スティーブ・バルマー、全ツイートの3.8%を費してネット中立化を否定


FCCによるネット中立化の監視について「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言っているIT幹部がいる。最近まで長年MicrosoftのCEOを務めていたSteve Ballmerは、FCCがインターネット競争にまで監視の手を広げる必要はない、と今日ツイートした。

Ballmerの25回目のツイート(全26回中)は以下の通り。

[インターネットアクセスにおける競争はうまくいっている。投資は十分で価格へのプレッシャーもある。@FCCの監視を強める必要はない。私はネット中立化に反対だ]

果たしてBallmerの指しているのが、大統領から最近リリースされたネット中立化計画のことなのか、FCCの一般計画なのか、あるいは他の提案なのかは不明だ。Ballmerの立場は、IT業界の多数意見とは異なる。元幹部は現在テクノロジーを離れ、バスケットボールチーム、クリッパーズのオーナーになる等、他の趣味に熱中している。

ちなみに、BallmerのTwitterアカウントは殆ど無名で、フォロワーは5000人以下だ。おそらく彼はフィードに加えておく価値がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


NBAのLAクリッパーズのオーナーに収まったスティーブ・バルマー、Apple製品追放を宣言

Microsoftの前CEO、スティーブ・バルマーは今やプロフットボール・リーグNBAのLAクリッパーズのオーナーだ〔日本版:LAクリッパーズの前オーナーの不動産王ドナルド・スターリングの人種差別発言が発覚し、スターリングはNBAから終身追放の処分を受けた。バルマーはチームの所有権を持つ別居中のスターリングの妻から20億ドルでチームを買収した〕。バルマーは相変わらずMicrosoft製品の売り込みに真剣なようだ。

ロイターズとのインタビューでバルマーは自分のチームにはApple製品は使わせないと宣言している。

クリッパーズの選手やスタッフは大半がWindowsを使っているが、使っていなものもいる。 ドク〔リバーズ監督〕は、これが問題だと気づいている。私に最初に会ったときに、最初に言ったのが「iPadを使うのは止めなきゃいけないだろうね?」だった。私は「そうだな。そういうことになるだろう」と答えた。しかし〔切り替えは〕シーズンオフにやると約束した。

気の毒だがiPadは追放だ。

Microsoft製品への切り替えによるチームの士気とパフォーマンスへの影響はいまのところ不明だ。

画像: FLICKR USER MICROSOFT SWEDEN UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


スティーブ・バルマー、Microsoftの取締役からも退く―NBAチームのオーナーとして熱狂的歓迎

スティーブ・バルマーがMicrosoftの取締役会から去った。

Microsoftの前CEOは公開状でMicrosoftの取締役の辞任したことを発表した。サティヤ・ナデラ現CEOはバルマーのMicrosoftへの貢献を称えると同時に、新CEOへの移行期におけるバルマーの支援に感謝した。

これでバルマー時代は名実ともに終わった。

バルマーの公開状は一読に値する。

私は34年間、Microsoftに心血を注いできた。これからも注ぐ。私はこれからもMicrosoftの将来について論じるし、新しいプロダクトをいち早く試してフィードバックを伝えるだろう。私はMicrosoft社内で何が起きているか知りたいし、新しいアイディアも提案していく。今やMicrosoftは新たな高みに上った。私は大いに誇りに思っている。私はMicrosoftの株主として当然の努力を続ける。私は経営陣に対して株主としてなし得るかぎりの支援を与え続けることを約束する。

CEOとしてのバルマーの評価は賛否の議論を巻き起こしてきた。しかしことの当否は別として、バルマーの確信の強さと果断な決断力を疑うものはいなかった。

Microsoftの株価はこのニュースにまったく反応しなかった。

バルマーは取締役を辞任した理由について、最近NBAチーム、LAクリッパーズを買収し、その経営に時間を割く必要ができたことなどを挙げている。

「デベロッパー、デベロッパー、デベロッパー」の絶叫を聞くことはもうない。しかしバルマーはこれからも大いにニュースを作りそうだ。

〔日本版〕NBAのプロバスケット・チーム、LAクリッパーズは大富豪オーナーが人種差別的発言をしたことが発覚してNBAから永久追放などの制裁を受けた。バルマーは信託財産の処分権を持つ離婚裁判中の妻から20億ドルでチームを買い取った。オーナーは依然抵抗を続けているものの訴訟ですべて敗北しており、売却が覆される見込みはまずなさそうだ。スキャンダルで沈滞していたファンはバルマーを熱狂的に歓迎したという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


スティーブ・バルマー以後のMicrosoftは何をなすべきか?

編集部:この記事はBoxの共同ファウンダー、CEOのAaron Levieの寄稿。Twitter:@levie.

スティーブ・バルマーがMicrosoftのCEOを退任すると発表したことはテクノロジー企業の歴史でも10年に一度の出来事だ。ビル・ゲイツが基礎を築き、続いてゲイツとバルマーが、やがてバルマーが単独で拡大した帝国のひとつの章が終わったことを象徴している。

バルマーのMicrosoftについては対照的な2つの見方が存在する。マスコミにお馴染みのより広く知られた見方は否定的なものだ。いわく、バルマーのMicrosoftはGoogle AppsやAmazon Web Servicesのようなクラウド化の波に対応が遅れた。AppleとGoogleが開始したモバイル化への対応にも失敗し、Microsoftの独占的地位を大きく弱めた。Zune、Windows Vistaその他でも大失敗した…。

もうひとつの見方はそれほど広く知られていない。実はMicrosoftはバルマーの下で売上を220億ドルから780億ドルへと3倍以上に伸ばしている。

Office 365とAzureというクラウド・プラットフォームを開発し、成功させたのもバルマーの時代だった。またSkypeやYammerといったキー・テクノロジーを持つ企業の買収にも成功している。 またYahooとFacebookの検索エンジンとなるなどの巧妙な戦略によってMicrosoftの検索シェアをゼロ同然から30%に成長させた。またMicrosoftは創成期のFacebookに巨額の投資をして有力株主となった。Microsoftがオープンソースやサードパーティーのプラットフォームを採用するようになったのもバルマーの時代だ。

しかし白でなければ黒と決めつけずにはおかないテクノロジー市場にあっては、こうした数々の成功にもかかわらずMicrosoftは「敗者」とみなされている。

Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識する必要がある

そういうことになったのはなぜだろうか? 答えは市場のあり方が劇的に変わったことを認めようとしない旧態依然たる戦略にある。今や司法省反トラスト局はMicrosoftに対して国務省がカナダに対するほどの注意も向けていない。Appleはより優れたデバイスを作っているし、Googleはより優れた検索サービス、クラウド・サービスを提供している。Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識すると同時に、それに対応した戦略を採用しなければならない。

最近バルマーが実施した改革は組織の再編成という社内向けのものだった。それはそれで重要だが、社外の現実への対応はさらに重要だ。現在のソフトウェア産業もハードウェア産業もゼロサムゲームではない。こうした新たな現実を踏まえてバルマーの後継者が何をなすべきか、いくつかヒントを上げてみよう。

アプリのアンバンドル MicrosoftはOSの圧倒的成功によってアプリケーション産業を支配した。Lotus、Word Perfect、Netscape、Real Networks等々、競争相手はOSと密着したMicrosoftのアプリケーションによって踏み潰されていった。しかし現在では事情は変わった。今や「尻尾が犬を振る」時代だ。ユーザーは好みのアプリを使うために必要ならMicrosoftのOSから離れていく。

今やインターネットに接続しているデバイスのOSは圧倒的に非Windowsだ。だからMicrosoftはアプリケーションをWindowsという母艦から切り離なければならない。ところが依然としてMicrosoft Officeなどの主要アプリケーションはAppleやAndroidデバイスでは利用できないか、機能が限定されているかしている。数年後にはタブレットの出荷台数がパソコンを上回ることが確実な時代だ。Microsoftはぜひともアプリケーションを自立させ、それ自身で競争に耐えるものにしなければならない。

オープン化 クラウド化の最大のメリットの一つは、異なるベンダーのアプリケーションでもシームレスに協調動作できるようになったことだ。 以前のように、単一のベンダーからすべてのアプリケーションを買うのでなければ統合環境が整備できないなどということはない。APIを利用した連携によって、ユーザーは好みのアプリケーションを自由に組み合わせて使うことができる。NetsuiteやWorkdayのERP〔企業資源計画〕システムはZendeskの顧客サポートシステムと連携できる。ZendeskはJiveのソーシャル・ストリームと連携可能だ。クラウド・アプリケーションを相互に連携動作させるクラウド・スタックはソフトウェアのオープン化を強力に推進し、ユーザーのメリットを増大させる。しかし、現在Microsoftはこうしたクラウド・スタックで利用できるような新しいアプリケーションをまったく持っていない。

たとえばウェブ版Officeをサードパーティーのアプリ(たとえばBoxとか)と連携させようとしても、議会に法律を変えてもらえば別だが、APIをいじるだけではどうにもならない。こうしたクローズドなアプリケーションはOS独占が成立していた時代ならユーザーに選択肢がない以上合理的だったかもしれないが、IT資源が過剰なまでに溢れている現在では意味を失っている。Microsoftの新しい経営陣は、かつて「敵」とみなしていた企業のソフトウェアとオープンに協調動作していくことが決定的に重要だということを認識する必要がある。

プロダクト! プロダクト! プロダクト! (それにデベロッパーも) 全体としてみると、Microsoftのソフトウェア・プロダクトは過去の栄光にあぐらをかいていると言わざるを得ない。 ライバルがここ何年かで開発してきたiPhone、Android、Chrome、iPad、自動走行車、GoogleGlassといったプロダクトに比べると、Microsoftの成功しているプロダクトはすべてパソコン全盛時代にそのルーツがあるものばかりだ。

なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考えださねばならない

Microsoftが復活するためには、(再び)プラットフォーム企業となることが必要だ。Googleは検索をベースとした巨大なトラフィック、Chromeというブラウザの新たな標準、Androidによるアプリ市場などを提供することでいわば「善意の独占者」となっている。AppleもiOSによって巨大なアプリ市場を創設し、すでに多数の10億ドル級スタートアップを生み出している(Uber、Instagram、Angry Birds、Super Cell、Spotify等々)。なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考え出す必要がある。今回は成功したスタートアップをライバル視して片端から踏み潰すようなことをせず、エコシステムの育成に務めねばならない。

ビジョン 最近Microsoftが公にしている自社の定義は「Microsoftはデバイスとサービスの企業だ」というものだ。これはまるでディズニーが「われわれはテーマパークと映画の企業だ」と言うようなもので意味がない。「すべての家、すべてのデスクにパソコンを」というMicrosoftの創成期のビジョンは、当時としては「月に人間を送る」くらいの壮大なスケールの使命だった。株主やアナリスト向けの戦略を立案するだけでは十分ではない。消費者一般が理解し、共感できるようなユニークなビジョンを掲げることがぜひとも必要だ。

いくつか希望をもたせる兆候も現れている。Satya Nadella Qi LuTony Batesらの新しい幹部は従来とははっきり違うオープンなスタイルをMicrosoftにもたらしている。たとえば、今年のBuildデベロッパー・カンファレンスでデモ機にMacが使われた。10年前なら神聖冒涜行為と考えられただろうが、今ではMicrosoftも新しい現実を理解するようになってきた。ウェブやプラットフォーム・プロダクトについても従来よりアップデートnペースが早まり、四半期に数回もアップデートされることが珍しくない。数年前までの「アップデートは3年に1度」という体制から比べれば大きな進歩だ。

誰がレッドモンドの巨大タンカーの指揮を取ることになるのか分からないが、Microsoftを新しい現実に適応させるよう適切に舵取りができる人物であることを祈りたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft CEOのスティーブ・バルマー、12ヵ月以内の退任を発表

寝耳に水のニュースが入ってきた。MicrosoftはながらくCEOを務めてきたスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)が12ヵ月以内に引退することを発表した。後任CEOを任命する特別の委員会が設置され、後任が決まるまではバルマーが引き続きCEOを務める。

「このような話をするのにパーフェクトなタイミングというのはあり得ないと思います。しかしなかなか良いタイミングではないかと思うのです」と、Microsoftのプレスリリースにてバルマーは言っている。「新たな体制で、新しい方向を目指してきましたが、立派な上級管理職たちも育ってきました。デバイスおよびサービスを主力におく方向へと動き出してから引退しようと考えてはいました。しかし新たな動きを行うには、より長い目で動きを見据えることのできるCEOが必要であるとの結論に達したのです」。

Microsoftは7月11日に、一層ハードウェアに力点をおいた大規模な組織再編をアナウンスしている。この動きはスティーブン・シノフスキー(Steve Sinofsky)を退職に追い込み、しかる後に顕在化してきたものだ。その時点でバルマーは「全社的意思統一と、より統合した迅速な開発サイクルを実現すべきだ」と話していた。

会社を複数の事業部(Windows、Office、エンターテインメント、オンライン等)に分割しておくのではなく、ひとつの事業を支える機能体(OS、デバイス、アプリケーション、サービス等)として運用すべきだと考えたわけだ。これはApple風の運営方法と言えるものだ。

バルマーは、こうした大規模改革に乗り出したばかりだ。それであるので、本日の突然の引退発表が一層意外に感じられるのだ。もしバルマーが進めようとしていた「One Microsoft」ビジョンが継続されないということになれば、改めて大規模組織変革が行われることになる。

ちなみに、バルマーの引退がアナウンスされる前からも、時期CEOについてはいろいろと話があった。たとえば、結局Microsoftを去ることになってしまったが、スティーブン・シノフスキーは大いなるやり手であり、バルマーの後継であるという声も大きかった。またジュリー・ラーソン-グリーン(Julie Larson-Green)をおす声もある。後継が決まらないうちにバルマーの引退をアナウンスしたというのは、バルマーの引退が予定よりも早いものであることを意味するのだろう。時期CEO任命のための特別委員会でも、未だ候補者すら定まっていないという状況であるようだ。

バルマーは、共同ファウンダーのビル・ゲイツ(Bill Gates)が2000年1月に引退して以来、MicrosoftのCEOを務めている。以来Windows XP、Xbox 360などでは好成績を収めた。一方でWindows Vista、Kin、Zune、あるいは最近のSurface RTなどは失敗であったと評価されている。バルマーは、ステージでの熱いスタイルでも有名な人物だった。

この10年間、Google、Apple、Amazonなどの株価が大幅に上昇する中、Microsoftの株価にはほとんど動きがなかった。今回のニュースを受けて、プレマーケットにて9%の伸びを示している。

スティーブ・バルマーは以下のメモ(英文ママ)を発表している(強調はTechCrunchによる)。

I am writing to let you know that I will retire as CEO of Microsoft within the next 12 months, after a successor is chosen. There is never a perfect time for this type of transition, but now is the right time. My original thoughts on timing would have had my retirement happen in the middle of our transformation to a devices and services company focused on empowering customers in the activities they value most. We need a CEO who will be here longer term for this new direction. You can read the press release on Microsoft News Center.

This is a time of important transformation for Microsoft. Our new Senior Leadership team is amazing. The strategy we have generated is first class. Our new organization, which is centered on functions and engineering areas, is right for the opportunities and challenges ahead.

Microsoft is an amazing place. I love this company. I love the way we helped invent and popularize computing and the PC. I love the bigness and boldness of our bets. I love our people and their talent and our willingness to accept and embrace their range of capabilities, including their quirks. I love the way we embrace and work with other companies to change the world and succeed together. I love the breadth and diversity of our customers, from consumer to enterprise, across industries, countries, and people of all backgrounds and age groups.

I am proud of what we have achieved. We have grown from $7.5 million to nearly $78 billion since I joined Microsoft, and we have grown from employing just over 30 people to almost 100,000. I feel good about playing a role in that success and having committed 100 percent emotionally all the way. We have more than 1 billion users and earn a great profit for our shareholders. We have delivered more profit and cash return to shareholders than virtually any other company in history.

I am excited by our mission of empowering the world and believe in our future success. I cherish my Microsoft ownership, and look forward to continuing as one of Microsoft’s largest owners.

This is an emotional and difficult thing for me to do. I take this step in the best interests of the company I love; it is the thing outside of my family and closest friends that matters to me most.

Microsoft has all its best days ahead. Know you are part of the best team in the industry and have the right technology assets. We cannot and will not miss a beat in these transitions. I am focused and driving hard and know I can count on all of you to do the same. Let’s do ourselves proud.

Steve

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(翻訳:Maeda, H)