インドの通信大手Vodafone IdeaがViにリブランド、Jio Platformsの参入で競争激化

インド最大級の通信事業者であるVodafone Idea(ボーダフォン・イデア)は、英国の通信大手Vodafoneグループのインド事業と、インドの億万長者、Kumar Mangalam Birla(クマール・マンガラム・ビルラ)氏が所有するIdea Cellular(イデア・セルラー)が国内で合併してから3年が経過した。同社はこのたび「新たなスタート」を切るために「Vi」とリブランディングした。

ボーダフォングループCEOのNick Read(ニック・リード)氏は米国時間9月7日のオンライン会議で「2つの事業の統合が完了した今、新たなスタートを切る時が来た。だからこそ、今こそVodafone IndiaとIdeaの強みを提供する1つの会社であるViを立ち上げる絶好のタイミングだと考えている」と語った。

かつて4億人以上の加入者を抱える国内最大の通信事業者であったVodafone Ideaは、近年、新規参入のJio Platformsに1億人以上の加入者を奪われている(未訳記事)。

インドの大富豪であるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が率いる通信ベンチャーのJio Platformsは、格安なモバイル通信料金で4億人近くの加入者を抱える最大の通信事業者となった。同社はここ数カ月でFacebook(フィイスブック)やGoogle(グーグル)などの著名企業から200億ドル(約2兆1250億円)以上の投資を集めている

Viのロゴ(画像クレジット:Vodafone Idea)

インドは世界第2位の通信市場で、世界最大のデータ消費国だ。インドでは、12億人が50万カ所の村々で世界で最も安い料金で音声およびデータサービスにアクセスしている。インドのこのユビキタス無線ネットワークは、人々の生活の中でそのリーチと影響力でほかの追随を許しません」と、本日の会議でAditya Birla GroupとVodafone Ideaの会長であるビルラ氏は述べている。そして「私たちの新しいブランドであるViでは、政府と協力してインドのデジタル経済への移行を加速し、何百万もの市民がデジタル革命に接続し、より良い明日を築くことを可能にしていきます」と続けた。

Vodafone Idea(Vi)は、合併以降にまだ利益を上げていない。同社は、現在インドで10億人以上に達している4Gワイヤレス技術に投資し続けることを表明し、合併発表時の2倍のカバー率を実現している。

同社は先週、34億ドル(約3600億円)相当の株式を売却し、社債を発行する承認を株主から得た。同社は2020年9月にインドの最高裁がVodafone Ideaと同じくインドの大手通信事業者Bharti Airtel(バーティ・エアテル)に向こう10年間の負債の支払い猶予を認めたこと(未訳記事)で、インドで必要とされてきた救済措置を受けた。

判決に先立ってVodafoneグループは「インド政府の3カ月という短い期限での負担金の支払いは通信会社にとって実現不可能であり、市場から撤退するしかないだろう」と警告していた。

朝方の取引で10%上昇していたVodafone Ideaの株は、9月7日月曜日の発表直後に3.30%上昇した。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Vi インド

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

中国メーカーのOPPOはボーダフォンと組んでヨーロッパに注力

Huawei(ファーウェイ)は、海外市場での難しい課題に直面している。今後発売するデバイスには、Google(グーグル)のアプリとサービスをフルセットで搭載できないからだ。一方で、それにより海外市場で漁夫の利を得る同じ中国のライバルメーカーもある。

OPPOもそのようなメーカーの1つだ。Vivoの姉妹ブランドで、東莞(とうかん)に本拠を置く電子機器持株会社であるBBKの傘下にある。Vodafone(ボーダフォン)と提携し、同社の持つヨーロッパ市場にOPPOブランドのスマホを導入することを、米国時間5月17日に発表した。この協定は5月中にも開始され、先進的な5Gの端末やコスパの高いモデルからなるOPPOの製品ラインナップを英国、ドイツ、オランダ、スペイン、ポルトガル、ルーマニア、トルコに供給する。

ボーダフォンは2019年に、ファーウェイの端末を同社の英国における5Gネットワークから排除した。これは米国の輸出禁止令により、ファーウェイのモデルで一部のAndroidサービスが利用できなくなったことを受けての措置だった。英国ではボーダフォンも、ユーザーと5G契約を結ぶための激しい競争にさらされており、そこでOPPOの幅広いモバイル製品が利用できるようになったのは大きい。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、ヨーロッパ中の物理的な販売店が閉鎖されている中、OPPOとボーダフォンは共同でオンラインの販売チャンネルを開拓している。

OPPOは現在、母国中国ではファーウェイに次いで2番目に大きいスマートフォンベンダーとなっている。2018年の半ばにヨーロッパ市場に参入して以来、全域で売り上げを急上昇させている。2019年にヨーロッパで一般向けとしては最初の製品となる5Gスマートフォンを初めて発売した企業の1つにも数えられている。調査会社Canalysの調査によると、現在ヨーロッパ大陸で2%のシェアを獲得し、5位に付けている。

「OPPOは、ファーウェイと同じセグメントの大部分で勝負できる製品ラインナップを持っています。そのためファーウェイをあきらめても、市場シェアを獲りにいくことができます」と、Counterpoint Researchの調査ディレクター、Peter Richardson(ピーター・リチャードソン)氏はTechCrunchに説明した。「OPPOは一貫してヨーロッパテイストの製品デザインを採用しています。製品の色のバリエーション、パッケージング、それに広告などを見ても明らかです。それで、ヨーロッパの消費者に受け入れられやすいのです」。

リチャードソン氏によれば、OPPOという名前は、同じ中国のライバルであるXiaomi(シャオミ)やファーウェイと比べて「中国的な響き」が少ないとも指摘している。それによって「ファーウェイのセキュリティ上の問題に端を発する苦境や、新型コロナのパンデミックといった中国をめぐる現状の否定的な報道」の影響を和らげることができるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

インド通信事業者が新型コロナウイルスの予防情報を共有

インドの通信事業者は、国内で40数件の感染例が検出されたことを受けて、COVID-19こと新型コロナウイルスの感染拡大についてユーザーへの警告を開始した。

Reliance Jio、Airtel、国営のBSNLの加入者は、米国時間3月8日の日曜日に電話を発信する際に、ヒンディー語と英語での警告を受けた。同国で「caller tune」と呼ばれているこのメッセージは、通常の発信音の代わりに再生される。

録音されたメッセージは、「せきやくしゃみをしているときは、必ずハンカチやティッシュで顔を守ること。そして、石けんで定期的に手を洗いなさい。顔、目、鼻には触れないように。せき、発熱、息切れがあれば、1メートルの距離を保つこと。必要であれば、すぐに最寄りの医療センターを訪れるように」と伝えている。

事情に詳しい情報筋がTechCrunchに語ったところによると、インド最大の通信事業者であるVodafoneも、警告メッセージの実装を開始した。一方、Airtelは警告の範囲を広げようとしているという。この計画はインドの保健・通信当局によって監督されている。

世界中の多くの産業に深刻な影響を与えてきた新型コロナウイルスは、インドでもいくつかのビジネスと生活を混乱を生じさせ始めている。太陽エネルギー関連の企業や製造業、製薬会社は、いずれも中国から原料を調達しており、政府に支援を求めている。

インド国内ではこれまでに43例の感染が検出され、うち3例は完治している。

米国の大手企業数社の最近の動きにならい、インドの一部企業も従業員に在宅での勤務を奨めている。NoidaとGurgaonの従業員の1人が新型コロナウイルスへの陽性反応を示したため、金融サービスのスタートアップであるPaytmは先週、オフィスに来ないよう促した。

チェンナイに本社を置くクラウドサービス企業のZohoは、十分な注意を払い在宅勤務するよう全従業員に呼びかけた。ITコングロマリットのTech Mahindraも、同様の動きをみせている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Vodafoneも欧州でのHuaweiネットワーク部品購入を見合わせ

Huaweiの2018年の業績は素晴らしかった。同様に2019年もすこぶる好調なことが予想される。しかし、このハードウェアメーカーのグローバル展開計画の減速要因となる小さなことがある。米国とカナダは、すでに明らかになっているHuaweiと中国政府との関係に対してアクションをとっていて、そして今、Vodafoneも他の国々が参加するかもしれない懸念に追随している。

英国拠点のこの通信大手は今週、Huaweiからの購入を一時的に見合わせると発表した。この動きは、他の国も追随してHuawei製品を禁止するかもしれないという懸念をもとにしたものだ。こうした世界の動きは、世界第2位の通信会社が世界中で5Gネットワークを展開しようというときに同社を微妙な立場に置いている。

当面、購入見合わせは欧州マーケットに限定している。Wall Street Journalが指摘するように、Vodafoneがインドやトルコ、アフリカの一部を含む他のマーケットにおいてHuaweiのネットワーク製品で事業展開する可能性はある。しかしながら欧州ではこうしたHuawei製品禁止の動きは最終的に、計画された5Gの推進の費用上昇や遅れを引き起こすかもしれない。

「我々はさまざまな機関や政府と仕事をしていて、Huaweiに関する状況が決着をみるまでは、我々の主要な事業でのさらなるHuawei製品の使用を停止することにした。私が思うに、Huaweiはオープンで、一生懸命働いている」とVodafoneのCEO、Nick Read は声明文でこう述べた。

Huaweiは中国政府スパイ活動に関する疑惑を一貫して否定している。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)