Twitterに暗号化DM機能が隠されていた

TwitterのAndroidアプリの奥深くに、ユーザー同士で暗号化されたダイレクトメッセージをやりとりできる “Secret conversation” というオプションが見つかった。この機能があれば、Signal、Telegram、WhatsAppなどの暗号化メッセージアプリに頼ることの多かった機密性の高い会話をTwitterで行える。

暗号化DMオプションは、Twitter for Androidアプリケーションパッケージ(APK)の中にあるのをJane Manchun Wongが最初に見つけた。APKにはTwitterが密かにテストしている機能や近く公開される予定でまだ一般に提供されていない機能のコードが含まれていることがよくある。Twitter広報はこの件についてコメントを拒んだ。Twitterがいつこの機能を正式公開するのかわからないが、少なくとも開発されていることはわかった。

暗号化DM登場の18カ月前、内部告発者のEdward SnowdenはTwitter CEO Jack Dorseyにこの機能を要求し、当時Dorseyは「あってしかるべき機能なので検討する」と答えた。

Twitterは同機能を「検討」からプロトタイプへと昇格させた。上のスクリーンショットには、暗号化メッセージの詳細、秘密の会話の開始、本人および会話相手の暗号化キーを表示して安全な接続を検証する、などのオプションが見える。

TwitterのDMは、電話番号もメールアドレスも使わずに、知らない相手と連絡をとる便利な手段となっている。記者に特ダネを送ることから、問題の警告、ビジネスの検討、あるいはナンパまで、Twitterはオープンなメッセージングメディアとして有力な地位を築いてきた。しかし、暗号化されていないとメッセージは政府やハッカーやTwitter自身に覗かれる恐れがある。

Twitterは長らくそのサービスを、政治活動や暴動までも支援する場であると位置づけてきた。しかし、政治的不一致や暴露、漏洩などの影響を恐れる人たちは、強力なエンドツーエンド暗号化が可能なSignalなどのアプリを使うのが常だった。暗号化DMの提供によって、世の中を変えようとする「チェンジメーカー」たちを呼び戻し、今もTwitterにいる人々を守ることができるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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