Amazon、DynamoDBでJSONをサポート―無料枠を25GB、2億リクエストに一挙拡大


今日(米国時間10/9)、AmazonはDynamoDB NoSQLデータベースサービスにメジャー・アップデートを実施したことを発表した。これによって無料で利用枠が大幅に拡大され、JSONフォーマットの文書をデータベースの単一アイテムとして格納することが可能になった。

他のAmazonのクラウド・サービスと同様、これまでもDynamoDBはトライアル用の無料版を提供してきた。DynamoDBの無料版の制限はかなり厳しく、記憶容量は100MB、読み出し10ユニット、書き込み5ユニットとなっていた。試用には使えるが、意味のあるアプリケーションを動かすことは不可能だった(無料枠はもちろん試用に設けられているのだが)。しかし今日からその制限は大幅に緩和される。なんとデータ容量は25GB、月間2億リクエストまでが無料で利用できるようになった。

AmazonのCTO、 Werner Vogelsによれば、これだけの能力があれば、月間アクティブ・ユーザーが1万5000人あるゲーム・サイトや月間50万インプレッションの広告プラットフォームを運営することが可能だという。

これに対してGoogleのNoSQLデータベース・サービスCloud Datastoreの無料データ容量は1GBだ。またMicrosoftのJSONベースのDocumentDBサービス(現在プレビュー版)はオープンソース・デベロッパーのみに無料版を提供している。

Vogelsはまた今回のアップデートについて次のように説明している。最近、多くのNoSQL、リレーショナル・データベースが(MicrosoftのDocumentDBのように)JSONスタイルのドキュメントを扱えるようになった。これまでもDynamoDBにJSON文書を格納することは可能だったものの、デベロッパーは格納された文書の内容を直接操作することができなかった。その点が今日から変わる。

今回のアップデートで、デベロッパーはAWS SDKのJava、.NET、Ruby、JavaScriptを用いてJSONデータをDynamoDBの固有データ・タイプにマップすることができるようになり、DynamoDBはフル機能を備えた本格的ドキュメントDBに生まれ変わった。これによってデベロッパーの負担は大幅に軽減されることになる。JSONオブジェクトのサイズは大きくなりがちなので、 AWSは1レコードのサイズの上限を400KBに引き上げた。

今回のアップデートはJSONオブジェクトのサポートが目立つが、Vogelsは「DynamoDBは新しいトランスレーション・レイヤーを介してデータ・タイプとしてHTMLとXML文書をサポートするようになった」と強調した。技術的詳細についてはこちらを参照

新機能はAmazonのUS East (北バージニア)、US West(オレゴン)、Asia Pacific(東京)、EU(アイルランド)の各リージョンで直ちに利用可能。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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