アップルの新しいTestFlightでスクリーンショット付きのフィードバックを簡単に送れる

アップルのテスト用プラットフォーム、TestFlightがアップデートされる。WWDCで発表された新バージョンのXcode 11では、TestFlightアプリのユーザーからのフィードバックが自動で有効になる。ユーザーはテスト中のTestflightアプリからスクリーンショットを共有する際に、ベータフィードバックとして共有するかどうか、コメントをつけるかどうかを選択できる。これまでよりも一体化したエクスペリエンスにすることによって、より多くのユーザーにフィードバックを促そうというものだ。

こうした機能は人気のアプリフィードバックプラットフォームのInstabugにもある。InstabugはBuddybuildのサービスで、アップルは2018年1月にBuddybuildを買収していた

開発者はApp Store Connectで受け取ったフィードバックをすべて確認し、詳細をダウンロードして後で参照することができる。

ちょっとしたアップデートのように思えるが、開発者はiOSのApp Storeでアプリを広く公開する前のユーザーテスト期間中に多くのバグや問題を把握できるようになる。エンドユーザーにとってはアプリのテストとフィードバック提供がシンプルになる。これまではフォームに入力したり開発者にメールを送信したりといった手間がかかって、フィードバックせずに放置されることがあったと推測される。

これは、アプリのフィードバックに関して米国時間6月3日に発表された2つのうちのひとつだ。

もうひとつというのは、ユーザーが共有に同意すると、アプリの開発者はバッテリー駆動時間、起動時間、メモリリークの数値を匿名化した形で取得できることだ。これらの数値は集約され、クラッシュやエネルギー使用量の隣のオーガナイザーに表示されるので、開発者がアプリのパフォーマンスを監視し向上させるのに役立つ。

アップルによれば、集約された数値の収集は実際には今年の春のiOS 12.2から始まっていたので、多くのアプリではすでにこのデータをこれから利用できる状態になっているという。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Apple、TestFlightによるベータテスティングを正式公開


Appleは、ベータテスティングサービスのTestFlightを一般公開した。デベロッパー向けニュースポータルで今日発表された。登録デベロッパーは、最大1000人のベータテスターにiTunes Connectポータル経由で招待状をメールすることによって、自分のiOSアプリを試してもらえる。TestFlightは、Appleが昨年買収したベータテスティングサービスで、これを使えばデベロッパーはアプリを公開する前にチームを作ってテストしてもえる。

TestFlightは、Appleが同サービスを買収した後、既にデベロッパーが利用できていたが、このたび正式にAppleのデベロッパーツールの一部になった。TestFlightの招待状はiTunes Connectから発送し、テスターは専用のTestFlightアプリを使ってフィードバックを返したり、新しいビルドを受け取ったりできる。買収前はTestFlightのウェブポータルに行く必要があった。

外部テスターがTestFlightに招待されると、App Storeで公式アプリをダウンロードするためのリンクが渡される。もうプロビジョニングプロファイルを端末にインストールしたり、端末のUDIDを調べて送ったりする必要はなくなった。公式アプリは、テスト中のアプリの新しいビルドが作られたことも教えてくれるので、これまでのメールによる連絡よりずっと便利だ。

TestFlightを使って1000人の外部テスターに使ってもらえるアプリを作るためには、ベータアプリレビューに通らなければならない。これはつまり、最終製品に適用されるのと同じApp Storeレビューガイドラインの対象になるという意味だ。大きな変更のある新バージョンも、テスターに渡す前に新たなレビューが必要になる。デベロッパーは最大10本のアプリを同時にテストできる。内部テスターの場合、レビュー承認は不要で、最大25人のiTunes Connectのadminまたはtech levelのチームメンバーが利用できる。

Appleは、TestFlightの詳しい使い方をここで説明している。さらに助けが必要なデベロッパーは、App Reviewチーム連絡ページを利用できる(デベロッパーアカウントとログインが必要)。

新しいTestFlightは、デベロッパーが技術に強いアーリーアバプターだけでなく、実際のユーザーからフィードバックをもらうための便利な機能を数多く提供するが、レビューが必要なためビルドの公開までに時間がかかるかもしれない。ともあれ、便利なベータテスティングの選択肢が正式に採用されたのは良いことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ベータテストサービスTestFlightが扱ったアプリ40万に達す, 大吉と出た買収効果

モバイルアプリのベータテストをやってくれるTestFlightが、着実に伸びており、とくに最近90日では、同プラットホームにアップロードされる新作アプリの量が大幅に増えた。TestFlightは今ではオーナー企業がBurstlyだが、扱ったアプリの総数が40万に達した。40万がどれだけすごいかというと、それはiTunes Storeのアクティブなアプリの半数に近い。しかもそのうちの15万あまりが、過去3か月以内に来たものだ。

TestFlightの過去3か月のこれまでの記録は、3月に発表された10万だった。Androidアプリは、5月にSDKがベータでローンチされて以来今日までで1500本となる。しかし今ではベータを脱しているので、今後はAndroidデベロッパの全員が利用できることになり、急増が期待される。

iOSバージョンは完全に改作され、効率と安定性が上がった。とりわけゲームのパフォーマンスが向上し、クラッシュデータも漏れなく集められるようになった。改作されたクラッシュ報告では、各問題に“解決済み”のマークを付けられ、さらにクラッシュにまつわる状況を、デベロッパのための参考情報として、より詳細に書けるようになった。またアプリのパフォーマンス分析とクラッシュ報告が一体化され、ユーザ保持率(リテンション)やユーザのフローに対する、クラッシュの影響が分かるようになった。

昨年3月にBurstlyに買収されたTestFlightは、その後もFlightPathなどの新製品を発表、Android対応化、SkyRocketによるモバイルデベロッパのための収益化オプションなど、積極的に業容を拡張してきた。買収がチームのやる気に火を付けた例である、と協同ファウンダのBen Satterfieldは説明する。

彼は買収の時点で本誌のJosh Constineに、“TestFlightは立派な製品だと思うが、買収されなかったら全員、それと心中していたかもしれない。でも今では、朝起きるたびにもっと大きなことを構想できるようになった”、と買収効果について説明している。

同社の最近の急激な伸びは、買収から1年あまり経った今、その効果が大きく花開いている姿を示している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))