中国が月面のフルカラー高解像度写真を一挙公開

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中国国家航天局は、同国による最新の月面着陸で撮影した全画像を公開した。そこには、かつて見たことのないフルカラー、高解像度の月面写真が何万枚も掲載されておりダウンロードも可能だ。

Yutu Rover / Image Courtesy of Chinese Academy of Sciences / China National Space Administration / The Science and Application Center for Moon and Deepspace Exploration / Emily Lakdawalla

月面車Yutu/画像提供:Chinese Academy of Sciences / China National Space Administration / The Science and Application Center for Moon and Deepspace Exploration / Emily Lakdawalla

画像は月面着陸機Chang’e 3[嫦娥3号]および月面走行車Yutu[玉兎号]のカメラで数年前に撮影された。2013年12月、中国はロシア、米国の協力を得て月面軟着陸に成功し、世界で三番目にこの偉業を達した国となった。

中国のこの任務で特に注目されるのは、ロシアが37年前の1976年にLuna 24を着陸させて以来の月面軟着陸だったことだ。

現在、Science and Application Center for Moon and Deepspace Explorationのサイトに行けば、誰でもアカウントを作り写真をダウンロードすることができる。ただし、中国以外からアクセスすると接続がよくないため少々手続きが面倒かもしれない。

幸いなことに、惑星協会のEmily Lakdawallaが先週中国のデータベースを探索し、惑星協会ウェブサイトに中国の一連の月面写真を掲載してくれた。

Yutu rover tracks / Image courtesy of Chinese Academy of Sciences / China National Space Administration / The Science and Application Center for Moon and Deepspace Exploration / Emily Lakdawalla

月面車Yutuの走行跡/画像提供:Chinese Academy of Sciences / China National Space Administration / The Science and Application Center for Moon and Deepspace Exploration / Emily Lakdawalla

月面/画像提供:Chinese Academy of Sciences / China National Space Administration / The Science and Application Center for Moon and Deepspace Exploration / Emily Lakdawalla

月面/画像提供:Chinese Academy of Sciences / China National Space Administration / The Science and Application Center for Moon and Deepspace Exploration / Emily Lakdawalla

Change’s 3は中国神話の月の女神から名付けられ、月周回衛星Chang’e 1およびChang’e 2の任務を引き継いだ。Chang’e 3の任務は軟着陸および月面走行に必要な同国の主要テクノロジーを誇示することだった。このミッションでは望遠鏡等の機器による月面の地質学的分析も遂行された。

Chang'e 3の月面着陸位置/画像提供:NASA

Chang’e 3の月面着陸位置/画像提供:NASA

質量1200kgのChang’e着陸機は、「雨の海」と呼ばれる月面位置に到達後、140 kgの月面車Yutu(「翡翠の兎」の意)を配置した。Yutu月面車は6輪で、レーダー機器、X線、可視および近赤外分光計(様々な波長の光の強度を測定する機器)を装備している。Yutuの地質分析結果は、月面がこれまで考えられていたほど均質ではないことを示唆した

NASA Lunar Reconnaissance Orbiter image of the Chang'e Lander (large white dot) and Yutu Rover (smaller white dot) / Image courtesy of NASA, GSFC, and Arizona State University

NASAルナー・リコネサンス・オービターが撮影した着陸機Chang’e(大きな白い点)と月面車Yutu(小さな白い点)の写真/画像提供:NASA、GSFC、およびアリゾナ州立大学

Yutuは月の極寒の夜に耐えることができなかったため、2014年初めに深刻な移動問題が発生し、月面を縦横に移動できなくなった。しかし、すばらしいことにYutuはデータの収集、送信、および信号の受信、画像・ビデオを記録する能力を2015年3月まで維持した。

地球との送受信の任務を担った月面車Yutuは、現在稼動していない。

中国の継続ミッションであるChang’e 4は、2018年初めには発射され、月の裏側に着陸する計画だ。もし成功すれば、中国は月の裏面を探索する最初の国になる。

Chang’e シリーズによって中国は、NASAと異なり、火星ではなく、月の探査に集中していることを示してきた。しかし、月に目を向けているのは彼らだけではない。Google Lunar Xprizeを通じて、いくつもの民間企業が、月面に軟着陸できる宇宙船を数年以内に計画している。

その中の一社であるMoon Expressは、月に宇宙船を軟着陸させる最初に民間企業になる計画で、2017年の宇宙船発射を既に確定させている。

人間が最後に宇宙船を月に軟着陸させてから40年近くが過ぎた。しかし、次の10年には、われわれが経験したこともない月面探険の波を見ることになるだろう。中国国家航天局がリソースを月面探査に宛て、民間企業が月面資源で利益を上げようと考えている今、月はこれまでよりずっと賑やかな目的地になろうとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、宇宙飛行士が地球に帰るためのパラシュートをテスト

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今日(米国時間1/27)NASAは、商用クループログラムに必要な、SpaceXの最終認定試験結果の一部を紹介するビデオを公開した。アリゾナ州クーリッジで行われた落下テストには、SpaceXのCrew Dragon着陸システムの一部となる巨大なパラシュート4基が使用された。

この落下テストでは、パラシュートはC-130貨物輸送機によって上空数千フィートまで運ばれた。SpaceXの宇宙船Crew Dragonの代わりに重りが使われ、パラシュートはCrew Dragonが国際宇宙ステーションから宇宙飛行士を連れ帰った時と同じように配置された。

ビデオでは、NASAの広報員が「こうしたテストによってエンジニアは飛行ハードウェアの信頼性を評価することができる」と語った。

今回の落下テストには、SpaceXの最終的な着陸システムに使用される、Crew Dragonの減速用パラシュートは含まれていない。減速用パラシュートは4基のメインパラシュートの前に開いて、降下するカプセルを減速、安定させるために用いられる。

以前のパラシュート落下テストは2013年12月に、Crew Dragonを作るために必要な、有人飛行用の修正が加えられる前に実施された。2013年の落下テストでは、Dragonカプセルとパラシュートシステムを、カリフォルニア州モロ・ベイ上空8000フィート(2400メートル)までヘリコプターで運び太平洋上に落下させた。当時のパラシュートシステムは、減速用パラシュート2基とメインパラシュート3基から成っていた。

それから2年以上がすぎ、SpaceXは初期のDragonの設計を変更し、有人飛行規格のCrew Dragonを製作した。これには減速パラシュートおよびメインパラシュート4基が塔載される。

当初、SpaceXはCrew Dragonとパラシュートシステムを使って、乗組員らを安全に海上に落下させる。アポロ時代に用いられた戦略と同じだ。

しかし最終的には、SpaceXは推進方式によって宇宙飛行士らを地球に帰還させる計画だ。

昨年11月、SpaceXはCrew DragonおよびSuperDracoエンジンの飛行テストを完了した。同社は、推進力による軟着陸戦略は、いつか火星のような海のない惑星に人間を着陸させるためには重要な能力であると指摘した。SpaceXの舵を切るElon Muskは、最終ゴールは火星に到達することだとよく言っている人物であることから、この着陸戦略も驚きではない。

今日のブログ記事でNASAは、「今後のテストは、実際の飛行におけるシステムの条件やプロセスをできる限り再現した、より現実的なものになっていくだろう」と語った。

SpaceXとBoeing、およびその他の商用クループログラム契約社は、それぞれの有人宇宙船を完成させ、国際宇宙ステーションへの旅をロシアに依存する米国を救うべく作業に取り組んでいる。

今後のテストで異常がなければ、NASAは米国企業による国際宇宙ステーションへの信頼ある飛行が2017年末までに可能になると期待している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、スペースシャトルに代わる有人宇宙飛行カプセルをテスト

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1月21日(米国時間)SpaceXは、有人宇宙飛行船、Crew Dragonのテスト飛行に成功したビデオを公開した。計画によると、Crew Dragonは2017年中にはFalcon 9の先に取り付けられ、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を送り込む。

このテストはテキサス州マクレガーで昨年11月に行われ、同宇宙船の推進エンジン、SuperDracoの起動能力を分析した。NASAは声明で、現在Crew Dragonは分析の早期段階にあるが、最終目標はこの宇宙船を使い、人間をヘリコプター並みの精度で着陸させることだと語った。

Crew Dragonが、SpaceXの最初の有人飛行ではSuperDraco推進エンジンを使用しないというは興味深い。このエンジンは宇宙飛行士らを誘導着陸されるために用いられる。この戦略に代えて、SpaceXは当初パラシュートを使って、Crew Dragonの降下速度を落とし、海上に着水させる計画だ。

SpaceX's Crew Dragon

SpaceX’s Crew Dragon / Image courtesy of SpaceX

SpaceXは、軟着陸に向けて取り組んでいる理由について、将来海のない惑星、例えば火星に人類を送るためには必要となる能力だからだと説明した。

SpaceXの初期バージョンのDragonは、NASAのISS貸物輸送ミッションに使用されているが、第2バージョンとなる有人ミッション用のCrew Dragonは、まだ使用さていない。今回行われた飛行テストは、SpaceXが人間を宇宙に送り出す認定を受けるために必要となる、数多くのテストの一つだ。

Crew Dragonは、いずれも7名の人間を運ぶ能力のある2種類の宇宙船プロジェクトの1つで、米国クルーをISSと往復輸送するために2017年から斬定運用される予定だ。これらのカプセルはNASAの商用クルー能力(CCtCap)契約に基づいて開発されている。

Inside the SpaceX Crew Dragon

SpaceX Crew Dragonの内部/画像提供:SpaceX

CCtCapは、NASAの商用クルー開発(CCDev)プログラムの最終フェーズだ。2010年に開始したCCDevは、スペースシャトルの代替品を開発できる企業を見つけるために行われた。プログラム開始当初、NASAは彼らの有人宇宙飛行コンセプト実現に向けて、有望視企業5社を選んで助成した。

2014年、対象はBoeingとSpaceXの2社に絞られた。

Boeingの有人カプセルCST-100も、現在最終エンジンテストを実施中だ。SpaceXと同じく、CST-100も地表に着地するよう設計されている。Boeingのカプセルは推進方式ではなく、パラシュートを使いエアバッグによって緩衝された着陸を行う。

ロケット回収テストと並行して、NASAカルゴ契約、空軍向けエンジン開発研究、そしてCrew Dragon開発と、今年のSpaceXには実に多くの仕事が待っている。

Illustration of Boeing's CST-100 landing

BoeingのCST-100着陸の図解/画像提供:Boeing

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

9番目の惑星の存在を示す証拠が発見された

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カリフォルニア工科大学(Caltech)の天文学者2人が、太陽系に9番目の惑星が存在する証拠を発見した。確認されれば、われわれの知る太陽系のモデルを変えるものになるかもしれない。

提唱された惑星はまだ直接画像化されていないが、他の既体物体に対する重力の影響から、天文学者はその存在を検知し、性質を特定することができる。

Illustration of Planet Nine which is thought to be gaseous, like Uranus and Neptune. / Image courtesy of Caltech/R. Hurt (IPAC)

プラネットナインのイラスト。ガス状で天王星や海王星に似ていると考えられる。/画像提供:Caltech/R. Hurt (IPAC)

天文学者らがプラネットナイン[Planet Nine]と呼ぶこの天体は、質量が地球の約10倍で、直径は地球の2~4倍である。その大きさは、太陽系で5番目に大きい惑星に相当する。

この惑星が独特なのは、その大きく引き延ばされた軌道が、太陽系の他の惑星とは異なる方向に「面して」いることだ。軌道は非常に長く、プラネットナインが太陽を一周するには1万年から2万年かかるだろう。

発見者の一人である天文学者のMike Brownは、冥王星を惑星から格下げする証拠を提供した「冥王星キラー」として知られている人物であるのが興味深い。

Brownによると、新惑星の質量は冥王星の約5000倍だという。冥王星とは異なり、プラネットナインの重力影響は極めて強く、惑星として分類することに疑問の余地はない。

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この謎の惑星の発見までには何年もの時を要した。Caltechの天文学者、BrownとKonstantin Batyginは、他の学者らによる以前の業績に基づいて研究を進めた。

2014年、2人の天文学者、Chad TrujilloとScott Shepherdは、10以上の「カイパー・ベルト」天体がいずれも奇妙な特徴のある軌道を持つことを指摘する論文を発表した。極めて大きい重力を持つ何かが、これらの天体の軌道をわずかに「ずらして」ように見えた。カイパー・ベルトは氷状物質からなる円盤状の領域であり、冥王星等の準惑星を擁し、主要な太陽系惑星の領域外まで伸びている。

Kuiper Belt location / Image courtesy of NASA

カイパー・ベルトの位置/画像提供:NASA

これらの軌道を説明するために、TrujilloとShepherdは、惑星の存在を示唆していた。

BrownとBatyginはこの説明に懐疑的だった。天文学者が説明できない何かを見つけた時、「エイリアン」がありえない可能性であるのと同じように、軌道の不規則性が発見された時、新惑星はありえない可能性である。

これを踏まえ、BrownとBatyginはその惑星理論の反証に取りかかった。2人の天文学者は1年半をかけてカイパー・ベルト天体の軌道異常を調査し、別の説明の提唱、検証を試みた。彼らは大量の未発見カイパー・ベルト天体の存在までもほのめかしたが、それは現在のカイパー・ベルトの総質量の証拠と一致しなかった。

他に理にかなう説明が見つからない中、ふたりは「非整列」軌道を持つ大惑星というアイデアを試みた。太陽に最接近する位置が、他の8惑星と正反対に位置する軌道だ。当初、この種の軌道はありえないと思われていた。

Orbits of the 6 most distant known solar system objects compared to Planet Nine orbit / Image courtesy of Caltech/ R. Hurt (IPAC)

太陽系天体で最も遠い6つの軌道とプラネットナイン軌道の比較/画像提供:Caltech/ R. Hurt (IPAC)

「この理論への自然な反応は『この軌道幾何学はあり得ない。長時間安定することはできない、なぜならこれによって惑星とこれらの物体は接近し最終的には衝突するからだ』」と、Batyginは言った

しかしBrownとBatyginは、すべての軌道が正しく整列して衝突を防いでいることを発見した。時間と共に、ふたりの学者はプラネットナイン理論への確信を深めていった。

「優れた理論とは、説明しようとした物事を説明するだけで十分ではない。説明するつもりのなかった物事を説明し、検証可能な予想を立てられるべきだ」とBatyginは言った。

実際、不規則軌道を持つ既知の天体は、プラネットナインのシミュレーションと完璧に一致した。

プラネットナインの存在を確認する次のステップは直接画像を撮ることだ。難しいのは、ふたりは惑星の軌道は予言したが、惑星が軌道の〈どこ〉にあるかは知らないことだ。その位置によっては、これまでの天空探査では隠れていた可能性がある。見つからなければ、これは世界最大の望遠鏡の仕事になるだろう。

「是非自分で見つけたい」とBrownは言った。「しかし、他の誰かが見つけてもこの上なく嬉しい。それがこの論文を発表した理由だ。多くの人々がこれに刺激を受け、探し始めることを願っている」

今日の大きな発表を終え、次の競争は太陽系で最も新しい惑星の画像を誰が最初に撮るかになった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ジェフ・ベゾスは(多分他の人も)、ドナルド・トランプを宇宙に送りたいと思っている

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トランプ、トランプ、トランプ。たぶんもう聞き飽きているだろうが、それでも彼はいなくならない。しかもまだ本格的大統領選挙シーズンでもないのに。

彼の最新のTwitterでの怒鳴り(他にも多数あり)の一つは、AmazonのCEO Jeff Bezosに宛てられていた:

大きな損を出している@washingtonpostを、@JeffBezosは彼の無利益会社 @amazonの税金を減らす目的で所有している。]

[もし@amazonが公正な税金を払えば、株価は暴落して紙袋のようにくしゃくしゃになるだろう。@washingtonpostのイカサマで助かっている!]

見事な侮辱だ。そして、Bezosはこの大ぼらで切り返した:

[とうとう @realDonaldTrumpに中傷されてしまった。Blue Originロケットにはまた彼の席を予約してあるからね。 #sendDonaldtospace http://bit.ly/1OpyW5N]

今年は政治候補者たちにとって妙な年のようで、あらゆるメディアを駆使して自分の考えや感覚を伝えようとする。誰もがトランプのように「あたり構わず乱射する」戦法をとっているわけではないが、FacebookやTwitterで何かを言えば、世界中がそれを見ることになる。そして今回、その世界には彼の標的、Bezosが含まれていた。

宇宙飛行の話に戻ろう。彼は座席料金を払わなくてはならないのだろうか?そう願いたい。しかし私の大きな疑問は、「帰りのフライトはあるのか」だ。ないことを願う。

オマケ:この笑えるハッシュタグ、#SendDonaldToSpaceをリアルタイムでフォローすべし。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

君も人類史上初の宇宙撮影ポルノ(マジ)に出資してみないか?!

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面白いものが出てくる時代になった。ポルノビデオ撮影のための資金をあつめるべくクラウドファンディングが行われているのだが、その額がなんと300万ドルなのだ。これはもちろんただのポルノではなく、なんと宇宙にて撮影を行うものだとのこと。この初めての宇宙ポルノのためのキャンペーンページはこちらだ。プロジェクトのタイトルは「SEXPLORATION」と名付けられている。俳優と、おそらくはカメラクルーを宇宙に送り込み、そして本格宇宙ポルノを撮影する予定であるとのこと。

「ポルノ!」「宇宙!」「クラウドファンディング!」、「本格的ポルノ!」なんて言葉を並べれば、いかにもうさんくさい。しかし単なる宣伝文句としてでなく、実際に宇宙での撮影に成功すれば、それはなかなか面白いことかもしれない。もちろん史上最高予算のポルノビデオとなるのも間違いないだろう。関係者は以下のように述べている。

歴史上に、偉大な冒険を志す人がいなかったなら、この世界はいまとは全く異なったものとなっていたことでしょう。冒険精神のおかげで新世界を発見し、産業および文化の進化もそこに端を発したのでした。冒険家の勇気が、世界の在り方や、あるいは私たちの過ごし方を根本から変えたのです。名前をあげるならコロンブス、ガリレオ、ダ・ヴィンチ、エジソン、あるいはフォードなどの名前を挙げることができるでしょう。彼らの存在があってこそ、わたしたちのホームプラネットである地球の今があるのです。

今、「わたしたちのホームプラネット」と言いましたが、現代になって、この「ホームプラネット」を飛び出すようなアイデアもいろいろと登場してきています。たとえば火星を植民地化する計画があったり、あるいは2050年までに宇宙エレベーターを建築するというプランもあります。そうした時代にあって、宇宙における生活の在り方についても注目があつまっています。もちろん、その中でも大きな存在が「セックス」です。

そうした中、PornhubはDigital Playgroundと組み、アームストロングやガガーリンにならって重力に挑戦しながら世界初の宇宙ポルノを撮影し、新世界/新時代のセックスを表現しようと立ち上がったのです。これはアダルト業界に新しいジャンルが生まれるというだけのことではありません。人類にとって大事な振る舞いを宇宙空間にて行う、全人類史的に大きな出来事となるのです。

十分な資金が得られなければ、出資を表明した額は返金されることになる。また関係者曰く、無重力空間におけるセックスは可能なものであり、決して不可能なことを行うとして金を奪う詐欺行為ではないと述べている。

なかなか興味深いキャンペーンだが、希望額を手に入れるのはなかなか難しいのかもしれない。たとえば1ドルの出資で「参加証明」(Certificate of Endorsement)が得られ、また15万ドルを出資すれば、俳優が着用した宇宙服(および下着)を入手できる。しかしこれを手に入れて自慢したいと考える人は少数かもしれない。また、NASAの協力が得にくいであろうことも難点だ。しかしElon Muskも言うように、宇宙探検の将来は「個人的なもの」となってきており、あるいはこのプロジェクトが嚆矢となることもあるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

CMUの研究者、Oculus Rift制御の月面探査機を開発中 ― 難しいからこそチャレンジするのだ

カーネギーメロン大学(CMU)のDaniel Shafrirらが、途方もないことを考えているらしい。立体カメラを搭載した惑星探査機(ローバー)を月に送り、実際にその場にいるような映像を見ながら、地上から探査機をコントロールしたいというものだ。月からの映像を送ることができれば3000万ドルを提供するというGoogleのプロジェクトにチャレンジするものだ。

Googleプロジェクトの要件は、月に探査機を送り込み、最低500mを移動させつつ、地球にライブビデオを送るというもの。これに対しShafrirたちはAstrobotic Technologyとタッグを組んで挑戦する。打ち上げなどについてはAstrobotic Technologyの力を借りることができるが、しかしそれでもプロジェクトの困難さは想像にあまりある。

Shafrir、ゲームデザイナーのBen Boesel、そして天文学者のDan Arnettは、探査機をOculus Rift経由で操作できるようにしたいと考えている。実際に月に降り立った12人しか見たことのない景色を、世界中の子供たちに見せたいのだと、Shafrirらは言っている。探査機は、カーネギーメロン大学の設立者であるアンドリュー・カーネギー(Andrew Carnegie)にちなんで、「アンディ」(Andy)と名付けられた。子供たちと、そして研究者たちの夢を乗せて、開発は継続中だ。

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(翻訳:Maeda, H


Googleが無料ストレージを15GBに拡大―ドライブ、Gmail、Google+写真で容量を共通利用へ(Google Appユーザーは30GBに)

これまでユーザーはGoogleのストレージ容量を個別に管理しなければならなかった。今日(米国時間5/13)、Googleは「ユーザーはドライブ、Gmail、Google+写真で共通に15GBの無料ストレージ容量を利用できるようになる」と発表した

容量を有料で追加すれば、Gmailでも利用もできるのでGmailの25GBという容量上限は撤廃されたことになる。Google Appsの契約ユーザーはDriveとGmailを合わせて容量が30GBにアップした

これはGoogleがユーザーのすべてのデータを巨大なクラウド上に保持するChromebookという大胆なプロジェクトを推し進めていることの一環でもあるだろう。同時に、ストレージの統合により、オンラインのハードディスクともいうべきGoogleドライブの使い勝手と知名度を向上させる狙いもある。ユーザーにメールも“Googleドライブに格納されていることを知らせようというわけだ。

次のスクリーンショットは、すぐに公開される予定の新しいストレージ容量のダッシュボードだ。

こちらは現在のダッシュボードで、新ダッシュボードの200GBプランは表示されていない。逆に現行のGmailの25GBボーナス・プランは新ダッシュボードからは消えている。

新しい無料ストレージ・プランはAndroidユーザーにも適用される。すべてのサービスを通じて単一のストレージ容量が適用されるというのはある意味でAppleのiCloudの方式に似ている。またこの容量増加はGoogle+に写真をアップロードするのを助けるだろう。プロやハイ・アマチュアの写真家の場合、ファイルサイズが大きく高精細度の写真を安心してアップロードできるようになる。現在の容量では数百枚の写真で容量を使い果たすことになりかねない。メールの容量はさほど使っていないが、写真は大量にアップするユーザーにとってはストレージの共通化はありがたい。

ビジネスとして考えると、月額9.99ドルの200GBの契約にユーザーを勧誘するところにGoogleの狙いがある。一般ユーザーがオンラインに200GBものファイルをアップロードすることはほとんどないはずだが、容量を気にせずにすむという気楽さが10ドルで買えるなら安いと考えるユーザーも多いことだろう。Googleはさまざまなサービスの統合を進めているので、オンライン記憶容量の重要性は今後ますます大きくなる。また多くのユーザーを抱える大企業のGoogle App管理者にとってもメンバーの利用できる記憶容量の拡大はありがたい話だ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


欧州宇宙機関が3Dプリントで月の土から月面基地を作る方法を研究

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ビルなどの建物を完全に3Dプリントだけで作る、という話がにぎわっているが、その種の野望はいつまでも地上だけにとどまってはいない。Phys.orgの記事によると、欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)とそのパートナーであるロンドンの設計事務所 Foster + Partnersが、生命維持能力のある月面基地を3Dプリントで作れないか、という研究に着手した。

もちろん、月塵だけでは建築素材にならないだろうから、研究者たちはその月面基地の耐久性を高める方法を模索している。月塵の代わりに実験では、酸化マグネシウムとその結合安定剤として塩を用いる。また月面上へ直接、押し出し成型を行う実験は、真空の中で行っている。

F+Pによる初期の概念設計では、荷重耐性の高い大きなドームを作り、その中をセル状(細胞状)の構造にすることによって、住民を環境中の放射能と流星塵から保護する。探究すべき実用上の問題が、まだすべて分かっているわけではないが、プリント工程そのものは、少なくとも地球上ではうまくいくようだ。

イギリスで3DプリンタのメーカーMonoliteを創業したEnrico Diniは、“弊社の現在のプリンタは押出能力が毎時2メートル、次世代機は毎時3.5メートルになる”、と言っている。彼によると、建物全体が完成するまでに要する時間は約1週間だ。月面上ではどうなるか、それはまだ未知数だが。

とはいえ、月そのものを使って月面基地を作るという考えは、一見途方もないようだが、同様のアイデアは実は前からある。たとえば80〜90年代に構想されたMars Direct計画は、同様の考え方に基づいて長期的な火星探検のための燃料を管理しようとする。そのやり方は、まず無人宇宙船を火星へ送り、船内の原子炉を使って火星の大気中の水素を‘加工’し、メタンと酸素を作る。のちに打ち上げる有人宇宙船が、帰還用の燃料としてそれを使う。宇宙旅行にとっては重量が最大の制約要因だから、居住環境を着地点にある素材だけで作れるなら、かなり楽に、ハワイ諸島やアラスカなみの永続的な飛び地を、はるか遠くの宇宙空間に作れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))