クラウド型マニュアル作成ツール開発のスタディストがDNX Venturesなどから8億円超を調達

クラウド型マニュアル作成ツール「Teachme Biz」(ティーチミー・ビズ)を開発・提供しているスタディストは4月22日、米国のDNX Venturesおよび、既存株主である日本ベンチャーキャピタル、セールスフォース・ドットコムの投資部門であるSalesforce Ventures、三井住友海上キャピタル、三菱UFJキャピタルの計5社を引受先とする第三者割当増資により、総額8億2500万円の資金調達を発表した。

Teachme Bizは、国内外の約2500社の有償法人ユーザーを擁するマニュアル作成ツール。ちょっとした社内マニュアルから標準業務手順書(Standard Operating Procedure)までをスマホやタブレット端末で簡単に作成・修正・閲覧できるのが特徴。製造業や小売業、飲食業を中心に導入が進んでいるとのこと。作業手順の可視化や現場浸透を図るための業務基盤として活用している企業もあり、人材育成時間の大幅削減に貢献するほか、単なるマニュアルではなく「正しい手順」であることを保証することが要求されるケースにも役立つという。

今回の資金調達により、サービス提供から5年半が経過したTeachme Bizのマーケティング強化を進め、2020年2月までに大手企業を中心に1000社への新規導入を目指すとのことだ。

クラウド型マニュアル作成「Teachme Biz」運営がリクルートなどから総額1.2億円を資金調達

クラウド型マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」を提供するスタディストは6月26日、リクルートホールディングス日本ベンチャーキャピタル三菱UFJキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施したことを発表した。調達額は1.2億円。スタディストでは、5月にもセールスフォースからの資金調達を発表している。また、日本ベンチャーキャピタルと三菱UFJキャピタルからの資金調達は、2015年12月に行われた総額1.5億円の調達に続くものとなる。

Teachme Bizは、写真・動画を選んで説明文を追加するだけで、業務マニュアルを作成し、共有できるサービスだ。PCはもちろん、スマホだけでもマニュアル作成ができる。2013年9月のサービス本格展開から約3年9カ月で、有償利用社数を1500社に広げており、そのうち、飲食、宿泊、小売などのサービス業での導入は約350社、2年で6倍に拡大したという。

スタディストでは、今回の出資を通じたリクルートとの業務提携により、サービス業でのTeachme Bizの導入拡大を図る。特に飲食や宿泊業界を中心としたサービス業に強いリクルートとの提携で、同業界で新規100社への導入を目指す。調達資金は主にサービス業界に特化した新機能開発や、販売体制の増強にあてるとしている。

通信サービス込み、マニュアル作成「Teachme Biz」がソラコムSIMで新端末パッケージ

スマホで写真を選んで説明文を追加するだけで業務マニュアルが作成できる、クラウド型マニュアル作成・共有ツール「Teachme Biz」については本誌TechCrunch Japanでも2015年3月に紹介したが、サービス提供会社のスタディストが今日、総額1億5000万円の資金調達に合わせてモバイル端末と接続サービスを丸ごと、1台あたり月額3980円から提供する新サービス「ワンストップパッケージ」を発表した。

teachme新サービスに含まれるのは、Teachme Bizのライセンスに加えて、モバイル端末、SIMカード(SORACOM提供のもの)、モバイルルーターなど一式。導入時のレクチャーも付属する。モバイル端末はiPod touch、iPad mini、Surface 3から選択できる。端末によって月額料金が異なりiPod touchが3980円でiPad miniが4980円など。初期費用は端末利用代金の1カ月分。契約期間は2年で、10台単位で導入できる。

これまでTeachme Bizを利用するには企業側でモバイル端末を用意する必要があったし、Wi-Fiのない環境であれば、個別に通信契約を結ぶ必要があった。新サービスを利用することで初期費用や面倒な契約が不要となる。かつてであれば、こうした垂直統合の業務ソリューションは専用端末を使うケースもあったが、スタディストのサービスは汎用モバイル端末を利用している。このため、Teachme Biz用に導入した端末は、同時にほかのクラウドサービスで利用することもできる。クラウド利用が進んでいない飲食業や小売り、物流などでのサービス導入を進めていくという。現場レベルだと導入のための端末設定スキルがあると限らないから、パッケージ導入できるメリットはありそうだ。

ソラコムのSIMカードを利用しているため、スタディストからソラコムへ流れる通信は従量課金ということになるが、通信料金を考えると月額3980円は安い。どの程度のトラフィックを見込んだ料金設定なのだろうか? スタディスト広報部によれば、マニュアルで「約2000ステップ/月くらいは利用できる試算」という。一度読み込んだものはキャッシュできるため、通信料金の安い夜にキャッシュする運用を推奨していくのだという。通信量については10台で10GB/月の制限があり、オーバーした場合は1000円/1GBで追加可能。また既存通信回線を使うこともできて、その場合はiPod touchは2980円となる。

スタディストは合わせて、日本ベンチャーキャピタル三菱UFJキャピタルから総額1億5000万円の資金を調達したことを発表している。Teachme Bizは2013年9月にサービスを開始していて、2015年12月現在、有償導入社数は前年同月の約10倍となる約600社になっている。導入先企業は、士業、IT、飲食・宿泊などで、社員数1000人を超える東証一部上場企業も含まれるという。

スマホで業務マニュアルが作れる「Teachme Biz」 大手需要にらんでWindowsストア対応

業務マニュアルを作るのは大変だ。オフィス系ソフトを使って作る場合、デジカメで撮った写真をPCに取り込んで、それからファイルを新規作成、画像を貼り付けて編集、テキスト入力、フォント・サイズ・カラーの変更……と、なかなかに手間がかかる。こうした作業をスマートフォンで実現し、しかも作業時間を5分の1に短縮することをうたうのがクラウド型マニュアル作成・共有ツール「Teachme Biz」だ。

便利なのは、スマホで撮った写真を選び、説明文を追加するだけで、スライド形式のマニュアルができあがる点。手順ごとに1枚の写真と説明文を入力するシンプルな操作で、画像編集アプリ「Skitch」のように、画像に矢印を追加したり、特定の部分を枠で囲む機能もある。

社内から「この手順が足りない」という指摘があれば、それを追加すればマニュアルが随時更新される。オフィス系ソフトと違い、クラウドツールならではの特徴でもある。

iOSやAndroid向けのアプリのほか、ブラウザーからの利用にも対応。OSを問わずマルチデバイスをサポートしているのが売りだが、本日、Windowsストアアプリをリリースした。Surface Pro 3をはじめ、Windows 8.1搭載のタブレットやPCから利用できる。

街のパン屋さんから損保最大手までが利用

Teachme Bizは現在、Amazon Web Services(AWS)で「マルチテナント」(1つのシステム環境を複数企業で共有する)ツールとして稼働しているが、Microsoft Azure上で動く「シングルテナント」(企業ごとに環境を構築してサービスを提供する)パッケージの開発にも着手する。信頼性や安全性を重視する大手企業を意識した取り組みといえそうだ。

iOSやAndroidと比べて盛り上がりにかけるWindowsストアだが、ビジネスシーンでの重要性を考えると、Windowsを無視するわけにはいかないのだろう。Teachme Bizを開発するスタディストの鈴木悟史社長は、「Windowsタブレットを大量導入する大企業にも使われやすくなる」と狙いを語る。マイクロソフトとスタディストは2014年11月に協業を発表している。

Teachme Bizは2013年9月に本格提供を開始。当初は個人事業主や中小企業の引き合いが中心だったが、損保最大手の損保ジャパン日本興亜が採用して以降、大手からの引き合いが増えているという。

スタディストによれば、業務マニュアル以外にも、ユーザー向けヘルプページや道順案内、商品のプロモーションにも活用されているという。導入企業数は毎月15%増のペースで、現在は「街のパン屋さんや職人さんから大手企業まで」(鈴木氏)2000社が導入。料金は月額5000円〜のプランがある。

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