AppleマップがiOS 15アップグレードでより詳細な地図、交通機関ナビ、ARビューなど追加

iOS 15に搭載される数多くのアップデートの中でも、Apple Maps(マップ)は、より詳細な地図、交通機関利用者のための改善、AR体験など、さまざまなアップグレードが行われる。今回のアップグレードは、2年前にApple(アップル)が提供を開始した新しいマップをベースにしている。それはより詳細な情報に加え、ユーザーからのフィードバックや苦情に応えて、より正確なナビゲーションを提供することに重点を置いていた。

それ以来、Appleマップは着実に進化している。

新しいマップ体験は、米国、英国、アイルランド、カナダでローンチされた後、米国時間6月7日からスペインとポルトガルでも導入される。その後、2021年後半にはイタリアとオーストラリアにも到着する予定であると、Appleは7日に開催されたWorldwide Developer Conference(WWDC、世界開発者会議)の基調講演で発表した。

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さらにAppleによると、iOS 15のマップでは、商業地区、マリーナ、ビルなどの詳細情報が新たに追加されるとのこと。さらに同社は、標高、新しい道路の色とラベル、そして何百ものカスタムデザインされたランドマーク(例えばゴールデンゲートブリッジのような場所)といったものを追加した。

また、マップの新しい夜間モードとして「moonlit glow(月明かりグロー)」モードが追加された。

ドライバーのために、Appleはマップに新しい道路の詳細情報を追加した。これにより、ドライバーは街中を移動する際に、ターンレーン、中央分離帯、バスやタクシーレーンなどの注意を払うべき条件をより見やすく、理解しやすくなる。今回の変更は、Google(グーグル)が最近行ったGoogleマッププラットフォームのアップデートに匹敵するもので、そちらも一部の都市で道路レベルの詳細情報が提供されるようになった。これにより、徒歩、車イス、自転車、スクーターなどで移動する人々も、歩道や交差点などをより見やすくなっていた。

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Appleも今やっとそれに追いつき、横断歩道や自転車レーンなどを表示していくと述べている。

また、重なり合った複雑なインターチェンジなどを3D空間で表現し、今後の交通状況や車線の確認をより容易にするとのこと。これらの機能は、年内にCarPlayにも搭載される予定だ。

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一方、交通機関を利用するユーザーのために、マップは近くの駅を見つけやすいように改良された。

ユーザーは、お気に入りの路線をトップにピン留めしたり、Apple Watchで追跡できるようになり、わざわざ携帯電話を取り出す必要がなくなった。アップデートされたマップアプリは乗り換えルートを自動的に追跡し、降りる時間になると通知してくれるので、例えばCitymapperのような、交通機関利用者に人気のあるサードパーティ製アプリに対抗できるようになっている。

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また、駅を出たときにiPhoneをかざして周辺の建物をスキャンすると、マップが正確な位置を検出し、AR(拡張現実)で方向を提示することができるようになった。これは、Googleが2020年に発表した「Live View(ライブビュー)AR」による道案内と同様だ。

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この機能は2021年に一部の都市で開始され、今後1年間でさらに増えていくとAppleは述べている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがMacにも「ショートカット」を搭載、Automatorからの移行を開始する

Apple(アップル)はWWDC 2021で、macOSの次期メジャーバージョンであるmacOS Monterey(macOSモントレー)を発表した。さまざまな機能の1つとしてAppleがmacOSに持ち込もうとしているのは、「Shortcuts(ショートカット)」だ。それはiOSやiPadOS上のショートカットと同じような外観と機能になる予定だ。

ソフトウェアエンジニアリング担当副社長のCraig Federighi(クレイグ・フェディリギ)氏は「Macにはコマンドライン、シェルスクリプト、Appleスクリプト、Automator(オートメーター)を使った自動化の長い歴史があります。そしてiOS上では、私たちはショートカットを使って、自動化をさらに簡単なものにしました。そして2021年、私たちはMacにショートカットを導入します」と語った。

新しいショートカットアプリの中では、人気のあるショートカットのギャラリーを見ることができる。ショートカットで具体的に何ができるのかは興味深いところだが、少なくともアプリの起動、GIFの作成、メッセージの送信、メールの作成、ウェブサイトの起動などは期待できる。

その他、Finder、メニューバー、Spotlight(スポットライト)の中でショートカットを起動することができる。また、Siri(シリ)を使って起動することも可能だ。

今回の発表で、AppleはAutomatorの終了に向けての準備も始めた。フェデリギ氏は「これは数年にわたる移行の始まりに過ぎません。Automatorは引き続きサポートされますが、Automatorのワークフローをすぐにショートカットに取り込むことも可能です」と述べている。

この言葉の行間を読むなら、AppleはAutomatorに新しい機能を追加するつもりはないようだ。ショートカットは、macOS、iOS、iPadOSにとっての自動化の未来なのだ。

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

今秋リリースのアップルのwatchOS 8にマインドフルネスと呼吸追跡の機能

読者のみなさんは2021年のWWDCではwatchOSの大きなアップデートは発表されないと思っていたのではないだろうか。Apple(アップル)のウェアラブルの出荷台数はiPhoneほどではないが、Apple Watchはスマートウォッチ市場を完全に独占していて、同社にとってかなりの成功となっている。

誰も驚きはしないだろうが、同社はマインドフルネスによりフォーカスしたアプローチを取っている。まだCalmやHeadspaceといったサービスに取って代わるものではないものの、自分に向かい合ってより意識することをユーザーに促す、待ち望まれていた新しいアニメーションが人気の呼吸機能に加わる。

また、これまではバックグラウンド機能だった呼吸トラッキングも、長期的なトラッキングやノーティフィケーションなどでwatchOSのエクスペリエンスの前面にくる。

もちろん、新しいフェイスなしにはwatchOSアップデートとはいえない。Appleは写真がロックスクリーンとしてうまく収まるよう、ポートレートモードをフェイスに加える。Watch Photosアプリも新しいレイアウトとなり、ウォッチからMailやMessagesといった同社のアプリへ写真を共有する機能も加わる。

Fitness+にも大量の新しいコンテンツが加わる。ここにはAlicia Keys(アリシア・キーズ)、Lady Gaga(レディー・ガガ)、Keith Urban(キース・アーバン)といったアーティストのワークアウト向けのものが含まれる。太極拳やピラティスもサポートするワークアウトのリストに加わる。

そして最後に、しかしもちろん多くの人にとって最後ではないが、watchOSはGIFをサポートするようになる。ベータ版が2021年7月から提供され、watchOS 8は今秋正式に展開される。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがiOS 15で「通知」を改良、新機能「フォーカス」「サマリー」でよりパーソナライズなものに

iOS 15へのアップデートの一環として、Apple(アップル)はiPhoneユーザーが現在のステータスに基づいて、着信、メール、アプリからのアップデートに関してその通知方法をさらにカスタマイズできるようにする。新機能「Focus(フォーカス)」では「Do Not Disturb」で通話や通知を遮断するだけでなく、運転中、仕事中、睡眠中などのステータスに応じて、さまざまな種類の通知設定が行えるようになる。

また、システムに搭載されたAIが、その時のユーザーの状態を判断。例えば、ジムに到着したら通知をオフにするよう提案するといったことも行う。

新機能の「Focus」では、いつ、どのように通知を受けたいか、通知の方法とタイミングをカスタマイズできる。例えば、同僚やメール、カレンダー、Slackなどのアプリからのみ通知を受けるように設定可能だ。また、ホーム画面上をFocusに合わせたページにして、仕事用アプリだけを表示させて、アプリやウィジェットを整理し誘惑を減らせる。また、Focusを使用することですべてのAppleデバイスにも同期されるとAppleは説明している。

通知機能も新しくなり、連絡先の写真が表示され、アプリのアイコンが大きくなり識別しやすくなる。

2019年、Tim Cook(ティム・クック)氏は、自身が多くの通知をミュートにしていたことを認め「Appleは、ユーザーの使用時間をできるだけ長くしたいと思ったことはない。私たちはそのようなことをしたことはない」と述べたのは有名だ。しかし我々はこれに反論し、Appleはリアルタイムではなく、スケジュールに沿って通知を配信するシステムを設計することができたはずだと述べた。

関連記事:「iPhoneを使い過ぎないで」とティム・クックCEOが忠告

また、Appleは「Notification Summary(通知サマリー)」という機能を搭載する。この機能は受信した通知を時間帯などに応じてまとめ、優先順位をつけて表示する。このサマリーは、朝や夜など、任意の時間に配信されるようにスケジュールできる。

Appleによると、ユーザーのアプリケーションの使い方に基づいたデバイスインテリジェンスを使って、この「まとめ」をアレンジし、すばやくキャッチアップしやすくするという。サマリーでは、最も重要な通知が、あまり重要でない通知の上に表示される。

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もう1つの変更点は「Do Not Disturb(おやすみモード)」がiMessageに直接統合されたことだ。これにより、着信音に煩わされたくないとき、他のユーザーもそれがわかるようになる。

おやすみモードを使用しているときには、iMessageにそのステータスが自動的に表示されるようになる。また、本当に緊急なメッセージの場合であれば、連絡できる方法はあるとAppleは説明している。

また、時間帯ごとに大きなブロックとして説明文を送るように設定することも可能だ。これまでのiOSバージョンと比べて、ロック画面の通知がよりインタラクティブなものになる。

これらの機能は、ユーザーに合わせてスマートフォンをよりパーソナライズすることに関わるもので、何年も前にAndroidデバイスで人気を博した、AviateEverythingMeといった自分の行動や時間帯などに応じてデバイスをカスタマイズするスマートランチャーを思い起こさせる。Appleは、サードパーティ製のアプリが自社のモバイルOSと深く統合したり、デバイスのホーム画面を再設定することを許可していないため、これらのアプリはiOSでは普及することはなかった。

しかし、最近のAppleは、ウィジェットや「Siriからの提案」の導入など、ユーザーの好みをより反映させるためにiPhoneをカスタマイズしており、ホーム画面上におすすめのアプリをウィジェットで表示することもできるようになっている。

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(文:Brian Heater、Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがiOS 15発表、「つながり続ける」「集中する」といった4つの柱を掲げFaceTime、通知などの新機能満載

Apple(アップル)は開発者会議「WWDC 2021」のバーチャル基調講演において、2021年後半にリリース予定の次期メジャーバージョンであるiOS 15の詳細を初めて公開した。2021年のリリースでは「つながり続ける」「気を散らさずに集中する」「インテリジェンスを活用する」「世界を探索する」という4つの柱を掲げている。

ソフトウェアエンジニアリング担当SVPのCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏は、次のように述べた。「多くの人にとって、iPhoneは必要不可欠なものとなっています。当社の新しいリリースはiOS 15です。大切な人とのつながりを大事にしたり、気を散らさずに集中できる空間を見つけたり、インテリジェンスを活用して必要な情報を見つけたり、自分の周りの世界を探索したりするなど、あなたのiPhoneの使い方にiOS体験を適応させ、補完する機能が満載です」。

FaceTimeにさまざまな新機能が加わり進化

Appleは、FaceTimeに空間オーディオを追加すると発表した。これにより、スクリーン上の友人・家族の位置に応じて声が広がるようになる。例えば、誰かの顔が左に見える場合、あなたの耳には彼らが左側にいるように聞こえる。FaceTimeの他のニュースとして、iOSはバックグラウンドノイズを検出し、友人や家族の声がより聞き取りやすくなるようにノイズを抑制するようになる。これはオプション機能で、例えばFaceTime通話中にコンサートを見せている場合などには、この機能を無効にすることができる。

もう1つのFaceTime機能は「ポートレートモード」だ。これは、ポートレートモードの写真のように、背景を自動的にぼかすことができるというもの。また、仕事の会議などでFaceTimeを使いたい場合、FaceTimeリンクを作成してカレンダーの招待状に追加することができるようになる。FaceTimeはウェブブラウザでも動作するため、Appleデバイスを持っていないユーザーでもリンクを通じFaceTimeの通話に参加できる。これらの機能により、FaceTimeはZoom(ズーム)やGoogle Meet( グーグル・ミート)などの他のビデオ通話サービスとの競争力を高めることになる。

Appleは「SharePlay」機能も発表し、FaceTimeに注力していることを示した。この同時再生機能を使うことで、FaceTimeで会話をしながら同じ曲や楽曲リストを一緒に聴くことができる。Apple Musicで再生ボタンを押すと、通話中の全員のデバイスで音楽が始まる。キューは共有されるので、参加している誰でも曲の追加や次の曲へのスキップなどが可能だ。

SharePlayでは、映画やテレビ番組を一緒に見ることもできる。通話中の誰かがビデオを開始すると、他の参加者のスマホやタブレットでも同じビデオが始まる。また、AirPlayやピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)など、iOS動画に期待されるすべての機能に対応している。

これは、Apple TVアプリ内のビデオとの互換性だけではない。Appleは、動画をSharePlayに対応させるためのAPIを用意すると述べている。現在のパートナーは、Disney+、Hulu(フールー)、HBO Max、Twitch、TikTok(ティクトック)など。初期パートナーのスクリーンショットは下図のようになっている。

さて、Messages(メッセージ)に話を移そう。メッセージアプリは「News」「写真」「ミュージック」など、他のApple標準アプリとの連携が強化された。メッセージで共有されたアイテムは、これらのアプリに共有されたコンテンツとして表示される。つまり、メッセージ(およびiMessage)は、Appleアプリの上にあるソーシャルレイヤーとして機能するのだ。

新しい通知サマリー、フォーカスモード

Appleは、オンデバイスのインテリジェンスを使って通知のサマリーを作成する予定だという。これにより通知は、現在のようにアプリ別、日付別ではなく、優先度別に並べられる。例えば、友だちからの通知はトップに近い位置に表示される。

通知をサイレントモードにすると、iMessageの連絡先には、あなたが「Do not disturb(おやすみモード)」を有効にしていることが表示される。この機能はSlackの「Do not disturb」と少し似ている。しかし、新しい設定がある。Appleはこれを「Focus(フォーカス)モード」と呼んでいる。通知を受け取りたいアプリや人を選び、自分がその時していることに応じてフォーカスを変えることができるというものだ。

例えば仕事中であれば、個人的に使うアプリや個人的な電話・メッセージをサイレントにすることができる。逆に週末であれば、仕事のメールの通知をサイレントにできる。複数のAppleデバイスを持っている場合は、設定がiCloudアカウント間で同期される。さらに、モードによりアプリやウィジェットの表示・非表示を切り替えて、ホーム画面にも変化を与えられる。

新しいスマート機能

Appleは、あなたの写真をスキャンしてテキストを探す機能を導入する。「Live Text(ライブテキスト)」と呼ばれるこの機能により、ユーザーは写真の中のテキストをハイライトしたり、他のアプリにコピー・ペーストできるようになる。iOSはその情報をSpotlight(スポットライト)機能に活用する予定だ。ハイライトした写真の中のテキストは、Spotlightで直接検索することができる。これらの機能はデバイス上で直接処理される。

iOS 15では、Memories(メモリー)機能がアップグレードされる。「この新しい『メモリー』は、その場で生成されます。インタラクティブで、生きています」と、写真エンジニアリング担当シニアマネジャーのChelsea Burnette(チェルシー・バーネット)氏は語った。メモリーは、写真アプリで見ることのできるインタラクティブなムービーだ。今回、指でタップしてムービーを一時停止できるようになった。バックグラウンドでは音楽が流れ続け、指を離すとフォトモンタージュが再開される。

また、メモリーに合わせて特定の曲を検索できるようになる。写真アプリの新機能は、今後詳しく見ていきたい。

Wallet、天気、マップ

Apple Walletのすべての機能をおさらいした上で同社は、将来IDをスキャンしてWalletに保存できるようになることを発表した。これは(米国の)参加しているいくつかの州で利用可能になっていくとのことで、ゆっくりとした展開になるだろう。政府のサービス(空港の保安検査など)がIDから何らかの情報を必要とするとき、ユーザーはiPhone上で直接そのサービスとデータを共有することを選択できるという。

天気アプリに関して言えば、Appleが買収した人気の天気予報アプリ「Dark Sky」にあった機能の多くが含められアップデートされた。新しいデザインと、より多くのデータが期待される。

Apple Maps(マップ)については、新しい地図データがいくつかの国で展開されたところで、同社はまだ欧州でロールアウトしている最中だ。Appleはサンフランシスコなどの一部の地域に、大量の新しい詳細情報を追加した。バスやタクシーのレーン、横断歩道、自転車レーンなどを見られるようになった。高速道路では、複雑なインターチェンジを3Dで見ることができる。これらの機能は、2021年後半にCar Play(カープレイ)でも提供される予定だ。

公共交通機関を利用するユーザーは、お気に入りの路線をピンで固定して、Apple Watchで情報を見ることができる。地下鉄やバスに乗っているときは、リアルタイムで自分の位置を確認できる。また(地域によっては)、携帯電話を目の前にかざすと、AR(拡張現実)で道案内をすることも可能になる。

AirPodsソフトウェアアップデート

Appleは、AirPodsも持っているユーザーのために、多くの新機能を発表した。新しい会話モードでは、スマートな補聴器として会話の音量を上げることができる。また「通知をアナウンスする」設定を有効にしていれば、より多くの通知をAirPodsで受け取ることができる。その設定を微調整することで、特定のアプリに限定したり、フォーカスモードに応じて変更することができる。

また、AirPodsがケースに入っていても、オーディオ通知付きのFind My(探す)アプリでAirPodsを探すことができる。空間オーディオは、M1チップを搭載したApple TVとMacに搭載される。数週間前に発表されたように、Apple Musicの空間オーディオは現在利用できる。

ご覧の通り、iOS 15には新機能が満載されている。Appleは本日(米国時間6月7日)、最初のリリースとなる開発者ベータ版を発表すると思われる。公開ベータ版はその後にリリースが見込まれる。夏の間はベータ版のアップデートが行われ、2021年9月に最終版がリリースされることになる。

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

アップルのiOS 15新機能「Live Text」は写真内の文字を自動認識してテキストデータ化

Apple(アップル)が、カメラシステムに新機能を導入した。それは写真に写っている名刺に書かれた電話番号や、メモでいっぱいのホワイトボードなどから、テキストを自動的に認識して文字に変換する機能だ。Live Text(ライブテキスト)と呼ばれるこの機能は、ユーザーの指示や特別な作業を必要とせず、アイコンをタップするだけですぐに利用することができる。

WWDCのバーチャルステージでCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏が発表したLive Textは、iOS 15でiPhoneに搭載される予定だ。彼はミーティング後のホワイトボードや、レストランの看板を背景にしたスナップショットなどのいくつかの写真を使って、デモンストレーションを行った。

右下にあるLive Textボタンをタップすると、写真の中に検出されたテキストに控えめなアンダーラインが引かれ、それをスワイプすることでテキストを選択してコピーすることができる。ホワイトボードの場合は箇条書きを含む複数センテンスのメモを集め、またレストランの看板の場合は電話番号を取り出して電話をかけたり、保存したりすることができた。

この機能は、Googleが長年開発してきたLens(レンズ)アプリに多く見られる機能を連想させるもので、Pixel 4は2019年の時点でさらに堅牢なスキャン機能を追加している。それに比べると新システムを導入したiPhoneでは、撮影した各写真でほぼ自動的にテキストが取り込まれるという違いがある。つまりスキャナーモードに入ったり、別のアプリを起動する必要はない。

これは誰にとってもうれしい機能だが、特に視覚障害のある人には役立つかもしれない。普通なら読むことが困難な文章も、写真撮影をすることで、耳で聴いたり、テキストを保存することが可能になる。

この処理はすべてスマートフォン上で行われるようなので、情報がどこかのデータセンターに送られるという心配はない。また、これは処理がかなり速いということでもある。とはいえ、実際に試してみるまでは、それが瞬時に終わるものなのか、それとも他の機械学習機能のように、撮影してから終了までに数秒から数分かかるものなのかは分からない。

【訳注】当初対応するのは英語、中国語(簡体字、繁体字)、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語となっている。

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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

アップルが動画や音楽をバーチャル共同視聴できる新機能「SharePlay」をiOS 15で導入

Apple(アップル)はiOS 15でのFaceTimeアップデートの一環として、新しい体験共有機能を発表した。FaceTimeコールで一緒にテレビ番組やTikTokビデオを観たり音楽を聴いたり、あるいはスクリーンシェアしたりできるというものだ。SharePlayというこの機能では、コールそのものからアプリへのアクセスを統合することで、FaceTimeを使いながら家族や友人とリアルタイムにつながることができる、とAppleは説明した。

画像クレジット:Apple

Appleは米国時間6月7日に開催したWWDC基調講演で新しい機能のデモンストレーションを行い、友達と一緒に音楽を聴くためにApple Musicで再生ボタンを押してコールに参加している人に音楽をストリームする様子を見せた。音楽共有では、コールに参加している人は誰でも再生、一時停止、曲送りができる。

また、ストリーミングサービスであるApple TV+の動画をコール参加者の間でリアルタイムに同期する様子も紹介した。パンデミックの間、人々はバーチャルで家族や友人と映画や番組を一緒に観る方法を模索し、HuluやAmazon Prime Videoといったサービスはネイティブの共同視聴機能を搭載した。

しかし AppleのSharePlayは自社サービスの音楽やビデオのストリーミング以外のものもカバーしている。

同社はDisney+、Hulu、 HBO Max、NBA、Twitch、TikTok、MasterClass、ESPN+、 Paramount+、Pluto TVなどとの提携を発表した。またデベロッパーがアプリにSharePlayを統合できるよう、APIにも着手している。

画像クレジット:Apple

ユーザーはSharePlay経由でスクリーンシェアもできる。不動産会社Zillowの物件を一緒にブラウズしたり、モバイルゲームプレイを自慢したりといったことができる、とAppleは紹介した。

「スクリーンシェアリングは、誰かの手助けをしたりその場で質問に答えたりするためのシンプルでかなり効果的な方法でもあり、 Appleの全デバイスで利用できます」とソフトウェアエンジニアリングのSVPであるCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏は述べた。

SharePlay機能はiOS 15で提供される。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがmacOS 12 Montereyを発表、PCとタブレットのギャップを埋める

この1年で、最近の記憶の中で最も劇的なMacのアップデートが行われた。2020年のWWDCで、Apple(アップル)は待望されていたIntelチップから自社のファーストパーティ製シリコンへの移行を発表。年末までに、最初となる3台のM1 Macと、macOSの最大のアップデートの1つとなるBig Surを発表している。

WWDCのキックオフにおいてAppleは、macOS 12を発表した。その名も「Monterey」。同OSに搭載される「Universal Control(ユニバーサルコントロール)」は、デスクトップとタブレット間のギャップを埋める最も重要な新機能だ。Macの隣にiPadを置くと、同じトラックパッドとキーボードを使ってデバイス間でカーソルを移動させることができるようになる。本機能は、同時に3台までのデバイスで動作する。

また「AirPlay to Mac」では、大きなデスクトップ画面にコンテンツを直接キャストできるようになっている(テレビを持たない私のような変人にはうれしい)。ショートカットもmacOSで利用できるようになり、従来のAutomaterよりも簡単に自動化できる。ユーザーは人気モバイルアプリのデスクトップ版にAutomaterのワークフローを直接インポート可能だ。移行は数年がかりのものになると思われるが、Automaterがなくなってしまうのは(少々)寂しい。さらにSiri、Spotlight、メニューバー、そしてFinderにもショートカットが追加される。

もちろん、Safariにもいくつかのアップデートがある。その中でも最大のニュースは「Tab Groups(タブグループ)」の登場だ。その名のとおり、タブをグループ化し、他のユーザーと共有できる機能だ。これは非常に多くの使い方ができるので、多くのユーザーがワークフローを見直す必要がでるだろう。しかし、少なくともタブバー自体は、よりすっきりと合理的になる。

また、iOSとiPadOSで利用できるデスクトップ拡張機能も新たに追加された。デスクトップはAirPods ProのSpatial Audioにも対応するようになり、LaunchPadにはゲームフォルダが追加、コンテンツを1カ所に集められるようになり、ログイン画面にMemojiを表示できるようになる。

いくつかのすばらしい機能が追加されたが、さすがに新macOS「Monterey」は「Big Sur」ほどの大きなアップデートではなかった。大きなニュースの多くはボンネットの中で起こっているようだ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルのWWDC 2021基調講演をライブ中継で観よう!

明日、日本時間6月8日午前2時、アップルは開発者会議の初日に(バーチャル)基調講演を行い、大量のソフトウェアアップデートを発表する予定だ。同時刻より、このイベントの様子をライブストリーミングでご覧いただくことができる。

Appleの開発者会議ではいつものことだが、同社OSの次期メジャーアップデートに関する情報が期待できる。iOS 15、iPadOS 15、macOSの新バージョン、そしてwatchOSとtvOSのアップデートも予定されている。

しかし、Appleはこの機会を利用して、開発者に特に人気のある新製品を発表することもできる。Appleはすでに、独自のARMベースのM1チップを搭載したノートPCとデスクトップPCを複数出荷している。

ハイエンドモデルはまだアップデートされていない。噂によると、アップルは今日の機会に、新しいiMac ProやMacBook Proのアップデートモデル、あるいは新しい外付けディスプレイを発表する可能性があります。

ハイエンドモデルはまだアップデートされていない。噂によると、Appleには今回、新しいiMac ProやMacBook Proのアップデートモデル、あるいは新しい外付けディスプレイを発表する可能性があります。

AppleはカンファレンスをYouTubeでストリーミングしているので、このページで直接ライブストリームを見ることができる。

Apple TVがある場合は、新たにアプリをダウンロードする必要はない。アプリ「Apple TV」を開くと「Apple Events」が表示される。今回のイベントをストリーミングしたり、過去のイベントを再視聴できる。

また、Apple TVがなく、YouTubeを使いたくない人は、AppleのウェブサイトApple Event」からイベントをライブストリーミングすることもできる。この動画配信はSafari、Firefox、Microsoft Edge、Google Chromeなどの主要ブラウザーで観ることができる。

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画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

WWDC 2021で期待される発表は?iOS 15、iPadOSリニューアル、もしかしたら新Macも

あらゆることを考え合わせると、Apple(アップル)は2020年、非常に洗練されたバーチャルWWDCを開催した。Microsoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)のような他の企業がよりライブ感のある(あるいはライブスタイルの)体験を選択したのに対し、Appleは、スムーズなドローン撮影と巧みなトランジションを駆使して出演した幹部たちを引き立てた。そして最初の1年を経て、同社がどのように新しい境地に達するか見ものだ。

キックオフからニュースを提供するWWDCの基調講演はいつも大盛況だが、今回もその例に漏れず、さらに多くの新情報が発表される可能性が高い。iOS / iPadOS、watchOS、macOS、tvOSなど、開発者向けの標準的なアップデートに加えて、このイベントで新しいハードウェアが発表される可能性もある。

いつものようにライブでニュースをお伝えしていくが、今回はライブブログを復活させる。ライブニュースをさまざまな方法でフォローすることが可能だ。イベントは、太平洋標準時6月7日(月)午前10時(日本時間6月8日午前2時)に開始される。

YouTubeのライブストリームはここで見ることができる。

例年通り、このイベントではiOSが最大の目玉となる。なんといっても、Appleは他の何よりも多くiPhoneを販売しているからだ。2020年には特に、同社の最新5Gデバイスが低迷するモバイル市場に救いの手を差し伸べた中でその傾向が強まった。

少なくとも最初の段階では、iOS 15はAndroidの最新バージョンほど過激なアップデートには見えない。しかし、今日から6月7日の朝までの間に、多くのことが起こり得る。(少なくとも今のところ)最重要課題は通知機能のアップデートのようだ。報道によると、モバイルOSの新バージョンでは、睡眠中、仕事中、運転中などのステータスに応じてカスタマイズ可能な通知が提供されるとのこと。

また、iOS 15には、新しいアクセシビリティ機能が多数追加されると考えられている。

画像クレジット:Apple

さらに大きなニュースは、待望のiPadOS 15へのアップデートだろう。最新のiPad Proのレビューではこの古いソフトウェアが問題となっていたが、iPadOS 15は、タブレット端末用のOSをモバイルOSからさらに遠ざけるための重要なステップになりそうだ。現在のiPadOS 15は、ほとんどの意図と目的においては、iOSをタブレット向けにスケールアップしたものとなっている。

関連記事:【レビュー】アップルのiPad Pro 2021は今回もすばらしい、だが……

まだ詳細は明らかになっていないが、ホーム画面はウィジェットを含めて大幅にアップデートされる予定だと言われている。これにより、大きくなったホーム画面をより有効に活用できるようになると思われる。また、新しい通知機能やiMessageの大幅な改良など、iOSの新しいアップデートも行われるはずだ。

Big Surで行われた大規模なオーバーホールの後、macOS 12はより小さな波となることが予想される。ここでのビッグニュースは、ハードウェアかもしれない。噂では、Appleの超高速M1チップがアップデートされると囁かれている。M1X(現在の呼称)は、14インチと16インチの新型MacBook Proと一緒に登場する可能性があり、そうなればAppleのラップトップ製品ラインのハイエンドとローエンドの間に、ようやく少しだけ日が差すことになる。

画像クレジット:Brian Heater

また、今のところ情報が少ないものの、watchOSも大きなアップデートの時期に来ているように見える。特に合併したばかりのGoogleとFitbit(フィットビット)と競合しているAppleにとって、新しい健康機能は確実な賭けだろう(最近発表されたSamsungのアシストはいうまでもない)。

そして、最も興味をそそられるミステリーがhomeOSだ。求人情報ではこの謎のOSが参照されていたが、これは単なるタイプミスかもしれない(その後、求人案件では「HomePod」に変更された)。

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噂のまとめということで、より大きなものにつながるかもしれない可能性を指摘しておく。これは、既存および近々発売されるAppleのホーム製品と連動するように設計された、より統合的なホームオペレーティングシステムだと思われる。おそらく、tvOSともう少し密接に統合するものだろう。長期にわたる噂の中心にあるのは新しいApple TVデバイスだが、これまでのところ、その点は確認されていない。

他には、新しいMac Miniの噂もある(ただしこちらは、2020年末にリフレッシュされたばかりだが)。また、Beats Studio Budsに関する噂も興味をそそられる。LeBron James(レブロン・ジェームズ)が未発表のハードウェアを身につけているのを見れば、人々は話題にせざるを得ない。しかしAppleは従来、Beatsチームに独自の発表を任せ、このような大きなイベントはAirPodsのような自社ブランドのオーディオ製品のためにとっておくことを選んできた。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)