Uberが貨物運送事業で優先株を発行して約530億円を調達、キャッシュ確保の一環

1年前のUber(ウーバー)のビジネスモデルは「選択肢を網羅するアプローチ」だと言えた。配車サービス、マイクロモビリティ、物流と包装、料理のデリバリーなど、あらゆる形態の輸送から収益を生み出す戦略だ。

新型コロナウイルスの感染蔓延がその事業戦略を覆した。シェアマイクロモビリティ部門のJump(ジャンプ)を売却(未訳記事)し、デリバリーに大きく賭けるべくPostmates(ポストメイツ)を買収した(未訳記事)。次は、成長はしているが収益性はいまだに低い貨物運送部門のUber Freight(ウーバーフレイト)の株式を売り出す。

Uberは10月2日、ニューヨークの投資会社であるGreenbriar Equity Group(グリーンブライアー・エクイティ・グループ)率いる投資家グループが、Uber FreightのシリーズA優先株式による資金調達5億ドル(約530億円)に応じると語った。Uber Freightはポストマネーで33億ドル(約3470億円)と評価されたことになる。GreenbriarのマネージングパートナーであるMichael Weiss(マイケル・ワイス)氏とJill Raker(ジル・レイカー)氏がUber Freightの取締役会に加わる。Uberは他の投資家の名は明らかにしなかった。

UberはUber Freightの所有権の過半数を維持し、調達した資金でトラック運転手と運送会社をつなげる物流プラットフォームの拡大を続けると述べた。

Uber Freightは2017年に立ち上げられ、2018年8月に独立した事業部門として分離された。分離によって勢いを増し、より多くのキャッシュを使うようになった。Uber Freightが再設計したアプリ(未訳記事)には、荷物の探索とフィルタリングを簡単にカスタマイズできる新しいナビゲーション機能が追加された。

同社は欧州とカナダに進出した。またシカゴに本社を設立した。この地域に年間2億ドル(約210億円)以上を投資するという親会社の計画の一環であり、数百人の労働者の雇用も含まれている。Uberは昨年9月、今後3年間でこの地域で2000人の新規従業員を雇用すると発表した。ほとんどがUber Freightで働く。

Uber Freightは最近、SAP、Blue Yonder、BluJay、MercuryGate、Oracleなどのクラウド輸送管理システムプロバイダーとの新しいAPI統合パートナーシップに署名した。同社はまた、Uber Freight EnterpriseとUber Freight Linkの立ち上げにより、エンタープライズソフトウェアのラインアップを増やした。拡大のすべてがうまくいったわけではない。Uberは今月、ドイツ・ベルリンを拠点とするsennder(センダー)に欧州事業をすべて株式対価で売却し、欧州から撤退した(sennderリリース)。

Uber Freightはの売上高は急増した。ただその成長は利益に結びついていない。Uber Freightは2020年第2四半期に2億1100万ドル(約220億円)の売上高を計上した(Uber財務リリース)。前年同四半期から27%の増加だ。一方、調整後純損失は4900万ドル(約51億円)となった。前年同四半期の5200万ドル(約55億円)の損失からわずかに改善した。

Greenbriarによる投資をUber FreightのCEOであるLior Ron(リオール・ロン)氏は同社の「次章」だと表現した。「当社が2〜3年という短い期間で達成した内容を非常に誇りに思っています。当社はテクノロジーで業界をリードし、時代遅れのアナログプロセスを変革して、急速に変化する業界で荷主と運送業者の両方に成功をもたらします」とロン氏は声明で述べた。Greenbriarはパートナーとして「深い専門知識と共有を備えています。物流を簡素化することへの情熱を当社と共有しています」と付け加えた。

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(翻訳:Mizoguchi

オンデマンド貨物運送を斡旋するUber Freightがカナダに進出

Uberのサービスであるトラック運転手と運送会社を斡旋するUber Freightは米国時間10月30日、グローバル展開の一環としてカナダでアプリを立ち上げると発表した。

この進出によりUber Freightは、680億ドル(約7兆4000億円)とされるカナダのトラック産業に参入することになる。「同国のトラック産業は深刻なドライバー不足に直面していて、これにより輸送量が制限されている」とUberは指摘した。今回のカナダ進出は9月に発表された欧州への事業拡大に続くものだ。

2017年5月に立ち上げられ、テキサスの限定された地域で始まったUber Freightのオペレーションは全米に拡大し、欧州、そして今やカナダにも広がった。

「開始以来、我々はUber Freightと運送会社、世界を動かし続けているドライバーにとってのチャンスを可能なものにするためにオペレーションの拡大に専心してきた」とUber Freightを率いるLior Ron(リオル・ロン)氏は話した。

同社のプラットフォームは、運送業界の効率アップと荷物を載せないで北米を走行するトラックを減らすのに貢献するとしている。同社によると、米国とカナダを拠点とするローカルの運送会社とドライバーはUber Freightのアプリを使って国内貨物と国境をまたぐ貨物の運送を予約したり、請け負ったりできる。アプリはいま英語とフランス語で提供されている。

Uber Freightは、オンタリオ州とケベック州、そして米国の中西部と北東部につながる国境のあたりにフォーカスしている。そしてカナダ国内の他のエリアにも拡大する計画だ。AB Inbev、Niagara Bottling、Land O’Lakesといった企業を含む1000社超にサービスを提供している。

今年初め、Uber Freightはシカゴに本拠地を構えた。これは親会社がこの地域に年2億ドル(約217億円)超を投資するという大規模計画の一部だ。この投資には数百人の雇用も含まれる。当時、Uberは今後3年で同地域で2000人を新規雇用する、と話していた。この新規雇用の大半はUber Freightでのものとなる。

サンフランシスコとアムステルダムにもオフィスを持つUber Freightは、荷物の配送を含むあらゆる交通輸送で売上をあげるというUberの大きな事業戦略において、重要な一端を担うようになっている。Uberは、Uber Freightが独立事業会社としてスピンアウトした2018年8月以来、トラックプラットフォームにかなりのリソースをつぎ込んできた。それからというもの、同社はオペレーションを拡大したり、アプリを再設計したりしている。アプリの再設計には、新しいナビゲーション機能やアップデートされたマップビュー、スクリーントップにある検索バーなどが含まれる。

画像クレジット:Uber Freight

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(翻訳:Mizoguchi)

貨物運送のUber Freightが対象地域を拡大、新機能も追加

Uber Freightは、今年Uberがスタートしたオンデマンド・トラック運送サービスだ。このほど当初のテキサスに加えて、カリフォルニア、アリゾナ、シカゴ、ジョージア、サウスカロライナ、およびノースカロライナへとサービス対象地域を拡大した。Uberはアプリも改訂し、ドライバーアプリのカスタム設定によるパーソナライズや利用状況に応じた推奨機能が加わった。

Uber Freightアプリは、ドライバーの過去の作業履歴やよく使う経路に基づいて、受注可能な貨物を推奨するようになった。近隣の配達案件も簡単に表示できる。

Uber Freightは 今年5月にデビューし、独立ドライバーや小規模運送会社が、簡単に運送案件を探して受注できるようにした。 当時Uberがうたっていたもうひとつの利点は、迅速な支払いだ。輸送代金は「数日以内」に入金され、追加の手数料はかからない。

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Uberにとってこの事業は、同社の野望である無人トラック輸送とは別物だが、人間ドライバーがこのアプリを使うことで収集できる貨物輸送や移動経路のデータが、そうした取り組みに役立つことは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook