アルゴリズムアップデートの影響は早いが、テクニカルな変更は影響が遅い

サイトの順位が変動するのには、Googleのアルゴリズム変更、自社サイトのコンテンツや技術仕様の変更、競合サイトの台頭、など様々な理由があります。Googleのジョン氏は、アルゴリズムのアップデートがサイトに影響を与えるのは、自サイトにテクニカルな変更を加えるよりも素早く影響を与えると述べました。
— SEO Japan

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Goolgeのジョン・ミューラー氏はウェブマスターハングアウトで、「もしサイトの順位が一日で大きく下落して、Googleのアップデートだと周りで騒がれていれば、おそらくそれは検索順位アルゴリズムの変更が完了したことに関係しているであろう」と述べた。ジョン氏はさらに、「サイトに技術的な変更を加えた時、一般的にはそれらの変更がサイト(の順位)に影響を与えるのは数週間から数か月かかる。これはアルゴリズム変動の影響よりも何倍も時間がかかる」と付け加えた。

なので、例えばURLの命名規則を変更したあとGoogleが全ての301を認識するまでのプロセスには時間がかかり、一晩で順位が下落するという事はない。その変動が影響するまでにはより長い期間かかり、より長く影響を持ち続ける。

しかしもしGoogleのアルゴリズムアップデートが、あなたのサイトを以前ほど良くないと判断した場合は、数日などの短い期間で即座に影響が出るだろう。

より抽象化していうと、全てのテクニカルな変更が長い期間を要するわけでは無い。もしGoogleからのサイトのアクセスを全てブロックした場合、すぐに順位は下落する可能性はあるだろう。
さらに全てのアルゴリズムがサイトに対して即座にインパクトを与える訳でもない。いくつかのアルゴリズムは世に出されるのに時間がかかり、新しいクロールと処理のみ取り上げるのである。

Glenn氏が以下のようにまとめてくれた。

(Glenn氏ツイート)アルゴリズムのメジャーアップデートによる影響は、直近の変更だとは限らない。大きいサイトであれば、Googleのアルゴリズムがサイトの変更に対応するのには時間がかかるだろう。再クロール、再インデックス、再処理を行うのに数か月かかる可能性もある。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Algorithm Updates Impact Sites Quickly, Technical Changes Take A While To Impact A Site」を翻訳した内容です。


本文中でも述べられているように例外は存在しますが、サイトに技術的な仕様変更を加えた場合は、適切な経過観察期間を設けることが必要なのかもしれません。
— SEO Japan

GoogleのSEOはかつてより難しくなった?ここ数年で何が変わったのか。

Googleのアルゴリズムは日々進化を繰り返していますが、振り返ってみるとここ数年でSEOの難易度は上がっています。どのような変化がGoogleの攻略をかつてよりも難しいものにしているのでしょうか?
— SEO Japan

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いまWebmasterWorldでは、「GoogleのSEOはここ数年で何が変わったのか」という興味深いトピックが持ち上がっている。
特に、2016年に使われていたテクニックがなぜ効果がなくなってきているかの話題が盛り上がっている。

過去数年でSEOがどれだけ変わったのか、そしてGoogleのトラフィックが減ったのか、増えたのか、変わらなかったのかについて色々と考えさせられた。

なので、Google Analyticsにて一昨年の同時期のトラフィック数と比較してみたが、Googleからのオーガニックトラフィック数は20%上昇していた。

もちろんデータをめちゃくちゃにしてしまうようなものの可能性もあり、GoogleAnalyticsはこれを除外はしてくれない。
これは予想だが、おそらくGoogleからのトラフィックはそこまで変わってはないはずだ。なぜか?ここ数年でそこまで大きな変更はしていないからだ。

もちろん、書いている中で私のライティングが良くなっていることは望ましいことだ。Googleもそれを良しとしている。

しかし、15年間SEOとGoogleのアップデートを見て、書いてきて、特にここ数年では何が変わったのか?過去数年では効果があったのに、現在人々が困っていることは何だろうか?

私が思いつく限りで、SEOは数年でこのように変わってきたように思う。

  • コンテンツの質
    Googleは良い品質のコンテンツを望んでいる。特に英語ではその傾向が強い。
    数年前よりも良いコンテンツを決定することにおいて、はるかに成長している。
    もちろんと時に誤りは犯すが、だからこそより良くするためにアルゴリズムのアップデートを継続している。
  • レス イズ モア
    たくさんの質の低いコンテンツよりも、少ない質の高いコンテンツの方が良いとされている。
    これはパンダアルゴリズムアップデートによるものであったが、より多くの領域で語られるようになった。
    他の人間がが何と言おうとも、コンテンツプルニング※(Conent pruning)は現実的な選択肢である。
    ※コンテンツプルニング・・・質の低いコンテンツ等を「Noindex」などを利用してGoogleの評価対象から外すこと。
  • リンク
    アルゴリズム、そして手動により、Googleは良くないリンクに対しては評価を下げている。
    リンクファーム(※1)やPBN(※2)を活用して数日でランキングが上がるという簡単なものではなくなった。
    ※1 リンクファーム・・・相互に大量のリンクをもったウェブサイト群を人為的に大量生成し検索エンジンスパムに活用する、というかつて有効であったSEO手法の一つ
    ※2 PBN(Private Blog Networks)・・・保有する小規模なブログ(プライベートブログ)をネットワーク化したもの。オーガニックトラフィックを増加させることを目的として使用される。
  • ユーザー体験
    かっこよく、簡単なUXが優れたサイトがパフォーマンスを発揮するようになっている。
  • 競争の激化
    数年前より、同一のキーワードに対してより多くのウェブページがしのぎを削るようになっている。
  • GoogleのUIの変化
    もちろん強調スニペットや、広告の位置の変更、音声検索、新しいユーザーインターフェースなどが該当する。
    Googleからのトラフィックにおいて、これらは何かしらの役割を担っている。

要約すると、同じことを延々と継続していては、悪くなることはあっても良くなることはないだろう。
常に改善をしつづけずに、なぜ検索エンジンで上位を維持することが出来ようか。継続した改善が必要だ。
10年前は素晴らしかったが、その後ヒット作に恵まれなかった俳優のようになってしまう。
時には自分自身を再開発し、認知されるためにあっと言わせるようなことをしなければならない。

皆はどう思うだろうか?


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「SEO For Google Now Harder? What Has Changed Over The Past Few Years?」を翻訳した内容です。


記事中では、特に英語においてコンテンツの質が求められると書かれていますが、日本語でも同様、もしくはそれ以上にコンテンツの質が求められているように感じます。
地道な努力の積み重ねこそが、今日のSEOにおけるベストプラクティスかもしれません。
— SEO Japan

コンバージョン率最適化とA/Bテスト : SMX West2018 ワークショップ

その名の通り、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)には密接な関係があります。SEOで得た流入をコンバージョンへと変換してこそ、ビジネスゴールを達成できるはずです。今回参加したSMXでは、12年間に渡り米国のCRO業界を牽引してきたアヤット・シューケイリー氏のワークショップに参加し、さらにSEOJapanとして独占インタビューをしてきました。– SEO Japan

コンバージョン率最適化とA/Bテスト

アヤット・シューケイリー氏について
米国で2番目のCROベンダーであるInvespの共同創業者。代表著書として、オライリーの「Conversion Optimization」がある。
アヤット・シューケイリー氏

あの企業ではどれくらいのテストが行われているのか

Netflix・・・年間1200以上のテストを実施
Booking.com・・・1000テスト以上が現在行われている
Facebook・・・99%の確率で10個のテストに巻き込まれている
Amazon・・・2011年には、7000テストが実施されている
Google・・・昨年は10万のテストが行われた

過去の経験からの学び

  • UIの要素を単体、パターン、機能でテストするということはない。特定ユーザーに対して特定のシナリオの中でテストを行うのである。
  • 他のサイトで上手くいったことが、あなたのサイトで上手くいくとは限らない

多くの人が弱いところ

  • 専門家としての見解
    • 整然としていない
  • 定性調査
    • 現実味がない
    • ランダムに実施される
    • 明確なネクストステップがない
  • 定量調査
    • イベントが適切に設定されていない・・・ゴミデータからはゴミアウトプットしか返ってこない
    • 当たり前すぎる
    • 現実を表していない
  • 優先付け
    • ランダムに優先順位付けをしている
  • 仮説設計
    • 意味のある仮設設計になっていない
  • テスト
    • 統計を理解していない
    • ユーザビリティテストをしていない
  • テスト後分析
    • 結論の導き出し方
    • 訪問者の理解の仕方
    • 勝者ばかりを見てしまう
    • 資料化、学習、そして興奮を共有すること

SHIPメソッド

CROを実施する過程をScrutinize(調査)、Hypothesize(仮説設計)、Implement(実行)、Propagate(展開)に分類。Invespが提唱するCROメソッド。

SHIPメソッド

Scrutinize(調査)

調査の過程で発見された課題点は、以下の4つのカテゴリに分類される

  • FIX IT RIGHT AWAY(即座に直すべき)・・・簡単なユーザビリティの改修など、テストをするまでもなく直すべき点(出血を止める)
  • INSTRUMENT(計測)・・・Google アナリティクスやタグマネージャーでの追加の設定が必要
  • RESEARCH OPPORTUNITY(調査可能)・・・テストをして検証をすべき領域
  • INVESTIGATE FURTHER(より深い調査)・・・顕在化はしていないが、ユーザーに何かしらの影響を与えている可能性がある領域。ユーザーに与えている影響を判断するために、別の調査が必要

調査フェーズ仕分け

シナリオ設計

誰をターゲットにするかは明確にしなければならない。
なぜなら、我々はこうあって欲しいという姿を顧客に求めてしまうからだ。あなたはあなた自身の顧客ではないのだ。

ぺルソナの設計(例:スーザン)
Suzan
ユニークな贈り物を友達にするためにウェブサイトを見ている
年齢、仕事、家族構成、年収、居住地域、パーソナリティ
生い立ち、贈り物をする背景
トリガーとなる言葉、目的、懸念事項、オンラインショッピングでの行動、モチベーション

定性調査

調査の流れ

  • 調査プランニング・・・調査のゴール、聞くべき質問、使用する手法、参加者数を選定
  • 調査実施・・・調査を実施し、データを集める
  • 調査結果分析・・・集めたデータを分析し、パターンを導き出し、行動可能なインサイトを得る

調査手法の種類

1体1インタビュー グループインタビュー ユーザビリティテスト 市場調査
収集できる情報の種類 深いペルソナに関する情報 市場に関するおおまかな見解 マーケットの情報は得られない 限られた市場の情報
市場に関するおおまかな情報 ×
ウェブサイトの機能に関する情報 ×
参加者への関与 ×

調査事項

  • モチベーション
    • なぜウェブサイトにやってきたか?
    • ウェブサイトで何をするつもりか?
    • どのようにしてウェブサイトを知ったか?
    • 今日はどうやってサイトにアクセスをしたか?
    • このページで何を見つけたいと思っているか?
  • 障害
    • 購入を完了する妨げとなったものはあるか?
    • 購入を断念しそうになった要素はあったか?
    • このページで改善した方が良いと思うことはあるか?
    • このサイトで注文する上での最大の懸念点は何か?
    • 今日注文をしない場合、その理由は何か?
    • 購入を完了する前に何か疑問点はなかったか?
    • このサイトを使いやすくするためには何をすれば良いと思うか?
    • このサイトを使っていて、予想と違う動作などはなかったか?
  • フック
    • なぜ我々から購入しようと思ったか?
    • 我々のサイトで最も気に入った点はどこか?
    • あなたにとって必要不可欠なものとなるために、必要な機能は何か?
  • 満足度
    • 友達に我々のサービスをどれだけおすすめしたいと思ったか?
    • 今日のウェブサイトでの体験を5段階で評価すると?
    • 我々のウェブサイトはあなたの期待に応えられたか?
    • このサイトを使っていて、予想と違う動作などはなかったか?

iPhoneのケースを販売しているECサイトの例
購入を阻害しているものは何か?

質問:購入を阻害しているものは何か?

  1. 必要な情報が見つからない
  2. 自分のスマホのサイズに合うか分からない
  3. 他の色が欲しい
  4. 送料の表記が見つからない
  5. 価格を比較したい

これらの質問の回答に対して、対応方法を分類していく。

対応方法

回答 テスト すぐ直す 調査 実行 備考
必要な情報が見つからない 何が情報として不足しているのか?
自分のスマホのサイズに合うか分からない 表記の仕方を変更する
他の色が欲しい バリエーションはあるが、適切に表記されていない
送料の表記が見つからない どうしたら視認してもらえるか
価格を比較したい

コンバージョンを増加させたデザインはこちら
勝ちデザイン

理由

  • ソーシャルプルーフを目立つところに配置
  • 最大4つの商品の利点を紹介
  • 論理的なペルソナのために機能を更に表示
  • 対応機種を明確に表記

表層意識と潜在意識
調査の回答には往々にして、「顕在化している意識」や、
「考えたり感じたりすることはできるが、口には出したくないこと」などが現れる。

しかし行動を左右していた考えなどは、潜在的な意識に落ちている可能性は現実にあり得る。
「感じることはできるが言葉には言い表せない」
「まだ気づいていないが、言われれば気づくことが出来る」
「認識はしていないが、自分の行動や感情に確実に影響している」
ことなどがそれにあたる。

1950年代ニューヨークで、エレベーターの待ち時間が長いことが問題となっていたが、
これを解決したのが「鏡」を設置することであった。
mirror

これは人々が抱える潜在的な課題を解決した良い例である。

Hypothesize(仮説設計)

PIEフレームワーク

ページ階層ごとに、3つの指標をウェイト付け。

  • Potential(ポテンシャル)・・・どれくらい改善の余地があるか?
  • Importance(重要度)・・・そのページにとってトラフィックがどれくらい重要か?
  • Ease(容易さ)・・・テストを、ページやテンプレートに実装するのはどれくらい技術的に、社内政治的に大変なものか?

PIEフレームワーク
※ホームページ、チェックアウトフォーム、商品ページに対して3つの指標からスコアリング。上記の例では、PIEスコアが最も高いのはホームページであった。

ここから各問題点毎に、優先度付けを行っていく。Invespでも独自の優先度付けモデルを使用している。
優先度付けモデル

問題点の要素

  • 潜在的なインパクト
  • 調査のどの過程で見つかったか?
  • アボブザフォールド(ファーストビュー)

テストアイディア

  • テストを実施することで主要コンバージョンに良い影響はあるか?
  • 実装の難易度はどれくらいか?(社内政治的な意味でも)
  • 訪問者の信頼を向上させるものか?
  • テストアイディアはユーザーのFUDs(恐れ、不安、疑念)を減少させるものか?
  • 訪問者の行動を促すものか?
  • エンゲージメントを高めるものか?
  • 変更の種類は?
  • ページの種類は?
  • どれくらいのページを閲覧したか?

優先度付けを行い、最終的には以下の形に集約する。
PostPrioritization
※各サイト内の課題点毎にグルーピングを行い、右列のPriorityで優先度をまとめている。

Implement(実行)

仮説設計が完了したら、テストを通して検証を行う。しかしABテストを行う際は、統計的に適切なサンプルサイズを対象としなければ、誤った帰結を得てしまう可能性がある。

偽陽性と偽陰性

テストを行い、誤った帰結を得てしまうパターンには、大きく分けてFalse Positive(偽陽性)、False Negative(偽陰性)の2種類がある

  • False Positive(偽陽性) / タイプ1エラー・・・誤っていることを正しいと結論づける。 (例:あなたは妊婦ですという医者。事実、患者は妊婦でない。)
  • False Negative(偽陰性) / タイプ2エラー・・・正しいことを誤っていると結論づける。 (例:あなたは妊婦ではないという医者。事実、患者は妊婦。)

Type1Error

検出力(Power)と有意(significance≒confidence)

  • 検出力(Power)・・・もし検出力を80%に設定すると、タイプ2エラーを起こす確率が20%くらいということになる。実際は正しいのに、誤っていると判断してしまうリスクを下げるためには検出力を高く設定する。
  • 有意(significance≒confidence)・・・有意を95%に設定すると、タイプ1のエラーを起こす確率が5%以下という事である。実際は誤っているのに、正しいと判断してしまうリスクを下げるためには有意を高く設定する。

テスト期間の試算

AB test size calculatorより試算を行うことが出来る。
テストページからのコンバージョン率を入力
キーとなる指標の予測改善率を入力
該当ページのユニークユーザー数を入力
検出力(Power)と有意(significance≒confidence)を選択
以上の手順から、ABテストに必要な期間を試算することが出来る。

Propagate(展開)

テスト結果が得られたら、そこからの気づきを展開していく。
Propagate

明らかにすべきこと

  • 結果はどのようなものだったか?
  • そこから何を学んだか?
  • 次のステップは何か?

セグメント分けは重要

常にデバイスでのセグメントは行う
セグメントをしすぎる前に、トラフィックの量を考慮する
トラフィックが十分だったか

次のステップ

  • 反復する
  • ピボット(妥当でない仮説が得られた場合)
  • より深く調査する(Investigate Further)
  • 他の調査可能範囲(Research Opportunity)に対して、新しくテストを行う
反復

反復には様々なアプローチの方法がある。

  • バリエーションをテストするセグメントを選びなおす
  • そのセグメントでは適用されなかった他のバリエーションを試してみる
  • 勝ちパターンvsオリジナルパターンの2者でテストをやり直す

反復のサイクル
反復サイクル
※(上から順に)改善するコンバージョンを決める ⇒ 仮説の変更 ⇒ 変数を特定し生成する ⇒ テストを実施する ⇒ 結果を測定する

ピボット

妥当でない仮説が得られてしまった場合、どこが誤っていたかを調べる。

  • 仮説が誤っていたのか?
  • データセットが誤っていたのか?
  • 解決策が誤っていたのか?
より深く調査する(Investigate Further)

テスト結果を解析し、ユーザーに影響を与えているというデータが十分に集まっているのならば、ABテストやユーザビリティテストなどでの調査可能範囲(Research Opportunity)として扱う。

エントリーフォームの例

Before

このページにおける離脱率が高く、カスタマーインタビュー等でこのページの情報には懸念があることを表していたので、
我々はページをより読みやすくシンプルにし、インセンティブを含むことで、離脱率を低下させ、コンバージョン率を10%上げることが出来ると考えた。

そして、この仮説を基にテストを実施した。

After1

しかしテストの結果、コンバージョン率が10%低下してしまった。

そこで、計算式の箇所の情報がユーザーの認識を低下させていると仮説を変更し、計算式の箇所のシンプル化を行った。

After2
その結果、コンバージョン率は35.4%向上した。

他の調査可能範囲(Research Opportunity)に対して、新しくテストを行う
  • 貴重な情報はテストのインサイトから来る
  • その情報を優先度付けシートに入れ込む
  • すでにテストで検証された項目ごとに、優先順位をつけて実施する。

世界が取り組むCRO


「実験の数を100から1000に増やすことが出来たならば、生み出すイノベーションの数も劇的に増えるであろう。」― Amazon CEO ジェフ・ベソス氏
ジェフ・ベソス氏

「Facebookのフロントのメンバーは、上司の許可なく1~10万規模のユーザーに自身で考えたテストをして良いことになっている。実際、Facebook上では常に何万もの実験が行われている。この仕組みは官僚的な階級制度や、無駄なミーティング、政治を排除している。」― Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏
マーク・ザッカーバーグCEO
コンバージョン最適化はリニアではなく、顧客ドリブンなものである。

アヤット氏インタビュー

世界のトップレベルCROストラテジストと話す絶好の機会という事で、ご本人に直接インタビューをしてきました。

アヤット氏インタビュー

SEO Japan:早速ですが、13年間アメリカでCROの推進をしてきた中で、どのような障害に直面しましたか?日本ではSEOとCROの管轄部署の違いなどが課題になっています。

アヤット氏:私がCROを始めたころは、責任者に話をしても「CRO?何の略?SEOじゃないの」という感じだったわ。だからまずはこういうカンファレンスでCROのイントロダクションなどを通して彼らを教育して、興味を持ってくれるような会社に対してはなぜCROが重要なのかを伝えるところから始めたわ。
でも彼らからマーケティングの予算をとる時は、オンラインでのデータ等を見せるようにしていたわね。

SEO Japan:では、そのデータをベンチマークとして企業に提示していたんですね?

アヤット氏:その通り。証拠を見せるのが最も簡単なコミュニケーションの方法だからね。特に「これだけ収益を逃しているのよ」というデータは効果的ね。「なんでみすみすこれだけのユーザーを見逃してしまっているの?」ってね。

SEO Japan:それは理解しがたいですね。

アヤット氏:そう。彼らには「今あなたたちはたしかにこれだけの収益を上げているけど、本来は○○ドル上げられるチャンスがあるのに見逃してしまっているの。」と言ったわ。日本なら、円(YEN)ね 笑。 彼らにとっては切実な問題だから、サイトに訪れた後のコンバージョンを改善してあげる必然性が生まれるのね。

SEO Japan:なるほど。

SEO Japan:もし提案先がSEO対策もしておらず、十分なトラフィックを得ていない小さな企業のような場合はCROサービスは提供していなかったのですか?

アヤット氏:もちろん流入のある大きな会社に対してもそうだけど、小規模な会社に対してもユーザビリティの改善等は行っていたわ。
たとえ規模が小さかったとしても、決定的な欠陥が無くユーザーが使えるようにするのはトラフィックを増やすのと同じようにやるべきことなのよ。

SEO Japan:(ワークショップで言及していた)「Fix it Right Away(すぐに直すべきこと)」を無くせってことですね?

アヤット氏:小さな会社ならば、大体がRight Away(すぐにやるべきこと)ね。

SEO Japan:CROの提案をするにはどれだけのトラフィックが必要と考えてましたか?

アヤット氏:私たちはコンバージョンに基づいて、提案するかを考えていたわ。ワークショップで見せたスライドで100~150CVくらいと見せたけど、統計的優位性を考えるとそれくらいね。
でももし、この水準に達していない会社に提案をすることになったとしましょう。それでもテストをしなければならないときは、ページ単位での遷移を見たわ。購入だけがコンバージョンではないの。

SEO Japan:つまりマイクロコンバージョンを設定したと?

アヤット氏:そうマイクロコンバージョン。だからゴールは「このボタンをクリックするか」というところになるわね。

SEO Japan:サブスクリプションに結び付くかなどもこれに入るわけですね。

SEO Japan:最近巷ではAIに関連する商品やサービスなどがあふれていると思いますが、AIとCROが組み合わさるとどのようなことが起きるでしょうか?

アヤット氏:実際、AIを使って次にテストすべきことを予想するようなテストエンジンなどはもう生まれているわよね。でも、私はこれに対しては少し懐疑的だわ。
なぜならCROで大事なのは顧客に「共感」することだと考えているからよ。これはロボットにできるかしら?
ロボットはデータをアウトプットすることには優れているかもしれないわね。でもCROではそのデータから意味を導き出して、顧客のインサイトを理解することが必要。その点においては人間の方が優れているから、AIにCROストラテジストの仕事をさせるのは難しいと思うわ。
それらの技術をどのように使うかをどう使うかを考えるべきだけど、少なくとも現状のAIには限界があると思う。でも、特に日本はエンジニアが優秀なエンジニアがいるから、優れたものが生まれると思うわ。

SEO Japan:Optimizely、VWO、Google Optimizeなど様々なCROツールがあると思いますが、アヤットさんから見て、最も有用なツールは何でしょうか?
アヤット氏:それぞれにプロコンがあって、費用も違うから一概に言うのは難しいわね。マーケティングのツールは市場に6000もあると言われていて、それぞれが必要なシチュエーションにおいて役割があると思うわ。


米国では名だたる企業が実践しているという事もあり、CROの重要性は日本以上に認識されているなと感じました。
アヤット氏は物腰が柔らかく、突然のインタビューにも関わらず快く応じてくださりました。また、Invespのブログ記事の紹介に関してもご快諾いただけたので、今後SEOJapanでも記事をご紹介して参りたいと思います。
— SEO Japan

Googleがモバイルファーストインデックスを拡大させ始めた模様

いよいよGoogleがモバイルファーストインデックスを本格化させたようです。米国では、すでにサーチコンソール上で通知を受けているサイトもあるようです。– SEO Japan

Google begins rolling out mobile-first indexing to more sites
Googleはモバイルファーストインデックスへの移行を加速させているとアナウンスした。Google曰く、この移行はモバイルファーストインデックスのベストプラクティスに従っているサイトのみ対象となっているとのことだ。

今回はGoogleが多くのサイトをモバイルファーストインデックスに移行していることを初めて認めた形となった。Googleは昨年の10月に限られた数のサイトが移行しているとアナウンスしていた。しかし、このアナウンスはモバイルファーストインデックスへの大規模な移行は既に始まっていることを意味しているようだ。

Googleはウェブマスター、サイト管理者に彼らのサイトがモバイルファーストインデックスに移行したことをサーチコンソール上のメッセージで通知するとしている。以下が通知画面のスクリーンショットだ。

モバイルファーストインデックス通知

※SEO Japan翻訳(注:日本語版のサーチコンソールの通知とは異なる可能性がございます)

www.example.comでモバイルファーストインデックスが有効化されました。

www.example.comの管理者様へ、
これによりスマホ版Googlebotのトラフィックが増えているのを、ログ上で確認できるようになるでしょう。さらに、Googleの検索結果のスニペットがモバイル版のコンテンツより生成されていることも確認できるはずです。サーチコンソールレポート上や、Google検索結果上では、他のいかなる変更も確認できないはずです。

Googleは「サイト管理者は、スマホ版Googlebotのクロール率が著しく上がっていることを確認できるだろう。加えて、Googleの検索結果、キャッシュページとしてモバイル版を見せることになるだろう。」とも述べている。

モバイルファーストインデックスとは?

GoogleはGoogleがどのようにあなたのサイトをクロールするかという事であると述べている。Googleは一つのインデックスしかもたないが、どのようにクロールしてインデックスを生成するかにおいてはモバイルファーストの体験が進められるだろう。

おさらいとして、私たちのクローリング、インデキシング、そしてランキングシステムはデスクトップ版のコンテンツを使用していた。ゆえに、デスクトップ版がモバイル版と大きく異なる場合において、モバイルでの検索者に対して問題を起こしていた。モバイルファーストインデキシングは、主にモバイルを使用するユーザーが探しているものを見つけるのを助けるために、インデキシングとランキングにモバイル版のページを使用することを意味している。

Googleはモバイルファーストインデキシングに関するデベロッパードキュメントで詳細を述べている。私たちのMFIに関するFAQもチェックしてほしい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google begins rolling out mobile-first indexing to more sites」を翻訳した内容です。


まだ日本語での通知は確認できていませんが、通知が来ることはどうやら間違いないようです。それでも気になる方はログファイルを見てスマホ版Googlebotが来ているかを確認すると良いでしょう。– SEO Japan

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音声検索とバーチャルアシスタントのためのコンテンツ最適化:SMX West 2018レポート

音声検索は特にアメリカSEO界隈ではホットなトピックの一つです。ただセッションの前の前談で、モデレーターから「既に音声検索に取り組んでいる人?」というオーディエンスへの質問に対して、ほとんど会場で手を挙げる人がいなかったことからも、実際のインハウスレベルで音声検索に対しての取り組みはまだまだこれからのようです。
音声検索の時代にはどのようにコンテンツを作り、最適化を行うべきなのか、そのヒントとなりそうなセッションをSMXよりご紹介します。–SEO Japan

音声検索とバーチャルアシスタントへの最適化のテクニック

スピーカー
Arsen Rabinovich氏 Founder / Director of SEO, TopHatRank.com LLC, @tophatarsen
Arsen Rabinovich氏

2017年12月、音声検索の品質評価ガイドラインが公開

評価のための4つの指標をGoogleが提供

  1. 情報が十分か?(正確さ)
  2. 回答の長さ
  3. 形式(理解しやすさ)・・・文法も重要
  4. 発音(私たちの問題ではない)

検索クエリによるアシスタントでの検索結果の違い

ウォーキングデッドに関する様々なクエリのモバイル版検索結果と、アシスタントの回答を比較。

OK Google、ウォーキングデッドでリックグリムスを演じていたのは誰?
検索結果:アンドリュー・リンーカンのナレッジグラフが表示される。
アシスタント回答:リックグリムスは、アンドリュー・リンカーンが演じています。
データ引用元:SERPs、アシスタント一致。エンティティ検索結果(Wikipediaからデータを引用)
OK Google、ウォーキングデッドでリックグリムスを演じていたのは誰?

OK Google、ウォーキングデッドのコミックは何巻まで出てる?
検索結果:ウォーキングデッドの巻数に関する強調スニペットが表示される。
アシスタント回答:ウォーキングデッドは6巻まであります。
データ引用元:SERPs、アシスタント一致。強調スニペット(Skybound.comよりデータを引用)
ウォーキングデッドのコミックは何巻まで出てる?

OK Google、ウォーキングデッドのコミックはどこで買える?
検索結果:ウォーキングデッドを購入できるECサイトを表示
アシスタント回答:近くで数件の本屋を見つけました。一軒目はコモンズ通り4735のBarnes&Noble…
データ引用元:SERPs、アシスタント不一致。アシスタントはマップから得られるローカル検索結果を返している。一方SERPsにローカルパックはなく、ECサイトの情報を引用している。
ウォーキングデッドのコミックはどこで買える?
ウォーキングデッドのコミックはどこで買える?

エンティティナレッジ ボックス/カード検索結果

Wikipediaなど、Googleが信頼している情報ソースに多く取り上げてもらうことが大事。

またSchemaマークアップもとても重要。エンティティの理解と他の恩恵をもたらしてくれる。

マークアップを通してGoogleや他の検索エンジンへ情報を与え、Googleから信頼できる情報ソースとして見られる必要がある。
エンティティのマークアップは人や組織のレコードを含まなければならない
エンティティナレッジボックス/カード結果

  • url – 公式ウェブサイトのURL
  • sameAs – 公式ソーシャルメディアのプロファイルページのURL

マークアップに関しては以下のサイトが有用である。

強調スニペット

  • Schemaマークアップは必須ではない。
  • h1, h2, ul, ol, liを用い適切に構成されたコンテンツであること。
  • サイト全体の品質を上げる
  • 高解像度の画像を使い、強調スニペットの内容に沿ったものにする。

音声検索の結果のうち40%は強調スニペットから来ている。

データの引用元について

  • H2がタイトルとして引用される。
  • H3はリストとしてつかわれることもあるが、Googleとしては<li>を好んでいる。
  • Googleとしては50Word以下の強調スニペットを好む傾向がある。
  • 一つのページから複数の強調スニペットを得ることもある。

強調スニペットに最適化するために有用なソース

ローカルインテント

Googleマイビジネスに関しての設定が必要。

ローカルSEOのTIPs

  • Googleマイビジネスを有効化する
  • 関連するカテゴリを設定する
  • 自サイトへのリンクを設定する
  • 営業時間と連絡先を記入する
  • 名前、住所、連絡先が一致しているようにする
  • 顧客から評価を受ける
  • 高画質な画像を使う

おまけのTIPs

  • マークアップしたFAQを作る
  • 取り扱っているサービスや商品のブランドを載せる
  • その他の顧客が望む可能性がある重要な情報を載せる(無料見積もり、当日配送、返品規約、無料駐車)

それぞれのクエリにどう最適化するか?

チャンスを見つける

  • ターゲットとするオーディエンスは誰か?
  • 何を達成しようとしているのか?
  • 自社の商品やサービスに関して、顧客のFUDS(恐怖、不安、疑い)は何か?
  • どのように彼らを助け、教育することができるか?(非商業的インテント)

これらに答えるために「ANSWER THE PUBLIC(キーワードに関連する音声キーワードのサジェストを取得するツール)」というツールを使うとよい。

例えば、以下のようなユーザーの声を確認することができる。
ANSWER THE PUBLIC

  • クレジットカードマシンをリブートするにはどうすればよい?
  • クレジットカードマシンはどうセットアップすればよい?
  • クレジットカードマシンの用紙を変えるにはどうすればよい?

などである

しかし、今回の場合フォーカスすべきなのは、以下のようなクエリである。
クレジットカードマシンはいくらで買えるか?

この検索ワードを使うユーザーは購入ファネルの入り口に立っており、私たちは彼らからプロフェッショナルとして見られる必要がある。

実際に検索をして、どんな検索結果なのかを見てみると、現在はNerdWalletのコンテンツが強調スニペットとなっている。
また、NerdWallet内のオリジナルの文章と比較してみると、強調スニペットにおいては文章の圧縮が行われていることが分かる。
強調スニペット

コンテンツのカバー範囲について

  • 単一の質問に関する質問、クエリをカバーするべきか?
  • トピックを全体的にカバーするべきか?

という観点からも考える必要があるので、ANSWER THE PUBLICで、関連するクエリを調査すると
関連するクエリ調査

  • クレジットカードマシンはいくらで買えるか?
  • ポータブルクレジットカードマシンはいくらか?
  • クレジットカードマシンの手数料はいくらか?
  • クレジットカードマシンはいくらで借りられる?

などの関連するクエリがあることが分かる。

以下のようなコンテンツの構成でクエリをカバーした。
head
タイトル:クレジットカードターミナルを維持するのにかかる真の費用
body
h1:クレジットカードターミナルの真の費用
p:コンテンツの概要を簡単に説明するための段落
h2:クレジットカードマシンはいくらか?
img:alt=”クレジットカードマシン費用”
p:問いの回答となる短い段落
h2:クレジットカードマシンを借りるにはいくらかかる?
img:alt=”クレジットカードマシンを借りる”
p:問いの回答となる短い段落

このような流れでコンテンツの最適化を行うのが良い。

音声検索とバーチャルアシスタントへのコンテンツの最適化

スピーカー
Benu Aggarwal氏 ー President & Founder, Milestone
Benu Aggarwal氏

音声検索はタスクベースの検索であり、日常の様々な場面で使われている。また、音声検索をどのようなシチュエーションで使うのか?という調査もある。
音声検索を日常のどこで使うのか?

シンディ氏のセッションにもあったように、音声検索はエンティティに関連するものである。

音声検索をするとデータベースを通して、あなたのウェブサイトを見に行くことになる。この時必要なのはSchemaではなく、その情報をウェブサイト上に持っていることである。
音声検索はどのように動いているのか?

コンテンツ

ではどのように最適化ができるか?会話的クエリや質問検索に対してどのように対応すればよいのか?

これまでのSEOはキーワードのマイニングを行ってきたが、音声検索ではFAQのマイニングを行わなければならない。
またこれまで以上にWhy、How、Whatクエリをカバーしている必要がある。

検索における80%のクエリがインフォメーショナルクエリである。これらのクエリにおいてはユーザーがタスクを達成することの助けにフォーカスしなければならない。
ユーザーインテントにマッチしたコンテンツ
さらに自社に関する口コミを見れば、コンテンツに必要なインテントを統合することの助けとなる。

また音声検索という側面でみると、Schemaマークアップは必須ではない。
文字数でいうと強調スニペットの多くが50word以上で、段落強調スニペットが全体の80%以上を占めている。
強調スニペットー何をもってなければならないのか?

デジタルアセットとSchema

FAQから得られたユーザーのインテントに答える内容をホームページに入れるのが良い。
FAQをホームページに

もしホームページに入れるのが難しければ、サイト上の様々なところに入れるのが良いであろう。
サイト上の別のところへ追加

音声検索におけるランキングファクターの分析

サイト構造、ページスピード、セキュリティ、端的な答え、ドメインオーソリティ、ソーシャルシグナル、読みやすさ、文字数(段落強調スニペットが多い50word以上)
ランキングファクターではないもの

  • Schemaマークアップ・・・Schemaが使用されているページの割合は通常の検索結果と音声検索結果において大差はなく、これは音声検索において必ずしも必須ではない。
  • 厳密なクエリ・・・音声検索クエリ毎に個別のページを作るのは音声検索のSEO戦略として音声検索におけるランキングファクター効果的ではなさそうである。

音声検索におけるランキングファクターの分析

重要なチャネルを押さえる

ローカル検索

ナレッジグラフを活用するとよい。「サンフランシスコでインドアプールのあるホテル」と調べた時表示されるために、Schemaでマークアップしておくとよい。
サンフランシスコでインドアプールのあるホテル

AIの活用

またウェブサイトにおいてAI、チャットボットを活用すると自動で顧客のインテントに沿ったコンテンツを作ることが出来ると考えている。

チャットボットで質問
⇒ライブエージェントが対応
⇒学習システムと連携
⇒サイトのFAQに追加
⇒チャットボットでFAQをプッシュ
チャットボットとウェブサイト

音声検索においてSchemaマークアップの重要性が高くないというのは双方のセッション共に言及されている点でした。こちらの引用元となっているのがBACKLINKOのBrian氏の記事ですが、音声検索へのコンテンツの最適化の方法が分かりやすくまとめられているのでまた後日ご紹介したいと思います。-SEO Japan

最新のテクニカルSEO:SMX West 2018レポート

テクニカルSEOというとページスピード、タグ設計、リンク構成などカバーする範囲は多岐にわたり、押さえるべき項目も変化を遂げるため常にキャッチアップする必要があります。SMX Westで語られた最新のテクニカルSEO事情をご紹介します。–SEO Japan

ページスピードはどこまで早くなれば良いのか?(Bastian Grimm氏)

Bastian Grimm氏

昨今、Googleはページスピードにとらわれている。そして、正式にランキングファクターとして用いており、とにかくページスピードを速くするようにと促してくる。

しかし、ページスピードはUXの要素であると私は考える。

実際、ユーザーはモバイルのページスピードの遅さを、ホラームービーを見ること以上にストレスを感じている。
ページスピードの遅さはホラームービーを見ること以上のストレス
Ericsson ConsumerLab. Neurons Inc 調べ(2015年)

昨今のページスピード問題は、計測が機械的に行われているという事である。

ユーザー体験に基づくページスピードの考え方

ユーザー体験とパフォーマンス基準を変換するとこのようになる。

ユーザー体験 対応した技術的基準
サーバーは動いているか? FP(ファースト・ペイント)/FCP(ファースト・コンテンツフル・ペイント)
ユーザーがエンゲージするためのコンテンツがレンダリングされているか? FMP(ファースト・ミーニングフル・ペイント) ⇒ ヒーローエレメント
もう使うことが出来る状態か? TTI(タイム・トゥ・インタラクティブ)
スムーズか?良い体験か? 長期的に取り組まなければならない

ペイントのタイミングの計測と最適化

ペイントのタイミングの計測と最適化

#2 FP(ファースト・ペイント) - ブラウザが何かしらをレンダリングし始めるタイミング。
#3 FCP(ファースト・コンテンツフル・ペイント) - ブラウザがDOMからテキストや画像最初の要素をレンダリングし始めるタイミング。 
#5 FMP(ファースト・ミーニングフル・ペイント) - ヒーローエレメントがロードされている状態
#6 TTI(タイム・トゥ・インタラクティブ) - ユーザーが使うことが出来る状態

クリティカル・レンダリング・パス

イニシャルビューとビロウザフォールド

ページを最初にロードした際に見えないビロウ・ザ・フォールドよりも、イニシャルビューの方がユーザーにとっては重要である。

CSSOM:CSSオブジェクトモデル

CSSOM
CSSOMとは以下のようなものである。

  • CSSOMはページ上で発見されたCSS styleのマップである。
  • DOMと似ているが、HTMLではなくCSSを対象としている。
  • CSSOMはDOMと組わせて、ブラウザがウェブページを表示するために使われる。

ウェブブラウザはレンダリングのためにCSSOMを使用する

ウェブブラウザはレンダリングのためにCSSOMを使用する
ページの読み込みは以下のような手順で行われる。

  1. ウェブブラウザがHTMLを調べ、DOMを構築する
  2. ウェブブラウザがCSSを調べ、CSSOMを構築する
  3. DOMとCSSOMを組み合わせ、レンダリングツリーを構築する
  4. ウェブブラウザがページを表示する

ちなみにGoogleはCSSのためにGETリクエストを行っていない。インラインで記載を行っている。
Googleインライン

実際の導入はこのような手順で行うとよい。
IMG_1388

  1. 重要なCSSをインライン化する
  2. 重要でないCSSをrel=”preload”で非同期にロードする
  3. onloadでロードが完了したら一度CSSを適用する
  4. 非JSのリクエストをフォールバックする
  5. 古いブラウザのためにloadCSSを実装する

どれくらい効果があるのか?

実装結果
レンダリングまでの時間と、インタラクティブになるまでの時間の短縮に成功した。

  • レンダリングまでの時間 0.6秒 ⇒ 0.410
  • インタラクティブになるまでの時間 0.931秒 ⇒ 0.563

サイト構造にクロールデータを活用する(Brian Weiss氏)

Brian Weiss氏

なぜクロールをするのか?

  • サイトの構造とSEO的な問題を特定するため
  • モバイルとデスクトップの構成を均一にするため
  • 前回とのクロールの差分を正確に計測するため
  • リソースのリクエストをするためのデータを集めるため
  • 何か足りないものはないかを確かめるため
  • サイトの規模が大きく、全てのページを訪れるのは難しいため

有名なクローリングツール

  • DEEP CRAWL
  • Screamingfrong
  • BOTIFY
  • STONE TEMPLE
  • OnCrawl

クローラが集めるべき情報

IMG_1201
基礎的にはURLや、Canonicalなどの情報を集められる必要がある。

特に、情報をフォルダやページタイプ毎に仕分けをする能力は必須である。
IMG_1203

クロールを行う前の心構え

サイト内で何が重要なURLなのかを理解しておく
結果の予測をしてみる ⇒ 予測と結果の差分が分かる

見るべき重要なポイント

  • 重要なページに対して効率的にクロールされるような導線設計になっているか
  • Googleに薄いコンテンツとして見られていないか
  • クロールバジェットを有効に使えているか
  • タイトルや見出し、タグの設置に問題はないか

クロールを用いたインデックスに関する診断

各ページタイプごとの「ページ総数」と「インデックス可能なページの総数」を比較
⇒もしインデックス可能なページが、ページ総数の半分を下回っていた場合、処置をやりすぎている可能性がある。

処置法毎に生じるコスト

処置法毎に生じるコスト

Robots.txt クロールバジェットは保持するが、ページランクを垂れ流す Nofollowも同様だが、さらに悪い影響がある(内部リンクには使わないように)
Canonical ページランクを統合するが、2ページ分のクロールを必要とする
Noindex ページランクを渡し、クロールバジェットも消費する

処置法の選び方

  • ページランクをあまり渡さないページが大量にあるか? ⇒ Robots.txt
  • Canonicalのターゲットと適用法があるか? ⇒ Canonical
  • 上記の問いへの回答が全て「否」であり、インデックスされたくないページがあるか?⇒Noindex

デスクトップとモバイルのクロール分析

  • リンク均一性が保たれているか
  • コンテンツ均一性が保たれているか・・・Title、H1、メタディスクリプション、タグなど
  • ユーザーエージェントの一貫性があるか

まとめ

  • 見つけられないものは治すことが出来ない。クロールをしなければ、視覚的に把握することが難しい課題がある。
  • どの処置法でもコストが生じる
  • リンク構成はGoogleに対して、あなたがどのページを重要と考えているかを伝えることになる。
特にBastian氏のページスピードに関するセッションは、とにかく機械的に早ければ良いという考え方とは異なり、ユーザー視点でページスピードを考える上では非常に有意義なセッションでした。-SEO Japan

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MFI時代のエンティティとインテントの理解:SMX West 2018レポート

本日モバイルファーストインデックス(MFI)への切り替えに関するアナウンスがGoogleより正式にありました。しかし、そもそもGoogleはなぜMFIへの切り替えを行うのでしょうか?人々が使用するプラットフォームがデスクトップからモバイルに移行しているからでしょうか。モバイルファーストインデックスの切り替えを行った先にGoogleが何を見ているのか、Cindy氏のセッションの内容をお届けします。–SEO Japan

スピーカー
Cindy Krum氏 MobileMoxie CEO
Leslie To氏 3Q Digital SEOディレクター
※Leslie氏のセッションはこちらの記事でご紹介しています。

モデレーター
Barry Schwartz氏 SearchEngineLand、RustyBrick

MFI時代のエンティティとインテントの理解(Cindy氏)

MFI時代のエンティティとインテントの理解

MFIとは何か

Cindy氏

モバイルファーストインデックス(Mobile-First Indexing)とは何なのかをもう一度考えてみる。

IMG_0489

  • モバイル(本来のmobileという単語の意味は「可動性の、流動的な」など移動性があること) ⇒ ポータブル、デバイスを問わない、目を使う必要すらない
  • ファースト ⇒ 「優先する」という意味「~のみ」ではない
  • インデキシング ⇒ システム的に順番付けられた情報

つまり、「モバイルファーストインデックス」は「デバイスの垣根を超えたエンティティの理解」を意味する。
この文脈において、URLはもはや必要ではない。

Googleのインデックスにおいては、URLリンクの関係性が重要。
しかし、URLベースのSEOは終わりを告げるだろう

PWA

まずは、PWAがその例である。ServiceWorker、AppShellで実現している。
PWA

Google Action

Google検索の検索結果画面でも出てくるが、Google アシスタント上で呼び出すこともできる。
アシスタントから呼び出せば、画面を見る必要はなく声だけで完結させられる。

例えば、OpenTableはこんなユーザー体験を提供している。
OpenTable
ディナーの予約がしたい
⇒ Googleアシスタントで呼び出す
⇒ 人数は?何日の夜?何時?どこで?などの質問に答える
⇒ データベースを参照
⇒ 予約完了

重複して予約しそうになっても、すでに予約済みだとして警告を出してくれる。

Googleアシスタントストア

Googleアシスタントストアが公開。声だけでアクティベートができる。
Googleアシスタントストア

Googleインスタントアプリ

データベースを簡易的にアプリのように見せるということが可能になる。
大きな小売事業者などでは、部門や建物全体で働いている人が全員ウェブサイトの管理に携わっているということがあり得るが、本来はそうあるべきではない。
彼らは本来はデータベースの管理に集中できるべきであり、Googleはそれを直接インデックスできるようになるべき。
これはURLに基づかないものであり、これこそがモバイルファーストインデックスである。

エンティティ理解

エンティティを理解するということは、AIを作り出すことに近しい。
エンティティ理解のための質問
検索をした時の本当のインテントを複数の選択肢の中から回答する ⇒ AIをトレーニングしている

インターネットにおいては無限のものが存在しうる。インターネットの前は百科事典が役割を担っていた。

Googleがやろうとしていることは、様々な言語に対応する必要があるため、とても大変な取り組みとなる。

しかし、バケツはどこでもバケツだし、他のものとの関係も場所柄によって大きく変わったりすることはない。
バケツはバケツ
もはやURLに基づいてやる必要はないし、実際URLはインターネットの発展への妨げとなるであろう。

エンティティを理解した後はどうするのか?
⇒物事を4つに分類する
4つのバケツ

それぞれ4つの種類(情報、マップ、ショップ、メディア)のうち、一つ以上のバケツに分類される。
例)CDはメディアとショッピングの両方に当てはまる。

GoogleマイクロモーメントにおいてはInfo(情報)が一番重要

情報

Googleアシスタントなどでニュースカードを表示すると、エンティティのレーベルが付与されていることがある。
国ごとの検索結果を出すのにCCTLDを使用していない=国ごとにアルゴリズムを変えていない。
Googleはモバイル端末、アカウントを基にパーソナライゼーションをしようとしている。

エンティティの理解は画像検索であれば簡単だが、言語が絡むと難しくなる。

munich、München、ミュンヘン、など表記や発音が異なっても同じ地点を表している

別の例でいうと、例えば「tulip movie」と調べれば、どの言語においても同じチューリップフィーバーという映画の画像が返される。
⇒Googleはキーワードではなく、エンティティを理解しようとしている
チューリップ 映画

また、「青い椅子」の画像はページ内に「青い」や「椅子」という表記が無くても認識される。

なぜこれらが重要なのか?
モバイルファーストインデックスはAIドリブンであり、たくさんのデータやフィードバックが必要なため、全ての言語ごとにAIは存在する。
これらのAIをひとつの言語、エンティティに集約すると、一つの機械学習アルゴリズムに集約される。

エンティティで関連づけられているからこそ、画像検索クエリに合わせて「ビデオ、GIFs、ニュース、レシピ、商品」などのタグが付与されている。
また、「関連する検索」というのもエンティティを理解している証拠である。
他の人はこちらも検索

Schema JSON-LDは英語ベースのマークアップであるが、これがSEOのエンティティ理解にとってのロゼッタストーンとなるであろう。

Googleアシスタントでチーズと検索すると、関連するエンティティや、AIトレーニングが出てきたり、検索ワードを一部入力すると、続きのワードを具体化しようとしてくる(大きなクエリのビッグデータ)アプリのディープリンクや、プレイリストの曲や閲覧履歴などのパーソナル情報などの情報も候補として出てくる。
チーズで検索

Googleはビッグデータとパーソナル情報を網羅しようとしている。

きっと未来のアルゴリズムは、パーソナルインテントがどれだけ含まれているのかを理解し、それに応じてビッグデータとパーソナル情報の比重を決めるはずだ。

マップ

また、Googleはマップ上でもフィードバックを得ようとしている
マップ上質問
Googleマップでは、その国の言葉に翻訳してから場所検索をする必要はない。
ドイツで「Groceries Store(食料品店)」と検索すれば、食料品店を検索してくれる。
どこの国だろうと大体同じものを売っているので、食料品店はどこに行っても食料品店である。これもエンティティを理解しているおかげである。

AIをトレーニングするとともに、個人の好みなどパーソナル情報も同時に得ようとしている

(質問例)
クレジットカードは使えるか?
混雑していたか?
車いすでも入れる?
景色は良いか?
ユニセックスのトイレはあるか?
ダンスしに行くところか?

これらの質問に答えることで、GoogleのAIのためにカテゴライズしているのである。

買い物

Schemaマークアップが重要である。
例えばWheelチーズを購入したいと思ったときに「固め」「パルメジャン」「$80以上」等の情報でソートできる。
また価格、販売主、色、サイズなど、Schemaの情報に応じて商品のフィルタリングができる。
パルメジャン

配送の事を考えて、近い販売事業者を選定して表示している。ロイヤリティカード(日本でいうポイントカード)の登録をしていればそれに応じて選んでくれる。

メディア

動画や音楽などのメディアをGoogleHomeやクロームキャストに転送することが出来る。
ポータブルメディア
CESでビルトインモニターについてアナウンスがあった。これにより生活の様々な場面でGoogleアシスタントが使用できるようになる。

Google Play、Google Play Movies & TV、YouTubeでは同じ映画を見ることが出来る。
YouTube Music RadioステーションはAIを使って、Pandoraに対抗している。しかし、自分の好みの曲を勝手にプレイリストに追加してしまう。
例:Eminemのプレイリストにカントリーの曲が追加されている。
YouTube Music

好みのジャンル選択:トピック ⇒ スポーツ ⇒ 野球 ⇒ チーム
Googleアカウントを持っていれば、パーソナルデータがクラウドに集約される。
野球チーム

今後画像を選択する形式の質問など、よりAIのトレーニングクエスチョンを増やすであろう。
実際、YouTubeは従来では広告を表示していたところを、トレーニングクエスチョンに変えている。
例)下記の業界で働いていますか?下記の内で聞いたことがあるものはありますか?
YouTube質問

まとめ

  • 「モバイルファーストインデックス」は「モバイルファースト」や「モバイルフレンドリーデザイン」とは異なる。
    それはエンティティの理解であり、どのエンティティも少なくとも4つ(情報、地図、買い物、メディア)の内1つの種類に分類される。
  • また、新しいインデックスの手法として、PWA、Googleアクション、Androidインスタントアプリなどがある。

URLベースではなくエンティティベースの理解というのがGoogleが最終的に目指すべきところであるとするならば、SEOのあり方も今後数年で大きく変わる可能性がありそうです。
とはいえ直近のモバイルファーストインデックスの対応としては、モバイルのページ形式に合わせて対策を行うが重要です。詳しくは、Leslie氏のセッションの内容をご覧ください。

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【チェックリスト】MFIに向けてやるべきこと:SMX West 2018レポート

今年に入ってGoogleは、モバイルファーストインデックスに関するアナウンスを度々行っています。いよいよ到来するMFI…読者の皆さまはMFIに向けて準備をされていますでしょうか?別URL、ダイナミックサービング、レスポンシブなど、モバイルとデスクトップのサイト構成によってMFIの対策は異なります。まだこれからという方は、本記事でご紹介するLeslie氏のセッションの内容を基にチェックしてみてください。–SEO Japan

SEO For Google's Mobile-First Index & Mobile-Friendly World

スピーカー
Leslie To氏 3Q Digital SEOディレクター
Cindy Krum氏 MobileMoxie CEO
※Cindy氏のセッションは次回の記事でご紹介します。

モデレーター
Barry Schwartz氏 SearchEngineLand、RustyBrick

モバイル:やるなら今しかない(Leslie To氏)

Lislie To氏
スピーカー Leslie To氏

サイト構成に関わらず重要な要素

Things That Matter Regardless of Mobile Configuration
※重要要素には「○」

アクセシビリティ

  • リッチメディア
  • インタースティシャル ○
  • サイトナビゲーション

UX

  • スケーリング ○
  • テキストサイズ ○
  • タップターゲット、padding ○
  • ジェスチャー
  • サイト内検索
  • キーワードとタイピング
  • コンバージョンフレンドリー ○

サイトスピード

  • ページスピード

コンテンツ

  • 可読性スコア

クロールステータス

  • ログファイル解析

リッチメディア

HTML5を活用してビデオや、リッチコンテンツを提供する。サイト上で、ビデオをロード、デコード、再生させる。Flash等サポートされていない形式の使用はしない方がよい。

インタースティシャル

コンバージョンのためにフルスクリーンでインタースティシャル広告を表示させるのは、著しくUXを損なう。これはまだ良いケースで、最悪の場合Googleはインタースティシャルの裏にあるコンテンツを何も見てくれない可能性もある。バナーを活用した方がよい。

サイトナビゲーション

よくデスクトップ版サイトをタブレット版サイトに、そしてモバイル版サイトに中身を引き継いでいくケースがあるが、モバイルはデスクトップよりも表示領域が小さいので、多すぎる選択肢はユーザーを困惑させてしまう。Google Analyticsなどで、「サイト内検索」を見て、デスクトップよりもモバイルの方がサイト検索が多いのであれば、ナビゲーションに手直しが必要な可能性がある。
Site Navigability
※ページ右側のサイトでは、カテゴリーページに辿りつくまでに3クリックも要した

スケーリング

縦画面、横画面ともにデバイスの画面サイズに、コンテンツとメディアがスケールするようにすること。CSSで絶対値を使って大きさを指定したり、スケールした際に粗さが目立つような低画質な画像は使わないこと。
スケーリング

テキストサイズ

viewportの範囲でスケールするようにする。16pxをベースのフォントサイズとして必要に応じてスケールさせるように。ユーザーに無為にズームさせないように。

タップターゲット

  • タップターゲットの幅を最低でも48px以上に
  • タップターゲットの周りは少なくとも32pxは離す
  • ボタンをタップするためにズームさせない

タップターゲット

ジェスチャー

特にEコマースサイトなどでは、つまむ、ダブルタップなどの一般的なジェスチャーを使えるようにすること。ズームされた時に、粗さが目立つような低画質画像を使用しない。

サイト検索

コンテンツを探しやすくするために、サイト検索をできるようにする。必要に応じてサイト検索で使われている言葉をサイトナビゲーションへ追加する。多くのユーザーがサイト検索が無いと探せないほどに、コンテンツを深い階層に埋め込むのは良くない。

キーボードとタイピング

入力する内容に合わせてキーボードを変更する(URL、Email、数字)クレジットカードの情報などを入力する際に、様々なキーボードを行き来させるのはやめた方が良い。

コンバージョンフレンドリネス

フォーム入力であろうと、電話であろうと、購入であろうと、コンバージョンを簡単にした方がよい。またコンバージョンしようとしてから、ユーザーに3クリック以上させるのはやめた方がよい。

ページスピード

Googleはモバイルページスピードをランキングファクターにするようだが、ランキングに関わらずユーザーのためには配慮すべきである。

コンテンツの可読性

コンテンツ内で複雑な表現は極力避けた方が良い。「新奇性」が高く「難易度」が低いコンテンツはシェアされやすい。
Highly Sharable Contents

ログファイル解析

ScreamingFrog、botify、Deepcrawlなどのツールを使ってログファイルを解析し、GoogleBot Smartphoneがクロールしているかを確認するとよい。

Check Log Files for Evidence of Increased Crawling from Googlebot Smartphone

別々のURLの場合の重要要素

デスクトップとモバイルで個別のページを持っている場合、やるべきことは多い。
別URLのチェックリスト

URLとコンテンツ

  • モバイルからデスクトップ版への<link>属性 ○
  • Hreflangリンク ○
  • 重複コンテンツ
  • クロスリンク
  • URL構造

リダイレクト

  • 自動リダイレクト ○
  • 同等のURL間でのリダイレクト ○
  • リダイレクトに反してのページ移動 ○

クロールエラー

  • モバイルのみ404
  • モバイル404トラッピングページ

サーバー

  • クロール率の増加のためのサーバーのキャパシティ ○

双方向の<link>属性

双方向<link>属性
canonicalを設置して、重複コンテンツを回避する。

Hreflangリンク

Hreflang
インターナショナルコンテンツを持っている場合は、

  • モバイル他言語版URL ⇒ モバイル版URL へcanonical
  • デスクトップ版他言語版URL ⇒ デスクトップ版URL へcanonical

クロスリンクを極力なくす

クロスリンクを減らす
× モバイル版サイト⇒デスクトップ版サイト⇒(リダイレクト)モバイル版サイト
○ モバイル版サイト⇒モバイル版サイト

自動リダイレクト

HTTPでのリダイレクトも、JavaScriptのリダイレクトも両方サポートされている。

別バージョンへのアクセスを可能にする

別バージョンへの入り口
特にモバイルでの体験が優れていない場合は、尚の事設置した方が良い。個人的にはイベントトラッキングを設置して、どれだけのユーザーが自分でページを選んでいるかを見るとよいと思う。モバイル版を改善する上でのベンチマークになるから。

別ページからホームページへリダイレクトしない

例えばデスクトップ版のカテゴリページから、モバイル版の商品ページにアクセスしたときに、モバイル版のトップページにリダイレクトされるのは最悪。モバイル版の商品ページにリダイレクトされるべき。

モバイル版でコンテンツが存在しないのなら、デスクトップ版に残した方がよい

基本的にデスクトップとモバイルで同等のページを用意すべきだが、もし準備できていないのであれば404エラーページへリダイレクトするのではなく、デスクトップ版のページにユーザーを留めた方が良い。

ダイナミックサービングの場合の重要要素

3つの見るべきポイントがある

  • HTTPヘッダを変更することを忘れない・・・ユーザーエージェントを見て、ユーザーを特定のページへ導いている
  • ユーザーエージェントのリストを保持する・・・変更されやすいので注意
  • 意図しないデスクトップとモバイルでのコンテンツ不一致をなくす

レスポンシブデザインの場合の重要要素

レスポンシブサイトのチェックリスト
アクセシビリティ

  • リソース、ページアセット ○
  • Meta Viewportタグ ○
  • 画像とリッチメディアのスケーリング
  • ブレイクポイント ○

Robots.txtでリソースをブロック

ページスピードのためにやったとしても、ほんの数マイクロ秒しか改善しないので、やらない方がよい。

Meta Viewportタグ

  • Width=device-width ⇒ デバイスの物理的な幅にマッチする
  • Initial-scale ⇒ 訪問した際にズームした状態でアクセスする
  • User-scale ⇒ ズームが可能(値はyesかnoか)

別の属性を使用する場合はカンマで区切る

画像とビデオもレスポンシブであるように

別の画像を別のデバイスで表示する場合は、media queryや<picture>属性を使用した方が良い。これにより、大きな画像をロードして下にスクロールしなければならないということはなくなる。
動画要素はviewportよりも大きくならないように。ビデオの大きさは、media queryやJavaScriptを使って制御する。

ブレイクポイント

GoogleAnalyticsのレポートを利用して、最適なブレイクポイントが設定できているかを確認する。
ブレイクポイント


今年の4月を皮切りに本格的にMFIへの移行が行われることをGoogleのゲイリー氏は発言しましたが、いまのうちにモバイル対策の見直しを行っておくことが移行への一番の備えとなるでしょう。– SEO Japan

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2018年SEOランキングファクター:SMX West 2018レポート

SMXでは毎度おなじみ「SEOランキングファクター 何が重要で何がそうでないか?」です。毎回、SEOで良いランキングを獲得するための要素の発表が行われますが、度々要素の妥当性に関して様々な方面から疑問の声が投げかけられていました。しかしながら、今回のセッションにおいては従来とは異なるアプローチを試みられたようです。–SEO Japan

・スピーカー
Olga Andrienko氏 SEM Rush グローバルマーケティング 部門長
Marcus Tober氏 Searchmetrics 創業者/CTO
Chanelle Harbin氏 ディズニーABCテレビ SEO部門長

・モデレーター
Barry Schwartz氏 SearchEngineLand、RustyBrick

speaker of session

SEMrush ランキングファクター

Factors Olga氏
スピーカー:SEMrushグローバルマーケティング 部門長 Olga Andrienko氏

調査概要

  • 2017年に実施
  • 60,000キーワードの上位100位までのデータを集計
  • 検索ボリュームごとにキーワードをグルーピング
  1. とても多い:10,000回/月以上
  2. 多い:1,001~10,000回/月
  3. 普通:101~1,000回/月
  4. 少ない:1~100回/月

タイトルにキーワードが入っているか

キーワードがタイトルに入っているか
タイトルにキーワードが入っているのはもはや当たり前
→むしろGoogleはコンテンツの中身を理解しているので、若干減少傾向にある

H1は存在しているか

75%のページがh1タグをページ内に持っている。
ボリュームの大きいキーワードでは、85%のページでh1が含まれていた。

アンカーテキストにキーワードは入っているか

ランキングに大きな影響はなさそうであった。ボリュームの大きいグループでも、たった8%のアンカーテキストがキーワードを含んでいた。

コンテンツ

  • 箇条書きリストulを使用しているか・・・10位以内にランクインしているサイトのうち、70%以上のサイトでulを使用していた。
  • コンテンツの長さ・・・TOP3までのコンテンツは、20位のコンテンツと比較して45%長い。どの検索ボリュームのキーワードでも共通
  • ロングテールキーワードとショートヘッドキーワード・・・ロングテールのキーワードの方がコンテンツの長さも20%ほど長い

コンテンツの長さは、ユーザーの意図を満たすのに十分であるかが重要。

HTTPs

ボリュームの大きいクエリのTOP3では、65%のドメインがすでにセキュア化に移行している。

ウェブサイトトラフィック

検索ボリュームの大きいキーワードに関しては、訪問者数はランキングへの影響は大きかったが、ボリュームが小さいキーワードはそこまで影響は大きくなかった。

ダイレクト訪問数

トラフィックソースの指標の中で、直流入のみが重大な影響を与えていた。

Googleからのオーガニックであれ、ペイドであれ検索順位に甚大な影響はもたらさなかった。

ユーザーシグナル

  • TOP3以降のサイトで直帰率が上昇した
  • セッション/ページ・・・検索で来ているユーザーは3-3.5ページを平均して訪問している。

Googleはユーザーシグナルを直接ではないにしても、非間接的に使用しており、ユーザーをエンゲージさせるようにと述べている。

ロードスピード

ページスピードインサイト

どのボリュームのキーワードにおいても、上位10ページに関してはページスピードインサイトにおいて50点以上のスコアを出している。
しかし、これだけでは何をどうすれば良いか分からない。

どの時点までのロードスピードなのか?

一言にロードスピードといっても、どの時点までのロードスピードなのかによって呼び方は異なる。
どのロードスピードか

最初の1バイトが到着するまでの時間=TTFB(Time to First Byte)

最初の1バイトが到着するまでの時間は、0.4秒から0.5秒と微妙な差である。
Googleのジョン・ミューラー氏はこれに対して、TTFBをランキングファクターとして使用はしていないと言っている。

初回ペイントまでの時間(First Meaningful Paint)

ボリュームの大きいキーワードの上位10ページは4秒以内にロードしている。

操作できるようになるまでの時間

ボリュームの大きいキーワードにおいては、上位10ページは7秒以内にロードしている。

ロードスピードは検索ランキングに関係している。早すぎるということはない。早ければ早いほど良い。

リファラードメイン

リファラードメインの数に関していうと、1位のページは10位のページに比べて2倍近くの数がある。
バックリンクはSEOにおいてまだ影響はある模様。正しいリンクビルディングを行うことで上位表示させる助けとなる。

では、どのファクターが最も重要なのか?

「相関性」より、「重要性」に重点を置いて分析⇒ランダムフォレスト手法を採用
※ランダムフォレスト手法
データを用意 ⇒ 2/3のデータをランダムに抽出し、デシジョンツリーを形成 ⇒ 残りの1/3のデータを使い、ファクターの重要度合いの検証を行う
ランダムフォレスト

17ファクターの重要度合い

17要素の重要度合
ランキングファクターを重要度順に並べると以下のようになる。

  1. ダイレクトサイト訪問
  2. サイト滞在時間
  3. セッション/ページ
  4. 直帰率
  5. リファラードメインの数
  6. バックリンクの数
  7. リファラーのIPの数
  8. followバックリンクの数
  9. コンテンツの長さ
  10. HTTPs
  11. アンカーテキストの数
  12. アンカー内のキーワード
  13. body内のキーワード
  14. キーワードの密度
  15. title内のキーワード
  16. meta内のキーワード
  17. ページ内にビデオがあるか

まとめ

  • バックリンクの数はまだSEOに影響がある
  • ページスピードは重要である
  • 自分のコンテンツがニッチジャンルにおいて最良のものであるようにする
  • PR活動はSEO効果を高めるだろう

ランキングファクターはSEO業界にダメージを与えているのか?

Marcus Tober氏
スピーカー:Searchmetrics創業者 Marcus Tober氏

ランキングファクターはSEO業界にダメージを与えているのか?

人々はランキングファクターをどう思っているのか…?

  • ランキングファクターを考えるのはばかげている。大きなスケールで実施し、ニッチでユーザーの意図レベルでやらないことはさらにばかげている。@paretocrm
  • 検索エンジンのランキングファクターは「フィクション」である。@FNadmin
  • 文字数の長さなんて、馬鹿な指標だ。@jennyhalasz
  • これらのランキングファクターリストは滅ぶべきだ。@Michael_Martinez

ページロード時間・・・7.8秒(2016年)⇒5.8秒(2017年)
コンテンツの長さ・・・2015年から2017年にかけてどんどんと長くなっている。

これらの指標を見て、我々が言いたいことは、
普遍的に通用するランキングファクターは既に過去のものであるということだ。

我々の調査手法

ニッチランキングファクターを用いて調査を行った。
ニッチランキングファクター

ターゲットオーディエンス、ユーザーペルソナ、業界に対して、焦点を集中させる必要がある。そして、ユーザーニーズとインテントにフォーカスした。

デートvsレシピvs離婚

レシピクエリにおいて、microdataが多く使われている。
microdata数
デート・・・検索結果のファーストページのうち2URLがSchema構成を持っていた。
レシピ・・・検索結果のファーストページのうち8URLがSchema構成を持っていた。
目の色や、髪の色に関してのmicrodata構成はない

自動車チューニングvs離婚

自動車チューニングのクエリにおいて、内部リンク数が多いことが分かる。
自動車チューニングvs離婚

自動車チューニングサイトにおいては、様々なオプションなどへのリンクがあるため、自然内部リンク数は多くなりやすい。

離婚vsフィットネスvsワイン

フィットネスにおいては、ビデオコンテンツが多い傾向。
離婚vsフィットネスvsワイン
ユーザーのシチュエーションを考えると、テキストでフィットネスの情報を必要とすることは少ない。
フィットネスシチュエーション

段落の数でみると、離婚クエリは上位であるほど、数が多い傾向にある。
段落の数
離婚クエリに関しては、動画での情報よりテキストでの情報の方が重要である。また、結婚系のクエリよりもテキストが長い傾向にあった。

ワイン系のクエリに関しては、ビデオやテキストではなく、インフォグラフィックが有用であった。
ワインクエリ特徴
文章コンテンツや、ビデオではなく、ただ楽しめれば良いのである。乾杯!

デートvs離婚

リスト、テーブルの数においては、離婚クエリが倍以上に多かった。
リストの数
離婚クエリにおいては、構造化データも多く使われている。またテーブルとリストはとてもよく組み合わせて使われている。

考察:離婚は真面目で、構造的。デートは自由。離婚とデート

ソーシャルシグナルにおいては、例えばFacebookのシグナルなどであれば、デートクエリの方がどのランキングにおいても高い傾向にあった。
デートvs離婚 ソーシャルシグナル
考察:離婚のサイトのコンテンツをシェアしている友人の投稿に「いいね!」はしづらい

離婚vsレシピvs家具

画像の数でみると、離婚が少なく、レシピと家具は画像がよく使われている。
離婚vsレシピvs家具
料理・・・美味しく魅せるために画像を使う。
家具・・・たくさん選択肢を与えるために画像を使う。
離婚・・・画像は見せない。

まとめ

  • 従来のランキングファクター・・・オンラインの全体的なトレンドに関する情報の参考にはなるが、特定のウェブサイトについて考えるときに使ってはいけない
  • ニッチランキングファクター・・・特定の最適化を行う際に、具体性の高い情報を与えてくれる。

成功するためには、一般的なデータを全体へ汎用的に当てはまる結論としてはいけない。細かいユーザーのインテントを理解して、具体性が高く、データドリブンなコンテンツでニーズを満たすことが重要である。


どのクエリにも普遍的に当てはまるランキングファクターというものは既に存在しないようです。Googleのコンテンツ内容の理解、そしてユーザーインテントの理解が進むほど、ランキングファクターはどんどんと細分化が進んでいくはずです。コンテンツを提供する側としてできることは、とにかく目の前の読者のインテントを理解しニーズを満たすことなのだ、と改めて感じたセッションでした。– SEO Japan

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AIの未来とインテリジェントサーチ : SMX West2018レポート

3/13から3/15にかけて、米国のシリコンバレーの中心都市サンノゼにて「SMX West 2018」が開催され、SEO Japan編集部も参加して参りました。セッションレポート、スピーカーへの質問、独占インタビューなど、SMX Westの様子を数回に分けてお伝えしていきますので、どうぞお楽しみください!– SEO Japan

Shelby Reed

スピーカー:Shelby Reed氏 Microsoft Bingアド セールス部門長
モデレーター:Chris Sherman氏 Third Door Media

Shelby氏について

北米の広告セールス部門を統括
Bingとのパートナーシップで企業の成長を促す助けをしている

Shelby氏のバックグラウンドについて

自分が6歳の頃には周囲のいろんな事に対して疑問を持っていて、周りの大人に疑問をぶつけてましたが、どの疑問も検索によって解決され得るような世の中になりました。
この6歳の少女の疑問のように、顧客が抱える疑問に対して回答を提示できるようになるまで、業界が発展したのはとても幸運なことです。

AIの現状について

我々の仕事は顧客が検索を行う中で、正しい場所、正しいタイミングで企業のブランドメッセージに触れさせることです。

AIのAの字を、マーケターとしての能力の「Amplifying(拡大)」と捉えたらどうでしょう?

顧客に対して、より意味があり、コネクションが強く、関係性を重視した体験が提供できるようになるのです。

我々は情報世代から体験世代への過渡期にあります。

情報世代:コンシューマのインサイトを理解するために、膨大な情報を集め理解する。
体験世代:予測的な分析と、インテリジェントで行動を促すようなアウトプットを行う。

そしてチャットボットやAR/VRを通して、仮想空間ではなく現実空間でどのように自社のサービスと触れているのかを理解することが出来ます。

一方で、スナップチャットのようなリアルタイム動画共有は完全にメインストリームとなり、そして飽和状態となっています。

さらに、Cortana、Alexa、Siri、GoogleAssistantのようなデジタルアシスタントはほぼ市場に浸透しています。

ARはもう少しでマスマーケットに浸透します。これが実現することで、我々マーケターはより強いコネクションで、会話を通しながらも、感情でつながるような、完全没頭型の体験を提供することが出来るようになります。

我々はスマートでエンゲージした体験を作っていき、物事はよりシームレスになりますが、全てバックグラウンドでAIが働いていることに顧客は気づかないでしょう。

AIは「人、場所、もの」などの点を結び付け線にします。

今日は、AIの認知能力をどのようにしてマーケターが活用していくのかについてお話しします。

AIは理解します

AIは見ます

AIは聞きます

AIは話します

そして、AIは感じるのです。

検索とBingについて

検索はかつてないほど多くの人に信頼されています。とある調査によると、74%の消費者がWebサイトやブランドがいうことよりも、検索に信頼を置いています。
Search is Changing
2020年までに、200億ものIoTデバイスが存在するようになると言われています。

また同じ2020年までに、人々は企業との関係において85%は人を介さない形で持つようになるだろうという予測もあります。

現在でも月に1.48億人ものマンスリーアクティブユーザーがおり、180億もの質問がされています。

米国でも2人に1人はBingを使っており、5回に1回はBingを通して検索が行われています。

AIは知っている

デジタルアシスタントは時間、場所などの背景を理解しています。
理解しているからこそ、意図を理解し、アクションへつながるような提案をしてくれるのです。
予測からアクションまで
また、AIはテキストや音声入力で説明せずとも、意図を理解してくれる

例えば私が、「今日の晩御飯は何が良いと思う?」と夫にメールで訪ねたとしましょう。
初期のバージョンのCortanaならば、こう考えるでしょう。

メールを送ったのは「女性」で、送った時間は「夕方」 ⇒ 彼女の旦那さんが今日の晩御飯に何を食べたいかを聞いているはず ⇒ レシピを表示

ここに更なるシグナルを加えることで、答えは変わってきます。

メールを送ったのは「女性」で、送った時間は「夕方」。しかし彼女はまだ「オフィス」におり、過去には「レシピの検索はほとんどしない」ということが分かっている ⇒ 「今日の晩御飯は何が良いと思う?」というメールの裏に「今日は私のために何を作ってくれるの?」という夫への意図があることを読み取ることができる

(会場笑い)

AIは聞いている

我々はキーボードから卒業し、音声検索が主流になっていて、音声検索のエラー率は6.3%までになっています。(これは人間の翻訳家が、ミスを犯す確率と等しい)

2020年までに、50%の検索は音声と画像によるものになると言われています。

また、検索の言葉も変化しています。

「天気」 → 「今日は傘がいるかな?」
「ニュース」 → 「今日のトップニュースは?」
より口語的で、会話調のクエリへとなっていくでしょう。

また、音声は検索クエリの長さを長くしています。
音声検索クエリ長さ

さらに我々の別の調査では、シンプルな事実の検索から音声検索へ移行していることが分かりました。
音声検索への移行

逆に、個人の予定の予約、デリバリーのオーダー、旅行の予約、などは音声検索が比較的難しい領域です。この領域をカバーするためにチャットボットなどを活用しました。
Q&Aは「クエスチョン&アンサー」から「クエスチョン&アクション」になったのです。

検索のワードは、より複雑で、話し言葉ベースになっていくでしょう。

それを調べるために「ANSWER THE PUBLIC」という良いツールがあります。
Answer the public

※ANSWER THE PUBLIC・・・キーワードを入力することで、検索者のインテントを5W1Hなどで分析するツール。英語のみ対応。

このようなツールは、広告やオーガニックの戦略を考える上で助けとなるでしょう。

AIは話す

AIは話す
翻訳システムは、かつて無いほど即座に回答を返してくれます。

AIは見ている

AIは画像を見て理解しています。
画像認識技術によって、ファッションモデルの写真から、どのブーツを買えば彼女のスタイルを真似できるかを教えくれます。
AIブーツ画像
またHololensを使うことで、WEBの体験から実際に自身のリビングルームに擬似的に家具を置くことができるようにもなります。
hololens

AIは感じている

AIによって、生活内で生まれる感情がデジタルプラットフォームに組み込まれるようになっています。

Caption Bot

画像に写っている人が、一体どのような状況で、どのような感情を持っているのかを読み取ることができます。複数の顔の感情や、アナケンドリック(有名人)の顔を識別することができます。
caption bot

これらのあらゆる感覚を統合されることで、デバイスを問わずより没頭型の体験を顧客に提供できるようになります。

今後数年で80%のブランドがチャットボットを活用するようになるでしょう。

AIはセールスとなり、パーソナル旅行ガイドとなり、美容コンサルタントとなり、家の修理エキスパートとなるでしょう。

そんな中で、修理のMicrosoftとHomeAdvisorのパートナーシップが実現しました。

Home Advisorとの連携

HomeAdvisor・・・家の修理事業者を紹介するプラットフォーム。今までは、リストから修理事業者を選ばなければならなかったのが、自動で修理事業者を選定してくれる。例えば、「水道が壊れた」と入力することで、配管工が自動で選ばれ、当日のうちに修理事業者が家に来て修理を行ってくれる。

HomeAdvisor Ryan氏へスピーカー変更
Lian氏

Microsoftのチャットボットの活用について

配管工の仕事はトイレの修理から、台所の修理まで多岐に渡るため、チャットボットでメッセージの往復を自動化した。将来的には、写真から必要な修理を推定することを可能にする。

サービス連携

Botコネクター→様々なプラットフォームと連携(Skype メッセンジャーetc…)
botコネクター

再びShelby氏へスピーカー変更

Microsoft Cognitive Service

Microsoft Cognitive Serviceでは、以下のことができるようになります。

  • Vision・・・顔の表情から、ボットが画像や動画での感情を理解することができる。
  • Speech・・・話し言葉と、書き言葉の双方向の変換を可能にする。
  • Language・・・自然言語でのコマンドを理解させることができる。
  • Knowledge・・・ウェブ、学術、個人データからのリッチな情報を統合。
  • Search・・・BingAPIを利用して数十億のウェブページ、画像、ビデオ、ニュースへのアクセスが可能

Microsoft Cognitive Services

まだパイロット版ではあるが、検索結果内にチャットボットが表示される実装をしています。これにより、かつてないほど人間的な回答ができるようになるでしょう。
検索結果内チャットボット


アメリカでは日本以上にBingを使用しているユーザーは多く、検索のインターフェースもよりリッチなものになっており、以前多面強調スニペットの記事で紹介した「複数視点アンサー」などの検索画面での機能も採用されています。また、Shelby氏がAIの認知能力が向上していることに度々言及していましたが、これが今後もマーケターの役割を変えていくのは間違いないでしょう。– SEO Japan

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AMP化しなくても良い?GoogleがAMPの特権をオープンウェブスタンダードにするかも

ここ数年でGoogleはAMPへの投資を加速させていますが、AMPで得られた知見を非AMPのページにも展開していくというのが今後の展望になるようです。GoogleのAMPプロジェクトチームのリーダーが発言しました。– SEO Japan

http://www.seojapan.com/blog/wp-content/uploads/google-amp-speed-1456232835.jpg
Googleは昨夜、AMPの取り組みで得られた良い結果や技術をオープンウェブに適用することを公表した。Googleは「我々はトップストーリーカルーセルのように、AMPのために用意されたが、AMPの技術に基づいていない即時ロードコンテンツをサポートする準備が出来つつある。」と話した。

つまり、もしAMP版のウェブサイトの制作に取り組んでいるのならば、一度様子を見ても良さそうだ。もちろん、ウェブのスタンダードを変えるというのは時間がかかることではあるので、AMPページのローンチ間近であれば、そのまま進めてしまうのが良いであろう。しかしあと数年で、通常のHTML内にAMPのような機能を埋め込むことが可能にあるであろう。(意味があるならば)
GoogleのAMPプロジェクトテックリーダーのマルタ氏はこう書いている

我々はAMPで学んだことを受けて、非AMPコンテンツの即時ロードを可能にするウェブスタンダードに取り組んでいる。我々はこの取り組みが、AMPのような機能を埋め込むことを可能にし、さらにはトップカルーセルのようなGoogle検索の機能を強化させることを望んでいる。一方で、AMPはGoogleがウェブ上で良いユーザー体験を生み出すために進むべき道でもある。たくさんある選択肢のうちの一つであるが、我々が推奨するものである。AMPにはこれからもどんどん投資をしていく。どのようにユーザー体験を革新していくかのキーとなる例として、AMPストーリーがある。このようにして、未来のウェブスタンダードに洞察を与えていきたいと考えている。

Googleは、これらの取り組みについてここで公開していくだろう。そして彼らは「標準化とブラウザの実装が将来どれくらい進捗するかも関係してくるため、これらの変更が公開されるのがいつになるのかを予測するのは難しいとしている。」と述べた。

AMPを使わないで、トップストーリーカルーセルのようなGoogleの検索機能に取り上げられたいかい?
将来のウェブスタンダード、客観的なパフォーマンスそしてユーザー体験の指標に基づいて、それを実現しようというプランを考えている。https://amphtml.wordpress.com/2018/03/08/standardizing-lessons-learned-from-amp/ 

ウェブマスターワールドスレッドではウェブマスターやパブリッシャーらが、今でもなおAMPに取り組み、既存のサイトの別バージョンを作成する必要があるかを質問している。

興味深いね。ちょうどAMPを自分のページに実装しようと思っていたところだったよ。Googleが最終的に別の方向に行こうとするのなら、ちょっと考えなきゃいけないね。2つのスタンダードで似たようなことをやるのは考えづらいからね。

AMPによる恩恵をオープンウェブスタンダードにするのなら、恐らくAMPを取り巻く批判はなくなり、皆にとってWin-Winになるのではないかと私は思う。

読者の皆はどう思うだろうか?


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Forget Making AMP Pages; Google Looks To Bring AMP Benefits To Open Web Standards」を翻訳した内容です。


昨今でAMPを導入する目的は、もちろんページスピードを改善することはもちろんですが、検索結果画面でのトップカルーセルに取り上げられるなど恩恵もAMPを実装する理由の一つでした。今後はより目的を明確化した上でAMPを実装させていくようになるかもしれませんね。
— SEO Japan

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コンバージョンに焦点を当てたUXテストの実施ガイド

コンバージョンを主眼に置いたテストの実施手法には様々なものがあります。有名なところでいうとA/Bテストなどが代表格ですが、それ以外にも様々な種類があります。どのようなタイプがあり、それぞれのテストがどの場面で活躍するのかを見ていきましょう。– SEO Japan

http://www.seojapan.com/blog/wp-content/uploads/user-experience-testing

ユーザー体験という言葉は漠然としている。「優れた」UXと「悪い」UXを決めるものとは何なのだろう。そして、その中間に位置するものは、どういったものなのだろう。

UXのテストと測定には、チャレンジが待っている。できる限り正確にテストする手法やツールは、存在するのだろうか。

答えは、もちろんイエスだ。この記事では、UXのテストと測定について紹介する。もしこれを読んでいるあなたが、UXやコンバージョン最適化の専門家であれば、この記事の内容は基本的なものかもしれない。それでも、これから始める人々にとっては、概要をつかむのに役立つだろう。

UXテストとは何か

ユーザー体験とは、高レベルに言えば、ウェブサイトやアプリといった製品を使う際の、総合的な主観体験である。そこには、優れたデザインや適正なユーザビリティ以上のものが含まれる。

ピーター・モーヴィル氏とその友人たちが、ハチの巣状の六角形を用いて、UXの全ての側面を網羅的に説明してくれている。

honeycomb

これが表すのは、次の通り。

  • 便利であること。あなたの製品やウェブサイトは、便利なものになっているだろうか?便利であるほど、優れた体験を提供できる。
  • 簡単に使えること。複雑すぎたり、ユーザーを戸惑わせたりする製品に、最初から勝ち目はない。ユーザビリティは絶対に必要なものである(しかし十分ではない)。
  • 望ましいこと。画像やアイデンティティ、ブランド、その他の感情的なデザイン要素が持つ力と価値を理解することで、効率を高めることが容易になるはずだ。
  • 見つけやすいこと。私たちは、移動しやすいウェブサイトや見つけやすいオブジェクトのデザインに尽力しなければならない。そうすることで、ユーザーは求めるものを発見できる。
  • アクセスしやすいこと。ビルにエレベーターやスロープが設置されているのと同様、ウェブサイトもハンデを持つ人々(人口の約20%)がアクセスできるものでなければならない。現在では、これがいいビジネスや道徳的な行いと見なされている。いずれは、法律となり義務化されるだろう。
  • 信頼できること。ウェブサイトは信頼できるものでなくてはならない。ユーザーの信用に影響するデザイン要素を知っておくべきだ。
  • 価値があること。サイトは、ユーザーに価値を提供しなくてはならない。非営利のサイトならば、ユーザー体験が彼らのミッションを前進させなければならない。営利サイトでは、収益に貢献し、顧客満足度を高めてくれる。

これらに留意して設計された、ユーザー体験テストの手法が存在する。

ユーザー体験テストの手法

ここに、よく使われるユーザー体験テストの手法と、その特徴をまとめた。これらは「ユーザーテスト」という広い意味にまとめられているが、リモートユーザーテストを行うソフトウェアが増加していることで、より個別に意味を持つようになっている。

管理されたユーザーテスト

ユーザーテストとは基本的に、製品や体験を実際のユーザーでテストすることである。ユーザーは一連のタスクを提示され、どれだけ効率的にこなせるかを計測される。

これには、主に2種類が存在する。

  • 管理されているもの
  • 管理されていないもの

管理されたユーザーテストは、実験者がリアルタイムにユーザーの行動を観察する。実際に対面する場合も、リモート環境で行う場合もあるが、どちらにおいてもユーザーはタスクの進行を観察されることになる。

管理されたユーザーテストでは、ユーザーに指示を与え、疑問に回答し、フィードバックを伺うといったことがリアルタイムに行える。より強いつながりと高い柔軟性がある一方、バイアスに影響される可能性があるという欠点も存在する。

ここでの主なバイアスとして、ホーソン効果が挙げられる。

ホーソン効果

WiderFunnelのクリス・ゴワード氏が、ユーザーテストにおけるホーソン効果を解説してくれている。

chris_goward

クリス・ゴワード氏
「何かを観察するということは、それを変化させるということだ。人は自分が観察されていると知っている時、タスクを完了させるのに、より積極的になる。たとえばテスターが、実験者がユーザビリティの問題を調べているのを知っている場合、彼らはその問題が重要かどうかに関係なく、問題を発見しようとより積極的になるだろう。」

もし私たちが書いた、定性的研究におけるバイアスの記事を読んでいるなら、賢馬ハンス実験者効果についてはご存知だろう。基本的に、実験者の認知バイアスがテスターに、無意識的に影響を与えてしまうということだ。

賢馬ハンス

どんな場合でも、調査は注意深く行わなければならない。そうしないと、意図せず結果を歪めてしまうだろう。

管理されていないユーザーテスト

管理されていないユーザーテストとは、もちろん、管理されたものと非常に近いものである。しかしこちらは、事前に決定されたタスクをテスターに説明し、タスク完了まで干渉しない。

こちらの形式には、多くの長所がある。コストが安く、スケーラブルで、結果にバイアスがかかることがない。

Unmoderated User Testing

しかし、もちろん短所も存在する。

候補者選びを入念に行わなければ質の低いテスト結果を得ることとなり、ユーザー体験について間違った結果を信じることになるだろう。また、有名プラットフォームのテスターたちは、金銭を得るためにテストに参加する。そのため多くのテストを受けており、通常のトラフィックで得られるユーザーと一致しないだろう。

すぐ使えるユーザーテストのポイント
そのため、UserTesting.comWhatUsersDoTryMyUIといったサイトでテストを行う場合には、次のことを頭に入れておく必要がある。

  • ほとんどのテストで、テストプロトコルに次の3種類のタスクを盛り込んでおく。
  • 限定的なタスク
  • 広範囲のタスク
  • ファンネルの達成
  • テスターがターゲットユーザーと一致することを確認する。
  • あなたのサイトを使うのが初めてでなくてはならない。
  • ほとんどの場合、5~10人テスターがいれば十分である。
  • 通常、テスターが話すことより、行うことの方が重要である。

大きな変更をリリースする前には必ず(ステージングサーバーで)、もしくは少なくとも年に一度は、ユーザーテストを行うべきだろう。

5秒間テスト

本当は他の領域に属するテストだが、非常にユニークで、独自のカテゴリーを形成していると私は考えている。

UsabilityHubによって広まったテストで、コンセプトは単純だ。人々の第一印象を測定することで、デザインの明確さを最適化する、というものである。

テストでは、デザイン(ホームページデザイン、ランディングページ、ロゴ、パンフレット、マーケティング素材など)をアップロードし、人々に5秒間見せる。5秒経過した後、覚えていることを質問する。

明確さの確認においては優れたテストであり、デザインチームや上司に素敵なクラウドを見せられるだろう。

5秒間テスト

もし意図したものと結果に大きな差異がある場合には、明確さにおいて問題があることを意味する。

カードソーティング

カードソーティングは、情報アーキテクチャでよく使われる、UX調査戦略である。カードソーティングのセッションにおいて、「参加者はトピックを、意味が通じる形でカテゴリーに分けていく。グループにラベルをつけるヒントにもなるだろう。」

テストは参加者と対面する形で、実際のカードや紙を使って行えるが、多くの場合にはソフトウェアが利用される。

カードソーティング

このテクニックは特に、ウェブサイトの管理とラベル付けに関連する。ユーザーがサイトをどう捉えるのかを知り、より優れたUXのためにどう整列すべきか、最適な方法がわかるだろう。

セッションリプレイ

セッションリプレイの正しい分析手法については、我々がすでに包括的な情報をまとめている。

セッションリプレイとは、ウェブサイトやウェブアプリの訪問者がたどる道筋を再現することである。匿名の訪問者がインターフェースにどう触れるかを観察する。ユーザーは観察されていることを通常は知らないため、ユーザーテストと比較して大きなメリットがある。

セッションリプレイ

いくつかの理由により、このテストはUXテストにおいて非常にポピュラーなものとなっている。収集できるデータの質が高まっており、現在ではユーザーがストレスを感じる場所にフラグを立てたり、イベント、トラフィック源、ゴールなどに応じてグループに分けたりすることも可能となっている。

他にも、よく使われる理由がある。それは、ここから得られるのが受動的なデータであるということだ。収集に特別な努力を必要とせず、ただ得られたデータを分析すれば良い。サイトにJavaScriptスニペットを埋め込むだけで、準備ができてしまう。

ただしセッションリプレイには、多くの問題点もある。時間がかかること、バイアスに影響されやすいこと、洞察が曖昧になる可能性があることだ。

セッションリプレイは、非常に多くの洞察を与えてくれる。しかし、これを唯一のデータソースとしてはならない。得られた洞察をA/Bテストにかけ、そこから学ぶことを忘れないように。

お客様の声

お客様の声は、顧客が求めるもの、必要とするものを、定性調査と数量調査から見つけるプロセスである。顧客の期待、趣向、嫌うものを発見する、より深いプロセスとも言える。

1993年にグリフィン氏とハウザー氏が書いたマーケティング科学の論文において、VOCを行う際に考慮すべき4つの側面が定義されている。

  • 顧客自身の言葉で表現された顧客ニーズ
  • ニーズの階層的グループ分け
  • ニーズの優先度の決定
  • ニーズのセグメント分けと、顧客が感じる利益

VOC調査はユーザーの動機やUXの洞察をもたらすだけでなく、コピーライティングに大きく役立つ情報も提供してくれる。

お客様の声

このデータを収集する方法は複数あり、顧客調査や現地調査などが利用できる。しかし最も重要なのは、すぐに使えるデータを作成することだ。このデータを収集できるツールとしては、顧客調査ツールとしてSurveyMonkeyTypeformがあるが、私が好きなツールとして、HotJarQualarooUsabillaもぜひ紹介しておきたい。

態度調査

UXの洞察を得るのによく使われる手法として、直接顧客にたずねることが挙げられる。

ResearchXLのコンバージョン調査プロセスにおいて、顧客調査は欠かせないものとなっている。

ResearchXL

調査については、反応スケールからNPSまで、非常に多くのことが書かれている。ここであまり多くは取り上げないが、正しく行えば、さまざまなデータが得られるだろう(ただし間違った方法もあるため、注意が必要である)。

満足度測定

ユーザーテストや調査内で、満足やストレスを与える個別の事例を測定する方法がいくつか存在する。これについては、以前私が記事を執筆している。そこで挙げた測定ツールを8つ紹介する

  • アフターシナリオアンケート(ASQ)
  • NASA-TLX
  • 主観的知的努力アンケート(SMEQ)
  • ユーザビリティマグニチュード推定(UME)
  • 単一の簡単な質問(SEQ)
  • システムユーザビリティスケール(SUS)
  • SUPR-Q
  • ネットプロモータースコア(NPS)

これらによって、より具体的・数量的なデータを得ることができる。時にサンプルサイズが小さくなってしまっても信頼区間を計算できる。また、いくつかは、他の企業や競合のデータベースとあなたの指標を比較することも可能だ。

UX調査やUXテストを始めたばかりの者には、かなり複雑である。もしまだ慣れていないのであれば、いくつかユーザーテストを行って、セッションリプレイの動画を分析してみるのをおすすめする。より多くの情報が知りたくなったら、私が書いた別の記事を読んでみてほしい。

アイトラッキング

アイトラッキングの研究でも、ユーザーがどうサイトに触れているのかを確かめられる。対面、もしくはリモートでのユーザーテストの一貫として、アイトラッキングを実施できる。

テスターは通常時と同様にサイトに触れたり、もしくは一連のタスクを行ったりすることで、アイトラッキングソフトウェアが最も集中している場所や、視線の移動経路を割り出してくれる。

アイトラッキング

プロトタイプやUIの早期バージョンに対してもアイトラッキングを実施でき、大きなミスを避けたり、開発コストを低減させたりすることができる。またコンバージョン調査においても、テストアイデアや仮説を形成するのに活用できる。

アイトラッキングやビジュアルエンゲージメント調査を最適化プロセスに導入することで、多くの人々が考えもしないような発見を見つけ出せるだろう。

アイトラッキングについては、こちらの記事も参照してほしい。

生体もしくは高度な感情のトラッキング

生体ユーザーリサーチでは、ユーザーがどう感じているのかを調査できる。

生体もしくは高度な感情のトラッキング

若干複雑ではあるが、基本的にこのリサーチが行うのは、サイトの構造、まとめ方、動機を促す要素、そしてコンテンツの効率について洞察をもたらすことである。

心拍数や表情、瞳孔の開き方といった生物学的データを計測し、統計的に分析して適用する。サイト訪問者の感情的反応や特定の体験に、意味を与えてくれる。

入門者向けではないが、生体反応調査は非常に高い価値をもたらす。新規サイトや広告の立ち上げにおいては、特に有用である。

A/Bテスト

A/Bテストを行う場合、通常は「ユーザー体験」といったものに最適化する場面ではないだろう。しかし管理された実験(A/Bテストの 言い換え)は、実施した変更が重要な指標にいい影響を与えるかどうかを判別する、唯一の手段である。

様々な変更によってユーザー満足度は改善しうるが、訪問者一人あたりの収益が低下することもある。理由は誰にも分からない。

A/Bテスト

ここまで紹介したユーザー体験テストと計測法は、どれも有効かつ高い価値を持つ。ただし、もし十分なトラフィックを獲得しているなら、意思決定のために管理された実験を優先すべきだ。あなたは、定性的もしくはマイクロレベルの指標だけでなく、マクロレベルの指標において、得られる効果をより明確に理解しているだろう。

もしA/Bテストが初めてなら、こちらのガイドをおすすめする

私は、CXLの創業者ピープ・ラジャ氏がまとめてくれた言葉が気に入っている。

peep laja

ピープ・ラジャ氏
「ユーザー体験の効率をどう計測すればいいだろうか?答えはシンプルだ。
反対するデザイナーもいるかもしれないが、私は、全てはビジネス目標を達成することだと考えている。ユーザー体験とは、目標を達成するための手段なのである。
最もシンプルで客観的な基準は、コンバージョン率だ。体験のデザインにおける変更がコンバージョンを改善したか、悪化させたか。コンバージョンの行動は、何でも構わない(購入、登録、引用のリクエスト、繰り返しのログインなど)。」

これをコンバージョン最適化にどう取り込むか

優れたUXは、大幅な成長と高いコンバージョン率をもたらす(通常は)。

基本的に、優れたユーザー体験は、目標への手段である。ただ誰かを幸せにするためだけに、素晴らしいユーザー体験を作るのではない。何らの結果につなげたいと思うはずである。あなたのソーシャルネットワークサイトを使い続けてもらったり、ECサイトでジーンズを購入してもらったり、SaaSツールで最高の価値を作り出してもらったり、といった結果である。

How Does This Factor Into Conversion Optimization?

ユーザーがあなたのサイトを訪問した時には必ず、何らかの体験を得ることとなる。その体験の質はユーザーの意見(これが好きだろうか?)や紹介の可能性(このことをツイートしたり話したりするだろうか?)、そして究極的にはコンバージョン(ユーザーはこちらがして欲しいことをしてくれるだろうか?)に大きく影響を及ぼす。

ユーザー体験テストは、デザインや広告、もしくは提案中の実験的デザインに大きな投資を行う前に、リスクを低減させてくれる優れた手段である。通常は実験を行うよりも低予算かつ短期で済むため、より優れたテスト仮説の作成には完璧なメカニズムとなっている(そしてその仮説は、より高いコンバージョン率や収益をもたらす)。

結論

ユーザー体験は、(通常は)より高いコンバージョンと収益をもたらしてくれる。つまり、UXの計測とテストは必須である。特に製品デザインやマーケティングが一定の成熟を見せた際には、さらに重要となる。

少なくともユーザー体験テストは、トラフィックとトランザクション数が増大する中で、確かな実験プログラムを作成する足掛かりとなってくれる。

これは、製品の更なる成長へとつながる、強い相関性を持つマイクロレベルの指標である。大きな規模で見れば、何らかのUXテストをすることになるのはほぼ確実だ。

この記事は入門レベルのガイドであるが、あなたが正しい形でテストを行う手助けになることを祈っている。


この記事は、CXLに掲載された「User Experience Testing: A Conversion-Focused Guide」を翻訳した内容です。


ピープ氏の意見は、先日ご紹介したパー・アクスボム氏の考えとは相対する意見でした。UXを企業のコンバージョンのためのものとしてみるのか、ユーザーが真なる目標を達成するためのものとして見るのか、専門家によってもその考えは大きく異なるようです。
以前ご紹介したパー・アクスボム氏の記事はこちら
— SEO Japan

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コンテンツの投稿頻度は、ランキングシグナルではない

昨今SEOにおけるコンテンツの重要性は増しています。しかし、Googleがコンテンツをどのような指標で見ていて、ランキング要素として見ていないものは何なのかを知らなければ、効率的にGoogleに評価されるコンテンツを作るのは難しいでしょう。少なくともコンテンツの投稿頻度は、それ自体がランキングシグナルとして用いられていないようです。– SEO Japan

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Googleのジョン・ミューラー氏は、「Googleのアルゴリズムは、より頻繁にたくさんコンテンツを生み出しているサイトに対して恩益を与えているわけではない。」と述べた。彼はTwitterで「Webサイトは決まった頻度でコンテンツを生み出す機械ではないし、またそうであるべきではないね:)」とも述べた。

検索でのパフォーマンスを向上させるならば、ユニークで品質の高いコンテンツを持つべきである。しかし、週に10本のコンテンツを生み出しているからと言って、週に1本のコンテンツしか生み出していない競合サイトよりも、同じキーワードで良いランキングが得られるとは限らない。

以下がツイートである。

(質問者)「Googleのアルゴリズムは、新しいコンテンツのサイトへの投稿頻度/量/スケジュールを加味するのですか?例えば、サイトが5つの新しいURLを毎日発行していて、2から3URLに減らしたとしたら、Googleはこのサイトの評価を変えるのですか?」

(ジョン・ミューラー氏)「Webサイトは決まった頻度でコンテンツを生み出す機械ではないし、またそうであるべきではないね:)」

これは押さえておきたいポイントだ。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Content Publishing Frequency Not A Ranking Signal」を翻訳した内容です。


もちろん頻繁な投稿がランキングに悪影響があるわけでは無いし、同じコンテンツの質であれば投稿頻度が高いに越したことはないはずです。今回のジョン氏の発言は、とにかくコンテンツを大量に生成するようなコンテンツハック的手法は既に通用しなくなっているということを示唆しているものではないでしょうか。
— SEO Japan

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BingがJSON-LDでのSchemaに対応

発表前ですが、BingがついにJSON-LDのサポートを開始した模様です。ウェブマスターからするとこの対応はありがたいですね。– SEO Japan

Bing Now Supports JSON-LD For Schema
ジョン・ヘンショウ氏はTwitter上で、「BingがJSON-LDのSchemaマークアップと構造化データをサポートする」と投稿した。Search Engine LandはBingが現在、多くの開発者に好まれているマークアップであるJSON-LDをサポートしていることを確認した。

Bingは以前から、MicrodataやRDFa形式のみをサポートしていたが、JSON-LDは対応していなかった。

以下がジョン氏のツイートだ。

Bingがたった今、JSON-LDでのSchema.org形式をサポートしていることを認めた!もうmicrodataを使わなくても良いんだ!
これが証拠だ。ウェブマスターツールにはまだ無いが、サポートはされている。公式の発表(公式のドキュメント、ウェブマスターツールでの表示)まではもうしばらくかかりそうだ。でも僕は使いたいと思う。

SEOに携わるものや、ウェブマスター、そしてSchemaオタクからすると、これはエキサイティングなニュースだ。
ちなみにGoogleは、2年前にJSON-LDをサポートし始めている。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Bing Now Supports JSON-LD For Schema」を翻訳した内容です。


まだ公式の発表前ですが、microdataやRDFaを使っているウェブマスターの方は一度試してみると良いかもしれません。– SEO Japan

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おとぎ話に見たUXの落とし穴

UXとは何でしょうか?とにかくユーザーに分かりやすく、簡単にすることと考えている方は多いかもしれません。しかし改めて考えてみると、明確に答えるのは難しいのではないでしょうか。シンプル至上主義のUXへのアンチテーゼを、皆さんご存知「赤ずきん」の話を通してみてみましょう。– SEO Japan

The invisible problem with fairy tale experiences

2017年のUXLxでのAxbom氏のキーノートはこちら(英語)

昔々あるところに、リール―という女の子がいた。
しかし、いつも古くてボロボロな赤いずきんを被っていたので、皆は彼女のことを「赤ずきん」と呼んでいた。
そんな彼女もいつも被っている赤ずきんに飽きてしまった。そう、彼女はイメチェンをしようとしているのである。
彼女は初めて自分のおばあちゃんのところを訪れようとしていて、いい感じの緑ずきんを買いたいと考えている。

緑ずきん

彼女は素晴らしい検索エンジンを使い、すぐに「オオカミのウール」というサイトを見つけた。するとどうだろう。トップページに完璧なずきんがあるではないか!
彼女はすぐにクリックをした。住所は自動で入力され、支払いはPayPalのアカウントに請求され、あっという間に緑のずきんを注文することができた。購入に要したのはたったの3クリックであった!

Úlfur’s Woolies

3クリック

しかし、後から伝書鳩が運んできた確認メッセージを読むと、法外な送料がかかるうえ、ずきんの到着がおばあちゃんの家に行く日に間に合わないということにリール―は気づいた。

何が問題だったのだろうか?ウェブサイトはとてもうまく機能したし、すべてのユーザビリティテストがユーザーはしっかりとタスクを完了したとしている。そして、コンバージョン率も右肩上がりである。

ではなぜリール―は悲しんでいるのだろうか?

悲しむリール―

我々の最も一般的なUXの考え方は簡単に説明できる。
ユーザーがAからBに行きたがっているとする。良いユーザー体験を提供することで、ユーザーは喜びを感じ、最高の場合、興奮した状態でターゲットへまっしぐらに向かう。

それゆえ、我々は成功をするのだ。

ux-happy

一方で、疑いやフラストレーション、混乱や驚きを感じたらユーザーは落胆するだろう。

ux-sad

明らかにこれは我々が恐れていることであり、我々があつれきやバリアと呼んでいるものである。ユーザーがゴールを達成するのための妨げとなるバリアである。

できれば、すべり台のように、ポイントAから入りポイントBまでスムーズに滑走できるようにあるべきだ。

しかし物事が簡単に進むとき、我々の脳はどのようになっているのだろうか?直感的にシンプルだと感じるほど、簡単であると脳はどのような反応をしているのだろうか?
脳はオートパイロットモードへと切り替えるのである。脳にエネルギーの消費を抑制させるのだ。そしてこれはとても効率的である。例えばあなたの仕事が、お風呂のスイッチを押すだけなどならば脳はこうなる。
しかし、その決断が自分の身を左右するとなったら、この状態は良くない。

autopilot

Amazonの1-Click注文は使ったことがあるだろうか?1つのボタンで本を購入することができるのである。たった1回のクリックだ。もしこの機能がほとんど感じることができないほど自然に実装されたらどうなるだろう?きっとたくさんの本を購入してしまうだろう。私は新しい本の噂を耳にしてもがリストには書かなくなった。Amazonのウェブサイトに行って「1-Clickで今すぐ買う」ボタンを押すようになったのだ。これはとても興奮した!支払いがクレジットカードから行われ本が出荷されるまで、本当に1クリックで完結してしまったのだ。

1clickorder

しかしこれは管理が難しく、最終的には高くついてしまった。
手元に20冊の本と20枚のレシートがあることに気づいた時、この機能をオフにした。

もちろんAmazonからしてみればこれはものすごい収益を生み出すだろう。しかしいつからUXの専門家はコンバージョンのコンサルタントになったのだろうか?

UXデザイナーは、いつA/Bテストや目的の素早い達成にのみに注力するCRO専門家になったのか?

profit-reptilian-brain-diagram

縦軸:収益
横軸:購入者の爬虫類脳の使用率
※爬虫類脳=生命活動や本能を司る脳の一部分

私がじっくりと考えてほしいのは、ユーザーとどのような約束をしたかである。我々UXを生業としている者は、我々が携わっているどのようなシステムもユーザーのためを思っていると言う。我々は人々のために良い世界を作っているのだ、とすら言いたいと思っている。

私はUXで働くことの原動力となるのは人間中心主義であると知っている。残念ながら我々の多くはそれを守れていないようだが。。

users-promise.001

とくにユーザーが簡単に従える体験フローにばかりに注力しているのならば、重要な情報を顧客に隠した、売り手だけが喜ぶようなページを作っている危険があると認識した方が良いであろう。

シンプル化の中で、ユーザーがどのように落胆するかの例を提示しよう。

mathem-english

スウェーデンには素晴らしいMathem.seという食料品店がある。ここでは、たまに牛乳6リットルで、70クローナなどお得に購入することができる。

3リットルのミルクを買い物カートに追加する簡単な方法は、購入ボタンを3回押すことである。ウェブサイトはとても早く効率的で、常連客にとってこれはルーチンになっている。

上記でのセール中であっても、(セールだろうが、セールじゃなかろうが)写真は同様の1リットルのミルクを表示している。私は70-80%の認識を視覚情報から行っていることもあり、3リットルのミルクを購入するために3回ボタンを押した。

しかしMathemが親切に初期の注文数を6にしてくれているため、このボタンを3回押すと18リットルの牛乳が配達されてくる。

これはとても早くてシンプルだ。私のいら立ちは配達される時にピークを迎える。

doctor-is-out

私がスウェーデンのオンラインヘルスサービスに参加していた時、我々はとても素晴らしいあるサービスに注目していた。これは間違いなくユーザーに感謝されているようなサービスであっただろう。「精神科医に聞いてみよう」というサービスで、我々はユーザーがもっとこのサービスを使いやすくなるようにした。しかしながら、それによりすべての質問に対して返答がなかなか返せなくなってしまった。結果として、多くの人が精神科医からの回答を待たなければならない、という優れていないユーザー体験を提供してしまう事になった。

seb-customer

私が会社を立ち上げた時、SEB銀行は模範的な申し込みフォームを設置していた。申し込みを完了するまでには15秒しか要さなかった。彼らからの返答はなく、結局利用はしなかったが。

mortgage-form

UXの領域にいる我々のような者の多くは、Gerry McGovernのHSBCの住宅ローンに関する話を引用する。フォームの入力項目を17個から3つに減らし、フォーム経由での住宅ローンの申し込みは倍になった。

しかし、我々は人々がローンを借りられて本当に幸せになっているかは知らない。
どれくらいの人が返済能力以上に借りてしまっている人は、どこか他のところで自分の状況にあった良いアドバイスなどを受けれているのだろうか?

物事はどこまで簡単にしても良いのか?
例えば、高利の住宅ローンをテキストメッセージだけで、誰でも簡単に借りれるように最適化を続けることは良いことなのだろうか?誰でもボタンを押せば何でも買えてしまうような、あまりにも全てが簡単な世の中になったら、どうなってしまうのだろう?思慮をせずに、我々はクリックをし、最悪の場合トラブルに巻き込まれるだろう。我々はそのようなことにはなって欲しくはないと思っているはずだ。

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我々は認知障害を抱えている女性に対して、彼女が使ったこともないようなケータイ電話のプランを売りつける営業マンのような振る舞いをしてはいけないし、すべきではない。シンプル化を目指す上ではこのような考えとは距離をとるべきだ。

人間は複雑である。人生では様々なことが断続的に起き続けている。我々は、次から次へと終わりのない選択肢にさらされているのである。もちろんシンプルであることは良いことであるし、我々はたくさんのショートカットをして、脳に休息の機会を与えることもある。しかし、我々は価値観を持ち、目標をもって生きているのである。

我々は価値観や目標に悪い影響があると、気分が悪くなる。UXに携わる者はこれを頭に留めなければならない

現代のリスクは、デジタルサービスが20世紀代に他の業界と同様の道を辿っているということだ。我々は裏で実際に行われていることの手がかりとなるようなことを隠して、取引を行っているのである。

UX業界ではみなクリエイターであり、同じ未来を目指しているのである。石油業界、繊維業界そして食品業界…これらの業界は皆、激しい批判にさらされている。しかし、もちろんこれらの業界の生産者は、人類の豊かさに貢献しているつもりであり、自分が正しい方向に進んでいると信じていた。

食品業界は、最終的にそれがどのような健康的な悪影響があるとしても、かわいらしいパッケージを使い商品を魅力的に見せた。
トラのキャラクターを採用し、「33%砂糖をカット」と銘打つことで、収益は成長した。

frosties

全てのウェブサイトが同じような見た目になり、障害を排除し続け、人々に考えることをやめさせた先に、どのような世界が待っているのだろうか?

website-unique-look

きっと自分が正しい道を辿っているのか、確認をしなくなるような世界である。

正しい道?

自分自身の行動を振り返る機会が制限されたことにより失望するような世界を作り出してしまっている

そもそも、リール―の本当の目的は何だろうか?緑のずきんを買う事ではない。彼女のおばあちゃんに服を見せ、自分自身の再定義をし、赤ずきんを卒業することだ。

本当の目的

オートパイロットモードを切ることができたのならば、どのようなことが実現できるのだろうか?

恐らくリール―は、自分が正しい道の途中にいるのかを考える機会を得ることが出来たであろう。もちろん満足できるような経験は必要であるが、これで目標を達成したと勘違いしてはいけない。

我々は考える機会を与えるのである。これは日常生活にそれとなく介入し、賢明な判断の助けとなるものを強調してくれるのである。

リール―の場合であれば、小さいオオカミがいるのである。

小さいオオカミ

良いあつれきや障害の例を挙げさせてもらいたい。
つい最近、なぜ見出しを大文字にしているのかという質問を受けた。サイトの他のところでは大文字にしていないにも関わらずだ。この質問に対しての回答は、規範を破りたいからということである。ユーザーに違う反応をさせ、見出しにより注目を集めることが目的であった。

でも、それは一貫したユーザー体験ではないのではないか?

秘密を教えよう。一貫したユーザー体験は「脳を停止させるスイッチ」なのだ。

良い障害はガイダンスを与える。しかし、目立つものは特定しなければならない。
重要なことが気づきやすければ良いことである

時にローディングのアニメーションを、本当は(技術面から厳密にいうと)流す必要が無いのに表示させることがあるだろう。私はユーザーに、彼らの努力の効果があるという明確なシグナルを送りたいのである。彼らは自身の行動に対してのフィードバックを得て、多くの新しい情報の固まりを浴びる前に考える時間をとることが出来るのだ。「視覚的な障害」を見せることで、一つの障害を突破し、次の目的地への途中であることを示すのである。

これは、人々に対して自分自身の行動について反芻させるシチュエーションである。

ロードアニメーション

人々には達成感が必要なのである。障害を乗り越え自由になるのだ。これこそが経験である。良い体験のために障害を作り出す人を他に知っているだろうか?ゲームデザイナーである。

ここまで話してきたが、一番良い例は最後にとっておいた。数週間前コーチングのための部屋を借りるために「The Coaching House」に登録した。すべてオンラインで行われ、登録プロセスには3日間要した。冗談ではなく長い登録手順だった。しかしとても良いものでもあった。何より、利用規約で該当箇所を見つけたため割引を受けられたのである。

最後には、パスワードを受け取るためにビデオを見なければならなかったのである!パスワードは1文字ずつ与えられ、2分間のインターバルでは顧客の責任について話し始めたのである。いつでもギブアップはできたが、私はしなかった。彼らの提供するものが欲しかったのである。最終的に、The Coaching Houseは自分たちが欲しい、よく読み、モチベーションが高く、購入機会も豊富で、行動力のある顧客を手にすることが出来たのである。

全員を捕まえる

登録フォームをデザインしている人が考えているようなこととは対照に、読者の方はすべての人を捕まえて顧客にしたいわけではない思う。成功するためには、顧客やステークホルダーが誰であり、どうすれば彼らを助けられるのかを理解しなければならない。それこそがビジネスプランの何たるかである。皆を捕まえようとすれば、時間とお金を浪費させるだけの人を捕まえてしまう可能性も上がってしまうのである。払い戻し、フラストレーション、立腹、サポート部門などが日常的に良く使う言葉になってしまう。

成功するためには、ロイヤリティがどこにあるかを明確に把握しておかなければならない。「顧客とともにある」と答える前に、これは視野が狭いということも伝えておこう。

ユーザー、組織、目標、状況

あなたのロイヤリティは組織や、目標や状況にもあるのである。リール―が目標を達成することで得られる価値を他の人にも見せなければならない。

foundation for future disappointment

ユーザーの考えの助けとなるものを隠せば、更なる利益を生み出せるかもしれない。しかし、将来的な失望の土台を築いてしまっているのである。これは相互の興味に基づく関係性ではない。ユーザーが自身の価値観や目標の文脈で、提供されるサービスなどを考慮する時間をとる助けをするという、プロフェッショナルとしての約束の上にはないものだ。

respect for the real goal

ユーザーがもつ本当の目標やユーザーが目標に到達する権利をリスペクトすることで、結果への理解度が高い状態での選択を助ける障害を与えることが出来るのである。

障害を取り除くだけでなく、与えることで、我々UXの専門家は良い世界に貢献していると言えるのである。

良い世界

そうすることで、これからも幸せに生きていくことが出来るであろう。


この記事は、Axbom氏のブログに掲載された「The invisible problem with fairy tale experiences」を翻訳した内容です。


国の違いなのか、極端なサービスの例もあるな(笑)という印象ですが、目先の利便性だけではなく、ユーザーの長期的な目標達成まで見据えてサービスの構築を行うのが、本当の意味でユーザーファーストなのでしょうね。
— SEO Japan

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Google Dance Tokyoが4月3日に開催決定:【3/5申し込み〆切】

今年もGoogle Dance Tokyoが開催されるようです。申し込みは「今日」までとなっているので、お近くにお住まいの方はぜひ申し込みましょう!
— SEO Japan

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Google Danceが東京に戻ってくることは以前から知っていたが、本社GooglePlexがあるマウンテンビューでのGoogle Danceの状況は分かっていなかった。Google Danceカリフォルニアでのニュースも聞いていないので、SMX West後の数週間の間には開催されないと推測される。

Googleは東京版について詳細の投稿を日本語でしていて、私はGoogle翻訳のおかげで内容を理解することができた。

イベントは4月3日火曜日にGoogle東京オフィスで開催される。参加無料で200名限定である。こちらのフォームから申し込むことができるが、申し込み期限が3月の5日となっている。参加者は抽選で選ばれ、選ばれた人には3月8日以降に連絡がいく。
また、交通費は自費となっている。

去年と同様に、Googleのゲイリー・イェーシュ氏、長山一石氏、小川安奈氏、そして金谷武明氏が主催する。
※原文では長山さんのお名前がNagasaki Kazushi氏となっていましたが、修正させていただきました。

Google検索に関するセッションやQ&A、そしてGoogle社員と参加者の交流もある。
もしこのエリアにいるのならば、参加申し込みすべきだ。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Dance Tokyo Officially Returns On April 3, 2018」を翻訳した内容です。


日本語のGoogle ウェブマスター向け公式ブログでのお知らせはこちらです。
— SEO Japan

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新機能「多面強調スニペット」がGoogle検索結果に登場

Googleが新しいタイプの強調スニペットを発表しました。よりユーザーの意図に寄り添った回答を返す、というGoogleの方針を加速させるような新機能です。
— SEO Japan

Google検索結果機能をアップデートし、より広く微妙なニュアンスのクエリをターゲットとした広域な強調スニペットをリリース

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※リンク先は原文(英語)です

Googleはここ数か月で、多くの画像や強調スニペット、ナレッジグラフに関する新しい検索結果の機能をリリースしてきた。Googleは今日「multifaceted featured snippets(以下、多面強調スニペット)」と呼ばれる新しい検索機能をリリースした。

多面強調スニペットは、複数の解釈ができてしまうほど広い意味を持つクエリに対して表示される。この場合、検索結果は一つ以上の強調スニペットを含んでおり、元のクエリをアルゴリズムがユーザーが意図した質問を推定し書き直し、その新しい質問に対しての結果を表示させる。

アナウンスでは、

より理解可能な結果が助けとなるような、微妙なニュアンスのクエリは複数ある。そして、我々は複数の意図や目的と関連づけられた「複数意図」のクエリから始める。例えば「歯の詰め物の後の歯の痛み」というクエリであれば、「歯のつめものをした後になぜ歯が痛むのか?」か、「歯の詰め物をした後にどれだけ痛みが続くのか?」などと解釈ができる。

とされている。

また以下のような例もある。
multifaceted-featured-snippets
※(SEOJapan補足)
検索ワード:「庭には十分な太陽光が必要か?」
多面強調スニペット1:どのような園芸植物がたくさんの太陽光を必要とするのか?
多面強調スニペット2:十分な太陽光とみなされるのはどれくらいか?

多面強調スニペット(Multifaceted Featured Snippets) vs 複数観点アンサー(Multi-Perspective Answers)

去年12月、BingはAIを用いた複数観点アンサーを「インテリジェントサーチ」新機能の一部としてリリースした(インテリジェントサーチには、インテリジェントアンサー、インテリジェントイメージサーチ、コンバセーショナルサーチが含まれている)。複数視点アンサーはリリース時からある「インテリジェントアンサー」の機能の一部分である。これらの結果は二つ(もしくはそれ以上)の信頼できるトピックのソース、そして違った観点や回答を含んでいる。

Bingは再帰型ニューラルネットワークモデルを使用し、複数の信頼できるソースの類似性や、意味を決定している。そして、トピックに関連した複数の観点を抽出し、最最も関連性の高い複数観点アンサーを提供する。(ここでさらに詳しく説明している。)
bing-multi-perspective-answers
※(SEOJapan補足)
検索ワード:「コーヒーは体に良いのか?」
複数視点アンサー1:コーヒーは脂質を燃やすことが出来る。
複数視点アンサー2:1日4杯以上のコーヒーは寿命を縮める。

Googleの多面強調スニペットは、Bingの複数観点アンサーとそこまで大きく異なるようには見えない。なぜなら、一つのクエリに対して複数のリッチな回答を返しているからだ。しかし、多面強調スニペットは推定されたクエリに潜む複数の意図に立脚しており(その結果、複数クエリとその結果になっている)
単一クエリに対しての複数観点に立脚している複数視点アンサーとは異なる。これらの広い意味を持つクエリがあることで、ユーザーが本当に聞いていることには多くの解釈が存在しうる。

多面強調スニペットは複数意図クエリのシナリオに対して、より理解しやすく行動を促すような結果を提供することを目的としている。複数視点インテリジェントアンサーとは他の一緒に聞かれる可能性のある質問を推定している点で異なる。また、以下のスクリーンショットが示しているように、アルゴリズムが「ユーザーが本当に意図したであろう」と推定した各クエリに対して回答している点でも違いがある。

featured-snippet-multi-faceted
※(SEOJapan補足)
検索ワード「和の結合法則のルール」
多面強調スニペット1:和の交換法則と結合法則とはなにか?
多面強調スニペット2:和の結合法則とはどのように使えば良いのか?

多面強調スニペットはモバイルで最初にローンチされ、後にデスクトップにもやってくるだろう。2018年を通して、Googleは(複数の意図をもつクエリの他にも)他のニュアンスのクエリも見据えて、多面強調スニペットを拡大することも検討している。そしてガイダンスを求めているクエリなどを例として挙げた。

投稿によると、

例えば、「家の土台を修復するのって割に合うの?」のようなガイダンスを求めているようクエリは、「価格」「耐用期間」「方法」「費用」重要な要素をいくつか持っている。我々はカバーする領域を拡大するために、多面強調スニペットを通して実験を行っていく。

GoogleもBingもとてもよく適用されたディープラーニングの手法をもち、人工のニューラルネットワークを使用し検索の発展させているので、これからも絶え間ない検索結果の強化と情報探索の発展を見ることが出来るであろう。

いつものように、Googleはユーザーに対してこれらの新しい検索機能のフィードバックを求めている。ここ(英語)でGoogleのアナウンスの全文が確認できる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Multifaceted featured snippets begin rolling out in Google search results」を翻訳した内容です。


音声検索もありますが、Googleが検索結果をリッチにしていくという方針を変えない限り、きっとこれからも強調スニペットが強化されていくのでしょうね。
こちらの記事(今さら聞けない強調スニペット。全種類のまとめから対策まで)では、強調スニペットの種類などについてまとめているので、併せてご確認ください!
— SEO Japan

ランド・フィッシュキン氏がMozを離れ、SparkToroを立ち上げる

SEO界の超有名人ランド・フィッシュキン氏が自ら立ち上げたMozを離れ、SparkToroという新会社を立ち上げるようです。SEOへの貢献があまりにも大きいランド氏が自ら立ち上げた会社を離れることは、業界に大きな衝撃を与えました。– SEO Japan

Rand Fishkin Has Now Left Moz, Starts SparkToro
※リンク先は原文(英語)です

この日が来ることは分かっていた。彼は、彼の母親と一緒に立ち上げた会社を去ることを過去に発表しており、ついにその日が来てしまったのだ。このことについて昨夜、SparkToroという新しく立ち上げた会社のブログに投稿している。上記の写真はそこにあったものである。

SparkToroは、マーケターやPR担当者、スタートアップがリーチしたいオーディエンスのことを知るための、ソフトウェア製品とデータサービスである。そしてランド氏がこれを立ち上げたのである。

彼は自分が17年前に立ち上げたMozを離れた日の事を、とても詳細に明確に書き記している。

0が「首になって、警備員につまみ出される」、10は「素晴らしい言葉とともに自分の意志で離れる」としたら、今回私がMozを離れるのは4といったところだ。それがより今日という日を意識的にも、感情的にもつらい日にしている。とてもとても悲しいし、多くの後悔、そしてわずかな憤りを感じている。それでも、20年間私とこのMozを支えてくれた人に深く、深く感謝している。このような会社を立ち上げ、業界の変化や成熟に貢献し、起業家精神とマーケティング、そして自分自身について学んだ経験はとても光栄で名誉あることだと思う。

ランド氏がいかに業界に貢献したかについては過去に少し書き記した。これは業界にとっては悲しい瞬間だが、きっと新しいエキサイティングなことへとつながるはずだ。

ランド — 何もかもありがとう。君が将来成すことを見るのを楽しみにしているよ。

ランド氏のブログ、もしくはツイートで応援のコメントすることが出来る。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Rand Fishkin Has Now Left Moz, Starts SparkToro」を翻訳した内容です。


ランド氏はMozを離れますが、毎週金曜日(日本だと土曜日)に分かりやすくSEOなどについて解説している「Whiteboard Friday」は、これからもランド氏が続けていくそうなので、安心しました(笑)
ご興味がある方は「Whiteboard Friday(英語)」をご覧ください。
— SEO Japan

Googleが「モバイルスコアカード」と「インパクトカリキュレータ」をリリース:モバイルページスピードの重要性を強調

GoogleはMWC(モバイル・ワールド・コングレス)で新しいページスピードツールのツールをリリースしました。日本語の表示や円換算は未対応ですが、記事内のGIF画像を参考にぜひご自分のサイトでも試してみてください。

一つ目のツールは競合とのモバイルでの比較を可能に。もう一つはモバイルスピードがビジネスに与えるインパクトを確認するためのツール。

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Googleは数年に渡って、マーケターとサイト所有者にモバイルサイト上での体験を改善するように促してきた。月曜日、バルセロナで開催されているMWCで、検索の最大手Googleが新しいモバイルベンチマークツールのリリースをアナウンスして、この流れを加速させた。新しい「モバイルスコアカード」と「インパクトカリキュレータ」の二つのツールである。

二つのツールとも、マーケターへモバイルスピードへの投資を促すようなヴィジュアルを提示する。

モバイルスコアカードはChrome User Experience Reportのデータを利用し、複数のサイトの間でのページスピードの比較を行う。1月にページスピードインサイトで使い始めた潜在データのデータベースと同じものである。Googleはモバイルスコアカードが12か国以上の数千のサイトをレポートできるとしている。

http://www.seojapan.com/blog/wp-content/uploads/google-mobile-site-speed-scorecard-2.gif

Googleはガイドラインで、サイトのロードが完了しユーザーが使えるようになるまでの時間を、ミドルレンジのモバイル端末で、3G回線であれば5秒以内に、4G回線であれば3秒以内にすることを推奨している。

モバイルスコアカードのデータを競合も交えた金銭的な観点から見るために、新しい「インパクトカリキュレータ」はデザインされた。このレポートでは遅いロード時間によってどれほどのコンバージョン利益が失われているのかを見ることが出来る。

google-mobile-speed-conversion-impact-calculator

インパクトカリキュレータは、1秒のページ遅延ごとに小売サイトコンバージョンが最大20%の悪影響を受けるという、2017年4月の「The State of Online Retail Performance」のレポートに基づいている。
のデータに基づいている

このカリキュレータは平均月間訪問者数(Average Monthly Visitors)、平均注文単価(Average Order Value($))そしてコンバージョン率(Conversion Rate(%))を入力することで、ページロードの変化が収益にどれくらい影響を与えるのかを示してくれる。Googleはパブリッシャー向けに「DoubleClick Publisher Revenue Calculator」という類似したツールを過去に制作している。

モバイルスコアカードとインパクトカリキュレータはここからアクセスできる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google releases Mobile Scorecard & Impact Calculator tools to illustrate importance of mobile page speed」を翻訳した内容です。


ページスピードがコンバージョンへの影響を測定するのにはもってこいのツールですね。現在対応しているのは「ドイツ語」、「英語(米、英、加)」、「フランス語」。早く日本語にも対応してほしいところです。
— SEO Japan

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UXのプロはコンバージョン最適化をどう見ているのか?

CRO(コンバージョン最適化)の文脈においては、しばしばUX(ユーザーエクスペリエンス)についても議論しなければなりません。CROとUXが被る部分、そして対立する部分はどこにあるのでしょうか?そして、実際作業を行う際はどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
UXの専門家たちの意見を聞いてみましょう。
— SEO Japan

How Do UX Professionals View Conversion Optimization?

自分が取り組んでいることに対して、他者の意見を聞くことは、いつも楽しいものだ。

コンバージョンの最適化に関して、私たちはUXがプロセスの重要な部分を担っており、UXがさらなるコンバージョンをもたらしてくれると信じている。しかしUXの専門家たちは、コンバージョンの最適化をどう考えているのか?それが一体どういうもので、UX最適化の文脈に当てはまると考えているのだろうか?

その答えを見つけるため、私はUXの専門家たちに話を伺った。そこで学んだのは、彼らのコンバージョン最適化に対する認識は私たちのものと近い一方、必ずしも一致してはいないということだ。

UXのプロはコンバージョン最適化をどのようなものだと考えているか

UXのプロたちは、コンバージョン最適化をどう定義しているのか?また、コンバージョン最適化の取り組みでは何が行われていると認識しているのか?

Lean UX」の著者ジェフ・ゴセフ氏によれば、コンバージョン最適化とは「製品やサービスにおいて、顧客をより深いレベルのエンゲージメントへと導くための、価値の構成、CTA、価格の正しい組み合わせを見つけること」である。

他の人々も同様の定義をしている。コンバージョン最適化とは、もちろんより広範囲のものである。しかし人々の理解を話で聞いてみるのは興味深いものだ。例えば、MDH Human Pactorsの代表であるスーザン・オルソン氏は、こう語る。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「コンバージョン最適化は科学的な手法を使って、訪問者を顧客へと変えることです。効果的な戦略により、既存サイトにおける受動的な閲覧トラフィックを双方向の個人的な体験へと変えることで、より高い売り上げや利益がもたらされます。」

ウェブサイト最適化に、科学的なアプローチを持ち込んだところが私のお気に入りだ。なぜなら、コンバージョン最適化がただの「思い付きをテストすること」もしくは短期的な利益である、といった考えを薄めてくれるからである。

Digital Jugglerのオーナーであるジェームズ・ガード氏は、小さな行動と大きな行動の両方において、ビジネスの指標を改善する構造的なアプローチだと語っている。

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「コンバージョン最適化とは、目標が何であるかを問わず、ユーザージャーニーの進行や達成を改善する構造化されたアプローチだ。コンバージョンは財務ベース(注文の完了など)もしくはソフトターゲット(ニュースレターの登録など)の形がある。また、ブログを読んだ人のうちどれだけがシェアしてくれたか、というイベントベースの場合もありえる。

より広い文脈に関して、マクロコンバージョンはビジネス目標に沿ったものであるべきである。デジタルチャンネルはビジネスのビジョンの助けとなるべきで、もしビジネスの戦略にインフルエンサーを増加させることが含まれているならば、ネットプロモータースコアの調査、ソーシャルでの共有、友人へのおすすめなど、関連したコンバージョンを見るべきである。

マイクロコンバージョンは通常、マクロの文脈内でデジタルチームが運用するものになります。ここが戦術的最適化のプランが入る場所であり、マクロの目標を達成するために働く。例えば、マクロコンバージョンの目標が購入数の増加であれば、おそらくリストから製品ページヘのクリックの増加というマイクロコンバージョンが含まれることだろう。」

構造的なアプローチということには、全く同意である。私が発見したのは、大部分において、UXのプロはコンバージョン最適化をよく知っているわけではなく、それが何を伴うのかを非常に正確に理解しているということだ。ほとんどのプロたちは、構造的な最適化のプロセスを通して、ビジネスの指標を改善することだという風に考えている

コンバージョン最適化は組織にどう当てはまる?

次に私は、UXのプロたちがより広い最適化という文脈に、コンバージョン最適化がどう当てはまると考えているかを知りたくなった。CROチームは、SEO、ブランディング、IT、製品、そしてもちろんUXを含めて、どのように他者と働くことになるのだろうか?

UXとCRO(コンバージョン率最適化)の違いは?

最初に、コンバージョン最適化とUXの両方において、認識される目標を明確に描いておくと話がしやすいだろう。両者を実行するにあたり、どういった違いがあるのだろうか?

スーザン・オルソン氏によれば、効果的なコンバージョン最適化の戦略は非常に重要であり、コンバージョン最適化の法則の多くに、UXが当てはまると言う。実際、テストとリサーチを行ってチャンスのある領域を明らかにし、デザインを検証するという面においては共通だ。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「UXは学習、知覚、認識、振る舞い、動機に関連する多くの法則を、決定の判断に適用します。

コンバージョン最適化も、こうした心理学的法則を適用するのは同じですが、ユーザー体験を管理し、購入を行いたくなるような説得のマーケティングも合わせて組み込みます。

UXとコンバージョン最適化のどちらも、科学的な手法を活用し、繰り返しのテストを行うことが要求されます。しかしUXにおいて、テストはデザインの早い段階で行うのに対し、コンバージョン最適化では展開を開始した後に行うのです。」

次に、バーデン・ホップナー氏がQuoraで回答した、興味深い解説を見てみよう。

バーデン・ホップナー氏

バーデン・ホップナー氏

「UXデザイナーとは通常、UXプロジェクトでユーザーとの接点やクリエイティブを構築する人のことだ。ユーザーリサーチからのフィードバックを受け取り、ビジネスとユーザーに向けたソリューションを考える。UXデザイナーは非常に多様なバックグラウンドを持っており、しばしば、ワイヤフレーム、プロトタイプ、デザインソフトウェアのいずれかを使用して、アウトプットを制作します。

「コンバージョン最適化コンサルタント」は、特定のワークフローを評価する、短期的なビジネス契約を締結した人物です。ウェブ解析の経験を持っていることが多く、フローにおけるコンバージョン改善のため、一連のテストを提案する。こうしたテストを行うため、UXデザイナーと共に仕事をすることになるだろう。彼らが使いそうなツールは、ウェブアナリティクス、AB/MVTテストツール、デザインソフトウェアやパワーポイントだ。」

的を射た解説だ。しかしこれには、継続した最適化プロジェクトに取り組んでいる内部の人々が含まれていない。Axbom Innovation ABの創業者でUXデザイナーでもあるパー・アクスボム氏は、コンバージョン最適化を次のように語る。「これは開発プロセスと、デジタルソリューションの進行中に行うメンテナンスの一部である。実際の作業は他の誰かが行うとしても、責任を負うのは製品マネージャーなのだ。」

他にも、「コンバージョン最適化はUXの一部分である」といった反応もあった。また、次のようにも話している。

パー・アクスボム氏

パー・アクスボム氏
「私は、コンバージョン最適化は実行可能なUXの一部分であると認識している。
ユーザー体験のコンセプトは非常に広く、研究、戦略から、プロトタイプやコピーライティングにまで渡る。

あらゆるUXの作業に共通して当てはまるのは、ユーザー行動に関するデータと洞察をスタート地点としているということだ。コンバージョン最適化は、最初にKPIの設定におけるスキルとして起こり、次に開発を推し進めるデザインの決定において発生し、三番目には継続中のメンテナンス作業で起こる。私は、UXとコンバージョン最適化が相互に補完し合っているとはあまり思えない。なぜならコンバージョン最適化とは、プロダクトマネージャーがいつ、どこで最適化が必要であるかを理解するということだからだ。」

その定義の中では、うまく意味が通るように思う。しかし私は常に、UXはコンバージョン最適化の一部であると認識していた。なぜならコンバージョン最適化を行う多くの人々はUX(もしくは解析)の経験があり、それが最適化を行う上での基礎のスキルセットであると考えていたからだ。
おそらく、こういった形になるのではないだろうか。

UX+Analytics+Copywriting+Testing=Conversion optimization

しかし正直にいうと、あまりにも実験とデータが目立つがために、私はUXがより理論ベースのものであるとも考えていた。

もちろんユーザビリティ調査には厳密な定量的分野がある。しかし私が感じたのは、コンバージョン最適化はそうしたものの多くも含んでいるということだ(図中に、重なるエリアがあるだろう)。そしてコンバージョン最適化にももちろん、ある程度のヒューリスティックな側面も存在する。特にまだトラフィックが多くない段階であればなおさらである。

UXとCRO
※UX:理論と発見、CRO:テストと経験論

UXとCROはお互いどう補い合うのか?

この2つは別々な領域ではあるが、UXとコンバージョン最適化は多くの部分で重なり、また補い合っています。

スーザン・オルソン氏は、どちらも意思決定における不確実性を減少させることを狙いとしており、それによって収益と信頼性が高まると話しています。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「収益の高い組織では、大きな賭けを行うのにデータを使用し、不確実性、間違い、差異を減少させ、同時に確実性、信頼性、利益を増加させます。

コンバージョン最適化においては、しっかりとテストをコントロールしなければならない。収集できるあらゆる観測や分析が結果を改善させうるが、それは仮説を肯定するもしくは否定するテストを経た場合だけだ。

ユーザビリティテストは、さまざまなシナリオを素早く探求して即座にフィードバックを得たい場合や、予測できなかった仮説を立てる際に価値を持ちます。」

最後のポイントは、私が何度も聞いた事柄が含まれている。ユーザビリティ調査は、より優れた仮説を知らせるのに使われるということである。私たちの、ResearchXLモデルにおけるひとつのポイントになっているのには、理由があるのだ。

Digital Jugglerのジェームズ・ガード氏が、これをうまく説明してくれている。

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「CROを行うには、テストに向けた仮説を立てるための洞察が必要となる。

証明、もしくは反証するための仮説がないテストには、集中すべきポイントがない。UXは、なぜそれが起こっているのかを理解する手助けとなってくれる。どうしてユーザーはモバイルで商品をカートに入れないのか、といったことである。

構造化されたUXのアプローチは、顧客中心的な考え方を用いて、ユーザーがどうウェブサイトと関わるか、何がうまく機能して、問題がどこにあるのかを探求する。これを優れた手法として、特定されたユーザーのニーズに基づいた改善に利用することができる。そのため、UXの考え方はCROプロジェクトの構造、焦点、関連性を改善できるのです。」

ついに、優れたUXはより高いコンバージョンをもたらすことが分かった。これはジェフ・ゴセフ氏も信じていることである。

ジェフ・ゴセフ氏

ジェフ・ゴセフ氏
「価値を明確に、簡潔に、力強くプレゼンテーションすること(コンテンツ、デザイン、美しさ、CTA)で、提供する製品やサービスでは大きなコンバージョンの改善が見られるだろう。これはUXにおいてもコンテンツ側に寄った話だが、しかしデザイン要素もブランドに見合うものであるべきである。」

しかしデザインは、計量的な考えとは対立するものではないのか?

分析はデザインの敵だ。もしくは、ある人々は(おそらく)そう考えている。実際は、全くそんなことはない。これはUIEのジャレッド・スプール氏が行った素晴らしい講演の議題であり、彼の結論は「デザインは計量的な考えとは対立するものではなく、デザイナーとして計量の世界を受け入れ、その大きな力で、今取り組んでいることを変えるのに使う必要がある」といったものだった。

彼はさらに、ユーザー体験と定量的な分析を隔てるべきではないと続けている。

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「私たちは経験を使い、あちらの人々は定量的データを使う、といった考えは間違っている。私たちは定量的データを、少なくとも行動に関するデータ関しては、持っておかなくてはなりません。

態度に関するデータなどはどうでもよい。しかし行動に関するデータは、人々が実際に何を行っているのかを示しており、定量的データがUXチームの活動の一部となっているのである。」

つまり分析と経験が交差するどこかに、コンバージョン最適化、もしくはスプール氏が語った定量化可能なUXのようなものが、あるようだ。

どちらの領域も「推測」は信じない

最適化の初心者たちは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的なアプローチが正しい道だと思い込んでいます。「とにかくテストだ!」と彼らは言います。しかし人々は、トラフィックのA/Bテストに潜むトレードオフを忘れています。時に半分の片割れを失っているという事実を。

現在、それが探求のリスクとなっています。そもそも私たちがA/Bテストを行う見返りとして期待しているものは、一貫した戦略的なテストを通して、どのデザインが最もコンバージョンを得られるのか発見し、検証することだ。長期間行えば、それが利益をもたらしてくれるのだ。

しかし、どれをいつテストするのかを思い付きで推測するだけでは、テストを無駄にするリスクが発生し、無駄が増えれば、テストに対する不信感が芽生えるだろう。

Users Knowの代表で、UX for Kean Startupsの著者であるローラ・クライン氏も、これに同意してくれるだろう。彼女は単に思い付きのテストを行い、うまくいくものを見つけることよりも、定量的なユーザビリティの洞察を集めてテストに注ぎ込むことが正しいと信じている。

ローラ・クライン氏

ローラ・クライン氏
「もし本当にコンバージョンを最適化したければ、なぜ人々がコンバージョンしないかを知らなくてはなりません。私は実験が大好きですが、実験を行うためのアイデアを素早く得るには、会話が有効です。多くの人々は、より高いコンバージョンを目指して自己の手法をただA/Bテストするだけです。理想的なセグメントに属する顧客と話をして、コンバージョンファネルのユーザビリティテストを行い、直接フィードバックを受けましょう。これがうまくできれば、あなたのA/Bテストがもっと効率的になるでしょう。」

多くの人々がコンバージョン最適化に関して誤解しているのは、私たちが思い付きをテストしていて、意味ある洞察をもとにテストをしていないのではないかということだ。推測するに、前述の図を元にすると、これはUXにおいてもよくある誤解のようで、発見やアイデアから逸れてしまうのだ。

実際はどちらの分野においても、とにかく壁に物を投げてくっつく物を探すような手法は好まれない。どちらも、研究に多大な投資をするのである。

「なぜ」を見つける

UXとコンバージョン最適化が交差するもう一つの場所は、理由を見つけようと試みる場合だ。どちらも定量的データを分析してチャンスのある領域を見つけ、ソリューションを探求する。これについてUIEのジャレッド・スプール氏はこう語っている。

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
理由を理解することなく、優れたデザインの決断を下すことは難しい。私たちは深い解析を行う必要はないのである。必要なのは、ユーザー体験を改善する指標だ。すでに私たちは、そのツールを持っている。「ジャーニーマップ」と呼ばれるものである。」

制御不能な意見のリスクを緩和する

デザインvs指標について、スプール氏は素晴らしい話をしてくれている。

「私は何年も、ある実験を行っている。ある画面を見せるのだ。あなたのようなデザイナーが部屋いっぱいに集まり、そこで画面を見せるのである。

そして、私は一人ひとりになぜこんなことが起こっていると考えているのか書かせる。思い付いた推測を書いてもらうのである。

もちろん、これら4つの推測はどれも同じ大きさで、平等にグループ分けされて示される。興味深いことに、そこに集まった全ての人が、自分が正しいと感じたものこそが正解だと結論付けてしまうのである。」

この実験は、Malwarebytesで最適化のリーダーを務めるアンドリュー・アンデルソン氏のものと似ている。彼の記事「物語の誤診」で語られたことを見てみよう。

アンドリュー・アンデルソン氏

アンドリュー・アンデルソン氏
「私が新しいコンサルタントにしてもらった最初の事は、まだ結果を見たことがないどんなテストも行ってもらい、なぜテストにおける全てのバージョンが最高のものであり、明らかに優れているのかを説明してもらうことだった。

このゲームを始めるといつも、コンサルタントはそんなことは不可能で、どれだけ難しいのかを語る。しかし4つ目か5つ目のテストを行うまでには、説明することがどれだけ簡単なのかを理解し始めるのである。

  • 「このバージョンはバリュープロポジションを改善し、余分なものを取り除くため、人々は共感する。」
  • 「このバージョンは、ユーザーに行動を促す前に鍵となるセールスポイントを訴求することで、購入者がたどる道筋により多くのものを加えている。」
  • 「このバージョンの色使いは製品が知覚されるのを助け、ブランドに価値を加える。」

覚えておいてほしいのは、彼らはまだ結果は知らず、どれがうまく働き、どれが働かないかを判断する根拠を持っていないことです。これらの物語は、ただ物語を創造するために作り出しているに過ぎないのである。」

UXとCROのどちらでも、手がかりがない状態での推測、物語、根拠のない意見は尊重されない。

UXとCROに対立はあるか?

SEOとCROの関係性と同様で、UXとCROも相互補助的に働くと考えられる(マーケティングを始めたばかりの人々は、その頭字語から誤解を招きます)。しかし常にそうなのだろうか?私が話したUX専門家のうちの数人は、潜在的な対立について懸念を抱いていた。

直帰率と他の悪い指標

これはコンバージョン最適化に限ったことではないが、指標の中には政治的に影響されやすいものがある。つまり、あなたの計略を補強できるのである。ジャレッド・スプール氏が、スピーチでこのことを語っている

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「私たちは好きなように、これらの数字を見る。それは直帰率だ。直帰率はコンテンツに関する検証を行う人々が、最も話題にする数値だ。「うちの直帰率は高いから、もっといいコンテンツを書かなければ」もしくは、「うちの直帰率が高いということは、訪問者は正確に求めるものを見つけられている、つまりうちのコンテンツは十分に質が高い」などと言う。どちらを選んでもらっても構わないし、自分が好む意見を支持するのに直帰率を使うことも可能だ。

これは分析ではない。これは計略を増強するものだ。部屋にあなたの計略を持ち込み、得られたデータでそれを支持する。これは問題で、私たちはこういった見方をしてしまった場合、どうやって他の見方をすれば良いのか、全く手がかりがないのである。そして私たちは会議に集まり、何をしたいのかをすでに理解した上で、決定を支持するためにデータを読んでしまうのだ。」

直帰率や類似した指標について、最適化に熟達した組織でこのような使われ方をしているとは言えない。しかし、オンラインには十分にひどい内容の記事があり、罪深い人がいることを知った。

コンバージョン率もまた、悪い指標である

文言によるコンバージョン率の最適化は大きな議論を呼んでいます。それは、収益やビジネスにおける実際の指標に一切言及しないまま、コンバージョン率に集中しているからです。

CXLのPeepは、「もし本当にコンバージョン率だけを上げたいのであれば、値段を半額にすればいいのだ。これで即座に上がる。」という例について述べている。またジャレッドスプール氏も、微妙に異なる形で、このことを語っている

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「コンバージョン率には、他にも大きな問題がある。たとえば、私のサイトに一人の訪問者が来て、製品を見ているとしよう。一度戻って、また見に来てくれる。また戻って、またやって来た。それを繰り返し、ようやく購入してくれた。これは4回の訪問で1回購入が行われたとみるべきだろうか?それとも、一人の顧客がようやく購入をしてくれたとみるべきなのだろうか?

私たちは初回の購入のみに最適化するのか?それとも顧客が決断し、情報の印刷、上司や奥さんへの承認をもらうまでの時間を与えるべきだろうか?

我々は間違ったことに対して最適化しているようだ。あなたが望むように、コンバージョン率には意味を加えることができる。データを十分に長く曲解すれば、望んだ通りに働いてくれてしまうのだ。」

短期的ゴールを追求しすぎる?

私が聞いたうちでも最も大きな対立は、コンバージョン最適化は短期間の最適化になりがちな一方で、ユーザー体験の改善は長期間の満足度のために行われるというものだ。ここに少しでも真実が含まれているのか、それともただの誤解なのかはわからないが、これは長年信じられている。

パー・アクスボム氏は、これは長期間のユーザー満足度を考慮するよりも、短期間のビジネス目標を推し進めた結果であると説明している。

パー・アクスボム氏

パー・アクスボム氏
「もしコンバージョン率が飛躍的に上昇すれば、コンバージョンのプロジェクトとしては成功だ。しかし同時に、満足していないユーザーが増えれば、UXのプロジェクトとしては失敗です。短期的には売り上げは上昇するだろうが、ユーザーはすでに別のサービスへの乗り換えを検討しているかもしれないし、それによって後にユーザー数が突如として落ち込むことになるかもしれない。

私が最近書いた記事「おとぎ話に潜む落とし穴」で、UXを手がける人間として、コンバージョン最適化だけを行う人間にはならないことが私たちの仕事である、ということを論じた。私の恐れには2つの部分がある。

  1. 1. コンバージョン最適化を行う人々は、ユーザーを理解するのに十分な時間を使わず、間違ったデータ(時にはただの勘)で新しいデザインをこき下ろす。そのため、うまく動作するデザインソリューションに仕上げるのに時間がかかる。
  2. 2. そして高いコンバージョン率に集中することで、顧客が意図せず購入を行ってしまう場合、たとえば認知能力にハンデを持つ人が、うっかり同じ製品の定期購読をいくつも申し込んでしまうなど、を無視してしまう。時には、ただ余計な摩擦を取り除くだけで良いのだ。

しかし、UXとコンバージョン最適化の両スキルがうまく合わさればもちろん、魔法のような結果を生み出す可能性もあるだろう。」

ジェフ・ゴセフ氏は、最適化におけるダークパターンの使用についても懸念している。これは優れたユーザー体験とは真逆のものであり、訪問者を騙すような形でコンバージョン率を上昇させることができてしまう。

ジェフ・ゴセフ氏

ジェフ・ゴセフ氏
「コンバージョン最適化においては、本当に多くのダークパターンが存在する。これらは長期的なブランド、ロイヤリティ、リテンションを諦めるかわりに、短期的にコンバージョンを高める。一例として、過剰なメールマーケティングが挙げられる。これで早期にコンバージョンの上昇を達成できるが、この過程で、ブランドを大きく傷つけることになるだろう。」

ウェブデザインとコンサルティング業務を行うブラッド・フロスト氏も、これに言及している。コンバージョン最適化とUXは通常はお互いを補い合うものだが、ちょっとした手法を使うことで、人々を思い通りに操る力も秘めている。

ブラッド・フロスト氏

ブラッド・フロスト氏
「UXデザインのベストプラクティスに従えば、最小限の労力で人々を思い通りのユーザーフローへと招き入れることができるだろう。これはいいことだ。しかし!マーケティングのゴールとユーザーのゴールが異なる場合も多いため、ビジネス側はひどいUXテクニックを利用して、ユーザーの注目をビジネス側の意図するものへと誘導するような策略を企てたくなるのである。

私のアドバイスはシンプルだ。ユーザーと彼らの時間を尊重すること。継続的に良い体験を与えれば、ユーザーは喜んでニュースレターに登録したり、製品を購入したり、Facebookでいいねをくれたりなど、望む行動を取ってくれるだろう。」

Change Sciencesの創業者であるパメラ・パブリスカック氏も、短期目標と長期目標のバランスが常に理想的とは限らない点に触れている。

パメラ・パブリスカック氏

パメラ・パブリスカック氏
「CROとUXは、短期的な説得と長期的な付き合いのバランスが取れない場合に枝分かれをします。私たちの理不尽で感情的な内面をデザインするのではなく、最高の体験がそれらを支持するのである。結局、そうした体験こそがユーザーとの有意義な関係を最も育ててくれるのです。」

その他の組織的対立

私はCROとUXの潜在的な対立について、スーザン・オルソン氏の視点が気に入っている。彼女は、コンバージョン最適化は未だに誤解されていると言う。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「私はここには二種類の対立があると思います。まずは、コンバージョン最適化が過小評価され、誤解され続けていることです。まだ十分に発達しておらず、科学的な手法の知識が求められ専用のツールを使う必要があると思われています。もう一つは、最適化をUXとともに組織の戦略に組み込む方が合理的であるということです。特に組織内に熱心な推進派と、意見よりもデータを重視する文化の存在が求められます。」

ジェームズ・ガード氏も、対立は実践的なものと言うより、組織的な苦しみであると認識している

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「科学的な観点から見て対立があるとは思わない。しかしビジネスにおいて、CROの責任者とUXの責任者の間に断絶が存在することはよくある。

たとえば、ウェブ解析の当事者はデータ分析を元にテストを計画するが、そこにテストの手法や優先度のアドバイスをくれるUXチームは含めない。

私も、顧客中心でないテストプログラムを見たことがある。それはデータを利用して問題を特定しデジタルチームがソリューションを導き出すものだが、テストの仮説を特定するのにUXドリブンのアプローチを使わず、ユーザーインサイトだけを元にしてソリューションを作り上げてしまうのである。

つまり対立は、広いビジネスの参加が必要とされるテストの実行の過程ではなく、一貫性に欠けるプロセスの中に潜んでいることが多い。」

おそらく、組織的な効率を向上させるには、UXと最適化(とSEO)のチームが手を組み、重要なビジネスの指標を増加させるよう働く必要がある。

結論

UXに関わる人々はほとんどの場合、コンバージョン最適化を正しいレンズで認識している。しかし、いくつか相違も見られる。

一つ目に、コンバージョン最適化の作業についての見方だ。バリュープロポジションとCTAが全てではない。

二つ目に、コンバージョン最適化を行う人々は、短期的な利益を追求するという考えだ。最適化の担当者が、ごくわずかに人を騙すような要素を入れ、200%の上昇が1日で得られたとしましょう。しかしそれでは振れ幅が大きくなり、またその上昇にもあまり価値はない。

こういった行動は、熟練のプロにはあまり見られない。

しかしまとめると、UXとコンバージョン最適化は、どちらもユーザー体験を最適化し、顧客とビジネスの成果の両方により高い価値を与えることなのである。認識は常に一致しなくとも、その目標は同じものなのだ。


この記事は、ConversionXLに掲載された「How Do UX Professionals View Conversion Optimization?」を翻訳した内容です。


目指すところは共通していても、内包している要素や期間の長さでの違いがあるというのは興味深いですね。また、CROは長期的にビジネスを発展させるためのプロセスであることは肝に銘じておく必要があります。

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