スウェーデンの自動運転車両開発EinrideもSPAC上場を検討中か

スウェーデンの自動運転車両開発スタートアップEinride(アインライド)は追加資金を模索することで、Oatly、Lidlとの提携で火がついた勢いを継続させようとしているようだ。

Einrideの計画に詳しい人物によると、同社は新たな資金ラウンドで7500万ドル(約81億円)を調達しようとしており、同時に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じての上場の可能性も検討しているという。

未上場の企業と合併する上場企業というメカニズムのSPACは、モビリティの電動化に注力しているスタートアップによって米国の資本マーケットで存在感を増している。

Nikolaのような企業の上場の成功例(疑わしい主張にもかかわらず)がSPACブームに火をつけた。Canoo、Fisker Inc、ChargePoint、Lordstown Motorsなどは、2020年SPAC経由で上場した米国拠点のEV企業の一例だ。

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新しく作られたSPAC企業と異なり、Einrideはいくつかの基礎を持っている。同社はすでにスウェーデンのオーツミルクメーカーOatlyとの提携を通じて自社のテクノロジーの試験を行った。

Oatlyは2020年10月に、スウェーデンにある生産施設からの出荷にEinrideの電動トラックの使用を開始した。両社の声明によると、これまでにトラックは8600km超走行し、その結果、ディーゼルトラックに比べて1万500kgの二酸化炭素の排出を抑制した。

「持続可能性は我々が行うすべての根幹です。全面的に二酸化炭素排出を抑制するために懸命に取り組みます。ここには輸送にかかる二酸化炭素排出も含まれており、だからこそ電動車両への移行を進めています。電動車両の活用により輸送ルートでの二酸化炭素排出を87%抑制できます」とOatlyのサプライチェーン担当ディレクターSimon Broadbent(サイモン・ブロードベント)氏は当時の声明文で述べた。

Oatlyとの提携は始まりにすぎなかった。その提携が終了すると、Einrideは食品配送・ロジスティック会社Lidlや電気機械メーカーElectroluxといった他のスウェーデン企業とすぐに提携した。

大手自動車メーカーはそれぞれに電動と自動走行の計画を持っている。自動運転テクノロジーのデベロッパーArgoはFordとVW Groupからの投資のおかげでいまや企業価値は75億ドル(約8166億円)だ。VWのTraton Groupは2019年に発表した22億ドル(約2395億円)の投資を通じて低排出と電動化を推し進めている。

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Daimler、Paccar、Volvoもそれぞれ計画を持っている

それは自動走行の電動化された輸送に注がれている資金のうわべを撫でているにすぎない。もちろん、Teslaもセミトラックでこのゲームに参加している。そして中国ではPlus AIがManbang、Suning、FAW Jiefangの数多くの車両を自動化している。

これらの資金のすべては自動走行の電動化された車両マーケットでのシェアを獲得するのが目的だ。コンサル会社McKinseyはこの手の車両がトラック産業で1000億ドル(約10兆8876億円)超を節約すると予測した。2600億ドル(約28兆3075億円)の米国のトラック市場だけでもかなり大きな潜在的機会だ。McKinseyによると、世界規模では事業者はトラック輸送に約1兆2000億ドル(約130兆6500億円)を費やしている。

業界にもたらされるメリットは財務上のものだけではない。トラック輸送は陸上、鉄道、航空の運輸を含む輸送部門における温室効果ガス排出量の大きな部分を占める。2016年にトラック輸送と交通は世界の温室効果ガス排出の約24%を占めた。その数字は着実に大きくなってきている。

輸送部門からの二酸化炭素排出の削減は、環境上持続可能な未来に向けた大きな一歩となるはずだ。

ベンチャー投資家がこうした企業へ投資しようと先を争うのは不思議ではない。EinrideはEQT VenturesとNordicNinja VCに頼っている。NordicNinja VCはパナソニック、ホンダ、オムロン、国際協力銀行などが支援しているファンドだ。Ericsson Ventures、Norrsken Foundation、Plum Alley Investments、Plug and Play Venturesからの出資も含め、Einrideはこれまでに3200万ドル(約35億円)を調達している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:EinrideSPACスウェーデン自動運転資金調達

画像クレジット:Einride

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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