コンバージョン率最適化を左右する3種の心理

コンバージョン率を改善する上でのアドバイスを米国の天才ウェブマーケッターが自身の経験から心理学的に3つのポイントに落とし込んでまとめた記事を。どれも読んで納得できつつ、改めて日々の自分の考え方や行動を考えさせられる内容に仕上がっています。 — SEO Japan

conversion optimization

トラフィックの獲得に費やすコストは、増加の一途をたどっている。有料広告、コンテンツマーケティング、そして、SEO… トラフィックを増やすために時間を割いているはずだ。時間を割く、イコール、資金を投じていることになる。

トラフィックの獲得を黒字にしたいなら、ビジターをカスタマーにコンバートする方法を理解しなければならない。コンバージョン率を高める方法が分かれば、マーケティングに費やすことが可能な資金が増え、その結果、競合者に勝つ上で必要な推進力を得られる。

ただし、闇雲にコンバージョンの最適化に着手する前に、知っておいてもらいたいポイントが3つある:

レッスン #1: 抵抗がコンバージョンの最大の敵

コンバージョンを増やす取り組みの最大の要素は、抵抗の軽減である。しかし、A/Bテストばかりに注目し、マーケッター達は、抵抗を軽視してしまいがちである。

コンバージョンを邪魔するものは全て抵抗に該当する。コンバージョンのエキスパートは、必ず「抵抗を軽減せよ」と指示する。しかし、実際に何をすればいいのだろうか?抵抗を軽減するためには、まずは、抵抗が何かを理解し、抵抗を除去する取り組みに着手する必要がある。

コンバージョンのエキスパート、ピープ・ラジャ氏は、抵抗を「与えられたものに対する心理的な反発」と位置づけている。残念ながら、この抵抗は「販売において必ず起きる現象」である。抵抗は、販売プロセスのあらゆる段階で起きる可能性があり、と言うよりも確実に起きる — 人間の心理は際限なく複雑であり、非常に多様性に富んでいるためだ。抵抗の多くは、内部/心理に基づいているため、サイトのどこで起きるのかを特定するのは、容易ではない。

以下に抵抗を分類する方法、そして、サイトで抵抗が起きる可能性がある場所を特定するための問いを挙げていく:

複雑抵抗

この類の抵抗は、必要以上にに状況を複雑化することで発生する。スローガン「KISS – Keep It Simple Stupid」(シンプルにしておけ、愚か者)を常に肝に銘じておこう。コンバージョンのプロセスが複雑になると、それだけ、抵抗が起きる確率は高くなる。

  • 必要以上に情報を提供しているか?
  • 無関係なトピックや問題を取り上げているか?
  • フォームに不要な項目を用意しているか?
  • ビジターにとって分かりにくい用語やコンセプトがあるか?

情報抵抗

情報を紹介する、もしくは、紹介しないことで、抵抗が生じる可能性がある。次の問いに答え、ページ上の情報を分析してもらいたい。

  • 決定を下す上で十分な情報をユーザーに与えているか?
  • ユーザーが求めている可能性のある詳しい情報を提供しているか?ユーザーが持つ疑問に対する答えを提供しているか?
  • 情報は、論理的にまとめられているか?
  • 情報はスムーズに流れているか?

スタイル抵抗

デザインのスタイルが抵抗を生むこともある。ユーザーの大半が、ウェブサイトの特定のタイプのスタイルに否定的な反応をしているなら、ビジターの好みに合うように、当該のスタイルを変更するべきかもしれない。

  • ビジターの大半は、デザインのスタイルを嫌っている、あるいは、気に入っているか?
  • 十分にスタイルに気を配り、ユーザーを魅了して、抵抗を除外しているか?

時間抵抗

コンバージョン率の最適化を考える際、時間は重要である。 当然だが、ページの読み込み時間だけを考慮すればいいわけではない。ここでは、ユーザーが初めてページを訪問してから、最終的なコンバージョンの地点に到達するまでの時間が焦点となる。

  • ページを閲覧する、読む、または、スクロールするのに時間がかかり過ぎているか?
  • フォームの欄は多過ぎるか?
  • コンバージョンを急がせているか?
  • ファンネルのプロセス内のページ数は、多過ぎるか?あるいは少な過ぎるか?

視覚抵抗

抵抗を生み出す、または、軽減する視覚的な要素は、多種多様である。動画の配置、フォントのカーニング、ボタンの色 — 抵抗に影響を与える視覚的な要素を全て挙げようとすると、きりがない。

  • ヘッドラインとコンテンツに対するテキストのサイズは適切か?
  • コールトゥアクションボタンに適切な色を用いているか?
  • 価格を明確に表示しているか?
  • 背景の色とテキストのバランスが取れ、読みやすいコンテンツを提供しているか?

抵抗の原因を発見する際に特に有効なのが、体験を実際にユーザー(スタディグループ等)に尋ねるアプローチである。どこでユーザーは抵抗を感じたのだろうか?抵抗の多かったポイントを記録し、各種の変更を行い、それぞれをA/Bテストで確認していこう。

レッスン #2: 不安はコンバージョンの多くを頓挫させる

コンバージョン率を最適化するためには、コンバージョンに対する心理的な障害を把握し、この障害を乗り越える方法を理解しなければならない、と私は確信している。

A/Bテスト、コピーの変更、配色の改善、そして、画像の修正の裏側に潜む、複雑に変化する人間特有の認識、そして、心理的な反応をマーケッター達は見過ごしてしまうことが多い。

その一つが、不安だ。不安は、「迫る出来事、あるいは、結果が確かではない事柄に対して生じる、心配、ナーバス、または、気掛かりな感情」である。Eコマースでは、不安を抱えている場合、ユーザーはほとんどコンバートしない。そのため、顧客の不安を取り除く取り組みを実施する必要がある。

Marketing Sherpaが実施した分析結果には、コンバージョンのプロセスに不安が与えるネガティブな影響が如実に現れている:

marketing sherpa

上の公式を理解してもらうため、以下にそれぞれの要素をリストアップしていく:

  • C = コンバートする確率
  • m = ユーザーのモチベーション
  • v = 価値提案の分かりやすさ
  • i = 行動を起こしてもらうための(追加の)インセンティブ
  • f = 存在する抵抗
  • a = 存在する不安

不安が、これほど強い影響力を持つ点に対して、Marketing Sherpaは、「リスクに対して、程度/影響が比例していないこと」を理由に挙げている。そのため、全体的なページのデザインやコンバージョンの要素を考慮する際に、不安の影響を軽視してしまうことが多いのだ。

それでは、不安を大幅に煽るウェブサイトの特徴を幾つか挙げていく:

コンテンツが曖昧

ウェブサイトのコンテンツが、分かりにくい、誤解を招く、あるいは、響きがおかしいなら、大きな不安をユーザーに与えてしまう。人間は、心理的に、新たな体験を安定化する、もしくは、明確化するものを欲する。従って、ウェブサイトのコンテンツが、ユーザーの心理状況に不均衡をもたらすなら、不安を煽ってしまう。ウェブサイトのコピーにおいて、不安を煽ってしまう要素が幾つか存在する:

  • スペルミスがある。文法を誤って利用している。
  • コンテンツの量が少ない。
  • 誤った主張を行う。または、証明されていないスタッツを用いる。
  • 度を超えた推薦広告(通常はプロフィールのストック写真を伴う)を掲載する。
  • 感嘆符の利用が多い。
  • 「信じられない!」、「これはショック!」、「オーマイガッド!」等のとても感情的な表現を用いる。

毎回、Harverd Business Reviewのようなコンテンツを提供する必要はないものの、多少、専門性とバランスをコンテンツにもたらすべきである。

広告、または、広告のような要素が多過ぎる

私達は、毎日、大量の広告を目にしているため、その一部を自然に無視する習慣が染みついている。そのため、何かを売ろうとしている、と考え、ある程度、疑った目で広告を見る傾向がある。マーケッターは、この点を直観的にに理解しなければならない — だからこそ、戦略上の取り組みの多くが、広告に対する認識の偏りを乗り越える点に集中しているのだ。

多数の広告がウェブサイトに掲載されている場合、脳の扁桃体 — 潜在的に警告を発する場所が活性化される。この反応は、軽度の不安をもたらし、その結果、ユーザーは、読んでいる、または、見ているコンテンツを信じられなくなるか、あるいは、ページを去ってしまう。

見慣れない、意外

人間は、慣れ親しんだ環境を求める。同じ人、同じ通勤コース、同じスタイルの服、同じコンピュータのOS、同じ種類の食べ物に引き寄せられる。その一方で、冒険とスリルを求め、常に新たな危険やリスクを探している人達は多い。しかし、このタイプの人達であっても、親しみのなさを感じさせる不安を体験する。単純に、異なる反応が生じるのだ。

馴染みのない、もしくは、意外なものは不安をもたらす。ウェブサイトが、最先端のデザインの手法や独特のアニメーション技術を用いているなら、好奇心をそそる可能性もあるが、コンバージョンの確率を下げる程度の不安を生み出す可能性もある。

実証済みの親しみのあるメソッドが、無難である。

あまりにも多くの情報を求める

ウェブサイトのフォームは、非常に重要度が高い。フォームが、コンバージョンのポイントとなるランディングページは多く、適切なユーザー体験を作り出すため、多くの配慮と労力がフォームの作成に割かれる。しかし、情報を求める項目が多過ぎると、不安を煽ってしまう可能性がある。

とりわけ、インターネットでの情報のやり取りに関しては、プライバシーを重視している人が多い。個人に関する詳細を求めるウェブサイトは、プライバシーを侵害していると見なされる。そのため、欲を出し、多くの情報を求めるよりも、基本的な情報に制限する方が、安全である。

信頼もまた、考慮してもらいたい心理的な要素の一つに挙げられる。不安を取り除く取り組みを行う際は、同時に、信頼感を与える要素を加えるか、あるいは、既存の要素を改善して、信頼を高める取り組みも行うべきである。

レッスン #3: 取り除くものと加えるものは同じぐらい大事

マーケッターの多くが「このウェブサイトを良くするために、何を加える事が出来るだろうか?」と言う疑問を持つ。

この疑問自体に誤りがあると私は思う。

「このウェブサイトを良くするために、何を変更することが出来るだろうか?」と問うべきである。

A/Bテストをマーケッターが多用しなければならない理由がここにある。 マーケッターは変更をテストする必要がある。要素を取り除くことが、最高の変更になるケースもある。削除は、手っ取り早くサイトを改善するメリットを持つ。単純に何らかのアイテムを削除するだけで(大量のアイテムを削除しなければならない時もある)、コンバージョン率を改善することが可能である。

以下に、コンバージョンの障害となっている可能性がある要素を幾つか挙げていく:

  • 画像 — 不要な画像は、コンバージョンを妨げてしまうことがある。 画像は、画質、スタイル、あるいは、主題に関わらず、ウェブページを改善すると言う考えが定着している。しかし、実際には、必ずしもこの考えが正しいとは限らない。そのため、画像ありバージョンと画像なしバージョンをA/Bテストして、影響を確認することを薦める。
  • 動画 — 私は、説明する動画を用いて、素晴らしい成果を上げたことが何度もある。しかし、説明用の動画が、コンバージョンのプロセスを妨げるケースにも遭遇している。
  • 同じタブで開くリンク — コンバージョンの要素ではないクリック可能なリンク/ボタン/画像を加える行為は、ランディングページにおける大きな過ちの一つである。ランディングページを離れるリンク – つまりサイト外部のページへ向かう – を提供すると、コンバージョンを失うリスクが生じる。ウェブサイト上のユーザーのクリック行動を分析したいなら、ヒートマップの分析を検討しよう。

アイテムの削除は、アイテムの追加と同じぐらい効果が高い。コンバージョンを最適化する取り組みは、単純な足し算/引き算ではなく、変化である。従って、テストと実装、テストと実装を繰り返す必要がある。

まとめ

コンバージョンの最適化は、各種のA/Bテストの結果を合計するだけのプロジェクトではない。また、ボタンの色を変えたり、トーンの強いコールトゥアクションを加えるだけでのプロジェクトでもない。

今回の投稿で紹介した3つの大きな問題に対応すれば、コンバージョン最適化のプロセスを推進し、コンバージョン率を高くすることが可能になるだろう。

最後に問いたい。コンバージョン率の改善について、マーケッターは何を知っておく必要があるのだろうか?


この記事は、Quick Sproutに掲載された「What Every Marketer Needs to Know about Conversion Optimization」を翻訳した内容です。

日本でもA/Bテストが大分普及してきたように感じますが、単純に要素のテストに終わらず、ここに書かれているような全体像を考えた上でテストできるとさらに効果が期待できそうです。後半にあった改善のために「何を加える事が出来るだろうか?」ではなく「何を変更することが出来るだろうか?」であるべき、という一言は心に沁みました。– SEO Japan [G+]

Googleがオーサーシップを諦めた理由を検証

Googleが導入を積極的に推進していたオーサーシッププログラムがまさかの完全終了となったようです。検索結果上の著者名表示は既に取り止めとなっていましたが、オーサーシップデータを利用すること自体を終了することを正式に発表しました。SEO的にいずれ役立つはずとGoogle+がイマイチ不人気な日本でも頑張って導入を行ってきたウェブマスターの皆さんには衝撃ともいえるこのニュース発表、改めてオーサーシップの歴史を振り返り終了に至った理由を考察した記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

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3年間に渡って行われた、素晴らしきGoogleオーサーシッププログラムの実験がついに終了した– 少なくともしばらくの間…。

本日、Googleウェブマスターツールを担当するジョン・ミューラーが、Google+の投稿の中で、Googleが、検索結果でオーサーシップを表示する取り組みを終了し、今後は、rel=authorマークアップを利用したコンテンツのデータを追跡することはないと発表した。

マーク・トラファゲンと共同で作成した今回の詳細な記事では、・オーサーシップ終了の告知、・オーサーシップの歴史、・中止の要因として挙げられた理由を裏付けるために行われたStone Temple Consultingによる調査、そして、・検索におけるオーサー(著者)のオーソリティの未来に関する考えを取り上げている。

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消滅へのカウントダウン

オーサーシッププログラムの中止が発表されるまでの8ヶ月の間に、2つの主要なオーサーシップのリッチスニペットが削減されていた。まず、2013年12月には、同年の10月に行われたPubconのキーノート講演で、ウェブスパムの取り組みを統括するマット・カッツが予告した通り、クエリ一つにつき表示するオーサーの写真のスニペットが姿を消した。そして、12月に入ると、一部のオーサーシップの結果のみに写真が掲載されるようになり、残りの結果は署名欄のみになった。

続いて、2014年の6月、世界の検索結果から全てのオーサーの写真が削除され、全ての正規のオーサーシップの結果に、署名欄のみが掲載されるようになった。

当時、ジョン・ミューラーは、Google+の投稿で、Googleがデスクトップ検索とモバイル検索のUXの融合を目指しており、オーサーの写真はモバイルの限られたスクリーンと回線容量では、あまりうまくいかなかった点を理由として挙げていた。また、オーサーの写真があってもなくても、「クリックの行動」に大きな違いがなかった点も明らかにされていた。

Googleオーサーシップの歴史を簡単に振り返る

オーサーシッププロジェクトのルーツにあるのは、2007年のエージェントランクの特許である。Googleの特許に詳しいビル・スラウスキが説明していたように、エージェントオーサーランクの特許には、複数のコンテンツを、一名の(もしくは数名の)エージェント(オーサー)を示すデジタル署名を結びつけるシステムが描かれていた。

この認識システムは、エージェントのコンテンツに向けられた各種の信頼のシグナルおよびオーソリティのシグナルに応じてスコアを与えるために用いられ、さらに、このスコアは、検索のランキングに影響を与えるために利用される可能性があった。

エージェントランクは、実用的に適用する手段がない状態では、理論的な概念でしかなかったが、Googleが、構造化マークアップの基準としてschema.orgを採用するようになったことから、180度運命が変わった。2011年6月に投稿されたブログの記事で、Googleは、オーサーシップのマークアップへの対応を始めると発表していた。そして、rel=author、 & rel=me タグを使って、サイトのコンテンツをマークアップし、コンテンツをオーサーのプロフィールと結ぶ取り組みをウェブマスターに促すようになった。

オーサーシップが、本格的にGoogleに貢献する上で最後のパズルのピースの役目を果たしたのは、2011年6月末にリリースされたGoogle+であった。Google+のプロフィールには、オーサーとコンテツを結びつけるGoogleの共通特定プラットフォームとしての役目が与えられた。

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ハンソン & カッツ

同年の8月に配信されたYouTubeの動画で、当時、オーサーシッププロジェクトを統率していたオサー・ハンソンとマット・カッツは、コンテンツをGoogle+のプロフィールと結びつけた方が良い理由を詳しく説明し、その結果、プロフィールの写真が検索結果に表示されると指摘し、そして、初めて、オーサーシップのデータが、ランキングの要素として用いられる可能性が「今後」あると述べていた。

その後の3年間、オーサーシップには、様々な変更が加えられていったが、ここでは割愛させてもらう(アン・スマーティが、オーサーシップの変更の歴史をまとめているので、興味がある方は目を通すと良いだろう)。マット・カッツを始めとするGoogleの広報は、オーサーのオーソリティに関するコンセプトに、Googleが、長期的に力を入れていると繰り返し言及していた。

Googleがオーサーシッププログラムを終了させた理由

Googleは、同社が始めた取り組みが何であれ、不可侵、または、不死の称号を得ることはないと何度も指摘してきた。あっさりと廃止されたGoogleの製品とサービスをリストアップしていけば、小冊子を作れるボリュームに達する。

このような製品のシャッフルが行われるのは、主に、Googleが、徹底してテストを実施しているためだ。全ての製品、そして、各製品に対する変更、または、工夫に対して、絶えずテストが行われ、評価される。利用者の人数が足りない、ユーザーに大きなメリットを与えていない等、Googleの目標に到達したいものは、見捨てられる。

ジョン・ミューラーは、この記事を共同で綴ったマーク・トラファゲンに対して、3年前から集めてきたデータを参考にする限り、オーサーシップの結果を表示する試みは、データを処理するために用いるリソースを考慮すると、十分なメリットを与えているとは言えないと、述べていた。

ミューラーは、オーサーシップの実験が、期待外れに終わった2つの具体的な領域を挙げている:

1. オーサーとウェブマスターへの普及率が低い。この記事の後半で提供する調査のデータにも表れているが、オーサーシップのマークアップに参加するオーサーは、ひいき目に見ても、まばらであった。また、参加者がゼロの分野も数多く存在した。サイトが参加を試みても、マークアップを誤ってしまうケースも多かった。さらに、大半のテクノロジーに詳しくないサイトのオーナーやオーサーは、マークアップとリンクに対して、あまりにも複雑だと感じており、そもそも、実装を試みる確率は低かった。

このような問題を受けて、Googleは、2012年の始めに、マークアップが存在しないケース、あるいは、不適切に行われているケース、もしくは、オーサープロフィールのリンクが存在しないケースで、オーサーシップを自動的に与える取り組みを始めた。2012年11月、Forbesが作成した50名の影響力の強いソーシャルメディアマーケッターのリストから、30%はオーサーシップマークアップをブログで使っている点、そして、34%はマークアップを使っていないものの、オーサーシップのリッチスニペットを得ている点をマーク・トラファゲンが発見している。これは、エリック・エンゲが実施した調査で得られたデータとも一致している。この調査に関しては、後程詳しく説明する。

しかし、オーサーに対する自動アトリビューションの取り組みは、作家のトルーマン・カポテが、死後28年が経過しているにも関わらず、New York Timesのオーサーとして表示される等、エラーが続出し、Googleは恥をかくことになった。当然だが、ウェブページのオーサーを特定し、コンテンツと結びつけ、続いて、信頼性のレベルとオーソリティのレベルを隠れたランキングの要素として評価するGoogleの願いは、Googleに詳しくない人達との協力に左右される状況では、見通しは明るくなかった。

2. 検索エンジンのユーザーに対するメリットが少ない。今年の6月、検索結果からオーサーの写真を削除する件を発表した際、ジョン・ミューラーは、オーサーシップのスニペットがあるケースとないケースを比較したところ、「クリックの行動」にほとんど違いがなかったと指摘していた。この発言は、オーサーのスニペットが、クリックスルー率を高くすると確信していた人達にショックを与えた(そして、この情報の真偽を疑う人達も多かった)。

マーク・トラファゲンとの今回の変更に関する議論の中で、ミューラーは、Googleが集めたデータを参考にする限り、オーサーシップのスニペットから、ユーザーは十分なメリットを得ていなかったと何度も主張していた。「メリット」が何かは詳しく説明してくれなかったものの、検索ページでのユーザーの行動が、オーサーシップのスニペットの存在の影響を受けているように見えなかった、と推測することが出来る。もしかしたら、ユーザーは、何度も見るうちに、目新しさを感じなくなったのかもしれない。

(この記事を書いている時点で)Google+のアカウント(パーソナライズ検索)にログインしている状態では、Googleのネットワークに参加している人物のGoogle+のコンテンツに対しては、引き続きオーサーの写真が掲載されている。

ミューラーは、この写真の表示を中止する予定は今のところない、と語っていた。しかし、トラファゲンの下には、写真が表示されなくなった点を指摘する報告が幾つか届いている。Googleは、パーソナライズの結果からオーサーの写真を本当に削除しているかどうかに関して、今後も動向を追い、ここで最新の情報を提供していく。

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Googleが、一部のパーソナライズの結果に対して、引き続きオーサーの写真を表示するなら、個人的な関係持つ人物がコンテンツを投稿している場合、リッチスニペットがユーザーにメリットを与えることがデータに出ていると推測することが可能だ。この件に関しては、最後のセクションで再び取り上げるつもりだ。

rel=authorの実装に関する調査

幸運にも、弊社、Stone Temple Consultingは、rel=authorマークアップの利用に関する調査をまとめるプロセスを行っていた。データを見ると、Googleがこの取り組みで直面していた問題の一部が、浮かび上がってくる。この調査により、利用者が少ないこと、そして、rel=authorを試みたものの、正確に実装されたケースが少ないことが明らかになった。さらに、オーサーによる利用も少なかった。それでは、実際のデータで確認していこう。

オーサーシップの普及

私達は、150の主要なメディアサイトから、500名のオーサーを選んだ。Google+のプロフィール内でのオーサーシップのタグ付けの実施状況に関するデータを以下に掲載する:

G+のプロフィールでの実装状況 人数 全体の%
プロフィールがない 241 48%
プロフィールはあるが、コンテンツを投稿するサイトにリンクを張っていない 108 22%
プロフィールがあり、1本、または、数本のリンクをコンテンツを投稿するサイトに張っている 151 30%

 

なんとオーサーの7割が、オーサーシップをメジャーなウェブサイトで投稿したコンテンツに結びつけていない現状が判明した。もちろん、Googleが、この類の取り組みを宣伝する仕組みにも原因がある。そもそも、Googleは宣伝を行っていない。インターネットの口コミに頼っており、これでは、均等に情報が伝わるわけがない。

パブリッシャーの利用

150サイトのうち50サイトは、オーサーページを用意していない。また、用意しているサイトであっても、実に3/4以上が、オーサーの名前しか、アトリビューションの要素を提供していない。残りのサイトでは、記事の下の方でアトリビューションへのリンクを掲載していたが、オーサーの大半は、この利点を活用していなかった

この投稿のために、オーサーページを持つ20のサイトを選び、オーサーシップの実装における成功を詳しく分析した:

  1. 20サイトのうち13サイトが、オーサーシップのマークアップを実装していた(65%)。
  2. 実装を試みた13サイトのうち10サイトにエラーが見られた(77%)。
  3. 実装を試みた13サイトのうち12サイトが、GoogleのSERPでリッチスニペットを受けていた(92%)。

オーサーシップを実装する方法に関する資料は、ウェブを探せば、山ほど見つかる。しかし、タグの形式が誤っているサイト、そして、オーサーシップを実装しているものの、オーサーのG+のプロフィールにリンクを張っていないサイト、タグが矛盾し、ある記事に対して数名の人物をオーサーとして報告するサイトを私達は発見した。また、2名のオーサーが記事にタグ付けされていたものの、2人目のオーサーのみがGoogle+のプロフィールにリンクを張っており、Googleが2人目のオーサーのみに功績を認めていたケースにも遭遇した。

  1. 20サイトのうち、7サイトは、オーサーシップのマークアップを実装していなかった(35%)。
  2. 7サイトのうち2サイトは、GoogleのSERPでリッチスニペットを受けていた(28%)。

マークアップが存在しないにも関わらず、Googleがリッチスニペットを与えていたケースでは、オーサーは、Google+のContributor Toのセクションからサイトにリンクを張っていた。

調査のまとめ

手短に言うと、適切にrel=authorを実装しているサイトは、極めて少ない。Googleは、多くの問題に直面しつつも、オーサーとパブリッシャーを結びつける試みを徹底的に行った。より大きな視点に立って考えると、パブリッシャーからデータを集めるのが、いかに難しいかが分かる。とても難しく、やっとのことで得たにも関わらず、その情報の質は低い。

結論

Googleは、過去3年間、オーサーのオーソリティを理解することに関心を持っていると何度も述べていた。この点に関するエリック・シュミット会長による発言を忘れることが出来ない:

検索結果で、認証を受けたオンラインプロフィールに結び付けられた情報は、認証を受けていないプロフィールよりも、高くランク付けされる。すると、大半のユーザーは、自然に、上位の(認証済みの)結果をクリックするようになるだろう。その結果、匿名を維持するために支払う対価は、ますます高くなっていく。

エリック・シュミット — The New Digital Age

しかし、この問題を解決するのは、非常に難しいことが判明した。このデータを望むものの、現在のアプローチは有効ではなかった。先程も申し上げたように、これは、オーサーシップの取り組みが見捨てられた2つの大きな理由の1つである。

ジョン・ミューラーが特定したもう1つの問題も同じぐらい重要だ。写真であれ、あるいは、単純に署名欄であれ、何らかの形式のリッチスニペットを取り込むアプローチは、SERPでエンドユーザーにメリットを与えていなかった。Googleは、検索の品質を絶えずテストしており、特別扱いは存在しない。エンドユーザーがメリットを受けていないなら、Googleは、容赦なくその取り組みを終わらせる。

また、この試みに費やす処理能力の影響も無視するわけにはいかない。Googleは、無限の処理能力を持っていると考えたくなるが、それは事実とは異なる。そんな力を持っていたなら、光学式文字認識技術を使って画像内のテキストを読み、画像処理技術を用いて写真を認識し、音声テキスト変換技術を使ってインターネットの動画を文字に起こし、そして、毎日すべてのウェブページをクロールする。しかし、Googleにも限界はある。

Googleは、処理能力の利用に関して、意識的に判断を下さなければならない — つまり、予算を賢く割り当てる必要がある。現時点で、オーサーシップの試みは、与えていた予算の額に見合う結果を残していないことになる。

モバイルの台頭が、この結果に影響を与えた可能性もある。オーサーシップのリッチスニペットを導入したものの、SERPのクリックの行動に大きな変化は見られなかった、とジョン・ミューラーが語っていたが、現在、Googleのトラフィックの半分はモバイルである。モバイルデバイスの貴重なスクリーンのスペースを、このタイプのマークアップで食いつぶしてしまうのは、得策とは言い難い。

それでは、オーサーシップは二度と帰ってこないのだろうか?恐らくその可能性が高いと私達は見ている。コンセプト自体は良かった。トピックに関する知識に差があると言う考えに関しては、間違えていないと思う。この問題を解決するための試みが失敗しただけであり、コンセプト自体は失敗していない。

セマンティック検索への取り組みを強化する上で、Googleは、マークアップ等の人間の行動以外で、例えば、信頼されているオーサー等のエンティティを特定する方法を作り出さなければならない。先日行われたナレッジボールトプロジェクトの告知は、Googleがセマンティック化を進めていることを裏付けている気がする。従って、このプロジェクトを介して、Googleは特定する取り組みにアプローチする可能性があると言えるだろう。

もし、本当にこのデータをGoogleが利用するようになったら、どのような結果になるのだろうか?インパクトがあまりにも小さく、全く気がつかない可能性も十分にあり得る。恐らく、オーサーの写真が結果に表示されることは二度とないだろう。何らかの形式のオーサーランクが現れる可能性はあるが、十分にパーソナライズされた形式で表示されるか、あるいは、その他の多くの要素と組み合わされ、事実上、検知することが出来なくなるのではないだろうか。

つまり、しばらくは、オーサーシップに会うことは出来ない。オーサーシップは、気高く、輝かしい実験であり、我々は寂しい思いをするだろう。しかし、今後、オーサーシップにとってさらに素晴らしい展開になることを願っている。

エリック・エンゲマーク・トラファゲンによる共同作成。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「It’s Over: The Rise & Fall Of Google Authorship For Search Results」を翻訳した内容です。

今後のSEOではオーソリティ構築が不可欠であり、その要素として重要視されていたオーサーシップだけに、その突然の終了には正直私も驚きましたが、ダメならダメで次に進むスピード感はGoogleならではですね。今後どのような形でオーソリティの参照データを構築していくのか、Googleの新たな挑戦が気になるところですね。 — SEO Japan [G+]

HubSpot上場で考えるインバウンドマーケティングの実力

インバウンドマーケティングで有名なHubSpotがIPO申請を行ったようですね。当サイトでも創業者が運営するブログの記事を定期的に紹介していることもあり、その内容が気になったのですが、早速、SEO Japanでも別途翻訳紹介しているConvince & Convertの筆者がHubSpotの事業状況の分析、そして彼がインバウンドマーケティングについて思う所を記事にしてくれたので紹介します。 — SEO Japan

Copy of Add text 3 3 Is Inbound Marketing Actually Profitable or Just a Slogan

どの時点で、HubSpotの財務パフォーマンスが、インバウンドマーケティングの有効性を証明すると考えられるのだろうか?

昨日、「インバウンドマーケティング」と言う用語を作ったサイト、HubSpotが、IPOの申請を行った

IPO(株式公開)を申請する際、会社は「S-1」と呼ばれる文書を提出し、投資家に財務情報を提供する。これは、初めて、HubSpotの金銭面の状態を詳しくチェックする機会であり、実際に同社のS-1に慎重に目を通した結果、挑発的な疑問を私は持つようになった。

この文書を読めば、誰でも同じ疑問を持つ可能性がある。

Hubspotは、2006年に開設され、S-1には2009年から2014年の第2四半期までの財務情報がこと細かく記載されている。今でもスタートアップに分類されるものの、開設から8年間を経過し、そして、数回の資金調達を受けているため、かなり成熟したスタートアップだと言うことが出来るだろう。そのため、HubSpotが、いまだに多額の収益を失っている事実は、少々意外であった — 昨年、HubSpotは、7700万ドルの売上があったが、3400万ドルの赤字だった

たとえ設立してから8年が経過していても、様々な理由で、企業が赤字が続けている可能性はある。Amazonの収益(待っているので、リンクをクリックして実際に確認してもらいたい)に、この現実が如実に表れている。HubSpotにとっての、競合者、そして、切磋琢磨する同業者に該当する会社においても、この矛盾が起きている。例えば、2012年、ExactTarget(註:メールマーケテイングで有名なB2B企業)の収益は、2億9200万ドルの売上に対し、2100万ドルの赤字だった(その後、Salesforce.comに買収された)。また、Marketo(註:マーケティングオートメーションで有名なB2B企業)の2013年の収益は、9400万の売上に対し、4600万ドルの赤字であった。

しかし、HubSpotは、インバウンドマーケティングの有効性を信条に掲げている。それでは、S-1から、同社が採用するアプローチの有効性について、どのような事実が見えてくるのだろうか?

HubSpotの財務情報から、インバウンドマーケティングの有効性について、何が分かるのか?

そこで、私は同社の粗利益(収益-サービスを提供するために必要なコスト)を販売コストおよびマーケティングコストと比較してみた。すると、次の点が明らかにになった:

5211C626 FF43 4B60 AFA0 6AD2CBD0A637 Is Inbound Marketing Actually Profitable or Just a Slogan

HubSpotの粗利益 vs 販売コスト & マーケティングコスト(100万ドル単位)

2012年においては、正しい方向に向かっているように見えるものの、2013年になると、販売とマーケティングのコストが再び上がり、この傾向は2014年の前半も続いている。

私の意見を取り入れる前に、次の点に注意してもらいたい:

  1. 私はMBAを持ち、投資家であるものの、株の専門家ではない。
  2. かつてスタートアップを1社経営したことがある。あまりうまくいかなかった。
  3. HubSpotには友人が務めており、これから投げ掛ける問いは、私の友人を非難するものではない。私にとっては、掛け替えのない仲間である。

それでは、私の意見を聞いてもらいたい:

  • HubSpotは、インバウンドマーケティングの原則を土台にしている。
  • HubSpotは、間違いなくインバウンドマーケティングを世界で一番巧みに実施している企業である。同社のコンテンツマーケティングの質とスピードは、圧倒的であり、右に出る者はいないと言っても過言ではない。
  • HubSpotは、また、大量のディスプレイ広告、動画広告を含む、その他のタイプの広告でインバウンドマーケティングを補っている。
  • インバウンドマーケティングは、顧客獲得コストを削減するはずである。しかし、アウトバウンドマーケティングを追加したとしても(あるいは、これが原因かもしれない)、HubSpotの販売コスト & マーケティングコストは、引き続き、粗利益を上回っている。

挑発的な問いを投げ掛ける前に、S-1が販売とマーケティングを区別していない点を指摘しておく。つまり、マーケティングコストが増加していると断言することは出来ない — ただ単に顧客の獲得と維持にかかるコストが増えているだけなのかもしれない。また、HubSpotは、今でもスタートアップに分類され、スタートアップにおいて、顧客の獲得と維持が利益を減らす減少は、異常ではなく、むしろ、日常茶飯事である。その上、IPO直前に販売 & マーケティングのコストを増やすアプローチ自体もよく見られる。

しかし、いずれこの傾向を変える必要がある。インバウンドマーケティングに焦点を絞る会社に携わっているなら、HubSpotのパフォーマンスから、すぐに利益を得られるわけではない点を見出すことが出来る。

最後に、インバウンドとアウトバウンドのROIの差のデータも提供されていない。ただし、アウトバウンドマーケティングが必要される事実が、インバウンドマーケティングの限界を物語っている。

それでは、私の脳裏に浮かんだ疑問を提示する:

どの時点で、HubSpotの財務パフォーマンスが、インバウンドマーケティングの有効性を証明すると考えられるのだろうか?

この問いは、顧客が買いたいと思い、進んで料金を支払う製品をHubSpotが持っていることが前提である — インバウンドマーケティングと言えども上辺だけではやっていけない。

(上辺だけではなく)中身があり、顧客数が継続的に増加しているため、しっかりとした製品を提供していると仮定すると、どのような結論が導き出されるのだろうか?HubSpot自身が発表したインバウンドマーケティングの現状レポート(2013年版)によって、インバウンドのマーケッターにとって、ROI(投資に対する利益)の証明が難しいことが明らかになっている中(調査の参加者の25%が言及)、このデータをどのように解釈すれば良いのだろうか?

皆さんの意見を聞かせてもらいたいが、この疑問を問う目的が、HubSpotを非難することでも、インバウンドマーケティング自体を中傷することでもない点を理解してもらいたい。この記事を読み、内容に納得し、私の力を借りたいと思ってもらえれば幸いだ。それが、インバウンドマーケティング(おまけにコンテンツマーケティング)である。

ここでは、インバウンドマーケティングの一般的に信じられている能力に疑問を投げ掛ける会話を始めたい — 友人のジェイ・ベーアが言うように、この際、効果の誇大な宣伝は不要だ。インバウンドマーケティングの役割、そして、効果を正確に評価することを私は望む。

(情報公開: Hubspotは、ジェイ・ベーアが執筆した書籍「Youtility」で取り上げられており、また、同社はこの本のために宣伝目的の資料を提供している。ExactTargetは、Convince & Convertのスポンサーである。ジェイ・ベーアは、Marketoの2つのイベントで講演を行った。また、Amazonの株主でもある)


この記事は、Convince & Convertに掲載された「Is Inbound Marketing Actually Profitable or Just a Slogan」を翻訳した内容です。

特にこの数年は急成長して勝負をかけてきたHubSpotですし、赤字の財務状況は上の他者の事例見ても、米国のB2B系のテック企業にはよくあるパターンですから珍しくもないとは思いますが、確かにインバウンドマーケティングをあれだけ推奨し、その投資対効果を謳っていてこの数字では「自社はどうなのよ?」「アウトバウンドに相当お金をかけているのでは?それともインバウンドマーケティングに費用対効果が悪いのでは?」という突っ込みをしたくなるのはわからなくもないですけどね。SEO会社も電話営業すると「SEO会社が電話営業してるなんて矛盾してるだろ!」と突っ込まれますし笑(一応、弊社は特に電話営業はしていませんが)

ちなみにこんな記事を紹介してしまいましたが、インバウンドマーケティングにしてもコンテンツマーケティングにしてもその重要性と効果は誰以上に信じている私ですので誤解なきようお願いいたします。それより個人的には、この手のB2B企業のパターンとしてはIPOするにしろしないにしろ、最終的には大手企業の参加に収まることが一般的とは思いますが、HubSpotの場合、独特の企業文化を売りにしている点もありますから、求められる会社の持続的な成長、買収へのプレッシャー含め、IPO後のHubSpotの企業文化がどう変化していくのかが気になる点ではあります。 — SEO Japan [G+]

完璧なブログのデザインを構成する11の(データドリブンな)要素

TechCrunch等、有名メディアのSEOやリデザインに関わり、自らも複数の人気ブログを運営する米国の天才デジタルマーケッターが語る、集客からコンバージョンまでより効果の高いブログデザインのツボとは。よくあるリスト記事と侮れない有益な情報が満載。 — SEO Japan

design

完璧なデザインのブログを作ろうとしているだろうか?コンテンツを読んでもらい、ソーシャルウェブでシェアしてもらい、そして、何よりも検索エンジンの結果で、上位にランク付けしてもらえるようなブログを目指しているだろうか?

私はGawker MediaTechCrunchを含む、多くの人気の高いブログのSEOを担当したことがあり、人気が高い理由を知っている。そして、幸いにも裏付けるデータも持っている。

そこで、人気の高いブログを作ろうとしている方のために、ブログのデザインに欠かせない11点の要素を紹介していく:

要素 #1: スレッド表示のコメントを採用する

様々なコメントのシステムが存在する。DisqusやFacebook等、選択肢には事欠かない。しかし、どのコメントシステムが、最も優れているのだろうか?

それは、スレッド表示のコメントだ。

なぜなら、このタイプのシステムを用いると、通常、投稿されるコメントの本数が、記事1本につき、16% – 33%増える効果があるためだ。コメントが多ければ多いほど、各ページのテキストの量は増える。そして、テキストの量が多いと、ランク付けの対象となるロングテールのキーワードが増える

スレッド表示のコメントにこだわるべきだ。アクティブなFacebookのコミュニティを抱えていたとしても、Facebookのコメントシステムの利用は避けた方が無難である。コメントを所有するのはFacebookであり、検索エンジンのトラフィックの増加には貢献しない。

要素 #2: スニペット

Quick Sprout(私が運営するサイト)のホームページには、記事の全文を表示していない。1つか2つ段落を見せているだけだ(スニペット)。このアプローチには、コールトゥアクション「クリックして続きを読む」に反応し、記事の残りを読むよう促す効果がある。

次の2つの主な理由があるため、全文ではなく、スニペットを用意してもらいたい:

  1. 注意が持続する時間は短い – 注目が持続する時間は、8秒間のみである。スニペットのみを見せると、読者が複数の記事から読む記事を選択することが出来る。読者は、興味のある記事に遭遇するまでスクロールを続け、その後、記事を読む。
  2. コンテンツの重複を避ける – 記事全文をホームページに掲載すると、コンテンツの重複が発生し、検索ランキングにマイナスの影響がもたらされる。そのため、スニペットの利用が推奨される。

ホームページでは、複数のコールトゥアクションのテキストをテストして、クリックして、記事を読む人の人数が一番多いバージョンを見つけたいところだ。私は以下のフレーズを試したことがある:

  • 続けて読む
  • もっと読む
  • クリックして続きを読む
  • 続ける

この中で、「クリックして続きを読む」が、その他の3つフレーズよりもクリックスルー率が10%以上高いことが判明した。もちろん、私のブログで功を奏したフレーズが、その他のブログでも役に立つとは限らないため、ご自身のブログでもテストを行うべきである。

要素 #3: スクロールするソーシャルボタン

Quick Sproutで様々なソーシャルボタンを試した。記事の始め、そして、終わりにボタンを配置したことも、記事の途中でツイートを要請したこともある。しかし、常に最も効果が高いデザインは、スクロールするソーシャルボタンである。

SharebarFlare等のプラグインは、ソーシャルトラフィックを27%増加させていた。

social media

スクロールするソーシャルボタンのプラグインを利用する際は、ボタンの数を3つに限定してもらいたい。つまり、読者が利用しているソーシャルネットワークの中で、人気が高いネットワークを3つ選ぶ必要がある。ちなみに、私のサイトでは、Facebook、Twitter、Google+が該当する。

選択肢を増やし過ぎると、経験上、ソーシャルトラフィックは減ってしまう。

要素 #4: フォントのサイズは11、もしくは、それ以上

約1ヶ月前、テキストのサイズが読みやすさに影響を与えることを記事の中で指摘した。

私は13のブログでテストを行い、フォントのサイズを8から9に引き上げると、読者がサイトでコンテンツを読む時間が13秒増加した。サイズを10にすると、さらに8秒間増え、11にすると、6秒間増加した。

ただし、ArialやTimes等の読みやすいフォントを利用していることが前提である。読みにくいフォントを利用しているなら、サイズを大きくしたところで、大きな効果は見込めない。

信じられないなら、実際にフォントを大きくしてみると良いだろう。

要素 #5: 右側にサイドバーを配置する

一部のブログでは、サイドバーが左に掲載されている。サイドバーを両側に用意しているブログもある。私は幾つか異なるレイアウトのタイプを試したが、コンテンツを左側に配置し、サイドバーを右側に配置するレイアウトが、最も効果的であった。

このレイアウトでは、読者は、コンテンツに集中することが可能であり、一方のブロガーは、サイドバーで、その他のアイテムを宣伝することが出来る。メインのコンテンツは、60%以上のスペースを占める必要がある。ビジターは、ブログの記事を読むために、ブログにアクセスしているのであり、その他の要素で気を散らすべきではない。

サイドバーをどうしても左側に配置したいなら、それでも構わないが、私が行ったテストでは、コンテンツを読む人は15%-25%減少してしまうことが判明している。

要素 #6: 経歴を紹介する

企業のブログを運営しているのであれ、個人的なブログを運営しているのであれ、読者とつながりを作るべきである。個人的なレベルでのつながりが存在しない状態では、コメントの投稿や購入は期待できない。

オープンに接すると、読者との絆を作ることが出来る。サイドバーで、簡単な経歴を紹介し、詳細な経歴ページにリンクを張ろう。

企業のブログを運営しているなら、設立者、もしくは、ブログを管理するチームの経歴をサイドバーに掲載する手がある。その際は、経歴の上に写真を掲載しよう。つながりを築くためには、ブロガーの姿が「見える」ことが条件となる

要素 #7: Eメール購読の選択肢を用意する

前にも指摘したことがあるが、Eメールアドレスの収集は、トラフィックを増やす上で、非常に重要度が高い。サイドバー上部のオプトインを利用することも、あるいは、もっと積極的に集めたいなら、ポップアップを利用することも可能だ。

emails

無料のEブック、または、コースを提供すると、Eメールの購読者が増える。また、名前とEメールアドレスではなく、Eメールアドレスのみを求める場合も、オプトインが10%前後増える。

今年の6月、Quick Sproutが得たトラフィックの28%は、Eメール経由であった。コメントとソーシャルシェアの大部分を占めていたのも、Eメールの購読者であった。

いずれにせよ、読者のEメールアドレスの収集を始めるべきである。新たにブログの記事を更新した際に、通知することが出来るためだ。

要素 #8: 人気が高い~ウィジェットを利用する

私のブログで最もクリックされている領域が、どこなのか見当をつけることが出来るだろうか?実はコンテンツではない

サイドバーには、ガイド、特に人気の高い記事、そして、現在人気が高いコンテンツを紹介する領域が用意されている。

popularity contest

ここが最もクリックされる回数が多い領域である。トラフィックを重要な記事に導くだけでなく、私が採用するクロスリンクの手法により、検索エンジンのランキングにもプラスの効果をもたらす。

Popularity Contest プラグインを利用しているなら、誰でもこのメリットを得ることが出来る。ただし、私のタブと同じようなタブを使いたいなら、ディベロッパーに調整を頼む必要がある。

要素 #9: Yoast SEOプラグインを使う

これほど簡単な調整方法はない。長い目で見ると、飛躍的に検索エンジンのトラフィックは伸びていく。

WordPressでブログを運営しているなら、Yoast SEO プラグインをインストールしよう。WordPressを利用していないなら、この記事で紹介している手順に従って、自力でSEOを実施する必要がある。

要素 #10: シンプルな配色とデザインを心掛ける

色によって意味は異なる。慎重にブログで利用する色を選んでもらいたい。心理的な観点においてだけではなく、選択する色は、色々な意味で重要である。色によって、コンテンツは読みやすくもなり、反対に、読みにくくもなる。

例えば、黒い背景に赤いテキストの組み合わせは、白い背景に黒いテキストの組み合わせと比べると、読みにくい。

出来るだけ余白のスペースを取り、テキストには黒を用いて、デザインをシンプルにするよう心掛けると良いだろう。ビジターはブログのコンテンツを読むためにアクセスしているのであり、デザインを複雑にする必要はない。コンテンツを読みやすくすることを目標に掲げよう

要素 #11: 画像を利用する

Quick Sproutでは、全ての記事の冒頭に画像を配置している。以前は、画像を掲載しないこともあったが、テストを行った結果、ホームページで記事をクリックする人が増えることが判明した。

images

どれぐらい増えたか想像してもらいたい。実は37%も増えたのだ。たった1枚画像を加えただけだ。魅力的な画像を用いているなら、良い結果が出るはずだ。反対に醜い画像を用いているなら、クリックする人は少なくなってしまう。

私はストック写真を利用している。著作権使用料無料の写真を使う手もあるが、通常、質はそれほど高くない

結論

トラフィックを増やすブログをデザインするのは、難解な取り組みではない。 今回紹介した手順に従うだけで良い。そうすれば、トラフィックは増えていく。

全ての変更を加える時間がないなら、スクロールするソーシャルボタンのプラグインとスレッド表示のコメントをインストールする作業から始めよう。この2点のシンプルな変更により、ソーシャルメディアのトラフィック、そして、検索トラフィックは、長期的に伸びていくだろう。

完璧なブログのデザインを構成する要素は他にもあるだろうか?

この記事は、Quick Sproutに掲載された「11 Essential Elements of a Perfect Blog Design (a Data Driven Answer)」を翻訳した内容です。

一番目のコメントに関しては日本のブログは米国程、コメントが活発に投稿されませんし、スパムコメント排除に時間がかかったりしてしまうので微妙な所とは思いますが、他はどれもタイトルだけ見ると一般常識の範囲と思いつつも、読んでみると、改めて気づきのある内容でした。統計値も多く、適度にデータドリブンなものも多かったですし、どれもテストしてみる価値は十分にありそうな内容でした。 — SEO Japan [G+]

コンテンツ最適化 – コンテンツとSEO、モバイル、データ構造化の未来

コンテンツマーケティングが注目される昨今ですが、単にユーザーに価値がある記事を書いているだけでは不十分。平均制作費100億、広告宣伝費100億のハリウッド映画とはいわずとも、魅力的なコンテンツだからこそ、そのマーケティングは最大限やっておきたいものです。今回はコンテンツを効率的に発信するためのテクニックをSEO、特にモバイル対応とデータ構造化の観点から伝授する記事を。 — SEO Japan

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過去のSEO、そして、シンプルだった時代を振り返ることはあるだろうか?

SEOは、以前から常にコンテンツを中心とした取り組みであったが、コンテンツの最適化の意味は、数年を経て、大きく変わった。以前、SEO業界は、コンテンツとSEOを別物と捉えていた。全く別の分野に属し、最適化の段階で両者が揃うのは、ほんの一瞬であった。

この時代、コンテンツのSEOは、キーワードリサーチ、オンページの最適化、そして、その他の少数の手法で構成されていた。SEOの担当者は、別個のコンテンツ作成チームが作ったコンテンツに対して、キーワードを幾つか散りばめ(特にヘッダーやタイトルタグ等の目立つ場所)、アンカーテキストリンクを巧みに配置していた。

その後、「コンテンツは王様」と呼ぶ時代が到来し、キーワード主体のコンテンツが、品質の高いコンテンツへとシフトチェンジしていくのであった。検索エンジンは、良い結果をユーザーに提供するため、「過剰に最適化」されたコンテンツ、そして、怪しいリンク構築の手法の取り締まりに乗り出した。優れたコンテンツは報われるべきであり、有益なシェア、そして、信頼に値する被リンクを自然に集めるはずだ、と言う考えが、この方針転換を支えている。

テクニカルへの比重が高まるコンテンツの最適化

最近、コンテンツの最適化は、さらに技術的な領域へと向かおうとしている。SEOとコンテンツの間にあった垣根を打ち壊し、質の高い、検索フレンドリーなコンテンツを作ったら、今度は、ユーザーと機械が、どのようにコンテンツにアクセスするのか、考えなければならなくなった。

スマートフォン、タブレット、デスクトップを含むすべてのデバイスで、優れたユーザー体験を提供することは、検索エンジンが、コンテンツの意味を理解する上で有効なセマンティックマークアップと共に、SEOで、重要視されるようになった。

検索結果の質は、数年前よりも確実に改善されている。また、検索体験は遥かに高度になり、コンテンツとSEOの融合において、今まで以上にテクニカルな手法が求められるようになった。

この記事では、コンテンツとテクニカルSEOが重なる2つの領域を検証していく。素早くユーザー体験をこの重なりに適応させ、流れを自分に引き寄せておきたいところだ。

コンテンツ & モバイル

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現在、自然の検索の62%において、デスクトップとスマートフォンでは、異なる結果が表示される。この傾向は、BrightEdgeが、今年の早い段階で実施した調査「2014 Mobile Share Report」で判明し、コンテンツをデバイスに届ける際の目安となる。

このように、モバイルデバイスの利用が急激に増加し(マット・カッツ氏は、今年中にモバイル経由のクエリがデスクトップのクエリを上回る可能性があると言っていた)、モバイルユーザーにコンテンツをどのように見せるのかが、企業にとって大きな課題となっている。

ComScoreのこのレポートは、米国でのスマートフォンの浸透率が、2014年の年末までに、74%に達すると推測している。つまり、コンテンツとモバイルをウェブサイトでどのように両立させれば良いのかを解明する必要があるのだ。

そのためには、コンテンツを配信する方法(モバイルの構造)をまず決定し、次に、デバイスにメッセージを合わせていくべきである(メッセージは、どのように異なるのだろうか?)。

Googleのダレン・プレザンス氏は、BrightEdgeブログ(私が勤務する会社)の取材に対して、「コンテンツをデジタル化するだけで満足し、モバイルにコンテンツを合わせる取り組みを怠っているサイトは、とても多い。アプリ内、そして、モバイル体験と連動した、コンテンツ作成の新たな段階が存在する。」と指摘していた。

コンテンツは、作成され、デバイスのタイプに合わせて調整される。その結果、全体的な体験が根本的に改善される。今まさに起こりつつあるモバイルコンテンツ革命に備えるため、まずは次の取り組みに力を入れてもらいたい:

  1. モバイルデバイス経由でコンテンツにアクセスすることが可能な環境を作る。ユーザーがモバイルデバイスを使ってサイトにアクセスしたものの、スムーズに利用することが出来なかった場合、すぐに立ち去ってしまう。さらに、モバイルの検索結果のランキングが下がる可能性もある。
  2. モバイルの構造を賢く選択する。 モバイルのソリューションには違いがあり、モバイルの構造によって、テクニカルな実装の問題が起きる頻度も異なる。
  3. デスクトップ、モバイルで表示するコンテンツを決定する。 モバイルユーザーは、デスクトップユーザーとは、異なるニーズを持つ可能性がある。ユーザーの目標と意図を見出し、コンテンツを使って満たす方法を決定しよう。

コンテンツをモバイルに備える方法を詳しく知りたい方は、Marketing Landに投稿した記事「レスポンシブデザインは万能薬ではない」を参考にしてもらいたい。

コンテンツ & 構造化データ

まるで、コンテンツだけでは不十分だと言うように、コンテンツのマークアップを考慮し、実装するべきだと指摘を行う人達が増えつつある。これは廃れることがない戦略であり、ウェブサイトにプラスに働く。

デュアン・フォレスター

これは、Bingのデュアン・フォレスター氏の発言であり、同氏は、セマンティック検索の進化に備えるべきだと提唱している。SEO業界の大勢の関係者は、このコンセプトを「文字列ではなく、物事」と呼んでおり、– 検索エンジンが、単純にウェブ文書内のキーワードの文字列だけではなく、エンティティを特定する試みを行っている現状を表現している。

ここ1、2年の間に、Googleを筆頭とする検索エンジンは、セマンティック検索に向けて、前進を続けてきた。Googleのナレッジグラフ(2012年にリリース)の改善に加え、検索製品へのインフラのアップデート(ハミングバード)が敢行され、SEOにおける新たな革命が始まろうとしている。

ただし、方針はすぐに変わることを肝に銘じておいてもらいたい。SEOの関係者にとっては常識だが、最適化は、「キーワードXをここに配置する」ような取り組みではなくなった。コンテンツの最適化には、検索エンジンが、コンテンツを正確に理解し、エンドユーザーに提供してもらえるようにするため、テクニカル SEOのアプローチが多数採用されている。

セマンティック検索の進化に対して、サイトのコンテンツを備えるために、次のポイントを考慮すると良いだろう:

  1. schema.orgマークアップを実装するプロセス。サイトの既存のコンテンツをマークアップする計画を練り、続いて、新しいコンテンツに対するマークアップの計画を考案し、配信プロセスに組み込む。マークアップは、検索エンジンを助けるだけでなく、検索エンジンのユーザーの体験を改善する効果もある(例えば、リッチスニペット)。
  2. セマンティック検索の仕組みを深く理解する。セマンティック検索は、テクニカル SEOの関係者の間で話題に上がることが多いものの、企業が理解し、利用するためには、こなさなければならない課題は多い。今後の計画を練られるように、このコンセプトを詳しく調べておく必要がある。

このトピックを学ぶ上で、参考になる記事を幾つか紹介しておく:

フォレスター氏は、BrighEdgeとのインタビューで、「検索エンジンが、マークアップされたデータの利用を強化するにつれ、豊かなユーザー体験が生じるようになる。ユーザー体験、SERPの並べ替え等の実験を勝ち抜いたソリューションは、今後、長期間にわたって有効に働くはずだ。ただし、マークアップ(評価)されなければ、競争に参加することは出来ない。」と巧みに指摘していた。

コンテンツ & SEOに対応する

検索のメカニズム、そして、検索エンジンの目標を理解する者が、SEOの最先端に君臨する。過去のSEOは、今思えば単純だったと感じるかもしれないが、当時は、手法を学習し、実装するために必要なリソースは、現在よりも遥かに少なかった。

SEOにおいて重要性が今後も変わらないのは、体験であり、その体験は、作成するコンテンツのタイプ、そして、コンテンツを提供する方法に左右される。

(ストックイメージ: ライセンス契約の下、Shutterstock.comの作品を利用した)

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Future Of Content & SEO: How To Stay On Top」を翻訳した内容です。

データ構造化はともかく、モバイル対応をSEOと呼んでいいかは意見がわかれそうですが、検索エンジンからのトラフィックを最大化するという意味では広義のSEOですかね。そんな分類はどうでもいいのですが、データ構造化はまだまだ日本で導入が遅れていますし、今年中には着手して来年完成させる位のスケジュール感は持っておきたいですね。モバイル対応は特にB2Cにおいては、PCメインのサイトであっても最早モバイル経由のアクセスが普通に多い時代、PCサイトで見られてるから別にいいや、ではなくモバイル最適化していない機会損失を考えて何か対応できることがあればやっていきたいものです。 — SEO Japan [G+]

SEOの賢者、ペンギンアルゴリズムを語る。

SEO Bookのアーロン・ウォールが米国SEO業界の重鎮二人とペンギンアップデートに関して語りつくしたインタビュー記事を。普段は表には出てこない米国のSEO事情が垣間見えて大変興味深い内容となっています。 — SEO Japan

Googleが、大きなアルゴリズムのアップデートを行うと、大勢のウェブマスターは、慌ててデータをチェックし、ランキング、および、検索トラフィックに関する変化を確かめ、続いて、トレンドを見出し、変化を解明しようとする。

大きなアルゴリズムの変更が行われる際、通常、私はジョー・シンクウィッツとジム・ボイキンに連絡を取る。先日も、ペンギンアルゴリズムに関して、この二人に意見を求めた。

今回は、次のトピックについて話し合ってもらった:

  • ペンギンアルゴリズムとは?
  • どのようなインパクトをもたらすのか?
  • なぜ、しばらくアップデートされていないのか?
  • 問題が、ペンギンに関連しているのか、あるいは、ペンギンとは関係ないのかを判断するには、どうすればいいのか?
  • (ペンギン、および、手動のリンクペナルティからの)回復のプロセス
  • その他諸々

今回のインタビューのために、特別に発注した絵を以下に掲載しておく。
Pang Win.

このイメージをウェブサイトに埋め込みたい方は、以下のコードをコピー & 貼り付けしよう。

現在までに、5回のペンギンアップデートが行われている:

  • 2012年4月24日
  • 2012年5月25日
  • 2012年10月5日
  • 2013年5月22日(ペンギン 2.0)
  • 2013年10月4日

しばらくの間、アップデートは行われておらず、まだ復帰することが出来ていない大勢のウェブマスターにフラストレーションを与えている。それでは、早速、インタビューに移ろう…

根本的に、Google ペンギンとは何か?

ジム・ボイキン: ペンギンとは、ペナルティを引き起こすリンクフィルターだ。

ジョー・シンクウィッツ: 根本的には、品質の低いリンクプロフィールを持つサイトに罰を与えることを目的とした、アルゴリズムベースのバッチ処理のフィルターだと見て良い。

ペンギンでは、通常、どの程度ランキング、および、トラフィックの減少が生じるのか?

ジム: 30-98%。一部では、トラフィックに関しては、ほとんど変わらない「手動の部分的なマッチング」も見られたが…これは稀なケースだ。

ジョー: ほぼ全面的な減少だと言えるだろう。もう少し詳しく説明しよう。ペンギン 1.0は、後のペンギンとは一線を画す。初回のペンギンは、ほぼ固定のフラグ形式を採用していたが、後のペンギンは、初回ほどシビアではない。

初回のアップデートが行われた1ヶ月後、再びアップデートが行われ、その後、約6ヶ月おきに行われるようになった。前回のアップデートから既に10ヶ月が経過している。なぜ、ペンギンのアップデートは、頻度が少ないのか?また、なぜ、前回のアップデートから、期間が長くあいているのか?

ジム: 良い質問だ。誰もが6ヶ月おきにアップデートが行われると考えていたが、既に6ヶ月以上経過している…マット・カッツが休暇を取っているからか…あるいは、逆に、次回のアップデートの予定時期が、まだまだ先であるため、マットは休暇に出掛けたのか…もしくは、Googleは、ペナルティを受けたウェブサイトに、半年間以上、苦痛を味あわせたかったのかもしれない。

ジョー: 1.0は、サイトを301することを厭わない場合、一時的に逃れることが可能であった。1.1以降は、リダイレクトしてもダメージが出るようになった。最新のアップデートまでに、随分と長く時間がかかっているのは、出来るだけ大きな苦痛を与えたいからだと私は思う — Googleは、ウェブマスターを苦痛から、まだ解放するつもりはなく、どんなに低姿勢で懇願しても、許してもらえない。その上、クリーンなリンクプロフィールのほぼ全てを否認してしまう輩がいる。そもそも、「汚い」リンクと「綺麗」なリンクを区別するのは、容易ではない。

ジム: 大半のウェブマスターは、一部のリンクを否認し、続いて、さらに否認するリンクを増やす…1年待って、全てのリンクを否認している気がする :)

ジョー: 同感だ。

ジム: その後、Googleは、…からかい半分で…ペナルティから解放する。

ジョー: 98%以上のリンクを否認したサイトを見たことがある。Wikipedia、Yahoo!ディレクトリをはじめとする、素晴らしいソースのリンクもその中に含まれていた — 勿体ない。

ジム: 同じようなサイトを私も知っている。ほとんどの人は何も分かっていない…トラフィックが落ち、ペンギンに捕まったに違いないと考え、リンクの否認を始める人達が多過ぎる。

ジョー: その通りだ。パンダに捕まったものの、すぐにリンクを否認したがる人達は多い。まずは、落ち着くことが必要だ。

ジム: ペンギンペナルティからの解放を約束するサービスが存在する。と言っても、リンクの全てを否認するだけだ。確かに、手動のペナルティからは解放されるかもしれないが、これでは何も残らない。

ジョー: ついでなので、ペナルティから逃れることを約束するのは、まやかしに過ぎないと言っておこう。

ジム: あるいは、サイトに寄せられている全てのリンクを否認しているだけだ。

たった今言及した「サイトに寄せられている全てのリンク」の件は重要だと思う。それでは、どのリンクのソースを利用するべきなのか?また、Google ウェブマスターツールのデータは、どの程度網羅しているのか?ウェブマスターツールのデータは、サイトを復帰させる上で十分なのか?

ジョー: 十分とは言えない。Ahrefs、Majestic SEO、ウェブマスターツールで、手動のアクションを見つけ、リンクを一掃したにも関わらず、Googleに、ウェブマスターツールのデータリストには掲載されていなかったリンクを問題視されたケースに遭遇したことがある。事実、1年間にわたって、リンクの否認と削除ばかり行ってきた優良ドメインを買ったクライアントを私は抱えている。Googleは、休む余裕も与える気も、仕切り直しさせる気もない。

ジム: まず…Googleからリンクを得ているなら、サイトのwwwバージョンと非wwwバージョンの被リンクを考慮する必要がある。一つだけではなく、両方の被リンクを取り出さなければならない。つまり、ウェブマスターツールを使って、wwwと非www版を検証する必要がある。

弊社では、まずは、この作業から始めることが多い。原因と思われる大きなパターンを見つけたら、Open Site Explorer、Majestic SEO、そして、Ahrefsを開き、同じ被リンクを探し出し、さらに、パターンに一致するリンクを引っ張り出す。ただし、Googleで被リンク分析を最初に実施するようにしている。

先ほど、パンダに捕まったものの、勘違いして、リンクを否認する人達がいると言っていたが、ペンギン、パンダ、手動のリンクペナルティを見分けるにはどうすればいいのか?

ジョー: Googleは、アップデートを重ねて繰り出し、見分けにくくしている。この点を鑑みると、良い質問だと思う。ペンギンは、リンクを最も重要視している。簡単に見つけられるものの、修復するのは最も難しい。初めてウェブサイトを訪れる際は、アンカーの%、リンクのソース等を確認する。ペンギンと手動のリンクペナルティの大きな違いは(ウェブマスターツールを確認していない場合)、タイミングだ — 時限爆弾とスナイパーの違いと言うことも出来る…大勢のウェブマスターが、不満をもらしているなら、アルゴリズムだ。数名が文句を言っているなら、手動のアクションが行われたのだろう。手動のアクションの場合、ウェブマスターツールに通知が届いている。パンダに関しては、まずは、ページ上で、悪質なキーワードスタッフィング、薄いコンテンツ/コンテンツの重複を発生させる奇妙なインフラ構造等をチェックして、エンゲージメントの数値、さらに…外部でサポートされているページ:インデックスされているページの合計の比率を検証するようにしている。

ジム: 手動に関しては、何度も投稿を繰り返し、判断してもらうことが出来る。アルゴリズムのアップデートの場合、次回の更新を待ち、十分に対応を講じて、復帰させてもらうことを願うしかなく、まさに踏んだり蹴ったりの状態だ。

手動ペナルティに関して、Googleとやり取りをすること自体は、特に問題視していない。少なくとも、答えを得られるからだ。

トラフィックが減ったら、パンダとペンギンが行われた日付と照らし合わせれば、見極めることが出来る。アップデートの日付とは関係なく、トラフィックが減っていたら、ペナルティではなく、ただ単に、その日は、たまたまトラフィックが減っただけなのかもしれない。

ジョー: このインタビューを受けている最中に、スタッフから連絡をもらい、domain.com/?var=var&var=varのようなURLで、手動アクションに拒否された、と言う報告を受けた。実際には、既に、ドメイン全体が否認されていた。検索のことをよく知らない第三者が、適当にレビューしただけでは、何とも言えない。

ジム: その通り。昨日、SEOchatに投稿した記事で同じ指摘をした。レビューの担当者は、絶対に真剣に検証を行っていない。

復帰を100%保証するソリューションは、まやかしに過ぎないと指摘していたが、復帰する確率はどの程度あるのか?また、復帰に力を入れる意味があるのは、どのようなケースか?反対に、新しいサイトを始めた方が無難なのは、どんな時か?また、双方を同時進行すると良いのは、どんな時か?

ジム: 私はサイトを守る努力をしている。「このサイトは、もう手遅れだから、新しくサイトを始めた方が良い」と言ったことは一度もない。リンクは非常に重要であり、サイトに向かうリンクをたった数本でも救うことが出来るなら、私は手を尽くす。二つのサイトに取り組むアプローチは好きではない。コンテンツが重複する問題を生みだし、また、2つのサイトに対応しなければならないためだ。

ジョー : 何に違反したかに左右される。パンダ、手動アクション、そして、ペンギンの2回目以降のアップデート(理論的には、最新版の更新も含む)から、サイトを復帰させることに私は成功してきた。ただし、ペンギン 1.0に捕まったサイトの救出を要請されても、料金は受け取れない…無料でアドバイスを送り、データベースを追跡するリストには加える。ただし、確実にペンギン1.0であり、否認ツールを利用した結果、回復したものの、技術的な理由ではなく、意図的に回復するケースは、ごく稀である。

短い期間において、うまくやれば、リダイレクトとカノニカルは、今でも一定の効果をもたらす…ただし、戦略を変更するほど、改めて力を入れるような取り組みではない。

否認プロセスに関して、先ほど、一部のリンクを否認し、時間の経過と共に、さらに多くのリンクが否認している、と述べていたが、Googleは、主に苦痛をもたらすために、プロセスを長引かせているのだろうか?あるいは、集めたデータを何らかの方法で活用しているのだろうか?

ジョー: 間違いなく、わざと長引かせている。数学的な観点から見て、下降を引き起こす閾値はX%で、回復を引き起こす閾値はX-10%だと考えられる。さらに、当初、Googleは、否認のデータを大いに気に入っていたものの、神経質になり、何でも否認する行為が続出してしまった。このシグナルをもてあそぶため、意図的に多くの質の高いサイトを否認する巨大なネットワークを持つ集団を私は知っている :)

ジム: 苦痛を与えるためだ :) … データを活用しているかどうかは不明だが、その可能性はある。Googleなら、無料でリンクを手に入れましょう-directory.com等のサイトからのリンクを大勢のウェブサイトが否認していることを容易に特定し、「誰もこのリンクを信頼していないようなので、このサイトを追放し、リンクのカウントをやめる」判断を下すことが出来る。

自分達が所有しているツールで、同じ行為をすることが可能だ…ドメインが否認リストに登場する回数を数え、否認した回数を数えよう…例えば、spam.comが20回否認リストに登場し、20回とも否認している…あるいは、good.comが20回にわたって登場し、1度も否認していないなら、簡単に判断することが出来る。Googleも同じようなことをしているはずだ。

Googleが、引き延ばしていると仮定すると、手動ペナルティにおいて、追加の要請で、作業をスケールアップさせていく中で、苦痛を味わい、苦労をしていることをGoogleに分かってもらうため、徹底した取り組みを行う意味はあるのか?初回の取り組み、次回の取り組みにおいて、どの程度のリソースをつぎ込めばいいのか?通常、いつ頃回復するのか(再審査リクエストの回数)?

ジョー: 「否認」および「申告」を行う際は、さらに深い苦痛の留意事項が存在する可能性を自覚した上で、複数のレベルで実施するようにしている。1回目の挑戦で復帰したケースもないわけではないが、通常、3回以上、再審査リクエストを投稿する。

ジム: 2、3回、再審査リクエストを送信する必要がある…私は最初から「大胆」な取り組みを行い、さらに「スケールアップ」させていく。

と言っても、これはサイト全体のペナルティの話だが…

サイト全体のペナルティが、一部に縮小されることもある。一部に縮小されたら、遥かに容易に、影響を受けていないページに向かうリンクを残しながら、問題を特定し、対応することが出来るようになる。

サイト全体のペナルティは、サイトを壊滅させる…一部のペナルティでは、ランク付けの対象になるものもあれば、対象にならないものもあり…サイトの一部に限定されていれば、問題を解決する自信が湧いてくる。

先ほど、良質なリンクを否認してしまう、あるいは、否認する必要がないにも関わらず、リンクを否認してしまうミス、そして、新しいサイトに対処する際に、過去の否認のデータを活用することが出来ると言っていたが、自分で回復作業を行う方が良いケース、または、プロを雇って代行してもらう方が無難なケースを挙げてもらいたい。被リンクプロフィールの規模に応じて、大体のコストを算定する際に役立つ目安はあるのか?

ジョー: 知識に左右される。ペナルティの原因を自分で作ってしまった場合、すくにプロを雇うよりも、まずは、その原因を解消する試みを行うことも出来る。苦痛に「全力を注いでいる」姿を見せることで、1度目の否認が却下された際に、必死さが伝わる可能性がある。また、機会費用(選択肢Aを採用することで失われた選択肢Bを採用した際に得られた利益)にも左右される。予想される修復の可能性を考慮し、修復につぎ込む自分の時間の価値を考えると良いだろう。

ジム: 私の会社では、分析に5000ドル、そして、リンクを削除するプロセスに新たに5000ドルを課金する。高過ぎると思うかもしれないが、良質なリンクを削除してしまうと、そして、劣悪なリンクを残してしまうと、壊滅的なダメージを被る可能性がある。まさしく科学的な取り組みであり、誤ってしまうと、5000ドル以上の被害が出る…私自身がこのサービスを販売しているように、プロに相談することを薦める…そもそも、リンクの専門家ではないにも関わらず、なぜ自分でやろうとするのか、私には理解できない。

ちなみに、このサービスでは、追加費用なしで、サイトを回復させることが出来るまで責任を持って対処する。

ジョー: 良い心掛けだ。

ジム: どうも。

先ほど、既に否認されているリンクを理由に、再審査を却下されるケースに触れていたが、Googleのレビューワーが多くのミスを犯すことを考えると、否認ツールを使うよりも、積極的にリンクを削除した方が良いのか?リンクを削除する最良の戦略を教えてもらいたい。

ジョー: DDoSかな。

ジム: そういう手があったか(笑)。

ジョー: リンク否認サービスを利用する際は、素直に、そして、正直になるべきだ(1本1本対処していくよりも、私ならツールを使って、まとめて実施する)。

ジム: 実際に、リンクを削除する人は1%程度である。Googleに対して、リンクを削除することに疲れたとアピールするのが、本当の狙いだ。

ジョー: ペナルティを科されたことをリンクの所有者に伝えよう。自分のウェブサイトが、被害を受けているため、整理しているだけであり、無理なお願いをしていることを弁えて、礼儀正しく要請する必要がある。

私のサイトは、ドメインの規模が大きいため、様々な戦略の対象にされたこともある。かつては、料金を払って私のサイトにリンクを張った人物から、要請を受けることなく、いきなり訴えられたこともある。

ジム: 3回ほど削除を申請し、リンクに関するメッセージを送ったなら、再審査リクエストを投稿する際に、Eメールを送信した相手、送信した時期、そして、リンクを削除したサイト、nofollowしたサイトをスプレッドシートにまとめて紹介しよう…と言っても、これは、あくまでもGoogleに「アピール」することが狙いである。

ジョー: その通り。強制ではない。ウェブマスター達は、既にリンクを削除する作業に追われ、疲労している。

SEOと言うよりも、事業に関する質問だが、回復にかかる費用に対する予算の編成と同じぐらい、サイトがペナルティを受けている間の利益の減少に対応することも重要である。そこで、手動のペナルティから回復するまで、通常、何ヶ月を要するのか問いたい。また、どのタイミングで人員整理に踏み切ればいいのか?裏でSEOに対する取り組みを行いつつ、その他のマーケティングのチャンネルにも積極的に力を入れるべきか?

ジム: 手動のペナルティから回復するまでに、通常、2-4ヶ月間を要する。回復にも色々種類がある。手動のペナルティが解除され、最大で5%回復したものの、以前と比べると、90%低い場合もある。手動ペナルティの解除は、リンクプロフィールに優れたリンクが残されているなら、喜ぶことが出来るが、全てのリンクを否認しているなら、何も残らない。「回復」したらどうなるのか?と問われることがあるが、それは、残っているリンクに左右される…それでも、ペナルティを受ける前の状態に戻ることはない。

ジョー: 変動するコスト次第だ。コストが固定されているなら(条件が同じだとすると)、人員を削減するまでに、ある程度待つことが出来る。一方、2500ドル/月をリンクに用意しているなら、生き残るために、出来るだけ早く対応した方が良い。

その他のチャンネルへの取り組みに関しては、1つのチャンネルを極め、その他の複数のチャンネルをある程度マスターするアプローチは、非常に重要だと言っておこう。他のチャンネルのエキスパートを雇って提携を結ぶことが出来るなら、それが一番だ。ある大手の会社は、SEOでは、平凡であったが、TVとラジオでも実績があるため、多くの問題を抱えても、良い成果を残すことに成功していた。また、Eメールアドレスの収集を忘れずに行ってもらいたい。Eメールは、適切に利用する限り、今でも価値は高い。

長い間、ペンギンがアップデートされていないのは、ウェブマスターが、武器としてリンクを利用することに恐怖を感じるようになり、また、ライバルのサイトを葬ろうと試みることで発生する誤検出をGoogleが出したくないからだと私は考えている。苦痛を与えるためではなく、この動機を私が挙げるのは、Googleは、いつでも回復を遅らせることが可能であり、その一方で、アップデートで新たなサイトにペナルティを与えることが出来るためだ。先程、2度目のペンギンのアップデート以降、ペナルティがリダイレクトにも送られるようになったと話していたが、ウェブマスターは、ペナルティを受けたサイトを競合者のサイトに向けているのだろうか?

ジョー: その通りだ。また、競合者の自然なリンクにも向けている。私は、長年、ネガティブ SEOを非難してきた…2012年1月、初めての手動アクションが発生した時からだ。あの手動ペナルティが転機となった。現在、リンク構築に投資して、自然にサイトのランキングを上げるよりも、ライバルのサイトをランクを下げる方が、経済的である(この点に関しては、かなり自信がある)。

ネガティブ SEO向けのリンク戦略に関する話題は尽きることがない。この手法は、驚くほど浸透している。事実、大企業から、週に数回、ネガティブ SEOの実行を要請される。混雑した状態を正常に戻すのが、ブランドだと、誰かが言っていたような気がするが…

ジム: 間もなく、月に1度のペースで被リンクを監視するようになる。事実、ある大企業は、毎週、最新の否認リンクリストをGoogleに提出している。

その点に関連することだが、先制否認について問いたい。どのようなケースで、事前に自らリンクを否認するべきなのだろうか?このタイプの取り組みに特に注目する必要があるのは、どんなサイトだろうか?

ジョー: Fortune 500に挙げられない会社は、不利な立場にある。少なくとも、リンクプロフィールには注意してもらいたい — 私なら、何か大きな問題が浮上しない限り、先制してリンクを否認するアプローチは取らない。

ジム: 自分のサイトに対して、先制否認を行ったことがある。劣悪な被リンクを一掃するために、先制否認を行うべきだと私は思う。

ジョー: 私は認可サービスを始めたくて仕方がない…数千ドルで、否認を一掃するサービスだ :))

ジム: コンビを組んで、そのビジネスを始めよう :)

ジョー: 後で打ち合わせしよう。

ジム: ペンギンペナルティから地球を救おう。Googleのために、リンクを綺麗な状態に戻すのだ。

ジョー: Googleを救うのか?それとも、Googleから救うのか?:) また、時間があったら、刑罰の持続期間に関する法律の書籍を見習い、Googleのペナルティの種類に関する本を書きたいと思う。知名度の低いサイトを使って、RapGeniusと同じ行動を取っていたら、修正を行ったとしても(因みに、RapGeniusは修正を行っていない)、今でもペナルティの解除を待っているはずだ。なぜなら、基本的に、Googleは、直接的にも間接的にも私のサイトに資金を投じていないからだ。

SEO業者は、Google VenturesやGoogle Capital向けのプレゼンの資料を作るサービスを始めるようになるのだろうか?名称は、BeatThatPenalty(BeatThatQuote)?あるいは、BanMeNot(BugMeNot)でも良いかもしれない ;)

ジョー: あるいは、元Googleの従業員から資金を絞り出す手もある…ブランドを狙うベンチャーキャピタルのおかげで、Googleの元従業員が立てる計画には、続々と資金が投じられている。Googleでは、ボタンやフォントの色を変えることが主な仕事だったのかもしれないが、大ピンチを覆す力を持つ人物と今でもつながっている可能性があるためだ。

Googleの投資を受ける以外で、競争の激しい分野に参入する際に、SEOのリスクを減らす良質な方法を知っていたら、教えてほしい。

ジム: 今後は、特定のフレーズを狙って、上位へのランクインを試みる方法は薦められない。時間がかかり過ぎる。

ジョー: Googleへの依存を軽減すると、力を得られる。仕事の面接だと思ってもらいたい。その仕事をどうしても必要としているのだろうか?必要とする度合いが低ければ低いほど、交渉しやすくなる。Google以外のチャンネルからの収益が増えれば、重要なブランドのシグナルを得ている可能性が高い。

ジム: 素晴らしい作品を提供しなければならない。その結果、ブランドは構築されていく…この取り組みを優先させてもらいたい…手っ取り早くランクを上げる手法を採用し、Googleからペナルティを受けるリスクを背負う覚悟があるなら、話は別だが。

ジョー: 同感だ。プレミアムドメインの獲得 + SEOオンリーの取り組みを行う回数はめっきり減った。有効だった時期もあったが、現在は、状況が変わっている。

一部の人達(非リンク構築業者)は、SEO業者がリンクのことをあまりにも深く考え過ぎていると茶化している。コアのコンテンツ、UX、そして、ソーシャルメディアは、なぜ、リンク構築よりも、重要だと考えられているのだろうか?

ジム: リンクは、今でもGoogleのアルゴリズムで最も重要度が高い要素である — 無視することは不可能だ。ウェブで言及してもらえるような作品を用意し、出来れば、リンクを張ってもらいたいところだ。今でもリンクは、一番大事なアイテムである…リンクに次いで、優れたコンテンツ、UX等にも力を入れる必要がある。

ジョー: CopyPress(私が経営する会社)は、コンテンツを販売している(お願いだから、誰かコンテンツを買って下さい。私には幼い子供が3人もいるんです)。しかし、最高のコンテンツだけあれば、全てが解決するわけではないことを指摘しておく。ユーザーが一人もいない状態で、UXに力を入れることが出来るのだろうか?リンク構築、トラフィックの購入、注目の獲得は、SEOにおいてだけではなく、マーケティング全般において、重要である。Googleは、リンクを票として利用している。多様性は、変化し、進化していくものの、大半は今でも変わっていない。来年、または、再来年にリンクが消え去るとは、私には思えない。

例えば、私は大学生の頃に詩に関する本を2冊執筆した。内容には自信があったが、出版したことも、注目を集めようと試みたこともない。それでは、実際に、この本は、どれぐらい読む価値があるのだろうか?宣伝、そして、普及させなければ、推測に頼るしかない。

最後に、時間を割いて、今回のインタビューを快諾してくれたお二人に感謝したい。


SEOの賢者について:

ジム・ボイキンは、Internet Marketing Ninjasの創設者であり、CEOでもある。また、Webmasterworld.com、SEOChat.com、Cre8asiteForums.comを含む複数のコミュニティサイトを運営している。ジム・ボイキンは、自然な被リンクを集めるデジタルコンテンツの作成、および、ペナルティから復帰するため、リンクを分析し、不自然なリンクを否認する取り組みを得意としている。

ジョー・シンクウィッツ、通称、Cygnusは、CopyPress.comで最高収益責任者を務めている。ビーチでの散歩、必要なコンテンツの供給、そして、ランキングを上げるアドバイスの提供に生き甲斐を感じている。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Understanding The Google Penguin Algorithm」を翻訳した内容です。

日本に負けじと、いやそれ以上に米国のSEO業界も大変なんだなぁ、と思わずにいられない内容でしたが、日米問わず共通の悩みは多そうですね。インタビューの端々に出てくる普段は余り耳にしない米国のリアルな現場界隈の話が聞けてとても新鮮な記事でもありました。 — SEO Japan [G+]

疑う人を説得させる17通りの心理操作術

ウェブマーケティングの世界ではSEOに限らずコンテンツマーケティングが注目されていますが、それをビジネスに活用できるかどうか、つまり集客のみならずコンバージョンまでつなげられるかはコンテンツの質や有益性に加えて、情報発信者のオーソリティ、つまり信頼性が重要なのは皆の共通認識でしょう。しかし心理学をベースにした心理操作術を駆使すれば、十分なオーソリティがなくともコンバージョンに結び付けることができるかもしれません?!今回は、コンバージョン最適化のプロでもある筆者が教える様々な心理操作のテクニックについて。 — SEO Japan


How To Persuade People Online – 17 Lesser Known Jedi Mind Tricks

インターネットでオーディエンスを説得し、自分の思い通りの結果を得る方法を知りたいだろうか?

通常、成功する人物とその他大勢を分ける最大の要因となるのは、影響力である。今回は、心理学の研究を経て発見した戦略を幾つか紹介していく。恐らく、聞いたことがないものばかりだろうが、全て、説得力を高めるポテンシャルを持っている。

この投稿では、相互関係、欠乏、社会的証明等、よく知られている説得の原則を取り上げるつもりはない。このような要素については、既に良くご存知のはずである(あまり良く知らない方は、ロバート・チアルディーニ著のこの本を読んで勉強しておこう)。

1. 疑う人を説得する方法: 自信を持って、早く話す

同意することに消極的なオーディエンスを説得したいなら、早く話す戦法が最も効果的である。早口は、聞き手を迷わせ、議論の欠点を見つけにくくする効果がある。同意してくれそうなオーディエンスに話しかける際は、(当たり前だが)スピードを落とし、さらに同意してもらえるように時間を与えると良い。

また、説得力を高めたいなら、自信を持って話すべきだ。

カーネギーメロン大学の行動決定リサーチセンターに所属するドン・ムーアが発表した研究結果では、自信は、他者の信頼を勝ち取る上で、正確性に勝ることが判明している。

私達は、自信に満ちた人物からアドバイスを得ることを好み、過去の実績が惨めであっても許容してしまうこともある。ムーアは、競争において、この好みが原因で、アドバイスを送る側が、自信について大袈裟に表現することがあると指摘している。

通常、自信は専門知識と関連付けられる。製品、そして、そのメリットを熟知し、その効果を確信しよう — 真の自信は、自らの発言を知り、信じることから生まれる。説得するために、自信を聞き手に伝える必要がある。

2. 罵倒がオーディエンスの説得に貢献する

と言っても、軽く罵る程度に留める必要はある(やり過ぎると、信頼を完全に失ってしまう)。

88名の参加者を3つの若干異なる話し方に分割した研究が行われた。違いは、出だしで刺激の少ない不快な言葉を用いることのみであった:

…学費の値下げは、勿論良い案だが、それだけでなく、いい加減にしろ!と言いたいくらい、全ての関係者において、最も合理的なアイデアだと言える。

2つ目の話しでは、「いい加減にしろ!」を最後に置き、3つ目の話では、どこにも使わなかった。そして、参加者の態度を調べた。その結果、最初、もしくは、最後に罵る言葉が使われた話し方に、オーディエンスは影響を受けることが判明した。

「いい加減にしろ!」と言うワードにより、話し手の激しさがオーディエンスに伝わり、説得力がアップする。オーディエンス側の話し手に対する信頼は、変化しなかった。

この手法は、ゲイリー・ヴェイナチャックデイブ・マクルーアの成功を支えている。単純に優れた人物だと思っていたが、刺激の少ない罵るワードを使って、とても効果的に説得していることに私は気づいた。

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3. 最初に同意させる

メッセージを支持してもらいたいなら、オーディエンスが同意できることを最初に言おう。

ジン・シューとロバート・ワイラーが行った研究で、同意するメッセージの影響は長続きすることが判明した。あるテストの中で、参加者に、ジョン・マケイン、または、バラク・オバマのスピーチを聞かせ、その後、トヨタのテレビCMを見せた。

共和党の支持者は、ジョン・マケインのスピーチの影響を受け、反対に、民主党の支持者は、オバマのスピーチを聞いた後、CMに説得力を見出していた。

つまり、何かを売りたい時は、最初に顧客が納得することが可能な意見を出す、または、世論を反映させれば良い — たとえ、それが販売する製品とは全く関係がなくても構わない。

4. バランスの取れた主張は説得力がある

自分の取り組みが、批判を呼び起こす(または、呼び起こすきっかけを与える)なら、弱みを隠そうとする本能に逆らうべきだ。弱みについて話をすると、主張を弱めてしまうと恐れがちだが、説得する際にはプラスに働く。
Psyblogは次のように指摘している:

長年、心理学者達は、偏りのある主張と二面性のある主張を比較し、様々な状況において、どちらが説得する力が強いのかを確認する研究を行ってきた。イリノイ大学のダニエル・オキーフは、偏りと説得に関する107点の調査の結果をまとめた。実に過去50年を振り返り、2万111名の参加者のデータを集めた(オキーフ 1999年 Communication Yearbook 22 pp. 209 – 249)。

このメタ分析の結果自体、説得力のある内容であった。各種の説得力のあるメッセージにおいて、そして、様々なオーディエンスにおいて、二面性のある主張は、一方に偏った主張よりも、説得力が強いことが判明したのだ。

人は知性を持つ生き物である。説得する方法を知るには、まずは、聞き手が、考えることが出来る点を認めなければならない。主張の裏側に言及しないなら、信じてもらえる可能性は低くなる。

ウェブサイトで、製品の欠点に触れると良いかもしれない。

5. 証拠を見せると信じてもらえる

イエ・リー、エリック・ジョンソン、そして、リサ・ザヴァルが実施した調査研究は、温暖化、そして、現在の天候の維持に関する考えを検証するものであった。

この調査では、米国およびオーストラリアの参加者に、地球温暖化を信じているレベルを評価してもらった。また、当日、調査が行われた時期にしては、気温が高い、低い、あるいは、相応かどうかを尋ねた。気温が高いと考えた参加者は、低いと考えた参加者と比べて、温暖化を強く信じている傾向が見られた。

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関連する調査において、研究グループは、同じ質問を尋ね、さらに、温暖化と闘うNPOへの寄付を求めた。例年よりも大幅に暑い日は、低い日と比較して、寄付の合計が4倍も高いことが分かった。

メッセージを信じてもらいたいなら、主張を裏付ける状況で、購入を求めるべきである。インターネットでは、エモーショナルデザインストーリーテリング & ストーリーのお膳立てをするイメージの利用が、説得の鍵を握る。

6. 60%以下の価格の製品を合わせて売る

製品を購入する地点に達したら、信頼し、お金を支払っても良いと納得したに等しい。ここまで来たら、さらに多くの製品を売ることが出来る。

例えば、Tシャツを買おうとしている人には、スーツではなく、ネクタイを薦めるべきだ。

60%の確率で、もともとの買い物の価格の60%の価格の製品を売ることが出来る、60 x 60ルールの実績は申し分がない。提案するアップセルは、もともとの購入価格と調和していなければならない。

アップセルは、収益を手っ取り早く増やす効果があるため、利用したことがないなら、試してみよう(ご一緒にポテトフライはいかがですか?)。

7. 長所をアピールする

短所を指摘するのではなく、長所を強調すると説得力が増す。

ある分析が行われ、他の29回の調査に通じる結果が得られた — 合計で6378名が調査に参加した。この分析により、前向きなメッセージは、説得する際に、若干のアドバンテージがあることが分かった。

この調査は、日焼け止めの利用や健康的な食事の推奨等、病気の予防をテーマに掲げているが、その他の領域にも応用することが出来る。研究グループは、習慣を変えなければいけないことは、参加者にとっては受け入れ難い点を理由として挙げていた。

ポジティブな宣伝文句を心掛け(「時間を無断に過ごすべきではありません」ではなく、「毎日1時間浮きます」)、効果があるか確かめてみよう。

8. 選択の矛盾

この調査によると、選択肢が多ければ多いほど、選んでもらえる確率は下がってしまうようだ。

この調査では、カリフォルニア州の高級スーパーマーケットで、ジャムの試食コーナーを設け、時間に応じて、6種類のジャム、あるいは、24種類のジャムを提供した。その後、ジャムを試食した人達に、ジャムをお買い得価格で購入することが可能なクーポンを手渡した。

選択肢が多いと、注目する買い物客は多くなったものの、実際にジャムを購入した人は遥かに少なかった。選択肢を少なくしたディスプレイの方が、売り上げは多かった — 事実、24種類のジャムを用意すると、試食した人の3%のみがジャムを購入し、一方、6種類のジャムを用意したケースでは、30%の買い物客がクーポンを利用していた。

多数の製品を提供しているなら、決定を下しやすくなるフィルターを構築する取り組みに力を入れるべきだ。この点に関しては、この良質な本、または、優れたTEDのプレゼンを参考にすると良いだろう。

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9. 頻繁に起きると、最終的に納得する

繰り返しは、明らかに影響を与える。繰り返し同じ広告に遭遇していると、実際の製品を見にすると、頭の中に再び登場する。

ワードや視覚的なパターンの繰り返しは、覚えてもらうだけでなく(このポイントも説得につながる)、繰り返し発生するものを事実として受け入れさせる効果がある。

ChangingMindsは、ヒュー・ランクの説得に関する研究について(世論の説得に関する情報を伝える 1976年)、次のように説明していた:

人間の脳は、パターンをマッチさせる力を持ち、この有益なスキルを使うことに対して、見返りを与える。繰り返しは、パターンを作り出し、その結果、そして、自然に注目を掴みとる。

繰り返しは、親しみをもたらすが、この親しみは、軽蔑を生み出すのだろうか?その可能性はゼロではないが、現実の世界では、親しみやすさは、軽蔑よりも、好印象をもたらす方が遥かに多い。スーパーマーケットに足を運ぶと、たとえ実際に試したことがなくても、知らない会社の製品よりも、よく知っている会社の製品を買う確率は高い。

前回、靴を買った時のことを振り返ってもらいたい。何足か選び、試し履きする前に、元の位置に戻しただろうか?その後、再び履いてみただろうか?この行動を取る人達がほとんどのはずだ。納得するまでに、数足靴を履く人は多い。平均で3回履いてから、購入に踏み切るようだ。

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主要なメリット、または、キャッチコピーや広告キャンペーンが提案する長所を繰り返しアピールしてみよう。効果的な宣伝や選挙活動は、この手法を用いている(例: Geicoなら、15%以上お得です…)。親しみ、そして、その結果得られる好意を生み出すため、フレンドリーに繰り返すと良い。

別のリサーチでは、たとえグループの一人が意見を繰り返しているだけでも、グループの全体の意見と見られる可能性が高いことが明らかになっている。

10. 男性は向かい合って話すよりも、Eメールに反応する

グァダグノ & チャルディーニによる研究(2002年)では、男性はEメールに良く反応することが明らかになった。競争心を回避することが出来るためだ。 一方の女性は、面と向かっての会話に良い反応を示す。なぜなら、女性は男性と比べて「関係を大事」にするためだ。

この研究は、Eメールは、男性の競争心をかわす手段を提供する、と示唆している。しかし、これは、あくまでも、知らない相手とのコミュニケーションにのみ当てはまる。身近な人間との間では、面と向かっての会話を好む。

よく知らない男性を説得したいなら、Eメールから始めると良いだろう。

11. 量を制限すると、多く買う意欲が湧く

ブライアン・ワンシンク著の傑作「Mindless Eating: Why We Eat More Than We Think」(見境のない食欲: なぜ思っている以上に食べてしまうのか)の一節を紹介する:

以前、2名の教授の友人 – スティーブ・ホックとボブ・ケント – とチームを結成し、制限が、食料品店で購入する量に影響を与えるかどうか調査した。「お一人様につき12個まで」等、数字を含む看板を見た買い物客は、「お好きなだけお買い求め下さい」等の看板を見た買い物客よりも、多くの量を購入すると推測していた。

この心理を見極めるため、私達は、異なるスーパーマーケットとコンビニで、異なる数字、そして、異なる宣伝(例えば、「1個で1ドル」に対して「2個で2ドル」)を使って、異なる形式で、この調査を続けた。この調査を終える頃には、数字を含む宣伝を行うと、買い物客は、通常よりも30 – 100%多く購入することが明らかになった。

要するに、顧客が購入することが可能な量を数で制限、または、固定すると良い。

12. ストーリーはデータよりも強力

2007年に行われたカーネギーメロン大学の調査で、デボラ・スモール、ジョージ・ロウェンスタイン、そして、ポール・スロビッチは、ストーリーとデータの影響を比較した。

このテストでは、アフリカの危機的な状況に対して、寄付を募った。まず、マラウイで食糧不足が深刻化し、ザンビアでは雨が降らない日が続き、そして、アンゴラでは数百万人が住み慣れた場所を追われている等の状況を、具体的なデータで証明し、寄付を呼び掛けた。

2つ目のテストでは、ザンビアに住むロキアと言う名の飢えに苦しむ少女を取り上げた。写真を見せて、ロキアに直接寄付するよう求めた。

平均で、Save the Childrenのデータ主導の要請を受けた学生は、1.14ドルを寄付していた。一方、ロキアのストーリーを呼んだ学生は、約2倍の2.38ドルを寄付した。

3つ目のテストでは、ロキアのストーリーに加えて、持続的な日照り、農作物の欠乏、そして、食糧不足に悩む大勢のアフリカ人に関するスタッツを紹介した。ロキアのストーリーンのみを呼んだ学生は、平均で、2.38ドル寄付していたものの、ストーリーを読み、さらに、データを与えられた学生が寄付した金額の平均は、1.43ドルであった。

アフリカの窮状、貧困との闘いは、あまりにもスケールが大きく、寄付したところで、あまり意味がないと感じる。その結果、助けたいと願う気持ちが弱くなるようだ。

マザー・テレサも、「大勢の人達を目の当たりにしたら、行動を起こす気は起きません。でも、一人だけを見れば、やる気が起きます」と言っていた。

13. 男性に売り込むなら、女性の写真を使おう

消費者信用業界における実地調査が行われ、女性の写真が、金利の低さと同じぐらい効果があることが判明した。

南アフリカの金融業者が、現在のクライアントに対して、適当に金利を選んで、多額の短期のローンを紹介する手紙を送った。この手紙には、無作為な心理的な「アイテム」が含まれていた。想像した通り、金利はローンの利用に大きな影響を与えていた。通常の経済論とは矛盾するものの、一部の心理的なアイテムもまた利用に大きな影響を及ぼしていた。

男性の顧客には、手紙に掲載した男性の写真を女性の写真に換えると、統計的な観点で、利用が大きく増えた。金利を4.5%低くするアプローチと同じ効果があった。女性の顧客については、女性の写真を利用しても、統計的に有意なパターンは見られなかった。

総じて、女性の写真を提案の手紙に乗せると、大きな効果があると言える。標準誤差により、この効果に対する単一の特定のメカニズムを分離することは出来ない。女性の写真には前向きなインパクトがあったことが、あるいは、男性の写真にはネガティブなインパクトがあったことが、男性の顧客に影響を与えたと考えられる。

このテストでは、割と大きな金利の変化 – 3.25%から11.75%を採用していた。女性の写真の効果は、ローンの金利の4.5%に等しかった。

従って、次回、何かを提案する際は、女性の写真を追加しよう。コンバージョン率が改善されるかもしれない。

因みに、この調査では、セクシーな女性の写真を用いたわけではない。ビキニを着たセクシーな写真は、効果があるのだろうか?

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ある研究によると、興奮すると男性は理不尽になり、決定の精度が低下し、視野が狭くなる。この効果は、短期的なものであると考えられ、衝動買いを行う際にクライマックスを迎える。

ビキニを着た女性が、男性の目の前で、製品を販売する状況が理想だ。男性のみを対象とした製品では、インターネット上でも、同じ取り組みを行うことが出来るのではないだろうか。

セクシーな広告は、男性に製品を記憶させる効果はない点が調査によって明らかになっている。セクシーな女性に釘付けになり、製品のブランドにまで注意が行き届かないのだ。

14. リーダーを説得したいなら、力不足を感じさせる

上司が自分の地位の力を実感している際に、新しいアイデアを分かってもらおうとするのは、理にかなっていない。この調査は、このような状況では、上司は耳を傾けないと指摘している。

「権力を持つ人物は、自分の考えに自信を持っている。アイデアに対する考えがポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、この見解を変えるのは容易ではない、と、この調査の実施に携わり、オハイオ州立大学で心理学を教えるリチャード・ペティーは指摘している。

この研究から、新しいアイデアをリーダーに検討してもらいたいなら、あまり力がないと感じる状況を作り出すと良いことが分かる。

リチャード・ペティー曰く、「我々の研究によると、力は、自分の考えに対してより大きな自信を持つきっかけを与えるが、自信に影響を与えるのは、この力のみである。そのため、上司が知らないもの、上司が確信を持てないもの、そして、上司の自信を軽減するものを持ち出す」と良いようだ。

さらにペティー教授は、「上司が自分の力について考えていないタイミングを見計らって、考えを述べ、良い主張を行った後に、権力を思い出させよう。すると、上司は、主張に関する自分自信の評価に自信を持つ。優れた主張を行っている限り、上司が納得する可能性は高い」と続けた。

まとめよう:

  • 知らないことを話題に上げて、力と自信のなさを上司に実感させ、可能ならば、オフィスの外(中立的な場所)で話し合いの場を持つ。
  • 主張を行った後、要請に対して行動を起こすことが出来るように、上司の立場を再び思い出させる。

15. サリバン式頷き術

レストランのコンサルティングを行うジム・サリバンが考案した、サリバン式頷き術は、様々な選択肢を列挙するものの、買い手に購入してもらいたいアイテムを紹介する際に、首を縦に振るアプローチである。少しだけ、頷いていることが分かる程度で構わない。そして、リストアップするアイテムは、5個以内の場合、とりわけ効果が高い。ジム・サリバンによると、60%の確率で成功するようだ。

接客係が、飲み物を提案する際は、必ず笑顔で対応させ、軽く頷かせるべきだ。身振りは強力であり、60%以上の確率で、ゲストは頷き返し、提案を受け入れることが調査により判明している。

宣伝目的の動画の中で、この手法を活用することが出来るはずだ。契約や提案について話をする際に、購入してもらいたいアイテムを紹介するタイミングで頷こう。

16. 分かりやすさは、説得力を凌駕する

Marketing Experimentsのドクター フリント・マクローリンは、「分かりやすさは、説得力を凌駕する」と指摘している。このフレーズを肝に銘じておこう。

説得は、それとなく、そして、巧みに実施すると抜群の効果を発揮する。やり過ぎると、買ってもらえなくなる。キャッチコピーを作る際、または、プレゼンを行う際は、分かりやすさを意識すると良いだろう。偽善者になることなく、そして、過大に宣伝することなく、十分な量の情報を与えて、オーディエンス自身に決めてもらうべきである。

17. 確率が記されていると、87%の人が信じる

…と、私は聞いたことがある。


この記事は、ConversionXLに掲載された「How To Persuade People Online – 17 Lesser Known Jedi Mind Tricks」を翻訳した内容です。

読み物として純粋に面白い内容でしたが、ウェブに限らず様々な局面で活躍しような心理操作術の数々でした。個人的には次のプレゼンで幾つか使ってみたいと思うテクニックがありましたね。。。オーソリティがなくとも心理操作でどこまでカバーできるか、試してみたいと思います。 — SEO Japan [G+]

今、知っておくべきリンク構築の7つの常識

コンテンツマーケティングがSEOの中心になってきたといっても、Googleのアルゴリズム上、リンクがウェブサイトの評価の重要指標であることには変わりありません。とはいえ、かつての有料リンクに代表される人任せの手軽なリンク構築が通じていたのは過去の話。今日のリンク構築は、コンテンツマーケティングに負けじと丁寧に時間をかけて取り組んでいく必要があります。そんな最新のリンク構築事情を幾つかの基本ルールにまとめ上げてくれた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

CMO(最高マーケティング責任者)、クライアント、あるいは、クライアントの上司等々…検索を理解してくれない人達と私は仕事をしてきた。

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それは致し方ない。ランキングで1位を獲得する複雑な要素を関係者全員が理解してくれるとは、さすがに期待していない。SEOは、理論としては単純だが、実際の作業は大変であり、また、GoogleがSEO業者を贔屓してくれるわけでもない

しかし、同じことを何度も何度も説明するために、このビジネスを始めたわけではない。そこで、リンク構築とSEOについて、重役の方々に知って欲しい7つのポイントを挙げていく。

1. 上位にランクインするためには今でもリンクが必要

誰が何と言おうと、リンク構築はまだ健在である。情報を探すために、検索エンジンが用いられる限り、そして、検索エンジンがランク付けをリンクに頼る限り(実際に頼っている)、リンク構築が消えることはない。

当然だが、現在のリンク構築の手法は、かつての手法とは大きく異なる。そのため、混乱が生じている可能性がある。ディレクトリへのリスティング、アーティクルマーケティング、そして、ゲスト投稿は、コンテンツマーケティング、自社サイトでのブログの運営、コンテスト、そして、プレゼントに取って代わったのだ。

2. 必要なリンクの本数は不明

100本?10本?それとも、1本?上位にランクアップするために必要な本数を特定することは出来ない。

そもそも、リンク構築に関して、分かっていることは少ない。もちろん、手法、そして、どんな成果を期待できるのか結果に関しては、心得ている。リンクの量よりも、質が重要である点も理解している。しかし、いつリンクの価値が効力を生じるのかを特定することが出来るほど、検索エンジンのアルゴリズムを理解しているわけではない。

1位にランク付けされるために必要なリンクの本数は、ターゲットにするキーワード、自分のサイト、競合者の取り組み、そして、その日のGoogleの気分(と言うのは冗談だが、実は当たっているのかもしれない)に大きく左右される。

3. 良質なコンテンツの隠し場所

「コンテンツは王様」と言うフレーズは、リンク構築のエキスパートを奈落の底に突き落とした。リンクを獲得し、上位にランクインするには、読み、シェアし、リンクを張りたいと思うような良質で、魅力的なコンテンツを用意する必要があることは誰でも知っている。しかし、このコンテンツをどこからか調達する必要があるものの、その場所は、今のところ存在しないことも明白である。

良質なコンテンツを作るには、自分のサイト、そして、ユーザーにとって、適切なコンテンツを特定するために、多くの時間を割く必要がある。その後、自分のサイト、そして、ユーザーのために当該のコンテンツを作成する作業に移る。この作業にも膨大な時間がかかる。Facebookのちょっとした投稿でも、正しい表現を見つけ出すために10-15分を要することがあり、ブログの記事やレポートを作るつもりなら、数時間、数日間、場合によっては、数週間かかることもある。

4. 「ちょっとリンクを入手する」ことが可能な場所は存在しない

ナルニア王国を見つけて欲しい、と言われるようなものだ。また、万が一、このような場所を知っているとしても、誰も明かしたりはしない。

コンテンツと同じように、リンクの獲得は、キーワード、サイト、業界、そして、その他の様々な様子に左右される。リンク構築戦略は、サイトに対して調整することが可能であり、通常は、ゼロの状態から、取り組みをスタートさせることになる。

優秀なリンク構築の専門家は、リンク構築に着手する際に、頼りになる場所を幾つか持っている。この場所、そして、関係の経過を常に追っており、始めに利用する場所を確保していると言えるが、それだけでは、大きなインパクトを与えるには不十分である。

5. ただ単に「リンクを下さい」とお願いすることは出来ない

単刀直入にリンクを求める行為は、赤の他人に「20ドル下さい」と言うようなものだ。リンクを獲得(日本語)するためには、何らかの策を講じる必要がある。優れたコンテンツを作る取り組みが該当することもあるが(No. 3を参照)、リンクの話をする前に、相互的な関係を構築しなければならないことが多い。

アウトリーチ(接触)は、1人にアタックして、1本のリンクを得る類の手法ではない。100名に接触しても、100本のリンクを得られるわけではなく、しかし、だからと言って、資金を無駄に費やすわけではない。弊社のアウトリーチ戦略から浮上する機会は、2つか、3つしかないかもしれないが、海外のリンク構築業者が約束する1000本のリンクよりも(No. 2を参照)、この限られた機会の方が価値は遥かに高い。

6. 時間がかかる

何本リンクを獲得すればよいのか分からないように、上位にランクインするまでに(あるいは、PR3からPR5に到達するまでに)、どれぐらいの時間がかかるのかも、私達には分からない。しかし、経験上、たとえ適度な期待をしていても、それ以上に時間がかかることが多い。

リンク構築は、時間のかかる取り組みであり、検索エンジンが、リンクをインデックスして、評価を行い、オーソリティを特定するまでにも時間がかかる。通常、4ヶ月目に差し掛かると、成果が現れないことを理由に、クライアントは、フラストレーションを抱え始め、リンク構築戦略の効果に懸念を持つようになるが、通常、5-6ヶ月目に入ると、徐々に効果は出てくる。

7. リンク構築をやめるとランキングは下がる

「3ヶ月間にわたってリンク構築を行い、その後、中断し、経過を見ることは出来るだろうか?」

残念ながら、これは無理なお願いである。ジムに3ヶ月間通い、その後、ジム通いを止めた状態で、体重を維持することは出来るだろうか?

リンク構築は、持続/継続的なプロセスであり、目標を達成した時点で切り換えることが可能な「維持モード」は存在しない。検索エンジンは、リスティング、そして、アルゴリズムをコンスタントに再評価しており、リンクとコンテンツを新鮮な状態に保つことしか、検索エンジンに自分のサイトが妥当である点を理解してもらえる方法はない。リンク構築を中断して、1ヶ月間はランキングを維持することが出来る可能性はあるが、何もしないと進歩を台無しにしてしまう

最後に、重役陣にリンク構築について知っておいてもらいたいポイントを他に何かご存知なら、コメント欄で発表してもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「7 Things I Wish Execs Knew About Link Building」を翻訳した内容です。

内容自体はどれも納得、しかし実際にリンク構築を始めてみようと思うと、リンク先の発見からアウトリーチの方法まで勉強すべきことは多くありそうです。結局、コンテンツマーケティングを通じて自然リンクを地道に獲得していく手法が一番効率的な気がしなくもありませんが、その中でリンク構築のテクニックで活用できるものは基本に忠実、かつ発想豊かに活用していきたいですね。 — SEO Japan [G+]

ヒートマップテストで判明した19点の超重要データ

先日、アイトラッキングに関する記事を配信した所、予想以上の人気がありました。アイトラッキング以上に簡単に実施できるのが、マウスの導線を追うヒートマップテスト。様々なASPサービスも提供されており、低価格で導入できますよね。今回の記事では、数多くの公開事例や調査を通してヒートマップテストで会得した19のデータを紹介します。 — SEO Japan


19 Things We Can Learn From Numerous Heatmap Tests

ヒートマップは、ビジターの行動を分析する上で大いに役立つ。その他のメソッドでは得られない見解を導き出し、その結果、コンバージョン率を大幅に引き上げることが出来る可能性がある。

ヒートマップは、マウストラッキングとアイトラッキングの2つに分類される。大多数の企業は、マウストラッキングのヒートマップを利用している。費用対効果に優れているためだ。それでは、各種のヒートマップのテストで判明した重要な結果を検証してこう。

まず、マウストラッキングとアイトラッキングの一番の違いを挙げていく。マウストラッキングを利用する場合は、実際のビジターからデータを獲得し、一方、アイトラッキングを利用する際は、通常の環境では除外されることの多い人達のグループをサンプルとして用いる。そのため、後者の場合、結果が歪んでしまうことがある。その反面、アイトラッキングを採用すると、テストの主題に関しては100%近い精度の結果が得られる。マウストラッキングの精度は85-90%である。

それでは、テストで得られた見解を紹介していく:

1. ビジターの目的にとって、最も重要なコンテンツをページの上部に掲載するべき

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ビジターは、ウェブページをスクロールするものの、注目が持続する時間は短い — この調査では、ビジターがページを閲覧する時間は、ページの下半分に向かうと、大幅に短くなることが明らかになっている。80%の時間をページ上半分のコンテンツに割り当てている。そのため、ウェブサイトの目標にとって、最も重要なアイテムをページの上半分に掲載するべきである。

この調査では、ユーザーの閲覧時間は、次のように分散されることが分かった:

上半分: 80.3%
下半分: 19.7%

この調査は、1024×768の画質で実施されていた — 現在、大抵のウェブユーザーは、もっと高い画質のスクリーンを利用している。この点は、調査の結論に、本質的な変化を与えるわけではないが、比率が若干変わる可能性がある。大きなスクリーンで流動型なレイアウトが用いられていると、上半分のコンテンツの量が多くなる可能性があるためだ。

ページの下半分に差し掛かると、ユーザーの注目もまた下がる — ヘッダーから離れれば離れるほど、読もうとする意欲は薄れていく。そのため、最も重要な情報を上部に挿入しよう。

また、スクロールを促されると、ビジターはページをスクロールする点を覚えておこう。従って、長いページを用意しているなら、スクロールを促すデザインを採用してもらいたい。

ページの最後の要素に対する注目

この調査では、閲覧時間が、ウェブページの一番下の部分で大きく増えることも判明していた。つまり、ビジターの注目は、ページの一番下に到達すると、再び高くなるのである。 従って、良質なコールトゥアクション、または、関連するコンテンツをウェブページの一番下に置くと、コンバージョン率の増加につながると考えられる。

ついでに、親近性効果、要するに、最後に見たものが、心の中に残る効果も考慮すると良いだろう。時間を割いて、ページの最後を慎重に作り上げることが重要だ。

2. 見るものを買う — 急いでるときは、目立つものが選ばれる

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先日行われたCaltechの脳科学の調査では、早急な決定を行う際(急いでるとき、もしくは、集中力を妨げられたとき)、視覚的なインパクトが、消費者の好みよりも選択に大きな影響を与えることが分かった。 つまり、ビジターが急いでいる時は、個人の好みを軽視し、最も目についたものを基準として選択を行う傾向があるのだ。この偏りは、気が散っている状態では、さらに強くなり、各種の選択肢における好みがない際に、特に強い。

この事実は、大きなポテンシャルを持つ仮説をマーケッターに与える — オンラインショッピング等のとりわけ時間の制約があり、気が散る状況において、製品の視覚的なインパクトが、消費者の好みを上回るなら、ウェブサイトのデザインに戦略的な変更を加えると、ビジターの注目を著しく移すことが出来るはずである。

そのため、忙しさを増す環境で、ビジターが、探しているもの(もしくは、最も売りたいもの)をすぐに見つけられるように、ウェブサイトのデザインを最適化すると良いだろう。

3. ビジターは特にページの左側を見る

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複数の調査により、ウェブサイトの左側にビジターの注目が集まることが判明している。また、左側は、ビジターが最初に見る部分でもある。例外はあるが、左側を常に意識しておくと良いだろう。ウェブサイトの左側に最も重要な情報 — 例えば、独自の価値を表示する手が考えられる。

この調査は、ウェブサイトの左側が、閲覧時間の69%を占めると指摘している。ビジターは、右側と比べ、左側に2倍以上の時間を割くようだ。

4. ビジターはコンテンツをF字型で読む

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この調査の結果では、サイトのビジターが、テキスト主体のコンテンツをF字型に読む傾向があることが明らかになっている。F字型とは、どんな意味があるのだろうか?ビジターは、飛ばし読みしており、主な注目が、テキストの最初の部分に集中する。つまり、最も重要な見出し、そして、小見出しを読み、その後、テキストの大半を選択して、読んでいく。

そのため、テキストの最初の2つのパラグラフでは、最も重要な情報を提供する必要がある — ビジターが最も読む可能性の高いコンテンツがこの部分に該当する。

小見出し、箇条書き、そして、段落を使って、コンテンツを読みやすくするべきだ。ビジターは、飛ばし読みするため、重要な情報を箇条書きで提供すると、テキストに目を通す際に気づいてもらえる確率は高くなる。

ただし、F字型のスタイルは、写真ベースのウェブページには当てはまらない点を理解してもらいたい。この調査で証拠が提供されている。画像ベースのウェブページに関しては、水平方向に見ていく傾向があるようだ。

5. バナーブラインドネスはスペースの無駄遣いをもたらす

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バナーブラインドネスとは、ビジターが、広告のように見えると言う理由で、無意識のうちに、あるいは、意識的に、ウェブページの一部を無視する状況を指す。この現象は随分前から起きている — 大量の広告に毎日晒されているため、無意識のうちに、ウェブサイトの広告を無視する習慣がついたのだ。また、広告のように見える文章や画像も無視される。ビジターは、ほぼ確実に、広告のように見えるコンテンツには注目しない。

このヒートマップに関する調査は、広告をしっかりと注視する行為は存在しないと指摘している。ビジターは、情報を早く入手する必要がある場合、広告を無視する — 一方、ストーリーを読むことに集中しているなら、コンテンツから目を離すことはない。

ウェブサイトでバナーブラインドネスを回避するための方法が幾つかある — オンラインマーケティングの実績を持つデザイン会社に頼むことで、大抵の問題は防ぐことが可能だ。

6. デザインで人物の画像を利用する際は、視線に注意するk

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ウェブデザインで、人物を利用すると有効に働くことがある — 事実、ビジターの注目を集める上で効果的なデザインの要素の一つである。ただし、人物の視線が鍵を握る — 複数のヒートマップに関する調査で、ビジターは、モデルの視線を目で追うことが判明している。そのため、綺麗な女性の写真だけでなく、隣のコンテンツにも注目してもらいたいなら、モデルの女性が当該のコンテンツを向いている写真を利用するべきだ。

また、感情を伝えることも大事である。

感情を伝えると、コンバージョン率に大きくプラスに働く。この調査によると、落ち着いた人物の写真に対して、感情が伝わる人物写真を用いると、コンバージョン率が高くなるようだ。

この2つのアプローチを組み合わせると良い — つまり、感情を伝える人物が、ページの望ましい場所を見つめている写真を利用しよう。

7. 男性はビジュアルを、女性は情報を求める

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この調査によると、出会い系サイトで、プロフィールの閲覧を求められると、男女間で明確な違いが現れるようだ — 男性は、プロフィールの人物の視覚的な要素、つまり写真に注目し、一方の女性は、提供されている情報に関心を寄せる傾向がある。女性は、プロフィールの人物を評価することに、50%近くの時間を費やし、男性は、画像ばかりを見る。

別の調査では、男性は、女性と比べて、胸を眺めるために37%長く時間を費やし、一方の女性は、左手の薬指を見る時間が男性よりも27%長いことが判明した。 この調査は、「男性は変態で、女性は金目当て」と結論付けている。どちらの調査でも、男性が、ビジュアルを意識し、特定の身体の部分を中心に見る傾向があり、女性は、情報を求め、写真を見る際は、情報を得るためにざっと目を通す程度であると、まとめることが出来る。

8. クリックスルー率を改善するために、自動画像カルーセルとバナーを諦める

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この調査では、特定のタスクを抱えるユーザーが、2つのサイトを訪問した結果、メインのバナー、さらには、動画版のバナーも無視されることが明らかになった。この類のソリューションは、数多くのウェブサイトで用いられているが、一時的なブームに過ぎない。自動画像カルーセル、そして、バナーは、ホームページには向いていないと言えるだろう。バナーブラインドネスを導くため、ビジターに無視され、その結果、サイトの多くのスペースを無駄に使ってしまうだけである。

この現象に関しては、この記事で詳しく検証している。

この調査では、1点の例外の存在が明らかになった — ASOS(洋服のショッピングサイト)のホームページ中央のバナーは、その他のサイトと比べて、多くの注目を集めることに成功している。このサイトのバナーは何が違うのだろうか?テストで採用されたその他の画像カルーセルと比べて、ページに溶け込んでおり、バナーのようには見えないことが原因だと思える。その結果、バナーブラインドネスをそれほど多く生み出さずに済んだようだ。それでも、完璧なソリューションとは言い難い。

9. 色の対比を使って賢くビジターを導く

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techwyseは、ヒートマップを使ってランディングページのテストを行い、色の対比がビジターを導く上で重要度がとても高いと感じたようだ。 テストを行った結果、トップページのクリック不可能な、価格に関する情報が、最も多くの注目を集めていたことが判明した。これは、周りとの色の対比が原因であり、ページの残りの部分から、注目を逸らしていた。デザインを変更し、– トップページを大改造して、ビジターがページを見るパターンと、techwyseが見てほしい情報を合わせる取り組みを行った。

10. 60歳は20歳よりも2倍多くのミスをする

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ターゲットのオーディエンスが、高齢者なら、出来るだけ簡単に利用することが可能な環境を作り、余分な情報を排除するべきである。257名が参加した遠隔ユーザーテストで、タスクの失敗率が、25歳以下と比べて、55歳以上の参加者は1.9倍高いことが判明したためだ。 若いグループと比べて、55歳以上のグループでは、2倍近くの参加者が、タスクの遂行に失敗する、もしくは、タスクを諦めていた。

また、高齢者は、ネット上での動きが遅いことも分かった。若い参加者と比べて、タスクを完了するまでの時間が40%長かった。

タスクを難しいと感じた参加者が2倍多い — 自分にとっては簡単なタスクであっても、高齢者は、とても難しいと感じている可能性は高い。従って、高齢者をターゲットにしているなら、レイアウトを高齢者にテストしてもらおう。

11. 写真を使ってビジターに集中してもらう

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消費者は視覚要素に弱い — ウェブサイトは、インターネットが生まれた直後から、選りすぐりの写真を使って、コンバージョン率を上げる試みを行ってきた。そして、この試みは、ちゃんとした根拠に基づいている。厳選した画像を製品の提案に組み込むべきである。

実在する人物の写真を使う

実在する人物の写真に対するリアクションは高い。この調査により、テストの参加者は、ウェブページの大半を占めるコンテンツを読む行為よりも、従業員の写真を眺める行為に10%以上長く時間を費やしていることが判明した。反対に、「実在の人間」のストック写真には全く反応しない。私達は、どうにかして、実際の人間と「写真データベースの人間」を見分ける術を身につけたようだ。このブログの投稿は、ストック写真を利用した際のデメリットを指摘している。この点は、ストック写真にしか見えない実際の写真にも当てはまる — そのため、写真を過剰に編集するべきではない。

この調査は、LinkedInのプロフィールでは、写真は最も重要な要素だと結論づけており、この調査は、Facebookでも同じ相関関係があることを明らかにしている。

製品の写真を使ってコンバージョンを引き上げる

大きな写真は、適切に利用すると、ビジターの注目を確実につかみとる効果がある。37signalsは、Highriseでこの取り組みを巧みに実施している。

12. ブログでは記事全文よりも要約を掲載する方が良い

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この調査は、ブログのホームページでは、記事の全文よりも、要約を用いる方が、コンテンツを多く読んでもらえると指摘している。

ブログのホームページで、記事全文を用意しているなら、1本目の記事を面白いと思ってもらえない場合、ビジターを失うリスクを抱えることになる。1本目の記事を読むことに好奇心を「使い切って」しまい、ブログ、または、ウェブサイトの残りを読む余力はなくなってしまう。一番左の画像と、その隣の画像は、フロントページに記事の全文を掲載しているブログの画像である。どちらも、ビジターは1本目の記事を飛ばし読みするものの、他の場所は見ていない。真ん中の画像、そして、右隣の画像は、記事の要約のみを掲載するページの例である。Capgeminiのブログでは、ビジターは、10本の記事の要約が掲載されたページ全体に目を通している。一番右の画像(AOL)はハイブリッドのアプローチを採用している — 一部の記事は、短く、全てを表示し、長い記事は、要約を利用している。AOLの例は、また、写真ベースのブログが、ビジターの注目を集めることが出来る点も実証している — 被験者は、1万2000ピクセル以上に目を通し、写真のみを見て、テキストは無視していた。

したがって、ブログのホームページで、記事の全文の代わりに、要約を表示する方が良い。なぜなら、要約は、様々なトピックの選択肢をビジターに与えることが出来るためだ。記事の選択肢を広げることで、サイトを去るのではなく、ビジターが興味深い記事を見つけ出し、クリックして、残りの部分を読む確率は高くなる。

13. Eメールを読む時間は1分以下 — 早めに相手の注目を引き付けよう

この調査によると、ユーザーの67%は、ニュースレターの導入部には注目しないようだ。ニュースレター内の導入部の段落は飛ばし、コンテンツの残りにざっと目を通す傾向がある。ニュースレターに割り当てられる時間の平均は、51秒間であり、ニュースレターの19%のみを真剣に読む。大半の部分は、飛ばし読みされるため、ニュースレターを簡潔で、要領を得た内容にまとめ、明確なコールトゥアクションを用意しよう。

14. 効果を高めるためにA/Bテストとクリックマップを統合する

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A/BテストツールのVisual Website Optimizerの運営者は、ホームページのトラフィックの25%近くが、上部のメニューの小さな「価格」のリンクに向かい、トラフィックの大半を集めるために作った、大きな、主役のコールトゥアクションボタンは、クリック全体の5%しか獲得していないことに気づいた。この事実に気づいたVisual Website Optimizerは、このクリップマップの情報をA/Bテストと組み合わせて、効果の高い変更したホームページのバージョンを見つけ出す取り組みを行った。

ウェブサイトのスプリットテストでは、同じページの2つのバージョン、もしくは、それ以上のバージョンにトラフィックを導き、各バージョンの効果を分析することが出来る。例えば、ボタンの色、背景の色、コピー、または、アイテムの配置をテストすることが可能である。ページのデザインを少しいじっただけで、ビジターの行動に大きな変化が現れることもある — 一例を挙げると、ボタンの色の変更が、コンバージョン率を高くする可能性がある。クリックマップで得た知識をA/Bテストと組み合わせると、クリックマップの効果を何倍にも高めることが出来る — CareLoggerはコールトゥアクションボタンの色を変えて、コンバージョン率を34%を改善していた

15. 値引き価格の隣に元々の価格を表示すると購入の満足感が高まる

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ダン・アリエリ著の「Predictably Irrational」(予想通り不合理)に触発され、ロバート・スティーブンズは、ランダムに60名を選んでテストを行い、関連性が、日常的な決定にどのように変化を与えているのか調査した。人々は、世界に関する全ての情報に基づいて、決定を下しているのではない — 我々は、決定を下す際に利用可能な情報を基にして、決定を下しているのである。

このテストでは、スムージーの棚の2つのレイアウトが参加者に示された — 1つ目のバージョンは、値引きしたInnocentのスムージーのみを見えるようにして、定価のスムージーは載せなかった。2つ目のレイアウトでは、通常価格のスムージーも幾つか配置した。値引きしたスムージーの価格には手を加えなかったものの、元々の価格を把握している状態では、参加者は、購入に満足していた — リッカート尺度では、2.4に対して、1.7であった。

ニュースポータルサイトでのEyetrack IIIの調査

Eyetrack III リサーチでは、10数名のテストの参加者に、偽物のニュースサイト、そして、本物のニュースサイトを訪問してもらい、1時間にわたって観察する試みが行われた。

16. 最初にページの左上に視線が留まる — その後、右側の領域に移動し、続いて、ページの下の方を閲覧する。
17. 目立つヘッドラインを最初に見る — 特に左上の隅を注視している場合、この傾向が特に強い。
18. 集中して読んで欲しいコンテンツには小さなフォントを利用する — 調査により、大き目のフォントは、ページにざっと目を通す行為を導き出す。なぜなら、ビジターは、注目を引きつけるワードやフレーズを探しているためだ。一方、小さなフォントは、コンテンツに集中させる効果がある。
19. ヘッドラインの冒頭のワードは重要 — ヘッドラインの冒頭の幾つかのワードが、ビジターを魅了すると、引き続き読んでもらえる確率は高くなる。1秒以内に注目を掴まなければならない。

アドバイス: コンバージョン率ヒートマップを時間と曜日別に作る

時間、そして、曜日でコンバージョン率を詳しく確認したいなら、このチュートリアルを参考にしよう — Optimisation Beaconを運営するロバート・キングストンが、時間と曜日ごとにコンバージョン率を記すスプレッドシートの作り方を分かりやすく紹介している — 特にEコマースサイトに向いており、ピークのコンバージョンの時間をヒートマップのような形式でまとめることが可能だ。

ヒートマップテストのツール

今回紹介した調査結果により、効果のある取り組みに関して、重要な見解を得てもらいたいが、出来れば、自分自身でテストを行うべきである。ウェブページ用の優れたテストツールを提供する会社は多い。ここでは、より幅広く浸透しており、手頃な価格であり、尚且つ、設定が遥かに簡単であることから、マウストラッキングのソフトウェアに絞って、ツールを紹介していく:

Crazy Egg — マウストラッキングテストにうってつけのツールだ。クリックヒートマップ、スクロールマップ、そして、特定の要素のクリック数に対するオーバレイ(リファラーのソースに応じて、クリック数を見分けることが可能)機能を用意している。Crazy Eggは、アイトラッキングテストと比べて、88%のトラッキング精度を自負している。全てのプランは、30日間限定で無料で利用することが可能であり、その後は、9ドル/月~の料金が課される。

Mouseflow — このツールもマウストラッキングテストを行う際に、心強い助っ人となる。Mouseflowは、– クリック数、イベントのスクロール、キーの入力、フォームの記入等 — マウスの動きの再生と記録を行う機能をアピールしている。フォームを記入する際の、キーの入力を記録することも可能だ。料金は10ドル/月~に設定されているが、機能を制限した永久無料プランも用意している。

Clicktale — エンタープライズレベルのマウストラッキングソフトウェアであり、数々の大企業をユーザーに抱える。このソフトウェアは、マウスの動きを追跡するマウストラッキングスイート、視覚的なサマリーを特徴とするヒートマップスイート、そして、コンバージョン率最適化に良質な分析データを提供するコンバージョンスイートに分類される。400ページビュー/月限定の無料プランもある。ページビューを増やしたい場合は、見積もりを要請する必要がある。

Reinvigorate — このリアルタイムヒートマップツールは、登録したユーザーに名札をつけて、各ユーザーのサイト上のアクティビティを別々に確認することが可能な機能等、便利な機能を幾つか用意している。また、ウェブサイトにログインして、データを見ることに抵抗があるユーザーのために、デスクトップ配信も行っている。14日間は無料で利用することが可能であり、その後、10ドル/月~の料金を求められる。

Luckyorange — マウスの動きの記録に加えて、Luckyorangeは、リアルタイムのビジターマップ、ビジターの投票調査、そして、ライブチャットをソフトウェアに組み込むバンドルも用意している。7日間の無料お試し期間の後、10ドル/月~の料金が発生する。

無料ツール

Clickheat — オープンソースのツールであり、サイト上のマウスのクリック数を基にヒートマップを作成する。

Corunet — このツールを利用するには、コードの知識が必要になる。Clickheatと同じように、ページ上のクリックのデータを基にヒートマップを生成する。

まとめ

ヒートマップは、様々なデータから作成することが出来る。コンバージョン率の最適化について話をする際は、マウスの動きやクリックの回数のデータをベースに生成するヒートマップが、必ずと言っていいほど、話題に上がる。この2つのデータは、どちらもマウストラッキングから得ることが出来る。

  1. ビジターの目的にとって、最も重要なコンテンツは、ページの上部に表示する必要がある — ウェブサイトのビジターは、ページをスクロールするものの、注目の度合いは、スクロールするごとに下がっていく。
  2. ビジターは見たものを購入する — 視覚的な特徴を用いて、最も重要なアイテムを目立たせよう。 視覚的な特徴は、周りのアイテムから目立たせるオブジェクトの特徴的な性質(色等)であり、瞬く間に注目を掴み取る。この特徴を使って、売りたい製品を目立たせると良いだろう。
  3. バナーブラインドネスをテストする — ウェブサイトの要素が、バナー広告に似ている場合、得られる注目は少なくなる。
  4. クリックスルー率を改善するため、自動画像カルーセルを諦める — ユーザーは、具体的なタスクを意識している際は、カルーセルを完全に無視する。この件に関しては、この記事を参考にしてもらいたい。
  5. 写真を使って、注目を集め、ビジターを導く — ビジターは、実在する人物と良質な製品の写真によく反応する。また、視線の方向を通じて、ビジターの動きをリードすることも出来る。
  6. ブログでは、記事全文よりも、要約の方が良い — 要約を用いると、ビジターにもっとコンテンツを読んでもらえるようになる。なぜなら、記事全文を掲載すると、探しているものを見つける前に、ビジターの注目が枯渇してしまうからだ。
  7. A/Bテストとクリックマップを組み合わせて、効果アップを狙う — この2つのメソッドを1つの分析で併用すると、別々に利用するよりも、遥かに多くの情報を得られる。

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この記事は、ConversionXLに掲載された「19 Things We Can Learn From Numerous Heatmap Tests」を翻訳した内容です。

圧倒的なボリューム、かつ質も高い内容の記事でした。どれもいわれてみれば一般論としては納得できるものばかりに読めますが、シニアに関するデータは改めてデザインやユーザービリティの重要性を感じました。後半に少し書かれているフォントを小さくすることで注目させる効果がある、、、というのは、ユーザービリティ的には逆説的に聞こえますが、確かに小さいと注意して読むことは事実ですよね。滞在時間、コンバージョンなど総合的に考えた際にどうなるのか気になります。最後のツール紹介は英語圏のものばかりですが、日本語版が提供されているツールもありますし、ヒートマップツールは英語でも特に問題なく利用できますよね。アイトラッキングまでとはいかずとも、これを機にヒートマップツールの導入を検討してみてはいかがでしょう? — SEO Japan [G+]

Yahoo! JAPAN、インターネット広告の歴史を振り返る動くインフォグラフィックを公開

Yahoo! JAPANは本日、8月20日「ヤフーの日」の特別企画として、インターネット広告の歴史と未来を描写したインフォグラフィック『そこに山があるから』編を公開しました。– SEO Japan

インタラクティブな動作が取り入れられた設計
Yahoo!JAPANインフォグラフィック「そこに山があるから」このインフォグラフィックでは、国内外のインターネット広告の歴史を登山に例えて振り返りながら、過去・現在・未来の「インターネット広告」に関するユーザーの意識調査結果も紹介しています。ページを開くと、カウントダウンと共に山の麓まで一気に歴史をさかのぼります。

一番下までたどり着くと、インターネットユーザーが当時のネット広告を振り返りながら山を登っていきます。山道に立てられた看板にはその時代のできごとが示されており、所々にインターネット広告費の推移のデータも紹介されています。

Yahoo! JAPANの考える未来のインターネット広告
山の頂上はまだはるか上。インフォグラフィックの中では、Yahoo! JAPANが目指すインターネット広告について説明する動画も紹介されています。

1990年代から始まりその進化が目まぐるしいインターネット広告。Yahoo! JAPANはより良いインターネット広告の未来をユーザーとともに探究していきたいとコメントしています。(本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂いた経緯でご紹介させて頂きました。) — SEO Japan [G+]

Google検索の責任者が語る、Googleにおける変革のトップ10。

Googleの検索全般を統括しているAmit Singhal氏が自身の経験を振り返り、Googleにおける変革をランキング形式で紹介しています。Web検索の覇者として我々の生活に大きな影響を与えるサービスを提供し続けているGoogleですが、彼の目から見たGoogleにおけるマイルストーンとはいったいどういったものなのでしょうか?
– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

Matt Cutts氏にも上司がいる。Amit Singhal氏である。彼はGoogleの検索全般の責任を負っているが、10年前の本日から行われているIPOを含め、Googleで働いた過去14年間を振り返り、”2004年からのGoogle検索の最も大きな10のマイルストーン”と題し、Google+に投稿した。また、彼は去年1年間で890の改良をGoogle検索に行ったと発表している。

この890という数字は、アルゴリズム、更新、ユーザーインターフェース、ナレッジグラフ、オートコンプリート、Google Now、翻訳やその他のものが含まれる。彼が感じるトップ10は以下の通りだ。

1.オートコンプリート機能。
我々はユーザーがタイプする毎に、Googleが最も使われそうなワードやフレーズを予想できるように構築しており、さらに検索結果もそれにあわせ、すぐに表示させるようにしている。そのため、ユーザーは”シルキー ジンジャー ズッキーニ スープ”のパーフェクトなレシピを素早く手にすることができる。(その食事の完全な名前を思い出せなかったとしても大丈夫だ。)フレーズ全体をタイプすることは、もはや過去の習慣となっている。

2.Google翻訳。
Google翻訳は10年前はただのベータ版だった。今では80の言語で利用でき、10億以上の翻訳が日々行われている。Googleに”「10年間」をドイツ語に翻訳してくれ”と伝えるだけで、マジックのようなアクションを体験することができる。

3.経路調査と渋滞予測。
検索は以前はただのWebページであったが、我々の素晴らしいマップチームは現実世界での検索を可能にさせた。”サンタ・クルーズまでの距離は?”と尋ねた後、1回タップするだけで、徒歩、自転車、公共機関、ドライブでのルートを表示することができる。また、渋滞を避けるための最速のルートも提供している。

4.ユニバーサル検索。
テキストがベストな回答でない場合もある。J・F・ケネディの”Moon Speech”を検索した場合は、彼の有名なスピーチを視聴したいことだろう。我々はそれを可能にしている。様々な種類の検索結果を提供することで、フォーマットに限らず、最も関連性のある検索結果を提供することができている。

5.モバイルと新画面。
デバイスやプラットフォームの種類が問題になることはない。タブレットであれ、スマートフォンであれ、(時計でさえ)、ユーザーは情報と答えを必要としている。そのため、我々はGoogleの検索機能をそれらの新しいデバイスに適応させている。モバイル製品の再デザインを含め、親指で素早くタイプできる機能も実現させている。

6.音声検索。
複雑なクエリをタイプする時代は終わった。Google検索アプリを使用することで、音声で質問することが可能になっている。”天気 シカゴ”とタイプするのではなく、”OK Google、明日は傘が必要かな?”と尋ねれば良い。我々は音声認識と言語理解への投資を行っており、今日では38の言語で音声検索が可能になっている。

7.アクション。
Google検索アプリで、テキストやメールの送信、電話をかけることが可能。”OK Google、Jasonにメールを送ってくれ。今度の土曜日にビーチへピクニックに行くけど、一緒に来る?”と伝えるだけでよい。また、非常に優れたリマインダー機能も使用可能だ。”次にターゲット(アメリカの有名なスーパー)に行った時、コーヒーのフィルターを買うことをリマインドしてくれ。”と伝える。すると、次回あなたがターゲットを訪れた際、Googleがあなたの電話を鳴らしてくれるのだ。

8.ナレッジグラフ。
世界はテキストの文字列ではなく、リアルな物事によって作られている。ナレッジグラフはそれらのつながりを示すものだ。”サイクロンに乗るためには身長がどのくらい必要かな?”、”ガーディアンズオブギャラクシーのキャストは誰だったけ?”と尋ねる。そして、クリックを行い、Web全体を探索するのだ。

9.あなただけの情報。
フライトを予約した際、その情報をGmailに保存しておけば、Google検索アプリで質問をすることができる。”何番のフライトゲートから出発するんだっけ?”と尋ねれば、直接回答してくれる。また、配送について(”私の荷物はどこにあるかな?”)やアポイントメント(“次のヨガはいつだっけ?”)についての質問も可能だ。もちろん、これらはプライベートな情報であるため、あなただけが確認することができる。

10.尋ねる前に答える。
Google検索アプリをあなたの電話にいれておけば、日々のタスクを自動で助けてくれる。その日の計画、バスや電車の予約、次のアポイントの前に渋滞が起きればその情報を提供、請求書の発行のリマインド、最適な駐車場の場所など、提供できる情報は様々だ。

次の10年間も素晴らしいものになるだろう!


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google’s Head Of Search 10 Biggest Search Milestones With 890 Changes In Past Year」を翻訳した内容です。

今では当たり前に使用している機能も、考えてみれば、数年前までは全くなかった機能も多くあります。Amit Singhal氏にとってはオートコンプリートがNo.1のようですが、作り手側のみが知る苦労や影響があるのかもしれませんね。去年1年間だけでも890の変更を行っているとのことですが、次の10年間で素晴らしいサービスが産まれることは、ほぼ間違いないでしょう。
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Googleが先週末にかけて、ヨーロッパとドイツのリンクネットワークにペナルティを与える。

リンクに対するGoogleの取り締まりが厳しくなっていますが、ヨーロッパのリンクネットワークが、再度、Googleからペナルティを受けた模様です。今回のメインターゲットはドイツのネットワークのようですが、通例通り(?)Googleはこの手の情報は公開しています。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

昨日、@gfiorelli1に報告を受けたのだが、Googleが”リンクに対しての手動ペナルティのメールを大量に送った”とのことだ。スペインが特に多いらしい。

Googleは今朝、これについてTwitterで報告している。GoogleのJohannes Mehlem氏によると、ドイツとヨーロッパのリンクネットワークをターゲットにしたようだ。

「我々はヨーロッパとドイツのリンクネットワークにアクションを起こした。詳細はドイツのGoogleのブログで。」

Googleはリンクネットワークについて、ドイツとヨーロッパのWebマスターに警告を続けてきた。Googleはドイツの大規模のエージェントにアクションを起こしている。また、ドイツ、イタリア、スペインのリンクネットワークにも、過去に、ペナルティを与えている。Googleはポーランドその他の国もターゲットにしており、アメリカを含め、世界中でリンクネットワークはターゲットの対象となっている。

今回はどのネットワークがターゲットになったかは分からないが、この傾向は止まないだろう。@Jenstar氏は先週に打撃を受けたネットワークがあると考えているようだが、Googleは認めてはいない。また、これに関しての不満の声も目にしていない。(仮にペナルティを受けたのであれば、この状況は不自然だ。)

繰り返しになるが、この警告は昨日の朝のものだ。先週からのランキングの変動と関係があるかは疑わしい。

Twitterでのディスカッションはこちら。

追記1: 掲示板とコメントによると、Rankseller.deとTeliad.deがターゲットの一部のようだ。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Penalizes Link Networks In Europe & Germany Over Weekend」を翻訳した内容です。

ペナルティの報告はマット・カッツ氏が行うのが定番でしたが、氏が休暇中とはいえ、Googleの取り締まりが緩むことはやはりないようです。今年の春頃に、ヨーロッパのいくつかのネットワークがペナルティを受けた後、日本のリンクネットワークもターゲットにされました。こうした話題は海外で多く聞かれますが、記事にもある通り、世界中のリンクネットワークが対象となっていることは間違いないでしょう。
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ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィック。バブル世代とイマドキな若者の差は?

日本最大級のリユースデパートを展開する株式会社コメ兵は、40代後半の”バブル”世代と20代~30代の”イマドキ”世代のブランドに対する価値観を比較したインフォグラフィックを公開しました。バブル世代とイマドキ世代では、ブランド時計にかける予算に13万円以上の大きな差が出ました。– SEO Japan

2つのインフォグラフィックで、世代別にブランド品の価値観を比較
バブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックバブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィック
※画像をクリックするとコメ兵のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

ブランド品に興味があるバブル世代(45~49歳)、イマドキ世代(20~39歳)の506人に対して行ったアンケート調査によると、普段持ち歩くアイテムの中で「これだけはブランド品にしたいもの」1位は、世代を問わず「時計」という結果になりました。

バブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックバブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィック特にバブル世代は、イマドキ世代に13万円以上の大きな差をつけて予算が上回っています。高級時計はバブル世代にとってステータスなのかもしれません。

バブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックバブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックブランド品を買うときは、世代を問わず「品質がいい」ことを重視するようですが、「品質」「満足感」の次にブランド品を買いたいと思う理由は「憧れ」。特に、バブル世代よりイマドキ世代の方がブランド品へより強い憧れを持っているという結果になりました。

ここではご紹介しきれませんが、その他バブル世代よりもイマドキ世代に「配偶者または恋人に中古ブランド品をプレゼントしたことがある」という回答者が増えているなど、中古ブランド品に関する価値観の違いも比較しています。

世代で異なる!?ブランド価値観調査|リユースデパート KOMEHYO
>ブランド品セキララ調査 バブル編
>ブランド品セキララ調査 イマドキ編

予算は低くても、ブランドへの憧れからブランド品を購入するイマドキ世代。中古品を購入することで欲求を満たしているのかもしれません。コメ兵は「高級ブランド品 男女の価値観調査」というインフォグラフィックも公開しているので、興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。(※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。) — SEO Japan [G+]

Googleがペンギン3.0を本日ローンチ??

最後のペンギンアップデートから長い時間が経過していますが、GoogleのJohn Mueller氏がこの件についてのコメントを出しています。(非常に短いコメントですが)また、Search Engine RoundtableのBarry Schwartz氏は8月中のアップデートを以前から予想しています。果たしてペンギンアップデートは近いうちに行われるのでしょうか???– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

Googleがペンギンアップデートを最後にローンチしてから10ヶ月が経っている。Googleはその理由を、「ペンギンをリフレッシュすることは、非常に複雑なプロセスだからだ」、としている。

しかし、今朝、John Mueller氏がGoogle+ハングアウトでちょっとしたヒントを与えており、それによると、ペンギンアップデートがそろそろローンチされるということだ。(動画内の21分40秒位)彼によると、”エンジニアは現在取り組んでおり”、”(最後のアップデートから)非常に長い時間が経っている”ことを認めている。また、”そう遠くない将来”ではあるが、”今朝ローンチするわけではない”と述べている。本当だろうか?本日の午後かもしれないのではないか?Googleはこの手の大きなアップデートを金曜日の夕方に行うことを好んでいる。

下記に動画を掲載する。

トラッキングツール(MozcastSERPs.comSERP MetricsAlgoroo)は、この一週間、僅かな揺れを示している。また、フォーラムではこの話題について、引き続き議論されている。

WebmasterWorldのスレッドで、あるSEO担当者が、「おそらく、ペンギンかパンダのアップデートが行われようとしているのでは?」といった質問しており、彼によると大きな変更があったようだ。

「8/9(土)の6:00am(東海岸時間)からトラフィックの増加が見られた。以前、3/14に(トラフィックの)40-45%がヒットされ、2ヶ月後に、33%まで回復した。しかし、8/9からさらなる回復を見せ、昨日の時点で17%を下回った。これは、3/14以前の水準だ。これがトレンドによるものなのかはわからないが、この土曜日に起こった何かによってポジティブな影響があったようだ。」

BlackHatWorldのスレッドでは、「ここのところの変動をもとに考えてみると、本日ペンギンのアップデートが行われるのでは?」といった発言がある。おそらく、Googleはテストの範囲を拡大させており、そろそろ全てのWebサイトが対象になろうとしているのではないだろうか?

ともあれ、本日の午後にローンチされなかったとしても、数週間以内にローンチされることは驚きではない。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Is Google Launching Penguin 3 Today?」を翻訳した内容です。

上記記事は8/15(金)に作成されたものです。そのため、記事中の”本日”は8/15(金)を指しますが、8/18(月)の時点では、アップデートの情報は見られません。動画内でJohn Mueller氏が”ペンギンアップデートは事前にお知らせしない”と改めて発言しているので、Barry Schwartz氏が言うように、いつ行われても驚きではないかもしれません。– SEO Japan [G+]

Googleのブランド贔屓について専門家がガチバトル

Googleがブランド力のあるサイトを高評価する傾向があることは以前からいわれていますが(参考インフォグラフィック)、今回はそんなGoogleのブランド贔屓についてSEOの専門家が意見を熱く交わした記事を。 — SEO Japan

今年行われたSMXでのランド・フィッシュキン氏によるキーノート、「The SEO Revolution Will Not Be Televised」(SEO革命は放映されません)は、大勢のオーディエンスを魅了していたが、私もそのうちの一人であった。同氏は、アクティブなプレゼンターであり、優秀なマーケッターでもある。個人的な意見だが、実際に賞賛に値する人物だと思う。

Moz Founder and COO Rand Fishkin discusses Google’s bias toward strong brands with Bryson Meunier.

とは言ったものの、プレゼンの最中に、「検索結果のブランドの独占および贔屓が、ついに現実のものになった」と発言した際は、思わず耳を疑った。

弊社、Resolutionでは、世界で有名な企業を何社か顧客に持っているが、本当にGoogleが大手ブランドを贔屓しているなら、これほど早いペースで弊社が収益を伸ばすことは不可能であり、実際に、ブランドは、SEOに今まで以上に資金を投じている。

これは、2014年にSEOの予算を増やす予定があると答えた社内のマーケッターは47%(エージェンシーのマーケッターに関しては、実に69%)であった一方、減らすと答えたマーケッターは5%のみであった現状と一致する。

Googleが、自然にブランドを贔屓しているなら、なぜ、ブランドは、わざわざSEOに多額の資金を投じる必要があるのだろうか?代わりに、ブランディングに資金を投じるべきではないのだろうか?答えは明らかだと私は思う。Googleの検索では、ブランディングだけでは、目立つことが出来ないため、SEOにも投資しているのだ。

また、2年前、SMX Westでのアーロン・ウォール氏が行った主張への反対の証拠を示したことがあったが、個人的な見解では、この傾向は今でも変わっていないと考えている。

Googleの1ページ目で有名なサイトを含むクエリが、過去2年で約27%増加したことを示すMozcastのグラフをランド・フィッシュキン氏は、プレゼンで紹介していた。そこで、その見解をより深く理解するため、実際に本人に連絡を取ることにした。

私は、この問題を過去に議論したことがあり、ブランドへの贔屓が存在すると言う主張には、懐疑的な立場を取っている。しかし、闇雲に信じているわけではなく、あくまでも科学者として、この問題に向き合っている。そのため、ブランドへの贔屓が実在し、実証するデータがあるなら、喜んで考えを変える用意はある。

ランド・フィッシュキンの提言: ブランドになれ…と言うけれど

フィッシュキン氏に実際に話を聞き、そして、プレゼンを聞いた限りでは、全体的なメッセージに関しては、誤っていないと私は思った。ブランドへの贔屓が話題になる度に、Googleの偽善者行為が指摘されるか、あるいは、競争の激しいキーワードにおいて、ブランドには勝てないと言う不満が噴出する。しかし、ランド・フィッシュキン氏は、正々堂々と勝負し、ブランドになれと提言している。

ブランドの構築に苦労している会社が、検索においても苦労しているとしても、このプレゼンのアドバイス自体は間違えていない。

ターゲットにするキーワードには、現実的な視点で考える必要がある — 知名度、予算、そして、リソースの面で全て上回るサイトと競争する方針は、現実的とは言えない。SEERのウィル・レイノルズ氏が、3月にオレゴンで行われたIRCE Focus: Web Designのプレゼンテーションで、この点を巧みに実証していた。レイノルズ氏は、Googleが、キーワード[dresses]で、Macys.comよりも、レイノルズ自身が運営する知名度の低いドレスストアをなぜ上位にランク付けするべきなのかと力説していた。

このような大手企業のサイトを、一時的な小手先の手法を用いて倒そうとするのではなく、サイトと製品の質を改善して、アウェアネス、自然のリンク、そして、シェアを増やしていくべきである。ビジネス、そして、ブランドを構築することに力を入れる必要があり、ブランドの強さ、人気、そして、オーソリティの代わりのような扱いを受ける数値ばかりに固執しないでもらいたい。

ちなみに、私はこの考え方を100%支持している。ただし、ブランドの贔屓に関する考え方は変わらない。私は今でもブランドの贔屓は存在しない、と言う立場を取っており、万が一、存在するとしても、それは因果関係ではなく、相互関係によるものだと考えている。事実、誰でも知っているような有名なブランドの中には、ブランド名自体は有名であっても、Google検索で苦戦しているものもある。ブランドがスパムを行うことが出来る点、そして、実際にスパムを行うと、一般のサイトと同じように、Googleにペナルティーを科される点を覚えておこう。

そもそもブランド贔屓とは?

Google検索が、ブランドによって独占されている、とはどんな状態を指すのだろうか?ブランディングの「他の製品と見分けるため、あるいは、区別するために、名前、シンボル、もしくは、デザインを作る」と言う定義は、曖昧であり、ウェブサイトのあらゆるアイテムが含まれてしまうことになる。 プレゼンでの発言の真意をフィッシュキン氏に尋ねてみたところ、次のような答えが返ってきた:

SEOの関係者は、Googleが、ノンブランドよりもブランドを優先する、と昔から推測していたことを私は強調したかった。事実、Googleの重役は、「ブランドは、清潔な状態を取り戻すための解決手段だ」と何度も発言しており、また、Googleの社内では、積極的にSEOを行うウェブサイトが、良質なコンテンツと優れた製品を提供するサイトよりも優先されるのは、おかしいと言う考えが根強く存在すると私は思っている。さらに、ペンギン、ハミングバード、そして、パンダ等のアルゴリズムの変更(そして、その他の小規模な変更)により、検索結果で、ブランドを目立たせるための全面的な贔屓が強くなっている。

その上、アルゴリズムの贔屓と共に、ブランドを助ける二次的なインパクトが数多く存在する。Googleは、ソーシャルシグナル、ユーザーデータのシグナル、利用データのシグナル、そして、各種のデータを利用することが可能であり、Googleに評価される優れたアイテムをブランドはより多く持っていると言える。また、事実として、過去5年間、多くのブランドが、SEOに真剣に資金を投じるようになり、目標達成に向けて力を入れている。

さらに、私はRap Geniusが10日間のペナルティーを受けた後、Googleに復帰した件に関する意見を尋ねた。すると、ランド・フィッシュキン氏は、Googleがブランドを贔屓している領域をもう一つ挙げた:

Rap Geniusの件は、ブランドが、小さなサイトとは別の扱いを受けている何よりの証拠である。Rap Geniusは、検索結果を操作する試みを行ったために、ペナルティーを受けたものの、すぐに復帰した。小規模なサイト(あるいは、知名度の低いブランド)のSEOを実施したことがある専門家なら、ペナルティーが、数ヶ月間、数年間、あるいは、Rap Geniusが行ったような行為に手を染めた場合は、永遠に続くことを理解している。その他にもExpedia、BMW、そして、Google自身も、操作を試みた結果、ペナルティーを受けていたが、通常のGoogleの懲罰と比べると、警告程度でしかなかった。

つまり、ランド・フィッシュキン氏は、Google検索におけるブランドの独占に貢献している5つのファクターがあると指摘している:

  1. 検索結果でブランドをより目立たせるアルゴリズムの贔屓。
  2. ユーザーが期待する大きなブランドを検索結果で優先することをGoogleが明言している。この方針は、最終的に、アップデートによって、優先されるようになる。
  3. 理論上、必ずしもノンブランドではなく、ブランドを支援する各種のデータをGoogleが利用することが出来る。
  4. ブランドが、SEOの取り組みを強化し、ノンブランドによる上位へのランクインがますます難しくなっている。
  5. ペナルティーに関して、Googleがブランドを大目に見る傾向がある。

これは、過去に同じ主張を行った大勢の人物が挙げる理由と同一である。

ブランドの贔屓の定義はこれで終わったので、ランド・フィッシュキン氏が挙げた5つのファクターを一つずつ詳しく見ていこう。

1. アルゴリズムのアップデートにおける贔屓

ペンギン、パンダ、そして、その他のアップデートによって、ブランドと比べて、小規模なウェブサイトがダメージを受けてきた経緯は、誰もが知っている。しかし、Googleのアップデートによる、ネガティブな影響をブランドが受けていないことにはならない。

Demand Mediaと言うサイトを覚えているだろうか?同サイトに関する関心が最高潮に達していた時、Demand MediaのIPOは、15億ドル前後の時価総額を記録していた。しかし、Google検索で目立つために、薄っぺらいコンテンツを作っていたその他の小さなブランドと同じようにパンダによって、Demand Mediaは壊滅的なダメージを受けたのであった。また、パンダは、有名な自動車雑誌のMotor Trend、さらに、Yahoo!が所有するAssociated Content(その後、Voiceに名称を変更)も攻撃していた。

ブランドは、ペンギンにも痛めつけられていた。Dish Networkは、ペンギンがリリースされると、トラフィックを27%落としていたSalvation Army、REEDS Jewelers、そして、その他の有名なブランドもペンギンアップデートが原因で、検索結果でのビジビリティを大幅に失っていた。

このようなメジャーなアルゴリズムのアップデートによって、さらに多くの小規模なサイトが、壊滅状態に追い込まれたのであろう。それは、残念だったとしか言いようがない。しかし、Googleは、薄っぺらいアフィリエイトのコンテンツをターゲットにしていることを明言しており、また、大きなブランドよりも、アフリエイトや小さなサイトの方が多いのが現実である。

その上、経験上、大きなブランドは、通常、評判を貶める可能性がある行為に関しては、嫌う傾向がある。ブランドにとっては、ペンギンとパンダが一掃を試みた類のランキングを操作する短期的な戦略からは、得られるものが少なく、反対に、失うものが多い。ブランド贔屓の複雑な局面を取り上げるまでもなく、これだけでも、大きなブランドよりも、小さなブランドの方が、アップデートの影響を受ける理由は明らかである。

2. Google内に存在するブランド贔屓

確かに、エリック・シュミット氏は、2008年にパブリッシャーとエディターに向けて、「ブランドは問題ではなく、解決策である。ブランドは、清潔な状態を取り戻すための解決策だ」と発言していた。しかし、この発言の直後に、次のように述べていたことはあまり知られていない:

Googleは、パブリッシャーの方々に成功して欲しいわけではない。ランキングを上げる基本は、関連性を上げることだ。

センセーショナルな見出しが報道されるものの、それが真実の全てではない。

Googleの従業員は、他の機会でも、アルゴリズムに加える変更において、ブランド贔屓が存在すること、あるいは、ペナルティーに関して、特別扱いしていることを否定している。例えば、Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、2009年にこのように語っていた:

Googleの社内では、少なくとも、検索ランキングチームにおいては、ブランドのことを考えていない。代わりに、信頼、オーソリティ、評判、PageRank、質の高さ等を考慮している。

フィッシュキン氏によるプレゼンと同じようなプレゼン、そして、「現在、ブランドはメジャーなランキングの要素になった」と断言するこの記事と同じような記事に何度も遭遇しているため、Googleは、態度を明らかにする必要があると私は思った。しかし、この記事を投稿するにあたって、Googleにチャンスを与えたものの、「現時点で、特に言うことはありません」と言う答えが返ってきた。

この問題は、大半のSEOの関係者がGoogleを信頼していない事実と関連しているのではないだろうか。しかし、「ブランドは、清潔な状態に戻す解決策だ」と言う発言を信じているにも関わらず、その他の発言には耳を塞いでしまうのは、矛盾しているとしか言いようがない。

Googleは、信頼、オーソリティ、評判、そして、高品質を贔屓しているが、このような要素はブランドに限定されているわけではない。サイトの品質に向上をブランドの構築と結びつけて考えることは可能だが、同じだとは限らないことを理解しておく必要がある。

3. Googleのリンクシグナルを超越した多様化はブランドに有利に働く

この主張は、Googleが、リンクのデータを軽視し、代わりに、ソーシャルシグナル、ユーザーのデータ、エンティティ等を網羅するようになると、ブランドが最も得をする、と言う考えに基づいている。この考えが正しいとは私には思えない。

FacebookとTwitterで特に人気が高いエンティティ(人物、地名等)のタイプを見ていくと、ソーシャルメディアでファンとフォロワーを獲得する点に関しては、ミュージシャンが圧倒的に強いことが分かる。

When you break down the top followed entities on Facebook and Twitter, brands are shared much less than other entities.

FacebookとTwitterでフォローされているエンティティを分類すると、ブランドはその他のエンティティと比べて、シェアされている回数が圧倒的に少ない(クリックすると拡大して閲覧することが可能)。

また、「ブランド」を拡大して解釈し、その他のサイトとの違いを示す名前を持っていることを理由に、全ての上位のサイトをブランドと認識したとしても、この名前がなくても健闘しているノンブランドは存在する。

例えば、Zyngaが所有するゲーム、Texas Holdem Pokerは、ブランドではないものの、15位であり、7000万名のFacebookのフォロワーを抱えている。同様に、basketball(バスケットボール)は、5700万人にいいね!されており、football(サッカー)は、4400万人に、そして、pizza(ピザ)は、それぞれ、3300万人にいいね!されているが、どれもブランドではない。反対に、2013年のブランドリストで94位であったPizza Hutのフォロワーは、ノンブランドのピザのフォロワーの3分の1である。

ブランドはエンティティであり、そのエンティティは、ハミングバード、そして、ナレッジグラフのおかげで、優遇されるはずだが、エンティティだと言う理由でブランドが、Google検索で活躍しているとすると、ブランドであると言う事実は、二次的だと言っても過言ではない。

そこで、フィッシュキン氏に、ブランドではなく、エンティティを思い描いているのではないか、と尋ねたところ、「確かにその通りだが、名前がよく知られている強力/影響力の強いブランドは、さらにシグナルを加えており、その結果、エンティティを優遇する機能を超えて、ランキングを強化している可能性がある」とフィッシュキン氏は指摘した。

4. ブランドはSEOに力を入れている

この点に関しては異論は全くない。様々な規模のブランドが、実際に、SEOを始めとするデジタルマーケティングに力を入れている。

ブランディングサービスを提供するInterbrand社が世界の一流ブランドと特定したブランドのうち、66%はウェブサイトで何らかの形でSEOを実施している。LinkedInで、ブランド名と用語「SEO」を検索すれば誰にでも分かることだが、一流ブランドの多くは、SEO専用の従業員を抱えるか、業者にアウトソースし、フルタイムで実施させている。実は、この比率は66%を上回る可能性がある。なぜなら、SEOを実施した経験を持つデジタルマーケティングのエキスパートを抱えているものの、SEOを実施している、もしくは、実施したことがあると明記していない企業が多く存在するためだ。

ただし、ブランドが、ある程度、力を入れていると言っても、SEOが有効だとは限らない。SEOを実施していると認めたブランドのうち、63%が、2012年以来、検索結果でのビジビリティが下がったと指摘している。SEOのスタッフは、状況を変えるために採用されたはずだが、力を入れ始めたばかりであり、まだ結果は出ていないのが現実である。

66% of top brands are doing SEO, but it hasn't necessarily led to success... yet.

ブランドの66%がSEOを実施するものの、必ずしも成果が表れているわけではない。

それでも、資金を投じていることは事実だ。SEMPOは、今年、State of Search(検索の現状)レポートでここまで詳しいデータをリリースしているわけではないが、昨年、同サイトは、SEOに300万ドル以上投じたと答えた企業が5%に達し、前年の1%から増加したと報告していた。

SEMPO figures showing investment in SEO at more than $3 million annually 5% of total respondents.

SEMPOの図表 — 300万ドル/年以上をSEOに費やす会社が5%を占める。

このグラフからは、SEOに資金を投じるサイトが、大きなブランドなのか、あるいは、規模は小さいものの予算を潤沢に持つブランドなのかを判断することは出来ない。しかし、その多くは、平均的なSearch Engine Landの読者の方々が携わるウェブサイトよりも、規模が大きいのではないだろうか。

5. Googleは大きなブランドに甘い

この点に関しては、納得できる部分もある。大規模なブランドのサイトで14年間に渡ってSEOを実施してきたが、小さなブランドでは手が届かないレベルの技術にアクセスしていた大企業は1社しかない。反対に、その他のサイトと同じように、ウェブマスター向けのヘルプフォーラムに質問を投稿するよう求められることの方が多い。この扱いは矛盾している。

多くのSEO業者と同様に、私は世界的な企業のSEOを担当したことがあるが、マット・カッツ氏を含む、Googleのエンジニアと会って、ランキングの改善について話し合ったことはない。このような事態がクライアントに起きるのは、異例であり、先程も申し上げた通り、1度しか見たことがない。

Rap Geniusに関しては、ブランドと言うよりも、ベンチャーキャピタルに支えられたスタートアップであり、Googleは、同じような違反を行ったサイトと比べて、甘い処分を与えたと言えなくもなく、残念であった。しかし、Rap Geniusは、今でも同分野のAZLyricsに負けている。歌詞を探す際には、いずれかのサイトを指定しているわけではないため、ブランディングが原因ではない。

ペナルティーが軽いと言う主張は、全てが正しいわけではない。大きなブランドが、インデックスから削除されると、たとえ2週間であれ、多くの小規模なサイトが一生かかっても得られないような金額の収益を失ってしまう。

数年前、ある企業から相談を受けたことがある。この企業が採用していた大手のSEO業者が、リンクを購入したため、ナビゲーショナルな用語で1ヶ月間に渡って、6ページ目に格下げされてしまったようだ。同社は、売り上げが100万ドル減ると推測していた。この業者は秘密保持契約を結んでいるため(そもそも、SEOコミュニティにとって、発表するメリットはない)、メディアで報じられることはなかったが、実際に起きた出来事である。100万ドルが、軽いと思うなら、私よりもSEOで利益を得ているとしか考えられない。

しかし、確かに、Googleは、ペナルティーに関しては、ブランドを大目に見ている節がある。ランド・フィッシュキン氏が、プレゼンで説明していたように、無理もない処置だと言える。ユーザーが欲しい情報を見つけることが出来ず、検索の質が下がるなら、必要以上に長くインデックスから排除するのは、自殺行為に等しい。

例えば、The Sandlotと言うシカゴ北西部の郊外に個人的に好きなハンバーガーショップがある。以下に、今年のGoogleトレンドの検索量を掲載する:

Like most smaller brands, new northwest Chicago burger joint, The Sandlot, barely registers on Google Trends.

大半の小さなブランドと同様に、シカゴ北西部のハンバーガーショップ、The Sandlotは、Googleトレンドに登録されていない。

ご覧のように、登録する上で十分な量の検索が行われていない(残念で仕方がない。是非、この店のTwo-n-Twoを試して欲しい)。

そして、次に、The Sandlotに味が近いと言う意見が多いFive Guysの検索ボリュームを記したチャートを掲載する:

Many more searchers for Five Guys would suffer if extensive penalties for larger brands were applied.

Five Guysの検索は多く、大きなブランドに対するペナルティーが長期化されると、ユーザーが困る。

Googleが、The Sandlotを検索結果から消しても(The Sandlotはウェブサイトを持っていないため、簡単に消すことが出来る)、どこに行ってしまったのかと考え、店舗に足を運んで、SEOのプロを雇った方が良い、とおせっかいを焼く人はほとんどいないはずだ。大半のユーザーは、別のハンバーガーショップを検索する。

一方、もしも、GoogleがFive Guysを検索結果から消してしまったら、大勢のユーザーが気に掛けるはずだ。なぜ、Five Guysを検索しているのに、Five Guysの情報をGoogleが返してくれないのか分からず、Yahoo!やBingで代わりに検索を行う人も出てくるかもしれない。

Five Guysをインデックスから外す行為が、Googleの検索の品質を落とすと思うなら、McDonald’sを結果から外したら、どうなってしまうか考えてもらいたい。ブランドに加え、検索エンジンのユーザーまでもがペナルティーを与えられるようなものだ:

Extensive penalty for McDonald's would penalize all of these brand searchers, and Google, as well.

McDonald’sに長期間に渡ってペナルティーを与えると、McDonald’sを検索したユーザー、そして、Google自身も困る。

そのため、確かに、ある意味、ブランドを大目に見る傾向はある。なぜなら、Googleは、ユーザーが求めている結果を提供する必要があり、そのユーザーはブランドを求めているためだ。その他のエンティティにも言えることだが、ブランドは、別のサイトが取って代わることが出来ない特徴を持っている。

2年間で27%増加した理由

それでは、ブランド贔屓が、アルゴリズムに反映されていないとしたら、Google.comの1ページ目の「Big 10」を含むクエリが、過去2年間で、27%増加しているのはなぜだろうか?実は、様々な理由が考えられる。

まず、ここで取り上げている問題を確認しておこう。フィッシュキン氏が、プレゼンで取り上げたMozcastのチャートでは、Googleの1ページ目での、以下の「Big 10」のドメインを含むクエリの比率が記されていた。

domain-bias-mozcast

ランド・フィッシュキン氏がプレゼンで用いたスライド — 過去2年における1000のキーワードでの、大きなサイトによるランキングが、12%から16%に改善されたことが、ブランドの独占を証明している。

以下に、2014年5月8日時点での、Big 10を挙げていく。ただし、米Googleで多くのビジビリティを獲得しているサイトに応じて、サイトが変動する可能性がある:

  1. en.wikipedia.org
  2. www.amazon.com
  3. www.youtube.com
  4. www.ebay.com
  5. www.facebook.com
  6. www.webmd.com
  7. www.walmart.com
  8. www.pinterest.com
  9. twitter.com
  10. allrecipes.com

Mozcastが追跡した1000のキーワードにおいては、ピーク時で、上のドメインは、クエリの16%で1ページ目に掲載され、最も低い時点では、12%近くまで下がっていた。Mozは、過去2年間で、27%の割合で増加していると指摘していた。

この増加は、検索結果でのブランドの独占を示唆しているのだろうか?私が示唆していないと思う理由を幾つか挙げていく:

1. 大きなサイトではあるが、必ずしも大きなブランドではない。トップ 10のサイトのうち、Interbrandの2013年版トップ 100ブランドに入っていたブランドは、3-5つのみであった。その他のサイトは、明らかに大きなサイトではあるが、ブランドが大きければ大きい程、Google検索で取り上げてもらえる確率が高いと言う主張を証明しようとしているなら、「Big 10」の70%が、ブランドの規模を計測するプロの基準で大きなブランドではないなら、この理論には無理がある。

また、トップ 10のブランド(Interbrandのリストによると)は、Big 10には入っていないため、27%の増加に、ブランドの規模や力が関係している可能性は低い。

2. ブランドは、追跡したクエリの84%に対して、1ページ目の検索結果に掲載されていない。この場合、独占と言うと、少なくとも50%を支配する必要があるのではないだろうか?12%から16%に上がっただけでは、どう考えても独占とは程遠い。

3. そもそも、クエリのうちブランドの用語が占める比率が分からない。1000のクエリと言うだけでは、その全てが、Facebookに関わるクエリなら、検索結果の1ページ目でFacebook.comが占める割合は、16%を超えるはずである。クエリがブランドの用語でも、ナビゲーショナルな用語でもないなら、それはまた別の問題だが、Mozcastの説明では、この点には一切触れられていない。

16%と言う比率が、検索結果のブランドの独占状態を表していると考えたとしても、その他の、より可能性の高い理由が原因だと考慮すること出来るのではないだろうか?:

A. 大きなブランドと品質、オーソリティとリンクの間に強い相互関係が存在する。これは必ずしも因果関係を示しているわけではない。

B. Googleは、様々な事柄に関連するサイトに見返りを与えており、そのうちの一部がブランドである。SEMRushとSearchMetricsで上位のサイトが持つ共通点を確認したところ、最も目立った共通点は、そのうちの幾つかが大きなブランドであった点ではなく、多くのトピックに関連している点であった。

大きなブランドと考えるかどうかは別にして、Wikipediaが、InterbrandがNo.1に選んだブランド、Apple.comよりも8倍多くの検索トラフィックを獲得しているのは、Wikipediaがより大きなブランドであるからではない。コンピュータとiPhoneだけでなく、様々な事柄に関連しているため、Appleよりも多くのトラフィックを獲得しているのだ。

事実、SEMRushによると、Wikipediaは、Apple.comよりも、キーワードの数自体が、8倍多いようだ。SEMRushでApple.comがトラフィックを獲得している領域を調べてみると、その多くが、Appleとは関係のないナビゲーショナルなキーワードであることが分かる。App Storeのおかげで、Appleは、インターネットで有数のブランドにおいて1ページ目にランクインしており、そのため、自分達のブランドの力に加えて、トラフィックを獲得する原動力となっているのだ:

Apple's app store is a platform that allows them to be highly relevant for high volume navigational terms.

AppleのApp Storeは、ナビゲーショナルな用語に対する関連性を高める基盤となる(クリックすると、拡大して表示することが可能)。

C. Googleは、エンティティに見返りを与えており、ブランドは、そのエンティティのタイプの一つである。

D. Googleが大きなブランドを重視している理由として挙げた上の根拠は、アルゴリズムとは全く関係がない(ブランドに長期間にわたって罰を与えると検索の品質を落とす、ブランドもSEOに力を入れている等)。

結局、疑いは晴れず

ブランドが、Google検索において、他のサイトよりも優先されていると考えることになった要因について、インタビューに応じてくれたフィッシュキン氏に感謝している。本人にも伝えたように、私は大勢の人達がフィッシュキン氏を知る前から、同氏のレポートを読んできたし、たとえ、同意することが出来なくても、その意見を尊重してきた。

フィッシュキン氏と同じように、私も疑り深い人間であり、疑り深い人間と言う者は、オッカムのかみそり論(出来るだけ仮定を少なくして、証明を行うべきと言う理論)を持ち、身近な問題を理解するために不要なセオリーを除外する傾向がある。この問題を詳しく検証してみた結果、ブランド贔屓が、様々な形式において、存在するとは、今でも私には思えない。データが、このセオリーを裏付けていない。観測された現象は、データがなくても、説明することが出来る(はずである)。

SMX Westでのランド・フィッシュキン氏のプレゼンに刺激を受けて、ブランドの構築を始めたなら、そのまま続けてもらいたい。先程も申し上げた通り、「弱点を探して、利用する」SEOの時代は幕を閉じつつあり、終わって良かったと私は思っている。 この手法は、消費者にとって、全く役に立つことはなく、SEOではなく、単なるスパムである。

しかし、ブランドを構築する際は、それだけやっていれば、Google検索で上位にランクインすることが出来ると考えないでほしい。会社、そして、SEOにとって、ブランドを構築することで得られるメリットは存在するが、Google検索で上位にランクインする要素は、もう少し奥が深い。

追伸

重要な考えを一緒に積み上げていくことを目指し、私は、投稿する前に、この記事の最終的な草稿をフィッシュキン氏に読んでもらった。草稿に関する同氏のフィードバックを以下に掲載し、その後に、私のレスポンスを綴っていく。

2段落目で、ブランドが、SEOで成功をしていたら、会社が今ほど順調に成長していなかった、と指摘しているが、この論理は、あまりにも大ざっぱであり、関係がないように思える(私の主張、そして、取り上げてられていたアーロン・ウォール氏の主張と比べて)。事実、主張を弱めてしまっている。

ご指摘には感謝する。ブランドがSEOで成功していたら、私の会社が今ほど順調に成長していなかったことは重要ではない。弊社は、様々な規模のブランドをSEOで成功させるべく支援している。もちろん、SEOにおける成功が、私の会社にマイナスに働くことはなく、恐らく、間接的にではあるが、ある程度プラスに働いているのだろう。とりわけ、ブランドの構築に全く時間を費やしていないなら、尚更である。

しかし、現実として、ブランディングに莫大な資金を投資し、大規模な、信頼されるブランドを作り上げたものの、SEOの業者を雇って、検索でのビジビリティを改善している企業は多く、ブランディングが、Googleで目立つために一番重要だと言う見解には、やはり賛同しかねる。

ブランディングはSEOの一部であり、既にブランド構築を行っているブランドは、SEOにも投資するべきだと言っているように聞こえるが、この主張は、私が今までのキャリアの中で仕事をした大勢の重役クラスには通じない。必ずしも私の理論ではないが、重役の多くは、既に信頼されるブランドを構築しているため、SEOを不要だと考え、代わりに予算をブランディングに割り当てることを望む。フィッシュキン氏が、この主張とは、距離を置いていることが分かり、ほっとした。しかし、このように解釈されていても、何ら不思議はない。

「ブランドはスパムをする可能性があり、– 実際にスパムをすると、他のサイトと同じように、Google検索でペナルティーを科される」と指摘しているが、この業界の関係者なら、誰も賛同しないはずだ。確かに大きなブランドもペナルティーを科されるものの、ペナルティーの厳しさは、大きなブランドではないサイトとは大きく異なる。

この点に関しては、記事の後半で説明している。ペナルティーは異なるものの、期間以外にも、厳しさを示す要素は存在する。事実、ブランドは、収益の面で、大きなダメージを受け、そして、検索エンジンのユーザーが、人気の高いブランドを検索するものの、当該のブランドが表示されない場合、検索の品質が下がってしまう。また、この手の話をする関係者の多くは、大きなブランドを顧客に持っていないと私は考えているため、私の主張が受け入られないのは、無理もないのかもしれない。

ブランドとして、Demand Mediaを挙げていたが、私は(そして、他の大勢のSEO関係者も)、Demand Mediaが、数あるメディアサイトの中で、サイト、そして、コンテンツにおいて、強力なブランドを作る取り組みを思い切り失敗させたサイトだと考えている。事実、Demand Mediaは、圧倒的に劣悪なブランドを持つ、圧倒的に大きな会社である。そのため、Demand Mediaが提供するゴミを一掃する行為は、Googleがブランドを優先する典型的な例だと私は思う。

この指摘は興味深く、ある程度、同意することが出来る。しかし、マーケティングにおけるブランドの基礎的な定義を大きく超えており、この点を説明するために別の用語を利用するべきだと私が考える根拠を後押ししている。

Demand Mediaは、明確に、その他の製品とは異なるアイデンティティを確立し、差別化を行った。さもなければ、ここまで大きく成長することは不可能であったはずだが、Google検索ではプラスに働かなかった。 プレゼンで用いられていたブランディングと言う用語は、品質、オーソリティ、そして、信頼性により力を入れる取り組みを意味していたのだろうが、範囲が広いブランドの領域を外し、品質、オーソリティ、そして、信頼性と言ってくれていたら、混乱をある程度抑えることが出来たはずであった。

個別の例と総合的なスタッツを比較する手法は、主張を行う上で、全く向いていない。Googleが一部のブランドにペナルティーを与えているからと言って、あるいは、一部の大きな企業が苦戦しているからと言って、ブランドが、総じて、ビジビリティを失っているとは言い難い。

だからこそ、Interbrandのデータで補足をした。ブランディングのエキスパートが、世界で大きなブランドとして選んだ100のブランドは、総合的に見て、Google検索でビジビリティを失っていた。しかし、個々の例を見ていくと、現実が、「Googleがあらゆるケースでブランドを贔屓している」と言うセオリーと矛盾している点を裏付けられる。

マット・カッツ氏の言葉: 「ブランドに関して考えているわけではない。信頼性、オーソリティ、評判、PageRank、高い品質等を重視している」は、Googleのブランド贔屓の典型的な例である。なぜなら、ブランドとノンブランドの最大の違いは、(PageRank & 品質が高くても)消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判を持っているかいないかの違いだからだ。

この点には、同意しかねる。Merriam-Webster(辞書)も同意しないはずだ。Entrepreneur.comはブランディングを、「他の製品と見分けるため、あるいは、区別するために、名前、シンボル、もしくは、デザインを作る」マーケティングの取り組みと定義していた。

フィッシュキン氏が、ブランド構築を、消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判の構築と考えていることは良く分かった。しかし、Googleは、一部の専門家の見解とは異なり、ブランドをランキングの要素とは見ていない。Googleは、良質なブランドの副産物を見ているだけであり、それが、消費者の信頼であり、オーソリティであり、そして、評判なのだ。また、Googleは、ブランドのコンセプトを持ち出すことなく、今までもこういった要素を見てきた。

ブランドのコンセプトを持ち出すと、不要に物事を複雑にしてしまい、問題にぶつかってしまう。消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判を確立したブランドを作るだけでは、Google検索で良い結果を残すことは出来ない。事実、Interbrandがリストアップした全てのブランドが、この3つの要素を全て兼ね備えている。

Google検索をブランドが独占する時代が到来したと言うニュースを聞き、大喜びした、大きなブランドの従業員は絶対に大勢いるはずだ。SEOが滅亡し、予算を別の場所に当てることを願っている人達のことだ。この点に触れているわけではないようだが、このような考えには反対する。なぜなら、実際に予算をSEOから外してしまうと、損をしてしまうからだ。

この引用を使って、主張を裏付けようとしているが、実は逆効果だ。記事の後半で、ブランドのみに限られたことではないと指摘しているが、実際には、間違いなく、ブランド、そして、ブランディングの領域であり、ブランド構築をマーケティングの一部として実施することを私が勧める理由である。

ブランド構築に力を入れる方針を勧めることに、全く問題はない。ただし、Googleがブランドを重視しているのではなく、ブランド構築の副産物として考慮している要素を見ている点を、オーディエンスが理解していることが前提である。また、ブランド構築に多くの時間を費やし、Google検索にほとんど影響が現れない可能性がある点を理解していることも前提である。プレゼンテーションのリアクションを見る限り、この点は全く理解されていないと思う。

Interbrandの選択を妥当なリストとして利用するのは、如何なものかと思う。なぜなら、私は「大きなブランド」のみを取り上げているのではなく、ブランディングに力を入れ、ブランドの要素 — 個性、信頼、評判、オーソリティ、消費者の認識 — を手に入れたサイトを対象としているからだ。

確かにその通りだが、リストアップされたブランドは、莫大な資金を投じ、世界有数のブランドを作り出した企業ばかりである。Google検索でビジビリティを失っている事実は、「ワールドワイドなブランドに近づくと、Googleの検索システムで(直接敵、そして、間接的に)より多くのメリットを得られる」と言うフィッシュキン氏のセオリーとは相容れない。Googleでのビジビリティを失っているのは、ワールドワイドなだけでなく、規模が大きく、信頼されているブランドであり、Googleのシステムで大きなメリットを得られるはずではなかったのだろうか?

長過ぎて読まなかった方のためのまとめ

この記事では、ブライソン・ムニエ氏とランド・フィッシュキン氏が、Google検索におけるブランド贔屓について、議論を行っている。どちらも強固なブランドの構築は、SEOを含む、様々な理由で、重要だと考えている。しかし、ムニエ氏は、ブランドの構築が、Google検索のビジビリティを高めると言う主張を裏付けるデータが十分ではないと指摘している。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Quantifying Brand Bias In Search Results With Rand Fishkin Of Moz」を翻訳した内容です。

大半はランド・フィッシュキンの考察ではありましたが、SEOの今後もふまえて色々と勉強になる内容でした。オーソリティを益々重視していくであろうGoogleのアルゴリズム、ブランドが結果有利になることは自然の流れというか仕方ない気もしますが、コンテンツマーケティング等を活用して自分自身でブランドを作っていくこともまだまだ可能。「結局有名ブランドには勝てない」と諦めず、チャレンジしていきたいものですね。 — SEO Japan [G+]

Amazonが大成功した4つの秘訣を徹底検証

ウェブ解析業界の重鎮の一人、ブライアン・アイゼンバーグのブログの翻訳許可を得ましたので気になった記事があれば定期的に紹介していきたいと思います。第一回目は彼があのAmazon.comの成功を独自の視点で分析した内容をとあるカンファレンスで行ったプレゼンから抜粋して紹介する記事を。アイゼンバーグの的確な分析力を垣間見つつAmazonの凄さが改めてわかる内容です。 — SEO Japan

4 Amazon pillars infographic

今週、初めてニューヨークで開催されたClickZ Liveで、光栄にもプレゼンターの大役を任せてもらえた。今回は、リクエストにお応えして、プレゼンの一部をここでシェアする。

ここ数年、私はAmazonに注目しており、同社を大きな成功に導いた幾つかの秘訣をこのイベントで紹介した。Amazonに対して、どんな印象を持っていようとも、同社は、あらゆる企業にとって、手強い敵である。ジェフ・ベゾスCEOのビジネスへのアプローチにおいて、最も尊敬すべきは、あらゆる企業と重複する力を持つ点である。簡単ではないが、単純ではある。

Amazon.comは、1995年7月に初めて本の発売を行った。2013の暮れには、744億5000万ドル相当の商品を販売する一大事業に発展していた。Amazonは、インターネットでの取り組みを始めたその他の会社と比べて、十分な知識を持った状態で、事業を始めたわけではない。先を読み、データをベースとした技術を開発し、そして、ウェブビジネスのベストプラクティスを覆すことを厭わなかったため、最大のオンライン小売りサイトに成長したのだ。現在、Amazonは、米国内(そして、その他の多数の市場)のEコマースの売り上げの30%を占めるだけでなく、B2Bのベンダー、ハードウェアの開発者、そして、パブリッシャーとしても成功している。

Amazonは、10年先を進んでおり、Walmart等のデータを大事にする企業をリードしている。Amazon.comは、ジェフ・ベゾス氏のビジョン、そして、4本の成功の柱を足場としている:

  1. 顧客中心主義
  2. 継続的な最適化
  3. イノベーション文化
  4. ビジネスアジリティ

「最も重要な点は、顧客に執拗に焦点を絞る方針である。地球で最も顧客を中心とした会社になることが、Amazonの目標だ」– ジェフ・ベゾス、Amazon.comの創設者 & CEO

Amazonの顧客中心主義

ベゾス氏が、1994年にAmazon.comを立ち上げる決断を下した時、同氏は、プログラムを用いて、顧客の詳細を把握し、ユーザー体験をパーソナライズすることが出来る点こそが、インターネット固有の利点だと悟った。ベソズCEOは、あらゆる情報のやり取りから、顧客の個人の固有の識別子(eメールアドレス)に関連するデータを活用することが出来ると確信したのであった。Amazonは、あらゆる売上げ、クリック、レビュー、そして、マウスの動きから、情報を得ることが出来た。このレベルのデータは、Walmart等の店舗型の会社が持つ顧客のデータよりも、遥かに重要であった。Amazonは、「本を売るのではなく、本を顧客が購入する手伝いをする」事業を始めたのだ。このアプローチを基に、Amazonは、忠誠心の高い顧客を獲得していった。Amazonは、優れたサービスに固執し、CEOを含む社員全員が、2年ごとに少なくとも2日間は、カスタマーサービスの最前線に身を置く。これは、顧客中心主義を体現する取り組みの一部に過ぎない。

計画、計測、学習、そして、適応

Amazonは、ビジネスのあらゆる局面を、継続的に最適化している。と言っても、ボタンの変更や買い方の流れをA/Bテストで最適化する従来のマーケティングのアプローチではなく、業務、マーケティング、財務等の改善に力を入れている。全ての業務を最適化する方針を正しく理解するため、Slideshareの「Amazon.com: The Hidden Empire」(Amazon.com: 隠れた帝国)に目を通すことを薦める。

2004年、Amazon.comが、常に200点を超えるマーケティング最適化テストを実施していることを私達は掴んでいた。 現在でも、大半の企業は、平均で1ヶ月に2-5点のテストを行う程度である。つまり、Amazonがテストの規模を変えずに、月に200点のテストを行うペースを継続し、その一方で、競合者が、月に10点のテストしか行なわない状態で時が過ぎたとすると、Amazonは、競合者よりも、遥かに多くのことを学習し、最適化してきたことになる。Amazon.comは、最適化が手法やプロジェクトではなく、事業の経営に摺り込まれた、競争を戦略的にリードする取り組みである点を理解している。そして、最終的な責任はCEOが持つ

他社の収益よりも多額の資金をイノベーションに投資

昨年、Amazonは、研究開発(R& D)の予算に、65億円を投入していた。Amazonは、以前から、優れた社内のテクノロジーを構築し、ビジネスを強化するため、莫大な資金を投入して、例えば、フルフィルメント業務を改善するKivaのロボットから、3D印刷のマーケットに至るまで、ストートアップのテクノロジーを手に入れてきた。Amazonはイノベーションに夢中だ。IterateStudio(小売業者およびブランドの外部委託型R&Dラボ)が作成したこのインフォグラフィックを見れば、Amazonによる壮大なイノベーションの取り組みが分かる。

アジリティが鍵を握る時代の会社経営

Amazonは、基本的な価値の一つとして、アクションを優先する。

「スピードは、ビジネスの世界では、重要です。多くの決定、そして、行動は、表裏一体であり、詳細な調査を行う必要はありません。Amazonは、リスクを承知で行動を起こす姿勢を高く評価しています」

Amazonは、実行を意識して、組織を構築している。同社は、(ピザが2枚あれば、メンバーの腹を満たすことが出来るAppleと同じように)小さな、複数の機能を持つチームを抱えている。Amazonのチームは、他のチームから情報を集めることなく、自分達だけで、徹底して行動を起こすことが出来る。Amazonは、グループの目標、そして、社員全員がリアルタイムでパフォーマンスのデータを見ることが可能な手段を明確に伝えている。つまり、有名人が他界する、または、連邦航空局が離着陸時の電子機器の利用を認める等のイベントが発生すると、その数分後には行動を起こし、数時間後にはサイトに反映させることが出来るのだ。大半の会社は、肥大化し、2時間後に会議を行うこともままならない。一方、Amazonは、事業のパーツを完全に組み換え、ほぼリアルタイムで反応する方針を掲げている。

状況は一刻一刻と変化しており、どのように変化するのか、そもそも、本当に変化するのかどうかを見極めようとして、待つばかりでは、置き去りにされてしまう。小売業界の未来は、明白である。大半の企業は、接戦を繰り広げるどころか、追いつくことも出来ないだろう。努力して、Amazonの成功を支える4つの柱に順応するのか、あるいは、Amazonに破壊される日を待つのか…選択肢は限られている。

P.S. Amazon.comに対抗することが可能な方法を私はたくさん知っている。リクエストが多ければ、次回のコラムでその幾つかを披露する。


この記事は、Bryan Eisenbergに掲載された「Amazon’s Performance Secrets」を翻訳した内容です。

顧客中心主義、PDCA、イノベーション投資、アジリティ経営、、、どれも納得の内容です。しかし20年前からインターネットの利点をプログラムを用いて、顧客データ把握と分析によるパーソナライズとユーザー体験最適化と見据えていた点が、ビッグデータが騒がれている今日のインターネットを見ても、流石ジェフ・ベゾスという感じですね。さらに10年前から常時200以上のテストを走らせていたという文化、、、2004年といえば私がLPOサービスを思いついた年ですからね(それでも日本では相当早かったと思いますが)。そして何よりも最後のチーム体制には驚愕するばかり。Amazonの成功から何か学んで自社、自社サービスの成功につなげたい私でした。 — SEO Japan [G+]

クライアントサイトへのSEO導入講座 – 入門編

従来の有料リンク型SEOビジネスが崩壊し、SEO事業そのものから撤退する企業も増えている日本のウェブ業界ですが、同時にSEO自体のニーズは増えており、SEO会社はより総合的なSEOサービスの提供を求められ、またこれまで以上にSEOを依頼されるウェブ制作会社も多いのではないでしょうか?そんなサービス側企業のために、SEOの正しい導入法を説明した記事をSEO Bookか。SEO Japanの読者には参考になる情報かもしれません? — SEO Japan

クライアントのサイトを最適化する取り組みに慣れていない方のために、あるいは、復習したい方のために、この取り組みのガイドラインを作成することにした。各トピックの最後に、参考になる詳細な記事を紹介する。

SEOのエキスパートによって、アプローチは異なるものの、大半のクライアントのプロジェクトにおいて、共通する領域を挙げていく。

ルールがない

私が知っているSEOの最高のルールは、SEOには「絶対的なルール」がほとんど存在しないと言う原則だ。Googleは、ブラックボックスであり、完璧なデータを得ることは不可能である。そのため、原因と結果を特定することは難しく、多くの実験と推測が必要になる。うまくいったら、継続する。うまくいかなかったら、中止する。

チャンスは、「ルール」に網羅されていない経緯で姿を現すことが多い。多くの機会は、クライアント、そして、マーケットの分野によって異なるため、柔軟性を維持し、新しい関係やネットワーキングの機会に気を配ると良いだろう。SEOは、サイトとサイトの間にある関係(リンク)、そして、コンテンツを取り上げてもらう力(ネットワーキング)に左右される。

クライアントのサイトのSEOに取り掛かる際は、既にある程度の地位を築いたサイトに対応することになるため、古い問題を抱えている可能性が高い。また、自分のサイトとは異なり、サイトを完全にコントロールすることは出来ない難しさにも直面する。何らかのアイデアを実行に移す前に、アイデアのメリットを納得してもらう必要がある。受け入れてくれる人もいれば、立場をハッキリさせない人もいれば、拒否する人もいるだろう。より確実なデータ、そして、より信頼できるビジネス上の根拠を提供すれば、納得してもらえる確率は高くなる。

クライアントのサイトにSEOを実施する際に最も重要なことは、秘術やコードで目をくらませるのではなく、SEOが、正真正銘の事業における価値をもたす仕組みを分かってもらう姿勢である。

1. 戦略

クライアントのサイトを最適化する取り組みの第一ステップは、ハイレベルな戦略を構築することだ。

「古きを温めて新しきを知る」 – 孔子

まずは、調査に専念しよう。クライアントの事業、そして、マーケットの現在の位置に関して、学べるものは何でも学ぼう。過去の業績、現状、そして、今後の目標を知ることが重要だ。クライアントをインタビューしよう。クライアントの方が、ビジネスのことを良く理解している。また、深い関心を示せば、きっと喜んでもらえるはずだ。

  • 何を得意としているのか?
  • どの製品、または、サービスが一番売れているのか?
  • どのような製品やサービスを用意しているのか?
  • 競合者と比較して、苦手としている領域はあるのか?
  • どの会社がライバルに該当するのか?
  • どの会社と提携を組んでいるのか?
  • マーケットの部門は変化しているか?変化しているなら、どのように変わりつつあるのか?この変化をチャンスに変える方法を考案することは可能か?
  • 過去、パフォーマンスが良かったのは、そして、良くなかったのは、どのキーワードの分野か?
  • 何を求めているのか?トラフィックを増やそうとしているのか?コンバージョンを増やしたいのか?接触範囲を広げたいのか?何をもって成功とするのか?
  • 他の広告キャンペーンを利用しているのか?利用しているなら、どの領域をターゲットにしているのか?SEOと組み合わせることは可能か?
  • インターネット以外に進出しているか?広告キャンペーンを行っているのか?当該のキャンペーンはどの領域をターゲットにしているのか?SEOと組み合わせることは可能か?

一部のSEOコンサルタントは、出来るだけ多くのキーワードでサイトのランキングを上げることを仕事と考えている。「より多くのキーワードで上位にランクインする」、もしくは、「より多くのトラフィックを獲得する」は、事業、および、マーケティングの目標に左右されるため、計測可能なビジネスの利益にはつながらない可能性がある。既にターゲットにしている具体的な機会に力を入れることで、利益を得られる企業もあれば、より広い範囲への接触を求める企業もある。事業の目標とマーケットの分野を理解した上で、この目標と環境に応じたSEOキャンペーンを策定することが重要なのは、このためだ。

この類の分析は、特定のランキングや競合者のランキングについて話し合う際に、力を発揮する。SEOは、魔法の杖のような存在であり、力を入れていない領域でもクライアントのサイトを1位に引き上げることが出来る、などと期待させるべきではない。たとえSEOによって、このような軌跡が起きたとしても、ビジターはその他のリスティングをクリックして、オファーを比較することが出来てしまうため、クライアントに、大きな利益とは見なしてもらえない可能性がある。

クライアントの市場の分野を出来るだけ理解してもらいたい。クライアントや競合者がまだ満たしていない、変わりつつある要望等、チャンスのある領域を探し出すのだ。顧客の立場で考える必要がある。顧客を探し、質問に答えてもらおう。顧客がインターネットで姿を現す場所にアクセスすると良いだろう。 顧客が用いる言葉とニーズを、インタビューで集めた知識と組み合わせれば、効果的なキーワードとトピックを特定することが出来るはずだ。

文書にまとめよう。書き留めておく必要がある。戦略は、時間の経過とともに変わるが、サイトの現状、そして、目指す位置を描く基本的な合意点を維持するためだ。 事業の目標と一致させ、そして、目標を達成して、採用した戦略が、正真正銘の計測可能な価値を与えることを裏付けてもらいたい。これが、クライアントによるSEO業者の良し悪しの判断基準となり、今後のSEOサービスを維持するか、そして、拡大するかを決める目安となる。

参考になる記事:

- デジタル時代のマーケティング戦略を支える4つの原則
- 5ステップで楽に製品のポジショニングを行う方法[pdf]
- テクノロジーマーケッターよ、マーケティング戦略を文書に残せ

2. サイト監査

一部のサイトは、乱雑で、技術的な問題を持ち、キーワードのチャンスを逸している。
既にあるもの、そして、ないものを数量化する必要がある。

  • Xenu Link SleuthScreaming Frog等のサイトクローラーツールを用いて、URLのリスト、タイトルの情報、リンクの情報、そして、その他のデータを得る。
  • リンク切れを全てリストアップする。
  • 迷子のページをリストアップする。
  • タイトルのないページをリストアップする。
  • 重複するタイトルを持つページをリストアップする。
  • キーワードの組み合わせが弱いページをリストアップする。
  • robots.txtをチェックする。robots.txtファイルを使うと、驚くほど簡単にクロールを拒否することが出来る。

リンク切れは、低品質のシグナルである。Googleにとって低品質かどうかは議論の余地があるが、少なくとも、ユーザーには質が低いと見なされる。リンク切れを定期的にチェックするシステムが存在しないなら、すぐに用意するべきである。迷子のページとは、一つもリンクが向けられていないページを指す。このようなページは、重複しているページの可能性があり、その場合は、削除するべきである。または、リンクを向けて、クロールしてもらい、上位にランクインする可能性を高くする必要がある。ページのタイトルは、それぞれ異なるものを使い、キーワードの用語と一致させ、クリックしてもらうために、魅力的なタイトルを作る必要がある。顧客のニーズに語り掛けるリンクは、魅力的に映る。robots.txtを慎重にチェックして、クロールしてもらう必要がある領域がブロックされていないことを確認しよう。

初期のサイト監査の一環として、Googleのウェブマスターに登録して、問題の存在を確認したり、競合者分析ツールで過去のパフォーマンスをチェックして、トラフィックが激減した時期があるかどうか確かめると良いだろう。ランキング、および、トラフィックが急激に落ちた時期があるなら、ウェブ分析ツールで、時期を特定し、激減した際のデータを分離して、この時期に関連する可能性があるペナルティーを確認してもらいたい。

参考になる記事:

- 被リンク、壊れたページ、破損した画像はSEOの足を引っ張る
- 被リンクを直し、不要なビジターの喪失を阻止する3つの簡単な方法
- Screaming Frogの55通りの利用方法
- Robots.txt入門

3. 競合者分析

この取り組みをサイト監査の一環として行うケースもあるが、競合するサイトの技術的な問題ではなく、どのようにマーケットで位置づけているのか、そして、どのような方法で行っているのかを重視するため、ここでは別々に取り扱う。サイト監査では、通常、技術面での分析が行われる。

この取り組みを行う際に便利な、様々なツールが存在する。私はSpyFuを利用している。このツールのレポートツールの特に有効な機能は、Adwordsのポジションの価値に対して、SEOのポジションの価値を推測する機能だ。すると、ランクを収益で表し、SEOサービスの料金を支払う意味がある点を証明することが可能になる。

このような競合者分析を実施すると、競合するサイトで、どんなコンテンツが良い成績を挙げているのか、どんなコンテンツが勢いを得ているのか分かる。良いパフォーマンスを見せている競合者のコンテンツをリストアップしよう。続いて、リンクが送られている場所を調べ、リストにまとめてもらいたい。その後、競合者の成功を手っ取り早く真似し、拡大していくのだ。

ランキングにおいて競合する「競合者」が、パートナーになり得るケースもある。クライアントと業界が異なるものの、重なる領域で、上位にランク付けされている可能性もある。リンクを得る相手として、仕入れ先として、広告の掲載先として、あるいは、コンテンツを掲載するサイトとして、向いているかもしれない。同分野で上位にランク付けされているものの、直接的な競合者ではないサイトを記録しておこう。

Adwordsのキーワードの価格でランクの価値を推測するツールを使うと、競合者のポジションの価値を推測することが可能になる。クライアントのサイトが、競合者よりも低くランク付けされている場合、ランクを上げるために投じる時間と労力の推定される利益の価値を明らかにすることが出来る。また、改善のスピードを比較して、競合の基準として用いることも可能である。競合者と同じ取り組みを行わなければ、追いつくことは出来ない。SEOに継続的に力を入れ、目に見える成果を得ているなら、同じ取り組みを行う必要があることを示す証拠になる。

参考になる記事:

- 競合者分析 [pdf]
- イラストで説明 – SEO競合者分析の流れ
- 競合者分析: 4つのステップでSEOヒーローになる方法

4. サイトの構造

きちんと整理されたサイトは、ユーザビリティの面でも、そして、SEOの面でも有益である。次にどこに行くべきかが、ユーザーにとって明白なら、エンゲージメント(参加)のスコアに加点される。クライアントが、ユーザビリティのコンサルタントを採用しているなら、協力してもらえる確率が高い。

テーマを中心にサイトを編成すると良いだろう。Googleは、異種混合のページよりも、同様のトピックでまとめられたページを好むことは、各種のケーススタディによって証明されている(以下の動画の1分25秒から視聴しよう)。

  • エラーの処理後のクロールを基に、スプレッドシートを作る。
  • 売り上げが最も多い製品、そして、サービスを特定する。この製品とサービスは、最も目立つ位置に置き、サイトの階層の最も高い場所に配置するべきである。あまり売れていないアイテムやカテゴリー、そして、戦略的に重要ではないアイテムは、低い階層に置く。
  • 分析により、既に多数のトラフィックを獲得しているページは、階層の高い位置に移して、目に触れる機会を増やす必要がある。
  • 季節限定の製品は、買い物のシーズンの前に、注目してもらう必要があり、シーズンが過ぎたら、重要度は低くなる。
  • 出来るだけ、ページを同様のトピックにまとめよう。例: acme.com/blue-widgets/、acme.com/green-widgets/等。
  • 被リンク分析を行い、サイト内部のアンカーテキストが、タイトルとページのコンテンツと一致していることを確認する。

全てのページをスプレッドシートにリストアップしておくと、ページをテーマ別でまとめる上で有効である。同様のコンテンツのディレクトリにまとめることが出来るなら、それに越したことはない。戦略文書を使って、どのページを改善すればいいのか、どのページを追放すればいいのか特定すると良い。内部のページランクスカルプティング — つまり、ページランクを一部のページに流し、その他のリンクにはnofollowを使って、リンクジュースを他のページに転送させない手法に力を入れている人達がいる。Googleは、このアプローチを軽視しているが、重要度の低いページをサイトの構造の低い位置に置きつつ、重要な製品やカテゴリーにサイトワイドでリンクを張り、リンクの価値を流すことは可能だ。収益につながるページを優先し、重要ではないページは左遷しても構わない。

モバイルも重要だ。コンテンツがモバイルデバイスで動かないなら、検索結果でトップにランク付けされても、あまり意味はない。

参考になる記事:

- サイトのアーキテクチャ & 検索エンジンを成功に導く要素
- SEOを考慮したウェブサイトアーキテクチャの最適化(スライドによるプレゼン資料)
- SEOガイド: インフォメーションアーキテクチャ

5. クロール & リダイレクトを有効にする

サイトが十分にクロールされていることを確認してもらいたい。全てのURLが、Googleのインデックスに含まれている点を確認するため、ウェブマスターツール/その他のインデックスレポートツールにサインアップすると良い。

  • サイトマップを登録する
  • 既存のrobots.txtをチェックする。スクリプトリポジトリやその他のドメイン関連のディレクトリ等、重要ではない領域から、robotsを締め出すべきだ。
  • ページを移動する必要があるなら、あるいは、存在しないページへのリンクを持っているなら、ページリダイレクトを使って、整理しておこう。
  • 404エラーが表示されたページをリストアップする。404ページに有益なナビゲーションを用意し、ビジターが「戻る」をクリックしない環境を作る必要がある。

301を使ってページをリダイレクトするメソッドは受け入られている。301は、ページが永遠に場所を移動したことを検索エンジンに伝える。ドメインを変えた際、あるいは、サイトの別のバージョンに向かうリンクを持っている際も、リダイレクトは重宝する。例えば、Googleは、http://www.acme.comhttp://acme.comを別のサイトと見なすため、どちらかのサイトを選び、リダイレクトすることが可能だ。

以下に、301の仕組みを説明する動画を掲載する:

ページのリダイレクトを怠ると、ページに割り当てたリンクジュースをフル活用することが出来なくなる。

参考になる記事:

- サイトマップとは
- 最強ガイド: 301リダイレクト
- クロール & インデックスの基準

6. 被リンク分析

被リンクは、今でもメジャーなランキングの要素である。サイトに向けられている質の高いリンクの数が多ければ多いほど、検索結果で上位にランク付けしてもらえる。しかし、最近では、リンクはサイトにダメージを与えることもある。しかし、全体的なリンクのプロフィールが強い場合、質の低いリンクが幾つかあっても、問題をもたらす可能性は低い。そこで役に立つのが、マット・カッツテストだ。リンクの大半をマット・カッツ氏に見せることは出来るかどうか、考えてみよう。出来ないなら、ペナルティーに関して、リスクの高い戦略を採用していると言えるだろう。自分でサイトを管理しているなら、対応することが出来るものの、クライアントのサイトの場合、対応が難しい。クライアントが、積極的なSEOがもたらすリスクに気づいていない場合は、尚更だ。

  • 既存の被リンクのリストを作る。質が低く見えるリンクを見つけたら、削除を検討する。
  • 全てのリンクが、適切なページに向かっていることを確認する。
  • 主な競合者がリンクを獲得しているサイトをリストアップする。
  • リンクを獲得したいサイトをリストアップする。

リンクの獲得には、直接リンクを掲載するか、もしくは、リンクに値するサイトを作る必要がある。業界のディレクトリ等、一部のサイトでは、料金を支払って、掲載してもらうことが可能だ。リンクを張るターゲットとして、魅力的なサイトにする手もある。

どこから見ても利益目的のサイトにリンクを導くのは、なかなか難しい。事業に関連する慈善事業への出資を検討すると良い。地元の商工会議所からリンクを獲得することも出来る。関連する研究を行う教育機関と関係を構築し、出資する、もしくは、何らかの形で参加することも可能だ。

競合者にリンクを向けているサイトを確認しよう。当該のリンクを、競合者は、どのように手に入れたのだろうか?同じ方法を採用しよう。ホワイトペーパーを利用してリンクを獲得していたなら、同じようにホワイトペーパーを利用する。ニュースがリンクの獲得につながっていたなら、クライアントのサイトでもニュースを利用する。競合者にリンクを与えたと思われる方法を実施するべきだ。その後、結果を評価し、結果に応じて、取り組みを強化/減少させると良いだろう。

また、競合者がリンクを得ていないサイトからもリンクを獲得する必要がある。そこで、求められるリンクのリストを作成しよう。次に、リンクを獲得するための戦略を考案する必要がある。コンテンツの提供、議論への参加、業界ニュースの提供、 インタビュー、あるいは、特集の作成が、リンクをもたらす可能性がある。「何が必要なのか」尋ね、必要なものを与えよう。

当然だが、リンク構築は継続的な取り組みである。サイトが大きくなると、自然にリンクは集まってくる。それ自体が、リンク獲得戦略である。競合者を、重要度、そして、消費者の関心の面で、上回る必要がある。その上で鍵を握るのが、コンテンツ戦略である。業界がリンクを張りたくなるようなコンテンツを用意しているだろうか?持っていないなら、作成しよう。業界がリンクを張りたくなるようなサイトではないなら、利益の追求ではなく、情報に特化したサイトを開設する方法もある。Signal Vs NoiseやBasecampsブログ等、一般的な業界のトピックについて、従業員が記事を投稿するブログを用意している会社もある。このタイプのブログは、完全に利益を追求しているサイトよりも、リンクを得られる可能性が高い。

リンクを追う前に、まずは、どのようなサイトがリンクを受けているのかを把握し、自分のサイトをそのカテゴリーにフィットさせるよう心掛けるべきである。

参考になる記事:

- Link Guruのデブラ・マスタラーに訊く
- 拡大可能なリンク構築の手法
- クリエイティブなリンク構築のアイデア集

7 コンテンツの評価

キーワードのリスト、競合者のランキング、そして、収益の面で特に有益なワードを特定したら、コンテンツを精査し、作り上げる作業に移る。

キーワードの用語を網羅するコンテンツを用意しているだろうか?用意していないなら、作成する必要のあるコンテンツのリストに加えておこう。用語にマッチするコンテンツを持っているなら、同じトピックのクライアントのコンテンツと比べて遜色ないかどうかを確認してもらいたい。 ページを拡大する、もしくは、より詳しい内容にすることは出来るか?サイト内部でより多く/より質の高いリンクを加えることは可能か?動画、オーディオ、画像等、異なるタイプのコンテンツを融合すると、プラスに働くか?

見過ごしているキーワードの領域に対して、コンテンツを作成する必要がある。既に提供されているコンテンツをコピーするのではなく、当該の用語で、最もランキングが高い/最も有益なコンテンツを確認し、どうすればもっと良くすることが出来るのか考えてみよう。組み込む、または、発展させることが可能な最新の業界分析、または、レポートはあるか?新しい情報は人気がある。知らないことを学びたい欲求を人間は持っているためだ。「私も」的なコンテンツも有効ではあるが、チャンスを最大限に活かしているとは言い難い。リンクを獲得する確率が高くなるため、そして、エンゲージメントのレベルが高まるため、既に存在するコンテンツよりも有益なコンテンツを作ってもらいたい。ビジターは、同じ情報を別の場所で得られるなら、躊躇なく移動するはずだ。

キーワードの共起について考えてみよう。狙っているキーワードに対して、容易に関連付けることが出来る用語を探すべきだ。この分析の役に立つ様々なツールが開発されているが、Adwordsのリサーチツールを使えば、自力で探すことが可能である。キーワードに関連するキーワードを確認すると良いだろう。Googleの共起アルゴリズムは、Adwordsと自然検索の双方に対して、同じ動きをする可能性が高い。

また、ビジターがページをどのように利用するのか考えてもらいたい。ページの内容は、容易に判断できるだろうか?ユーザーが次に取るべき行動は、明らかだろうか?ぎっしり詰まったテキスト、そして、気を散らす広告は、サイトの利用の弊害となるため、ユーザビリティが一定の基準を満たしていることを確認しよう。読みやすいサイズのテキストを使い、平均的なビジターが、目を細めなくても読める環境を作るべきである。見出しと段落を使って、分割すると良い。インターネットのユーザーは、正しい情報を見つけたことを確認するため、文章を飛ばし読みする傾向がある。この記事が作成されたのは、10年以上前だが、今でもこの記事の指摘は的を射ている。

参考になる記事:

- コンテンツマーケティング VS SEO
- Google アナリティクスを使ってコンテンツを分析する方法
- コンテンツベースのSEO戦略は失敗する

8. 外部のサイトにリンクを張る

外部にリンクを張っていないサイトは、不自然に映る。Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、以前、次のように指摘していた:

言うまでもなく、Googleは採点方法を調整するタイミングを明かしたりはしない。PageRankを蓄積しているドメインを見つけ出すのは簡単だ。これも、スコアの要素の一つである。ハブ系のスコアを最小限に抑えつつ、オーソリティ系のスコアを高めるために全力を尽くしているなら、その他大勢のサイトとは、一線を画すことになる点を、覚えておいてもらいたい。

  • アウトバウンドリンクを全てリストアップする。
  • アウトバウンドリンクが、補足するかどうか、つまり、同様のトピック/テーマを取り上げているか、または、事業に関連しているかどうかを特定する。
  • 外部サイトにリンクを張っていないページをリストアップする。

外部へのリンクは、品質のシグナルであり、優れたPRの取り組みでもある。ウェブマスターは、被リンクに注目し、どのように言われているのか気になるため、リンクを辿って、サイトを訪問する。クライアントのサイトが比較的新しいなら、これは関係を構築する手法として、有効である。他の会社、そして、人物を高く評価すれば、多くのウェブマスターは、見返りを与えてくれる。

良いリンクは、人間関係を構築する最高の手段となる。

また、サイトのビジターの役にも立つ。やがて、ビジターはサイトを去るため、優れた信頼できるサイトに導くことで、評価アップを勝ち取ろう。ライバルにリンクを張ることが嫌なら、業界のブログ、ニュースサイト等の情報源、もしくは、関係を構築したいサイトにリンクを張るアプローチを検討してもらいたい。競合しない分野の取引先や緊密に関連する会社にリンクを張る手もある。信頼できるサイトもターゲットに挙げておこう。価値の低いサイト、もしくは、リンクスキームの一翼を担うサイトにリンクを向ける行為は慎むべきだ。リンクスキームに加担しているサイトを特定するのは容易ではないが、通常は、リンク交換スキームが用意されているか、ビジターが読む可能性の低い明白な有料リンクが掲載されている。リンクを交換するスキームは避けてもらいたい。リンクネットワークの一員と見られるだけでなく、そもそも、時代遅れである。

参考になる記事:

- 外部のサイトにリンクを張る5つの理由
- リンクと関係のドミノ効果
- リンク構築 101: 過去の関係を利用する

9. 継続する

SEOは、一度実施したら、放置するような取り組みではない。

クライアントに、一度最適化キャンペーンを行えば、効果が永遠に続くなどと期待させるべきではない。虫の良い話に聞こえるかもしれないが、真実である。検索は変化を続け、また、競合者とマーケットは変動するため、SEOを継続的に実施する必要がある。たった1つのマーケティングキャンペーンで事が足りると考えている企業は、滅多にない。 SEO業者にとって大変なのは、あらゆるマーケッターにも共通することだが、継続的な投資が、見返りをもたらす点を証明することだ。

  • 競合者の監視、つまり、競合者のランキングの変動、新たなライバル、戦略の変更をチェックする。効果のある取り組みを特定し、真似する。
  • 分野の監視 – Google トレンド、キーワードのトレンド、フォーラム、ニュースリリースをチェックする。すると、新たなキャンペーンの観点に対するアイデアが生まれる。
  • レポート – クライアントが、料金を払って得た成果を確認することが可能な環境を作る必要がある。
  • 情報の入手 – クライアントは、サイトに変更を加え、新たなマーケッターを採用する。そのため、今後もSEOのアドバイスを必要とする。

クライアントのサイトに対するSEOを語ると、本が1冊出来上がってしまう。実際に、執筆されている。今回は、表面的な部分を取り上げただけだが、有難いことに、各トピックの領域への対処に関する素晴らしい情報が、豊富にインターネット上に溢れている。

人助けをしたいなら、クライアントのサイトのSEOにこれから着手する人達に送るアドバイスをコメント欄で発表してもらいたい。「こんなアドバイスを送って欲しかった!」と言うアドバイスをどしどし送ってあげよう。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Guide to Optimizing Client Site 2014」を翻訳した内容です。

追加の参考記事が全て英語なのは仕方ありませんが、SEOを本格的にウェブマーケティングに活用するための導入方法がステップ・バイ・ステップで解説された素晴らしい記事だったと思います。どちらかというと特定キーワードでの順位向上のみに焦点が当てられてきた日本のSEOですが、既存のSEO会社はもちろんウェブマーケティング会社や制作会社がこういったサービスを提供していけるようになれば、日本のSEOのレベルが何段も上がっていきそうですね。 — SEO Japan [G+]

【リサーチ】消費税増税後のサラリーマン・OLのランチ事情を調査

近頃のサラリーマンの昼食代が30年前とほぼ同水準に戻ったといわれていますが、本当のところはどうなのでしょうか?弊社がリサーチをお手伝いさせて頂いた「サラリーマン・OLのランチ事情」についてご紹介します。– SEO Japan

仕事がある日、サラリーマン・OLはランチに何を食べる?
全体のランチ第1位は「コンビニ・スーパー・お弁当屋などで購入」(50.5%)でしたが、男女別に比較すると、男性のランチ第1位は「外食」(49.0%)、女性のランチ第1位は「持参弁当」(64.0%)となりました。圧倒的な女性の持参弁当率に比べると、男性の持参弁当率は29.0%と低く、男性は「外食」を選ぶことが多いようです。

外食ランチ1回分の平均予算は?
一方、男性より外食率の低い女性が外食ランチにかける予算は、男性より約100円高い「876円」という結果に。男性よりも持参弁当率が高い女性にとって、「外食=プチ贅沢」という特別感があるようです。

より詳細な調査結果は【Harmoney.jp】「働く女性はプラス100円でランチにプチ贅沢を求める傾向!?教えて!サラリーマン・OLのランチ事情」のページをご覧ください。

サラリーマン・OLのランチ事情として、消費税増税に打撃を受けながらも、お弁当を持参したりコンビニなどでお弁当を購入したりして、時には節約しながら、外食ランチには800円前後のお金をかけるなど、うまくバランスをとって工夫しているようです。 — SEO Japan [G+]

アイトラッキング調査で判明した8つの原則

アイトラッキング調査といえば、画面上のユーザー目線を追うことで、普段気付かないウェブデザインの問題やユーザビリティ上の課題を見つけ出そうという試み。サイトのコンバージョン率改善には確実に役に立つであろう手段ですが、準備の大変さや費用も重なり、中々実現できている企業は少ないと思います。今回、既に公開されている様々なアイトラッキング調査を調査し、そこから学べる要素を引き出した記事を紹介します。ある種、鉄板といえるルールに集約されていますが、筆者は有名デジタルマーケッターでありヒートマップツールで有名なCrazyEggの創業者ニール・パテルだけに、分析内容含め学べる点は多そう。 — SEO Japan

eye tracking

データに関しては、多ければ多いほど良い。データの解析、テストの実施、数値の考察、トレンドの分析 — 素晴らしい事業、そして、優れたウェブサイトを作り出す上で、データは土台となる。

消費者の行動に対する調査において、興味深い分野が一つある。それは、アイトラッキング(視標追跡)だ。アイトラッキングから得られる情報は、ウェブデザイン、コンテンツの作成、コンバージョンの最適化、そして、オンラインマーケティングをレベルアップさせる力を持つ。

そこで、アイトラッキングテストの収益に関わる結果をまとめ、それぞれの事業に当てはめて考えられるように、これから提供していく。

その前に、アイトラッキングとは何かを説明させてもらいたい。アイトラッキングとは、基本的に、ビジターが、ウェブページのどの場所を、どれぐらいの時間見ているのかを計測する技術である。アイトラッキングのデータは、上の画像のように、被験者が見ている画面上に覆うように、視覚的に表示される。

アイトラッキングでは、ビジターが、最初に見た場所、2番目に見た場所、3番目に見た場所…を把握することが可能だ。ユーザーが画面のどの部分に特に強い関心を示しているのか、そして、特定の領域をどれぐらいの時間見ていたのかが分かる。

あらゆる効果的なリサーチに境遇することだが、アイトラッキングの調査を行うには、それなりのコストがかかる。最も安価なアイトラッキングデバイスでも、5000ドルはくだらないだろう。手頃な価格とは程遠い。しかし、私は、公開されているアイトラッキングの調査を分析することで、オンラインビジネスに役に立つ8つの原則を見出すことに成功した。

原則 #1: 最も有益なコンテンツを上半分に掲載する

やはり、上半分のコンテンツは、多くの注目を集める。そのため、最も重要なコンテンツをこの場所に用意するべきである。

eye tracking fold

ただし、上半分が最も重要な場所であったとしても、残りの場所を無視していいわけではない。上半分に何もかも詰め込むと、ウェブサイトの使いやすさを台無しにしてしまう。まさに、本末転倒である。

8秒以内にビジターの注目を掴み取る必要があるため、魅力的な情報をウェブページの上半分に掲載しよう。ただし、その際は、コールトゥアクションを詰め込んで、散らかしてしまわないように注意してもらいたい。

魅力的なメッセージとコピーを作る努力をするべきだ。それが、さらにコンテンツを読み、製品を購入する意欲を促す。

NeilPatel.comの新しいデザインにA/Bテストを実施したところ、上半分に掲載したコールトゥアクションが、コンバージョン率を21%減少させていた点に気づいた。

原則 #2: コールトゥアクションをページの一番下に掲載する

確かに、ページの上部は、ビジターに最も見てもらえる。しかし、次に多くの注目を集めるのが、ページの一番下の部分である。ビジターは、画面をスクロールする。その際は、ページの一番下に向い、そこで、スクロールを終える。この場所にコールトゥアクションを表示するべきだ。

私は複数の場所にコールトゥアクションを用意している。皆さんにも、このアプローチを是非利用してもらいたい。

eye tracking crazy egg

Crazy Eggのヒートマップを見ると、Quick Sproutのメンバーシップページの下の方に掲載されたコールトゥアクションが、クリックの大半を獲得していることが分かる。事実、メンバーシップページの中間に配置したコールトゥアクションボタンよりも、39%も多い。

原則 #3: ビジターは大きな、太字のヘッドラインを読む

ヘッドラインが大きければ大きいほど、そして、目立てば目立つほど、読んでもらえる確率は高くなる。有名なF字パターンの調査を含む、様々な調査によって、ヘッドラインの大きさの重要性が証明されている。

eye tracking f pattern

このトピックを追求したThe Poynter Instituteによる重大な調査では、「圧倒的なヘッドラインは、ページを訪れた際に最初に見てもらえることが多い」と結論づけられていた。

ヘッドラインの重要性ヘッドラインの作り方に関しては、既に説明した。ただし、読みやすさに加えて、目立つデザインの要素をヘッドラインにもたらす必要がある — 大きく、そして、ボールド体で綴ると良いだろう。

私は時々ヘッドラインに視覚的な飾りを用いる:

eye tracking headline

しかし、ほとんどの場合、大きな活字書体を用いる:

quicksprout eye tracking headline

原則 #4: 情報を塊に分ける

「コンテンツを短い段落に分けて、見出しを用意し、箇条書きを使い、そして、番号付きリストを利用するべし」と言う鉄則を聞いたことがあるのではないだろうか。

この鉄則には、直感が関係している。単純に、ビジターは巨大なテキストの塊を消化することが出来ないのだ。

下のアイトラッキングのヒートマップは、ページ上の注視時間を表しており、情報を消化可能なサイズの塊で提供する必要性を指摘している。

明らかに、ビジターは塊を見る。このページは、必ずしも、レイアウトの良い見本とは言えないが、強力な視覚的要素を持つ見出し — 中央への配置、目立つ色、考え抜いた空間の構造 — をビジターが見る、と言う考えを実証している。

原則 #5: 多くの余白を設ける

余白(ネガティブスペース)は、ウェブデザインにおける重要な要素の一つである。アイトラッキングの調査が、この点を実証している:

eye tracking whitespace

上の例では、余白を持つ開放的なレイアウトが、スムーズに注視を導き、データを効率良く吸収させてていることが分かる。

余白は、スペースの無駄遣いに見えるため、何か配置したくなる気持ちは分かる。しかし、ページの残りの動きを促す効果があるため、実は貴重な存在である。人間の目は、ページの様々要素から、「休む」場所を求める。また、次に向かう場所を把握する必要もある。

そこで余白が役に立つ。

原則 #6: ページの左側は重要

このアイトラッキング調査は、ユーザーが、ページに滞在する間、ページの左側を見ることが多いと指摘している。

eye tracking left

多くの言語では、テキストが左から右に向かうパターンが採用されている。ウェブデザイン、そして、ウェブページを読む習慣において、この閲覧パターンは、深く根付いている。

ウェブページをデザインする際、または、コンテンツを配置するさは、重要なコンテンツを左側に置き、ページの左側を最大限に活用すると良い。

原則 #7: バナーを排除する

ウェブバナーは無視される。バナーへの注目の低下は、バナー広告が黄金時代を迎えた頃から現れ始めた。

バナー広告の効果は消え始めた。単なる広告でしかなかったためだ。その後、注目を集めるために、震えるバナーの利用が始まった。しかし、システムのエラーにしか見えない作品もあった。また、「100万人目の訪問を記念し、黄金のフェラーリを贈呈する」と宣伝する広告も現れた。

クリックする気になるだろうか

「バナーブラインドネス」と呼ばれるこの現象は、アイトラッキングの初期の研究で、特に話題に挙がることが多かった。ヤコブ・ニールセン博士は、1997年にバナーブラインドネスの存在を発見していた。

現在、バナーブラインドネスは、インターネットの知識、そして、ユーザビリティの常識として、受け入られている。とても重要度が高く、Wikipediaの記事が作られるほどだ。バナーが無視されると言う指摘が信じられないなら、以下のアイトラッキングの調査結果を見てもらいたい。

eye tracking banners

サイトを収益化する方法が他にないなら話は別だが、基本的には、バナーを利用するべきではない。

原則 #8: 人物写真は有効

LinkedInの調査を始めとするユーザビリティの調査では、人物の写真の効果が裏付けられている。たとえ写真であれ、他の誰かを見ると、– 通常は — 魅力、理解、あるいは、識別において前向きな心理の反応を促す。

人物の顔写真を持つページは、双方向的な情報のやり取りと閲覧を促し、直帰率を低下させる効果がある。

人物写真に関する調査で得られた4つの重要な見解を挙げていく:

  • デザインの要素として人物写真を利用する — ホームページで人物の画像を利用するべきだ。人は他の人を見る習性があり、その結果、ページに長くとどまるためだ。
  • Aboutページで写真を用いる — 容姿が分かると、信じてもらい、信頼してもらい、そして、取引を行ってもらえる確率は高くなる。
  • LinkedInのプロフィールで顔写真を用いる — すると、信頼感が生まれる。
  • Googleオーサーシップの確立に励む — SERPでは、オーサーシップの画像を持つエントリにクリックが集まる。

結論

ウェブサイト、コンバージョン、事業、そして、製品を、アイトラッキングの調査に注目するだけで、改善することが出来る。

ビジターがサイトのどこを見ているかは、非常に重要だ。なぜなら、ビジターが何を学ぶか、何をするのか、そして、何を買うのかに影響を与えるためだ。見た結果、クリックが生まれる。

アイトラッキングの調査から得たその他の見解をご存知なら、コメント欄で発表してもらえないだろうか?


この記事は、Quick Sproutに掲載された「8 Powerful Takeaways from Eye Tracking Studies」を翻訳した内容です。

長年の経験値と深い知識を元にした考察だけあり、どれも基本的といえば基本的ですが、読み応えがある記事でした。次のランディングページを作成する前に一度じっくり内容を読み、基本を徹底的に頭に叩き込んだ上で取り組んでみてはいかがでしょう? — SEO Japan [G+]

コンバージョンを減らすランディングページの7つの誤り

LPOも大分普及してきた日本のウェブマーケティング、本格的なLPOは行っていなくとも広告用に専用のランディングページを用意しているサイトは多いでしょう。とはいえ、せっかくの専用ページを設けているのに、効果が出ていないばかりか普通にホームページにしておいた方が良かったというケースさえありかねません。今回はランディングページのコンバージョンを減らしかねない基本的なポイントをインフォグラフィック形式でまとめた記事を。 — SEO Japan

ランディングページは、コンバージョン率の増加に貢献するはずだが、コンバージョン率にマイナスの影響を与えていることが多い。このケースは、どんな時に生じるのだろうか?誤ったコピーを掲載する、あるいは、ビジターの気を散らしてしまう際に発生する。

これは氷山の一角に過ぎない。そこで、ランディングページのコンバージョン率を最大限に高めてもらえるように、避けて欲しい過ちをリストアップし、収益を増やすために踏む必要のあるステップを記したインフォグラフィックを作成した。

下の画像をクリックすると、拡大表示される(インフォグラフィックの下に訳文を掲載):

7 Landing Page Flaws That Kill Your Conversions

コンバージョンを台無しにするランディングページの7つの誤り(そして、修正する方法)

そのランディングページは役目を果たしているか?

マーケッターの64%: ランディングページは、提案するメリットを試す上で最も効果的な方法だと認識している。– MarketingSherpaより

B2B企業の68%: ランディングページを使って、今後のコンバージョンに向けた売り上げのリードを集めている。– MarketingSherpaより

マーケッターの48%: 各マーケティングキャンペーンに新たにランディングページを作る。– MarketingSherpaより

1. 必要される情報が多過ぎる

あまりにも多くの情報の入力を求められると、ビジターはうんざりする。ビジターは、求められた情報を入力するよりも、サイトを去りたくなる。

解決策
・関連性があり、必要な情報のみを入力フォームでは取得する。
・フォームを目立つ場所に置き、楽に入力することが出来るように工夫する。

2. 具体的なコールトゥアクションが存在しない

ランディングページの48%は、複数の提案を掲載している — MarketingShelpaより

この状況は、顧客を混乱させてしまう。すると、コンバージョン率は下がる。複数の提案を行うランディングページは、単一の提案を掲載するランディングページと比べて、獲得するリードが266%少ない。

解決策
・ビジターを考慮して、分かりやすく表現する。提案は一つだけ用意する。
・コールトゥアクションを、見つけやすく、分かりやすく、実行しやすくする。

3. テキストが多過ぎる

ページ上のテキストが多過ぎると、混乱を招く。何が提案されているのか、消費者が理解することが出来ない可能性がある。ページの要点が明らかではない場合、ビジターはサイトを去ってしまう。ビジターの注目を掴む時間は、約5秒間のみ。

解決策
・箇条書きを活用する。
・太字を使って、テキストを強調し、注目を得る。
・製品/サービスの特に重要なポイントを強調する。

4. ヘッドラインが注目を掴んでいない、あるいは、ヘッドラインがない

ヘッドラインをテストしているマーケッターは、77%のみ。– MarketingSherpaより

ありきたりのヘッドラインや、退屈なヘッドラインを避ける必要がある。ビジターを迎え、ページの要点を伝えるヘッドラインを用意するべきである。

解決策
・ヘッドラインには、ページの内容を反映させる。
・具体的なヘッドラインを作る。
・メッセージを伝えられる程度の長さは必要だが、ビジターの視界に収めなければならない。

5. ランディングページの読み込みに時間がかかる

消費者の40%は、読み込みに3秒間以上かかるウェブサイトを見捨てる。ウェブサイトのパフォーマンスに不満を持つ買い物客の79%は、同じサイトからの購入を避ける。10万ドル/日を稼ぎ出しているEコマースサイトでは、ページの読み込みが1秒間遅れると、年間で250万ドルの収益を失う可能性がある。

解決策
・ガラクタを処理する。不要なテキストや画像は削除する。
・各種のデバイス(コンピュータ/モバイル)でページの読み込みをテストする。

6. 効果が高い取り組みを特定するテストを行わない

40以上のランディングページを持つ企業は、5ページ以下のページよりも、リードが12倍以上多い。– HubSpotより

マリアン大学では、大幅に異なるランディングページを比較テストした結果、コンバージョン率が264%増加した。1,000ページ以上のランディングページを持つDellでは、ランディングページをウェブページに対してテストすることで、コンバージョン率が最高で300%増加した。

解決策
・幾つかランディングページをテストし、結果を記録する。コンバージョン率を改善しないページには変更を加える必要がある。
・マーケティングのアイデア、ページのレイアウト、表現をテストして、変更がコンバージョン率の増加につながるかどうかを特定することが肝要だ。
・ランディングページの異なるバージョンを幾つか用意して、どのページのクリックスルーが一番多いのか確かめる。
・テストと調整を継続する。

7. サイトが信用できない

どこでもありそうな推薦メッセージが掲載されている。Blue Fountain Mediaは、Verisignのロゴをサイトに加えるだけで、売り上げを42%増加させた。消費者の68%は、スコアの良し悪しが掲載されている場合、レビューを信頼する。四捨五入した数字よりも、そのままの数字の方が、信頼度は高い。より正確であることを示唆するためだ。

解決策
・率直な推薦文を掲載する。
・信頼を示すバッジを掲載する。
・誰でも分かるような言葉で、規約を作成する。

このインフォグラフィックを拡大して見たいなら、ここをクリック

結論

ランディングページを作成したところで、必ずしも売り上げやリードが増えるとは限らない。事実、つまらないヘッドラインを作ったり、コールトゥアクションを誤った場所に掲載してしまうと、収益は減少する。

私は、ランディングページの最適化において、創造性に富むページが、特にコンバージョン率が高いことに気づいた。これは大きな発見だと言えるだろう。例えば、個人のサイトで、地名をコピーに利用したところ、コンバージョン率が30%増加していた。また、ランディングページの上部からロゴを外した結果、さらに18%増加したことも判明した。

他に、ランディングページのコンバージョンを高める方法をご存知だろうか?

サイトにこのインフォグラフィックをエンベッドする(下のコードをコピー & 貼り付け):


この記事は、Quick Sproutに掲載された「7 Landing Page Flaws That Kill Your Conversions (and How to Fix Them)」を翻訳した内容です。

各項目自体は基本的な内容ですが、一緒に紹介されていその際は、こちらのランディングページ作成サービスもご検討ください m(__)m — SEO Japan [G+]