTianyi Jiang(ティエンイー・ジャン)氏と密接に協働することになる。Apexは2019年9月に、3億500万ドル(約318億円)のSPACを申請している

この取引の条件として、Apexの残高3億5200万ドル(約367億円)と、1億4000万ドル(約146億円)のプライベート投資がAvePointに引き渡される。取引の手数料とそのほかの報酬が支払われた後、AvePointのバランスシートには2億5200万ドル(約263億円)が計上されると予想される。AvePointの既存の株主は合併後の法人の約72%を保有し、残りをApex SPACとプライベートな投資のオーナーたちが手にする。

ジャン氏は、これが同社を成長させる方法と考えており「上場によって弊社はこの要求に応えられるようになり、プロダクトのイノベーションとマーケティングの進展、国際市場、および顧客の成功のためのイニシアチブなどすべてにわたって、より高速なスケールアップが可能になる」と述べている。

AvePointは2001年に、SharePointのインストールの複雑性を緩和する企業として創業された。当時のインストールは、すべてオンプレミスだった。現在、同社はSaaSツールとしてクラウドへのシフトに適応し、主に社員たちがこれらのツールを確実なコンプライアンスのもとに使っていることを、企業が確認できるためのポリシーレイヤーとして動いている。

同社は1月に、Sixth Street Partners(元TPG Sixth Street Partners)がリードするラウンドで2億ドル(約209億円)を調達(未訳記事)し、これに以前の投資家であるGoldman Sachsが参加した。現在Apexのケーニッヒ氏はそのときの投資を通じて、AvePointを知ったと思われる。

今回の発表前までの同社の調達総額は2億9400万ドル(約307億円)で、2020年の予測年商は1億5000万ドル(約156億円)、ARR(年間経常収益)の成長率は30%以上と見られる。なお、同社の年商とARRは2019年の第1四半期以降、成長が続いている。同社の予測では次の2年間も成長が大きく、2022年末では売上2億5700万ドル(約268億円)、ARRは2億2000万ドル(約299億円)を予想している。

画像クレジット:AvePoint

この取引は、2021年最初の四半期に完了すると予想されている。完了後も同社の名前はAvePointのままであり、チッカーシンボルAVPTでNASDAQに上場される。

カテゴリー:ソフトウェア
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

LiDARのスタートアップAevaが特別目的買収会社との合併により株式公開、「4D LiDAR」の開発を進める

カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くLiDAR企業のAeva(エイバ)は、Apple(アップル)でエンジニアだった2人が創業し、Porsche SE(ポルシェSE)の支援を受けていた。同社はSPAC(特別目的買収会社)であるInterPrivate Acquisition Corp(インタープライベート・アクイジション・コープ)と合併した。合併取引後の時価総額は21億ドル(約2200億円)だ。

プライベートエクイティ投資家のAhmed Fattouh(アーメド・ファトー)氏がリードしたInterPrivateとの取引は、2021年初頭までに完了する予定だ。Aevaは従来のIPOを避け、SPACとの合併によって公開する最新の企業となった。Velodyne(ベロダイン)とLuminar(ルミナー)に続いて、このルートで公開市場に参入した3番目のLiDAR会社でもある。

LiDAR、すなわち光検出および測距レーダーは、距離を測定する。新興の自動運転業界の多くの人から、重要かつ必要なセンサーとみられている。Velodyneは長い間LiDAR業界を支配し、ほとんどの自動運転車の開発者に製品を提供していた。Velodyneから市場シェアを奪うことを目指して、過去数年間に数十のスタートアップが現れ、テクノロジーとビジネスアプローチの独自性をを売り込んだ。

従来のLiDARセンサーは、可視スペクトル外の高出力の光パルスを送信し、各パルスが戻るまでにかかる時間を追跡することで、距離が決定できる。パルスが戻ってくると、パルスが当たった方向と距離が1点として記録され、最終的に3Dマップが形成される。

Aevaの創業者であるSoroush Salehian(ソルーシュ・サレイアン)氏とMina Rezk(ミナ・レズク)氏は、「4D LiDAR」なるものを開発した。これは、太陽や他のセンサーからの干渉を防ぎつつ、測定範囲を保ったまま距離と瞬間速度を測定できる。同社のFMCWテクノロジーは消費電力も少ないため、知覚ソフトウェアを織り込むことができる。同社の技術は主に自動運転車や先進運転支援システムで使うために開発されたが、サレイアン氏は同社の技術が家電製品からの関心を集めているとも述べた。

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「この取引は、4D LiDARの開発を進め、加速する機会だとみています。それが次のレベルのADASや自動運転車両の生産につながります。重要なこととして、特に消費者向けデバイスアプリケーション向けシリコンフォトニクス上に構築されたチップレベルのLiDARの使用に大きな関心が寄せられています。当社のテクノロジーがより広い範囲の機能を提供でき、日光や測定時の動きによる劣化がないためです。これにより、進んだARやVR、さらにその先を行く新しいアプリケーションセットの可能性が開かれます」とサレイアン氏はTechCrunchへのメールで述べた。 「Aevaは私の知る限り、このような価格で自動車および民生用デバイスアプリケーションの高性能要件を満たすLiDARオンチップテクノロジーを提供できる唯一の企業です。そして今こそ、チャンスをつかむのにふさわしい時期だと感じています」。

Aevaのテクノロジーは、VW(フォルクスワーゲン)グループの筆頭株主であるPorsche  Automobil Holding SE(ポルシェ・オートモービル・ホールディングSE)の支援を受けているだけでなく、多くの提携や顧客を獲得している。Aevaは2020年9月、自動車グレードの4D LiDARを供給するために、ティア1メーカーのZFとの製造パートナーシップを発表した。

合併後の会社名はAevaIncに変わり、ニューヨーク証券取引所で上場を維持し、ティッカーシンボル「AEVA」で取引される予定だ。

Aevaは、Adage CapitalとPorsche SEからの投資を含め、公開企業への私募増資(PIPE)で1億2000万ドル(約130億円)を調達することができたと述べた。合併後の会社の総収入は約3億6300万ドル(約380億円)となる。内訳は、InterPrivateが信託している2億4300万ドル(約250億円)とPIPEによる1億2000万ドル(約130億円)だ。Lux Capital、Canaan Partners、Lockheed Martinを含むすべてのAevaの株主は、Aevaが上場企業に移行するまで持ち株を保有し続ける。

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タグ:AevaLiDARSPAC

画像クレジット:Aeva

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(翻訳:Mizoguchi

SPAC(特別買収目的会社)がブームだが、女性投資家はほとんどいない

SPAC(特別買収目的会社)ブームを追いかけている人なら、株式公開された非公開企業を買収するためのブランクチェックカンパニーが続々と現れていることにお気付きかもしれない。こうした企業は主に男性によって組織されている。

銀行やベンチャー業界において財務の上級職に就く女性が比較的少ないことを考えれば、驚くことではない。しかし、この傾向に弾みがついた場合、すでに貧富の差を克服しようと躍起になっている女性が取り残されるのではないかという疑問も生じている。

女性投資家は少なくとも1人の女性創業者がいるスタートアップに2倍、女性CEOがいるスタートアップに3倍投資する傾向があることが調査で示されていることを考えてみよう。女性主導のSPACが、合併して株式公開する女性主導の企業を特定する傾向が強まることは想像に難くない。

また、SPACのスポンサーは多額の報酬を得ることができる。SPACが2年以内の合併を目指している場合、スポンサーは通常、投資家を確保した上でターゲット企業を説得する。そして提示された条件を受け入れるよう説得する見返りに、SPACの設立者の株式の25%を受け取るのだ。実際、SPACの業績がひどいものであっても(例えば合併した企業が後に詐欺で告発されるなど)、スポンサーには報酬が支払われる。

Eventbrite(イベントブライト)の共同創設者であるKevin Hartz(ケビン・ハーツ)氏は2億ドル(約210億円)のSPACを管理しているが、8月に次のように語っている。「2億ドルのSPACには5000万ドル(約53億円)の 『プロモーション』が入ります。しかしその会社が業績を上げず、例えば1年か18ヶ月で資金が半分になったとしても、株価は2500万ドル(約26億円)のままです」。ハーツ氏自身はこの保証された支払いについて「ひどいことです」と述べていたが、同氏とSPACのパートナーであるTroy Steckenrider(トニー・ステッケンライダー)氏は、SPACの最初のスポンサーとして物事を単純にしておきたいと、組織の構造は変えなかった。

現在のSPACブームでは、女性が完全に行方不明になっているわけではない。Axios(アクシオス)が先に報じたように、2018年にカリフォルニア州で可決された州法のおかげで、カリフォルニア州に拠点を置くほとんどすべてのSPACには女性ディレクターがいる。

特にこの2週間で、SECに登録するための少なくとも3つのSPACが、女性のスポンサーによって、排他的に、または部分的に立ち上げられた。ニューヨークを拠点とする投資家Hope Taiz(ホープ・タイズ)氏は、Drexel Burnham Lambert(ドレクセル・バーナム・ランバート )で投資銀行業務のキャリアを積み始めたが、今週、SECに3億ドル(約316億円)のブランクチェックカンパニーAequi Acquisition(アエクウィ・アクイジション)を設立する計画を届け出た

一方、雑誌編集者のJoanna Coles(ジョアンナ・コールズ)氏が率いる消費者中心のSPAC、Northern Star Acquisition(ノーザン・スター・アクイジション)は先週、3億ドル(約316億円)のIPOを申請し、気候変動技術に焦点を当てたSPACのClimate Change Crisis Real Impact I Acquisition(クライメイト・チェンジ・クライシス・リアル・インパクトIアクイジション)はIPOで2億ドル(約211憶円)を調達した。このブランクチェックカンパニーを率いるのはGreen Mountain Power(グリーン・マウンテン・パワー)のCEOであったMary Powell(メアリー・パウエル)氏だ。

SPACのスポンサーであるBetsy Cohen(ベッツィー・コーエン)氏は、金融サービス企業Bancorp(バンコープ)の創設者であり元CEOでもあるが、実際にSPACを利用して、これまでに4つのフィンテック関連のシェルファームを設立しており、直近では先月7億5000万ドル(約790億円)を調達している。興味深いことに、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)Jefferies(ジェフリーズ)のSPACプログラムはどちらも女性が主導している。

このような発展を考えると、女性がこのゴールドラッシュを見逃すのではないかと心配する人もいるかもしれない。とはいえ、今年500億ドル(約5兆2600億円)以上を調達した133のSPAC(最新の集計による)のうち、女性主導のSPACはごく一部にすぎない。

さらに、これまでこのプールに飛び込んできた伝統的なテック投資家は、何十ものSPACを念頭に置いているSocial Capital(ソーシャルキャピタル)のChamath Palihapitiya(カマス・パリーハピティヤ)氏を始め、ハーツ氏とステッケンライダー氏、起業家投資家のReid Hoffman(リード・ホフマン)氏とMark Pincus(マーク・ピンクス)氏、Ribbit Capital(リビットキャピタル)のMickey Malka(マイヤー・マルカ)氏、元Uber(ウーバー)幹部のEmil Michael(エイミル・マイケル)氏FirstMark Capital(ファーストマークキャピタル)の創設者など、もっぱら男性だけだ。

対する女性が注意を怠っているわけではない。私たちが話をした多くのトップ女性VCは、行動に従い、参加する方法を検討していると述べている。そうした著名な投資家の1人は、どのような状況でVCファームがSPACの設立に関与することが理にかなっているのかについて調査していると語った。

他の投資家は、まずポートフォリオ企業を通じてSPACへのエクスポージャーを得ようとするかもしれない。例えばConstruct Capital(コンストラクトキャピタル)のDayna Grayson(ダイナ・グレイソン)氏は、3Dプリント会社Desktop Metal(デスクトップメタル)への初期投資を主導したが、これはSPAC主導の取引で株式公開されることになっており、NEAのパートナーでもある。グレイソン氏はTechCrunchの最近のDisruptイベントでDesktop Metalについて話し、SPACを「企業にとって新しい可能性のある素晴らしい選択肢です」と表現した。

いずれにしても、元投資銀行家で現在はデータサイトSPACInsider(SPACインサイダー)を運営しているKristi Marvin(クリスティ・マービン)氏によると、今はパニックに陥る時ではないという。

その根拠の一つとして「ほとんどの銀行業務ではSPACは男性に偏っています」と説明する。SPACを後援している男性はもっと多いことが想定される。マービン氏による視点では、SPAC市場は過熱気味なので、今しばらく待つのも理にかなっているかもしれない。「同じ日に10件の取引を成立させようとすると、投資家は締め出されます」。

また、SPACには、一部の人が過小評価するような学習曲線が必要だ。「ヘッジファンドやPEファームがSPACに関与しているのはそのためです。インフラが整っているのとは対照的に、3人のスタッフが管理面だけで大変な仕事をしています」と彼女は語る。

マービン氏は、他の金融商品と同様に、時間の経過とともにSPACを受け入れる女性が増えると予想している。特に、多くの初期の支持者が示唆するように、SPACに耐久性があることが証明されればそうなるだろう。「1、2年たっても、まだSPACに足を踏み入れるのが男性のVCだけなら、それは問題かもしれません」と付け加えた。

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タグ:SPAC / 特別買収目的会社

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(翻訳:Dragonfly)