われわれはDropbox、Googleドライブ、Microsoft OneDriveなどのクラウドの利用料金がどんどん安くなっていくのを目撃してきた。昨日(米国時間8/15)、アメリカでGoogle Oneが公開され、テラバイトの当たりの月額がなんと半額になった。消費者向けストレージのクラウド化というトレンドをなお一層明確なものにしたといえそうだ。
TechCrunchのFrederic Lardinoisが記事に書いたとおり、 2TBのストレージの月額が9.99ドルになった。 Google One以前のGoogleドライブでは1TBがこの金額だったからGoogle Oneに参加するとストレージ容量が一挙に2倍になる。正直、1TBでさえ巨大な容量だ。
ではクラウド・サービスのライバルを比べてみよう。それぞれ特色は少しずつ異なるが、ともあれストレージのコストを比較してみる。
Google Oneが2TBで月額9.99ドルとなったことで、Appleのクラウドと並んでコストパフォーマンスがライバルのトップに立った。Googleが追いつくまでAppleがユーザーに最安のプロダクトを提供していたと聞けば意外に思うユーザーも多いかもしれない。もちろんMicrosoft OneDriveの場合はOffice 365がバンドルされており、WordやPowerPointなどのOfficeアプリを自由に使えるというメリットがある。多くのユーザーにとってこれは単なるストレージの提供に比べて大きな価値があるだろう。
とはいえ、クラウドのストレージ料金だけに関して言えば、AppleとGoogleは1TBあたり5ドルだ。これは安い。これはクラウド・ストレージのコモディティ化が進んでいることを示すと同時に、クラウド・ストレージで利益を出すためには途方もないスケールが必要だということを意味している。
Deep Analysisのプリンシパル・アナリスト、Alan Pelz-Sharpeはこの分野を長年観察してきたエキスパートだが、コンシューマー向けクラウド・ストレージの料金は常にゼロに向かって下落していくと指摘している。Pelz-Sharpeは「マスのスケールがなければ利益を出すことができない。このジャンルの企業はMicrosoft、Amazon、Googleによって非常に厳しい立場に追いやられてきた。Google
Oneの登場はこのトレンドを一層明確にした」と述べた。
たとえばDropboxは5億人のユーザーがいると推定されている。これほどのスケールがあってそのうちの一部でも1TBあたり8.25ドルの有料プランに参加してくれるなら事業として成立するだろう。Dropboxは今年2月に株式上場の準備としてS-1書式を提出しているが、それによれば一般ユーザーからの収入は10億ドルあるとしている。現在、スタートアップが新たにクラウド・ストレージの分野に参入するのは、不可能とまでは言えなくても極めて困難だろう。それでもなおかつ既存の巨大プレイヤー同士は激しくコストダウン競争を繰り広げている。
Google Oneのスタートはコンシューマー・クラウド事業における料金引き下げ戦争の新たな一歩といえる。ある朝突然、料金は据え置きのままでストレージ容量が倍に増えるというのはこの動きが容赦なく進んでいることの何よりの証拠だ。
画像:Vladimir_Timofeev / Getty Images
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