Facebook、購売データ業者を利用した「車を買いそうな人」などのターゲティングを可能に

オンライン、オフラインの購売データ提供会社大手のDatalogix、Epsilon、Acxiom、およびBlueKaiと新たに提携したFacebookは、今後広告主が、既存・潜在顧客のハッシュ化リストや、RPGゲーマー、炭酸飲料好きなどのカテゴリーを使ってターゲティングすることを可能にする。この拡張されたCustom Audiencesプログラムは、本当の購入者にマッチした広告を打つことによって売上の拡大をもたらし広告主を引きつけることができるだろう。

先週AdAgeは、DatalogixEpsilon、およびAcxiomとの提携を初めて報じたが、その後BlueKaiを含めて正式に確認された。これは、Facebookの広告は単なるブランドマーケティングもどきではなく、企業の製品を買う真の顧客にリーチできる、ということを企業に知らしめたい同社の探究の一環だ。

これまで少々苦戦しているのは、複雑な製品、ターゲティングの制約に加えて広告主の体験の少なさゆえに、結果を出せない企業もあったからだ。それらの企業が、Facebookの広告プラットフォームは効果がないと言いふらして他の大広告主を怖がらせることもあった。

helpこれはFacebookが昨年9月にCustom Audiencesプログラムをスタートした理由の一つでもある。広告主のウェブサイトを訪れたユーザーをcookieベースでリアルタイムに再ターゲットするFacebook Exchangeを補完するものだ。データプロバイダーはcookeiを使ってCustom Audiencesに人を追加できるだけでなく、メールによる登録や他の連絡先情報を使用することもできる。

新しいパートナー4社は、すでに多くの世界最大級ブランドのために、メールマーケティングやダイレクトメールその他のオンライン広告でターゲティングを行っている。今後彼らは、同じデータを使ってFacebook広告を正確に狙い打ちできるようになると同社のStudioブログで語っている。企業はデータパートナーに対して、顧客あるいは潜在顧客のメールアドレス等の情報を、プライバシー保護されたハッシュ化リストにしてアップロードするよう依頼できる。これを使ってそのグループの人々をターゲットできるが、リーチしている相手を特定する個人情報を知ることはない。

これらのデータプロバイダーを利用したのことのない企業であっても、今回の提携の恩恵を受けることができる。Facebookは、定義済みカテゴリーとして自動車購売予定者、高級ファッション購売者等を用意しており、どの企業でも利用できる。

Facebook Data Provider Ad Custom Audiences

Facebookが行ったケーススタディーによると、シカゴの自動車ディーラー、Castle Auto Groupが既存顧客のCustom AudiencesをターゲットしたFacebook広告を組み合わせることにより、宣伝費の24倍の見返りがあった。香港のゲームデベロッパー、Klingnetは自社タイトルをプレイしそうな人々のCustom Audiencesを使用してインストール当たりのコストを40%削減した。

データ保護とハッシュ化によって広告主が個人を特定できなくしたのに加えて、Facebookはユーザーがこのプログラムからオプトアウトする手段も用意している。Facebookは、プライバシーページの注意書きで、Custom Audiences広告をクリックして、どの広告主が自分をターゲットしているのかを見て、その広告主の広告を今後受け取らなくしたり、そのデータプロバイダーのターゲティングから外れる方法まで詳しく説明している。

もしこのCustom Audiencesプログラムがうまく行けば、ホンダのディーラーは「シカゴ在住でホンダの好きな人」から「シカゴ在住で自動車販売ウェブサイトを訪れたことがあるか、ディーラーのメールに登録したか、3~10年前の間にホンタ車を購入した人」までターゲットできる。ご想像の通り、後者の方が販売につながる可能性はずっと高い。企業はFacebook広告で利益を上げることができれば、Facebook広告に宣伝費をかけるようになる。

これはみな、オンライン広告がより正確になっていく大きな動きの一環だ。時間と共にオフライン、オンライン双方の購売と行動が、特定の層や個人に結びつけられていく。テレビや印刷媒体によるターゲットの曖昧な掃射的アプローチは消え、やって来るのは商品にお金を払うつもりのある人々にレーザー照準された広告だ。これは、人々が多くの時間を費やすオンライン広告プラットフォームであれば、Twitterやその他のメディアサイトにとっても良い兆候だが、何といってもFacebookである。もし企業が、いつもそこにいる熱心な視聴者を捕えておくことができれば、ひとたび測定やターゲティングの技術が進化した時幸運を得ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

ついに車(自動車)も3Dプリントで作れる

[筆者: Michael Seo]
urbee

3Dプリントが本格的な普及期を迎え、ほとんどありとあらゆるものをプリントできるようになった。

3Dプリントで作れる物のリストに、もうすぐ車(自動車)が加わる。

Wired誌の記事によると、それはUrbee 2という名前のハイブリッド三輪自動車で、すべてのボディパーツを3Dプリンタで作る。大衆価格の3DプリンタMakerbotForm 1が、われわれの物作りの概念を変えたように、Urbeeは自動車製造のやり方を変えようとしている。

Urbeeを考案したのは、Jim Korと彼の会社Kor Ecologicの連中だ。この会社は3Dプリントで未来の車を作ることだけがミッションである。同社のWebサイトにその壮大なヴィジョンの詳しい説明があるが、以下にその要旨をまとめてみた。

“燃費の最大化を目指す。製造過程、運転、そして廃車リサイクルのすべての段階で環境汚染を最小化する。できるかぎり、地域や国内で入手可能な素材だけを使用する”。

すなわちKorのねらいは、未来の車の軽量化、高エネルギー効率化、そして製造の簡易化だ。

Urbeeの製造工程はすべて、世界初の3Dプリント・オートバイを作ったRedEyeで行われる。Korによると、3Dプリントの良いところは、鋼板では不可能な、特殊なデザインも可能なことだ。複数の部品をあとで組み立てるのではなく、3Dプリンタは単一ボディの全体を一度に作る。だから製造がとっても簡単だ。各モデルのファイルをプリンタにアップロードして2500時間(105日)待つと、必要なプラスチックパーツがすべて完成する。

そう、世界初の3Dプリント・カーは、車体がプラスチック製だ。

路上運転をしても完全に安全だ、とKorは断言する。“レースカー並に安全だ、と社内では言っている”、と彼はWired誌に語っている。“ル・マンの検査に合格することを、目指している”。なお、言うまでもなく、エンジン、駆動部品、シャシーなどはプラスチックの3Dプリントではない。ふつうに、鋼鉄製だ。

グッドラック!、Urbee。形は超大型のマウスみたいだが、3年前に比べると、ずいぶん進歩したよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、検索結果にカレンダーからの検索内容も表示する機能を追加(フィールドトライアル利用者向け)

gmail_search_field_trialGoogleからのアナウンスによるとGmailおよびGoogle.comでのフィールドトライアルに参加する利用者について、Googleの検索結果ページに、自分のカレンダーからの検索結果なども表示するようにしたのだそうだ。[what is on my calendar today]や[when am i meeting rip]などといった検索ができるようになる。

ちなみに、フィールドトライアル自体はしばらく前から行なっているものだ。検索にパーソナライズしたものも表示したいと考えている人は誰でも参加できるようになっている。

Googleは最近、トライアルの参加者に対して直近のフライト予定やレストランないしホテルの予約情報、イベント情報なども表示するようにしている。これはGmailの受信箱を検索して、OpenTable、Ticketmaster、Eventbriteなどからのメール情報を検索結果に表示していたわけだ。こうした情報の一部は、Google Nowでも利用されているものだ。

Google Search部門のシニア・バイスプレジデントであるAmit Singhalによると、そもそも最も必要な情報というのは公開ウェブの検索からは得られず、メールなどの情報もあわせて検索する必要があることも多いということが、このフィールドトライアルをスタートするきっかけとなったようだ。

こうした機能を一般向けに公開するのではなく、「フィールドトライアル」といった形で出してくるのは当然のことだろう。すなわち、機能の実現にあたってはGmailの受信箱やカレンダーを検索して、それをGoogle.comサイト上に表示するという処理が必要になる。利用者のプライベートな情報を検索して利用するということに不快感を感じる利用者もいるからだ。

ちなみに今回の機能追加も含め、フィールドトライアルは現在アメリカ国内で英語モードで利用している、gmail.comのアドレスを所有している人が対象だ。尚、Google Apps内の情報については今回の追加オプション機能は適用されない。

google_search_field_trial_calendar

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(翻訳:Maeda, H)

GMOがネット選挙解禁に向け新たな取組みを発表 — 電子証明書でなりすましを防ぐ

政権が自民党へ戻り、今年秋の選挙に向けネット選挙解禁の動きが活発になっている。海外の主要国ではすでにネット選挙は行われているし、中には投票までネットでできる国もある。日本ではもちろん初めての取組みなので、現状の法律で規制されている部分が多いことや、ネット選挙に関する諸問題解決のためのノウハウがないことがネックになっている。

そこで、GMOがネット選挙解禁に向けて新たな取組みを発表した。66社のグループ会社、3,152名の社員を抱えるGMOインターネットグループの技術やノウハウを活かし、現在懸念されている問題点のソリューションを提供する。

GMOが解決するのは主に政党、現職議員、候補者への「なりすまし」問題だ。ネット選挙が解禁されると、ホームページやブログ、TwitterやFacebookといったソーシャルメディア、電子メールが使われる。

選挙カーで町中を走り回るよりも、コストも少なく短時間で多くの方にリーチでき、発言内容も簡単にアーカイブできるという点ではネットは素晴らしいが、ご存知の通りこれらのツールは誰でも簡単に利用できてしまう。

Twitterでは公認マークが配布されることで偽造アカウントと区別することはできるが、ホームページやブログ、ましてやメールでなりすましを特定することは難しい。

この問題の解決策が見いだされない限りネット選挙を解禁することは難しい。だが、GMOがなりすまし問題に関しては解決してくれるかもしれない。

GMOインターネットグループのGMOグローバルサインは電子認証サービスを展開しており、ウェブサイトの証明書のシェアは国内で1位だという。そして、この技術を政界にも活用する。

ウェブサイトやメールで自分がやりとりしている相手がどうかを確かめるにはブラウザのアドレスバーにある鍵のアイコンをクリックし、電子証明書を見ることでわかる。

電子証明書は認証局が発行しており、ネット上で身分証明書のような役割をしている。ただ、電子証明書の存在自体を知っているネットユーザーはそれほど多くないだろうし、証明書の見方や内容について理解し、サイトに訪れる際に毎回チェックしている人はほとんど居ないだろう。

また、法人を認証する電子証明書は存在するが政党などを証明するものはなかった。電子証明書を政界用に作成し、視覚的にわかりやすく一般化するため、GMOは証明書をバナー広告のような「サイトシール」としてウェブサイトに組み込めるサービスを開発した。

政党公式サイト、国会議員公式サイト、候補者公式サイトの3種類のシールを用意し、そのシールをクリックするとGMOグローバルサインが認証していることを表示する。メールでも同じように電子メール証明書を用いて送信者の情報を確認する。

シールをサイトに貼っても閲覧者が何を証明するものか認知していなければ、意味がないのでこれからは政党とも協力し認知度の向上を目指さなければならないが、現状ではなりすましに対するベストな解決策なのかもしれない。

サイトにシールを貼るとなると、偽造されたシールが出回る可能性があるなど、懸念事項はゼロではないがセキュリティにもかなり力を入れているようだ。

気になる料金だが、通常の電子証明書は1個につき1年で7万円ほどかかるそうだが、今回のサービスのうち、ウェブサイトの証明書については無料で寄付という形をとるようだ。電子メールの証明書に関しては政党、国会議員、候補者は1年につき840円から2,940円の料金を支払う。

なぜメールだけ利用料を徴収するのかというと政治資金規正法により、会社の資本金や利益によって寄付できる上限が決まっており、電子メールまではカバーできないそうだ。

この法律により、厳密にいうとウェブサイトの証明書等は議員個人へ寄付することができないため、政党のネット窓口とやりとりをすることになるという。

なお、ネット投票が行われているエストニアには個々人にユニークなIDである「国民IDカード」が割り振られていたりするので、日本ではすぐに実現されることはないだろう。

だが、今回のようにネット企業が政界の問題へのソリューションを提供することで徐々に色々な活動が始めることに期待したい。

タッチが面倒で8にアップしないWin7ユーザ向けにIE10がリリース, CMもタッチを強調

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人を長く待たせたMicrosoftが今日(米国時間2/26)やっと、Internet Explorer 10を全世界のWindows 7ユーザに提供する、と発表した。これまではWindows 8だけだったが、昨年11月にはWindows 7用IE10のプレビューバージョンがローンチした。今日リリースされるのは、公式バージョンである。なお、全世界で7億人以上いるIE9のユーザと、前記プレビューバージョンのユーザに対しては、自動アップデートが始まる。

プレビューバージョンのユーザには自動アップデートがすぐに始まり、そのほかのWin7ユーザには今後数週間〜数か月の内に通知が来る。Microsoftは、アップグレードに伴う問題点の検出と修正をしながら、徐々にIE10の世界展開を図るようだ。

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MicrosoftでInternet ExplorerのゼネラルマネージャをやっているRyan Gavinが先週語ったところによると、Internet Explorerのユーザが10へのアップグレードをためらったり、嫌がったりする理由はまったく見あたらない。Windows 8に先行リリースしたので、テスト履歴もこれまでのIEで最高最良である、と。

Microsoftによると、IE10はIE9の20%以上速く、しかもそれはベンチマークではなく実用テストの結果である。Gavinによると、IE10は”Do Not Track”(トラッキング拒否)がデフォルトでonである。またプライバシーとセキュリティの機能もIE9より充実している。

IE10のWindows 7バージョンはWindows 8バージョンとほとんど同じであり、同じデザイン、同じJavaScript、同じレイアウトエンジンを使用し、ハードウェアアクセラレーションによるSVGやHTML4構文の実装も、Windows 8の場合と同じだ。

デベロッパ向けには、IE10ではIE9に比べ、“現代的なWebスタンダードのサポートが60%増えた”。たとえば、CSS3のTransitionとAnimations、レスポンシブなページレイアウトのサポートを改良(CSS3のGgrid、Positioned Floatなど)、HTML5のForm、WebSocket、HTML5のドラッグ&ドロップ、タッチ方式のWebアプリケーションのためのポインタイベント、など。

IE10のコマーシャルはタッチを強調

MicrosoftはIE10に関してとくに、タッチ対応を強調している。Windows 7が載ってる製品はタッチ画面のが少ないにもかかわらず、同社はテレビコマーシャルでもタッチを主役にしている。またMicrosoftが今日立ち上げたExploreTouch.ieは、広告と、キャンペーンに起用されたBlake Lewisの曲のあるHTML5によるサイトだ。このサイトを作ったのはFantasy Interactive、Clarity ConsultingとIEのチームが賛助した。例によってMicrosoftは、このサイトのメイキングやコードサンプルなど、楽屋裏情報も見せている。

以下が、そのテレビコマーシャルだ:


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Instagram、スタートから28ヵ月でアクティブユーザー数1億人を達成(売却は成功だったのか?!)

Instagram 100 million2人で間借りしつつ始めたサービスが、Facebookに7億1500万ドルで買収されるようなサービスになった。Android版でも人気を集め、プライバシー絡みの騒動も乗り切った。そしてInstagramの月間アクティブ利用者数が1億人を突破したのだそうだ。InstagramはiOS環境での成功の後、サービスを売却することでサービス拡充をはかった。Instagramが何を売り渡したのかについてはいろいろ言われるところもあるが、ともかくサービスが成功をおさめていることについては議論の余地はない様子だ。

困難な時期も振り返りつつ、共同ファウンダーでCEOのKevin SystromがInstagramのこれまでについてブログ記事に書いている。曰く「写真により世界中が繋がり、そして相互理解も進んでいます」とのこと。

今回のブログ記事には記されていないが、Android版をリリースした4月3日の直後に、Instagramは重大な発表を行なっている。そう、Facebookにサービスを売却したのだ。Android版をリリースする頃、InstagramはiOS環境で3000万台にインストールされていた。そしてInstagramとしては、デザイン性を重視したiOS環境の外に出ても成功をおさめることができるかどうか、全くのギャンブルだと考えていたようだ。利用者が減ってしまい、競合他社に打ちのめされてしまう可能性も考えていた。実のところ、Android版は最初の12時間で100万人の新規利用者を獲得したのだが、大失敗になるリスクもあると考えていた。そこにFacebookから10億ドルの買収オファー(現金と株式)があった。従業員13名のビジネスにとっては十分過ぎるものだった。さまざまなリスクのことを考えつつ、Facebookへの売却を決めたのだった。

もしSystromが未来を予見できたのであれば、売却は見送っていただろうか。Androidアプリケーションは大ブレイクし、そしてiPhone版も大いに人気を集め続けた。Facebookの力などなくとも、あるいはFacebookのCameraと競合していったとしても、Instagramの独走は続くこととなったかもしれない。

売却時に比べた利用者数は3倍以上となっている。Instagramの地位が直ちに揺らいでしまうようなことはなさそうに見える。今、売却するとすれば、価格は20億ドルないし30億ドルになるという可能性すらあるのかもしれない。まだInstagramが独立した存在であったならば、誰か数十億ドルの購入資金の調達に動くだろうか。ちなみにInstagramの買収は、FacebookのIPO前のことだった。上場によって大金を手にするのが普通であると考えられていた時期でもあった。

しかしSystromは賭けに乗るよりも、目の前にある成功を掴むという選択を行った(従業員にとっても「成功」を掴み取ることのできる選択だった)。世界最大のソーシャルネットワークと協業することで、サービスの影響力拡大を狙ったわけだ。結局、今でもInstagramはFacebookと独立して動いているところもある。すなわちSystromにとっては一石二鳥ということになったのかもしれない。

Twitterの共同ファウンダーであるEv Williamsは先週「会社を売る3つの理由」という記事(英文)を寄稿してくれている。3つの理由のうち、1つがあれば売却を考えて良いのだそうだ。挙げられているのは、企業価値を大幅に上回る提案が成されたとき、ないし切迫した危機を乗り越えるためであるときといったものだ。また、創業者として手放してしまいたくなったのなら売れば良いとも言っている。Instagramについて見ると、Android版で壊滅的失敗をしてしまう可能性を考えた上での保険的意味、またFacebookそのものから仕掛けられるであろう競争を避ける意味、そしてまたザッカーバーグのように、広い世界を相手にしてみたいというSystrom本人の望みもあった。これを考えれば、1億のアクティブユーザーを抱えることになった10ヵ月後から見ても、売却は成功であったのかもしれない。

1億ユーザーを記念するKevinのブログ記事を転載しておこう(英文ママ)。

Instagram’s first office had few redeeming qualities—and insulation was not one of them. There were only two of us, so we rented desks in a co-working space on a pier over San Francisco Bay. At night, it was common to find us working in winter jackets huddled over our laptops where the air was so cold we could see our breath. It was October 2010 when we launched Instagram, and San Francisco had dealt us a particularly unforgiving and chilly fall.

One night soon after launch, about a half-mile away, Giants Stadium was full of fans cheering on their team in a race for the NLCS against the Philadelphia Phillies. You see, having so little insulation in the office had an unintended consequence of being able to hear the crowd roar every time someone hit a long ball out towards McCovey Cove. Back in the office, we’d lift our heads up from code with every eruption of the fans, wondering who was at bat, what had happened, and whether the ball had made it or not. We never knew, but that wasn’t the point.

While we may only have had a few thousand people around the world using Instagram that night, we had a sense that maybe through Instagram we could tune in to what was happening just a few steps away. With a few quick commands at his terminal, my co-founder Mike’s screen filled with images of the game: the bullpen, dugout, concession stands, cheering fans and a panoramic view from somewhere up high. In a matter of hours, the people in that stadium had recorded moments in time through Instagram and allowed us to tune into an event while we sat a half a mile away, working—winter coats and all.

For the first time, we understood why Instagram was going to be different. We understood the power of images to connect people to what was happening in the world around them. And, although Instagram had a fraction of the user base it does today, that night we saw a preview of what Instagram would enable at a much larger scale down the road.

Now, nearly two and a half years later, over 100 million people use Instagram every month. It’s easy to see this as an accomplishment for a company, but I think the truth is that it’s an accomplishment for our community. Now, more than ever, people are capturing the world in real-time using Instagram—sharing images from the farthest corners of the globe. What we see as a result is a world more connected and understood through photographs.

Of the 100 million people on Instagram, there are stories that awe us: stories like Kathryn Mahoney’s (@nineteenfiftyone). Kathryn is an aid worker for the United Nations in the most remote refugee camp in Southern Sudan. She shares vivid photos of the day-to-day life of the people who live in Yida as well as the struggles and triumphs of the UN’s work there. From thousands of miles away, Kathryn reminds us of the power of images to educate and inspire.

There are love stories that move us, like the story of Cory (@withhearts) and Bethany (@bethanyolson) who began following each other a year and a half ago at the suggestion of a mutual photographer friend. After trading likes on photos, meeting for coffee, and finally joining up for a photowalk, a mutual interest in photography turned into dating. To this day, they still go on photography adventures and explore the world together with Instagram in tow.

And there are inspiring stories of small businesses and artisans. Mission Bicycle (@missionbicycle), a small, independent manufacture in san Francisco, has amassed nearly 50,000 followers as they share the photos from their daily work of making beautiful bicycles by hand. Similarly, Sightglass Coffee (@sightglass) shares photos from their harvesting grounds in El Salvador and Ethiopia to remind us that even a local business has global connections.

Images have the ability to connect people from all backgrounds, languages and cultures. They connect us to aid workers halfway across the world in Sudan, to entrepreneurs in San Francisco and even to events in our own backyards. Instagram, as a tool to inspire and connect, is only as powerful as the community it is made of. For this reason, we feel extremely lucky to have the chance to build this with all of you. So from our team to the hundred million people who call Instagram home, we say thank you. Thank you for sharing your world and inspiring us all to do the same.

Kevin Systrom

Co-founder, Instagram

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(翻訳:Maeda, H)

Chromeブラウザ(とGoogle Docs)のスペルチェッカーが賢くなった

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今日(米国時間2/26)リリースされたChromeバージョン26のベータでは、スペルチェッカーが更新された(ブラウザ内とGoogle Docs)。新たに韓国語とタミール語とアルバニア語がサポートされ、また改良箇所も多い。しかし、いちばん重要な新機能は、Chromeの設定を複数のデバイスでシンクするときに、ユーザのカスタム辞書もシンクできるようになったことだ。だからユーザの名前の綴りとか、一部のスタートアップの名前などが、スペルチェッカーのデフォルトから見ておかしくても、それを新しいChromebookなどの上でうるさく指摘されることはない。

spellcheck

またスペルチェッカーの”Ask Google for suggestions“(Googleにサジェッションを求める)機能が改良され、ブラウザの辞書だけでなくGoogleのWebサービスも見てスペルを提案するようになった。Googleはこの新機能について、“英語における、文法/同音同綴異義語/文脈感知型のスペルチェックを提供する。それはGoogle検索で今使われている技術と同じものである”、と言っている。今は英語だけだが、ほかの言語ももうすぐ対応するそうだ。

また、これからはスペルチェッカーが、“ ‘Justin Bieber’、 ‘Skrillex’などの固有名詞を理解するので、たとえばDananananaykroydでnをいくつ書くべきか(正解:4つ)思い出せなくても、もう大丈夫”、だそうだ。

WindowsとLinuxとChrome OSのユーザにはChrome v26の安定バージョンがもうすぐ提供される。Macのサポートは、やや遅れるらしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネイティブ開発よりHTML5によるクロスプラットホーム開発にデベロッパの心は傾く

HTML5_vs._Hybrid_vs._Native

Telerik社のHTML5フレームワークKendo UIの委嘱で行われた調査によると、今ではそれぞれのプラットホーム向けにネイティブなアプリケーションを作るよりも、最初からHTML5でクロスプラットホームな開発を志向するデベロッパの方が多くなっている。同社が全世界5000名のデベロッパを対象に行った2013 Global Developer Survey(2013年グローバルデベロッパ調査)の結果では、全員が2012年にHTML5でアプリケーションを開発した経験があり、その90%が2013年にもそうしたいと答えている。逆に、ネイティブのみを志向するデベロッパは全体の15%であった。

Kendo UIのWeb&モバイル担当VP Todd Anglinによると、調査の目的はデベロッパたちのHTML5への取り組みの現状と、HTML5でどんな種類のアプリケーションが開発されているかを知ることであった。

またこの調査には、もっと大きな視点も含まれており、たとえば、デベロッパが開発したいプラットホームとして、回答者の66%がWindows 8を挙げている(喜べ!Microsoft!)。ChromeOSは47%、率が低いのはBlackberry 10の13%、Tizenの8%となっている。ただし、実際に世に出るアプリケーションがこの比率になるわけではない。回答者は企業のデベロッパが多く、個人的に自由に開発プラットホームを選ぶ、という状況ではなさそうだ。

調査対象となった5000名のデベロッパの、51%が中小企業、スタートアップが29%、大企業が20%となっている。彼らのHTML5への関心は、この調査以前からあったと思われ、そのことが、調査結果に見られるHTML5への好感度にも表れているようだ。

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ネイティブ開発の難度がもっとも高いと感じられているプラットホームは、BlackberryとiOSである(下図)。 Windows 8とWindows Phone 8はもっとも容易という評価になり、Androidは中間だ。Anglinによると、デベロッパはWindowsでもHTML5でアプリケーションを書けるけれども、しかしMicrosoftがきわめて強力なツールセットをデベロッパに提供しているからだ、という。つまり、ツールが充実しているプラットホームだ、ということ。

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HTML5でどんなアプリケーションを開発しているのか? トップは生産性アプリ(OA関連)の54%、次位がユーティリティの38%だ。エンタテイメントやライフスタイル、旅行、ゲームなどは下位である(下図)。

また、回答者たちが答えている現代のもっとも重要なWeb技術は、フォーム、ヴァリデーション(validation,本人性確認)、データベース、柔軟なレイアウト(グリッドやフレックスボックスなど)、となっている。

Types_of_apps_build_with_HTML5
〔LOB, line of business …業種別・業務別〕

〔参考: Telerik, Kendo UI関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google+プラットフォームがメジャー・アップデートしてサードパーティーのサービスにG+アカウントでサインインが可能に―「ソーシャルスパムなし」が自慢

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Googleは先ほど、Google+プラットフォームのメジャー・アップデートリリースした。今回のアップデートの目玉はGoogle+のログインでサードパーティーのサイトへのサインインが可能になったことだ。このGoogle+のアカウントによるサードパーティーへのログイン・サービスは、Googleによれば「現在のGoogleによる認証システムよりはるかに高機能だ。ただし旧バージョンも従来どおり機能する」とのこと。

このサインイン機能を利用するとユーザーはサードパーティーのウェブやモバイルのサイトに新たに登録する際、Googleアカウントが利用でき、さらにGoogle+のプロフィールを持ち込める。つまり新しいユーザー名やパスワードをいちいち用意する必要がない(この点ではFacebook Connectとほぼ同様の機能だ)。

新システムでは従来からGoogleが推奨している2段階認証やOAuth 2.0が利用できる。しかしそれだけではなく、デベロッパーは必要に応じてさらに多くの新機能を利用できる。たとえば、サイトの訪問者がワンクリックでAndroidアプリをインストールできるようにしたり、FitbitのデータやShazamのコンテンツを直接Google+のプロフィールに掲載したり、相手を選んでタイムラインに流して共有できるという。

すでにBanjo、Beautylish、Fancy、Fitbit、Flixster、The Guardian、OpenTable、Shazam、TuneInRadio、USA TodayがGoogleの新しいサインイン/ログイン機能をサポートしている。

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Googleによれば、この新システムにはいくつか重要なメリットがあるという。中心となるのはもちろんサードパーティーへのログイン機能そのものだが、ユーザーから見た場合は現在のGoogleログインと事実上変わらない。昨日、Googleの担当者に取材したところ「メジャー・アップデート後もユーザー体験が変わらないようにすることに特に気を配った」という。

新機能はウェブ、iOS、Androidのすべてをサポートする(もちろんワンクリック・インストールはAndroidのみ)。アップデートが世界の全ユーザーに公開されるにはここ数日かかる見込みだ。

では今回のアップデートで本当に変わったのは何か? それはログインシステムを利用した機能拡張だ。


対話的共有

GoogleはGoogle+に「対話的共有」と呼ばれるボタンを追加した。デベロッパーはこのボタンにさまざまな機能を実装することができる。Googleではデベロッパーの自サイトやモバイル・アプリのの関連ページにジャンプする、プロダクトを購入したりレビューしたりする、音楽を再生する、など100種類以上のアクションを用意している。対話的共有ボタンを使えばGoogle+の投稿にこうした機能が簡単に導入できるようになる。.

選択的共有

Google+チームは以前から「デベロッパーががユーザーのストリームに自動的に投稿を送り込むようなことを許すつもりはない」と言ってきた。「そんなことをするのはスパムに等しい」というのがチームの見解だ。今日のアップデートもその約束に違わず、依然としてユーザーのボタンクリックという積極的行動なしにデベロッパーがユーザーのタイムラインにメッセージを送ることはできない。しかしボタンがクリックされた後はGoogle+のプロフィールのページを自動的に更新できるなど、デベロッパーには自由が増えた。

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Googleチームは私の取材に対し、スパム防止と情報共有の調和に関して次のように説明した。

われわれはアプリや個人が他のユーザーのニュース・ストリームににスパムすることを防止しようと務めてきた。一方、Google+ではサークルを選んで情報を共有できる機能を提供している。そこでわれわれはユーザーがストリーム中で明示的に共有を選択しないかぎり、その情報はユーザー自身のプロフィール・ページのみに表示されるようにした。ユーザーはその後、プロフィール・ページ中から任意の情報を選択してGoogle+上に改めて公開することができる(たとえば今日聞いた音楽の曲名や一日に何歩歩いたかなどの情報)。

ユーザーがサークルや個人を指定して共有した情報はすべてその相手のウェブなりモバイル・アプリなりの通知バーに表示される。Googleによれば、これはメッセージができるだけ正確に意図した相手にのみ表示されるようにするためだという。

これがどう機能するのか例を見てみよう。Fitbitはユーザーが「毎日何歩運動したか」を自動的にプロフィールに表示して共有できるようにする。実際の手順はこうだ。ユーザーはGoogle+アカウントでFitbitにログインする。次にFitbitが提供する情報のうち共有したい種類を選び、次に共有相手のリストないし個人を選ぶ。

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一方、Fancyのようなサービスでは、ログインの際にユーザーがそのAndroidアプリをインストールしていないことを探知した場合、ユーザーにアプリをインストールするか尋ねる。これでデベロッパーはアプリのインストールするを(Googleの表現によれば)魔法のように増やせるのだという。ただし現在のところアプリのワンクリック・インストールは無料のみがサポートされている。

Googleはデベロッパーに新システムへの早期移行を勧めているが、今後も旧システムは機能させる。新システムのリリースにあたたってのパートナーの一つ、OpenTableは私の取材に対して、「Google+を利用したウェブとモバイル・アプリへのサインインへの新システムへの移行はごく短時間ですんだ」と語った。Googleは「新システムの基本的部分の実装には1時間もかからないだろう。対話的共有や選択的共有機能を駆使した複雑なシステムの開発でも2週間程度でできる」という。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

TokBoxのWebRTCによるビデオチャットがFirefoxのNightlyとAuroraに対応

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スペインのTelefónicaが2012年に買収したTokBoxは、ビデオチャットサービスの中では早くからWebRTC(Web Real-Time Communication API)を採用した企業の一つだが、今WebRTCは、プラグインが要らずブラウザ本体の中でビデオやオーディオのリアルタイム通信ができる技術として、標準規格の整備が急がれている。TokBoxは、今年初めにChromeで使えるようになったのに続き、今日(米国時間2/25)はMozillaのFirefoxにも対応した。ただしFirefoxの最終安定バージョンではなく、先進機能をテストしているバージョンであるAuroraとNightlyにおいてだ。そこでFirefoxのデベロッパたちはTokBoxのWebRTCバージョンであるOpenTokプラットホームを利用して、自分のアプリにビデオ通信機能、たとえばビデオチャットなどを実装できることになった。そのチャットは今や、iOSとChromeとFirefoxのユーザ間で可能だ。

WebRTCがFirefoxの先行リリースバージョンに載ったということは、安定リリースバージョンではバージョン21か22あたりでWebRTCがサポートされるのかもしれない(今はバージョン19)。

tokbox screenshot

TokBoxのCEO Ian Smallの話では、同社がMozillaとの共同作業を開始したのは昨年の11月ごろだ。彼のチームはMozillaによるWebRTCの実装に初期段階からアクセスできることになり、実装の安定化に向けてのMozillaの努力につきあってきた。TokBoxのOpenTokプラットホームは、デベロッパがWebRTCのブラウザごとの実装の違いを気にする必要がなく、またビデオを大量のビューワにブロードキャストしたり、ビデオを録画するなど、ふつうのブラウザネイティブのWebRTCアプリケーションにはないようなサービスも提供している。OpenTokは、同社(TokBox)によれば、7万あまりの企業や団体が使っており、その中にはMajor League Baseball、Ford、Bridgestone、それにリモートプレゼンスを提供するスタートアップDouble Roboticsなどがいる。

Smallによると、“Firefox 21(近未来)とChrome 25(現在)の間で、安定的な相互運用性が得られるようになるだろう”、という。彼によると、WebRTC自身がまだ幼児期であり、ブラウザ内のネイティブバージョンを使って2人の人間のチャットは可能でも、グループチャットや録画は多くの実装がサポートしていない。またWebRTCの標準規格も、それらの機能ははサポートしていない。またTokBoxにおけるSmall自身のWebRTC体験に基づくと、その仕様はGoogleのVP8形式以外のビデオコーデックにも対応すべきだ。そしてまた、アプリケーションがユーザにより多くの帯域を許容できるために、帯域の割り当てをWebRTCの標準規格に(標準機能として)盛り込むべきだ、と彼は語った。

このように、課題や問題はいろいろあるけど、Small曰く、今年の後半はWebRTCがデベロッパ界隈で本格普及期に入る。今やモバイルでもデスクトップでも、主なブラウザがすべて、WebRTCをサポートしているのだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユーザーが達成感に浸る瞬間に広告を表示するKiipが日本展開を本格的に開始

新しいモバイル広告プラットフォームを構築しているKiipが本日、日本国内でO2O施策を開始することを発表した。Kiipは2010年に当時19歳のBrian Wong氏が創業したスタートアップで、スマートフォン向けに興味深い形で広告を配信している。

Kiipの広告配信システムについては本誌でも何度か取り上げているが、ゲームでステージをクリアしたりレベルが上がるといった何かを達成した瞬間に広告を表示するサービスだ。この瞬間をBrian Wong氏はハッピーモーメントと呼んでいるのだが、ユーザーが達成感に浸っている時に広告を表示してエンゲージメントを高めることを狙っているようだ。

また、Kiipの特徴は単なる宣伝の広告ではなく、ユーザーのメリットが大きい商品などのクーポンが中心になっている。例えば、一番わかりやすい例だとランニングを管理するアプリで、10kmを完走した瞬間に水のクーポンが出る。といったように、実際に使えるものが多い。

このスタートアップが日本でO2O施策を展開する。大手コンビニチェーンのローソンと組み、アチーブメント広告にフライドフーズの「Lチキ」の無料クーポンを採用する。ローソンといえば、LINEでもいち早くアカウントを開設しスタンプで自社のキャラクターを流行らせるなど、新しい施策には積極的に取り組んでいる印象が強い。

ローソンがなぜKiipを活用するのか、それはこの広告システムの高いCTRが魅力的だからだろう。Kiipと提携しているCGMマーケティングの杉崎健史氏によると、日本では第一事例として共通ポイントのPonta(ポンタ)がKiipを利用したそうだが、この時のCTRはなんと12%にもなったという。

普通のバナー広告のCTRが0.12パーセントほどだというので、約100倍の数字だ。この数字は何かを達成した瞬間に表示される広告のポップアップをタップした割合で、そこからクーポンをもらうためにメールアドレスを入力したユーザーはそのうちの2%、最終的にクーポンを使ったユーザーは5%となっている。

共通ポイントのPontaの広告でコンバージョンがこれだけ高いので、コンビニで簡単にチキンをもらえるとなると、ローソンの広告はもっと高い数字が見込めるかもしれない。

Kiipの広告はアプリ提供者側にとって、他の広告システムよりもユーザーの邪魔にならないし、収益も高い。だが、懸念事項として広告が表示され、メールアドレスを入力し、クーポンをもらうためにメールボックスを見るという行動によりゲームプレイを中断させることになる。とくにステージクリアをした瞬間というのはキリが良いので、離脱率が高くなってしまうかもしれないと考える方も居るだろう。

でも心配はいらないようだ。Kiipを利用してゲーム達成時の広告を導入したアプリは現在約700存在するが、これらのうち68パーセントのアプリが利用時間を伸ばし、31パーセントがより頻繁にアプリを起動され、30パーセントが利用日数の拡大に成功したという。

アプリそのものに飽きてしまっても、そのアプリで遊べば何かクーポンがもらえるかもしれないという気持ちが芽生えるのかもしれない。

Kiipではユーザーが逃げてしまわないように、広告はすぐ消せたり、アドレス入力のシーンでは広告をクリッカブルにしないなど、細かい配慮もしているそうだ。

今後の展開としてはローソンとの施策をはじめ、ドラッグストアや他のコンビニでもO2O施策を開始する予定だ。

現状では広告主の数が少ないため、ゲームと広告に関連性が無いものが多い点が気になるが規模が大きくなるにつれて改善されるのだろう。

なお、Kiipはデジタルガレージなどから資金を調達しており、日本国内ではデジタルガレージの子会社であるCGMマーケティングとともに展開していく。

ユーザーはGoogle+を使っていることに気づかないという調査結果―「コンテンツごちゃまぜ」作戦が効果を増している

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編集部:この記事はConde NastのPARADE Magazineの上級開発者、元Forbes記者のTaylor Buleyの寄稿〕

Google自身が昨年12月に発表したところによると、Google+の登録ユーザーは5億人、G+ボタンを押すなどなんらかの活動しているユーザーは2億3500万人、実際にGoogle+ストリームにアクセスするユーザーは1億3500万人だという。しかし別の調査によると、実態はもう少し複雑らしい。

Pewリサーチ・センターが最近発表したソーシャル・メディア調査によると、オンラインの成人の67%がFacebookを利用していると回答している。Pinterestは16%、Twitterは15%だった。ところがこの調査結果にはGoogle+(世界でナンバー2のネットワークと自称)がまったく出て来ない。

調査を企画したMaeve Duggan,によれば、これには理由があるのだという。「本番の調査の前にテスト調査で、われわれはGoogle+を他のGoogleサービスと区別することが非常に難しいことを発見した。そのため今回の調査ではGoogle+を対象から除外せざるを得なかった」とDugganはTechCrunchへのメールで説明している。

トラフィックをサードパーティーが推測するのはいつでも難しい作業だ。たとえばTrendstreamはGlobalWebIndexという調査を最近発表し、Google+のユーザーを1億5000万人としている。この数字はその後ウェブ上のあちこちで引用されているが、調査方法などその裏付けとなると明らかでない。PewのDugganの説明が正しくて、自分が単にGoogleのアカウントを持っているだけなのか、実際に何らかの形でGoogle+を使っているのかユーザーが区別しずらいとするなら、GlobalWebuIndexの調査結果も見直しが必要だろう。

PewのDugganに私は「ユーザーがgmail、googleドキュメンその他のGoogleサービスとGoolgle+を区別しにくいという理由は何だと考えるか?」と尋ねたたが、Dugganは「われわれはデータの背後の事情について推測はしないことにしている」という返事だった。しかし敢えて推測するなら、たとえば一般ユーザーはBacon numbers〔ケビン・ベーコンと他の俳優との共演関係の次元数〕やさまざまなウェブ・ツールなどをそもそもGoogleが提供していることさえ意識しているか疑わしい。

Googleの競争相手にとって悪いニュースは、Pewの調査で明らかになったようなGoogleのさまざまなサービスやコンテンツの「ごちゃ混ぜ」作戦が効果を増しているように見えることだ

昨年のFTC〔連邦取引委員会〕のGooogleの反競争的行為に関する調査はおおむね不発に終わったものの、検索と他のサービスの関係が不透明だというのが主要な疑惑の一つだった。たとえばレストラン・レビューのYelpは、「Googleは自社の劣った同種のサービスを有利にするために検索結果でYelpの情報を歪めている」と主張した

Googleには批判が集まったものの、結局「検索やオンライン・サービスは非常に競争の激しい市場であり、競合サービスがより優れていればユーザーは一瞬で乗り換えることができる」という主張が認められた。 Googleは10の事実というマニフェストで大胆にも「ユーザーが一刻も早く自社のホームページから離れることを目標にしている会社は、世界中でもおそらく Google だけでしょう」と述べている。

Googleの競争相手にとって悪いニュースは、Pewの調査で明らかになったようなGoogleのさまざまなサービスやコンテンツの「ごちゃ混ぜ」作戦が効果を増しているように見えることだ。Googleのさまざまなサービスに導入された黒いGoogleバーはGoogle+と他のプロダクトの混合を効果的に助けている。またGoogleはAdPlannerサイトでウェブの主要なドメインのトラフィックをすべて公開している―ただしGoogle.com自身のデータは公開していない

しかし情報が混沌としているのはGoogleだけではない。たとえばPinterestにしても2012年にForbesは「Pinterestのトラフィックは巨大だが、売上はついていっていない」という記事を掲載した。しかし最近のEntrepreneurの記事ではそれと逆に収益性も順調に改善しているとしている。

またサービスが違えば、ユーザー数の意味あいも違っている。Twitterのアカウントを取得したユーザーと、Googleのサービスのどこかで「Google+にアップグレード」というボタンを押しただけのユーザーを同じに扱ってよいかどうかという疑問も出てくる。

当面もっとも信頼性が高いのはISPのハードウェアでパケットをモニタすることだろう。この方法はプライバシーに関して疑念なしとしないが、それと別にNielsenがWallStreet Journalの取材に対して答えたところではNetflixがDRMで保護されたビデオのパケットを暗号化しているためトラフィック調査は困難だったという。こうした動きは次第に広がりそうだ。

とはいえ、Google+にせよ他のソーシャル・サービスにせよ、理解するためにユーザーの細かい数字がどうしても必要というわけではない。Facebookは時折大台に乗ったことを発表して大いに強い印象を与えるのに成功しているが、そうした公式の数字なしでもわれわれはサービスの勢いを十分に感じることができる。Google+にせよ他のサービスにせよ、われわれのユーザーとしての実感がいちばん確実な情報源だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Yota、シンガポールにてE-Ink画面搭載のデュアルスクリーン・スマートフォンの製造を開始

yotaphoneロシアの電話機メーカーのYota Devicesが、シンガポールで初のE-Ink画面搭載デュアルスクリーンYotaPhoneの製造を開始する(訳者注:YotaPhoneについてはこちらの記事もご参照ください)。

シンガポールの製造業者でるHi-Pが製造ラインを配置することになった。

また、YotaのCOOであるLau Geckler曰く、アジアにおけるセールスオフィスおよび、同社2つめとなるR&D施設もシンガポールに構築するとのこと。1つめのR&D施設はフィンランドに設置されており、ロシアおよびアメリカの開発者からなるチームにより運営されているそうだ。

同時にYotaは、アジアおよびアメリカでの販売およびマーケティングスタッフを募集中でもある。今のところのロシア本社の社員数は55名。ここでソフトウェア開発およびデザインを行なっている。

Gecklerは昨年8月にYotaに入社したそうだが、現在も積極的な採用活動を繰り広げているところなのだそうだ。ちなみにGeckler入社時の社員数は15名だったとのことだ。

以前Gecklerに会った際もYotaPhoneを見せてくれた。そのときは充電器がゴムバンドで本体にとめてあり、まだプロトタイプなのだと説明していた。しかしいよいよ正式な製造ラインを稼働させて、間に合わせ部分などないマスプロダクションに入ることとなるわけだ。

生産規模がどの程度のものになるのかについては教えてもらえなかった。しかし大量生産の目処がつけば、中国などで安価な製造ラインを構築することも可能な契約となっているような印象を受けた。製造プロセスについても、可能な限り自社の権利を確保する条件で事を進めているのだそうだ。

但し、他の製造ラインを直ちに準備するという予定はないとのこと。またシンガポール、日本、インドネシア、あるいは香港などのアジア地域よりも先に、まずロシアでの販売を開始することは決定事項であるそうだ。ただ、とくに日本からは、E-Ink画面も搭載したデュアルスクリーン・スマートフォンに対する引き合いが多くあるのだそうだ。「日本市場ではかなりの成功が見込めるのかもしれません」とGecklerは述べている。

Yota Devicesはロシアの通信会社であるYotaから、2011年12月にスピンオフした企業だ。通信会社であったYotaの方は現在、ロシア内のMegafonという通信会社と合併している。

Yota DevicesはこれまでにはLTEモデム、ルーター、ドングルなどを手がけてきている。今日までに300万台程度の売り上げをあげてきており、うち昨年の売り上げが100万台だったのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)

WordPress.com、一連の「分野向け」サイト構築ツールに「教育系」を追加

chalkboardWordPress.comが教育系サイトを簡単に構築する機能をまとめたページを公開している。先生が、自分のクラスの内容をまとめた格好良いページを簡単に作成できるようにするものだ。WordPress.comというのは、オープンソースのコンテンツ管理システムであるWordPressを利用することができるオンラインサービス。このWordPress.comでは、ここ数ヵ月にわたってレストランサイトミュージシャンのためのサイト、あるいは個人用ポートフォリオ作成のためのサイトを構築するためのページを次々に公開している。今回のものもこの流れの一環であり、教育ビジネス分野にも参入することとなったわけだ。

教育用ページの立ちあげにともなって、Chalkboardなどの教育用テーマもいろいろとリリースしている。

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「高校の歴史プロジェクトで利用するグループブログが必要であったり、あるいは小学生のクラスで、校外学習についての案内を父兄に対して行いたいときなど、WordPress.comにはベストなソリューションが用意されています」とのこと。学校側の決め事や、あるいは両親からの希望により、クラスの情報を外部に対して完全にオープンにしたくないというケースもあるだろう。そうした場合、サイト全体ないしは個々のページをパスワードによって非公開にすることもできる。

features-organizeいろいろと新しい分野向けのツールをリリースしているのは、WordPressの柔軟性を示すことが目的だ。テーマを自在に設定して、投稿の表示スタイルも自由に調整することができる。基本的で汎用的なブログツールとしてではなく、特定の業界向けにカスタマイズした機能もいろいろと備えていることをアピールしようとしているわけだ。

WordPress

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(翻訳:Maeda, H)

Galaxy Note 8.0詳報―触らずにプレビューできるAir ViewサポートのFlipboard、iOSで人気のノート、Awsome Noteなどがバンドルされる

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今日(米国時間2/23)、SamsungはバルセロナのMobile World Congress 2013でGalaxy Note 8.0を発表した。これでSamsungも小型タブレット分野でiPadMiniに対抗する切り札を得たことになる。スクリーンサイズはわずか2.5mmだがiPad Miniより大きい( Velazco記者の使用感の記事も参照)。

ハードウェアと同時にSamsungはホバリング操作やアプリなどいくつかの新しい機能とサービスを導入した。Appleに対抗するにはサービスと機能というソフト面を消費者に訴えかけることが重要だとSamsungも認識しているようだ。

触らずに浮かせるだけでよい

Note 8.0ではSamsungお得意のスタイラス、S Penがアップグレードされ、タッチスクリーンだけでなくナビゲーション・ボタンも操作できるようになった。機能も強化されている。SPenを画面の上に浮かせるとプレビューが表示されるAir View機能がサードパーティーのアプリでも作動するようになった。Air Viewをサポートする最初のサードパーティー・アプリはソーシャル・ニュース購読のFlipboardだ。タイル状に配置されたニュースのどれかにペンを近づけるとプレビューがポップアップする。

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「ペンでタッチすればすむことなのにこんな機能が何の役に立つのか?」という疑問ももっっともだが、Air Viewの機能が拡張されればやはり便利な使い道が出てくるようなると思う。たとえば、タッチスクリーンで苛立たしいのはうっかり広告に触って開いてしまうことだが、Aire Viewによるプレビューができればこれがだいぶ防げるだろう。

Googleは広告の間違いクリックを減らすために努力をしている。一部のメーカーはぶきっちょなユーザー向けにタッチスクリーンの感度を落とすことも試みている。アイテムを選択する前にペンをかざしただけでプレビューが表示されるというのも間違いクリック対策の一つになるかもしれない。

Flipboardのアプリだけでなく、ファイル・フォルダ、メール、写真やビデオのギャラリー、ノートなどですでにAire Viewが有効になっている。デベロッパーがアプリをアップデートするにつれて今後さらに多くのアプリがサポートされる予定だ。

新アプリ、既存アプリの強化

Note 8.0ではFlipboard以外にもいくつか新アプリが登場している。

SamsungはNoteシリーズを通常のタブレットより小型で日常楽に持ち歩ける生産性ツールと位置づけている。今回リリースされたAwesomeNoteは、to-doリスト、記念日、買い物などさまざまなカテゴリー別にタスクを記録し、進捗状況を把握できる高機能ノートだ。iOS版はAppStoreのHall of Famedeアプリに選ばれており、フル機能のiPad版は4.99ドルの有料アプリだ。

開発元のBRIDは今回Android版をGoogle Playストアにリリースした。こちらも有料アプリだが、SamsungはNote 8.0に「発売開始から少なくとも1年」は無料でバンドルするという。

その他、最新版(2.0)のSamsung Chat-On、クロスメディア、クロスプラットフォームのメッセージ・サービス、読書用にスクリーンの輝度を調整するReadingMode、テレビなどの汎用リモコン兼電子番組表、Smart Remoteなどのアプリがプレインストールされる。なかでも、多くの(アメリカでは80%もの)消費者が最近タブレットを手元に置いてテレビを見るようになったので、Smart Remoteは役に立つだろう。

アメリカでは通話機能がサポートされない

Velazco記者も指摘していたようにタブレットのカメラは一般にあまり高性能ではない。Note 8.0もそうだが、タブレットでこんな具合に写真を撮るユーザーはそもそも多くないだろう。

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またタブレットを携帯電話に使うユーザーも少ないはずだ。

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Samsungの担当者によれば、Note 8.0は「スマートフォンのすべての機能をタブレットに詰め込んだ」のだというが、アメリカで発売される際にはWiFi版でもその後にリリースされる3G/LTE版でも音声通話機能はサポートされないという。アメリカのキャリアがスマートフォンと共食いしないようにSamsungに通話機能の削除を求めたためなのか、他に独自の理由があるのかは不明だ。

なるほど通常タブレットに向かって話しかけたりしないが、通話機能があれば便利なときもあるのでこれは残念だ。今回テストしたNote 8.0には通話機能があり、問題なく作動して音質も良かった。アメリカ以外の地域に出荷される製品には音声通話機能がサポートされるという。

ノートルダム聖堂の写真: Tumblr

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

人間が恐竜と共存したと主張する生徒を不合格にしたら違法!?

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アメリカの科学教育がグローバルな競争にさらされている中で、オクラホマ州はこのほど、人間が恐竜と共存したと主張する生徒に生物学の教師が落第点をつけることを禁じる州法を制定した。州議会の教育基準委員会が承認したその法律では、広く受け入れられている科学的理論、たとえば進化や気候変動などを否定する生徒を、教師が罰することを禁じている。

“この法案を提出したのは、教師や生徒が、教科書に書かれていることに反論することを、おそれないようにするためだ”、共和党州議Gus Blackwellがこう述べている。彼は、このScientific Education and Academic Freedom Act(科学教育と学問の自由法)の賛成派であり、委員会をパスした同法は、これから州議会にかけられる。

生徒は、教科書中の素材に基づくテストを拒否することはできない。しかし、“いかなる公立学校や教育施設の生徒たりとも、その生徒が特定の立場の科学的理論に賛同していることをもって罰せられてはならない”、とその州法案は言っている[PDF]。

しかし、誰もがその法案に喜んでいるわけではない。“圧倒的多数の科学者たちが、進化論には科学的な弱点がない、と言うだろう”、国立科学教育センターの教育部長Eric Meikleが、Mother Jones誌でそう語っている。“すべての教師と親と教育委員会が、教育内容を自分で勝手に決められるなら、国中が混沌状態になる。有史以来検討されたすべての科学理論*を正当化することによって、子どもたちの脳を混乱させるべきではない”。〔*: 大地を四頭の巨象が支えている、という“科学理論”もある。〕

〔原文は、日本時間2月23日お昼の時点で、コメントが300を超えている。すごい!〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

業界にHTML5へのためらいがある中で, Ludeiが7つのストアに一つのゲームを同時プッシュ

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Facebookは、モバイル戦略においてHTML5に取り組んだのは無意味な遠回りだったと認めたが、クロスプラットホーム化による開発コストの激減に大きな魅力を感じるゲームデベロッパ、たとえばLudeiやGameClosureなどは、まだこのテクノロジへの賭け金を引っ込めない。

彼らが期待しているのは、多様な機種によるAndroidの分裂(多態化)の激化とiOSの新しいフォーマットという今後のコスト増大要素に対して、HTML5のスタンダードの進化、この二者を天秤にかけた場合に、デベロッパにとって後者の価値がどんどん増してくることだ。

サンフランシスコで、デベロッパたちにゲームの開発プラットホームを提供し、自らもゲームを作っているLudeiによれば、同社は今日(米国時間2/22)、iBasketというゲームを単一のコードベースから7つの異なるアプリストアへ一斉にプッシュした。すなわちそのゲームのHTML5バージョンを、一つのコードベースから、iOS App StoreGoogle Play、Amazon Appstore、Nook store、Facebook、Firefox、Chromeの各ストアへと送り込んだのだ。

“HTML5がわれわれを裏切った、とか、われわれがHTML5で失敗した、という感触がある”、LudeiのCEO Eneko Knorrはこう語る。“否定的な感触がとても大きい”。

Ludeiの実動プロジェクトは今およそ1500あるが、同社は一つのアプリで概念実証をやろうとしている。そのために選んだのが、同社でもっとも成功したゲームiBasketだ。これは1500万回ダウンロードされたが、今それをHTML5ベースに改作して7つの異なるストアとプラットホームで同時に発売したのだ。

“今の現実はここまで来ている、とみんなが納得したとき、うちはよそのデベロッパたちが自分たちのゲームの改作を3〜5か月でフィニッシュするのを、指をくわえて見ているわけにはいかない”、と彼は言う。“だから、やるなら今からやるのだ”。

同社と競合するGameClosureも、HTML5向けに先週SDKを一般公開し、1200万ドル以上のベンチャー資金を調達した。このほか、SpaceportやMarmaladeなども、いくつかのクロスプラットホームツールを提供している。

iBasketのフレームレートは60fpsで、さらにその中には、支払決済、広告、マルチプレーヤーモードのようなソーシャル機能、などの層もある。同社にはさらに、ゲームのパフォーマンスを上げるための拡張API、ゲームエンジンCAAT、プッシュ通知のための拡張、アップデートとアクセス分析を管理するクラウドサービス、などがある。

“必要があれば、元のパッケージに戻すことも、すぐにできる。AmazonとGoogle PlayならAndroid用のAPK、iOSならApp Storeのパッケージだ。うちはインフラ屋だから、ゲームエンジンもある”、Ludeiの社長Joe Monastieroはそう言う。彼が前にいたスタートアップappMobiは、その一部をIntelに売ったばかりだ。

同社のプラットホームから生まれたHTML5ゲームは、すでに150あまりある。Lost Decade GamesのOnslaught DefenseLunch Bug、shortblackmoccaのRhino Hero、 D LewisのReady to Rollなどだ。

同社はそのインフラサービスを今年のたぶんQ2までは無料にする。“大半のデベロッパには今後も無料だ。成功したゲームには課金する予定だが”、とMonastieroは語る。“デベロッパの80%は、永久に無料だと思うね”。

Ludeiは、Knorrと、彼のインキュベータIdeatecaから、200万ドルの起業資金を得ている。

“とてもおもしろい世界になるね。冷たい水にうち一人で長年入っていたけど、水がぬるくなったらほかのみんなも飛び込んでくるだろう”、がMonastieroの説だ。

Facebookも昨年の半ばまではゲームデベロッパにHTML5をプッシュしていたが、それはライバルのGoogleやAppleに開発の主導権を握られたくないからだ。でも、自らのアプリも、そしてサードパーティのゲームも、パフォーマンスに問題があることが分かって以来、HTML5を見限った。だが、今後はどうなるか。

HTML5のゲームのデモLudeiより(ビデオはVimeo)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが改良版UDPとしてQUICというプロトコルを開発中(らしい)

google logo

昨日のFrançois Beaufortは最高に幸せだった。今月初めに彼が見つけてリークしたChromebook Pixelのビデオが本物であると分かっただけでなく、彼はGoogleがChromeに、QUICと呼ばれる新しい通信プロトコルを実装中であることに気づいた。このプロトコルはどうやら、インターネットの、TCPに次いで重要なトランスポート層プロトコルの一つであるUDP(User Datagram Protocol)の、改良版をねらっているようだ。

手順が簡素なためTCPよりも速いUDPは、主にビデオやオーディオ、あるいはゲームなどの高速なリアルタイム性を要求されるアプリケーションでよく利用される。二つのマシン間にダイレクトな接続を維持するので、待ち時間が短いことが重要なリアルタイムアプリケーションや、データのストリーミングには理想的だ。しかし、速いことの代償として、UDPにはTCPプロトコルなどが持つ(データ片の到着順などの)確実性を欠いている。

QUICもやはり、ストリーミングを意識したプロトコルのようだが、暗号化を内蔵しているとか、基本的な確実性制御があるなどの、高機能化が図られているらしい。

このプロジェクトがChromeの開発プロジェクトにマージされたのはほんの数日前のようだが、プロジェクトが始まったのは昨年の終わりごろだ。一部の人たちは当時からすでに気づいていたが、Google側は何も発表も声明もしなかった。しかし今では、Chromeのオープンソース版であるChromiumプロジェクトの中核に収まっているみたいだ。

Googleに問い合わせたが、担当者は“否定はしない”を意味するワンパターンの答をくれただけだ: “チームはたえず各種の新しい機能をテストしております。現時点では、新たに発表すべきものはございません。”

GoogleはWebの基幹プロトコルであるアプリケーション層プロトコル、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に関しても、SPDYという改良版の開発を進めている。そしてその成果の多くが、HTTP 2.0の標準規格に盛り込まれるものと思われる。GoogleはQUICに関しても、それがUDPの正規規格の一部になることを望んでいるのだろう。UDPの高速性を維持しながら信頼性と確実性とセキュリティがある、だから単にGoogleのアプリケーションの高速化に貢献するだけでなく、インターネットそのものの標準低レベルプロトコルとして採用されることが、Googleの利益にもかなうはずなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CloudOn 4.0でMicrosoft OfficeがAndroid携帯にやってくる

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CloudOnは、iOS(スマートフォン/タブレット)とAndroid(タブレットのみ)からMicrosoft Officeにアクセスできるアプリだが、今日(米国時間2/21)からはAndroidのスマートフォンでもOfficeの文書を作る・見る・編集する・共有するができるようになる。

CloudOnによると、現在そのアプリのダウンロード数は平均して月に54000回だ。これまでで最高の日は、昨年の12月20日の9万回あまりだった。

ファイルに生じたアクティビティをニューズフィード的に教えてくれるFileSpaceもアップデートされた。知らせてくれるのは、ファイルへの注記記入、メモ記入、編集などの至近の履歴だが、CloudOnによれば、誰がいつ何をした、なんてことは、そのファイルがメールに乗ってあちこち行き来しているあいだに、分からなくなってしまいがちな情報だ。

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Androidスマートフォン用のバージョンでは、Microsoft Officeのリボンの改良版が導入された。これがあると、タッチ型のデバイスでは、アイコンとアイコンのあいだにスペースをあけたり、アイコンを大きくしたりして、作業をやりやすくすることができる。フォントサイズを指定したり、トラックを変更したり、テーブルを作ったりなどの頻用される機能が、より簡単にできるようになる。

iOSとAndroidのタブレットバージョン同様に、Androidスマートフォンでも文書をランドスケープで見られる、どんなファイルにも注記記入ができる、そして、ファイルはDropboxやSkyDrive、Google Driveなどのクラウドストレージサービスにあるやつでも、CloudOnからアクセスできる。CloudOn自身は、ストレージサービスをやる気はない。

CloudOnのCEO Milind Gadekarが今日の発表声明で、“CloudOnがAndroidのエコシステム全体で可利用になったことを、嬉しく思います。これまでよりもさらに多くの熱心なお客様にお会いできることが、楽しみです”、とごあいさつを述べている。“Microsoft OfficeをAndroidの携帯電話に持ち込むだけでなく、コンテンツを作るためのベターな方法をご提供し、また製品の今後の成長と共に、文書を取り巻く重要なコンテキスト情報にもアクセスできるようにしていく所存です”、だと。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IntelはHTML5力強化に真剣, appMobiから開発ツールセット一式を買い上げ

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Intelもやはり、モバイルアプリというステージの中央に居続けたいらしい。今日(米国時間2/21)同社は、appMobiが開発して15万名のユーザが使っている一連のHTML5開発ツールを買収し、そのメンテナンスのためにappMobiのスタッフを雇用した。appMobi本体は買収されず、モバイルアプリケーションのためのクラウドサービス企業として生き残る。今回の、ツールの権利に関する買収の条件は、非公開である。

この買収の件は、最初appMobiがユーザである15万名あまりのデベロッパに書簡を送る形で公開された。書簡のコピーが本誌TechCrunchにも送られてきたので、下に全文を引用しよう〔英文ママ〕。

その書簡の中でappMobiは、Intelの手中に渡るものを詳しく説明している。それらは、モバイルWebとWindows 8とWindows PhoneとiOSとAndroidなどなど多くのプラットホームをカバーするアプリ開発/試験ツールの集合だ。

Intelが買収したHTML5開発ツールは、appMobiのXDK IDE、PhoneGap XDK、GameDev XDK、モバイル開発フレームワークjqMobiとjqUI、HTML5アクセラレーションappStarter、アプリ制作ツールappSnap、ハイブリッドパッケージャOpenBuildとchromeBuild、オンデバイスデバッグツールdebugMobiとtestAnywhere、機能強化版WebブラウザMobius、Windows 8/Windows Phone 8用アプリテンプレート、iOS/Android用テストコンテナappLab、およびFacebookとTwitter用認証接続ライブラリである。

appMobiは今後継続するIntelとの(より有利な)戦略的関係を、支払の一部として受け取るらしい。またappMobiが提供を続けるクラウドサービスにおいても、これらの開発ツールは利用される。そのサービスの中には、iOS、Android、Windows 8、およびHTML5上のクロスプラットホームなアプリ収益化ソリューションがあり、モバイルだけでなくデスクトップもカバーしている。

これまで810万ドルのベンチャー資金を調達したappMobiがその事業の一部をIntelに売る気になった理由はよく分からないが、おそらく、アプリの収益化などのサービスを提供しているクラウド事業のほうが好調なのだろう。一方Intelは長年、モバイルアプリのデベロッパたちを取り込もうと努力してきたし、モバイルにおける影響力を高めたいと望んでいる。それは、本職のチップにおいてはもちろんのこと、AppUpのようなプロジェクトを通じて対外的に、そしてまた、内部的にもだ。今回のツール集合の買収も、やはりデベロッパとの関係を構築するための方策の一環である。これらのツールが、Intelの今後のバランスシートに大きく貢献ないし足を引っ張る、という性質のものではない。

下にappMobiがデベロッパユーザに宛てた書簡の全文を引用し、また今回の買収を説明しているビデオを埋め込んだ:

[書簡は英文ママ]

Dear appMobi Developers:

Today we are pleased to inform you about appMobi’s new strategic relationship with Intel that includes the acquisition of appMobi’s HTML5 development tools division and ongoing integration and availability of appMobi’s monetization and engagement cloud services.

You may not be aware that in 2012, our HTML5 developer base grew by 6X to over 150,000 and that growth rate is still increasing. We are especially proud of that growth and the fact that a powerful industry leader such as Intel has chosen to invest resources and capital to continue scaling the HTML5 ecosystem. As a top tier supporter of HTML5, Intel is ideal in this respect. We believe the combination of our HTML5 tools and services with Intel’s resources will make 2013 the “tipping point” year for HTML5.

For app developers, our relationship with Intel means an exponential increase in resources and R&D going into the tools that support cross platform development with HTML5. Intel’s strong and vocal support of HTML5 eliminates any doubts developers might have had about committing to an open, cross platform solution.

Migration of existing appMobi developer accounts and apps to Intel is seamless, following a one-time re-registration the first time a developer logs in.

The HTML5 development tools acquired by Intel include appMobi’s XDK IDE, PhoneGap XDK, GameDev XDK, jqMobi and jqUI mobile development frameworks, directCanvas HTML5 acceleration, appStarter and appSnap app creation tools, OpenBuild and chromeBuild hybrid app packagers, debugMobi and testAnywhere on-device debugging tools, Mobius enhanced web browser, Windows 8/ Windows Phone 8 app templates, appLab test containers for iOS and Android, and Facebook and Twitter authentication and connection libraries.

Going forward, appMobi continues as a strong, ‘pure play’ cloud services company, focused on advancing the HTML5 platform. The two biggest challenges facing app developers today are engagement and monetization. The appMobi cloud answers these challenges, delivering important capabilities to your mobile apps, including in-app purchasing, on-device updates, push messaging, app store analytics, social gamification, and much more.

As an appMobi developer, How will this affect me?

The short answer is that this is a great thing for you and your apps, and it validates your choice of appMobi for HTML5 development. Other than a one-time registration for Intel, there’s nothing else you need to do or change. It’s painless!

While appMobi is considered a leader in the mobile app development world, Intel is a top tier technology company, respected worldwide for its leadership and innovation. Intel now owns all the HTML5 development tools that made you choose appMobi, and they are committed to applying their resources and efforts to continue to improve and advance them. Although a few names will change, these tools will now be supported and enhanced by Intel.

As a pure-play cloud services company now, appMobi will still provide the solutions that power mobile apps across all platforms, giving your apps in-app purchasing, live updates, push messaging, gamification, app store analytics, and more. The availability and integration of our cloud services will be just as before, ensuring that you can continue to take advantage of the great engagement and monetization capabilities that appMobi has always offered for your current and future apps.

As an HTML5 developer, we hope you realize the importance of such a major industry player getting behind HTML5. It’s a huge step toward the continuing deployment, improvement, and ultimate success of HTML5.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))